木曜日, 9月 18, 2025
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「クラシックをもっと身近に」 坂本真由美さんピアノリサイタル つくば学園クリニック

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坂本真由美さんの演奏の様子(坂本さん提供)
坂本真由美さん(同)

【田中めぐみ】つくば学園クリニック(つくば市苅間)で10月14日、ピアニスト坂本真由美さんのピアノリサイタルが開かれる。坂本さんはテレビ朝日系の番組「関ジャニ∞のTheモーツァルト音楽王No.1決定戦」で初代ピアノ王となった。入場無料。30人限定。

つくば学園クリニックは「地域の人に上質なクラシック音楽を気軽に聴いていただきたい」と、クリニック内のラウンジを開放し、不定期だが主に日曜日にサロンコンサートを催している。

坂本さんは東京芸大を卒業後、ドイツのハノーファー音楽演劇大学で学んだ。国内外コンクールで数多くの受賞歴があり、海外でも活躍するピアニストだ。現在は東京芸大講師も務めている。

「堅苦しいイメージのあるクラシックを地域の方にもっと身近に感じてほしい。生活に近いところで親しんでもらいたい」との思いを持ってリサイタルに臨むという。大きな舞台で演奏することが多いそうだが、クラッシックの魅力を伝えるため、今後小規模の演奏活動にも力を入れていきたいと考えている。「30人限定なので、聞いてくださる方の反応を近くに感じることができる。小さいところで演奏するのはとても勉強になる。お客さまにもこちらの表情や息づかいを感じてもらえると思う」と話す。

モーツァルトの「きらきら星変奏曲」やリストの「ラ・カンパネラ」など、誰もが一度は聞いたことのある曲目を演奏する予定。聴きどころは、坂本さんが今年度自らの研究テーマとしている幻想曲だ。「ソナタには決まった形式があるが、幻想曲は形が決まっていない。だから作曲家の形にならない思いや、あふれ出る感性が表現されているように感じる」と話す。

つくば学園クリニック

◆坂本真由美ピアノリサイタルは10月14日(日)午後1時30分開場、2時開演。会場はつくば学園クリニック(つくば市苅間1929-1)。駐車場有。入場料無料。30人限定で予約が必要(予約はhttps://t.livepocket.jp/e/3wzmv、またはQRコードから)。

詳しくはつくば学園クリニックサロンコンサートFacebookページhttps://www.facebook.com/tgcsalonconcert/、坂本真由美ウェブサイト http://www.mayumisakamoto.com/ツイッターhttp://twitter.com/sakamoto_mayumi

 

◆つくば学園クリニックで近日開催するコンサート(いずれも併記のLivePocketサイトからの予約が必要)は
・9/30 角野まりな&西野晟一朗 https://t.livepocket.jp/e/2t1rt
・10/28 細井 唯チェロリサイタル https://t.livepocket.jp/e/f7ky7
・11/18 米川幸余ピアノリサイタル https://t.livepocket.jp/e/cegwb

・12/23 坂本真由美 & 千葉清加 デュオリサイタル https://t.livepocket.jp/e/j6x99

リース校舎増築へ 児童・生徒数急増の竹園西小と東中 つくば

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教室不足が指摘されているつくば市立竹園西小学校

【鈴木宏子】児童・生徒数が急増し教室不足などが指摘されている、つくば市立竹園西小学校(同市竹園2丁目、児童数764人)と竹園東中学校(同市竹園3丁目、生徒数585人)について、市は、両校にリース校舎を増築する案を9月議会に提案した。両校とも2020年4月から使用できる見通しという。

両校の学区内では、つくば駅周辺のマンション建設や国家公務員住宅跡地の宅地造成などにより、児童・生徒数の増加が続いており、市の対応が求められている。

竹園西小は3階建て校舎(8教室)、東中は2階建て校舎(12教室)を建設する計画。いずれも鉄骨造りで、来年3月ごろ着工、約1年で完成し、20年4月から使用できるようにする。

リース代は18年度から29年度まで12年間で、西小は総額約3億3500万円、東中は約3億1500万円。9月補正予算案に債務負担行為を設置し提案した。

現状のままでは20年4月に西小が6教室、東中が3教室不足、21年度は西小が8教室、東中が7教室不足する見通しだった。

一方、東中は、校舎完成前の来年4月に1教室が不足する見通しだが、来年度は会議室を普通教室に充てて対応するという。

市立竹園東中学校

「対応あまりにも後手後手」

つくば駅に近い竹園1丁目地区には15年に、15階建てマンション3棟(計322戸)が建設され、国家公務員住宅跡地の住宅開発などと併せて児童・生徒数が急増している。20年には近くにさらに19階建てマンション(331戸)などが完成する予定で、小中学校などの受け入れ環境を早期に整備することが求められている。

今年3月と6月議会では、竹園西小と東中の過密化問題が複数の議員から指摘され、西小については「以前会議室だった場所が教室に転用されエアコンがない中で子供たちは過ごしている。特別支援教室は2教室を1.5㍍ほどのパーテーションで区切り3教室にして使用している。教材室だった6畳ほどの倉庫を日本語教室、特別支援教室に転用している。対応はあまりにも後手後手でひど過ぎる」「子供たちの数に見合ったグラウンドの広さがないため、お昼休みなど3年生以上しかグラウンドで遊ぶことができない。低学年の子は走り回れるスペースがない」(山中真弓市議)などの指摘があった。

東中については3月議会で、新井隆男教育局長(当時)が「(教室が)さらに足りない場合は、PTA室という大きい部屋があるので、それを普通教室としてPTA室と分ける」などと答弁、山中市議が「PTA室といっても旧校舎の昇降口だった。これが教室になるとは到底思えない。校舎を増設するなどの対応をきちんととっていくべき」などと指摘していた。

賞味期限1年9カ月過ぎのジャム 給食に提供 つくば市

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つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は11日、市立東小学校(同市東、児童数490人)に10日昼提供した学校給食に、賞味期限を1年9カ月過ぎたイチゴジャムが含まれていたと発表した。児童の健康被害は確認されてないという。

市教育局健康教育課によると、10日昼、給食を食べていた児童がジャムの賞味期限が切れているのに気付いた。アルミパックで包装された1個15㌘入りのジャムで、フランスパンに添えて出されていた。同校は全校放送でジャムを食べないよう呼び掛け、給食を提供した市桜学校給食センターに報告し、ジャムを回収した。児童145人がジャムを食べてしまったという。

