日曜日, 10月 24, 2021
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「資金調達 現在進めている」改修工事費用でまちづくり会社 つくばセンタービル

つくば市が出資するまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が18日から工事を実施すると告知しているつくばセンタービル1階アイアイモールの解体と改修工事のうち、貸しオフィスなどにするための改修工事資金について、同社が現在も、資金調達を進めている最中であることが15日分かった。 同日開催された市議会全員協議会で、まちなかデザインの小林遼平専務が「資金調達を現在進めている」と答弁した。改修工事費がいくらになるかや資金調達の見通しなどについて複数の議員から質問が出たが、小林専務は「この場ではお答えを控えさせていただきたい。細かいデータがないのでお答えできない」「金融機関と守秘義務契約を結んでいる」などと繰り返した。 同社の工事スケジュールによると、アイアイモールの解体工事を18日から12月半ばまで実施し、貸しオフィスなどに改修する工事を12月初めから来年3月末まで続けて実施するとしている。解体工事の費用については「(元の借り主の)筑波都市整備からいただく」という。 小林専務は「(18日から)解体工事に着手する。新設(改修)工事は着手してない」とし、改修工事は「資金調達ができない限り着手しない」「資金調達が決定したらつくば市と協議しながら報告したい」などと答弁した。 同社の現在の資本金は当初の想定より2900万円少ない1億2100円。一方、市は昨年12月と今年3月に市議会に示した資料で、初期投資として改修費などに約2億7300円かかるとする見通しを示している。同じ資料の事業収支見通しでは、資本金を2億万円とし7000万円を借り入れる収支計画を示している。新たな収支見通しに対する質問も出たが、小林専務の答弁はなかった。 議会や市民に説明なしに工事を拙速に進めないよう求める決議を臨時議会に提案する山中真弓市議(壇上)=同

1階アイアイモール解体・改修工事、18日着工 つくばセンタービル

まちづくり会社が貸しオフィスに つくばセンタービルのリニューアルの一環で、1階アイアイモールの解体と改修工事が18日着工する。つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が貸しオフィスなどに改修する。 解体と改修工事が実施されるのは1階アイアイモールの約2000平方メートル。1983年のつくばセンタービルオープン当初からあったレストラン街(飲食店は2018年6月に撤退)と廊下の一部は解体される。 まちなかデザインの小林遼平専務によると、改修後は、コワーキングスペース(共同オフィス)、カフェ、貸しオフィスなどとする。コワーキングスペースは個室、テレビ会議ブース、子連れで働ける場、会議室、イベントスペースなどを設け、登録会員のほか一時利用もできるようにする。カフェは朝から夜まで営業し、新規で飲食店を始めたい人のチャレンジショップやアンテナショップとしても利用できるシェアキッチンを設ける。オフィスのほぼ半分の約750平方メートルは9~10区画に区切り、地域の事業者やベンチャー企業などに賃貸する。オフィスは24時間利用できるようにし、運営については一部を業務委託することも検討している。 廊下の幅は、現在のレストラン街と比べオフィス面積を広げるため、狭くなる。現在と同様だれでも行き来でき、廊下の壁沿いに縁側のような長椅子を設置する予定だという。 一方、働き方を支援する場の整備計画約2500平方メートルのうち、残りの4階吾妻交流センター約500平方メートルの工事については、交流センターが1階に移転した後となる。

市長、磯崎さんに面会熱望「改修着手前に意向の確認を」 つくばセンタービル

つくば市によるつくばセンタービルのリニューアル計画について、五十嵐立青市長が「私どもは(設計者の)磯崎先生と直接お話している」「磯崎先生の意向は今後も大切にしながら計画を進めていきたい」と9月議会で答弁する一方、市担当課が答弁と同じ日に磯崎新事務所関係者に「市としてもつくば市のシンボルともいえるつくばセンタービルの改修工事に直接着手する前には、是非(磯崎)先生にお会いし、ご意向の確認をと、市長は熱望しております」とメールを送っていたことが情報開示請求で分かった。 市長が磯崎さんに面会を申し入れたメールは、今年8月と9月に計4回、担当課が送っている。磯崎事務所関係者からは現在までに「コロナの状況がますますひどくなっています」「ご報告に関しましては引き続きメール等で」などとする返信がきている。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんのポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。つくば市のリニューアル計画をめぐっては、建築意匠に詳しい筑波大学の鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、エスカレーター設置の見直しなど市のリニューアル計画の見直しを求め、建物や広場の輪郭は保持すべきだなどとする要望書を出している。 情報開示資料によると、市のリニューアル案に対し磯崎さんの意向が示されたのは、2020年12月の事務所からの「改修案への磯崎の意見は特にございません。最初に屋根を架ける案を聞いたときはぎょっとしましたが、見送りになって安心いたしました」とするメールのやりとりだけだった。 その際、市担当者が事務所関係者に示したメールの内容は「基本的に外観については既存のままとし、建物内部をリニューアルする予定ですが、1階と2階の動線を改善するために、センター広場にエスカレーターを2基設置するとともに、一部階段を拡幅したいと考えています。以前懸念をいただいていおりました屋根については、今回、見送ることといたしました」などリニューアルの方向性の資料で、リニューアルによって建物や広場の輪郭のどの部分を改変するかは、当時、磯崎さんに具体的に説明してなかった。 つくば市職員が磯崎さんと直接面会したのは2019年3月の1回のみだった。(鈴木宏子)

