月曜日, 8月 24, 2026
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神も仏もパーフェクトなんかじゃない《マンガサプリ》7

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写真は筆者

【コラム・瀬尾梨絵】世紀末を無事に乗り越えたブッダとイエス。大仕事を終えたバカンスとして下界に降り立った2人が、あろうことか東京・立川の古びたアパートで共同生活を始める。漫画界において、これほどまでに想像の斜め上をいく設定は類を見ないだろう。中村光先生による「聖☆おにいさん」(講談社、現在22巻)は、そんな常識外れの導入を読者が「まあ、2人ならそうなるか」と、ごく自然に飲み込んでしまうところから物語が始まる。

この作品の最大の魅力は、神様であるはずの2人が私たちと同じように悩み、笑い、そして時にダメ人間的な側面を露呈するかわいさにある。

ブッダは極度の節約家で、バーゲンセールに命をかける主婦のような一面を持つ。一方のイエスはネットサーフィンが大好きで、家電量販店で舞い上がっては、無駄遣いをしてしまう衝動的な性格。神としての奇跡を発動しつつも、2人の関心事は常に「家計のやりくり」「隣人との付き合い」「はやりの趣味」といった、極めて世俗的でささやか。

本来であれば敬虔(けいけん)な対象であるはずの2人が、Tシャツにジャージ姿で立川の商店街を歩き、お祭りや銭湯を楽しむ姿。そのギャップがもたらす滑稽(こっけい)さは、読み進めるうちに「神様仏様もこんなふうに悩むなら、自分の悩みなんて大したことないかも」という、不思議な安心感へと変化していく。

神様だってこんなにテキトー

この作品は、宗教的な教義を説くものではない。しかし、ブッダが他者の痛みに寄り添い、イエスが人類愛を実践しようとする姿は、どれほど不器用であってもそこに確かな「慈しみ」があることを教えてくれる。彼らの言動は、完璧な神様を描くことではなく、むしろ「完璧ではない人間」のいとおしさを浮き彫りにしている。

現在22巻まで刊行されているが、長く付き合えるのもこの作品の醍醐味(だいごみ)。連載が進む中で2人の下町ライフも少しずつ深まり、街の人々や周辺の神々との交流も増えていく。それでも変わらないのは、どんなに小さな日常にもドラマがあり、どんなに些細(ささい)なことでも笑い飛ばせるという、この作品全体を包み込む癒やしの空気感だ。

せわしない日々の合間にこの本を開くと、不思議と肩の力が抜け、「神様だってこんなにテキトーに、かつ一生懸命生きているのだから、人間である私たちが完璧じゃなくても大丈夫」。そんなエールを受け取ったような気分になれる。

もし日々の生活に少し疲れを感じているなら、立川の風呂なし六畳一間の松田ハイツをのぞいてみて欲しい。そこでは、今日も世界を救うはずの2人が今日の夕飯の献立や、安売りの情報を巡って平和な1日を過ごしているはずだ。笑えて、癒やされて、たまに少しだけ神聖な気持ちになれる。これほどまでに心地よい生活リズムが、今の私たちには必要なのかもしれない。(牛肉惣菜店経営)

紀州と奈良の産地にみる伝統と革新《文京町便り》52

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】専修大学社会科学研究所による「紀州と奈良の産地にみる伝統と革新」をテーマとする春季実態調査が2月下旬に2泊3日で行われ、同研究所の研究参与を務めている私も参加した。

醬油醸造と有田みかん

1日目午後は、和歌山県湯浅町で1841(天保12)年から営業している醸造蔵・角長(かどちょう)を訪ね、江戸時代から続く伝統的な醬油醸造製法を見学した。展示館での高齢女性従業員の熱のこもった説明に圧倒されたが、かつての繁栄にもかかわらず、同地では今や1社のみで営業している危機感を感じた。

2日目午前は、有田市で「有田(ありだ)みかんの生産・加工・販売(6次産業)」に取り組んでいる早和(そうわ)果樹園を訪ね、秋武新吾会長のお話をうかがった。全国のみかん生産量が360万トン(1970年代半ば)から60万トンに激減している中、450年の歴史を誇る有田みかんも、愛媛県などからの挑戦もあって、豊作貧乏に苦しんでいた。

秋武会長は1979年、7戸の農家で早和共撰組合を設立、ハウスみかんに取り組んだという。その後、各種の革新的な取り組みにチャレンジし、2000年には法人化した。今や、直営栽培農場10ヘクタールに及び、出荷量(生果500トン、加工1200トン)、売上高16.2億円(2025年6月期)に達している。

こうした順調な事業もあり、ここ10数年、約5名の大学新卒者を採用し、農林水産大臣賞を3回受賞、経済産業省「地域未来牽引企業」にも選定(2018年1月)されたそうだ。創業者の秋武氏(80歳ぐらい?)の沈着な状況判断と前向きな精神、加えて温厚な人柄が魅力的で、6次産業化の成功事例と拝察した。

マフラーや化粧用パフ

2日目午後は、橋本市高野口の妙中パイル織物を訪問した。1947年創業の同社は、同地に相当な規模・棟数の工場を立地しているが、現在稼働しているのはそのごく一部という。

社長(3代目)さんによると、川島織物グループ企業として、自動車・鉄道・バスなどの車両用モケット(ビロード状の織物)を生産していたころは、工場もフル稼働だったが、いまやその用途・商品は消滅し、衣料マフラーや化粧用パフなどへの商品転換を迫られているが、売り上げ規模があまりにも違い過ぎる。

この場合、商品それ自体に瑕疵(かし)があるというより、既存の販路が消滅したことからの業態転換が難しい事例とお見受けした。この日の宿泊ホテルには、高市早苗首相の似顔絵入りタオルが展示されていたが、残念(あるいは当然)ながら在庫は品切れだった。

3日目午前は、世界遺産でもある元興寺と「なら工藝館」を訪ね、「ならまち」をぶらついた。本企画教員(大阪市立大学勤務経験あり)推薦の白玉屋栄壽(えいじゅ)で名物「みむろ最中」を購入し、日本酒発祥の地・奈良の今西清兵衛商店で「春鹿」の利き酒をさせていただいた。

奈良には今西姓が多い

予定の行程はここまでだったが、近鉄奈良駅に向かうべく乗り込んだタクシーで、運転手さんの名前が今西だったことから、話が連想ゲームよろしく展開した。運転手さんの話では、奈良には今西姓は多い。そのわけは、藤原氏の先祖とされる中臣氏やその従者が鹿島神宮をたつとき、「チョット西に行ってくる」と言ったからだ、という眉唾物を披露してくれた。

私が茨城県から来たと言うと、「何かの縁ですね」と返してくれたので、私もイバラキ弁で「いや、どうも」と応じた。お後がよろしいようで…。(専修大学名誉教授)

地元酒販店4代目 都市型醸造所を23日オープン 土浦駅近く

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土浦駅近くに都市型醸造所をオープンする4代目の佐藤栄介さん

土浦市新治地区の酒販店「佐藤酒店」の4代目、佐藤栄介さん(32)が23日、土浦駅近くのビルに、醸造から販売、体験までを一貫して行う小さな地酒醸造所「土浦醸造」をオープンする。

駅前や市街地などに立地し、醸造工程を見学したり、出来立てを味わうことが出来る都市型醸造所と呼ばれる業態で、地元土浦産のコメ、市特産のレンコン、市の花、桜のウッドチップなど地元の素材を生かして酒造りをする。中心市街地活性化の一役も担いたい意向だ。

ビル1階の醸造所

佐藤酒店は同市沢辺で1948年に創業。2019年に土浦駅ビル、プレイアトレ土浦に角打ちを楽しめる地酒専門店を出店、23年にイオンモール土浦にこだわりの地酒販売店を出店した。今回、地域密着型の起業や新規事業を支援する総務省の「ローカル10,000プロジェクト」の支援を受け、酒を「売る」から「造る」に挑戦する。市内で唯一の酒類製造者になる。

店舗は土浦駅から徒歩2分のビルの1、2階を利用し、1階に醸造所、2階に試飲スペースなどを設ける。1階の醸造所には500リットルのタンク三つと、製麹室、発酵設備などを設置する。杜氏は、東京・浅草初のクラフト酒醸造所「木花之醸造所」で修行を積んだ、佐藤さんの義姉の青木彩夏さんが務める。

