読者発「マイ桜」3回目は、つくば、土浦の3カ所を紹介する。
◆小野崎の一本桜(つくば市) 小野崎の田畑の中に1本堂々と咲く美しい桜。桜の霊が宿っているかのような思いがします。そして、懐かしさも。♯冠木新市
農村地帯だった旧谷田部町小野崎の田畑にぽつんと立つ一本桜。たくさんの花弁を両手のひらに乗せた様相で、春爛漫(らんまん)を独り占めしているようだ。
これは農家に早苗をつくる準備の到来を告げる「種まき桜」だったに違いない。かつては桜の開花が農作業を進める目印で、花が咲けば田植えの始まりで紅葉すれば収穫の時期となった。
投稿者によれば、独立して立っているため満開の時には遠くからでもハッとする美しさがあるそうだ。
▽つくば市小野崎(八坂神社近く)
◆桜川堤(土浦市) 土浦市内桜川の河川敷。土手の下にシートを拡げ食事する家族の幸福感。♯大岩田の豆柴散歩人
土手沿い約4キロにわたり500本のソメイヨシノが咲き競う桜川堤は、開放的なお花見の好適地。4月7日まで「土浦桜まつり」が開催され、ちょうちんの装飾やライトアップ(午後6時から匂橋~銭亀橋間)が行われて幻想的な夜桜も楽しめる。
まつり期間中、桜川お花見船が運航する(ラスクマリーナ 電話029-822-2437)。また土・日曜は河川敷の駐車場が無料開放される(午前10時~午後4時)。
▽問い合わせは土浦市観光協会(電話029-824-2810)
◆洞峰公園(つくば市) 西大通りからの桜も、車越しからもなかなかのものである。つくばの住人となった頃はまだ苗木のようであった。♯冬木周一
1980年に開園した、洞峰沼を中心とした約20ヘクタールの県営の都市公園。サクラ、マツ、ケヤキ、イチョウなど四季折々の樹木に囲まれる。園内を散策しながらソメイヨシノや沼に生息する水鳥を観賞できる。沼を周回する1050メートルの遊歩道にウレタン舗装のウオーキング・ジョギングコースが整備され、市民ランナーたちがランニングに取り組む姿が見られる。
沼のほとりに建つレトロな筑波新都市記念館内にはカフェがあり、沼を一望しながらお茶を楽しむことができる。
▽つくば市二の宮2-20
◆ウシオライティングの夜桜(つくば市) 昨年見物した。七変化さながらに色が変わり、桜の表情が違って見えた。自然と科学が融合した、つくばらしい夜桜だ。駐車場には県外ナンバーの車もあったが、入れ替わるので大きな混雑はなかった。♯猫のしもべ
舞台やコンサート会場などで照明演出をしているウシオライティング(本社・東京)が、プロの技術を駆使してつくば事業所内の桜8本にライトアップをしている。同事業所開設時に植樹された若いソメイヨシノで枝ぶりもよく花の数も多い。
開花の時期限定で2014年から一般に無料開放している。敷地内の駐車場も開放される。今春は寒の戻りで桜はつぼみが多く、ライトアップの日時が定まっていない。同社のホームページで確認を。
▽つくば市東光台5-2-4
【構成・橋立多美】
➡「マイ桜」(2)思い出の桜や花見客でにぎわう名所
➡「マイ桜」(1)開花間近な県南地域の桜たち