月曜日, 7月 4, 2022
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クレオ、今春オープン 商業とオフィスの複合施設に つくば駅前

【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設クレオ(つくば市吾妻)が今春リニューアルオープンする。クレオを取得した日本エスコンによると、旧西武棟の1~3階は商業フロア、4~6階はオフィスなどの業務フロアとなる。 クレオ旧西武棟は2017年2月末に西武百貨店が撤退して以来、空き店舗となっていた。4年を経て中心市街地の新たな商業施設が始動する。一方、旧イオン棟跡は2022年11月の入居開始に向け18階建て218戸のマンション建設が進む。 当初、20年秋のオープンを目指していたが、新型コロナの影響で商業フロアに出店予定のテナントの足並みがそろわなくなり、半年遅れとなる。一方、4階オフィスは一足早く、2020年11月から入居が始まった。 商業フロアは、1階がスーパーマーケットとデパ地下型の食の専門店街。2階は家電、家具、衣料品など生活関連用品と教育施設。3階は体験型アミューズメントとスポーツ施設となる。計30~40店が入り、県内初出店の店も多いという。 オフィスとなる4~6階は3700坪(約1万2000平方メートル)と大規模。今後、IT系や外資系企業のほか、研究開発型企業の入居を進めていきたいとする。まだ空きスペースが残っており、入居企業を募集している。 さらに旧イオン棟跡に建設中のマンション2階にもカフェを新たにオープンさせる計画だ。

《吾妻カガミ》99 そろそろ決着? つくば市の2大案件

【コラム・坂本栄】つくば市が抱える2大プロジェクトの方向性が見えてきました。一つはどんな陸上競技場をどこに造るか、もう一つはTXつくば駅そばのつくばセンタービルをどうリニューアルするか、です。市当局は今春に最終案を決めたいようですが、県南を代表する市の計画としてはどちらも地味な感じがします。今回はこれらの内容を吟味しましょう。 地味な陸上競技場建設プラン 市が固めた陸上競技場案は、主に小中学生が利用することを想定する「第4種公認(第3種相当整備)」です。規格の表現ではイメージが湧きませんが、要は1周400メートルの全天候型8走路のトラックを造るというプランです。観客スタンドはメインが1500席、芝生が2500人分、駐車場は普通車400~500台だそうですから、市内の陸上競技会などには手ごろなサイズでしょう。 そこで県内の他施設はどうなっているのか調べました。茨城県営(ひたちなか市、笠松運動公園内)は第1種で2700台分の駐車場があります。水戸市営は第2種、石岡市営、日立市営、龍ケ崎市営は第3種だそうです。私が小学生の時に運動会をやり、市内5中学対抗(私は砲丸投げの代表!)を開いた土浦市営が第4種です。いろいろな意味で勢いのある学園都市つくばの陸上競技場が第4種では、少し地味ではないでしょうか。 ある県議とこの問題について話したことがあります。彼の構想は、県に掛け合って高規格(第1~2種)の県営競技場をつくば市内に造らせ、県南の各市にも建設費を分担してもらったらどうか、というものでした。つくば市という狭い世界に閉じこもるのではなく、より広い視野で考えれば、市の費用負担も少なくて済むというアイデアです。 どこに造るかについては、県立上郷高校跡地(7ヘクタール)と総合運動公園予定地跡(45ヘクタール)が候補に挙げられています。比較評価一覧に目を通すと、市はどうやら前者に誘導したいようです。アクセス路の利便性や拡張の可能性などは明らかに後者が上ですから、この選択には何か引っかかるものがあります。

つくば市民活動センター 指定管理者の応募ゼロ 来年4月から直営に

【鈴木宏子】市民のボランティア活動や社会貢献活動を支援するつくば市市民活動センター(同市吾妻)の運営が、来年4月から市直営になる。今年7月、市が来年度から3年間の指定管理者を公募したところ、応募がなかったためだ。市は今年3月策定の未来構想(総合計画)第2期戦略プランで同センターをさらに充実させることを明記し、指定管理料を2割引き上げた矢先だった。 同センターは2001年11月にオープンした。当初の運営は市直営だったが、07年度からNPOつくば市民活動推進機構が指定管理者として管理運営を担い、13年度から8年間は現在のNPOスマイル・ステーション(松浦幹司代表)が運営している。現在の指定期間は来年3月末で終了する。 同センターは、年末年始を除き、土日も休むことなく午前10時から午後10時まで毎日開館し、市民活動の場を提供してきた。同NPOが市に提出した事業報告書によると、19年度は年間1万3795人が施設を利用した。施設の貸し出し以外に、自主事業として市内のさまざまな市民活動の情報を収集して発信したり、相談に乗ったり、市中心市街地のつくばセンター広場でイベントを開催したり、自主講座や交流会を開催するなどして市民活動を支えた。 特に相談件数は年間211件と多く、助成金、ホームページ作成、市民ビジネスなど他分野にわたった。 19年度の事業費は年間約1400万円。うち市からの指定管理料収入は約1200万円。自主事業収入は約110万円で、収支は赤字だった。 コロナ禍、自主財源確保厳しく