今回のジャムは、農事組合法人つくばねファーム(つくば市和台原)が6日、同給食センターに計5620個を納品した中の一部。開封されたものを含め同小が回収したジャム516個を同センターが調べたところ、6割近い294個の賞味期限が1年9カ月前の2016年12月8日だった。納品後、センター職員は箱の期限表示と抽出調査をして賞味期限を確認したが混入に気付かなかったという。

10日は市立幼稚園2園、小学校5校に計2400個のジャムが提供された。幼稚園園児とほかの小学校児童はジャムを食べたが、いずれも賞味期限切れのものはなかったことを確認した。

原因について、市教育局は同ファームに調査を求めているが、現時点で不明という。

市は10日と11日、同小保護者にメールと文書で謝罪し、児童の健康状態を引き続き確認している。

ほかの学校に提供する予定だった残りのジャム約3220個については、いずれも賞味期限切れのものはないと確認されたが、提供を取り止め、児童らには別の代替品を用意する。

市は同ファームに対して、原因特定と再発防止策が確認できるまで商品の納入を一時中止する。

市の報告を受け、県つくば保健所と筑西保健所は11日、同ファームを合同で立ち入り調査した。県保健福祉部生活衛生課によると11日時点で原因などは不明という。

「本物の手作り作品見てほしい」 つくばのステンドグラス作家が2人展

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田崎夫妻と、大正時代のステンドグラスを複製した作品(左後方)=土浦市飯田の工房、田崎クラフト

【鈴木萬里子】つくば市在住のステンドグラス作家田崎慶三郎さんが、妻で衣服リメーク作家の昭子さんとコラボし「ステンドグラス・衣服リメイク2人展」を、15~17日の3日間、つくば市吾妻のつくば市民ギャラリーで開く。

慶三郎さん(77)は昨年まで都内の照明器具会社に特注品を卸していた。特注品製作が終了したこともあり今回久しぶりに個展を開く。「これからは地元を見据えた活動をしていきたい。地元の作家が手作りした本物の作品を見てほしい」と慶三郎さんは話す。

慶三郎さんは東京世田谷で会社員生活を送っていた40歳の時に、ステンドグラスと出合った。透過光によって美しく映えるステンドグラスに魅了され、独学で勉強を始めて2年後、自宅近くに工房を開き独立した。会社員に未練はなかったという。

そして好機が訪れた。制作の合間にふらっと訪れた浅草で台東区に本社のあるシスター照明の会長と出会った。会長所有の大正期のステンドグラスの修復を手掛け、技術の高さが認められて、親会社で照明器具会社の老舗、ヤマギワ照明からも、ランプスタンドやランプシェードの特別注文を長期にわたって受けるようになった。三越日本橋本店、帝国ホテル、能楽堂銀座など都内で個展も開いた。慶三郎さんは「会長との奇跡的な出会いが全てだった」と振り返る。

2人展で展示予定のステンドグラスの数々=同

手先の器用な慶三郎さんは、ランプスタンドの土台になる鉄ベースを自分で作りたいと、ガス溶接技術を習得。鉄の創作に熱が入った2000年、住まいを筑波山麓に移し鉄の工房を開いた。05年土浦市飯田に工房を移転し、幻想的なステンドグラスの製作を続けている。

一方、妻の昭子さんは明治時代の着物や羽織に興味があり、洋服にリメークして楽しんでいた。それを見た人からの引き合いが多くあり、教室を開くなど活躍の場を広げた。2人展では昭和後期の品質の良い絹の着物をおしゃれ着にリメークして出品する。「個性的なおしゃれを楽しんでもらえたら」と話す。

昭子さんの衣服リメーク作品

◆会期は15日(土)~17日(月)、開館時間は午前10時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)、入場無料。問い合わせは田崎クラフト(電話080・3029・4138)

◆次回2人展は11月28日(水)~12月1日(土)土浦駅アルカス1階市民ギャラリーで開く。

新つくば観光大使6人 PRへの意気込み語る

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市長(中央)を表敬訪問した第13代つくば観光大使=つくば市役所

【谷島英里子】つくば市のPRを担う「第13代つくば観光大使」6人が10日、五十嵐立青市長を表敬訪問し、意気込みを語った。

観光大使は今年新たに選ばれた3人と、12代からの継続3人の計6人。新大使は、いずれも同市の会社員平沢唯さん(28)、非常勤講師吉田さやかさん(27)、大学生山崎麻亜紗(まあしゃ)さん(19)。継続は、会社員宮本はるかさん(26)、会社員坂入百香さん(25)と、東京都の大学生酒井瑛里さん(21)。6人は市のイメージアップや観光客誘致を図るため、市内のイベントや県外での観光キャンペーン、メディア出演を行い、市の魅力をPRする。

新たに大使に選ばれた平沢さんは「G20貿易・デジタル経済大臣会合や国体があり国内外から人が来るので、つくばの魅力を一人でも多くの人に伝えたい」と抱負を述べた。

観光大使の任期は9月1日~2020年8月末の2年間。継続3人はあと1年になる。

五十嵐市長は「今年から来年に世界湖沼会議やG20、茨城国体がある。つくばの魅力を自然な形でPRしてほしい」と話した。

【葬儀の形】つくばの老健施設長が生前葬 「元気なうちに区切り」

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縁のあった人たちにお礼を述べる喪主の長廻さん=土浦市城北町のホテルマロウド筑波

【橋立多美】葬儀の形式が多様化している。最近は家族だけで送る「家族葬」や宗教にこだわらない無宗教の葬儀などがある。生きている間に自分の葬儀を執り行う「生前葬」も話題を集めており、都心では、葬儀社が請け負ってホテルの宴会場を利用する場合が多い。

つくば市高崎のつくば双愛病院内にある介護老人保健施設「ひまわり」の長廻(ながさこ)紘施設長(77)は7日、土浦のホテルで、お世話になった人や親しい人に感謝の気持ちを伝える「生前葬」を執り行い、友人や同施設の職員など約50人が列席した。

支えてくれた人に感謝

宗教色はなく、服装は自由。香典も不要で、会場入り口には1歳頃の長廻さんが祖母におんぶされた写真が置かれた。

長廻さん本人が喪主を務めた。まず喪主自らが舞台に上がり「元気で意識のはっきりしているうちに区切りを付け、新たな生に向かう起爆剤にしようと生前葬を企画した」と語りかけた。そして、人生の岐路に立ったときに支えてくれた友人や知人、家族の話を織り交ぜながらこれまでを振り返り、感謝の気持ちを述べた。