提供するのは、発酵したもろみを濾(こ)さない「どぶろく」や、もろみを絞った「澄み酒」で、一つのタンクから 「どぶろく」と「澄み酒」の2種類をつくる。伝統的な日本酒の醸造技術をベースに、さらに地元特産のレンコンや桜のウッドチップなどを取り入れ、土浦の風景や季節を表現する。また麹(こうじ)を利用したノンアルコールの甘酒なども製造する。

「土浦醸造」の店舗

代表の佐藤栄介さんは「自分たちの土地の酒を自分たちの手で造りたいと思い醸造所を造った。この街の未来へ続く酒になれたらうれしい。そして土浦醸造がハブとなり、農業、商業、観光、研究などに関わり、地域貢献できれば。そのためにはまず自分の事業を成功させたい」と意気込みを話す。(榎田智司)

◆23日は、初仕込み酒限定200本を先着順で販売する。どぶくろタイプは720ml税込2970円。澄み酒は720ml税込3300円。見学は2200円で、醸造工程の見学から試飲までを一貫して体験できる。

詩劇「憎しみは愛によって止む」を終えて《映画探偵団》100

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イラストは筆者作成

【コラム・冠木新市】5月16日、詩劇コンサート・つくばシルクロード2026「憎しみは愛によって止む」に、スリランカ大使とスリランカ仏教界を代表する僧侶を迎え、出席者128人(出演者も含む)の「満員御礼」で終了した。

2部構成の第1部「終わりの始まり」では、1951年に締結されたサンフランシスコ講和条約の背景と内容、その後のスリランカと日本の交流を映像と舞踊で表現した。第2部「平和の里を訪ねて」では、筑波山、桜川、北条大池を歌ったクリシャンタさんの新曲など6曲、大川晴加さんの「憎しみは愛によって止む」など2曲を披露した(コラム99)。

寄せられた感想では「歴史や社会に詳しい主人ですが、この事実(日本分割統治)を初めて知り、衝撃を受けていました」「始めから涙流しっぱなしでした。ジャヤワルダナさんに日本人として感謝です」など、たくさんの感動メールが届いた。

だが、内実は大変だった。ジャヤワルダナ氏の演説を日本語にし、AIで作成したのだが、リアルにできなくて13回やり直した。完成したのは開演2時間前で、やっと6分の演説を流すことができた。また、日本人の音響担当とスリランカ人の映像担当のやり取りが言葉の問題もあり伝わらず、映像と舞踊合わせはぶっつけ本番だった。

木下恵介監督「スリランカの愛と別れ

翌日、疲れが残るなか、木下恵介監督「スリランカの愛と別れ」(1976年)を見直した。昨年、公開49年後に初めて見たが、あまり印象に残らなかった。ところが、今回のイベントを終えて見ると、まるで違って見えてきた。

時は1976年。舞台はスリランカ。4組の男女が出てくる。水産会社で働く青年(北大路欣也)と宝石商の女性(栗原小巻)の恋。国連の仕事をする松永(小林桂樹)とその妻(津島恵子)の夫婦愛。現地の娘ライラと結婚しようとする若者の恋。満月の夜、ホテルで過ごす謎の大富豪ジャカランタ夫人(高峰秀子)と身の回りの世話をする老僕。

この4組の愛が描かれるのだが、昨年見た時と印象がまるで違うのだ。26年間続く内戦前のスリランカの美しい景色と人々の貧しいが穏やかな生活が描かれる。物語の軸はジャカランタ夫人だ。インド人と結婚して何不自由はないが、がんを患っていて、日本に残した息子のことが気になる。インド人の夫は何者かに殺された。

昨年は日本人の視点で見ていた。今回はスリランカ人の視点で見ていたようだ。スリランカ人の日本人に対する反応がよくわかる。

国際交流とは一緒に活動すること

イベントを通じて気づいたが、スリランカ人は控えめで、あまり意見を言わない。しかし意見は持っている。先に言ってくれたら対処できたことが幾つもあった。スリランカは450年間も植民地だった国。そのような歴史からきているのかもしれない。

3か月間、スリランカの方とイベントに取り組み、学ぶことが多かった。以前から感じていたが、国際交流とは、集まりに参加するだけではなく、一緒に活動することが大事と思う。同じ映画が違って見えたのは、体験がそうさせたのだ。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

<つくつくつくばの七不思議の映画とお話>
・日時:5月30日(土)午後1〜3時
・場所:カビオ小会議室2、参加費無料
・対象:次回作のイベント参加希望者
・主催:一般社団法人スマイルアップ推進委員会

事業用軽自動車の課税に誤り 116台 56万円を返金へ 土浦市

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土浦市役所

土浦市は22日、黒ナンバーの事業用軽自動車の課税額に誤りがあり、本来より高い軽自動車税を課税してしまったと発表した。誤りがあったのは過去5年間で計116台。過大に課税した金額は計56万7600円。市は今後、所有者に返金するとしている。

市課税課によると、車のナンバープレートのひらがな部分が「り」と「れ」となっている軽自動車は本来、事業者用として登録すべきところ、市のシステム設定に誤りがあり、自家用として登録し、自家用の軽自動車税を課税したという。

システムは2012年ごろ設定され、少なくとも14年度分から誤っていた。一方、5年で時効となることから、市は5年前の2021年度以降に課税した事業用軽自動車を対象に、過大分を返金するとしている。

今年度の軽自動車税の納税通知書を受け取った車の所有者から問い合わせがあり、誤りが分かった。他の車も調査したところ、今年度は79台の課税額が誤っていた。過大だった金額は1台当たり年間で1000円~4700円。

市は対象者に対し22日付でお詫びの通知を出した。今後、返金手続きを進める。再発防止策として市は、システム設定の再確認やデータ確認の徹底、職員のチェック体制強化などを実施するとしている。

リアリズムをとことん追求 60人の水彩画と色鉛筆画200点一堂に 県つくば美術館 

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200点を超える水彩画と色鉛筆画が一堂に展示されている「アトリエ・ハートタイム展」の様子

「水彩画と色鉛筆画のアトリエ・ハートタイム展」が19日から、つくば市吾妻、県つくば美術館で開かれている。土浦一高OBで東京芸大出身の水彩画家、田中己永(みのり)さんが主宰する絵画教室のグループ展で、同教室で教える講師の作品と、教室の生徒60人の水彩画と色鉛筆画203点を展示している。TBSテレビの人気番組「プレバト」に出演している色鉛筆画講師の三上詩絵さんの作品も展示されている。24日(日)まで。

絵画教室「アトリエ・ハートタイム」は土浦や石岡に教室があり、水彩画を田中さん、色鉛筆画を三上詩絵さんが教える。コロナ禍で生徒が30人ぐらいまで減った時期もあったが、現在は60人を超えている。

出展作品は、風景画や人物画、リアリズムをとことん追求した作品など多彩だ。テーマは設けず自由だという。「ヤカン」を描いた、同教室生徒の南雅人さんは、ヤカンの金属光沢や立体感を見事に表現する。山本千さんの「静寂/しじま」は音を吸い込み張り詰めた静けさの雪景色と雲の合い間から現れる光を表現する。小野洋子さんの「クワガタの戦い」は主役のクワガタを引き立てるために背景をぼかした技術を使っている。

主宰者で水彩画講師の田中己永さんと、田中さんの展示作品

絵画教室主宰者で水彩画講師の田中さんは「作品を作るのに1カ月から3カ月という時間をかける人が多い。根気よく続ければ必ず納得できる作品になっていく」と話す。

講師の作品も展示している。田中さんが今回展示している水彩画「花・装束」は、みずみずしく繊細だ。「教室を開いているが、自分の絵は自己流」だとし「誰でも根気さえあれば描くことができる。誰よりもうまいとかいうことでなく、自分の表現を磨いてほしい」と語る。

色鉛筆画講師の三上さんは土浦市出身、つくば市在住。今回は色鉛筆画「スターダスト」1点を展示する。「長崎市で講演会があった縁で壱岐で展示会が決まり、作品200点が壱岐島に行っている」と語り「最初に描いたのは2011年で色鉛筆画はなかなか大変だったと気付いた。大変なものを克服して、大変だからこそはまっていったと思う」と話し、「作品はネットでも見ることは出来るが、原画を見てこそ本当の良さがわかるので、是非とも展示会に足を運んでもらいたい」と付け加えた。

