木曜日, 5月 15, 2025
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カーボンナノチューブ研究者に江崎賞 つくばで発見の材料に理論的基礎

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江崎玲於奈賞受賞の斎藤理一郎東北大学大学院教授(茨城県科学技術振興財団提供)

茨城県科学技術振興財団(つくば市竹園、江崎玲於奈理事長)は10日、第18回江崎玲於奈賞に東北大学大学院、齋藤理一郎教授(63)を選んだ。カーボンナノチューブ(CNT)が発見された直後の早い時期から研究に取り組み、理論的基礎を築いた。東北大学から2年連続の受賞となったが、選考委員の一人で2000年ノーベル賞受賞者の野依良治さんは「CNTは、つくばで発見されており、今後もつくばが材料研究の中心を担うという意味で、最も正統的な江崎賞になった」と評価した。

江崎賞はナノサイエンスやナノテクノロジーに関する研究に携わり、顕著な研究業績を挙げた研究者を顕彰する。ナノ分野の学会や研究機関、大学などから推薦された研究者の業績を江崎玲於奈さんを委員長に、歴代のノーベル賞受賞者らで構成する委員会で選考する。関彰商事(関正樹社長)が特別協賛しており、江崎玲於奈賞には副賞1000万円が贈られる。

今回は推薦15件のなかから、「カーボンナノチューブの電子状態と共鳴ラマン分光の理論」研究で齋藤教授が選ばれた。CNTは、炭素によって作られるグラフェンシート(平面)を丸めて円筒状にしたような構造の物質で、直径は0.4~50ナノメートル。その名の通りナノメートル単位で、細さや軽さ、柔軟性から、次世代の炭素素材、ナノマテリアルといわれ、様々な用途開発が行われている。

ナノチューブは1991年に、当時NEC筑波研究所研究員だった飯島澄男さん(74)により発見された。CNTはハチの巣状に炭素が結合するグラフェンをどのように巻くかによって、金属にも半導体にも物性が変わる。齋藤教授は1992年に、この巻き方と電子状態の関係を理論的に明らかにした。この論文は明快で分かりやすく、その後のナノチューブ研究の原動力となったという。

さらにCNTにレーザー光を当てることで、材料の物理特性を見分ける「共鳴ラマン分光」の手法研究でも成果をあげた。これら理論的研究は、ナノチューブの研究を開始するにあたって必ず最初に学ぶべき基本的事項となっており、その後の研究をけん引していることに各委員の評価が集まった。

つくば賞には櫻井武筑波大学教授

【つくば賞】筑波大学・櫻井武さん(同)

この日は第32回つくば賞、第31回つくば奨励賞の発表も行われた。両賞合わせて22件の推薦があった。

茨城県内で科学技術に関する研究に携わり、顕著な研究成果を収めた研究者を顕彰するつくば賞には、筑波大学医学医療系、櫻井武教授(57)が選ばれた。

授賞の対象となった研究は「冬眠様の低体温・低代謝状態を誘導する神経回路の同定」。ヒトの人工冬眠の可能性を追求する研究で、実現されれば、重症患者の救急搬送や臓器・組織が低栄養に陥る緊急事態などへの臨床応用や臓器保存などにつながるという未来技術だ。

第31回つくば奨励賞には、実用化研究部門で物質・材料研究機構機能性材料研究拠点、樋口昌芳グループリーダー(52)の「メタロ超分子ポリマーを用いたエレクトロクロミック調光デバイスの開発」(20年9月8日付)、若手研究者部門で筑波大学生命環境系、豊福雅典准教授(39)の「細胞外膜小胞を介した微生物間コミュニケーションの研究」を選んだ。(相澤冬樹)

【つくば奨励賞】物材機構・樋口昌芳さん(左)と筑波大学・豊福雅典さん(同)

選挙制度を考える 《つくば法律日記》18

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つくばセンタービル 手前はノバホール 奥はホテル日航つくば

【コラム・堀越智也】選挙に行き、さらに選挙速報を見て結果を確認するという経験をすると、今の選挙制度がなんとなく体で分かります。僕が学校で選挙制度について教わったころは、現行制度のように候補者用と政党用の別々の投票用紙に書くような複雑な選挙制度ではありませんでした。

教科書には、小選挙区制度と大選挙区制度、比例代表制がメインで記載されており、加えて、日本独自の呼び方である中選挙区制度の説明があるという感じだったと思います。

小選挙区制度は1つの選挙区から1人当選する制度のことで、2位以下の票が完全に反映されなくなり、いわゆる死票が多くなることや、多様な民意が反映されにくいというデメリットがあります。その代わり、1つの選挙区が狭いので選挙費用がかさまないで済みます。

大選挙区制度は1つの選挙区から2人以上当選する制度のことで、死票が少なくなることや、2位以下でも当選するので、多様な民意が反映されやすいことがメリットになります。その反面、選挙区が広くなり、選挙費用がかさむなどのデメリットがあります。

比例代表制は得票数に応じて各政党の議席が決まるので、死票が少なくなるのと、政党に関する範囲で民意が反映されやすくなります。

現在の義務教育でどのような教え方をしているかは知りませんが、そんな基本にさかのぼると、現在の小選挙区比例代表制も少しは理解しやすくなると思います。

小選挙区比例代表並立制

現在の衆議院議員選挙の小選挙区比例代表並立制は、小選挙区制度と比例代表制のメリットを併せたものとされています。もちろんデメリットがないわけではありません。しかし、デメリットが全くない完璧な選挙制度はこの世に存在しないと言われています。でも、時代や社会の変化に応じて、もっとも適正な制度にしていくべきだろうと思います。

プロ野球が2リーグになったり、クライマックスシリーズができたり、試行錯誤して移り変わるのと似ていると思います。

こうして選挙制度について考えていて、思ったことがあります。小選挙区で1位にならなかった候補者が比例区で当選することを復活と言われます。まるで棚からぼた餅のように言われますが、小選挙区比例代表並立制で予定されている当選者の枠にルール通り入っただけで、選挙で当選したことに変わりません。 ただ、開票の順番から、復活したように見えるだけです。そう考えると、復活という表現をするのは正しくないように思えます。そこが、プロ野球のクライマックスシリーズで、3位のチームが1位と2位のチームを差し置いて、日本シリーズに出る可能性があるのと違うところです。(弁護士)              

室伏スポーツ庁長官が谷田部東中の部活動を視察 つくば

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中学生の部活動を視察する室伏広治スポーツ庁長官(右)=つくば市東、市立谷田部東中学校体育館

部活動の一部を地域に移行しているつくば市立谷田部東中学校(同市東、八重樫通校長、生徒数613人)を9日、室伏広治スポーツ庁長官が訪れ、体育の授業と部活動を視察した。

東中は2017年度から、教員の負担軽減と文化スポーツ活動の充実を目的に、保護者らが「洞峰地区文化スポーツ推進協会(DCAA)」(杉山慎也理事長)を設立し、地域のスポーツクラブなどの指導者らに依頼して部活動の一部を指導してもらっている。

現在、陸上、バレーボール、卓球、テニス、サッカー、バスケットボール、剣道、野球、吹奏楽の9種目についてそれぞれ週1回程度、地域の指導者が東中を訪れ、放課後や土日に、生徒の3分の1の約200人が指導を受けている。