続いて長廻さんの新たな人生の門出に向け、同病院の高田喜哉薬局長の音頭で乾杯が交わされると、会場は和やかな雰囲気に包まれた。ユーモアに満ちた友人たちによるスピーチ、会食や歓談、余興として津軽三味線の演奏が行われた。

「初めは冗談かと」

島根県出雲市で育った長廻さんの幼なじみで、同市から駆け付けた税理士の山内英明さんは「葬儀について深く考えたことはないし生前葬に興味はない」。東大医学部当時の友人片山栄さんは「(生前葬の知らせに)初めは冗談かと思ったが斬新奇抜な彼ならやるなと思い直した。遺書を書いたり終活を始めたが生前葬をする気はない」と話した。

長廻さんの長女は「父が本当に亡くなった時の葬儀はどうしたらいいかという心配はあるが、今は父の好きなようにさせてやりたいと生前葬に賛成した」と話してくれた。

「やったことない」葬儀社尻込み

長廻さんは「生前葬に施設職員を招いて慰労するのも企画の目的」と語った。生前葬にかかった費用は会食代や遠方からの列席者の旅費、宿泊費などを含めて約50万円。喪主の長廻さんが全額支払った。

生前葬の準備と当日の進行を任された、ひまわりの事務長代行・村松弘二さんは「つくば市内のホテルは断られ、土浦のホテルマロウド筑波に決めた。葬儀社5社は『これまでやったことがない』と尻込みされた。初めての経験で戸惑うことが多かったが、施設長の『かたちにこだわらず、楽しく集えればいい』に助けられた」という。

幼なじみの山内愛子さんと談笑する長廻さん㊨=同

土浦五中おやじの会奮闘 体育祭で交通整理、リレー出場

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土浦五中「おやじの会」のメンバー=土浦市手野町

【谷島英里子】土浦第五中学校(同市手野町)で父親の有志団体「おやじの会」が奮闘している。学校行事の協力や奉仕活動に関わり、父親同士の交流の場にもなっている。

会の発足は15年前。現在のメンバーは40~50歳代の25人ほどで、子どもが学校を卒業したが地域貢献をしたいと継続するOBもいる。会長の新井正一さん(55)によると主な活動は、PTAと協力しバザーの開催や除草作業、通学路の危険箇所の確認など。保護者から相談事があれば学校につなぐ。会をきっかけに地区以外の人との交流につながり、親同士が仲良くなると子どもにも良い影響を与えることができると話す。

8日開かれた同中の体育祭では、おやじの会オリジナルTシャツに袖を通し、早朝から交通整理や準備を行い、安全な運営に努めた。明るく目立つ黄色に裏側には「GOCHU」(五中)と数字の語呂合わせで「082」(おやじ)とデザインされ、生徒たちから「すごい、かっこいい」と反響があった。

サプライズで出場したリレーでは、生徒たちの若さに負けじと力を振り絞る姿が見られ大きな歓声が上がっていた。

同校の花沢浩校長は熱心な活動に「さまざまな協力に感謝している。地域に支えられていると実感している」と語る。

今年入会した八釼正樹さん(45)は「PTAは女性が多いので、力仕事はおやじたちに任せるなど協力し合えるといい。皆で学校と地域を盛り上げていきたい」と話していた。

8日の体育祭で生徒と楽しんだリレー種目=土浦五中

多彩なアーティスト出演 霞ケ浦湖畔で野外音楽フェス 9日まで

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夕暮れ迫る「水際熱風ステージ」に出演中のYuuji Kikuchiさん=土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園

【池田充雄】土浦で最大規模の野外音楽フェスティバル、第4回霞ケ浦KOHANロックが8・9日、霞ケ浦総合公園で開催されている。ロック、ジャズ、弾き語りなど幅広いジャンルのアーティストが2日間で40組以上出演し、霞ケ浦湖畔の美しい自然の中で一日中音楽に浸って過ごせる。入場無料で、駐車場も同公園内の5カ所合計約800台の無料駐車場が利用可能という、完全なるフリーコンサートだ。

会場は同公園内にある入浴施設「霞浦の湯」周辺。ネイチャーセンターとの間に広がる芝生広場を「グランドREINBOWステージ」とし、主にバンド形式のアーティストが出演する。また、人工砂浜がある水辺広場を「水際熱風ステージ」と名付け、こちらはアコースティック系のアーティストが多く登場する。

「グランドREINBOWステージ」で初日のトリを務めたジャズギタリストの萩谷清さん=同

入場無料ながら、音楽イベントとしての質の高さにもこだわっている。たとえば8日のメーンを務めたのは萩谷清。土浦市出身のジャズ、フュージョンギタリストで「ルパン三世のテーマ」で知られる大野雄二バンドの一員でもあった。渡辺貞夫やロン・カーターら内外の大御所とも多数共演し、ソロ名義や自身のバンド「SPB」名義で数々のアルバムを発表している。

9日のトリは内海利勝。1972年に矢沢永吉らと伝説のバンド「キャロル」を結成、現在もロック・レジェンドらとのスーパーバンド「BACABACCA」や「GEMINI」、またソロで聞かせる渋いアコースティックブルースなど、多彩かつ精力的に活動している。ほかにもオニツカサリー、石塚美咲、日々かりめろ、イバラッパーなど地元茨城を中心に活動するアーティストが多数参加し、充実したラインナップを誇る。

今年は飲食ブースが約10店舗に増え、また手作り雑貨などの「KOHANマルシェ」も同時開催され、楽しみ方の幅が広がった。さらに新たな試みとして、2日間とも終演後に同公園内の「レストハウス水郷」で打ち上げイベント「Night Party」を開き、出演アーティストと観客の交流の機会を設けている。

実行委員長の山田径子さんは「音楽イベントとしてさらに純度を高めることができた。将来的には全国に知られるフェスティバルに成長させ、地域活性化に貢献するとともに、多くの人が霞ケ浦の素晴らしさを見直すきっかけにしたい」と話す。