センタービル改修 公金差し止め住民訴訟始まる つくば市「違法ない」答弁書

つくば市が進めるつくばセンタービルのリニューアル事業に対し、大規模事業評価を実施しないのは違法だなどとして元大学教授の酒井泉さん(72)ら6人が、五十嵐立青市長を相手取って、同事業に対する公金支出の差し止めを求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が7日、水戸地裁(廣澤諭裁判長)で開かれ、つくば市側は、公金の支出に違法は存在しないなどとして、請求の棄却を求める答弁書を出した。 酒井さんらは、まちづくり会社に対する市の出資金6000万円を含め事業は総額約10億3800万円であり、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市が要綱で定めているのだから、評価を実施しないのは要綱に違反し、必要な手続きを踏んでいないのから公金支出は違法だ、まちづくり会社を設置した際、総務省の第3セクターの経営健全化指針に基づく手続きを欠いたのは違法だ―などと主張し、市がすでに支出した約7000万円の返還と、新たな公金支出の差し止めを求めている。 これに対しつくば市側は答弁書で、大規模事業の進め方の評価対象となる事業は施設の整備事業であり、出資金は株式取得を内容とするものであって施設の整備を内容とするものではないから、金額の多寡にかかわらず、評価対象事業に当たる余地はない、市が作成した事業整備費用10億3800万円とした資料は、市民に対する説明のために作成したものであり、支出予定の全体を分かりやすさの観点から、支出の性質による区別をせずに全体像として示したものであって、大規模事業の評価対象事業に当たるか否かの観点から記載したものではない、などとして要綱に関する手続き違反は存在しないなどと主張した。 総務省の第3セクターの経営健全化指針に違反するとの酒井さんらの主張に対しても、出資に先立ち、2019年度策定のエリアマネジメント検討業務でエリアマネジメント団体の法人形態の比較検討を行っていること、学識経験者を委員とする検討委員会を開催し、委員会を通じて外部の専門家の意見聴取を行っていることなど、指針に基づく検討を行っている、と主張している。 原告の酒井さんは「(リニューアル計画では)公共スペースの半分をまちづくり会社に貸し出すこと、まちづくり会社が自ら、貸しオフィスの運営という商売をやること、出資会社が不透明であることの問題がある」として、裁判を通して明らかにしたいとしている。

つくばセンタービルの保存すべき価値示す 市民団体が報告書作成

市のリニューアル計画に対峙 つくばセンタービルの価値はどこにあり、何を未来に残すべきなのかーつくば市がつくばセンタービルのリニューアル計画を進めようとしている中、見直しを求めている市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、「緊急討論!つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題した報告書(A4版、64ページ)を作成した。 6月27日に研究会が開催した「ーエスカレーターは必要か」と題したシンポジウムの講演や討議の内容、参加者から寄せられたアンケート結果などを掲載し、リニューアル計画の問題点やつくばセンタービルの何を保存すべきかを示している。 報告書で鵜沢隆筑波大学名誉教授はつくばセンタービルの価値について「センタービルと不可分な存在としてのセンター広場が最も特筆すべき点として世界的に評価されている」とし、さらに広場の特徴について「広場に行くことを目的とした人でないと通らない、動線的に全く分離された広場」と解説している、磯崎さんの設計意図については「1階の広場と2階のペデストリアンデッキとの間で交わされる視線の交差、視線を介したある種の劇場広場のようなものとして理解できる」とし、市によるセンター広場へのエスカレーター設置計画に対して「エスカレーターのような設備がつくことで解決できる問題ではない」と指摘している。 その上で「広場に降りる動機をつくりだす」ための活性化方法を提案し、「広場を活性化させる新たな主役は当然、市民」だとして、市民が提案し、つくば市やまちづくり会社が市民の提案を実践して、出来上がったものを市民が享受する仕組みづくりや、具体的なアイデアを提案している。 筑波大学の加藤研助教は、つくばセンタービル建築当時を振り返り、磯崎さんが筑波研究学園都市建設をどのように見て、つくばセンタービルがどうして現在の設計になったのかを解説している。

「建物の輪郭や広場の形状維持を」市民団体が再要望 つくばセンタービル

つくばセンタービルリニューアル計画について、つくば市が実施設計の入札を7日に予定している問題で、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)は3日、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長に、建築物の輪郭や中央広場の形状を維持し、改修は室内に限定するよう求める2度目の要望書を提出した。西側エスカレーターの設置見直しや中央広場を囲う一部の壁の撤去見直しなどを求めている。 市のリニューアル計画の主な内容は▽西側(クレオ側)にエスカレーターを新設する▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動拠点をつくる▽ノバホール西側外階段の半分をスロープにする―など。これまで市は、市議会の意見を受けて、北側(ホテル側)のエスカレーターについては設置を取り止めた。 これに対し要望書は、つくばセンタービルはプリツカー賞を受賞した磯崎新氏のポストモダン建築の代表作であり、築50年の2033年には登録文化財となることが間違いないのに、市のリニューアル計画では貴重な申請資格が失われることになりかねないとしている。その上で、建物の歴史的、文化的意義を尊重し、建物や広場の空間的な輪郭はそのまま保持して、リニューアルは室内改修に限定すべきだとしている。 具体的には、西側エスカレーターについて、2基の計画のうち北側の1基を市議会の決断で撤回したことは評価するが、西側(クレオ側)エスカレーターについても見直すよう求め、10メートルも離れてない位置に既存のエレベーターがあること、既存エレベーターを改修する方が安全でコストが安いこと、エスカレーター設置に伴う中央広場を囲う壁の改変や屋根の設置は広場の価値を損なうなどと指摘している。 市民活動拠点の整備については、中央広場を囲う壁の4分の1を撤去し、開閉式の透明なガラス扉に置き換える計画に対して、中央広場の特徴であるメタリックな正方形とガラス窓、ガラス扉のバランスで構成された空間構成を台無しにし、世界的に価値が認められた広場の形状を壊すとしている。 さらに市民活動拠点などを整備するに際し、1階室内の幅4メートルの廊下を2メートル以下に狭めたり、廊下をふさぐなどの計画に対して、1階からの中央広場へのアクセスが狭められ、機材の搬入や搬出がほとんど不可能となってしまい、つくば市がエスカレーターを設置する目的にしている中央広場の活性化の弊害になると指摘している。