バレーボールのつくばユナイテッドサンガイア、サッカーのつくばFCなどの指導者や、筑波大学の大学院生らの指導のほか、トレーナーから、けがの予防や応急手当などを学ぶ機会も設けている。

国は2023年度以降、休日などの部活動を段階的に地域に移行する方針を示しており、東中は今年度、スポーツ庁の地域運動部活動推進事業のモデル校となっている。

一方、教員が指導する部活動とは別に運営し、生徒一人当たり月額1250円(保険料込み)を徴収して指導料に充てている。杉山理事長は「部活動は先生のボランティアで成り立っているが、DCAAは会費を払って参加する有料の活動となる。会費を払うことに抵抗がある保護者もおり、その辺を変えていけたら」と課題を話す。

東中を視察した室伏長官は「コロナで部活動の見学は1年ぶりとなった。部活動を再開し、汗を流して仲間と一緒に取り組んでいる姿をみて安心した」と話した上で、部活動の地域移行の課題について「先進的な取り組みを拝見することができた。課題も含めて話をできたことは本当に良かった。すべて地域移行すれば解決するわけではなく、地域特性があり、指導者の確保や雇用、インフラ整備も必要になる。どういったところに着地点があるのか、課題を検討したい」などと話した。

生徒からは「試合のとき緊張しないためにどうしたらいいか」などの質問を受け、室伏長官は「失敗したらどうしようと考えるのではなく、ただのスポーツ、結果はあとからついてくるという気持ちでやればいい」などと答えていた。

木馬とロッキングチェア 《続・平熱日記》97

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【コラム・斉藤裕之】何年か前に、とある東京の街で偶然見かけた木馬。それはヨーロッパの木製のおもちゃを商うお店の店先に飾ってあった。堅木で作られた、きっと目や髪の毛の色の違う子供が乗っていた木馬。少し欲しくなったのだけど、多分売り物ではないだろうし、そもそも買ってどうする?

話は、今年家にやって来た白い犬「ハク」をもらい受けに行った時に戻る。尋ねた先は古いお宝が山積みのアンティーク屋さん。ここでハクはヤエ子さんという名前で保護されていたわけだが、倉庫のような店の中で見つけたのが、これまた木馬だ。しかしこの時はすでに長女の妊娠もわかっていた。

というわけで、ここにきて「孫へのプレゼント」という大義名分ができたので胸を張って買うこともできるのだが、ここはひとつ、じいさまとして初孫に木馬のひとつでも作ってやろうと、がぜんやる気になった。

実はパリに住んでいた頃に、当時2歳の長女に木馬を買ってやったことがある。デパートだったか、安売りをしていた量産品だったが、えらく気に入って乗っていた。結局、帰国の折にはその木馬は持ち帰ることにした。その後その木馬は使命を終えて、大学の同級生に子供ができた時に、あっさりとプレゼントした。馬は犬と共に古くから人のパートナーだった。

そう思ってググってみると、木馬は世界最古級の玩具として世界各地にあるとのこと。やはり、私が木馬に引かれるのには長い歴史が培った理由があったわけだ。

ギットンバッタン、どんぶらこ

ついでと言っては何だが、孫には木馬、そしてじい様には「ロッキングチェア」。例えば、学校の椅子を前後にこいでいて危うく倒れそうになってヒヤッとした経験。本能なのか、なぜかギットンバッタンが心地よい。無理矢理にこじつければ、瀬戸内海の穏やかな波が船縁(ふなべり)をたたくリズムか。それとも母のお腹の中で揺られていた時の記憶か。どんぶらこ、どんぶらこ…。

恐らく、人の精神にいい効果を及ぼす往復運動なのでは?というこじつけもカミさんには通用しない。「いらない」と瞬時にくぎを刺される。そういえば、18歳の正月に八幡様で富くじを引いたら「鶴」が当たって、その景品がロッキングチェアだったのを思い出した。大学に落ちた時、「ツルを引いただけにツルッと落ちた」と母が笑って言ったっけ。

そういうわけで、家の裏から使えそうな廃材を引っ張り出してきたものの、考えてみれば孫が木馬にまたがって遊ぶのにはまだ大分時間がある。近づく冬。まきストーブに火を入れて、そんなことを考えていると余計にロッキングチェアが欲しくなった。作るか? しかし椅子を作るほどの技はない…。ギットンバッタン、どんぶらこ、どんぶらこ…。(画家)

飯舘村の牛飼い・長谷川健一さん逝く 《邑から日本を見る》99

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鈴なりの我が家の柿とユズ

【コラム・先﨑千尋】10月22日に福島県飯舘村の牛飼いだった長谷川健一さんが68歳で亡くなった。残念な思いで訃報に接した。長谷川さんの人徳をしのんで、葬儀には通夜も合わせて約800人が参列したという。

私は、東京電力福島第1原発の事故から10年経ったこの3月、長谷川さんに「農業協同組合新聞」の取材でインタビューした。その時、長谷川さんを主題にした豊田直巳監督の映画「サマショール」のひたちなか市での上映に合わせて、彼に講演を頼んできてくれという友人の話を伝えた。「医者から甲状腺がんだと言われているので講演には行けない」と長谷川さんからかすれた声で言われ、びっくりしたのが昨日のことのようだ。

長谷川さんの死を悼み、「東京新聞」は10月27日の「ニュースの追跡」で、〝訴えた怒り 遺志は残る〞という見出しを付け、大きく取り上げている。ネット上でも彼を知る多くの人が追悼の文を寄せている。原発にふるさととなりわいを奪われた長谷川さん。無念の思いを抱いたままの早い旅立ちだった。

事故で生活は一変

長谷川さんは4世代家族。事故前は50頭の乳牛を飼っていた。2000年頃からはダイコン、キャベツ、加工用トマトなどの野菜も作っていた。同時に前田区の行政区長も務めていた。

事故後、長谷川さんの人生は一変した。村は計画的避難区域に指定された。長谷川さんは前田区の住民のつながりを保てるように、まとまって暮らせる避難先を探し、伊達市の仮設住宅への集団移転を実現させた。全世帯が村を離れるのを見届けて、最後に村を離れた。8月になった。村のパトロール隊組織「全村見守り隊」のメンバーにもなり、定期的に地区内の留守宅を回って歩いた。

それが甲状腺がんの一因になったのではないかと考えている。長谷川さんの友人は「原発さえなければ」と書き残し、自死した。長谷川さんも酪農は廃業せざるを得なかった。

長谷川さんは、事故が起きてすぐ、飯舘の状況を後世に残さなければと考え、カメラとビデオで日々の生活や村内の風景、人々の姿を克明に記録し、ドキュメンタリー映画「飯舘村 わたしの記録」を制作した。メディアの取材や講演の依頼にも積極的に応じ、自らの体験を語ってきた。チェルノブイリ原発事故の被災地にも足を運んだ。本も出した(『写真集飯舘村』『までいな村、飯舘』(七ツ森書館など)。

村民の約半数の3000人が東京電力を相手にした裁判外紛争解決手続き(ADR)で賠償の増額などを求めた申立団では、団長に就いた。また、2015年に設立された被災者団体の全国組織「原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)」では、福島原発告訴団の武藤類子さん(三春町)と共同代表を務めていた。