色鉛筆画講師の三上詩絵さんと展示作品

◆「水彩画と色鉛筆画のアトリエ・ハートタイム展」は19日(火)~24日(日)、つくば市吾妻2-8 県つくば美術館で開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。問い合わせは電話029-823-3132(アトリエ・ハートタイム)へ。

Bプレミアに向け連携強化 ロボッツが土浦市を表敬訪問

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()左から川﨑社長、鶴巻選手、小林副市長、奥谷教育長=撮影/高橋浩一

プロバスケットボールチーム、茨城ロボッツの川﨑篤之社長と鶴巻啓太選手が20日、フレンドリーダウンの土浦市を表敬訪問し、小林勉副市長や奥谷克二教育長と懇談した。2025-26シーズン終了の報告および支援・声援への謝意を伝えるとともに、スポーツを通じた地域活性化の取り組みなどについても語り合った。22日にはつくば市長を表敬訪問する。

ロボッツの今季最終成績は19勝41敗で東地区10位。Bリーグ1部(B1)での最多勝利数は2022-23シーズンの23勝なので、今季はこれを上回ろうと30勝を目標に掲げたが、序盤戦から苦しみ低位に沈んだ。だが後半戦は大きく伸び、特に最後の5試合は4勝1敗。最終的には昨年の成績を4勝だけ上回ることができた。

Bリーグでの10年間のうち、ロボッツは最初の5年をB2で、続く5年をB1で過ごしてきた。「この10年でBリーグの成長は著しく、またわれわれもB1昇格によって見える景色が大きく変わった」と川﨑社長。「ロボッツの今季売上高は約15億円。初年度の約4000万円に比べると非常に大きな成長を遂げ、県内の企業にも大変支えていただいた。だがB1に来てみると周りには50~60億円規模のクラブも多い」と現状を説明。鶴巻選手も「僕が子どもの頃は茨城にバスケットボールのプロチームがなかった。その点で、今の小学生や中学生に夢を与えられる環境をつくれたことはとてもうれしい」と語った。

懇談の様子

今年9月に開幕する新シーズンを、ロボッツは新たな最上位カテゴリー「Bプレミア」で迎える。Bリーグにもロボッツにとっても大きな転換点だ。川﨑社長は「Bプレミア26チームの中で存在感を示すため、土浦市の力をますますお借りしたい。茨城には県域のテレビ局がないためスポーツを伝える力が他県よりも弱い。一度アリーナに来てくれれば絶対に面白いと思ってもらえる自信はあるので、その最初の一歩を踏み出してもらうには自治体経由の情報発信が重要と考えている」と継続的な力添えを求めた。

一方でロボッツとしても、地域の魅力を発信する活動をさまざま行っている。その例が陳岡流羽選手(つくば市出身、土浦日大高-白鴎大)による、土浦特産のレンコンを使ったレトルトカレーの開発だ。製品には陳岡選手の幼少期の思い出や地元愛が詰まっているという。

「地方創生の根っこにあるのは『この街って実はすごいよね』と思う気持ち。私の年齢だと土浦や水戸が元気だった頃を知っているから現状を何とかしたいと思うが、今の子どもたちはなかなかそうはならない。そこをひっくり返すことができるのがスポーツの力。例えば私たちが日本一になるとか、茨城出身の選手が活躍するとか、いろんな形で表に出るようになることで『俺、茨城なんだぜ』と誇る気持ちも育ってくると思う。地域のために土浦とロボッツで何ができるかをぜひ一緒に考えていきたい」と川﨑社長は言葉を結んだ。(池田充雄)

要配慮者3人の個人情報を漏えい 土浦市

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土浦市役所

土浦市は20日、災害避難時に特別な支援や配慮を必要とする要配慮者3人の個人情報を、本人の同意を得ないまま、地区の民生委員に漏えいしてしまったと発表した。漏えいしたのは、介護を受けていたり体が不自由な3人の氏名、生年月日、性別、電話番号、住所、避難時に支援が必要な理由など。

市社会福祉課によると、災害時に支援が必要な人の情報をあらかじめ登録しておく地区ごとの「避難行動要支援者名簿」を14日、市が地区の民生委員に提供したところ、翌15日、民生委員から、名簿に情報提供の同意がない3人の情報が含まれていると申し出があり、漏えいが分かった。

名簿は、災害対策基本法に基づいて市が随時作成しているもので、情報提供に同意してない人については、省いた上で民生委員などに提供される。

今回、同地区だけ、同意がなかった3人の情報が削除されないまま民生委員に提供された。封入れの際にも市職員が再確認したが、気付かなかったという。

名簿には、個人情報提供について同意の有無を記す欄があり、名簿を見た民生委員が同意がないことに気付き、市に連絡した。市は、漏えいがあった3人に対し速やかに謝罪し経緯の説明を行ったとし、名簿は民生委員本人が15日のうちに市役所に返還し回収したとしている。

再発防止策として市は、名簿を配布する際は、削除漏れがないことを複数で確認するなど個人情報の適正な取り扱いを徹底するとしている。

今回の要配慮者の個人情報漏えいについては、国への報告が必要な事案に該当するため、市は20日、国の個人情報保護委員会に報告した。

「電力消費、排熱、CO₂排出に懸念」歌川学さん講演 つくばに国内最大級のデータセンター(下)

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歌川学さん

グッドマンジャパンがつくば市大穂に計画している国内最大級のデータセンターについて、「つくば市の巨大データセンター 3つの疑問」と題した学習会(主催・脱原発ネットワーク茨城=江口肇共同代表)が4月末、同市大穂、大穂交流センターで開かれ、つくば市内の研究機関に勤務し温暖化対策を研究する歌川学さんが講演した。歌川さんの講演概要をまとめた。以下の通り。

電力消費増の原因は二つ

昨年2月、国のエネルギー基本計画が出され、国全体の電力消費量が2024年から10~20%増えるという予測が立てられた。それまでは省エネをすれば電力消費は少し減っていくという見通しだった。増加理由の一つは半導体製造の増加、もう一つは全国でデータセンターが増加することだ。

経産省の第7次エネルギー基本計画策定時の審議会で関係業界がヒヤリングを受けた。データセンターの代表としてソフトバンクが、2030年までに電力消費量が2020年の3倍、2040年までに2030年の8倍、掛け算すると24倍になる可能性があると答えている。こうした増加予測を入れて私が独自に計算し、他にも工場・オフィス・家庭の電化、電気自動車の増加を考慮し、一方で省エネ対策で電力消費を減らすと、2040年から2050年のデータセンター及び半導体製造工場の電力消費量は国全体の10%程度、2050年に向けた電力消費全体も大きな増加ではないと推計できる。

省エネ対策とは、皆で電気をこまめに消して、エアコン止めて…ということではなくて、機器の更新のときに、省エネ機器を入れる、断熱建築にする、車を買い替える時は燃費のいい車にするなどしていくということ。石油やガスなど化石燃料が使われているものを効率よく電気に変えることでエネルギー消費全体の効率を良くすることができる。建物の断熱も含めてストーブからエアコンにすると、エネルギー消費は4分の1になる。こうした省エネ対策をすれば、エネルギーの中で電力消費・熱利用・運輸燃料を合わせたエネルギー消費量全体は大きく削減される。このエネルギー消費の中で、半導体製造・データセンターの電力消費増と電化により、電力消費はあまり減らずむしろやや増える可能性があるが、2050年に向け中長期的に電力消費量が激増することはないと予測される。

大都市周辺と北海道に計画

2024年以降に新設計画があるデータセンターは、東京、大阪周辺の比較的地価の安いところに多くの計画がある。データセンターの中は、狭いところにIT機器、いわばコンピューターが密集して設置され、多くのエネルギーを消費し、熱を持つので、外部に排熱して冷やす。冷却でもエネルギーを消費する。比較的涼しい北海道は冷却するためのエネルギーが少なくて済むので北海道にも新設計画が多い。

データセンターが今後、全国各地に立地し、国全体の電力消費量は10%増程度にとどまるとしても、地域では大きな影響が懸念される。

グッドマンジャパンによる事業計画イメージ図(2022年8月つくば市提供)