改修へ設計を発注 つくばセンタービル 専門家懸念「文化財の資格手放す」

つくば市が計画しているつくばセンタービル(つくば駅前)のリニューアル事業について、同市は、改修に向けた実施設計の入札を9月7日に実施する。 センタービルは、プリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新さんが設計し、ポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。市の改修計画に対しては、市民団体から見直しを求める要望書が出され、専門家からも「大がかりな改修をしてしまうと登録文化財の資格すら手放すことになる」など懸念の声が出ている。 リニューアルに向けた実施設計の一般競争入札は、5日に市ホームページで告示された。開札は9月7日に実施する。予定価格は4742万円(消費税抜き)、設計書などの作成期間は来年3月まで。 エスカレーター2基を設置するなどのリニューアル計画のうち、センター広場北側(ホテル側)のエスカレーター1基とV字型階段の改修は、市議会の意見を受けて取り止める。(4月27日付 6月3日付 6月22日付) 一方、西側(クレオ側)のエスカレーターは当初の計画通り新設する。 リニューアル計画の主な内容は、ほかに▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動総合センターや交流センター、市民窓口をつくる▽ノバホール西側の外階段の半分をスロープにして土浦学園線から車両が出入りできるようにする▽現在の吾妻交流センターの内装を解体するーなど。

五十嵐つくば市長 今度は被告席に《吾妻カガミ》113

【コラム・坂本栄】元市議を名誉毀損で提訴している五十嵐つくば市長が、今度は6人の市民から住民訴訟を起こされ、五十嵐さんは2つの裁判を抱えることになりました。名誉毀損の方は原告、住民訴訟の方は被告と立ち位置は違いますが、両裁判に気を取られて市長本来の仕事がお留守にならないか心配です。 センタービル再生:監査請求→住民訴訟 市が進める「つくばセンタービル再生事業」はいい加減なものだから、すでに支出したおカネは返してもらい、それがダメなら市長が自腹を切れ、これから手をつける設計・工事はすべてストップせよ―と、五十嵐市政の目玉事業に「NO」を突きつけた住民訴訟は、8月上旬、水戸地裁に提起されました。詳しい内容は、記事「つくば市長らに7000万円返還請求 6人が住民訴訟」(8月6日掲載)をご覧ください。 この訴訟は、原告を含む市民グループがセンタービル再生事業の問題点を列挙、市の監査委に監査請求をしたところ、問題なしと棄却されたことから、それでは裁判で白黒をつけようという、市民たちの次の一手です。監査委の結論で引かず、問題点を究極の第三者である司法の判断に委ねるアクションといえます。 監査請求が棄却されたこと、その理由に対する疑問については、コラム「五十嵐つくば市政 揺らぐその原点」(8月2日掲載)でも取り上げ、この再生事業は大規模事業(総経費10億円以上)であるにもかかわらず、五十嵐さんが自ら定めた事業評価(市要綱に規定)をしなかったのは、五十嵐市政の原点(広く意見を聴き事業を推進)を自ら否定するものではないかと指摘しました。 原告団は提訴理由として、上記の要綱軽視のほか、以下の4点を挙げています。①再生事業を担う第3セクター(まちづくり会社)設立の際の評価作業が不十分であり、総務省の指針に反する、②公の場所(センタービル)に民間賃貸会社(まちづくり会社)を置くのも総務省の指針に反する、③基本設計を担当した会社への発注が随意契約になっており、市の入札規則に反する、④センター広場にエスカレーターを設けるのは、広場の文化的価値を壊すだけでなく、著名な設計者の著作権を侵す―と。