議会から違和感相次ぐ「市民活動よりオフィスに重点?」 つくばセンタービル改修

【鈴木宏子】つくば市中心市街地活性化の担い手として、同市が来春設立予定のまちづくり会社(地域運営会社)と、同まちづくり会社がつくばセンタービル1階アイアイモール部分と4階吾妻交流センターを改修して貸しオフィスとして運営する事業計画について、五十嵐立青市長は25日、市議会12月議会閉会後開かれた議会全員協議会で説明した。 議会からは、4日にようやく示された、つくばイノベーションプラザ部分1~3階を新たな市民活動拠点にするというリニューアル計画と合わせて「市民活動よりオフィスの比率が大きいと感じる」「高齢者、障害者、中高生など、幅広い世代や多様な市民が集える場なのか」「日本エスコンが開発する商業・業務の複合施設クレオとの連携を図るべき」「磯崎新氏の思想が込められた建築にエスカレーターはいるのか」などの意見が相次いだ。 一方、市が当初検討していた、市所有の地下駐車場と1階アイアイモールの床の区分所有権を、まちづくり会社にあげて現物出資する案について五十嵐市長は、現物出資と賃貸を比較した結果、賃貸することが望ましいとした。現物出資に対しては、12月議会一般質問でも、まちづくり会社が破綻したらどうなるのかという懸念が出ていた。五十嵐市長は「破綻した場合(地下駐車場と1階アイアイモールの)区画がつくば市のものから第3者にわたる可能性があるため」だとした。 議会での説明によると、1階アイアイモール2500平方メートルには、シェアオフィス約1300平方メートルとコワーキングスペース約400平方メートルが整備される。改修費は約2億7300万円で、来春設立される地域運営会社が改修工事をし、利用料をとって貸しオフィスを運営する。吾妻交流センター部分もシェアオフィスにする計画だが、センタービル内の他の場所と等価交換する場合もある。 シェアオフィスの利用料は1坪(3.3平方メートル)月額1万3000円、コワーキングは1人月額1万3000円で貸し出し、5年目の想定として、シェアオフィスは9割、コワーキングは個人40人、法人20社強が利用し、貸しオフィスの利用料収入と駐車場利用料収入として年間約1億1500万円の賃料収入を想定しているとした。 まちづくり会社7つのプロジェクト

1階の旧飲食店街はオフィスに つくばセンタービル改修計画 屋根は取り止め

【鈴木宏子】議会からも市民からも十分な説明がないと批判がある、つくばセンタービル(同市吾妻)のリニューアル計画について、4日、市議会全員協議会が開かれ、五十嵐立青市長はリニューアル計画概要を説明した。旧レストラン街の1階アイアイモールを働く場を支援するオフィスとし、現在のつくばイノベーションプラザ1~3階は新たな市民活動拠点とする配置イメージが示された。 4日議会に説明があったつくばセンタービル1階配置イメージ図 一方、センター広場にドーム型屋根をとりつける計画は取り止めになった。屋根は、市が6月にホームページで「リニューアルの方向性案」を示した時点では、雨天時にもイベントが開催できるように計画されていた、市学園地区市街地振興室によると、屋根の計画に対してはさまざまな意見が市に寄せられたことなどから「デザインに配慮し取り止めた」という。同センタービルは、2019年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新氏の代表作の一つで、ポストモダン建築の代表作。 取り止めになったセンター広場のドーム型屋根のイメージ図 リニューアル計画によると、もともとはレストラン街だったが現在はすべての飲食店が撤退した1階アイアイモール約2500平方メートルは、働く人を支援する場とし、コワーキングスペース、テレビ会議ブース、シェアオフィスなどを整備する。子連れ出勤のサポートなど多様な働き方を支える場とし、来年3月に市と民間企業が出資して設立する予定のエリアマネジメント会社(まちづくり会社)が運営する。

【アングルつくば市長選】2 なぜ貸しオフィス、議会で論戦 センタービル改修

【鈴木宏子】「エリアマネジメント団体のビジネスプランはどうなっているのか。どういう経営収支で成り立つか分からないと、議会としても判断ができない」。6月に市がホームぺージ(HP)で示した「つくばセンタービルリニューアルの方向性案」をめぐり、9月議会一般質問で、山中真弓市議が経営収支計画を示すよう迫った。 エリアマネジメント団体とは、来年3月に市が主導して設立する予定のまちづくり団体だ。つくばセンタービル1階を改修して新たにつくる「多様な働き方を支援する場」を運営するほか、中心市街地のまちづくりを担うとされる。市は同団体に6000万円を出資する。加えて市所有のアイアイモールと地下駐車場の床の区分所有権の一部を渡し、現物出資することも検討している。 センタービルの改修案は、センタービル1階アイアイモールの一部に多様な働き方を支援する場をつくり、ノバホール西隣のつくばイノベーションプラザなどに吾妻交流センター、市民活動センター、国際交流、消費生活などの機能を集めた市民活動拠点をつくるとされる(6月26日付)。 併せてセンター広場に屋根を掛け、エスカレーターを設置することも検討されている。概算工事費は約13億6000万円。1983年に建設されて以来初の大規模改修工事になる。(6月28日付)。 一般質問では、改修計画自体が市民に周知されていないこと、さらに屋根を掛けることに対し「(つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家の代表作の一つであるなどから)磯崎新氏の思いを壊してしまうことにならないか」(山中氏)との疑問も出された。 一般質問を受け、市がようやく明らかにしたのは、▽エリアマネジメント団体の初期の必要事業費として4~6億円を想定している▽出資額割合や具体的収支は秋ごろには整理する▽次年度以降、市は運営費を負担する予定はない▽同団体の主な事業として、オープンカフェ、不足しているイベントの開催、シェアオフィスやコワーキングスペースの運営、情報発信をする▽市民活動拠点を含め、配置図案を11月ごろ市ホームぺージで公表し、12月ぐらいにオープンハウス等で市民の意見を聞くーなど。肝心の経営収支計画は明らかにされなかった。

3密回避の「ソトカフェ」 つくばセンター広場で飲食店支援

【車谷郁実】3密を避け市民の憩いの場をつくりつつ、コロナ禍で苦境にある市内の飲食店を支援しようという屋外営業の「ソトカフェ」が5日、つくばセンター広場(つくば市吾妻)で始まった。ソファやハンモックで飲食ができる客席を100席設けたオープンテラスに、市内の飲食店11店舗が出店、テントやキッチンカーで営業する企画で、初日は多くの家族連れでにぎわった。 国土交通省がテイクアウトやテラス営業のための道路占用の許可基準を緩和し、飲食店に接続する路端の利用や飲食提供の施設の仮設が可能になったのを受けて、つくば市が企画した。 6月下旬から出店者の募集を始め、市内の和食系居酒屋や洋風バー、ベトナムやブラジル料理など10の飲食店とバルーンの販売店の出店が決まった。市はコロナ禍で厳しい経営状況にある飲食店を早急に支援したいと企画から2カ月でイベント開始にこぎつけた。市内でテイクアウトの代行サービスを行う「リアッタイーツ」とも連携し、つくばセンター広場前に商品を配達できるようにした。 新型コロナの感染拡大から、同市でも先月クラスターが発生するなど、多くの飲食店が厳しい経営状況にある。ソトカフェに参加している「居酒屋みやま」でも売り上げが激減。8月の売り上げは昨年の2~3割程度だったという。社長の髙橋賢司さん(44)は「イベントの話を聞いたとき、助かったと思った。不安しかなかったが少し希望が見えた」と感染リスクが軽減される屋外での営業に期待を寄せる。 利用者からも屋外スペースの活用を歓迎する声が上がった。土浦市から小学生の子どもたちを連れて友人家族とソトカフェを訪れた田谷沙織さん(33)は「距離を保ちながら子どもたちとゆったりできるのでありがたい」と喜んだ。 木陰になっている客席でそれぞれの時間を過ごす利用者たち=同