▼第4回霞ケ浦KOHANロック。9月8・9日午前10時~午後6時、霞ケ浦総合公園内霞浦の湯前広場

▼KOHANロックプレゼンツNight Party。9月8・9日午後6時30分~、霞ケ浦総合公園内レストハウス水郷。※9日は内海利勝、ミクロwithSOUL粉もん’Sら出演。当日7,500円。

【土浦花火】あと1カ月 フォト歴代作品展開催 花火弁当受け付け中

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設置が進む桟敷席=6日、土浦市佐野子、桜川河川敷

【鈴木宏子】10月6日、土浦市学園大橋付近の桜川畔で開催される「第87回土浦全国花火競技大会」まであと1カ月。大会を盛り上げようと今年は、土浦市民ギャラリー(土浦駅前、アルカス土浦1階)で「土浦の花火フォトコンテスト歴代入賞作品展」が9月17日まで開かれている。土浦の特産品を生かした花火弁当の販売申し込みも始まっている。

20都道県の56業者が競う

【大会概要】今年は20都道県から56業者が参加し技を競う。10号玉の部は45発、創作花火の部は22組、スターマイン部は22台でそれぞれ競技が実施される。迫力を堪能できる大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」は、今年も横幅約500㍍の広さで9カ所から6分間にわたって約2100発を打ち上げる。恒例の大会提供エンディング花火は第87回大会にちなんで7号玉を87発打ち上げフィナーレを飾る。打ち上げ時間は午後6時から8時30分まで。昨年は75万人が観覧した。

今年の花火大会のポスターで使用されている昨年の「土浦の花火フォトコンテスト入賞作品」。土浦市、塚田良治さん撮影の「土浦紅色彩(べにしきさい)」=土浦市提供

前日5日正午、自由席開放

【観覧席】桜川河川敷に設置される桟敷席は、販売用の約2800升すべてが9月6日までに売り切れた。7月にローソンチケットで約1000升、9月4日朝8時に大岩田の水郷体育館で1800升の抽選会、同6日正午にローソンチケットキャンセル分約100升を追加販売し、いずれもすぐに完売したという。1升(6人席)2万2000円だが、今年も手に入りにくいプラチナチケットとなっている。

大会前日の10月5日正午からは、桟敷席下流の約2000平方㍍に設ける無料自由観覧席が一般開放され、場所取りが解禁になる。約2000人が観覧できる。例年、前日正午までに約1000人が場所取りに並ぶという。

9店が17種類を販売

【花火弁当】地元の特産品などを全国に発信しようと、市観光協会土浦名物弁当事業者部会が毎年販売している花火弁当は、今年は9店が計17種類を販売する。趣向を凝らした豪華な弁当の注文を各店で受け付け中だ(http://www.tsuchiura-kankou.jp/meibutubento/)。

歴代入賞作品を展示

【事前イベント】大会を盛り上げるイベントとして、今年は9月5日から市民ギャラリーで「土浦の花火フォトコンテスト歴代入賞作品展」が開かれている。2008年の第1回から昨年の第9回までの最優秀賞や優秀賞受賞作品など計38点が展示されている。実物大の花火玉や、大会当日に花火審査員が着用するはっぴなども展示され、はっぴは会場で実際に試着することもできる。市商工観光課は「ぱっぴを着て今年のポスターの前で写真を撮りSNSで土浦の花火を発信してほしい」と話している。

土浦の花火をPRしようと土浦市民ギャラリーで開催中の「土浦の花火フォトコンテスト歴代入賞作品展」=土浦市大和町、アルカス土浦1階

ほかに大会をより一層楽しんでほしいと、大会当日の10月6日午後1時30分からと2時30分からの2回、花火鑑賞士による「花火セミナーin土浦」が、土浦駅前の県南生涯学習センター(市役所5階)で開かれる。事前申し込み不要、参加費無料だが各回先着100人まで。

臨時列車も運行

【交通機関】大会当日の公共交通は、JR土浦駅から通常列車のほか、上り下りそれぞれ3本ずつ臨時列車が運行する。土浦駅東口から会場の学園大橋まではシャトルバス(大人240円、子ども120円)が行き来する。

駐車場は臨時・公共駐車場を5000台分用意する。このうち1790台分を無料駐車場として開放する。無料は、市立武道館駐車場(午前9時~、90台)▽上高津貝塚ふるさと歴史の広場(同9時~、100台)▽市民会館(午後1時~、200台)▽県土浦合同庁舎(午後1時~、100台)▽市職員駐車場かね喜裏(午前9時~、150台)▽霞ケ浦総合公園(午後1時~、600台)▽滝田1丁目臨時駐車場(午後1時~、300台)▽土浦第二小(午前9時~、50台)。

※メモ
【土浦全国花火競技大会】1925(大正14)年、神龍寺(文京町)の住職、秋元梅峯が、霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した経済を活性化する目的で、私財を投じ霞ケ浦湖畔で開催したのが始まり。内閣総理大臣賞を授与する花火競技は、秋田県大曲と土浦の全国2大会のみで、特に土浦は数百発の花火を速射連発するスターマイン日本一を決めるといわれる。

振り込め詐欺撃退装置を無償貸し出し 土浦市

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無償で貸し出している振り込め詐欺撃退装置。固定電話に取り付けて使用する

【鈴木宏子】高齢者のニセ電話詐欺被害を防ごうと土浦市は、振り込め詐欺などを撃退する「自動通話録音装置」計100台を高齢者世帯などに無償で貸し出している。県のモデル事業の一環で、取り組んだのは県内で初めてという。

固定電話に装置をつなぐと、着信時に「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため会話内容が自動録音されます」というアナウンスを発信者に流し、すべての会話を高音質で録音する。さらに装置の赤いボタンを押すと、あらかじめ登録していた近親者など4人に順に緊急を知らせる録音メッセージを届けたり、非通知電話を着信拒否するなどの機能もある。録音した会話は警察に提出すれば声紋分析が可能で捜査に役立てることができるという。

65歳以上の高齢者世帯のほか、日中、高齢者だけになる世帯などに貸し出す。

市生活安全課によると、県内のニセ電話詐欺の認知件数は今年6月末までの半年間で155件と前年同期と比べ48件減少、被害額は計約1億4800万円と同比1億1900円減っているという。

同市は8月から貸し出し受付を開始。現在、第2期分として9月4~28日まで申し込みを受け付けている。装置は市役所窓口まで取りに来て、自分で取り付けることが必要。今回の貸し出し期間は来年6月末まで。同課は2021年2月末まで、交代でさまざまな高齢者に使ってほしいとしている。装置の販売価格は1万2800円(税別)。詳しくは電話029・826・1111(同市生活安全課)