つくば市長らに7000万円返還請求 6人が住民訴訟 センタービル改修事業で

つくば市が進めるつくばセンタービルリニューアル事業に対し、大規模事業評価を実施しないのは違法だなどとして監査請求を実施した18人のうち、元大学教授の酒井泉さん(72)ら6人が、監査結果を不服として5日、五十嵐立青市長を相手取って水戸地裁に住民訴訟を起こした。市がすでに支出した基本設計費とまちづくり会社に対する出資金計約7000万円を、市が、五十嵐氏個人や設計会社、まちづくり会社に返還請求するよう求めた。さらに同事業に対する今年度以降の公金支出を止めるよう求めている。 訴えによると、同リニューアル事業は5つの点で違法だとしている。 まず大規模事業評価については、事業は総額約10億3800万円であり、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市が要綱で定めているのだから、評価を実施しないのは要綱に違反し、必要な手続きを踏んでいないのから公金支出は違法だ、などとしている。 一方、住民監査請求に対し市監査委員が「マニュアルに、出資は対象となりませんと明記されている」のだから「(出資金6000万円は)リニューアル事業の総事業費に含まれない」、出資金6000万円を差し引くと10億円に満たないのだから大規模事業評価をしなくても要綱に違反しないなどとする監査結果を出したことに対して、原告住民らは「要綱にマニュアルに対する委任条項はないのだから、マニュアルは規範とはいえず、内部資料に過ぎない。監査結果は、マニュアルさえ作ればいかようにも要綱を骨抜きにできることになってしまう」などと主張している。 原告住民らはほかに、まちづくり会社を設置した際、総務省の第3セクターの経営健全化指針に基づく手続きを欠いたのは違法である、つくばセンタービル1階をシェアオフィスなどとして私企業に貸すのは公の施設としての利用を拒否することになり地方自治法に違反する、リニューアルの基本設計をプロポーザルによる随意契約としたのは市契約規則に違反するーなどと主張している。 エスカレーター設置などによる外観の改変についても指摘し「市が推し進めようとしている改変は(設計者の)磯崎新氏の著作権の侵害であると同時に、市民が共有する文化的・芸術的財産の侵害だ」などと主張している。

五十嵐つくば市政 揺らぐその原点 《吾妻カガミ》112

【コラム・坂本栄】つくば市政が滑稽なことになっています。広く意見を聴いて施策を進めるという五十嵐市政の基本がお留守になり、市民の関心が強い事業の策定作業がオープンになっていないと、市民グループから批判されています。五十嵐さんは執行部主導で施策を進めた前市長を批判する運動を繰り広げ、その勢いに乗って市長になった人です。ところが、その原点ともいうべきところを突かれるという、おかしな展開になってきました。 「住民監査請求」棄却理由が傑作 問題になっている事案は「つくばセンタービルリニューアル事業」(総事業費10億3800万円)です。市民グループが、この事業は10億円以上を費やす案件だから、策定に際しては広く意見を聴かなければならない大規模事業に当たるのに、その事業評価が不十分だったと、5月中旬、市に住民監査を請求しました。詳しくは「…18人が住民監査請求」(5月12日掲載)に出ています。 7月中旬、市監査委の監査結果が市民グループに郵送されましたが、市の見解を踏まえてまとめられた結論は「大規模事業評価の対象にしなくてもよい」でした。そのポイントは「監査請求を棄却…」(7月14日掲載)をご覧ください。 棄却理由が傑作です。再生事業を担う会社「つくばまちなかデザイン」への市出資金6000万円は事業費ではないから、この額をマイナスすると事業規模は10億円を下回り、大規模事業の定義(総事業費10億円以上)に当てはまらない、という理屈でした。しかも、出資金をどう扱うかは公表されておらず、市職員マニュアルに書かれていたというのです。アウトかセーフかを決めるルールが非公表では、野球も行政も成り立ちません。 自慢の「大規模事業評価」を回避

つくば市、監査請求を棄却 住民ら「大規模事業評価骨抜き」と批判

つくば市が実施するつくばセンタービルリニューアル事業は総額10億円を超えるのだから、大規模事業評価を行わないのは違法だなどとして、元大学教授の酒井泉さん(72)ら市民18人が出していた住民監査請求(5月12日付)で、市監査委員(高橋博之代表監査委員)は8日付で、請求を棄却する監査結果を出した。 酒井さんらは、リニューアル事業の整備費は総額10億3780万円で、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市が要綱で定めているのだから、大規模事業評価の手続きが踏まれていないのは違法だなどとして、すでに市が支出した約7000万円の返還と未支出額の支出差し止めを求めていた。 監査結果は、市が大規模事業評価を実施しないことについて「職員が実務上の参考とするためのマニュアルに『出資は対象となりません』などと明記されている」とし、出資金6000万円は「リニューアル事業の総事業費に含まれない」という市担当課の主張は妥当だとし、出資金を差し引くと事業費は9億7780万円であることから、大規模事業評価をしなくても要綱に違反しないとした。 一方、市が昨年暮れ実施したオープンハウスや市議会全員協議会で市は、予算総額10億3780万円という整備費を示していたことから、「市民の誤解を招くことのないよう慎重な表現を心掛けた方がよかった」と付け加えた。 監査結果に対し、代理人の坂本博之弁護士は「マニュアルがあることは市民に公開されておらず、今回の監査結果は、マニュアルさえ作れば、いかようにも要綱を骨抜きにできることになる」と指摘した。酒井さんは「出資金の使途は大部分が改修などの施設整備費であり、要綱の施設整備事業に該当する。市担当課の言い分と監査委員の判断は事実を無視している」などと批判した。 ほかに、まちづくり会社は市が出資する第3セクターであるにもかかわらず、国の指針に基づく検討を行っておらず、3セクを設置する場合は指針に従って「事業そのものの地域における意義や必要性、収支などの将来見通し、費用対効果などについて検討を行い、3セク以外の事業手法も含めて具体的な比較を行うことが必要」だとする住民らの主張に対して、監査結果は「(2019年度の)中心市街地エリアマネジメント業務で検討し、同エリアマネジメント検討委員会で外部の専門家の意見を聴取したと認められるのだから(住民らの)主張に理由はない」などとした。