中央公園に噴水復活 地元中学生が提案 つくば

【鈴木宏子】つくば駅に隣接する同市吾妻、中央公園の池に25日、噴水が約10年ぶりによみがえった。高さを変えながら最大12メートル噴き上がり、夜は赤や青、紫にライトアップされる。 池の水質調査に取り組んできた地元の市立吾妻中パソコン科学部の中学生が2018年、地域の夏祭りで、噴水をつくったり、水を入れ替えれば池の水がきれいになるなどと提案したのがきっかけ。中学生たちは当時、地域住民などにアンケート調査を実施し、「昔は噴水が出ていて水がきれいだった」という回答があったことが提案につながったという。 中学生の提案を受け、噴水による中心市街地の活性化と池の水質浄化を目的に、市は噴水の再整備に取り組んだ。 まず中央公園の西側に深さ110メートルの井戸を掘って、毎分200リットルの地下水をくみ上げ、池に引き込んだ。さらに噴水で水を噴き上げることにより、毎分約830リットルの池の水を撹拌(かくはん)する。 池の水にはこれまでも地下水が引き込まれていたが、設備が老朽化していたため、あまり入っておらず、ほとんどが雨水だった。新たな地下水の引き込みにより、池の水は16日間で入れ替わるという。今回の地下水引き込みや噴水の設置により、工事前は12センチだった透明度が、現在は38センチと3倍きれいになった。 工事は今年5月から8月半ばまで実施した。整備費は約3760万円。

《吾妻カガミ》87 つくばセンタービル再生の問題点

【コラム・坂本栄】本サイトの中ほどに「つくばセンタービル」というタイトルの特設コーナーが設けられています。現時点では、市が同ビルをどう活用しようとしているのか調べた記事と、ビル裏手(正面?)の中央広場への想いを述べた脚本家のコラムがアップされています。今回のコラムではこのセンタービルの問題を取り上げましょう。 記事とコラムは、「具体案、市民に説明なく」(6月26日掲載)、「民意と距離ある計画」(6月27日掲載)、「世界的アート建築に屋根?」(6月28日掲載)、「コラム:磯崎新の設計思想」(7月9日掲載)の青字部をクリックしてご覧ください。磯崎氏は、ノバホール+ホテル日航つくば+センタービル+中央広場を設計した方です。 記事は、①市は空きが目立つセンタービル1階を、事業の立ち上げを目指す起業者の作業区にしようとしている②また、音楽会場・ノバホール右側の建物などは市民活動を支援する拠点に改装しようとしている③しかし、これらの案は市民の意を汲んだものとはいえず、市の情報開示も十分ではない④一方、中央広場に屋根を付けるという改修案に磯崎氏は遠回しに反対している―に要約できます。 起業には「トキワ荘」がよく似合う 一昔前、センタービル1階には銀行の支店や飲食店などが入り、一帯はまさに市のセンターでした。ところが、賑わいの中心がTX研究学園駅に移り、センタービル周辺は駐車の便が今一のこともあって、市の真ん中ではなくなりました。 こういった場所の再生を考える市も、大変です。若い起業者支援のために、旧一等区画を活用しようとする気持ちは分かります。でも、そういった優遇策は彼らのためにならないでしょう。起業には、赤塚不二夫らが雑居した「トキワ荘」がよく似合うからです。ビル・ゲイツはガレージで起業しました。事業の立ち上げには、公務員宿舎跡が向いていると思います。

【つくばセンタービル改修】㊦ 世界的アート建築に屋根?

【鈴木宏子】つくばセンタービルのリニューアル計画では、センター広場に屋根をかける計画も検討されている。今回公表されたリニューアルの方向性案には「(センター広場は)多くのイベントが実施されているが、雨天であると実施が難しいなど運営面のリスクが高いことから、雨天時でも実施できるよう屋根の設置を検討する」とある。 今回公表された整備費用約9億8960万円(または約13億6280万円)は屋根を含めた概算費用になるという。「屋根については公共施設基本計画を進める中で検討」(市長・副市長報告案件指示要項)するとされている。 どんな屋根が検討されているのか。2019年3月策定の「つくばセンタービルあり方検討業務報告書」によると、軽量で透明性の高いアーチ状のドーム型屋根が検討されている。骨組みは木材を材質とし、「広場の楕円形に沿って剛強リング梁を設け、リング梁同士の間にアーチ状の架構を渡す」などとかなり具体的な記載がある。費用は非開示。イベントの都度、組み立てて設置するテント式の立派な屋根も各地の式典やコンサートなどですでに使用されているが、可動式の屋根は検討すらされていない。 固定式のドーム型屋根は建物全体のデザインやアート建築としての思想を変えることにならないか。 プリツカー賞受賞 つくばセンタービルは筑波研究学園都市のランドマークとして1983年に造られた。昨年、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新氏の代表作の一つ(19年3月7日)。ポストモダン建築の代表作品ともいわれる。