写真に魅せられた10年の回想録展 9日まで 県つくば美術館

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大好きな富士山の写真を背景にした塚本留蔵さん=つくば市吾妻の県つくば美術館

【鈴木萬里子】土浦市の塚本留蔵さん(68)がジャンルにこだわらず、気が向くままに撮った写真展「塚本留蔵10年間の回想録展」が9日(日)まで、つくば市吾妻の県つくば美術館で開かれている。

塚本さんが写真を撮り始めたは子どもが誕生した35歳の時。最初は子どもの成長を記録するためだったが、次第に写真に魅せられたという。2008年、土浦市が主催した写真教室に参加したのがきっかけとなり、この10年間は写真一筋の生活を送った。入会するのが難しいとされる公益社団法人日本写真協会会員を始め、東京と茨城の4団体に所属し活動の幅を広げている。

撮り続けながら数々のコンテストに応募し、10年で80もの受賞歴がある。国際写真コンテスト「ニコンフォトコンテスト」の一部門で、初心者のために年4回開かれる「ニコンチャレンジフォトコンテスト」に08年に応募、年間賞第1位を受賞した。塚本さんは「この受賞が写真を続けられた原動力になった」と振り返った。

今回の写真展は塚本さんが10年間に撮りためた中から、風景、富士山、スナップ、花、ハッセルブラッドで撮影した作品に分類した計66点が展示されている。特別展示として塚本さんも所属する、ハッセルブラッドフォトクラブ会長、三宅みね子さんの作品3点も展示されている。会場中央にはA4サイズのファイル5冊に入った写真が並べられている。気に入った写真は持ち帰り自由とあって、来場者の輪が出来ていた。

作品の半分はフィルムカメラで撮られていて、精密なデジタルカメラとは違った、味わい深い雰囲気が漂っている。塚本さんの同級生で千葉県から娘さん二人と来場した女性は「写真と分かっているのに絵に見えるのもある。一瞬の表情を切り取ったものもあり、とてもきれい」と話していた。土浦の清藤雅宏さん(70)は「いろいろなアングルの迫力ある写真が多い。外国の情緒を見事に表現している作品も目を引く」と話していた。

塚本さんは「感動を伝える写真づくりを目指してきた。今展は10年間の集大成として自分の力作を出品している。観る人に感動を与えたいし、楽しんで観てもらえるのが幸せ」と話した。速度をゆるめずに撮ってきたが、これからはゆっくりと楽しんで撮っていきたいそうだ。

▼9日(日)まで。午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)、入場無料。

【ハッセルブラッド】スウェーデンのカメラメーカー。世界で初めて携帯に便利な中判一眼レフカメラを発表した。

持ち帰り自由の写真の周りには輪が出来ていた=同

クレオ 年内にも売却意向 つくば市関与の是非 判断迫られる

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4日の市議会全員協議会でクレオの検討状況について報告する五十嵐立青市長=つくば市議会議場

【鈴木宏子】西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退後、空き店舗となり閉鎖されているつくば駅前商業施設クレオについて、つくば市は4日開かれた市議会全員協議会で、所有者の筑波都市整備(同市竹園)が年内にも売却を行いたい意向であることを明らかにした。市が一定の財政負担をしてクレオ再生に関与すべきか否か、関与するとしたらどの程度か、市は早急な判断を迫られている。

市によると同都市整備には現在、民間事業者からクレオを取得したいという提案がいくつかあるという。ただし、撤退前までのように全体を商業施設として活用したいという提案は無い。一つの提案として、一部に公共施設を導入し、旧イオンつくば駅前店側にマンションを新たに建築、ほかは商業利用する提案があるという。

クレオの再生について市は今年6月、5、6階に図書館などの公共施設を約22億1400万円かけて入居させる案を調査したことを市議会に明らかにした。市はさらに調査費を計上し、現在、市がクレオの一部を賃貸または購入して公共施設を入居させる場合と、市または市出資法人がクレオを購入し一部に公共施設を導入するケースについて、費用などを詳細に検討する調査を実施している。

当初市は、今年12月までに調査結果をまとめるとしていたが、早急に判断を迫られていることから、五十嵐立青市長は4日、9月末に市の関与手法や負担額などの方向性を出していきたいと表明した。

8割が市関与求め、8割が商業施設望む

市は4日の全協で併せて、7月29日から8月15日まで市ホームページで実施したクレオの今後の在り方に関するアンケート調査結果を報告した。市の関与について「負担額にもよるが一定の財政負担をしても市が関与すべき」と回答した人は81.7%、クレオの在り方として商業施設を望む声が80.8%(複数回答)を占めた。

回答者は1247人。6月1日現在の市の有権者数18万525人と単純比較すると0.69%しかなかった。

回答者の住まいは87.7%をつくば市民が占め、全体の54.3%がクレオ近隣の学園地区住民だった。年齢は40代が32.9%、30代が30.5%と30、40代が6割を占めた。性別は男女ほぼ半々。回答者のつくば駅周辺の利用頻度は、年に数回来訪する人が最も多く34.7%、次いで月に数回が28.5%、週に数回は22.2%だった。

クレオの在り方については、商業施設に次いで公共施設、業務施設の順になった。

閉鎖されているつくば駅前商業施設クレオ

面白い作品掘り起こす 演劇家 久保庭尚子さん朗読劇 8・9日に土浦

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朗読する久保庭さん。土浦市中央の城藤茶店(しろふじのちゃみせ)

【池田充雄】かすみがうら市出身の演劇家、久保庭尚子さんが9月8日と9日、土浦市中央の城藤茶店で大人のための朗読会を開く。今回の演目は林芙美子の「晩菊」。成瀬巳喜男監督・杉村春子主演で映画化されたこともある作品だ。かつて美貌で鳴らした元芸者の下へ昔の恋人が訪ねてくる。「別れたあの時よりも若やいでいなければならない。けっして自分の老いを感じさせては敗北だ」と、主人公は急いで身支度を整え始める--。

「晩菊」について久保庭さんは「主人公は56歳で、今も男のいない人生なんて考えられないと涙ぐましい努力をしている。えっと思ってしまうところもあるが本当に正直で面白い。私自身は考え方はこの人とは違うけれど、感覚的に『そうそう、わかるわかる』と思う部分がたくさんある。ストーリーはもちろんその裏にある思いや心情も楽しんでもらえたら」と話す。