地域には大きな影響

つくば市では、高エネ研南側の約46ヘクタールに、オーストラリアの多国籍企業グッドマンジャパンがデータセンターと物流施設をつくる計画を立てている。データセンターの規模は、最初の1棟目は受電容量5万キロワット(50メガワット)。これだけでも大きいが、最終的には5万キロワットの20倍の、受電容量100万キロワット(1000メガワット)の計画になる。発電所でも、設備容量100万キロワットはかなり大きい。日本でも有数の規模のデータセンターだ。

1棟目はすでに着工し、2年くらいで完成して運転を開始するという計画を昨年、つくば市議会に示しているが、その後の建設スケジュールは示されていない。市議会の説明資料では、データセンターがどれぐらい電気を使って、どれくらい二酸化炭素(CO₂、温室効果ガス)を排出し、どれくらい排熱があるのか、夏の暑い時の排熱による周辺地域の気温上昇予測なども説明がない。

途方もない量

データセンターではないが、情報通信業で一番大きな東京都多摩市の通信施設から排出される二酸化炭素は年間14万トンになる。一方、公害調停にもなっている東京都昭島市のデータセンター計画では、二酸化炭素は多摩市の施設の15倍ぐらい、現在の昭島市全体の排出量の4倍から5倍の二酸化炭素を排出するということで地域で大きな問題になっている。

一方、今回つくばで計画される全体受電容量100万キロワットのデータセンターが仮にできると、昭島市の施設の二酸化炭素排出量のさらに2倍以上、1カ所の施設としては日本最大級になる。

100万キロワットのデータセンターがつくばに完成した場合の電力消費量、二酸化炭素排出量、排熱量がどれくらいになるかを、年間を通じて容量の90%出力の運転で試算すると、電力消費量は約80億キロワットアワーになる。これは、人口120万人の政令指定都市で工業地帯もある川崎市、人口140万人の神戸市、人口200万人近い札幌市、人口150万人の京都市、工業都市の北九州市などに匹敵する電力消費量になる。都道府県の消費電力と比較しても、長崎県、愛媛県、沖縄県、山形県、青森県全体と同じくらいの電力を消費する。

つくばの巨大データセンターの二酸化炭素排出量と電力消費量の比較(歌川さん提供)

二酸化炭素排出量は、現在のつくば市全体の2倍の二酸化炭素を、1カ所のデータセンターが排出することになる。すべて完成すれば、今の市全体の排出量が3倍に増える。つくば市内にはエネルギーをたくさん使う施設がある。研究所、大学、電気炉の製鉄所も市内の工業団地にある。これらを含むつくば市内のあらゆる工場、オフィス、大学、研究所、家庭、車の2倍の二酸化炭素排出量が1カ所のデータセンターから排出されると予測される。排出量は、都道府県では鳥取県全体や高知県全体と同じぐらい、県庁所在地では宇都宮市、政令指定都市では神奈川県相模原市と同じ規模になる。電力は現状のキロワットアワー(kWh)あたり二酸化炭素排出量で計算している。

排熱が地域に影響

地域にどのような影響があるかだが、まず排熱が懸念される。データセンターではIT機器、いわばコンピューター機器が大量の電力を消費し、熱くなるので、機器を冷やすことが必要になる。冷却方法は、巨大なエアコンのような設備で冷やす「空冷」と、水または特殊な液体を循環させて冷やす「水冷(液冷)」の二つの方法があるが、事業者はこれまで冷却方法や排熱量などを公表していない。

今、日本全体で家電や車なども含めて、エネルギー消費は残念ながらそんなに効率のいいものではなく、有効利用は3分の1程度で残りは排熱されている。つくば市で100万キロワットのデータセンターが全部完成し、現在国内で主力の「空冷」で冷却する場合、市全体で出る排熱を全部合わせた量の2倍ぐらいの排熱量が出ると予測される。

つくばのデータセンターとつくば市全体の排熱量比較(歌川さん提供)

夏の一番暑い7月から9月の間、去年、つくば市館野の気象台で猛暑日(最高気温35度以上)が22日間観測された。ここ数年、最高気温が35度を超える日が毎年、年間20日間ぐらいある。

気象台の気温を測る場所は、高さ1.5メートルの芝生の上。周囲の条件の影響を受けないように測定しても35度以上が観測される。大穂地区は工場やオフィスビルが多い地域ではないが、舗装道路の上など、私たちは気象台で測定された気温よりもう少し高い気温を猛暑日に経験している。これに大きなデータセンターの排熱が加わると、気象条件によっては周辺地域の気温がさらにプラスアルファになる可能性がある。

熱中症のなりやすさ加速

これは地域の体の弱い方、お年寄りの方、小さな子供とか、そういった健康弱者の方々の熱中症など健康影響を加速する可能性が懸念される。そうならないように事前に考えなければいけない。

猛暑日の気象条件の中で、排熱により地域の気温が実際に何度上がるのか、どのくらいの範囲に影響が出るのかを調査して評価し、データを検証して熱中症増加などの健康影響を考える、健康弱者の方に影響・被害が出てからではなく、事前に調べ、懸念が大きいことがわかったら追加対策を考えなくてはいけない。

東京で計画されているデータセンターの排熱について住民グループが試算をした。東京はヒートアイランドの中にある。そこに巨大データセンターが住宅地に囲まれた用地にできて排熱が地域に出ると、猛暑日の気温がさらに3度上がるという試算があった。つくば市の場合は都市ヒートアイランドではなくデータセンターの周りは住宅密集地ではないものの、つくばのデータセンターの規模はその試算がされた東京のデータセンターの4〜5倍なので、つくば市での排熱とその周辺への影響を事前に予測することが必要だ。

地下水冷却でも影響の恐れ

データセンターの冷却は、空冷ではなく、水で冷却をする「水冷」の可能性もある。この技術の方が空冷よりエネルギー効率が良い。ただし水冷技術を採用した場合、使用する水に課題がある。つくば市全体の排熱の2倍の排熱量を、水道でなく地域の地下水で冷やすと、地域の地下水が温まる可能性がある。これが地下の水環境や地下水の流れなどに影響を及ぼし、飲料水に使われている井戸の周辺で地下水温が上がるだけでなく、流れが変わるなどの影響が出る可能性もある。地下水の流れや地下の環境はよく分かっていない。影響を事前に調査・評価し、必要な対策を検討しなければならない。

次ページに続く

つくばローズガーデン《ご近所スケッチ》23

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イラストは筆者(この小屋は今回公開しておりません)

【コラム・川浪せつ子】寒暖差の大きな日々ですが、植物はちゃんと季節の移り変わりを知っています。今回は元つくば市長の庭「つくばローズガーデン」(同市古来)です。2年前にも藤澤邸の庭をスケッチ(24年5月15日掲載)しましたが、そのときの話の内容は少しグチっぽくなりました。今回は「どうにかなる。その場所で咲きなさい」と、バラの花を描きながら、自分にもエールを送りました。

あれから2年しかたっていないのに、バラの開花が早くなったと感じます。10年前は「せめて連休のときに咲いたら」と思ったのですが、今年は連休前に咲きました。地球温暖化? 今年は5月13日にオープンしましたので、早々に楽しませてもらいました。

スケッチしてもいいですか?