【つくばセンタービル改修】㊥ 民意と距離ある計画

【鈴木宏子】つくば駅周辺、つくばセンタービルリニューアル基本計画策定費や中心市街地エリアマネジメント団体の出資金などが予算化され、市民説明会が開かれないまま、中心市街地をイノベーション拠点にしようという取り組みが始まっている。これに対し市民は、中心市街地に何を求めているのか。 市は2017年から居住者や働く人の意向調査、オープンハウス、アンケートなどで市民の意見をたびたび求めてきた。 市民意向調査結果の方はホームぺージなどで公開されている。調査の一つ、中心市街地居住者580人の意向調査結果では、住民は中心市街地に「商業や滞在型施設などが多く立地し活気にあふれている街」「文化施設や公共施設が多く立地する公的機能が中心の街」を求め、「インキュベーション(創業支援)施設」がほしいとの回答は14番目だった。 市民は生活者として中心市街地に、にぎわいや都市機能、文化を求めている。昨年12月に出された市議会の「今後のつくば中心市街地まちづくりについての提言」も市民の意向に沿ったものだ。 今年3月策定の「中心市街地エリアマネジメント検討業務委託報告書」にも市民の意向について「文化・運動施設、商業施設、子育て施設を望む意見が多い。その他高齢者、子供の居場所、市の窓口、業務機能、ホテル」などと記されており、市は市民の意向を把握した上で、今回のリニューアル案を出したことが分かる。 市の計画は民意と乖離(かいり)してないか。3年半前の前回の市長選でも、中心市街地という場所は別にして、つくばに集積する研究機関のさまざまな資源を活用して科学産業をつくり雇用を増やす科学産業都市づくりを訴えたのは大泉博子候補だったが、市民が選んだのは、総合運動公園問題の完全解決を訴えた五十嵐現市長だった。

【つくばセンタービル改修】㊤ 具体案、市民に説明なく

【鈴木宏子】つくば駅前「つくばセンタービルリニューアルの方向性案」を、市がホームぺージ(HP)で公表し、30日まで市民の意見を募集している。具体案が市民に公開されたのは初めて。 センタービル1階アイアイモールの一部に市として2カ所目のイノベーション拠点(多様な働き方を支援する場)をつくること、ノバホール西隣のつくばイノベーションプラザなどに吾妻交流センター、市民活動センターと、国際交流、男女共同、消費生活などの機能を集めた市民活動拠点をつくることなどが柱だ。センタービルのイノベーション拠点を運営し、さらに同駅周辺のまちづくりを担う、エリアマネジメント団体を新設することも検討されている。 出資金すでに予算化 一方、今年3月議会でエリアマネジメント団体を設立するための出資金6000万円と、センタービルリニューアルの基本計画策定費990万円などがすでに予算化され(3月9日付)、6月初めには同基本計画策定業務の委託業者が選定された。 工事が実施されればセンタービル建設以来のリニューアルとなるが、担当の市学園地区市街地振興室によると現時点で市民説明会を開く予定はなく、開くかどうかも決まっていない。 市はセンタービルや中心市街地で何をしようとしているのか。意思形成過程や策定過程、考え方が分かるすべての公文書を情報開示請求した。

科学技術ファーストに違和感 つくば市議会 中心市街地戦略で提言へ

【鈴木宏子】つくば市が2月に公表した「中心市街地まちづくり戦略(つくば駅周辺基本方針)」案に対し、市議会が「4つの基本方針の最初に科学技術に関することが掲げられているのは違和感がある」などとして、市に対し、優先順位の見直しなどを求める異例の提言を出す。16日開かれた市議会つくば中心市街地まちづくり調査特別委員会(小野泰宏委員長)で全会一致で決めた。 市の戦略案は基本方針の1番目に「まちづくりの課題を科学技術で解決する世界のモデルとなるまちづくり」を掲げている。さらに市は市議会に、ベンチャー企業を支援するイノベーション施設などをつくばセンタービルに整備するリニューアル案や、つくば駅周辺のエリアマネジメント団体(まちづくり会社)を設立する案などを示し(3月9日付)、3月議会に関連予算を提案している。 一方、市議会はもともと昨年12月に、同調査特別委がまとめた中間報告を市に提言していた。同中間報告は、中心市街地が目指す方向として「歩いてほっとする場所のある、誰にでもやさしいまちなか」を掲げ、魅力あるイベントや天候に左右されない環境づくりのため、施設や場所の使用規則、許可、禁止などのルールに柔軟性を持たせることが必要だなどと提言していた。 市民が求めるサードプレイス 市による進め方に対し、今回の異例といえる市議会の提言は、中心市街地のまちづくりについて「科学技術よりも市民が望むサードプレイス(自宅や職場とは別の第3の心地よい居場所)的内容を優先すべき」だとし、市が同戦略案で掲げた基本方針の順番を変更するよう求めている。 具体的には、市の戦略案で基本方針の4番目に書かれている「つくば駅周辺だけでなく、市全体の活力が生み出されるまちづくり」の重点戦略である「同駅周辺の集客を市内周辺部のにぎわいにつなぐ」ことや、「同駅周辺の都市機能集積による市民サービスの向上」が、市民が中心市街地に求めている内容だと指摘する。 その上で、市の戦略案の基本方針の1番目「まちづくりの課題を科学技術で解決する世界のモデルとなるまちづくり」を3番目に変更して、1番目は「駅周辺だけでなく市全体の活力が生み出されるまちづくり」(市の戦略案では4番目)とするよう求めている。 ほかに、市の戦略案の中に示され、3月議会に設立のための予算が提案されたプロジェクトの一つ「エリアマネジメント団体設立による官民連携のまちづくりの推進」について、商業施設と公共施設、事業者と行政の連携についてこれまでの取り組みを検証し課題を整理する必要があるとし、互いのつながりを強くし、より情報共有を図って足並みをそろえていく場づくりや、連携した取り組みなどを求めている。 適時説明し意見交換を さらに今後の進め方についても、市が戦略を具体化するための計画を策定したり推進する場合は、適時、同調査特別委に説明して意見交換の機会を持つよう求め、加えて市民、中心市街地居住者、各施設の利用者や中高生などのニーズをしっかり聞き取って進めるようくぎを刺している。 今回の提言は、3月議会最終日の19日に、本会議終了後、神谷大蔵議長らが五十嵐立青市長に提出する予定という。 市議会同調査特別委はもともと3月に最終報告をまとめる予定だったが、今回の提言にのっとって4月以降も調査を継続する。 異例の提言について小野委員長は「今回は議会としてまとまって提言を出すことに意義がある。議会の役割は議事、チェック、政策提言だと思っている。市民の代表として市民の考えを伺い、政策提言にもっていきたい」と話している。

