火曜日, 12月 7, 2021
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飯舘村の牛飼い・長谷川健一さん逝く 《邑から日本を見る》99

【コラム・先﨑千尋】10月22日に福島県飯舘村の牛飼いだった長谷川健一さんが68歳で亡くなった。残念な思いで訃報に接した。長谷川さんの人徳をしのんで、葬儀には通夜も合わせて約800人が参列したという。

私は、東京電力福島第1原発の事故から10年経ったこの3月、長谷川さんに「農業協同組合新聞」の取材でインタビューした。その時、長谷川さんを主題にした豊田直巳監督の映画「サマショール」のひたちなか市での上映に合わせて、彼に講演を頼んできてくれという友人の話を伝えた。「医者から甲状腺がんだと言われているので講演には行けない」と長谷川さんからかすれた声で言われ、びっくりしたのが昨日のことのようだ。

長谷川さんの死を悼み、「東京新聞」は10月27日の「ニュースの追跡」で、〝訴えた怒り 遺志は残る〞という見出しを付け、大きく取り上げている。ネット上でも彼を知る多くの人が追悼の文を寄せている。原発にふるさととなりわいを奪われた長谷川さん。無念の思いを抱いたままの早い旅立ちだった。

事故で生活は一変

長谷川さんは4世代家族。事故前は50頭の乳牛を飼っていた。2000年頃からはダイコン、キャベツ、加工用トマトなどの野菜も作っていた。同時に前田区の行政区長も務めていた。

事故後、長谷川さんの人生は一変した。村は計画的避難区域に指定された。長谷川さんは前田区の住民のつながりを保てるように、まとまって暮らせる避難先を探し、伊達市の仮設住宅への集団移転を実現させた。全世帯が村を離れるのを見届けて、最後に村を離れた。8月になった。村のパトロール隊組織「全村見守り隊」のメンバーにもなり、定期的に地区内の留守宅を回って歩いた。

それが甲状腺がんの一因になったのではないかと考えている。長谷川さんの友人は「原発さえなければ」と書き残し、自死した。長谷川さんも酪農は廃業せざるを得なかった。

長谷川さんは、事故が起きてすぐ、飯舘の状況を後世に残さなければと考え、カメラとビデオで日々の生活や村内の風景、人々の姿を克明に記録し、ドキュメンタリー映画「飯舘村 わたしの記録」を制作した。メディアの取材や講演の依頼にも積極的に応じ、自らの体験を語ってきた。チェルノブイリ原発事故の被災地にも足を運んだ。本も出した(『写真集飯舘村』『までいな村、飯舘』(七ツ森書館など)。

村民の約半数の3000人が東京電力を相手にした裁判外紛争解決手続き(ADR)で賠償の増額などを求めた申立団では、団長に就いた。また、2015年に設立された被災者団体の全国組織「原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)」では、福島原発告訴団の武藤類子さん(三春町)と共同代表を務めていた。

2017年、村の大半で避難指示が解除されると長谷川さんは帰村し、地区内の耕作放棄地でソバづくりを始めた。昼夜の温度差があるので香りの強いソバができ、放射能も基準値以下だが、風評被害で売れなかった。「収益が上がらなくとも、あとの人たちが営農が続けられるよう荒れ地にせず、一番簡単なソバを作っているんだ」と話してくれた。

仲間だった前村長の菅野典雄さんとは、事故後に避難や村づくりをめぐって意見が合わず、袂(たもと)を分かった。(元瓜連町長)

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名無しの市民
2021年11月8日 8:50 AM

竹園の空き官舎に福島の被災者が一時的に住まわれた。いまは木柵で中に入れぬようになって無人だ。竹園地区は70年前の開拓集落だ。満州からの帰還者が入植した。学園都市建設が始まると土地を売って新しい生活を始めた。当時を知るしるしは柿の木だ。新しくできた公園に移植された柿の木は毎年真っ赤な大きな実をつける。柿の木の品種は福島県に多い甲州ひゃくめ柿だ。

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