今回の訪問は、花をめでることだけでなく、別の目的もありました。以前、庭のお世話をしている方に「スケッチしてもいいですか?」と聞いたら、「いいけど、今までスケッチして、それを見せてくれた人いないんだよね~」と言われたことが、ずっと心に刺さっていたからです。

今年、私のSNSにこのガーデンの絵をアップしたら、「ありがとうございます」とのコメントをいただき、原画を2Lサイズに印刷し、小さな冊子にしたものをお届けしたところ、受付の方がその方でした。

こういうのって、とっても感動的ですね。思ったよりずっと若くてチャーミングな方。以前、「見せてくれない」と話した方は数年前に亡くなられたそうです。何事も思いついたときにやらないといけないですね。(イラストレーター)

専門家「排熱で猛暑日増え熱中症増加の恐れ」 つくばに国内最大級のデータセンター(上)

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1棟目のデータセンターの建設が始まったつくば市大穂の用地

1棟目が着工

外資系物流不動産会社「グッドマンジャパン」(東京都千代田区、グレゴリー・グッドマン社長)の特定目的会社が2022年につくば市土地開発公社(飯野哲雄理事長)から購入した同市大穂の約46ヘクタールで今年2月、データセンターの建設が始まった。着工したのは受電容量5万キロワット(50メガワット)の1棟目で、建築計画概要書によると、建築面積約1万2600平方メートル、延床面積約3万7900平方メートル、地上4階建て、高さ38メートルの巨大データセンターが2028年1月末に完成する予定だ。

同社のホームページによると、将来的には敷地西側に20倍となる受電容量100万キロワット(1000メガワット)のデータセンター群が集積する計画だ。これに対し、つくば市内の研究機関に勤務し温暖化対策を研究する歌川学さんは、すべて完成すればつくばは国内最大級、現在稼働しているどこよりも大きいデータセンターになると指摘する。

歌川学さん

歌川さんの試算によると、100万キロワットのデータセンターが稼働すれば、人口26万人規模のつくば市全体で現在使用されている電力消費量の3倍以上の電力をデータセンター1カ所で使い、現在、市全体で排出されている2倍の二酸化炭素を排出し、市全体の排熱量の2倍の排熱がデータセンター1カ所から排出されると見込まれる。電力消費量、二酸化炭素排出量、排熱量いずれも途方もない規模だ。

特に排熱について歌川さんは「高温で風が弱いなどの気象条件の時に、データセンターからの排熱で周辺地域が高温になる可能性があり、熱中症が増えるなど健康弱者に影響が出ることも懸念される」という。

つくばの巨大データセンターの二酸化炭素排出量と電力消費量の比較(歌川さん提供)

排熱は、高温になったコンピューター機器を冷却する際に建物の外に出される。機器の冷却方法は、①巨大なエアコンのような空調設備で冷やす「空冷」と、②水または特殊な液体を巡回させて冷やす「液冷」の二つの方法がある。事業者のグッドマンジャパンは現時点で冷却方法や排熱量などを公表しておらず、周辺地域の気象にどのような影響が出るかは不明だ。

歌川さんによると、空調で冷却し大気中に排熱をそのまま放出する場合、市全体の排熱量の2倍という途方もない排熱がデータセンターから出るため、周辺地域では、7月から9月の夏の一番暑い時期に猛暑日(最高気温35度以上)になる日数が増える恐れがある。住民の健康、とりわけ高齢者、病気療養中の人、就学前の子供、児童など健康弱者への影響を検討する必要があると指摘する。「立地地域周辺に健康弱者の施設、福祉施設、医療施設、療養施設、老人ホーム、児童・保育施設、学校などがあるのであれば、排熱の影響を予測する必要がある。100万キロワットという巨大施設では影響が広域に及ぶ恐れもあり、近隣だけでなく、もっと広域の影響も検討する必要がある」とする。さらに「気象条件によっては熱中症患者の救急搬送が増えることも予測されるので、救急搬送体制をさらに拡充する必要が生じる可能性もある」という。

つくばのデータセンターとつくば市全体の排熱量比較(歌川さん提供)

一方、冷却に地下水を使う場合は、途方もない排熱量によって、地域の地下水が温まってしまい、くみ上げた地下水を地下に戻した場合、水温が上昇し、地下の水環境や水循環に影響を与え、地下水温度が上がったり、地下の流れが変わり、地域の井戸に影響を与えてしまう可能性がある。歌川さんは「地下の状況はよく分かってないだけに、事前に環境への影響を調査して評価がなされるべき」だと指摘する。

事業者のグッドマンジャパンは、データセンターの排熱問題について現時点で周辺住民に説明していない。歌川さんは「事業者が事前に、データセンターからの排熱による周辺地域の気温上昇を予測して、予測計算の想定を含め、自治体や住民に知らせると共に、専門家が検証できるように情報を共有すること、さらには自治体が情報を開示させ、まちづくり条例を運用する自治体のように地域で調停役の役割を発揮することも考えられる」と述べ、「大気汚染の光化学スモッグや汚染物質の大気汚染濃度が高くなった時の例を参考にすると、大気汚染防止法では緊急時に発電所や工場の操業を一部または全部停止する措置がある。事業者と自治体の公害防止協定で緊急時の停止措置の例もある。これにならうとすれば、夏の高温時の緊急対策として、緊急時のデータセンターの操業一部停止措置を何か定めることも考えられる」と指摘する。

対応策はあるのか。

歌川さんによると、ヨーロッパでは排熱による周辺地域の気温上昇を防ぐため、地域熱供給システムに排熱を送り、近隣の商業ビルや住宅などのエネルギーを供給する例がある。東京都では延床面積5万平方メートル以上の再開発をする場合、再開発事業者に対し、地域冷暖房の導入を検討するよう義務付けているという。またデータセンターで使用する莫大な電力について、国内で建設計画がある施設でも再生可能エネルギー100%使用を目標に掲げているデータセンターが複数ある。データセンターのユーザー側が事業の排出ゼロを名乗りたいので、排出ゼロのデータセンターが選ばれやすくなるという。

NEWSつくばは同市大穂で建設が始まったデータセンターについて、グッドマンジャパンに対し、排熱量、二酸化炭素排出量、冷却方法、地下水使用の有無、バックアップ電源などについて質問した。これに対し同社は「グッドマンは企業の社会的責任として地域社会との共生を掲げ、日本においても地元コミュニティに寄り添う良き隣人であり続けたいと考えている。そのために適宜必要な情報公開などは行っているが、重要なお客様の情報を扱う立場であることから、メディアから取材・質問をいただいた際には、回答することが可能かどうかも含め精査・調整することが必要となり、お時間をいただいている。今回いただいた質問については、ご要望の期限に間に合わせることが出来ないことから、回答を控えさせていただきます」などと回答している。(鈴木宏子)

続く

つくば市ベンチ・プロジェクト《デザインを考える》32

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筆者が製作したベンチ

【コラム・三橋俊雄】以前、90代で一人暮らしをされているご婦人から、「スーパーまでの道のりにベンチがあれば、一人でも買い物に行けるのに」という言葉をうかがったことがあります。この何気ない一言には、高齢者の日常生活に潜む切実な課題が表れていると感じました。この経験をきっかけに、高齢者が安心して外出できる環境づくりの一環として、「つくば市ベンチ・プロジェクト」について考えてみたいと思います。

高齢者にとって外出は、健康の維持や社会参加のために欠かせない行動です。しかし、長い距離を歩くことへの不安や、途中で休憩できる場所の不足は、外出の大きな妨げとなっています。

つくば市は、広い歩行空間やペデストリアンデッキが整備された歩きやすいまちである一方、移動の途中に気軽に休息できるベンチが十分に設置されていないと感じます。まちの各所にベンチを設置することは、高齢者の外出を後押しし、安心して歩ける環境づくりにつながります。買い物や通院の途中にひと息つける場所があるだけで、心理的な負担は大きく軽減されます。 その結果、外出機会の増加や歩行距離の伸長が見込まれ、筋力の維持やフレイル予防といった健康面での効果も期待されます。これらの取り組みは、健康寿命の延伸により、医療費や介護保険料の抑制にも寄与する可能性があります。さらに、ベンチの設置は比較的少ない投資で実施できることから、行政にとっても実効性の高い施策であるといえるでしょう。

NYのベンチ・プロジェクト

参考となる近年の事例として、ニューヨーク市の「シティ・ベンチ・プロジェクト」が挙げられます。同市では2011年から、5つの街区を中心に約2000基のベンチが新設されました。休息できる場が増えたことで人々の外出機会が増加し、自然な交流が生まれるとともに、歩行距離の延伸にもつながり、健康増進や医療費削減の観点からも有効な施策として評価されています。

また、このような考え方は、100年前のニューヨークにも見られます。20世紀初頭、急速な都市化の進展により、市民が安心して休息できる公共空間の不足が課題となっていました。これを受け、街路や公園にベンチを設置し、人々が自由に腰を下ろして交流できる場を生み出す取り組みが進められました。ベンチは単なる設備ではなく、市民の健康やコミュニティ形成を支える都市インフラの一つとして位置づけられていたのです。

つくば市におけるベンチ・プロジェクトもまた、人と人、人とまちを結びつける力を持つのではないでしょうか。ベンチは世代を超えた交流を生む「まちの縁側」となり、偶然の出会いから新たなつながりが生まれます。こうした小さな仕掛けの積み重ねが、誰もが歩きたくなる温かみのあるまちの形成、《まちのデザイン》へとつながっていく、その可能性を、私は強く感じます。(ソーシャルデザイナー