2017年、村の大半で避難指示が解除されると長谷川さんは帰村し、地区内の耕作放棄地でソバづくりを始めた。昼夜の温度差があるので香りの強いソバができ、放射能も基準値以下だが、風評被害で売れなかった。「収益が上がらなくとも、あとの人たちが営農が続けられるよう荒れ地にせず、一番簡単なソバを作っているんだ」と話してくれた。

仲間だった前村長の菅野典雄さんとは、事故後に避難や村づくりをめぐって意見が合わず、袂(たもと)を分かった。(元瓜連町長)

サンガイア、開幕2連勝 劣勢はねのけフルセット勝ち

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第1セット、つくばの松田らによる3枚ブロックが相手を圧倒(写真は高橋浩一)

バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は11月6、7日、開幕戦のホームゲーム2試合を土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開催した。6日はきんでんトリニティーブリッツ(大阪府岸和田市)にセットカウント3-1で快勝、7日は兵庫デルフィーノ(尼崎市)に3-2のフルセット勝ちを収め、開幕2連勝とした。

2021-22 Vリーグ2部男子(11月7日、霞ケ浦文化体育会館)
つくば 3-2 兵庫
 23-25
 18-25
 27-25
 25-19
 15-11

つくばは7日、2セットを先取された後に3セットを取り返すという劇的な勝利。劣勢をはね返すリカバリー力と粘り強さを発揮した。

第1セットは、曹海倫のサービスエースや松田康河のブロックなどで6点を先取する順調な立ち上がり。だがタイムアウトをきっかけに兵庫が5点を取り返し波に乗った。左右への大きなトスでつくばのブロック陣を振り回し、要所で繰り出す速攻も効果的だった。

第1セット、瀧澤陽紀がスパイクを放つ

第2セットは一転してシーソーゲーム。中盤から兵庫が徐々にリードを広げ、つくばを突き放した。つくばのオープンな攻撃は相手ブロックの餌食となり、速攻やワイドを使った攻撃は今ひとつかみ合わない。

第3セット、ようやくつくばにエンジンがかかってくる。十文字龍翔や鎌田敏弥らルーキー、若手が攻撃で躍動し、濱田英寿の強烈なサーブや、満生大輝のバックアタックなども効果的。長いラリーを交えながら激しく攻め合い、デュースで追いすがる兵庫を突き放して1セットを返すと、その後はつくばが自分たちのリズムを取り戻した。

ルーキーの十文字(右端)はこの日14打13得点、驚異的な攻撃決定率を誇った

「苦しい内容だったが、途中出場の選手らが持ち味を出し、よく盛り返してくれた。攻撃で圧倒的な選手はいないが、だれが出ても遜色ない。ベンチを含め全員が活躍して攻略してくれた」と、五十嵐元監督は選手たちを讃えた。

若返りを果たしたチームの中で、精神的支柱となったのがリベロの新垣東麻とセッターの浜崎勇矢。2セットを落とし暗くなったチームに絶えず声を掛け、士気を高めた。「今季は守備に力を入れており、それが後半徐々に機能してきた。どんな相手でも自分たちのバレーを出したい」と新垣主将。

今季の開幕2連戦を勝利で飾ったサンガイア

これでつくばは2勝0敗で15チーム中6位。次戦は13日、ひたちなか市総合運動公園総合体育館で大同特殊鋼レッドスター(名古屋市)と対戦する。ちなみにこの日は同会場でV1女子の日立Astemo(アステモ)リヴァーレ(日立市)がトヨタ車体クインシーズ(刈谷市)と戦う。茨城勢のダブルホームゲームだ。

つくばの浜崎は大同特殊鋼戦に向けて「相手は完成度が高いチーム。スパイクやブロックなどの精度を高め、ホームの観客の皆さんの力を借りて戦い抜きたい」と意気込んだ。(池田充雄)

来年4月、初の衛星打ち上げ つくばの宇宙葬ベンチャー

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スペースNTK代表の葛西智子さん=つくばエキスポセンターのロケット前(つくば市吾妻)

遺骨を宇宙に打ち上げて散骨する「宇宙葬」ベンチャーのスペースNTK(本社・つくば市、葛西智子代表)は6日までに、カプセルに収めた遺骨などを搭載する人工衛星「MAGOKORO(まごころ)」の米国向け空輸を完了した。耐振動、耐熱試験などを経て、衛星は2022年4月1日(現地時間)、米国フロリダ州ケープ・カナベラルから、スペースX(イーロン・マスクCEO)のロケット「ファルコン9」に搭載され、打ち上げられる予定だ。NTK社にとって、初の宇宙葬フライトとなる。

5、6年周回し燃え尽きる

人工衛星は東京下町の町工場、加藤製作所(墨田区)に特注された。タテヨコ各20センチ、高さ10センチのボックス型の超小型衛星だ。3段積み重ねる形でフェアリング(ロケット先端部の貨物庫)に搭載される。

遺骨は円筒形のアルミ製カプセルに入れて衛星に収納される。NTK社の専用カプセルで、大中小サイズがあり、遺骨一体を収める大サイズ(約2キロ)で1100万円、遺骨の一部(50グラム)を入れる小サイズで55万円などの価格(いずれも税込み)設定で、募集をしていた。

遺骨を入れるアルミ製の専用カプセル

人工衛星は地上500キロから600キロの軌道に打ち上げられるが、ロケットから切り離された後、フェアリングから放出されることなく、そのまま軌道上を周回する。スペースX社監視の下、5-6年後に大気圏に再突入し、人工衛星ごと燃えつきる。「スペースデブリ(宇宙ごみ)を出さず、まさに星になって最期を迎える」(葛西代表)、世界でも初となる宇宙葬スタイルだそう。

弔い方の変容 目の当たり

葛西代表(61)は「子供の頃、人は亡くなるとお星さまになると聞かされた。そう言っていた祖母がお墓に葬られたとき、違和感があった」という。長じて葬祭業に従事し、葬儀の司会から海洋葬など散骨事業を手がけるようになった。約30年、仕事で「弔い方」の変容を目の当たりにするなか、改めて「お星さまになる」宇宙葬のありようを模索して、2017年にスペースNTK社を立ちあげた。

特に縁故や得意先があったわけではない、つくば市内(スタートアップパーク)に本社を置いた。「JAXA(宇宙航空研究開発機構)があって、宇宙ならつくばってイメージだけ。でも宇宙ビジネスで米国に行くと通りがいい」そうだ。県が立ち上げた「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」の支援も受けている。

スペースXとパートナー契約

しかし初フライトまでは多難。スペースXは、日本人宇宙飛行士の星出彰彦さん、野口聡一さんらを国際宇宙ステーションに送り届けたロケットの運用などをしている軌道輸送サービス企業だ。新しい宇宙葬スタイルに理解を示してもらえ、2020年にビジネスパートナー契約を結んだが、搭載の「権利」を得るために約1億円を要した。

潜在的なニーズは見込めても、実需はつかみどころがなかった。「宇宙旅行の夢」や「墓しまい」などを動機に、本人が宇宙葬を望んでも、タイミングや残された家族の意志を合わせるのは容易な作業ではない。埋葬許可など法律や倫理の問題にもきちんと対応しなければならなかった。

