11月9日 つくば 夢工房
つくばを中心に活動するフランス音楽研究会(阿部理香代表)が11月9日、同市豊里の杜、ギャラリー「夢工房」でサロンコンサートを開く。今回は「色彩とリズムの饗宴」と題し、シャブリエ、ドビュッシー、イベールら19世紀末から20世紀初頭のフランスの作曲家の作品と、同時代の印象派などの絵画作品を合わせて鑑賞する。ピアノ、フルート、歌唱による生演奏と生解説。
ドビュッシーに代表される19世紀末~20世紀初頭のフランス音楽は、ロマン派から印象主義への移行期で、色彩的な響きとモダンなリズムが特徴。手法としては全音音階や不協和音などを取り入れて、よりあいまいな気分や雰囲気を音楽に持ち込み、光や水など自然の情景も生き生きと描き出した。またアメリカやアフリカ、アジアなどの原初的でパンチの効いたリズムにも目を向け始めている。

今回のコンサートの趣向である絵画との取り合わせでは、シャブリエの「幸福の島」「小さなあひる達のヴィラネル」にはルノワールの「ぶらんこ」を合わせる。シャブリエ自身も印象派の画家たちと親しく、何気ない日常を描くセンスも両者に通じるところがある。ドビュッシーの「子供の領分」にはドニの「赤いエプロンドレスを着た子ども」。ドビュッシーとドニも楽譜の挿絵や、舞台音楽と背景美術などで直接の交流があった。イベール「物語」にはバルビエの「マケダ、シバの女王-エチオピア年代記」で異国情緒を、プーランク「村人たち」にはマチス「花と果物」で繰り返す明るいリズムを漂わせる。
プログラムの最後を飾るのはフランセの「ルノワールによる15の子供の肖像画」。ルノワールの絵からインスピレーションを受けた小曲集だ。フランセが選んだ15枚の絵にはあまり表には出てないものも多く、なぜこういうチョイスになったのかは長年の疑問だったが、元になった画集があることを今回フランス音楽研究会が明らかにした。
その画集とはミシェル・ロビダが編纂した「ルノワール―子供たち」。ロビダはフランスのジャーナリストで、ルノワールの伝記も著している。彼の大伯母は印象派の大パトロンであるシャルパンティエ夫人で、ルノワールを社交界に紹介し肖像画家としての道を開いた人物だ。
ロビダが選んだルノワールの絵には、良家の子女ばかりでなくルノワール自身の子どもの絵なども含まれ、いずれもかしこまった姿ではなく、普段の生き生きとした姿や、伸び伸びと自由に遊ぶ子供たちの一瞬の様子を捉えている。「天真爛漫な子どもたちへの愛と、描くこと自体の喜びや幸せが、こうした魅力的な表情を生み出す秘訣なのかもしれない」と阿部さんは推察する。

フランセの曲にも子どもたちへの愛が込められている。今回演奏されるのはピアノの連弾のバージョンだが、低音部を先生、高音部を生徒が弾く練習曲としての側面もある。特にユーモラスなのは12曲目「ピアノに向かって」で、ちょうど絵の中の子どもたちのように、習いたてのたどたどしい姿を再現しており、しっかりと譜面通りに弾かないと作曲者の意図がうまく伝わらない難曲でもある。
フランス音楽研究会は2003年結成。近代フランスの作曲家を中心に音楽、美術、料理、文学などジャンルを超えて研究し、その中から新たなムーブメントが生まれることを目指している。毎年秋のサロンコンサートでは、ホールコンサートとは異なる自由な発想で、観客との歓談の時間なども設け、より密に交流することができる。(池田充雄)
◆フランス音楽研究会サロンコンサート「色彩とリズムの饗宴」は、11月9日(日)、つくば市豊里の杜2-2-5、夢工房で開催。開場は午後1時30分、開演は2時。料金は2000円(お茶付き)。申し込み・問い合わせは電話029-852-7363(阿部さん)へ。
➡フランス音楽研究会の過去記事はこちら













