クレオ第2弾、22日オープン つくば駅前商業施設

つくば駅前の商業施設「トナリエ クレオ」を運営する日本エスコン(東京本社・港区、伊藤貴俊社長)は9日、第2弾が22日オープンすると発表した。 2階に家電量販店のケーズデンキ、3階に100円均一ショップのダイソーと、アミューズメントやゲームセンターのタイトーFステーション、幼児教室のベビーパークなどがオープンする。ほかに、1階に宅配ピザチェーンのピザハット、韓国食品スーパーのイルソイルソが出店する。 第2弾のオープンに合わせて、物質・材料研究機構が3階に夏季限定で本物を模した実験室空間を出展し、22日から25日に実験ショーを開催する。 隣接のトナリエキュート3階にはキャンプ用品の小川グランドロッジ、トナリエモグ1階には宝飾品やブランド品の買取専門店ジュエルカフェがオープンし、クレオ、キュート、モグ合わせて計8店が出店する。 さらに第3弾として秋には、2、3階などにキッズスクールや学習塾などがオープンする予定という。 クレオは5月19日、第1弾として1階に食品スーパー「ロピア」などがオープンした。西武筑波店やイオンつくば駅前店の撤退による閉店以来、5年ぶりのリニューアルオープンで、特に土日などはにぎわいが見られるようになった。(2月2日付、4月28日付。5月19日付)

つくば市議の施設観と文化センス 《吾妻カガミ》110

【コラム・坂本栄】つくばセンタービルの中央広場にエスカレーターを付けるべきか、付けるのであれば1基でよいか、2基にすべきか。こういった議論が本サイトで盛り上がっています。市の2基設置案に対し、市議や市民から「いらない」「1基でよい」といった声が多く出たことから、市は「まず1基、もう1基は改めて検討」という妥協案で幕引きを図りたいようです。でも、議論はまだまだ続くのではないでしょうか。 この論争について、コラム「中心地区再生計画 出だしでつまずき」(5月17日掲載)の中で、私は「深地下のTX秋葉原駅にはエスカレーターは絶対必要ですが、センター広場にはどうでしょうか」とコメント。控えめに疑問を呈しました。しかし、喧々諤々(けんけんがくかく)の議論になってきたこともあり、少し頭を整理しておきたいと思います。 「広場にエスカレーター」の是非 議論は大きく2つに分けられます。1つは、エスカレーターが2階高架歩道と1階凹型広場をつなぐ設備として必要か否か、という機能面の議論です。TX秋葉原駅のように地下数階と地上をつなぎ、多くの人を混乱なく運ぶのには必要な装置ですが、歩道と広場の行き来には「いらない」でしょう。また、百貨店のように快適に買い物をしてもらう商業施設には必要でしょうが、広場=公園には「いらない」でしょう。 もう1つは、磯崎新さんが設計したセンター広場は文化遺産だから、電動自動階段を設けるのは学園都市の名所を壊すようなものだ、いや文化より利便性だ、という文化面の議論です。どちらかというと私には苦手な分野ですが、観光資源として「いじらない」方がよいのではないしょうか。 加えて、「センタービル改修めぐり市民団体討論」(6月27日掲載)中で紹介された加藤研さん(筑波大助教)の発言を読み、広場には思想性もあることを知りました。「国家がつくった都市の中心をあえて空洞にしたのは、痛烈な筑波研究学園都市批判があった」と。センター広場には、市民に絶えざる自省を促すメッセージが込められているわけです。

「活性化はエスカレーターでは解決できない」 つくばセンタービル改修めぐり市民団体討論

プリツカー賞を受賞した磯崎新氏の代表作といわれるつくばセンタービルに、つくば市がエスカレーターを設置するなどの改修を計画している問題で、「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題した市民団体による講演とシンポジウムが27日、同ビル内のつくばイノベーションプラザで開かれた。講演した鵜沢隆筑波大学名誉教授は「広場の活性化はエスカレーターでは解決できない」などと指摘した。 市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)主催し、約50人が参加した。センター広場にエスカレーターを2基つくる計画をめぐっては、市が22日、2基のうち1基をとりやめる方針を議会に示したばかり。 鵜沢名誉教授は、つくば市が計画しているリニューアルに対して「磯崎新氏の意匠を評価するとうたいながら、十分に評価したものになっていない」と批判した。 ポストモダン建築の代表作と世界的に評価されているつくばセンタービルの特徴を示した上で、センター広場について「広場に降りる目的がない人はあえて通る必要がない設計になっている」とし、「広場の活性化はエスカレーターをつくるかつくらないかの問題ではない」と指摘した。 磯崎氏の設計の意図については「1階の広場と2階のペデストリアンデッキの視線の交差、劇場広場のようなものとしてつくったと理解できる」とし、建設当初は、広場に引用されているミケランジェロ設計のカンピドリオ広場の床のパターンや流れる水、噴水などが、ペデストリアンデッキから見られる対象だったが、時間が経つと新鮮さがなくなって、主役が不在になっているという。 シンポジウムの様子=同