イノベーション施設や市民活動拠点など検討 つくばセンタービル再整備

【鈴木宏子】つくば市が2020年度に本格着手するつくばセンタービル(同市吾妻)のリニューアルについて、市は、現在空き店舗となっている同センタービル1階アイアイモールに、ベンチャー企業を支援するイノベーション施設などを整備し、市と民間によるまちづくり会社を設立して運営することを検討していることが分かった。現在のつくばイノベーションプラザとアイアイモールの一部には新たな市民活動拠点を整備することを検討している。 同市は、開会中の3月議会に提案している当初予算案に、同センタービルを再整備するために必要な機能や配置について検討する基本計画策定費(約990万円)と、まちづくり会社である官民連携中心市街地エリアマネジメント団体の設立出資金(約6000万円)を計上している。 3月議会都市建設委員会での市の答弁などによると、まちづくり会社には6000万円の出資金のほかに、市が所有している同センタービルの区分所有権の一部を現物出資することを検討している。2020年度中に不動産鑑定を実施して価値を算定する予定だ。まちづくり会社は21年3月までに設立予定で、センタービルの区分所有権の一部も市から新会社に移転される。市はその分を株式として持つことになるという。 センタービルのリニューアルではほかに、現在のイノベーションプラザに整備を検討している新たな市民活動拠点は、市の交流センターと市民活動センターや国際交流などの機能を有した新たな拠点という。さらに市の窓口の設置なども検討されている。 「あり方検討報告書」は6機能 一方、情報開示請求し公開された市の「つくばセンタービルあり方検討業務報告書」(19年3月策定)では、今後導入することが好ましい機能として、子育てママ、若者、シニア、ファミリーをターゲットとし、①シェアオフィスやインキュベーション施設などイノベーションのための「クリエイティブビジネス機能」②さまざまな人の趣味や活動を支える新たな「地域のコミュニティ拠点」③子供が遊びながら学べる施設や子育てママを応援する託児機能などを備えたシェアオフィスなど「子育て支援機能」④市役所の窓口など「市民サービス」⑤クッキングスタジオなどカルチャースクール等、市民が立ち寄りたくなる「文化機能」⑥飲食のスタートアップ事業を育てる「食の発信拠点」の6つの機能を導入することが好ましい―などとしていた。 担当する市学園地区市街地振興室は、現在の検討案はあくまでも内部検討案だとしている。19年3月策定の報告書とも異なるという。今後、市民の意見を聞いて基本計画を策定するとしている。 ➡つくば市2020年度予算案はこちら ➡つくば市中心市街地活性化問題に関する過去記事はこちら

水遊び場2施設で開放 つくば市 チビっ子ら大はしゃぎ

【橋立多美】梅雨寒から解放されて蒸し暑くなった18日、つくば駅に近い中央公園(つくば市吾妻)の一角に設けられた水遊び場に子どもたちの元気な声が響いた。 つくばエキスポセンター前の水遊び場は広さ約680平方メートルで深さ約10センチ。周囲がコンクリートのため、けが防止策として人工芝が敷かれて噴水を備えている。 水と戯れる5歳と2歳の兄弟を見守っていた学園の森在住の母親(32)は、「水はきれいだし、こうした場所があってうれしい。梅雨が明けたら毎日のように通ってくるかも。今夜は疲れて良く寝てくれると思う」と笑顔だった。 中心市街地の魅力向上や、にぎわい創出を進める市の「プレイスメーキング事業」の一環として昨年、整備して市民に開放した。約2200人が利用して好評だったことから、今夏は松代公園のくまさん池も開放されている。 ショッピングセンターのララガーデンに近い松代公園は、1000本近い自然のアカマツ林を生かした住宅地の中の静かな公園。園内には水とふれ合うくまさん池を始め、遊具や芝生広場がある。くまが小型の噴水を抱える池は、広さ約400平方メートルで深さ20センチほど。 市は、わずか数10センチの水深でも子どもが溺れる危険性があるとして、保護者に子どもから目を離さないよう呼びかけている。 水遊び場開放日時 ▽中央公園は9月16日までの午前9時30分から午後4時まで。休みは7月25日、8月8日、23日~26日、9月9日。 ▽松代公園は8月31日までの午前10時から午後4時まで。休みは7月23日、8月6日、20日、27日。 いずれの水遊び場も天候等によって中止になる場合がある。

クレオ旧イオン棟の解体工事始まる つくば駅前

【鈴木宏子】百貨店やスーパーが撤退し閉鎖されているつくば駅前の商業施設クレオ(つくば市吾妻)で、旧イオン棟の解体工事が始まった。今年3月にクレオを取得した不動産会社、日本エスコン(東京都千代田区)によると、解体工事は6月15日から来年5月20日までの予定。解体後、跡地にマンションを建設する。マンションは2022年に完成予定だが、規模などは現時点で未定という。 一方、新たな複合商業施設として再オープンする旧西武棟は、年内に内部の改修工事に着手し、来年オープンする予定という。具体的にどのような施設になるかについて同社は、まだ公表できる段階にないとしている。 クレオはつくば科学万博が開かれた1985年に開業した。筑波都市整備(同市竹園)が運営していたが、2017年2月末に西武筑波店が撤退、翌18年1月末にイオンつくば駅前店が撤退し閉鎖された。その後、つくば市が取得を表明したが断念。日本エスコンが18年12月に隣接の商業施設キュートとモグを取得、続いて19年3月にクレオを取得した=3月27日付。 日本エスコンは今年3月、クレオの旧イオン棟は解体してマンションを建設し、旧西武棟は行政や教育機関、研究開発系企業と連携し複合商業施設にすると発表し、商業施設について「キュート、モグを含め、駅直結の立地を活用し、マーケットニーズに合う業種業態・店舗を構成して魅力的な施設を設計し、駅前街区全体の新たなにぎわいを創出する」などと表明している。 クレオは敷地面積約1万5600平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造り地下2階・地上8階建て、延床面積は約5万7000平方メートル。 ➡クレオに関する過去記事はこちら