地元県立高5校が魅力を紹介 24日「高校進学を考える集い」

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24日開かれる「第7回市民の集い」について記者の質問に答える片岡代表(左)ら=筑波研究学園都市記者クラブ内

つくばの市民団体が開催

つくば市と近隣の県立高校5校の校長が一堂に会し、学校の魅力を紹介する「第7回つくばの高校進学を考える市民の集い」が24日、つくば市役所コミュニティ棟で開催される。人口増加が続くつくば市で、県立高校が不足している問題を県などに訴えてきた市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が主催する。

5校合同のいわゆる学校説明会で、昨年に続いて2回目の開催となる(25年5月15日付同6月6日付)。昨年は市内の4校が登壇したが、今年は牛久栄進高校が新たに加わる。登壇するのは▽筑波高、永井信一校長▽つくばサイエンス高、石塚照美校長▽茎崎高、吉田真弘校長▽牛久栄進高、奈良由紀子校長▽竹園高、桜井良種校長。各校の説明後、質問も受け付ける。

昨年は約120人が参加した。一般市民や県議、市議、市職員などのほか、親子連れで熱心に聞き入る中学生や小学生などの姿が目立った。考える会によると、昨年は「説明を聞いて、勉強のスタートとなった」との感想を寄せられた母親もあったという。

集いは2部構成で、第1部は5校の校長がそれぞれの魅力を紹介する。第2部は、今年4月から私立高校生に月3万8100円の授業料が支援される私学の授業料無償化がスタートしたことや、県立高校志願者がさらに減少した問題など、今後の動きや課題を考える(26年3月8日付)。ほかに、元高校教員の片岡代表が、近年の県立高校入試の傾向を分析し、学習方法などを考える(同4月10日付)。

片岡代表は「つくばの生徒数が増加する中で県立高校の定員が不足しているという問題が構造的にある中で、私学の授業料無償化に伴って、地元の県立高校の魅力を十分に伝える必要性が高まっている。つくばエリアの県立高の定員不足問題だけではなく、中学・高校受験の問題を地域の問題として、また受験生への豊かな学びの応援として共に学び、語り合う機会になれば」と話し、参加を呼び掛けている。(鈴木宏子)

◆第7回つくばの高校進学を考える市民の集いは、24日(日)午前10時~午後0時30分、つくば市研究学園1-1-1、市役所コミュニティ棟1階会議室で開催。資料代300円、小中高校生は無料。詳しくは電話090-4591-8437(片岡代表)または電話029-852-4118(新日本婦人の会つくば支部)へ。

ロータリークラブ活動 水戸とつくばが競争《吾妻カガミ》219

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つくば学園RC創立40周年記念式典=3月1日

【コラム・坂本栄】つくば学園ロータリークラブ(RC)のメンバーに加えてもらうことになりました。記事「創立40周年を祝う…」(3月2日掲載)を取材した際、その活発な社会奉仕活動を見聞きし、自分もそこからエネルギーをもらいたいと思ったからです。学園RCの会員数は水戸RCに次いで県内2番目ですが、早晩、歴史ある水戸RCを追い抜くような気がします。

対抗意識が両クラブを活生化

RCの年度は7月~翌年6月と、役所などとは違った期間になっています。今年度初(昨年7月)の会員は、水戸RC123人、学園RC105人でした。今年度末(6月)の目標として、水戸RCは133人、学園RCは110人(すでにこの目標を突破)を掲げています。この目標人数を見ると、両クラブのライバル意識の強さが分かります。ちなみに、県内55のRCのうち、会員数が100人を超えるのは水戸RCと学園RCだけです。

数字を並べましたが、両クラブの張り合いが面白いと思ったからです。ベテラン会員に「この調子だと水戸を抜くのは時間の問題ですね」と聞いたところ、「いや簡単ではない。こちらが頑張ると相手も頑張るから」とのことでした。よい意味で競争意識が両RCの活生化につながっているようです。

水戸にはRCが6つ(水戸RC以外は会員数約90~約20人)あるそうです。つくばの数は3つ(学園RC以外は同約60人と約20人)ですから、つくばは水戸にクラブ数では負けています。その背景は「会員数が増えると自分が目立たなくなるので自立心が高い人たちが別のクラブを立ち上げ独立する」(ベテラン会員)ことにあるそうです。こういった「分派活動」には水戸人のエネルギーを感じます。

予算と人口はもうすぐ逆転?

なんとなく沼田誠さんのコラム「水戸っぽの眼」風になってきました。彼は水戸市の「みとの魅力発信課長(いわゆる広報広聴課長)」として活躍、現在は転職してつくば市に住み、東京圏で仕事をしています。独自の視点で両市を比較するストーリーは面白く、行政の地域性を知る上で勉強になります。

前回12「…今年度予算を比較」(4月29日掲載)では、古いまち・水戸市と新しいまち・つくば市の施策の違いを分析していました。添付された予算額推移表を見ると、つくば市が水戸市に急接近していることが分かります。今年度は1308億円対1227億円ですが、昨年度は1275億円対1273億円でした。ちょっとした新規事業の有無で来年度は逆転するかも知れません。

人口は間もなく逆転するでしょう。5月1日現在の常住人口は、水戸市が26万5243人、つくば市は26万4558人ですから、その差はわずか685人です。東京では住宅価格が高騰、首都通勤が可能なTX沿線への移住増を想定すると、つくばが水戸を上回るのは時間の問題です。数カ月前、記者会見で人口逆転について聞かれた五十嵐市長はコメントを避けていました。県都のプライドを刺激するのを避けたかったようです。

永田筑波大学長の共創体構想

歴史ある県庁所在地水戸。国と県が造った研究学園つくば。性格が違う両市の都市間競争は県全体の活性化につながります。「…学園都市を一つの研究教育共創体に…」(3月23日掲載記事)をぶち上げた永田恭介筑波大学長も学園RCの会員ですが、私がゲスト出席した4月末例会の卓話(ミニ講演)では、ロンドンケンブリッジと東京つくばの関係性・距離感が似ていると指摘し、研究学園の機能強化の必要性を訴えました。(経済ジャーナリスト)

土浦の花火100年の紡ぎ(5)《見上げてごらん!》52

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土浦の花火オフィシャルカレンダー2026の表紙と5月の暦

煙火の系譜は湖畔から山へ

【コラム・小泉裕司】火薬を取り扱う花火工場は、火薬類取締法など関連法が定める「保安距離」確保の観点から、住宅街や公衆が集まる施設を避けた山間部や平地のはずれに立地するのが一般的である。

土浦における「花火製造」の歴史は、1936(昭和11)年、霞ケ浦湖畔の川口町(現 川口2丁目)に「北島煙火店」が創業したことに始まる。戦後「土浦火工」(北島義一社長)へと社名を改め、土浦全国花火競技大会の発展を支える存在となった。

その後、市街化の進展に伴い、1963年に宍塚大池地区へと移転する。興味深いことに、移転先の宍塚山周辺では明治の中頃まで「竜星(りゅうせい)」と呼ばれるロケット花火が打ち上げられていたという。これは櫓(やぐら)に固定した筒に火薬を詰め、丸太を空高く打ち上げてその高さを競うものであった。

かつての「竜星」から土浦火工へと至る煙火の伝統は、時代を超えてつながっているように思えてならない。ちなみに現在も、つくば市百家(はっけ)の観音寺では、伝統花火を支える山﨑煙火製造所の支援を受け、9月第2日曜日に「竜水」という名のロケット花火が奉納されている。

1956年、土浦火工の子会社として、上高津町に設立された「昭和火工」は、元々、川崎市登戸で照明弾などを製造していた企業であった。義一氏が武藤輝彦氏(1921-2002)との共同経営に参画した当時は、玩具花火も幅広く取り扱い、土浦火工と昭和火工の両工場はわずか1.5キロほどの距離で、土浦の煙火産業の両輪を担っていた。

花火事故と安全への挑戦

「花火の歴史は事故の歴史」とも言われる。土浦におけるその歩みは、不断の安全への挑戦の記録でもあった。1991年の解散までの約半世紀の間に、同社関連の火災事故は18件発生し、7人が尊い命を落としている。