エスカレーター1基は取り止め つくばセンタービルリニューアル

つくばセンタービルのリニューアルで、つくば市が、エスカレーター2基の設置を計画していた問題で、市議会中心市街地調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)が22日開かれ、市は、2基のうち北側(ホテル日航つくば側)の1基の建設を取り止めることを明らかにした。 一方、特別委では「エスカレーターは1基で了解した」(皆川幸枝氏)という意見と、「(1基であっても)磯崎新氏の建築物の全体イメージを壊す」(飯岡宏之氏)という相反する意見が出された。 エスカレーターをめぐっては、今月3日開かれた同特別委で「1基はなくてもよい」という方向性が出された(同3日付)。市議会の意向を受け市は、改めてどうするか検討していた。 22日の市の説明によると、2基のうち、西側(旧ライトオンビル側)の1基のみを設置する方向で、近く実施設計を発注する。 北側の1基を取り止める理由として市は①北側に計画していたエスカレーターは、1階のセンター広場まで降りることができず、途中から階段を下りなくてはならなくなること②議会から磯崎新氏の建築意匠に与える影響について指摘が出ていることなどから「慎重に対処する必要があるため」だと説明した。 もともとエスカレーターを設置する理由について、動線と視認性の向上が目的だと説明していたことから、1基を取り止めることによる動線や視認性の確保について、案内表示を工夫したり、まちづくり会社のつくばまちなかデザインと連携して情報発信を充実させるなどとした。

つくばの街づくり 迷走する市の計画 《吾妻カガミ》109

【コラム・坂本栄】TXつくば駅前に新装オープンした「トナリエ クレオ」をのぞいてみました。撤退した西武百貨店では「デパ地下」だった1階には、食品スーパー「ロピア」のパワフルな食材が並び、以前とは大分違った雰囲気でした。茨城初の同店が核店舗として入り、つくばセンター地区は平成のころとは違ったまちに生まれ変わるような予感がします。 徒歩や自転車で行ける「クレオ」 トナリエ・クレオ開店の様子は、本サイトの記事「クレオ3年ぶりに再オープン」(5月19日掲載)をご覧ください。新しい家主「日本エスコン」の伊藤社長のあいさつが引用されていますが、「大型百貨店などのGMS(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)を核とする構成から、地域住民に欠かせない食品スーパーを核とするNSC(ネイバーフッド・ショッピング・センター)に構成を変えていく」との考え方には、なるほどと思いました。 業界用語NSCとは、食品スーパーを中心にして、近隣住宅街などの小商圏をターゲットとする商業施設のことだそうです。大商圏を想定して高級品も扱う百貨店とは違ったコンセプトです。中部電力系の東証1部上場不動産会社・日本エスコンとしては、つくば駅周辺に林立するマンションに注目(自らもクレオ隣りに建設中)、勢いのある食品スーパーを誘致したようです。 この地区には、カスミ・フードスクエア学園店、ヨークベニマル・つくば竹園店、西友・つくば竹園店など、有力な食品スーパーがひしめいています。そこに新たなNSCをぶつけてきたことに、エスコンとロピアの気合いを感じます。クレオに徒歩あるいは自転車で来られるエリアに、これからもマンション、戸建住宅が増えると読んだからでしょう。 これらの店の大商戦によって、つくば駅周辺が活気ある「オフィス+マンション+飲食店+小売店」地域になればと思います。

エスカレーターは必要か 27日に緊急討論会 つくばセンタービル改修で市民団体

つくば市が進める、つくばセンタービル(同市吾妻)のリニューアル計画に対し、文化財としての価値を知った上で改修の是非を改めて考えてほしいと、市民団体「つくばセンター研究会」(共同代表・冠木新市さんなど)が27日、同センタービル内で「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題した講演とシンポジウムを開く。 筑波大学の鵜沢隆名誉教授が、プリツカー賞を受賞した磯崎新さん設計のつくばセンタービルの価値について、なぜポストモダンの代表作だと世界的に評価されているのかなどを建築の観点から講演する。さらに活性化についても提案する。 続いて筑波大芸術系の加藤研助教、神奈川大学建築学科の六角美瑠教授らが加わってシンポジウムを開き、参加者と意見交換しながら、エスカレーター設置など市のリニューアル計画について討論する。 研究会は今月1日「市が進めようとしているつくばセンタービルのリニューアル計画は、文化財としての価値を失わせることになる」などとして、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長宛てにそれぞれ、センター広場へのエスカレーター2基の設置計画を見直すよう求める要望書を出した(6月1日付)。 27日の緊急討論会は要望書提出に続く取り組みとなる。 共同代表の冠木さん(69)は「つくば市は中心市街地を活性化するためにつくばセンタービルをリニューアルすると言っているが、活性化してないのは、センタービルの建物や設備のせいではなく、ソフトの問題だ。市のリニューアル計画に反対の人も、賛成の人も、センタービルの文化財としての価値を知ってほしい。それでもエスカレーターを付けるのか、市やまちづくり会社の関係者にも討論に参加していただきたい」と話す。