「今はちょっと忘れられていても、改めて読むと面白い作品はたくさんある。それを掘り起こすことも楽しみの一つ。これをきっかけに原作を読んでみようとか、もう一度読み返してみようといった感想が聞かれるのも嬉しい」

久保庭さんは土浦二高・茨城大卒。水戸芸術館ACMや鈴木忠志氏の劇団SCOTなどを中心に30年近く俳優や演出、舞台制作などを行ってきた。現在は地元かすみがうらに生活の拠点を移し、各地で幅広い演劇活動を展開している。

今回、朗読というスタイルを採った理由は「芝居だと作るにも大掛かりになり、見に来てくれる方々にもハードルが高くなる。軽いフットワークで楽しめるものを地元で作りたかった。表現方法としても役者としての私はあまり前に出さず、作品自体の良さが残るような形がいいと思った」という。

この朗読会はシリーズで、前回は吉屋信子の「鬼火/宴会」を読んだ。次回は11月23・24日に多和田葉子の「ヒナギクのお茶の場合」を予定している。

会場の城藤茶店は1936年に建てられた古民家をリノベーションしたカフェ。物語は戦後間もなくの時代設定で、この店が残す昭和初期の風情ともぴったりだ。8日は午後5時30分開場・6時開演、9日は午後3時半開場・4時開演、飲み物付き1500円。要予約(電話090-2776-1775、Eメールku_san705@yahoo.co.jp)。

▼城藤茶店:土浦市中央2-15-8午前8時~午後6時、水曜定休(電話029-895-0283)

城藤店内で店主の工藤祐治さん㊧、演出の長須美浦子さん㊨と久保庭さん。

中嶌日本画学院生徒の「游美会展」 4~9日 県つくば美術館

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生徒たち31人による色鮮やかな扇面

【田中めぐみ】日本画家の中嶌虎威さんが主宰する中嶌日本画学院の「游美会日本画展」が、4日から9日まで、つくば市吾妻の県つくば美術館で開かれる。

同展は今年で25回目。中嶌さんに師事する游美会のメンバー31人と中嶌さんが描いた額装の日本画の他、うちわや小色紙、扇面などの小作品、合わせて140点が出展される。出品者は30代から80代、扱った題材は様々で、色鮮やかな日本画の多彩な表現を味わうことができるという。

中嶌さんは「生徒には日本画の手法を大切にしながらも、自由に楽しんで描いてもらっている。良い絵を描くためには技術だけではなくきれいに楽しんで生きていこうという生き方も大切と教えている」と話す。

日本画の根本追求したい 中嶌虎威さん

「游美会」を主催する日本画家の中嶌虎威さん

中嶌さんは1967年に東京藝術大学日本画科を卒業、68年院展(日本美術院)で初入選し、以後14回入選。2000年に日本美術院を退いて無所属となり、以来個人での活動を始めた。つくば市では30年間、絵の指導をしている。近年では15年にアジア環太平洋美術大賞展「月明富士」で最優秀賞、17年に第53回アジア現代美術展「浄」で文部科学大臣賞などを受賞、国内外で高い評価を受ける。10月に県つくば美術館で開かれる「第7回つくば美術展~うずまく」には作品「武蔵野図」の出展を予定している。

「昨今では日本画と洋画の表現に垣根が無くなってしまい、表現の方法に行き詰まりがある」と話す中嶌さん。洋風化する時代の流れの中で、中嶌さんは日本画表現での美を追求するという信念を変わらず持ち続けているという。

「日本画には岩絵具の美しさがある。正しい方法でやれば色に濁りが無くなる。構図の取り方と絵の具の活かし方に特徴がある日本画の根本を追求したい」と話す。

▼「第25回游美会日本画展」9月4日(火)~9日(日)、午前9時~午後5時(最終日は午後3時まで)、入場無料。
▼「第7回つくば美術展~うずまく~」10月16日(火)~28日(日)、午前9時半~午後5時、(最終日は午後3時まで)、入場無料。

中嶌虎威さん作「初秋の花」

全盲学生とNPOが企画 15日つくばで落語会 高齢者と障害者に笑いを

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落語会を企画した筑波技術大1年の加藤健太郎さん㊧と、NPO法人「友の会たすけあい」理事長・佐藤文信さん
昨年の「こども落語全国大会」で落語を披露した加藤健太郎さん

【橋立多美】つくば市のNPO法人友の会たすけあい理事長・佐藤文信さん(68)と、全盲で筑波技術大(同市天久保)1年の加藤健太郎さん(18)が企画した「落語会inつくば」が15日、同市ふれあいプラザで開かれる。若きアマチュア落語家たちが出演し、外出機会の少ない高齢者や障害者が家族と一緒に笑って楽しめるイベントを目指している。

加藤さんは新潟県燕市出身。生まれつき目が見えない。6歳の時にテレビの古典落語「お菊の皿」を聞いた。言葉だけで情景が浮かんだ落語に興味が湧き、独学で学んだ後、11歳から地元で活躍する師匠の下で技術を磨いた。

「たら福亭美豚」の芸名で高齢者施設や公民館などで落語を披露し、高校生以下が出場するこども落語全国大会で優秀賞や審査員特別賞を受賞した。情報を音声で読み上げる専用ソフトを使って演目を習得する。持ちネタは181に上る。

「笑ってもらう楽しさを体が覚えたからやめられない」と加藤さん。新潟では同世代の仲間と「見える見えないは関係ない」付き合いを築いて落語研究会を発足させ、明るく過ごしたという。

今春から加藤さんは、筑波技術大に入学してはり・きゅうを学ぶ。一人暮らしを始めて、外出時は付き添ってくれるガイドヘルプを市社協に依頼。ガイドヘルパーとして派遣されたのが、外出するのに困っている高齢者や障害者をボランティアのマイカーで送迎する「友の会たすけあい」理事長の佐藤さんだった。

明るく前向きな加藤さんと、ハンディを持つ人への理解の深い佐藤さんが親しくなるのに時間はかからなかった。そして敬老の日にちなんで元気に笑うイベントを模索していた佐藤さんと、つくばでも落語の仲間づくりを望んでいた加藤さんは意気投合。企画を練り上げ、実現に向けて準備を進めてきた。