NTK社によれば、これまでに遺骨一体を受け入れるまでには至らず、8人の部分遺骨(ペット含む)の契約にとどまった。ほかに、メッセージをつづった約1000枚の短冊、DNA(髪の毛)添付のメッセージカードの搭載が決まっている。

問い合わせの多さに比べ実績が伴わない形だが、「今回は実績づくり」と10月から、生死問わず参加できる「MAGOKORO X」プロジェクトに切り替え、追い込みを図っている。宇宙に思いを馳せた短冊(5000円)やメッセージカード(1万2000円、DNA添付1万6500円)による参加者募集で、30日まで受け付ける。詳細はこちら

葛西代表は、これら集まった品々を手荷物に12月6日、渡米する予定。「いろんな案件を1つ1つ処理してここまで来た。さまざまなジャンルの方々とも交流して世界が広がった。多くの方が次はもっと協力できるよ、見守っているよと言ってくれるので、やり遂げるしかない」という。第2弾、2024年秋の打ち上げも視野に入ってきた。(相澤冬樹)

セミナー再開 「社会保障の仕組み」 《ハチドリ暮らし》7

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【コラム・山口京子】コロナ禍の落ち着きにより、対面のセミナーが再開されるようになりました。私は主に、シニアの生活設計・相続、エンディングなどのテーマで話をしていますが、最近、「社会保障の仕組みについて聞きたい」という依頼をいただきました。社会保障の総論的なこと、高齢者に関する保障をテーマに、ということでした。

社会保障の理念は憲法25条にあると言われています。「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(1項)、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」(2項)と、明記されています。この理念のもとに、それを実現する法律が作られ、制度が整備されてきました。

社会保障制度には4つの柱があります。社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生の各制度です。社会保険は、国民が病気やケガ、出産、死亡、老齢、障害、失業などの生活の困難をもたらす出来事(保険事故)に遭遇した場合、一定の給付を行い、生活の安定を図ることを目的とした強制加入の保険制度で、社会保障の要になっています。

広義の社会保険には、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つがありますが、一般的には、医療保険、年金保険、介護保険の3つを言います。

両親の生活に介護保険は不可欠

社会保険で画期的だったのは、1961年に実現した国民皆保険と国民皆年金でしょう。それまでは、健康保険や年金に無加入の人たちがいました。そうした人を加入者にするために、国民健康保険、国民年金の制度ができました。当時は高度経済成長の離陸時だったのでしょう。

1973年は「福祉元年」と呼ばれています。老人医療の無料化、健康保険の自己負担割合の引下げ、高額療養費の創設などがありました。しかし、オイルショックによる経済の変化で、その後は社会保障制度の見直しが続いています。

2000年には介護保険制度がスタートしました。高齢者の自律を支える制度で、2021年7月の時点で、要介護・要支援認定者は687万人になっています。わが家でも、両親の生活に介護保険はなくてはならないものです。これからも持続可能な制度であってほしいと願っています。

めっきり朝夕冷え込みます。田んぼは稲刈りがすっかり終わりました。道端にはタンポポの綿毛が残っていたり、カラスウリが赤く色づいたりしています。(消費生活アドバイザー)

疎開先のウンコ棒 《くずかごの唄》97

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】スーパーの食品売り場をウロウロしていたら、「市田柿」を見つけてうれしくなって買ってしまった。私が小学校6年生のときに疎開した長野県山吹村の隣村が市田村だった。天竜川に沿って飯田線が走っている。木曽山脈と赤石山脈に挟まれた急斜面の地域にいくつか村があって、その中の一つの村である。

駅や役場、小学校は天竜川に近い所にあるが、父が友達のまた友達を頼んでお借りした家は、村の中で一番山に近い部落。高度が高いので寒さもひときわ厳しかった。

なんでもすぐに凍ってしまう。リンゴを薄く切って干しておいただけで、きれいな白い干しリンゴができてしまう。渋柿の皮をむいて種を取って、丸ごとつるして干し柿にする。気温が極端に低いこの地方の干し柿は、柿の中のブドウ糖が表面に抽出されて、きれいな白い粉をまとった姿になる。この白い干し柿を「市田柿」と呼んでいた。

先端が鋭角になるウンコ塔

汲(く)み取り式のトイレに、冬だけ野球のバットを小さくしたような棒が置いてある。

「何の棒だろう?」

「さあ」

隠居所として使っていた別荘風の、この家を貸してくれた日本酒の醸造家二金酒店のオジサンが説明に来てくれた。

「寒い日、ウンコをしたら、必ずこの棒でたたいておいてください。そうしないと、どんどん高くなって、お尻に刺さったりしたら大変だから」

「前にやった人の分のウンコも、見つけたらたたいて低くしておかないと、冬はドンドン、塔のようになってしまうんだに」

「まさか、まさか」

最初は本気にしなかったが、昭和20年の1月は本当に寒かった。油断をすると、ウンコ塔は先端が鋭角になってしまう。やはりオジサンが言っていた通り、棒で早いうちにたたくことが大事だったのだ。

家も雪の山道も、まるで冷凍庫の中。ツルツルに凍りついている。慣れない雪の山道を朝は下りなので、30分歩いて通学。帰りは登りなので、40分かかってしまう。

今出回っている市田柿は、全部冷凍庫の中で温度を調整して作るにちがいないが、当時は自然の寒さの中で作っていたのだ。(随筆家、薬剤師)

診療所の9割、中等症の自宅療養者対応不可能 県保険医協会調査

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茨城県保険医協会=土浦市大町

新型コロナウイルス感染症の医療対策では、自宅療養を余儀なくされる軽症・中等症患者への対応が課題になっている。県保険医協会(県内の医師・歯科医師2100人余で構成)が実施した医療機関への調査で、診療所の5割が、軽症の自宅療養者に対する対応は不可能、9割が中等症患者に対する対応は不可能と回答していることが分かった。

同協会は、地域診療所の医師は多くが1人体制で、日常診療やワクチン接種を平行しながら管理するとなれば、容体急変時の迅速な対応が難しくなることから「不可能」とする回答が多くなっているのではないかと分析する。

9月と10月に、協会に所属する会員の診療所769件を対象にアンケート調査を実施した。回答があったのは148件(19.2%)だった。

自宅療養者への対応については、軽症患者に対しては51.3%の診療所が、中等症患者に対しては86.4%が対応不可能だと回答した。

一方で軽症患者に対しては「対応可能」「かかりつけ患者であれば対応可能」と回答した診療所が48.7%を占めた。特にかかりつけ患者の場合、既往歴などを把握していることから症状が比較的軽い場合は継続して診療を行えると判断する医療機関が一定数あることを裏付けた。

アンケート結果から中等症患者について「自宅療養での対応は不可能」と多くの医療機関が回答したことは、「自宅療養では適切な医療がうけられなことを示唆しており、第6波に備え、中等症以上の受け入れ先の確保は急務の課題だとしている。

事実、自宅療養者に対応するため改善が必要と回答したのは「急変時の搬送先の確保」が83.1%と最も高く、次いで「入院等の判断基準」(47.9%)、「自宅療養者への対応方法」(45.1%)、「3者間(保健所・市町村担当部署・医療機関)での情報共有(23.6%)と続いている。