「1基は無くてもよい」で一致 エスカレーター計画で市議会 つくばセンタービル

つくばセンタービル(つくば市吾妻)のリニューアルで、市がセンター広場にエスカレーターを2基建設する計画を立てている問題(4月27日付)を扱う市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)が3日開かれた。エスカレーターを計画通り2基設置すべきかなどについて各会派が意見を出し合った結果、議会として、北側(ホテル日航つくば側)の1基は無くてもよいとする意見で一致した。 市は、今回の議会の意向を踏まえて改めて検討し直し、結果を議会に示す。3月時点では、エスカレーターを2基設置する内容の実施設計を6月にも発注する予定だったが、ずれ込む見通しだという。 一方、今回は「西側(クレオ側)のエスカレーター1基をつくって(2基目は)改めて検討する方がよい」などとする意見と、「つくばセンタービルは文化財的価値が高い建造物なのだから2基とも設置する必要がない」などの意見に分かれたほか、新たに「北側(ホテル側に)にエスカレーターではなくエレベーターを設置してはどうか」などの意見が出された。特別委では、市民活動拠点の配置なども含めて今後さらに検討する。 各会派の主な意見は次の通り。(鈴木宏子) 2基が妥当、妥協点として1基でもよい つくば自民党・新しい風(発言者は黒田健祐市議)エスカレーターを2基つくるのが妥当だが、妥協点として1基でもよい。視認性、回遊性をみても2カ所が妥当。ソフト面とハード面、両輪で推進することを考えた場合、中心市街地まちづくり戦略全体の中で、ハード面が先行し、議論の的になっている。2基が妥当な考えだが、活性化した姿を前提に、まちづくり戦略を進めていく中で、1基造って様子を見て、もう1基つくるという考え方もある。市民活動拠点は原案通り。

エスカレーター設置見直しを つくばセンタービル改修で市民ら要望

「つくば市が進めようとしているつくばセンタービルのリニューアル計画は、文化財としての価値を失わせることになる」などとして、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)は1日、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長宛てにそれぞれ、センター広場へのエスカレーター2基の設置計画(4月27日付)を見直すよう求める要望書を出した。 同研究会は、センタービルでこれまで20年間、さまざまな活動を展開してきた市民らでつくる。 要望書によると、同センタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した磯崎新氏のポストモダン建築の代表作で、市民の誇りであるとし、エスカレーターを2基設置し外観を改変してしまったら、後戻りはできない、などとしている。 さらに、築50年の2033年に登録文化財として申請すれば、将来のつくばの文化遺産及び観光資源になるのに、つくば市が改変を進めれば、市の貴重な文化資源の喪失になり、次世代の市民に引き継ぐ道を絶つことになる、などと指摘した。 つくばセンタービル。ノバホール3階から松見公園方向 センタービル1階に貸しオフィスと市民活動拠点を整備するのに伴うビル内部の改修についても言及し、東西南北どの方向からも広場に行き来できるよう設計されているのに、市の計画は、通路の一部を閉ざしてしまい、動線を減らすことになり、にぎわい創出とは逆方向だ、などとしている。

つくばの市街地に咲く「絶滅危惧種」 私はどうすればいい?

4月、NEWSつくばに読者から「絶滅危惧種の『キンラン』がつくば市街地に自生している」というメールが届いた。 その場所は、つくば駅に近いセンター地区の市街地。後日、メールの差出人に案内されると、ある企業の私有地に、黄色く小さな花をつける1本のキンランがあった。一見、どこにでもあるような普通の植物。周囲の雑草と見分けがつかず、探すのに時間がかかった。 「絶滅危惧種」がなぜ市街地に生えているのだろう? 希少な植物に出合ったとき、私たちは一体どうすればいいのだろう? 湧き上がるいくつかの疑問を胸に、専門家に話を聞いた。 キンランとは? そもそもキンランとはどのような植物なのか。 キンランは、日本に約300種あるとされるラン科の植物の一つ。多年草で、ブナ科やマツ科の樹木の根もと近くに生育し、30センチから70センチほどの高さになる。これらの樹木の根に寄生する菌類が作る養分を、キンランは取り込み生きている。こうした菌類との共生関係を必要とし、単体では生きられないのも大きな特徴だ。

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成果高い施策に重点化 最終年度の森林湖沼環境税

茨城県独自の県民税として2008年度から徴収し、県内の森林保全・整備や霞ケ浦など湖沼・河川の水質保全事業に活用しててきた森林湖沼環境税が今年度で最終年度を迎え、開会中の県議会で与野党の論戦を呼んでいる。 すでに県内の林業や浄化槽など水質保全関係業界などから「継続」を求める陳情書が提出され、県議で構成する県森林・林業・林産業活性化促進議員連盟も歩調を合わせている。 同税は県民均等割超過課税方式により、県民1人当たり年間1000円を徴収(県民税均等割が非課税者は除く)している。08年度から今年度当初予算までの税収は約235億円となり、基金により他の税収と区分して管理している。 県議会の質疑応答の中で大井川和彦知事は、同税は当初、間伐など森林整備・管理の推進などに重点を置いていたが、知事就任後の18年度から方針を転換し、経営規模の拡大に意欲的な林業経営体への支援等を通じ、森林経営の集約化を推進してきた、結果、集約森林は17年度末の約2300ヘクタールから20年度末には約1万ヘクタールまで拡大した、自立に向けた規模拡大が進む成果がいわれてきていると、成果を強調している。 一方、湖沼、河川の水質保全では、特に霞ケ浦の水質浄化に関連し、高度処理型浄化槽の設置、下水道・農業集落排水施設への接続などに、重点的に活用したと強調。さらに小規模事業所の排水対策として、基準超過に対し罰則や改善命令ができる水質保全条例を改正、今年4月1日の条例施行前に、霞ケ浦沿岸の小規模事業所を立ち入り検査による指導で強化し、霞ケ浦のCOD(化学的酸素要求量)値は税導入前の1リットル当たり約9ミリグラムから約7ミリグラムに低下したとしている。 しかし近年は横ばい状態にあり、知事自ら「従来の枠組みにとらわれず、成果の高い施策にさらに重点化が必要なのではないか」と問題提起している。