出演は筑波大学と茨城大学の落語研究会、加藤さんが属していた新潟の落語研究会のメンバーらで6席を予定。新天地での初出演となる加藤さんこと「たら福亭美豚」はトリを務める。

高齢者や障害者とその家族を優先に受け付けるが、一般市民も入場できる。加藤さんは「単純にお笑い感覚で落語を楽しんでほしい」と若い世代に入場を呼びかける。

▼15日(土)午後1時30分開演(午後1時開場)。つくば市下岩崎の市ふれあいプラザ。入場無料。定員300人で事前申込制。予約は「友の会たすけあい」事務局(電話029-840-1125、または080-3451-5470)。NPO法人友の会たすけあいhttps://npo-tomonokai.jimdo.com/

【2018つくば夏決算】野菜出荷3割減 熱中症対策の意識高まる プール2万人増 

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稲刈りが始まったつくば市内。猛暑の影響が心配されている=30日、つくば市古来

8月もきょうで終わり。太平洋高気圧の張り出しが強く、命にかかわる危険な暑さが続いた今夏。つくばは6月下旬から気温30度以上の真夏日となり、35度以上の猛暑日は5日あった。中でもまつりつくばが開かれた8月26日は猛烈な暑さに見舞われ、今年の最高気温37.4度を記録した。熱中症対策や、全国的な猛暑の影響で野菜の高値に耐えた今夏を振り返った。

救急搬送は過去最多

【救急搬送】つくば市消防本部によれば、真夏日になった6月25日~8月29日までの救急搬送数は1757人で過去最多となった。このうち熱中症で搬送された人は128人で、軽症または生命の危険はないが入院を要する中等症だった。消防職員は「熱中症予防が行きわたり、死亡が確認された例がなくて幸いだった」と話した。

野菜高値9月も

【野菜】土浦公設卸売市場内の土浦中央青果株式会社の担当者は「猛暑で生育が悪く、例年に比べて3割ほど出荷量が落ち込んで高値になった」と話す。特に出荷量が少なかったのがトマトとキュウリだった。徐々に出荷量は回復してきたが、9月も中旬までは2割以上の高値が続くと見込む。

【新米】猛暑の年はコメが豊作になることが多いが、穂が出る時期に高温が続いたり夜間の温度が下がらないと品質が低下するという側面もある。JAつくば市営農部の担当者は「これから稲刈りが始まるが、猛暑の影響が出ないか心配だ」と話す。

飲料水、塩飴売り上げ20-30%増

【エアコン】全国に500店舗を展開している家電量販店本部の広報によれば、今夏エアコンの全店売り上げは11%増となった。中でも梅雨明け後の週末や、家族が帰省するお盆の時期は20~50%増と好調に推移した。担当者は「買い替えや各部屋にエアコンを設置する人が増え、売れ行きが加速した」と話す。

【暑さ対策】熱中症予防の意識が高まり、ドラッグストアの売り上げ上位をスポーツドリンクを含む飲料全般と熱中症対策用の飴とタブレット、OS-1などの経口補水液、そして日焼け止めが占めた。「これら季節商品の売上は20~30%増になった」と本部担当者は手応えを語った。

プール来場者2万人増

【プール】暑さをしのぎ、涼を提供するレジャー施設がにぎわった。水郷プール(土浦市大岩田)を管理運営する土浦市産業文化事業団によると、来場者は昨年より約2万人多い6万4512人(29日現在)を数えた。夏休み期間中の9月2日まで営業する。

【自然】昆虫にも異変が起きた。牛久市など霞ケ浦・北浦流域で荒廃した谷津田の再生に取り組んでいる認定NPO法人アサザ基金によると、谷津田では例年夏にたくさんのトンボが飛び交うが、今夏はトンボがひじょうに少なかった。同会の飯島博代表は「昆虫は変温動物なので高温になり活動しにくくなったのではないか」はいう。羽化に失敗したセミも多く見られたという。

最後のアサザ群落が消滅 霞ケ浦 日本最大の生育地

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かつて湖岸に広がっていた行方市富田湖岸のアサザの群落(アサザ基金提供)

【鈴木宏子】霞ケ浦(西浦)のアサザ群落が今年、消滅してしまったことが分かった。1990年代に10カ所あった群落のうち、最後に残った行方市富田湖岸の群落が消えたことが、認定NPO法人アサザ基金(牛久市、飯島博代表)が8月に実施した調査で確認された。

アサザは水面に黄色い花を咲かせる水草で、準絶滅危惧種。霞ケ浦は北浦と併せて日本最大の生育地だった。例年なら6月ごろ開花し、8月から9月までのほぼ2カ月間満開となって群落一面にかれんな黄色い花を咲かせる。北浦は現在1カ所だけ群落が残っている。

1996年には霞ケ浦で10カ所の群落が確認されていた。2000年には4カ所に減少、その後一時的に回復したが再び減少し、昨年は行方市湖岸の群落が唯一残った。

特に最後の生育地、行方市湖岸の群落は、めしべとおしべの長さが異なる花のタイプがあって、全国で唯一、種子をつくることができる2タイプの遺伝子がある貴重な群落だったという。

「原因は水位操作」

消滅の原因について、アサザ基金の飯島代表は、水資源を確保するため国交省霞ケ浦河川事務所が実施している水位を上昇させる操作だと指摘する。水位操作は1996年から実施され、その後アサザ群落は徐々に減少、2000年には群落が4カ所のみに減った。2000~03年の3年間、国交省は水位操作を中断、その間アサザは回復したが、再び水位を上げ、アサザ群落は再び減り始めたという。

水位が上昇したことで湖岸に寄せる打ち返しの波が強くなり湖岸の植生帯がすでに削られてしまったこと、もともと自然のサイクルは、春先に水位が低くなってアサザが陸上で芽を出し、水位が上昇する夏場に水中で枝を広げるが、自然サイクルと異なる水位操作によりアサザが成長できなくなったためとみられているという。

こうした中、アサザ基金は1995年から、流域の小中学校や市民団体、企業、農林水産業者などに呼び掛け、アサザの苗を学校の池やバケツなどで育て、湖に返すプロジェクトなどを展開、これまで延べ20万人以上が関わってきた。