クレオ再生、つくば市は関与せず 五十嵐市長が意向

【鈴木宏子】日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)が取得したつくば駅前の商業施設クレオの再生について、五十嵐立青市長は25日開かれた市議会特別委員会で、今後の市の関与を問われ「民間が取得して商業施設としてやろうとするのであれば民間主導で再生してほしい」などと述べ、市の公共施設などをクレオに入居させる考えがないことを明らかにした。 五十嵐市長は昨年9月、市が20億円出資するまちづくり会社を設立してクレオを取得し、科学体験などができる商業施設に再生する計画を打ち出したが、市議会の理解が得られず10月末に断念した。市の計画を説明した10月半ばの市民説明会で五十嵐市長は「マンションが建つ建物に投資をすることはできない」などと表明しており、今回、自らの考えを改めて説明したことになる。 一方、日本エスコンはクレオの旧イオン棟側をマンションにし、旧西武棟側は商業施設として再生すると発表している。 五十嵐市長は25日「(商業施設として再生される)クレオに入ると家賃を恒常的に払い続けなくてはならない。わざわざ家賃を払ってクレオの中に入る選択は必要ない」などと強調した。 これに対し議員からは「民間が買ったから市がタッチしないというのは、あの話(市の再生計画)は何だったのかということになる。中心市街地の再生は重要。市が一切関わらないということではなく家賃の問題があるのであれば日本エスコンときちんと交渉していくべき」などの指摘が出た。 五十嵐市長は「市が所有する施設を検討する順番で考えている。センタービルは一つの有力な候補地」と述べ、クレオではなく、隣接のつくばセンタービルに市公共施設を入居させる意向を示した。 新たなまちづくり会社検討 センター地区活性化協再編も 一方、中心市街地全体のまちづくりについて五十嵐市長は、地区の魅力を向上させたり、にぎわいを創出するエリアマネジメントを行う主体として、新たなまちづくり会社の設置を検討していることを表明した。現在、同中心市街地のエリアマネジメントを行う団体として「つくばセンター地区活性化協議会」が存在するが、同協議会の再編も含めて検討する構えだ。 五十嵐市長は、中心市街地に必要な取り組みの在り方や、今後、同地区のエリアマネジメントをする組織や事業収支を検討する業務を公募していることを明らかにした。約660万円で6月には調査をスタートさせるという。 新たなまちづくり会社について五十嵐市長は「中心市街地の価値をどう向上させるか、自立して継続させるため、プレイスメイキング(公的空間の活用)による収入確保を見据えている」などと説明した。

クレオを日本エスコンに売却 西武棟は複合施設、イオン棟はマンションに

【鈴木宏子】百貨店やスーパーなどが撤退後、閉鎖されたままになっているつくば市吾妻、TXつくば駅前の商業施設クレオについて、所有者の筑波都市整備(同市竹園、石原孝社長)は27日、不動産会社の日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)に同日付けで売却したと発表した。 日本エスコンは全国各地で地域密着型の商業施設開発やマンション、ホテル建設などを手掛けるデベロッパー。昨年12月に売却された隣接のキュート(Q't)、モグ(MOG)=2018年12月22日付=に続いて、同駅前商業施設つくばクレオスクエア全体を日本エスコンが取得したことになる。同社は「これまでの多面的な不動産開発のノウハウを生かし、3施設一体でのつくば駅前の開発を推進していく」としている。 クレオの再生問題は、施設閉鎖から約1年2カ月でようやく方向性が定まった。 日本エスコンによると、旧西武棟部分は改修して、商業施設のほか、県・市や、周辺の教育機関、先端技術研究開発系企業などと連携した複合施設にするという。同社は「駅直結のペデストリアンデッキでつながる立地を活用し、キュート、モグを含め、マーケットニーズに合う業種業態・店舗を構成して魅力的な施設を設計し、駅前街区全体の新たなにぎわいを創出する」などとしている。 旧イオン棟部分は解体して先進的なマンションを建設するという。同社は中部電力と提携していることから、省エネルギーのスマートハウスなどを計画しているという。マンションは14階建て程度を検討しているが、戸数などの規模は未定という。 再オープンに向けたスケジュールは現時点で未定だが、旧イオン棟部分の解体工事は年内に着手するとしている。 一方、筑波都市整備は、日本エスコンに売却した理由について「つくば市のまちづくり方針に共鳴し、施設運営やまちづくりにノウハウがあり、中心市街地の活性化の実現に寄与できる」などと説明する。日本エスコンとは、つくば市が取得を断念した昨年10月以降、協議してきたという。売却価格は公表しないとしている。 つくば市長「再びにぎわいを期待」 クレオは敷地面積約1万5600平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造り地下2階・地上8階建て、延床面積は約5万7000平方メートル。科学万博が開催された1985年3月に開業した。 その後、つくばエクスプレス開業により郊外に大型店が立地したことやライフスタイルの変化などから売り上げが減少し、2017年2月に西武筑波店が撤退、18年1月にはイオンつくば駅前店が撤退し、全館が閉鎖となった。 筑波都市整備は西武が撤退を発表した16年8月から、新たなテナントの誘致を続けたが再開の見通しが立たず=17年12月25日付=、売却方針に転換した=18年9月4日付。 こうした中、つくば市の五十嵐立青市長は昨年9月、クレオの土地と建物を38億円で取得し、子どもたちが遊びながら科学を学べる体験型商業施設=18年9月28日付=をつくる計画を発表した。市内4カ所で説明会を開き=18年10月10日付、同12日付、同14日付、同15日付=、市民の意見を募集するなどした=同18日付=が、議会の理解を得られないと判断し、昨年10月、議会に諮らないまま計画を断念=同25日付=した経緯がある。 五十嵐市長は「取得が決定したことで再び中心市街地のにぎわいに資する施設になることを期待している。つくば市が目指す中心市街地のビジョンの実現に向けた取り組みについても協力いただきながら進めていきたい」などとするコメントを発表した。

