金曜日, 10月 9, 2026
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不適切な生活保護行政 告発者を表彰したら?《吾妻カガミ》213

【コラム・坂本栄】つくば市の不適切な生活保護行政について「今年内にも(関係職員・管理職への)処分が出るのか」と市長に聞いたところ、「年内でなく年度内」とのことでした。同行政の部署にいた職員が不適切事案の具体例を内部告発し、市が発表したのが2024年春。そして市が調査報告書をまとめたのが2025年夏。問題表面化から関係者処分まで2年もかかるとは悠長な話です。

職員酷使、業務怠慢、ミス隠し

内部告発の詳細については市職員の請願書(市の公益通報受理が遅れたので市議会に請願)を読んでください。あらましは192「…市政の実態」に書きましたが、さわりを紹介すると▽問題点を指摘したら管理職が隠蔽してしまった▽やってはいけない現金支給が行われていた▽業務上の不正を指摘すると職場で「村八分」にされた―といったことが起きていたそうです。

市の調査報告書を読むと、生活保護行政の様相がよく分かります。209「不適切のデパート…」で超要約したように、▽時間外勤務や特殊勤務の手当てがきちんと払われていなかった▽生活保護者への過払いを埋める会計処理(国庫への請求)を怠っていた▽県の監査に対し「現金給付はしていない」と口裏を合わせていた―など、杜撰(ずさん)な行政の実態が報告されています。

生活保護は国民へのセーフティネットであり、憲法でも「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(25条)が保障されています。こういった基本中の基本の行政なのに、単純ミス(支給基準の誤判断)だけでなく、職員酷使(関連手当ての未払い)、業務怠慢(国庫への請求見送り)、ミス隠し(県監査への虚偽報告)が横行していたとは驚きでした。

担当職員・管理職、市幹部への処分がどうなるか、要注目です。処分は仕事上の責任を明確にして再発抑止を図るものですが、これとセットで、不適切事案を暴露することで業務正常化に貢献した告発職員を表彰したらどうでしょう? 内部告発をプラス面に生かして役所を活性化させれば、市民サービスも向上します。実現すれば、役所マネージメントの新しいモデルになると思います。

究極の不適切生活保護対策は?

請願書と調査報告を読むと、つくば市では管理職クラスの仕事振りに問題が多いことが分かります。その箇所にアンダーラインを引きながら、つくば市と土浦市の合併を図り、「新つくば市」を中核市(当時の人口要件は30万以上)にしようとしていた前市長の非公式発言を思い出しました。

合併協議が進んでいたころ、前市長はある懇親の席で、6町村合併で誕生したつくば市の職員を市政経験が豊富な土浦市の職員に教育してもらいたい―といった趣旨のことを話していました。2市合併の目標として中核市実現を掲げながら、土浦市の豊富な行政経験をつくば市の職員に学ばせ、市の行政レベルをアップしたいとの思惑もあったようです。

つくば市民の反対で合併は実現しませんでしたが、「不適切行政」改善策は他にも考えられます。組織引き締めのために関係職員・管理職・市幹部を処分するはその一つであり、内部告発に踏み切った職員を表彰して役所内を刺激するのも一策でしょう。

究極の不適切行政対策は、生活保護業務そのものを県に返上してしまうことです。行政力に限りがある村役場や町役場は生活保護の実務を県に任せています。つくば市が業務返上という奇策(町村並み市政宣言)に出れば、全国の耳目を集めるでしょう。来年の自治体ニュースの上位に入ることは間違いありません。冗談はこのぐらいにして(内部告発奨励は真面目)、皆さま、よいお年をお迎えください。(経済ジャーナリスト)

<注> 青字部をクリックすると関係文書やコラムが読めます。

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