月曜日, 11月 24, 2025
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市長公室長、再任用で続投 つくば市人事

【鈴木宏子】つくば市は4月1日付け人事異動を内示した。31日付けで退職する部長級4人のうち、松本玲子市長公室長は再任用で同公室長を続投する。新任の都市計画部長に中根祐一農業委員会事務部局長、生活環境部長に風見昌幸選挙管理委員会事務部局長、議会事務局長に川崎誠同次長がそれぞれ就任する。

異動総数は258人(全職員の19.7%)で、継続性を重視し必要最低限の人事配置とするという。3月末の定年退職者は78人、2019年度の新規採用職員は85人で、職員数は前年度よりさらに33人増え1843人になる。

女性管理職の割合は前年度より0.8ポイントあがって22%になる。再任用職員数は前年度比23人増の128人。再任用は原則、退職時の2級下の職での任用になるという。医療・介護データを分析し必要な施策を実施するための任期付職員1人を保健福祉部に配置する。

組織改編は、業務改善や職員の働き方改革を積極的に推進するため総務部ワークライフバランス推進室を課に格上げする。持続可能なまちづくりを推進するため政策イノベーション部企画経営課に持続可能都市戦略室を新設する。

ごみ清掃工場のクリーンセンター、リサイクルセンターと、し尿処理施設などを包含し管理するサステナスクエア管理課を生活環境部に設置する。廃棄物対策課を環境衛生課に変更する。メモリアルホールの担当部署を市民部から生活環境部に移管する。

公共施設の整備を一元的に行うため建設部営繕課を公共施設整備課に変更する。4月以降、指定管理者から市直営に移行する茎崎こもれび六斗の森の運営は経済部観光推進課に出先機関を置く。

◇人事異動(4月1日付)、カッコ内は現職、敬称略

【部長級】
▽市長公室長・再任用(同)松本玲子
▽都市計画部長(農業委員会事務部局長)中根祐一
▽生活環境部長(総務部主任参事兼選挙管理委員会事務部局長)風見昌幸
▽議会事務局長(同次長)川崎誠

【次長級】
▽市長公室次長兼広報監兼秘書課長(同次長兼広報監)杉山晃
▽市民部次長・市民活動課、市民窓口課担当(同次長)山田憲男
▽市民部次長兼地区相談課長・地区相談課、スポーツ振興課、国体推進課、文化芸術課担当(文化芸術課長)星野雄司
▽市民部地区担当監(教育局大穂学校給食センター所長)松崎若美
▽市民部地区担当監兼大穂相談センター所長(建設部防犯交通安全課長)白井稔
▽市民部地区担当監兼桜相談センター所長(同担当監・桜地区担当)松浦裕之
▽市民部地区担当監兼筑波相談センター所長(同担当監・谷田部区担当)木村徳一
▽市民部地区担当監兼茎崎相談センター所長(経済部土地改良課長)秋葉義美
▽保健福祉部次長・社会福祉課、障害福祉課担当(同次長・社会福祉課、障害福祉課、高齢福祉課担当)津野義章
▽保健福祉部次長・高齢福祉課、介護保険課、医療年金課、地域包括支援課担当(同次長・国民健康保険課、医療年金課、介護保険課、地域包括支援課、健康増進課担当)小室伸一
▽保健福祉部次長兼健康増進課長・国民健康保険課、健康増進課担当(健康増進課長)吉原衛
▽保健福祉部社会福祉推進監・社会福祉法人つくば市社会福祉協議会派遣(同主任参事・同派遣)稲葉光正
▽こども部次長兼幼児保育課長(同次長)松本茂
▽こども部こども政策監・再任用(同)飯泉省三
▽経済部次長・産業振興課、観光推進課担当(同次長・農業政策課、産業振興課担当)永田悦男
▽経済部次長・農業政策課、土地改良課担当(観光推進課長)大橋一彦
▽都市計画部次長・公有地利活用推進課、建築指導課、開発指導課担当(同次長兼公有地利活用推進課長)稲葉清隆
▽都市計画部次長・総合交通政策課担当(同次長兼同課長)中澤正登
▽建設部建設政策監・再任用(同)栗原正治
▽生活環境部次長・環境政策課、環境保全課、環境衛生課、サステナスクエア管理課担当(同次長・環境政策課、環境保全課、廃棄物対策課担当)谷内俊昭
▽中央図書館長(同副館長)柴原徹
▽議会事務局次長(生活環境部水道業務課長)中泉治
▽選挙管理委員会事務局長(監査委員事務部局長)石田慎二
▽監査委員事務局長(同副局長)北島浩成
▽農業委員会事務局長(市民部地区相談課長)野澤政章
▽消防本部消防次長・消防監、消防署担当(同予防広報課長・消防司令長)五月女謙次
▽消防本部主任参事兼南消防署長・消防監(消防総務課長・消防司令長)東郷道明
▽消防本部主任参事兼北消防署長・消防監(中央消防署参事兼桜分署長・消防司令長)沼尻博