プリツカー賞受賞の磯崎新氏設計 つくばセンタービルを脚本家が語る 「仕掛けに満ちた建物」

【鈴木宏子】つくばセンタービル(つくば市吾妻)を設計した磯崎新氏が、建築界のノーベル賞といわれる2019年のプリツカー賞受賞者に選ばれた。つくば市在住の脚本家で、NEWSつくばコラムニストの冠木新市さん(67)は、同ビルを「仕掛けに満ちた建物」として、つくばの七不思議の一つに取り上げ、2014~15年にご当地ドラマを制作した。冠木さんとつくばセンタービルを歩いた。 冠木さんがまず教えてくれたのは建築の思想だ。「普通、中心にはシンボル的な施設が建てられるべきだと考えると思うが、磯崎氏はつくばの中心に沈み込む空洞をつくった」という。磯崎氏自身、著書「建築のパフォーマンス―つくばセンタービル論争」(パルコ出版局)で、筑波研究学園都市という国家プロジェクトゆえに中心に国家のシンボルを描き出すのではなく「中心を空間にし、空間の中に向かって消滅していくような反転した空間をつくり上げた」と記している。一方で建築の思想は、つくば市民の間で議論されたり共有されることはほとんどないまま建築から35年がたった。 同ビルの中心にあるくぼ地のセンター広場には、崩れかけた石が積まれてあり廃墟が表現されている。冠木さんは、商業施設クレオの閉鎖やつくばセンタービル内の商店街アイアイモールからの飲食店全店の撤退など、現在直面している中心市街地の空洞化について「磯崎氏にとってすでに折り込み済みだったのではないか」と話し、「磯崎氏は『断片やあつれき、縫合の合い間が別な物語を語り始めることはないかと期待をもっている』と語っている。つくばの中心にあるセンタービルは空っぽの器であり、情報が入り発信して初めて成り立つメディア(媒介するもの)のようなもので、どう使いこなすのかが問われている」と話す。 ご当地ドラマで魅力紹介 冠木さんが制作したドラマは「サイコドン」という題名で、つくば市のケーブルテレビACCSで全16話が放映された。そのうちの3話分で磯崎氏が折り込んださまざまな仕掛けを紹介している。建物の随所に使われているモンローカーブと呼ばれる曲線、筑波山の筑波石と笠間市の稲田石をわざと崩れたように積み上げて廃墟を表現したセンター広場の石、霞ケ浦の北浦と西浦を表現したとされる水の流れなどだ。 さらに独自の解釈もドラマの中で展開した。ホテル「オークラフロンティアつくば」の建物の最上階の独特な形の窓を東西南北を見つめる瞳と解釈し、南を向く瞳がノバホール2階入り口のピラミット型の窓に重なり、さらに重なった瞳がまっすぐ北を見つめ松見公園の展望台とつながっている―などの解釈だ。「瞳やピラミッドはドラマの撮影中に偶然見つけた。つくばセンタービルは至る所に仕掛けが満ちている。いろいろな建築様式がコラージュされていて奥が深い」と述べ「受賞を機につくばセンタービルが市民の間で再び注目され、いろいろな人が新たな魅力を発見できれば」と語る。 【つくばセンタービル】コンサートホール、店舗、ホテル、交流センター、広場などで構成される複合施設。1983年に完成した。設計者はプロポーザルにより13人の建築家の中から磯崎新氏が選ばれた。日本のポストモダン建築の代表作と評価されている。

【クレオ再生問題】キュートとモグ 筑波都市整備が日本エスコンに譲渡 つくば駅前

【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設キュート(Q't)とモグ(MOG)が20日、不動産会社の日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)に売却された。両施設を所有していた筑波都市整備(つくば市竹園、石原孝社長)と、新たに取得した日本エスコンが同日、それぞれのホームページで発表した。 日本エスコンは全国でマンションや商業施設、ホテルなどの開発を手掛けるデベロッパー。キュートもモグも引き続き商業施設として運営し、名称も当面変更はないという。 西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退した後、空き店舗となり閉鎖されているクレオについても、キュートやモグと一体で日本エスコンに売却する方向で調整を進めているとみられる。クレオについてつくば市は12月議会一般質問に答弁し、旧西武棟は既存建物を利用して商業施設とし、イオン棟は解体してマンションにすると聞いているなどと説明している。 筑波都市整備は、日本エスコンに譲渡した理由について「同社は、つくば市が掲げるまちづくり方針に共鳴し、施設運営のみならず、エリアマネジメントの発想に基づく面的な活性化に高い意欲をもっており、中心市街地の活性化に寄与できる」としている。 一方、両施設を取得した日本エスコンは「これまでの多面的な不動産開発のノウハウを生かし、つくば駅前開発を推進していく」とし「つくば駅前という交通拠点の強みと、ペデストリアンデッキでつながる駅周辺街区の回遊性の良さを生かし、地域に根差した開発を行うと同時に、エリアマネジメントを充実させることで駅前地区の活性化とさらなる発展に貢献していく」などとしている。 キュートは2005年3月に開業、敷地面積約9900平方㍍、地下1階地上4階建て。モグは1993年10月開業、敷地面積約1100平方㍍、地下1階地上4階建て。両施設には物販店、飲食店など約110店が入居している。 筑波都市整備は「売却後も、つくばセンタービルの運営など中心市街地の活性化に向け努力して参りたい」としている。

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TX延伸論議に見る つくば市の狭い視野 《吾妻カガミ》136

