【コラム・岡田富朗】筑西市にある廣澤美術館は2021年1月2日に開館しました。本館の設計を手がけたのは建築家・隈研吾氏です。全国各地から集められた約6000トンもの巨石が配された建築は、力強い存在感を放っています。敷地内には芝生の庭や竹の庭、そして本格的な日本庭園が広がっており、庭園を目当てに来館される方も多いそうです。
廣澤美術館が位置する「ザ・ヒロサワ・シティ」は東京ドーム約1.2個分に相当する5万6000平方メートルの広大な敷地を誇り、陸・海・空・宇宙の乗り物がそろう「ユメノバ」というテーマパークがあり、博物館にはクラシックカー、航空機、ロケットなどが展示されており、さらには宿泊施設まで備えられています。
美術館では、横山大観、板谷波山、松井康成、鶴岡義雄といった茨城県ゆかりの作家から、棟方志功、中川一政、千住博、齋藤清、伊東深水など、日本美術を代表する作家の作品を幅広く所蔵しています。展示は2カ月から2カ月半ごとに入れ替えられ、何度訪れても新たな出会いがあります。
陶芸の匠 東西展
2026年1月28日から4月5日までは「陶芸の匠 東西展」が開催されます。東は板谷波山、濱田庄司、加守田章二、松井康成、島岡達三、田村耕一、西は富本憲吉、楠部彌弌、河井寛次郎、大樋長左衛門、清水卯一、三輪休雪と、東西を代表する名匠たちの作品を楽しむことができます。

黄金の茶道具
さらに注目すべきは今年の大河でも注目されている、豊臣秀吉ゆかりとされる「黄金の茶道具」です。文禄・慶長の役で功績を挙げた藤堂高虎に秀吉が与えたと伝わるこの茶道具は、2024年の特別展で初めて一般公開されました。現在は廣澤美術館本館から浄(きよら)の庭を抜けた敷地奥に位置する「つくは野館」にて常設展示されています。
秀吉と藤堂高虎
豊臣秀吉と藤堂高虎については、金の茶道具にまつわる以下のような逸話が残されているそうです。
秀吉が明(中国)征服を目論(もくろ)み、朝鮮半島に進軍した文禄・慶長の役(1592~93、1597~98)に出征した高虎は、船奉行として水軍を率いて活躍しました。秀吉はその敢闘を称え、高虎の出家を引き止めて伊予国板島(現愛媛県宇和島市)7万石の大名に取り立てました。
その後も1万石を加増するなどひときわ厚遇し、さらに褒美の一つとして自らが黄金の茶室で愛用していた金の茶道具を授けたと伝えられているそうです。
また1732(享保17)年には、神戸藩から常陸下館藩に加増移封となった藩主石川総茂のもとに藤堂高虎の孫娘が正室として嫁ぎ、明治までの約140年間、石川家は下館藩主として下館(現筑西市)の地を治めており、藤堂家と筑西市との深いつながりを見ることができます。(ブックセンター・キャンパス店主)






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