宇宙天気防災戦略 《食う寝る宇宙》96

【コラム・玉置晋】災害は忘れたころにやってくる。地球物理学者の寺田寅彦先生の言葉と言われておりますが、宇宙天気による災害は忘れるどころか、経験したことがある方はほとんどおりません。 ただ、2003年のハロウィンの時期に宇宙業界で働いていた方は、痛い目に遭われたと思います。同年10~11月の地球周辺のプラズマ環境の悪化は、日本の人工衛星1基の息の根を止めるとともに、動いていたミッションの総点検が入ることになり、日本の宇宙開発が止まる事態となりました。 ただでさえ就職氷河期であった上に、宇宙業界の採用がほぼなくなり、当時、就職活動を控えていた僕は翻弄(ほんろう)されたものです。だから、僕はハロウィンが嫌いだし、宇宙天気を甘く見るのも嫌いです。宇宙天気は因縁の相手だと思っています。 英国の宇宙天気準備戦略 9月に英国で「UK Severe Space Weather Preparedness Strategy(英激甚宇宙天気準備戦略)」というドキュメントが出版されました。出版したのは英ビジネス・エネルギー・産業戦略省です。

自国の文化、価値観など語る 筑波学院大オンライン学園祭で海外出身教員

筑波学院大学(つくば市吾妻、望月義人学長)の学園祭、第30回KVA祭が23日、「No Rain, No Rainbow」(ノーレイン、ノーレインボー=雨が降らなければ虹は出ない)をテーマにオンラインで催された。学院大の池口セシリア教授らによる国際交流委員会主催のクロスカルチャーフォーラムでは「グローバル世界に必要な新常識の発見」をテーマに、海外出身の大学教員がそれぞれの国の文化や価値観について英語と日本語で話した。 ベルギー出身で筑波大学教員のヴァンバーレン・ルートさん、カナダ出身で茨城キリスト教大学教員の沼館ジェニーさん、ネパール出身で筑波学院大教員のパンダ・ボーラさんの3人がそれぞれ話した。 ヴァンバーレンさんはベルギーについて、公用語がフランス語、オランダ語、ドイツ語と3つあり、それぞれの地方の方言もあって、ポスターや道路標識も複数の公用語と方言で表記されているなどと紹介。その上で、常識とは何かについて話し「日本人はかぜをひくとマスクをするが、ベルギーではかぜをひいてもマスクをしない。しかし新型コロナでベルギーの人もマスクを着けるようになったり、日本ではコロナ禍でハンコを押す押印文化が変わりつつあるなど、常識は変わる」などと話した。 沼館さんはカナダについて「平等主義で、多文化、多様性をすごく大事にしている国。同性婚を2005年から認めている。多文化主義を法律で定め、守っている」などと紹介し、カナダ人について「カジュアルだが、日本と似ていて礼儀正しい」と話した。「毎年30万人近くの移民があり、いろいろな人、いろいろな文化があるので互いに尊重、尊敬しないとうまくいかない」「消費税は13%と高いが、学校や医療は無料」などと紹介した。 視聴した学生からは「ベルギー、カナダ、ネパールに将来行きたい。お薦めの場所を教えて」「ベルギーはサッカーが強い印象があるがサッカー以外で人気のスポーツは何か」などの質問が出た。

動き出す次世代がん治療法「BNCT」 10年目のつくば国際戦略特区

つくば国際戦略総合特区事業の1つ、次世代がん治療法「BNCT」(ホウ素中性子捕捉療法)の開発実用化プロジェクトで、筑波大学と高エネルギー加速器研究機構は11月から、いばらき中性子医療研究センター(東海村白方)に設置した照射装置・実証機で非臨床試験を開始する。 同特区事業は2011年12月にスタートしており、プロジェクトは10年目にして、ようやく装置の薬事承認申請を行うために必要となる「治験」の前段階にたどりついた。iAc、ステラファーマ、日立製作所、千代田テクノル、NAT、新日本科学の関連各社が協力する。 コンパクトな加速器、安全性確保に腐心 BNCTは、がん細胞に選択的に集まる特性を有するホウ素薬剤をあらかじめ患者に投与し、中性子線を照射して、がん病巣を選択的に破壊する放射線治療。がん細胞内のホウ素は中性子と核反応を起こして、アルファ線などを発生する。発生した粒子は人間の体の中では10マイクロメートル(細胞1個分の大きさ)以下しか飛ばないため、ホウ素を取り込んだがん細胞だけが破壊され、正常細胞は温存されるという原理による。 難治性の頭頸部(とうけいぶ)がんや悪性脳腫瘍などの治療法として有力視され、長年研究されてきた。2011年3月以前は中性子の発生源に、東海村にあった実験用原子炉などが用いられたが、実用化に向けては病院にも設置できるよう、小型化と安全性が求められた。特区事業では加速器ベースの中性子源の導入が図られた。 リニアック(線形加速器)で陽子を加速し、標的にぶつけて中性子ビームを発生させる。設計の段階から開発に携わったのが、筑波大学陽子線医学利用研究センター、熊田博明准教授(医学医療系生命医科学域)だ。加速器を一式組み立ててから、非臨床試験に使える状態まで改良した装置は、つくば型BNCT用照射装置・実証機(iBNCT001)と名付けられた。