現場の医師の声として「自宅療養よりも臨時医療施設の設置を優先すべき」「自宅療養そのものが不可」「観察施設の設置が必要」「自宅療養は医療とはいえないため、せめて宿泊施設であれば協力しやすくなる」「入院先が無く、なし崩し的に重症患者を在宅で診なければならなくなることに対する恐怖がある」「在宅死はあまりにも痛ましい。せめて収容施設を」など義務と責任のはざまで苦悩する立場が浮き彫りになっている。(山崎実)

現在過去未来 《続・気軽にSOS》96

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【コラム・浅井和幸】かなり前になりますが、知り合いのプロのアナウンサーからこんなことを聞きました。例えば、結婚式の司会をするとします。素人の中にもプロ顔負けのしゃべりのうまい人、進行のうまい人はたくさんいます。ですが、プロと素人との違いは、ミスをしたときやハプニングのときの対応力の違いです。想定外のことが起こって、そこから立て直して進めることができるのは大切なことです。そして、ミスをミスと感じさせないテクニックもプロは持っていたりもします。

この話を思い出したのは、つい最近のことです。どうして思い出したかというと、私は数年前から素人の楽団に参加させてもらっています。マンドリン、ギター、コントラバス、パーカッション、フルートなどの数十人で、演奏を楽しんでいます。そこに、プロの先生が指揮者として、演奏指導として来られています。面白い先生で、ときにはユーモアを交えて分かりやすく指導をしていただいています。おかげで楽しい雰囲気で練習ができ、300人ほどの前で無料コンサートもしています。

ある練習のとき、その先生が話してくれたことが印象に残っています。「皆さんはミスをすると、いかにも自分がミスしましたよと、変なリアクションをしますよね。譜面をのぞき込んだり、まずいと変顔をしたり。ミスをしたところにいつまでも拘っていると、進んでいる曲の今の演奏の部分がおろそかになります」。

「うまい人は、ミスをしても曲が進んでいるのならば、そのミスを引きずらずに次のことを考えます。引きずっている場合じゃないはずなんです。終わったところにかまっていられるほど暇ではなく、次の演奏で考えなければいけないこと、やらなければいけないことがたくさんあるからなんです」

嫌なことを感じるだけの毎日はつらい

この話を聞き、私たちの毎日の生活でも同じことが言えると思いました。生活しているうえで、どの部分を考えて行動するのかは、人それぞれの価値観なので唯一の正しいことというものはないと思います。しかし、物事をよりよくしていこうと思うのであれば、ミスをいつまでも味わい続け過ぎてはもったいないでしょう。

もちろん、そのミスを次に生かすために練習する場合は、ミスに立ち返って、うまくいくような方法を考えて練習することは大切です。しかし、練習はせずにミスだけを味わい続けると、ミスをするための練習になってしまいかねません。嫌なことを感じるだけの毎日はつらいです。

私たちは生きることの素人なのかもしれませんので、過去のミスに縛り付けられて苦しみ続けることもあります。ときには、あまりの大きな衝撃のためであったり、脳の特徴や心の病のためであったりで、過去の苦しさを感じ続けるしか手のないこともあるでしょう。それでも、明日には少しでも楽しみを感じられるような、今の生き方を考えて行動できたらなと思うのです。(精神保健福祉士)

つくバス 5分早く出発、30分後引き返す 最大1時間遅れ

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つくば市役所

つくば市は4日、午前6時35分 筑波交流センター(同市北条)発つくばセンター行きのコミュニティーバス「つくバス」小田シャトルが、定刻の5分前に出発してしまい、約30分走行した先で気づき、始発の停留所に引き返したことから、最大1時間の遅れが出たと発表した。

市総合交通政策課によると、バスを運行している関東鉄道の運転手が出発の際、時刻の確認を怠り、定刻より5分早い午前6時30分に筑波交流センターを出発した。そのまま約30分走行し、12カ所目の停留所のテクノバーク桜に到着した際、定刻より5分早く出発してしまったことに気付いた。

運転手から連絡を受けた関東鉄道は、代わりのバスを筑波交流センターに手配しようとしたが、運転手を確保することができず、運転手の到着を待つよりも始発地点にバスを引き返させた方が早いと判断、筑波交流センターに戻した。

一方、このバスには乗客が5人乗車しており、関東鉄道はタクシーを手配して5人をテクノパーク桜停留所から目的地まで移送した。

バスは引き返したことから1時間遅延した。さらに、つくばセンターから筑波交流センターに折り返すことになっていたため、折り返しも約30分遅延した。

市によると、引き返したバスに乗った乗客はおらず、5分早く出発したことで影響を受けた乗客が何人いるかは不明。4日夕方までに市に苦情などは来ていないという。市は関東鉄道に対し、安全運行の徹底と再発防止を指示したとしている。

県内のコロナ倒産50件突破 つくば市は5件

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つくば駅前

民間調査機関、帝国データバンク水戸支店が、県内の新型コロナウイルス関連の倒産状況を集計、分析した結果、今年10月21日までに関連倒産が51件と50件を突破したことが分かった。第1号は昨年7月確認された。その後1年4カ月で50件を突破した。

コロナ関連倒産は、当事者あるいは代理人(弁護士)がコロナ禍が倒産の主因または要因と認め、法的整理、事業停止となったケース。第1号が発生した昨年7月から今年6月までの1年間に確認されたのは32件だった。その後今年7月から10月まで4カ月間ですでに19件と、今年に入り増勢を強めてきている。

関連倒産51件を業種別にみると「小売り」が14件と最も多く、次いで「建設」10件、「サービス」9件と続き、この3業種で全体の6割を超える。「小売り」の14件のうち8件は飲食店、「サービス」の9件のうち3件は遊技場だった。

市町村別では水戸市が13件で最多、次いでつくば市が5件、牛久市4件、日立市と土浦市が各3件の順。地域別では県南が16件で全体の3割を占めた。

今後の見通しについて同水戸支店は「コロナ収束後の経済回復に期待が高まっているが、第6波への懸念など先行きが見通せない不安は変わっていない。収束に向かったにしても、過剰債務を抱えた企業の経営改善、再編の道のりは長く険しい。関連倒産も今年6、7月に3件、8月に3件と続き、9月6件、10月7件(21日時点)と増加の方向に向かいつつある」と警鐘を鳴らしている。(山崎実)

外国語を学ぶコツ⑤ 《ことばのおはなし》39

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【コラム・山口 絹記】前回までの4回にわたる記事で、外国語を学ぶコツについて書いてきたわけだが、実のところ、誰にでも共通してやるべきことはもう他にはないと思っている。つまり、語彙(ごい)やまとまった文章、表現を徹底的に覚えること、そしてそれを実際に会話の中や文章を書くときに使っていくこと。方法論としてはいろいろな手法があるのだろうが、本質的には「覚えて使う」「使って身につける」。これ以上でも以下でもない。

そう。こんなことは、この記事を今読んでいるあなたもわかっていると思う。わかっているし、学習しているのに話せない。だから困っている。違うだろうか?