【コラム・坂本栄】茨城県がTX県内延伸の4方向案(茨城空港、水戸市、土浦市、筑波山)を示したことで、その線上・目標に位置する自治体が自分たちの所へと誘致に乗り出し、地元の政治家も加わって騒々しくなっています。しかし筑波山を抱えるつくば市は、TXの終始点であることに満足しているのか、特に動いておりません。 ポイントはどこで常磐線にクロスさせるか 茨城空港、水戸、土浦の各方向誘致については、「TX石岡延伸推進協議会」、「TX水戸・茨城空港延伸促進協議会」、「TX土浦延伸を実現する会」が立ち上がりました。土浦の様子は記事「TX土浦延伸へ決起集会 市民参加で競合2団体に対抗」(6月12日掲載)をご覧ください。 茨城空港、水戸、土浦への延伸ラインはもちろん別々です。しかし、石岡、水戸、土浦の主張は「空港まで延ばせ」と言っている点では共通しています。水戸の場合、まず空港まで延ばし、さらに空港→水戸を要求していますが、石岡と土浦は「うちの市内で常磐線と交差させ、空港まで延ばせ」と言っているからです。 水戸が、空港→水戸は後回しにし、常磐線で交差する駅→水戸駅(TXの一部JR乗り入れ、残りは茨城空港直通)を受け入れれば、ポイントは「どこでJR常磐線にクロスさせるか(つくば駅と空港を直線で結ぶと高浜駅のちょっと北=石岡市内=で交差)」になります。 TX県内延伸=研究学園と茨城空港の連結

斎藤さだむさんのつくばセンタービル地肌空間など 3年ぶり「写真工房」写真展

つくば市を拠点に活動する写真サークル「写真工房」(太原雍彦会長)の「2022写真工房写真展vol.19+(プラス)」が、同市吾妻のつくば市民ギャラリーで開かれている。 顧問を務める同市在住の写真家、斎藤さだむさん(73)が、つくばセンタービル1階改修工事の過程で露わになった地肌空間を撮影した写真15点を展示するなど、会員ら11人が思い思いのテーマで撮影した写真計約110点が展示されている。新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった。 写真工房は、同市主催の写真講座に参加した有志が2002年に結成し、20年になる。会員は約15人で、毎月1回例会を開いているほか、年2回撮影会に出掛けるなどしている。 斎藤さんのつくばセンタービル地肌空間は「史(ふみ)のあかし」と題した作品だ。第3セクター「つくばまちなかデザイン」による改修過程で、骨組みの状態に戻ったつくばセンタービルの、曲線を描く天井のコンクリート地肌や、象形文字が記されているのかと見まごう太い円柱の柱の地肌などを撮影している。「地肌空間を行き来し、40年という時間に思いをはせながら撮影した」という。 写真工房の写真展の様子 会員の藤澤裕子さんは、自宅の庭に咲くヒルザキツキミソウの花や、セミの抜け殻、カブトムシの幼虫などを撮影し、写真を重ねたり、反転させたりした作品10点を展示している。「日常見る庭の植物や昆虫を、非日常的な植物や昆虫として作品化した」。

ウクライナのニュース 《くずかごの唄》111

【コラム・奥井登美子】 「毎日、ウクライナのニュースを見ていると、僕はどういうわけか、丸木さんがあのニュースを見て何を言われるか、知りたいと痛切に思うようになってしまった」 「ご夫婦で原発の絵を担いで、世界中を行脚して回っていらしたわね。ウクライナはいらしたのかしら?」 「さあわからない…。2人とも、人類の悲劇を実際に見て、絵にしたんだもの、すごい人だよ。昔、位里さんと俊さんが、2人でうちへ来てくれた日のことも、つい、昨日のように思い出してしまう」 土浦市の奥井薬局の2階で、「丸木位里(いり)・俊(とし)展」をやったことがあった。250人もの人が駆けつけてくれて、盛況だった。お2人は我が家に泊まって、おしゃべりして、家のふすまが白いのを見て、刷毛(はけ)と墨汁(ぼくじゅう)を使って、大きな絵を描いてくださった。 生前葬やったの、覚えている?

臭いやアルコール対策示すも反発の声相次ぐ つくば洞峰公園事業で県の説明会

つくば市二の宮にある茨城県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)で進められるリニューアル計画で、県は2日、同市竹園のつくば国際会議場で説明会を開いた。県と事業者による初の説明会。つくば市から懸念の声が出ていたグランピング施設とバーベキュー(BBQ)施設の臭いやアルコール対策について、県と事業者から対策が示されたが、参加した市民からは「洞峰公園を変える必要はない」など反発の声が相次いだ。つくば市民を中心に約150人が詰めかけ、県の説明に対し、会場からは厳しい反応が相次いだ。 臭いやアルコール対策について、パークPFI事業者「洞峰わくわく創造グループ」代表の長大が計画の一部見直し案を示した。①BBQ施設を当初計画していた冒険広場から、グランピング施設を整備する野球場中央に移す②炭焼きBBQは取り止め、煙が出ないガスグリルに変更する③深夜は管理人がおらず無人になる計画だったが、グランピングエリアの管理棟に24時間、管理人を常駐させる④夜9時以降はサイレントタイムとし騒いでいる人がいたら管理人が対応する⑤グランピング施設の周囲に目隠しとなる木製の柵を設け、景観に配慮する⑥南側駐車場の拡張(127台分)は、駐車台数を減らすことも含め、樹木をなるべく伐採しないよう計画を再検討するーなど。 一方、県は、公園全体が変わってしまうわけではないこと、パークPFI事業によって県が支出している指定管理料を年間6000万円削減でき、年平均8000万円かかる体育館やプールの大規模修繕を計画的に行える見通しが立ことなどを強調した。 収支計画の開示要求に答えず これに対し参加した市民からは、グランピング施設を収益事業の柱と位置付ける計画について、収支計画の開示を要求する意見が複数出された。長大が「民間事業者として、ノウハウも含めて収支計画は出すことができない」と答えると、会場から「これでは市民は計画の妥当性を判断できないではないか」など非難の声が投げかけられた。今回の目的の一つである、老朽化する体育館やプールの改修計画についても、収支計画を公開するよう求める声が出た。これに対し、県が公開時期を明確にできなかったことから、怒声が飛び交った。 絶滅危惧種など希少動植物が生息していることが市民から指摘された問題について県は、市民の意見を踏まえつつ、今後の対応を検討したいと答えるにとどまった。