【課長級】
▽市長公室広報戦略課長兼副広報監(政策イノベーション部企画経営課長補佐)勝村英樹
▽総務部ワークライフバランス推進課長(財務部納税課長兼徴税管理監)飯島正志
▽財務部管財課長(管財課公共施設マネジメント推進室長)新関清美
▽財務部納税課長兼徴税管理監(総務部総務課長補佐)奥沢篤
▽市民部副地区担当監・筑波地区担当・再任用(都市計画部長)長島芳行
▽市民部副地区担当監兼谷田部相談センター所長・再任用(議会事務局長)新井隆男
▽市民部副地区担当監・谷田部地区担当(市民窓口課長)日下由美子
▽市民部副地区担当監・桜地区担当(生活環境部下水道整備課長)小神野真
▽市民部市民活動課長(同課地域改善対策室長)大木茂樹
▽市民部市民窓口課長(市長公室広報戦略課長兼副広報監)中川伸一
▽市民部スポーツ振興課長(総務部人事課ワークライフバランス推進室長)伊藤智治
▽市民部文化芸術課長(総務部総務課長補佐)荒澤浩俊
▽保健福祉部参事、医療・介護連携推進担当(任期付短時間)黒田直明
▽経済部産業振興課長(市長公室秘書課長)久保田靖彦
▽経済部土地改良課長(産業振興課長)小川英男
▽経済部観光推進課長(教育委員会事務部局)一瀬剛
▽都市計画部公有地利活用推進課長(都市計画課沿線開発整備室長)岡田克己
▽都市計画部市街地振興課都市政策調整監・一般財団法人つくば都市交通センター派遣研修・再任用(生活環境部長)長卓良
▽都市計画部総合交通政策課長(議会事務部局)伊藤和浩
▽建設部道路整備課長(同課長補佐)塚田孝
▽建設部公共施設整備課長(財務部管財課長)坂田博之
▽建設部住宅政策課長(都市計画部市街地振興課長補佐)田中聖史
▽建設部防犯交通安全課長(消防本部地域消防課長)杉山一彦
▽生活環境部環境衛生課長(廃棄物対策課長補佐)植木亨
▽生活環境部サステナスクエア管理課長(廃棄物対策課長)星野和也
▽生活環境部水道業務課長(同課長補佐)坂入善晴
▽生活環境部下水道整備課長(建設部道路整備課長)野原浩司
▽教育局教育施設課長(建設部営繕課長)飯泉法男
▽教育局健康教育課長(市民部スポーツ振興課長)池畑浩
▽教育局大穂学校給食センター所長(健康教育課長兼茎崎学校給食センター所長)山口康弘
▽教育局茎崎学校給食センター所長(生活環境部クリーンセンター所長)石塚英樹
▽教育局文化財課長(生涯学習推進課長補佐兼係長)美野本玲子
▽教育局中央図書館副館長(こども部幼児保育課長)松浦智恵子
▽議会事務局議会総務課長(同課長補佐)渡辺寛明
▽消防本部消防指令課長(同課長補佐)竹内信之
▽消防本部警防課長(同課長補佐兼救急係長)古山正則
▽消防本部消防総務課長(警防課長補佐兼係長)山田勝
▽消防本部地域消防課長(教育局教育施設課長)秋葉芳行
▽消防本部予防広報課長(消防指令課長補佐兼指令第三係長)大山徳男
▽中央消防署参事兼副署長(同参事兼筑波分署長)堀江道夫
▽中央消防署参事兼桜分署長(同参事兼茎崎分署長)野口勝

◇退職(31日付け)