ここから先は、メンタリティー、マインド、気の持ちよう、気合い、何でもよいのだが、心の問題になるだろう。つまり精神論だ。私は抽象的な精神論があまり好きではないので、できる限り具体的、実際的におはなしを進めよう。

よく映画で、拳銃を目の前に置かれた主人公が「撃ってみろ」と言われても引き金を引けない、というシーンがある。話せない、声が出ない、というのは、実際のところアレとほとんど同じだ。自分が引き金を引けば、銃弾が飛び出し、相手を殺してしまうかもしれない。拳銃を手に取った時点で襲われるかもしれない。そう考えると、普通は怖くて撃てない。

何を大げさな、と言われるかもしれないが、質量のないことばだって急所に当たれば人は死ぬ。必死に放った自分のことばが相手に届かなければ、首を傾げられたり、笑われたりすれば、自分の心が傷つく。それを想像しただけで怖くなる。だから、ノドがグッと締まって声が出ないのだ。

話せないと思うからこそ話してみる

あえて断言しよう。流暢(りゅうちょう)でないことばには、相手をどうこうできるほどの威力はない。想像してみてほしい。あなたが片言の日本語で話しかけられたとして、あなたの頭に風穴があくことはないし、悪意をもって鼻で笑うこともないだろう。むしろ、意味をくみ取ろうと必死になるのではないだろうか。もしもあなたが、片言の日本語を頑張って話しかけてくれた者をあざ笑うようであれば、あなたが今学ぶべきは英語ではない。

話せないという自覚があるからこそ、話してみるのだ。今現在、何かしらの言語を操っている者は皆、話せない頃から話している。話そうとしている。準備が万全整ってから始めるのではない。走り出しながら体裁を整えるくらいでないと、始めるきっかけは訪れないし、「機が熟す」などということは、ない。

もう一つ、あなたが英語の発話をするにあたって邪魔をする要因のおはなしをしよう。それは「正しさ」という謎の概念だ。正しい文法、正しい発音などというヤツである。次回はこの言語における「正しさ」というものについて書いていこうと思う。(言語研究者)

「歴史のまち」土浦で文化の秋を満喫 《ポタリング日記》2

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土浦城址・亀城公園の櫓門と銘菓「九万五千石」(左)

【コラム・入沢弘子】「歩くには距離があるけれど自転車なら回れるかな」というとき、車に積んである折り畳み自転車「BROMPTON(ブロンプトン)」を取り出します。今日は続日本百名城に選定された土浦城跡まで行ってみましょう。

霞ケ浦湖畔の「りんりんポート土浦」に車を置き、JR常磐線土浦駅に向かいます。駅東口のサイクルステーションで土浦市観光ガイドを入手。添付の観光マップでルートを検討します。空気入れもお借りしてタイヤ準備もOK。エレベーターで駅3階の自由通路へ。

土浦駅は中距離列車の増結・解結をする駅で、特急の停車駅。貨物駅も兼ねています。線路上の長い通路を歩いていると、発車メロディーが聞こえてきました。南こうせつ氏が作曲した土浦市のイメージソング「風の贈り物」です。

改札寄りには自転車組立てスペースがあり、輪行時は便利。向かいのKIOSKでおやつを購入しました。駅ビル「プレイアトレ土浦」は、すべての飲食・物販店に自転車を伴って入店できます。愛車を押したまま、2階の天狼院書店で土浦市都市地図も購入。

美術展図書館古本店神社

駅西口の矢羽根マークに立つと、駅横の「アルカス土浦」の掲示板が目に入りました。1階の市民ギャラリーで美術展を鑑賞。上の階の市立図書館は茨城県内最大規模の面積と蔵書数の図書館。全国どこの居住者でも借りられるので、散歩の後に本を選ぶことも可能です。

アルカス駐輪場の正面に「つちうら古書倶楽部」がありました。東日本最大級面積の古書店で、古本のほかに古美術や骨董品もあり、宝探しをしている気分になれる場所。

通りを出ると、ショッピングモールにぶつかりました。「モール505」はロケ地として有名ですが、以前は霞ケ浦と土浦城の堀を結ぶ川だった場所。常磐線の線路近くには、川口川閘門(こうもん)の跡が残っています。

和菓子店や川魚店の並びを行き、振り返ると、イチョウに囲まれた鳥居が見えました。鎌倉初期創建といわれている鷲(わし)神社は、土浦で最も古い集落・東崎町の氏神様。境内には古碑や力石があり、2014年まで「じゃかもこじゃん」という祭りも開催されてきました。

路地を抜け県道を渡り、再び路地へ。道の両側には玄関先に鉢植えを飾る民家が軒を連ねます。日なたで熟睡する猫の前をそっと通行。夏の土浦八坂神社祇園祭では、山車がこのような路地まで巡行します。前方にイチョウの大木が見えてきました。大きく広げた枝で輝く黄金色の葉。土浦城址・亀城(きじょう)公園は目前です。

亀甲形の「九万五千石」土浦城

公園入口では恒例の「土浦菊まつり」が開催中。会場横を抜け、本丸を目指します。土浦城は亀城と呼ばれる平城(ひらじろ)でした。堀が幾重にも巡らされ、城塁が亀の甲のように見えたことが名前の由来と言われています。現存する関東唯一の櫓門(やぐらもん)をくぐり本丸へ。

土塁に囲まれた静寂な空間が広がります。今日は国宝の刀剣特別公開中の市立博物館でテーマ展「災害の記憶をたどる」を見学しましょう。

石高九万五千石の土浦藩の居城跡のベンチに座り、その名にちなんだお菓子「九万五千石」をおやつにいただきます。ザラメがまぶされた小粒の揚菓子は、食感と豊かなゴマの風味。疲れが一気に癒されていきました。(広報コンサルタント)

ランタンやたき火、心休まる光に点灯 13日からいばらきフラワーパーク

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ゆらぐ焚き火の炎を眺められるレストランエリア=いばらきフラワーパーク提供

県立のテーマパーク、いばらきフラワーパーク(石岡市下青柳)がリニューアル後初めてのイルミネーションシーズンを迎える。13日から始まる「フラワーパーク イルミネーション2021-22」は、新年1月10日までの開催。13日は「県民の日」、茨城県は県政150周年を迎える。

リニューアルは今年4月、「見るから感じる」体感型の施設に再生を図った。イルミネーションは春バラ、秋バラに並ぶ、三大イベントの一つ。今回は「灯す~こころ休まる光~」をテーマにエリアを5つに分け、それぞれのコンセプトに合わせた装飾を展開。ランタンやたき火など上質な優しいあかりが広大な園内を灯す。

5つのエリアとコンセプトは、▽うすあかりの散歩道(全長60mの光の回廊が暖かなきらめきでゲストを迎える)▽ぬくもりの食卓(ランタンとたき火のゆらぎに癒される幻想的なレストランエリア)▽ひかりの工房(光の花畑をイメージしたアトリエで様々なアクティビティーを開催)▽よふかしの森(一面ブルーの世界にメタセコイアの大きな木がそびえ立つ姿が神秘的なエリア)▽あらかしの広場(アラカシの木の足元でクリスマスツリーが賑わう)

レストラン「ローズファーム ハウス」では干し芋、マシュマロ、ガーリックトーストなど“焚き火”メニューが用意される=同

期間中、園内で収穫した木の実やドライフラワーで作る「季節のボタニカルリース作り」、自然素材を用いたオーナメントで自由にデコレーションして作り上げる「みんなでつくるクリスマスツリー」など参加型の企画も充実。また冬のスパイスアロマミスト作りやひょうたんランタン作りなど、通年人気の「100の体感」アクティビティーも冬仕様に変身するという。