飯島代表は「水位操作は60年以上前に作られた計画にもとづくもの。その後人口は予想より増えず、産業構造の変化などによる水余りが生じており、水位を上げる必要はない。アサザが絶滅することが分かっていながら水利権が設定されているために水位を上昇させている」と指摘。「国は霞ケ浦の自然環境を保全する意識が希薄で、責任は重大。最大の水利権者である県の責任も問われる」と強調する。

その上で「諦めずに水位操作の見直しを国に求め続けたい。国が水位操作を見直した時には、保存しているアサザの株を再び湖に戻せるようにしたい」と話す。

今年はアサザがまったく見られない行方市冨田の湖岸=8月18日撮影

思い出の宝来館を再現 創業100年、無声映画上映会 9月8日つくば山水亭

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チャップリン㊧と鞍馬天狗に扮(ふん)した嵐寛寿郎。井桁さんが描いた映画看板から作成した
活動弁士、澤登 翠さん

【橋立多美】サンスイグループ(つくば市小野崎)が創業100年の記念事業として、常総水害復興支援チャリティーイベント「無声映画上映会」を9月8日、つくば山水亭(同)で開催する。

上映作品は、数々の傑作コメディ映画を作り「喜劇王」の異名を持つチャールズ・チャップリン主演の「チャップリンの消防夫」、大河内傅次郎主演の「血煙高田の馬場」、嵐寛寿郎主演の「鞍馬天狗」の3本。活動弁士の第一人者・澤登翠(さわと・みどり)さんによる台本と解説、ギター、三味線、フルートの生演奏が映画に息を吹き込む。

同グループは1919年(大正8年)、現常総市水海道に創業した穀物を扱う「東郷商店」が始まり。娯楽のなかった戦後の46年に映画館を営み始め、水海道の宝来館のほか県内16の映画館を運営した。現在は、3代目社長の東郷治久さんが、つくば市を事業の中心としてホテルやレストラン、教育事業など経営の多角化に取り組んでいる。

この催しを創業100年記念事業と位置づけた東郷さんは「思い出の宝来館を再現したい」と話し、またチャリティーイベントについては「常総市はサンスイグループの出発点だから」と語った。収益を2015年の鬼怒川水害で甚大な浸水被害を受けた常総市に寄付する。

水海道に生まれ、15歳で宝来館で映画看板の修業を始めた、つくば市在住の元映画看板師井桁豊さん(83)は東郷さんと親交が深い。チャリティーイベントに共感して描いた無声映画上映会の看板が、つくば山水亭に華を添えている。

井桁さんは「日本で初めて映画が上映されたのは明治30年頃のことで、無声映画は映画の原点。実際に澤登さんの活弁を聞いたが語り口の見事さに驚いた。黒白写真的な画像と澤登さんの話術が相まった無声映画の世界を楽しんでほしい」と話す。

▼上映は9月8日(土)午後1時~、12時30分受付。入場料は一人1500円。つくば市小野崎251。問い合わせは電話029-855-8181(山水亭)。

※メモ

【活動弁士】無声映画の内容を語りで表現して解説する。老若男女に関わらず、登場人物ごとに声のトーンやせりふ回しを演じわける。略して活弁(かつべん)ともいう。

新川堤に菜の花を つくば国際大高で花プロジェクト始動

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菜の花の種まきに向け雑草や小石を取り除くつくば国際大高の生徒たち=土浦市真鍋1丁目、新川堤

【谷島英里子】土浦市の中心を流れ桜の名所として知られる新川堤に菜の花を咲かせて、より彩りをもたらそうと、つくば国際大学高校(土浦市真鍋1丁目)の取り組み「つく国新川堤と菜の花満開プロジェクト」が25日、本格始動した。

新川は両岸に約200本のソメイヨシノが植えられている。同校の前を流れていて、春になると満開の桜が生徒や市民を迎える。歴史ある桜がより一層映えればと企画された。同校近くの新川橋から城北橋までの左岸約400㍍に菜の花の種をまいて桜の季節に咲かせる予定。

25日午前7時から、生徒や教職員、市民有志ら約60人が除草作業を開始。桜の根を傷つけないように、鎌や熊手を使って雑草の根や小石を取り除いた。空き缶やペットボトルのごみもあり、ごみ袋50枚がいっぱいになった。

作業に汗を流した2年の塚田大貴さん(17)と光田隼人さん(16)は「雑草の根が強く何回も除草しないといけないと思った。桜と菜の花を楽しみに頑張りたい」と口を合わせていた。

今年6~7月、菜の花の種が保護者などからの寄付で約50㌔分集まった。今後も雑草の刈り取りを行い、9~10月にかけて種をまく。県土浦土木事務所や市などの理解や協力を得ていて、同校は来春、桜と菜の花の開花に合わせてイベントを開催するという。

プロジェクト代表の横島義昭副校長は「地域も盛り上がるだろうし生徒にとっても地元愛や奉仕の精神が高まると思う」と話していた。

プロジェクトのメンバーら=同

TX「こども美術館列車」26日から運行 特別貸切列車がつくば駅当着

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つくば駅に到着した「こども美術館列車」の車内=つくば市吾妻

【崎山勝功】つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道は、開業から13周年を迎えるのを記念し、8月26日から9月10日まで「こども美術館列車2018」を運転する。イベント前日の25日、沿線の小学生以下の子どもから公募した2064作品のうち、抽選で選ばれた150作品と描いた子どもと家族を乗せた特別貸切列車が、秋葉原~つくば駅間で運行され、午後0時25分につくば駅に到着した。

列車の中吊り広告部分に児童画を掲載し、子どもたちを乗せた特別貸切列車は午前11時22分に秋葉原駅を出発。車内では子どもたちが、同乗した大道芸人の繰り出す手品や風船を使った芸などを見て楽しんだりした。

作品は「TXと夏の思い出」または「同社のマスコットキャラクター・スピーフィを用いた「スピーフィと夏休み」をテーマに募集された。子どもらしいタッチで列車を描いた作品が多く、楽しかった夏の思い出が表現されていた。東京都から参加した小学6年生の男子児童(11)は「みんなよく描けていた。車内では手品を見せてくれたりして楽しかったし面白かった」と話した。

列車内に展示できなかった作品は、9月10日まで同線新御徒町駅(東京都)と同線八潮駅(埼玉県)の駅構内に設ける「こども美術館2018」に展示される。

「こども美術館列車」の中吊りに展示された作品=つくば市吾妻のTXつくば駅