【部長級】
▽市長公室長・松本玲子
▽都市計画部長・長島芳行
▽生活環境部長・長卓良
▽議会事務局長・新井隆男

【次長級】
▽市民部地区担当監兼筑波相談センター所長・澤邉義光
▽市民部地区担当監兼大穂相談センター所長・中野実
▽市民部地区担当監兼桜相談センター所長・國府田修
▽市民部地区担当監兼谷田部相談センター所長・小神野洋一
▽市民部地区担当監兼茎崎相談センター所長・宮本任
▽市民部主任参事兼市民活動課長・東郷公咲
▽経済部次長・柴原利継
▽教育局主任参事兼文化財課長兼桜歴史民俗資料館長・山本賢一郎
▽教育局中央図書館長・椙山久美子
▽消防本部消防次長・宇津野公夫
▽消防本部主任参事兼消防指令課長・吉場道雄
▽消防本部主任参事兼南消防署長・北澤光二
▽消防本部主任参事兼北消防署長・神立孝一

【課長級】
▽市民部市民窓口課参事兼谷田部窓口センター所長・池辺洋一
▽市民部市民窓口課参事兼桜窓口センター所長・中野賢一
▽市民部市民窓口課参事兼茎崎窓口センター所長・森田隆男
▽市民部つくばメモリアルホール斎場長・大野泰宏
▽経済部観光推進課参事兼筑波ふれあいの里所長・菊地秀之
▽建設部住宅政策課長・猪野泰弘
▽教育局中央図書館副館長・小野村薫
▽消防本部警防課長・土田仁一
▽中央消防署参事兼副署長・染谷隆
▽中央消防署参事兼豊里分署長・野口守

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つくば市で21日、公道を使った自動運転バスの走行テストを行う実証実験が始まった。ルートは、つくば駅から筑波大学構内を循環する約10キロの既存のバス路線で、所要時間は約40分。一般の乗客を乗せて1日4便の運行を来年1月23日まで続ける予定だ。同市は2027年度に、運転手不在の状態で、特定の条件下で完全な自動運転が可能となる「レベル4」の実現を目指している。 この実験は、昨年と今年1月に続いて3回目となる。今回はこれまでと同様、状況に応じて運転手が操作を行う「レベル2」での実施となる。 今回は、国の補助金を活用して関東鉄道が自動運転バス車両を新たに購入し、同社のバス路線「筑波大学循環」内のすべてのバス停に停車するなど、新たな取り組みも加わった。また、今年8月にはつくば市を代表として、筑波大学、関東鉄道、KDDIが「つくば自動運転社会実装推進事業コンソーシアム」を設立。民間5社の協力も得て実施されている。 今回使用されている車両は、名古屋市のベンチャー企業ティアフォーによる自動運転EVバス「ミニバス 2.0」。最高時速は70キロ、定員は28人だが、自動運転時は時速35キロ、定員16人で走行する。走行時には8台のカメラと13台のレーザーセンサーが周囲の状況を分析し、事前に設定した走行ルートに従って自動安全システムが交差点やカーブでの停止・発進、加減速などを行う。緊急時には乗車する運転士が手動運転で対応する。この日は通信トラブルが発生し、バス停での停車・発車時などで手動操作に切り替え運行した。 つくば市科学技術戦略課の中島央樹さんは、今回の実証実験について「国は、全国で自動運転サービスの実装を2025年度に50カ所、27年度に100カ所以上とする目標を掲げている。つくば市もこれに合わせ、27年10月に完全に運転手がいないレベル4の実装を目指している」とし、「昨年は6カ所のバス停のみ停車したが、今回は、路線バスと同じ動きをすることを目指し、29カ所すべてに停まるようにした。以前はつくばセンターのロータリー外側から発車していたものを、内側からの出発に変更した」と説明し、「つくば市に限らず、中心部と周辺地域の移動格差が課題となっている。つくばは車が主な移動手段で、交通渋滞や事故が問題になっているほか、交通事業者では運転手不足による減便などの課題もある。自動運転バスの運行を通じて公共交通を地域に根付かせ、こうした課題の解決につなげていきたい」と目標を語った。 同市は今年度当初予算で、国の国庫支出金を財源に、自動運転バスの購入費、自動運転地図作製費、レベル4通信費など約1億3400万円と、自動運転バス年間維持費約1370万円の計1億4770万円を計上した。今年度は実証実験とレベル4許認可申請、26年度は実証実験、27年は定常運行を目指している。(柴田大輔) https://youtu.be/FfSoeYhtxLI ◆乗車料金は無料。QRコードで希望の時間を事前予約する。事前予約がない場合は先着順となり、定員に達した場合は乗車できないことがある。詳しくはつくば市ホームページへ。

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