イルミネーション初日の13日は午後4時40分からに点灯式を開催。「県民の日」のため入場料割引で、大人900円(税込み)が450円となる。パークでは「冬の自然とやわらかな光に包まれて、ここでしか味わえない“こころ休まる時間”を過ごして」とアピールしている。

■いばらきフラワーパーク イルミネーション2021-2022
▽開催期間:2021年11月13日(土)〜2022年1月10日(月・祝)▽点灯時間:午後5時~9時(入園は閉園の30分前まで)▽入場料(税込み):大人900円、小人300円(小中学生)、未就学児無料、年間パスポート使用可▽休園日:火曜日(祝日の11月23日は営業、翌24日休園)、12月31日−1月1日▽駐車場:900台(無料)

公式サイトはこちら

政治に変化の兆し? 若者の政治離れ対策 《雑記録》29

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【コラム・瀧田薫】経済協力機構(OECD、先進国38カ国で構成)の調査では、2016~2019年の間、日本の国政選挙投票率は加盟国の下から5番目に位置しており、日本は先進国の中で低い国の一つとされています(FNNプライムオンライン 10月13日)。投票率が低い原因の一つは、若者世代の政治への関心の低さにあるとの指摘があります。

少子高齢化が進行する中、これからの日本を支えていく若者世代の政治離れは、この国の将来にとって深刻な問題です。これまで、政府、自治体それぞれに、若者の投票率を上げようと工夫を凝らしてきたのですが、効果はあがっていません。

そうしたなか、日立市は「全国的にも珍しい取り組み」(日立選管の小林克敏書記)を始めました。ワンボックスの公用車を「期日前投票所(投票車?)」に改造し、市内の高校を巡回して、18歳に達した高校生に投票を促すそうです。同選管は「18歳投票率を向上させることが喫緊の課題」としています(茨城新聞 10月24日)。

近い将来、自治体の中核を担うはずの若者の政治離れを放置すれば、自治体の衰退につながるとの危機感でしょう。

投票行動を助ける「ボートマッチ」

ところで、今回の衆議院選挙の特徴は、こうした若者世代への呼びかけが、政府・自治体だけでなく、市民サイドからも出てきていることです。いわゆる「ボートマッチ」サイトが複数立ち上げられています。ボートマッチとは、政党や候補者と有権者の間に立って「仲介者」の役割を果たし、有権者の投票行動を支援しようとする活動あるいは運動を指します。

各サイトに共通した特徴は、まず政党や候補者の政見・公約などを、主にアンケートの方法で収集します。次に、これら政党・候補者の政見情報をテーマごとにまとめ、そこに浮かび上がってくる争点をQ&Aの形式で有権者に示します。

質問は20問程度ですが、有権者はそれぞれの質問について、5択(賛成、反対、どちらかといえば賛成、同反対、どれでもない)から一つを選択します。すべての質問に答えると、コンピューター判定で、当該有権者の各政党・各候補者とのマッチング度合いがパーセンテージで示される仕組みです。どのサイトも、有権者がこの判定を参考にして、政党・候補者を選び、実際に投票すると予想し期待しています。

こうした活動について、一方では、公正・公平が確保されるかといった懸念や、有権者が操作されることを恐れる向きもあるでしょう。他方、こうした活動を肯定的に捉え、特に若い世代の政治参加につながると期待する考えもあるでしょう。

いずれにしろ、こうした動きが、「インターネット投票推進」の動きと相まって、今後加速されていくことは間違いありません。選挙について、ひいてはこの国の政治全般について、この動きがどのような影響を及ぼすか、しばらく見守っていこうと思います。(茨城キリスト教大学名誉教授)

オリジナルフレーム切手発売へ つくばわんわんランド25周年記念

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伊藤局長(左)から東郷副社長へフレーム切手の贈呈=つくば市沼田、つくばわんわんランド

つくばわんわんランド(つくば市沼田)の開園25周年を記念し、オリジナルフレーム切手「つくばわんわんランド わんにゃん大集合」が発売されるのに先駆け、「ワンワンワンの日」の11月1日、同ランド内のモックン広場で関係者による贈呈式が開かれた。

90犬種500頭以上の犬と出会える日本最大級の犬猫のテーマパークは1996年4月27日の開園で、今年25周年を迎えた。これを記念するオリジナルフレーム切手「わんにゃん大集合」は8日、日本郵便関東支社から800シート限定で発売される。販売場所は茨城県南・県西地区と水戸中央、茨城県庁の計206郵便局のほか、郵便局のネットショップと、つくばわんわんランド内。

贈呈式では同支社茨城県南部地区統括局長の伊藤祥紀さん(佐貫駅前郵便局長)が「フレーム切手の提案に喜んで応じてくださり、写真のご提供など多くのご協力をいただけた。つくばの地で大勢の観光客にご来場いただき、たくさんの子どもたちがここで笑顔になる、そのお手伝いを私どもができればうれしい」とあいさつ。サンスイグループ・つくばわんわんランドの東郷茂副社長は「選ばれたことは大変光栄。日頃の努力が報われ、スタッフ一同感無量の思い。今後も県の観光拠点として頑張っていきたい」と感謝を述べた。

フレーム切手は8日発売(写真はサンプル)

フレーム切手は84円切手10枚によるシートで、1シート1330円(税込み)。デザインには同ランドで過去に撮りためた、ビーグルやプードル、柴など人気の高い犬種の愛くるしい仔犬の姿を主に使用。人気のアトラクション「わんわんレースショー」「わんわんパーク」「ねこハウス」の写真も入った。

「わんわんパーク」の写真に登場したのは人気トップスリー、グレートピレニーズの「ピエロ」、ニューファンドランドの「ふうた」、ホワイトシェパードの「ハイジ」。いずれも大型犬で家庭ではなかなか飼えないため、ここへ触れ合いに来る人が多いそうだ。「ねこハウス」からはふわふわの巻き毛が魅力のラパーマが選ばれた。

支配人の寺崎修司さんは「ランドではわんわんメモリアルパークの建設も進み、ゆりかごから墓場までの体制が整いつつある。切手に恥じない施設にして、次の30周年も迎えたい」と感慨を語った。ご当地切手というとこれまでは景勝地や鉄道などが多かったが、最近はスポーツチームや観光施設など新しいテーマも増えつつある。こうした形で地域のPRを手助けし、盛り上げに一役買えればとの思いがあるそうだ。(池田充雄)

センタービル問題 まだ続く迷走《吾妻カガミ》119

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】つくばセンタービル改修で市の迷走が続いています。市にはこの程度の事業も企画・実施する力がないのかと思ってしまうほどです。久しぶりにこの問題を取り上げ、首をかしげざるを得ないところを整理してみます。

3カ月前の「五十嵐つくば市政 揺らぐその原点」(8月2日掲載)では、広く市民・市議・識者の意見を聴いて事業を進めるという五十嵐市政の原点が、センタービル改修事業では失われているのではないかと指摘しました。市政の基本スタンスを自ら崩し、それをどう繕うかと焦り出したことが、迷走の背景にあるようです。

市民を軽視 議会も軽視

市報10月号を見て思わず笑いました。センタービル改修説明の下に、この事業について意見を募集しているとの告知があったからです。現施設の一部解体が10月半ばから始まるというのに、今ごろ意見募集とはおかしなことです。五十嵐市政の基本からすれば、事業立案段階で市民の声を聴かなければならないのに、着手後に意見を聴くとは順番が逆ではないでしょうか。市民軽視です。