記録をひもとくと、事故の多くは移転前の川口町で発生したが、宍塚山や上高津、さらには湖上での水中花火事故も記録に刻まれている。当時の消防士たちは非番の日であっても現場に駆けつけたという。それは、火薬という危険物を扱う現場を有するまちの宿命だ。

特に1975年の爆発事故は悲劇的だ。日本煙火協会の設立に尽力し、業界全体の安全確保を生涯の使命としていた義一氏は、この事故で跡継ぎの長男克之氏を亡くしている。「安全なくして花火の発展なし」。この信念を掲げるリーダーにとって、身内を襲った悲劇がいかに断腸の思いであったかは、想像に難くない。この事故を最後に、土浦火工での火災事故は確認されていない。

現在、宍塚山の工場跡入り口には、折れ曲がった「土浦火工」の看板が往時をしのばせるのみである。一方で、昭和火工の跡地は、今も業界大手の玩具花火メーカーの倉庫として活用されている。形を変えながらも、そこは今なお子供たちに夢を発信する空間であり続けている。

「花火のまち」土浦。千紫万紅(せんしばんこう)のごとく秋の夜空を彩る閃光(せんこう)の裏側には、火薬と向き合い、時には命を賭して技術を磨き上げた先人たちの、苛烈な歴史が刻まれている。本日はこれにて打ち留めー!(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

<参考文献>
「土浦消防三十年のあゆみ」(土浦市消防本部、1980年刊)
「土浦町内ものがたり」(本道清、常陽新聞社、1989年刊)
「日本煙火協会参拾年史」(日本煙火協会、1993年刊)
「日本の花火のあゆみ」(武藤輝彦、あずさ書店、2000年刊)
「花火と土浦」(土浦市、2018年)
「花火師たちの記憶/DVD」((有)茨城ビデオパック、2025年完成)

免許失効したまま公用車など運転 市職員を減給処分 土浦市

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土浦市役所

土浦市は15日、同市都市整備課の男性職員(33)が昨年7月4日から8月13日までの間=当時は別部署に在籍=、運転免許が失効した状態で自家用車で通勤していたほか、同期間中の8日間、計9回にわたって公用車を運転するなど交通法規違反を行ったとして、同日付で男性職員を1カ月間減給10分の1の処分にしたと発表した。

市人事課によると、男性職員は有効期限が7月3日までの運転免許証の更新手続きを失念した。8月13日に本人が免許証を更新していないことに気付き、翌14日に更新手続きを実施した。

今年4月、本人から申し出があり発覚した。同市では毎年4月、職員に対し、運転免許証の有効期限などを含めた自動車運転報告書を提出させている。同報告書提出の際、本人が申し出たという。

処分内容については、市職員分限懲戒審査委員会を開き、同市の前例や他市の状況などから減給処分とすることを決めたとしている。併せて、管理監督責任があったとして、異動前の当時の課長を口頭注意とした。

安藤真理子市長は同日「運転免許の確認についてはこれまでも再三にわたり指導してきたが、このような交通法規違反により市民の信頼を損なってしまったことを心よりお詫びします。二度とこのようなことがないよう、法令遵守、服務規律の確保を徹底し市民の信頼回復に努めます」などとするコメントを発表した。今回の事態を受け、職員全員を対象に、各所属長が運転免許証の原本をチェックし有効期限を確認するとしている。

つくばで7年ぶり復活、土浦は初開催へ 筑波山で二つの自転車レース

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コロナ禍前に開催された「ツール・ド・つくば」の様子(元つくば青年会議所ツール・ド・つくば実行委員長の勝村健司さん提供)

筑波山の峠を駆け上がる自転車レース、ヒルクライムが、筑波山南側のつくば市と土浦市でそれぞれ開催される。つくばはコロナ禍で休止して以来7年ぶりに復活し5月31日に開催される。土浦は6月14日に初めて開催される。

標高にちなみ877人募集 つくば

つくばのレースは「ツール・ド・つくば2026」。同市平沢、平沢官衙遺跡から、筑波山の不動峠と風返し峠を抜け、中腹のつつじケ丘駐車場を目指す全長12キロ、高低差500メートルの本格的な登坂ルートを走る。参加予定人数は、筑波山の標高877メートルにちなんで877人に設定されている。

コロナ禍前の「ツール・ド・つくば」出発地点の様子=勝村健司さん提供

2009年、つくば青年会議所が主催し始まったが、コロナ禍で2019年大会を最後に休止となった。コロナが明けてからすぐに再開する意向だったが、青年会議所のメンバーが毎年変わるなどからノウハウの引き継ぎができなかった。

そんな中、同市北条の廃校にBMXレーシングコースがある自転車の拠点「サイクルパークつくば」が2023年にオープンしたことが追い風となり(23年10月31日付)、同拠点を管理運営する指定管理者で、弱虫ペダルサイクルチーム運営会社の「スペースプロジェクト」社員や、つくば青年会議所の現役メンバーとOB、市役所職員などで実行委員会を組織し再開する。

「ツール・ド・つくば 2026」のスタート地点となる筑波山麓の平沢官衙遺跡

競技はロードバイク、マウンテンバイクの2部門あり、エントリーは年齢別、男女別などに分かれる。大会の拠点となる受付や開閉会式は「サイクルパークつくば」の体育館で行われ、当日は朝7時に競技がスタートする。5月31日はスタート地点から風返し峠・不動峠周辺までが全面通行止め、風返し峠からつつじヶ丘駐車場までが片側交互通行となり、交通規制が敷かれる。

スペースプロジェクトの笹谷悦明さんは「つくばと土浦はほぼ同時期に開催され、関連はないが、エントリーする人は重なっているようだ。つくばは7年ぶりの大会なので、多くの参加者に楽しんでもらいたい」と話す。

スペースプロジェクトの笹谷悦明さん

初挑戦を後押しする部門も 土浦

土浦市で初開催される「筑波山・朝日峠ヒルクライム2026」は、同市小野の交流施設、小町の館をスタート地点として、筑波山の朝日峠、筑波パープルラインを越え、つくば市と同じ中腹のつつじケ丘まで走り抜ける全長15.7キロ、高低差500メートルのコース。

本格的なヒルクライマーだけではなく、初挑戦の人を後押しする「のんびりエンジョイ」や「コスプレの部」など、誰もが楽しめるよう多様な参加カテゴリーを設ける。参加者それぞれのタイムに応じて「金のガマ、銀のガマ、銅のガマ」を全員に進呈するほか、コース序盤の「朝日峠」区間でトップタイムとなった選手に特別賞を贈るなど、特徴的な取り組みも企画する。一般男女の参加費6877円は、筑波山の標高877メートルにちなんで設定した。

「筑波山・朝日峠ヒルクライム2026」のスタート地点となる、筑波山麓の小町の館

ナショナルサイクルルート「つくば霞ケ浦りんりんロード」の拠点でもある土浦市では、オフロードレースのシクロクロスを始め、さまざまな自転車イベントが年間を通して開催されており、新たに本格的なヒルクライムレースが加わる。朝日峠など土浦市のヒルクライムコースの認知度を高め、「自転車のまち土浦」の新たな魅力発信を図る狙いがある。

大会当日の交通規制は、小町の館から風返し峠、不動峠周辺までが全面通行止め、風返し峠からつつじケ丘駐車場までが片側交互通行となる。(榎田智司)

◆「ツール・ド・つくば 2026」は5月31日(日)開催。コースは平沢官衙遺跡をスタート〜県道138号線〜不動峠〜県道236号線(表筑波スカイライン)〜風返し峠〜ゴールはつつじヶ丘駐車場。エントリー期間は5月17日(日)まで。参加費は一般男女(高校生以上)8000円、ジュニア(小学5年~中学生)7000円、下山サポートライダー無料。主催はツール・ド・つくば 2026実行委員会、問い合わせは電話029-883-0035(つくばサイクルパーク内、スペースプロジェクトの笹谷悦明さんへ。メールはBMX298@icloud.com、エントリーはこちら

