【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設キュート(Q’t)とモグ(MOG)が20日、不動産会社の日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)に売却された。両施設を所有していた筑波都市整備(つくば市竹園、石原孝社長)と、新たに取得した日本エスコンが同日、それぞれのホームページで発表した。
日本エスコンは全国でマンションや商業施設、ホテルなどの開発を手掛けるデベロッパー。キュートもモグも引き続き商業施設として運営し、名称も当面変更はないという。
西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退した後、空き店舗となり閉鎖されているクレオについても、キュートやモグと一体で日本エスコンに売却する方向で調整を進めているとみられる。クレオについてつくば市は12月議会一般質問に答弁し、旧西武棟は既存建物を利用して商業施設とし、イオン棟は解体してマンションにすると聞いているなどと説明している。
筑波都市整備は、日本エスコンに譲渡した理由について「同社は、つくば市が掲げるまちづくり方針に共鳴し、施設運営のみならず、エリアマネジメントの発想に基づく面的な活性化に高い意欲をもっており、中心市街地の活性化に寄与できる」としている。
一方、両施設を取得した日本エスコンは「これまでの多面的な不動産開発のノウハウを生かし、つくば駅前開発を推進していく」とし「つくば駅前という交通拠点の強みと、ペデストリアンデッキでつながる駅周辺街区の回遊性の良さを生かし、地域に根差した開発を行うと同時に、エリアマネジメントを充実させることで駅前地区の活性化とさらなる発展に貢献していく」などとしている。
キュートは2005年3月に開業、敷地面積約9900平方㍍、地下1階地上4階建て。モグは1993年10月開業、敷地面積約1100平方㍍、地下1階地上4階建て。両施設には物販店、飲食店など約110店が入居している。
筑波都市整備は「売却後も、つくばセンタービルの運営など中心市街地の活性化に向け努力して参りたい」としている。