市の議会対応にも笑いました。記事「『資金調達現在進めている』 改修工事費用でまちづくり会社」(10月16日掲載)によると、議会(全員協議会)に呼び出された第3セクター(センタービルの一部改修と施設運営を担当する会社=市が筆頭株主)の専務(市から派遣)が、改修の資金計画を示すよう迫る市議の質問から逃げ回ったというのです。議会軽視です。

市議の議決行動にも笑いました。一部の議員が「センタービル工事を議会や市民に説明なしに拙速に進めないことを求める決議」を議会(臨時議会)に出したところ、そんなことをやっていると改修工事が遅れると、否決されたというのです。市民に選ばれたはずの議員の多くは、市民の方ではなく、市執行部の方を向いているようです。軽い議会です。

設計した著名識者も軽視

市の常識の無さも笑いました。改修する建物や広場を設計した著名人にろくな挨拶もせずに、その文化的価値を壊すような図面を描いていたからです。記事「市長、磯崎さんに面会熱望」(10月8日掲載)を読んで驚きました。情報開示請求で明らかになったメールのやりとりによると、市職員が磯崎事務所を訪れたのは1回だけ、市長はまだ面会もしていない、というのです。識者軽視です。

この問題を点検していて、市民・市議・識者の意見を大事にするという五十嵐市政の基本が吹き飛んでいることが分かりました。センター広場改修に反対する活動をしている冠木新市さん(脚本家)には、「喜劇・センター騒動」を書いてもらいたいものです。市に税金を納めている市民にとっては悲劇ですが。(経済ジャーナリスト)

参考 <拙速に進めないよう求める決議への市議の賛否(敬称略)

賛成:飯岡宏之、宮本達也、木村修寿、塚本洋二(以上自民党政清クラブ)/橋本佳子、山中真弓(以上日本共産党つくば市議団)/金子和雄(新社会党つくば)/小村政文(創生クラブ)

反対:黒田健祐、長塚俊宏、神谷大蔵、五頭泰誠、久保谷孝夫(以上つくば自民党・新しい風)/小森谷さやか、川村直子、あさのえくこ、皆川幸枝(以上つくば・市民ネットワーク)/小野泰宏、山本美和、浜中勝美(以上公明党つくば)/高野文男、中村重雄(以上創生クラブ)/塩田尚(山中八策の会)/木村清隆(清郷会)/川久保皆実(つくばチェンジチャレンジ)

欠席:ヘイズ・ジョン(つくば自民党・新しい風)/鈴木富士雄(自民党政清クラブ)

国光氏(自民)再び青山氏(立憲)下す 衆院選茨城6区 

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マスクを外し喜びのバンザイを三唱する国光文乃氏陣営=つくば市吉瀬

衆院選は31日、投開票が行われた。つくば、土浦市などが選挙区の小選挙区茨城6区は、共に2期目を目指した自民の国光文乃氏(42)と立憲の青山大人氏(42)の与野党一騎打ちとなり、国光氏が青山氏を下し、前回2017年に続いて再び勝利を飾った。小選挙区で及ばなかった青山氏は比例復活(北関東ブロック)で当選を果たした。小選挙区の当日有権者数は45万4712人、投票率は53.62%(前回51.50%)だった

国光氏は、国会議員唯一の感染症専門医であることを強調し「コロナを終わらせ命と暮らしを守る」などと訴えた。国道6号バイパスの予算拡充、国立病院機構霞ケ浦医療センターの黒字化達成など地元での実績も強調した。自民党本部から重点区と位置付けられ、岸田文雄首相、安倍晋三、菅義偉元首相と歴代3人の首相経験者らが次々に駆け付け、公明の支援も受けて総力で臨んだことが奏功した。

青山氏は、約5800票差で敗れた前回2017年の選挙戦を跳ね返そうと「地元生まれ、地元育ち」を強調し、各地域をこまめに回って後援会組織を強固にして臨んだ、加えて告示日直前に共産党が立候補を取り下げ、初めて野党共闘で臨み、選挙戦後半には立憲の枝野幸男代表が応援に駆け付けた。選挙戦では与野党が拮抗(きっこう)した緊張感ある政治、信頼と公正、優しい政治などを訴えた。小選挙区では、あと一歩及ばなかったが、前回に続いて比例復活で当選を果たした。

勝利にわく国光事務所

つくば市吉瀬の選挙事務所には多くの支援者が詰めかけ、午後9時31分、テレビで当選確実が報じられると、大きな拍手が起きた。直後に国光氏が事務所に入り、NHKや茨城放送のインタビューには、激戦に勝ち抜いたうれしさからか言葉が詰まり、声がよく聞こえないほど。

事務所には、鈴木茨城県医師会長、池田JA水郷つくば組合長、安藤土浦市長、五十嵐つくば市長、坪井かすみがうら市長、自民党の伊沢県議(土浦)、星田県議(つくば)、塚本県議(同)、公明党の八島県議(土浦)、土浦の小坂市議会議長、つくばの久保谷市議ら、選挙区の後援者や首長・議員の顔が数多く見られた。

国光氏は挨拶で、「(1期目の)4年間、そして、この選挙で支えていただき、本当にありがとうございました。お一人おひとりとのいろいろな思い出が、走馬灯のように浮かんできます。皆さまのお言葉、ご期待、叱咤激励を心に刻み、皆さまの命と暮らしを全力で守っていきます。この茨城県南を、そして日本をつくっていきましょう」と述べた。

国光文乃 42 医師 自民 前②
【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成?TX延伸④農家所得の拡大
【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。

 小選挙区 茨城6区 開票結果(市町村別)
        国光文乃 青山大人
土浦市     2万8889  3万0814
石岡市     1万7056  1万4703
つくば市    5万5967  4万7525
かすみがうら市   9944    8947
つくばみらい市 1万1955  1万0154
小美玉市6区    1892    1427
    6区計 12万5703  11万3570

比例当選を果たした青山大人氏(中央)=土浦市下高津

青山氏が比例復活

土浦市下高津の青山氏の選挙事務所では、小選挙区で敗れた後も支持者らがテレビで、北関東比例区の開票の様子を見守った。日をまたぎ11月1日午前3時、当確が伝えられると、事務所に残った支持者から大きな拍手と歓声が沸き起こった。これを受けて青山氏は「今でも信じられません。最後に一議席入るぞ、という皆さんの信念が形になったと思います」と話した。

報道陣との質疑で青山氏は「一対一の構図にはなったけれど3人の総理大臣(経験者ら)が投入されるなど組織戦に対し、我々は本当に地元の皆さまとの信頼関係、絆で戦った。(小選挙区では)若干及ばなかったことは私自身反省している。自分の普段の活動が足りなかった」と反省点を述べた。

また、大学生や飲食店従業員などコロナ禍の影響で困窮する人々について、青山氏は「(生活支援が)必要な方たちに対して手が差し伸べられていないじゃないですか。そういう現状を踏まえてしっかりやらなきゃと思っている」と生活支援を進める考えを示した。

青山大人 42 元県議 立憲 前②
【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税③原発からのエネルギー政策転換
【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。