◆「筑波山・朝日峠ヒルクライム2026」は6月14日(日)開催。コースは小町の館をスタート~朝日峠~筑波パープルライン~ゴールはつつじケ丘駐車場。参加予定人数は800人。エントリー期間は6月7日(日)まで。参加費は一般男女(高校生以上)6877円、小中学生2980円、小学3年生以下は「のんびりエンジョイ」部門の出場となり親の同伴が必要。主催は筑波山・朝日峠ヒルクライム実行委員会。問い合わせは電話090-1486-5770(南野道宏さん)、エントリー方法はこちら

学生たちの「空への挑戦」 半世紀越し技術遺産に認定 人力飛行機「ストークB」

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展示されている日大式ストークB。機種に「Stork」と印字されている=ザ・ヒロサワ・シティ内「ユメノバ」科博廣澤航空博物館

国立科学博物館が所蔵し、筑西市の科博廣澤航空博物館に展示されている人力飛行機「日大式ストークB」が4月16日、一般社団法人日本航空宇宙学会から「航空宇宙技術遺産」に認定された。ストークBは1975年から77年にかけて、日本大学理工学部の学生たちが卒業研究として開発した人力飛行機で、77年1月に2093.9メートルを飛行し、未公認ながら、当時の人力飛行世界記録を樹立した。今回の認定では、人力飛行を世界に広く認知させ、その成果が航空技術者の育成にも寄与したと当時の学生たちの挑戦が再評価された形だ。

世界記録打ち立てた35.9キロ

ストークBの機体重量は35.9キロ。0.3から0.4馬力ほどの人力で飛行するため、和紙など日本独自の素材や技術を取り入れることで極限まで軽量化が図られている。現在は、筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」内にある科博廣澤航空博物館で一般公開されている。展示では、飛行中を思わせるように天井から吊り下げられており、大きく広がる翼を見上げた来館者からは「これが本当に人力で飛ぶのか」と驚きの声も上がるという。

日大式ストークBの操縦席も展示されている=同

同博物館では、戦後初の国産旅客機「YS-11」量産初号機や、映画「南極物語」の題材にもなった、カラフト犬のタロとジロの生存発見・救出に活躍した実在の大型ヘリコプター「シコルスキーS-58」、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)など、日本の航空史に名を残す実機が約10点展示されている。そのうち7点が国立科学博物館によるものだ。展示品で同遺産に認定されたのは、YS-11、JAXA から提供された国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟に続き、3例目となる(24年2月1日付同4月26日付)。

施設を運営する広沢商事の野口稔夫専務は「日本大学の学生の皆さんが、自分たちの手で作って空を飛んだ機体。当時の若い人たちが、本気で『空を飛びたい』と思い挑戦した。その思いが詰まっている」と語る。

認定後の大型連休には、「ストークを見に来ました」という来館者の姿も見られたとし、「写真や映像で見たことがあっても、本物を目の前で見ると迫力が違う。天井から吊り下げているので、本当に飛んでいるように見える。下から見上げると、翼の大きさや機体の軽さに驚かれる方が多い」。和紙で作られていることに驚く人も多く、「こんな素材で飛んだのか」と足を止める来館者もいるという。

実物が残るから、挑戦は伝わる

国立科学博物館・産業技術史資料情報センターの前島正裕センター長

ストークBを所有する国立科学博物館・産業技術史資料情報センターでセンター長を務める前島正裕さんは、今回の認定について「私たちが大切に残してきた資料の価値を、学会にも認めていただけたようでありがたい」と受け止める。国立科学博物館では航空機や実験装置、部品など、日本の科学技術の歩みを伝える資料を収集・保存している。ストークBは以前、東京・上野の国立科学博物館で展示されていたが、大型機体のため長く収蔵庫で保管されていた。前島さんは「ヒロサワ・シティの協力で、また多くの人に見てもらえるようになったことがうれしい」と笑顔を見せる。

さらに「機械や部品は、美術品のように見てすぐ価値が分かるものではないからこそ、この資料がどういう研究や挑戦に使われたのか、誰がどんな思いで作ったのかを伝えていく必要がある」とし、「実物が残っていなければ、その挑戦があった証拠も残らない」と、資料保存の意義を強調する。ストークについても「今は、テレビの『鳥人間コンテスト』などで人力飛行機を目にする機会があるけれど、最初に挑戦した人たちは、本当に飛べるのかも分からない中で挑戦していた。『こんなに大きな翼が必要なんだ』『こんなに軽いんだ』ということは、実物を見ると一瞬で伝わる。言葉よりも本物には力がある。是非、間近で見ていただきたい」とし、「ストークを作ったのは特別な誰かではなく、当時の大学生たち。今の子どもたちから見れば、少し年上の『先輩』ですよね。『こんな挑戦をした人たちがいたんだ』と感じてもらえたら」と語った。(柴田大輔)

児童扶養手当を過少に支給 つくば市 1165人に計153万円

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つくば市役所

ひとり親家庭などに支給される児童扶養手当について、つくば市は13日、4月分から全国消費者物価指数の上昇に応じて手当額が3.2%引き上げとなったにもかかわらず、引き上げ分を加算せず、本来の金額よりも過少に支給してしまったと発表した。

市こども政策課によると、支給対象保護者約1200人のうち1165人に対し、4月引き上げ分の合計153万8650円を加算せず過少に支給した。過少だった分は保護者1人当たり330円~2640円になるという。

3月と4月の2カ月分を5月11日に対象者に振り込んだところ、複数から市に問い合わせがあり分かった。市は4月分から支給額が変更になることについて4月下旬にあらかじめ対象者に通知を出していた、

同課によると、支給額を変更した上で対象者の口座に振り込む手続きをシステム上で行う際、担当者がシステム処理の手順を誤ったのが原因という。一方、新たに支給対象となった36人については、支給額を変更する操作を実施した後に振り込み手続きをしたため、誤りはなかった。

不足額について同課は、対象者1165人に謝罪の通知を出した上で、5月末までに不足額を振り込むとしている。

再発防止策として、制度の変更については部署内で細心の注意を払うと共に、管理職が必ず確認を行うことを徹底するとしている。

がんに対する構え、対処・治療方法《ハチドリ暮らし》61

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写真は筆者

【コラム・山口京子】がん関連の本をあれこれ読みつつ、書き手によって、がんに対するまなざしが随分違うと感じます。それによって、がんに対する構え、対処方法、治療方法などが変わってきます。どれが正解かはわかりません。参考にしつつ、そこから自分はどういう教訓を得ればいいのか考えます。

1人1人身体の状況も、がんの種類も進行度も異なります。それを無視して、一つの言説を信じ込んでしまったら、後で後悔することになるでしょう。がんと診断されて、治療するのか、しないのか。治療も標準治療なのか、それ以外の治療なのか。調べるほど選択肢が広がり、迷うことが多くなります。

がん治療には、3つの目的があると言われています。根治、延命、緩和です。標準治療(手術・放射線・抗がん剤)がスタンダードですが、それらは対処療法だという指摘があります。標準治療で時間稼ぎをしながら、自助努力し、自己免疫力を高め、体力・体重の維持を意識することが大事だという医師の言葉に出会いました。

どのみち、人生は有限です。自分のできることをして、あとは運にまかせる、開き直りもありだ、とも思います。

がんによる死亡というとき、がん自体で死亡するより、栄養失調、臓器機能不全、免疫機能不全による感染症などで死亡することが多いようです。進行の早い末期がんと診断された私の場合、治療をしないという選択をしたら、臓器の機能不全による腸閉塞や腹水などに苦しめられたでしょう。

生き抜くぞ! いつでも死ねるぞ!

対処療法と言われても、抗がん剤治療をしてよかった、と思います。それによって、がんの進行が抑制され、臓器の機能不全も抑えられ、体力が維持でき、日常生活ができ、延命にもつながっている、と。

ただ、抗がん剤もいずれ効かなくなる時期がきます。そのときにどうするのか。二番手、三番手の薬があるそうですが、効果はだんだん小さくなるようです。体力や副作用の程度を踏まえながら、治療の止め時を決めることになるでしょう。

がん患者本人がすることとして、心を定めること、食事を改めること、睡眠確保や運動習慣など、多くの本は生活全体の見直しを勧めていました。治療と並行して、生活全体の改善も行うことが、延命や緩和のヒントになるような…。ある本は「生き抜くぞ、いつでも死ねるぞ」という気持ちを持つことが大事と言っていました。そうかもしれませんが、どうなることやら…。(消費生活アドバイザー)