木曜日, 7月 3, 2025
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つくば霞ケ浦りんりんロード -検索結果

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旧筑波東中にBMXコース整備へ 自転車チーム「弱虫ペダル」提案

つくば市は25日、同市北条、旧筑波東中学校グラウンドに新たに、自転車競技の一つ、BMX(バイシクルモトクロス)コースを整備すると発表した。 市内に活動拠点があるプロの自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」(5月18日付)から昨年、市に提案があったのを受けて、市が来年度、約7500万円でコースを造成する方針だ。2023年に完成予定で、完成後は弱虫ペダルチームがコースを管理運営する予定だという。 BMXは、いくつもの小高い大小のこぶや、曲がり角がつくられた土のコースを、専用の自転車で300~400メートル走り抜けてタイムを競う競技。同中のグラウンド約1.17ヘクタールに全日本大会なども開催可能な最大約380メートルのコースと、子供用コースなどをつくる。さらに300台以上収容できる駐車場も整備する。 同中は秀峰筑波義務教育学校の開校に伴い2018年3月に廃校となった。跡地活用として校舎の一部を、筑波山地域ジオパークの中核拠点施設とサイクリング拠点として整備するため、今年度それぞれ約2200万円と約290万円で設計が実施されている。サイクリング拠点としては1~2階の教室の一部を改修し、自転車修理スペースやシャワー室などを整備する計画だ。 同中は、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の沿線にある。市は、シャワー室などを備えているだけでは短時間の利用が多くなってしまうが、BMXは滞在時間が長く、食事や宿泊など地域への波及効果が期待できると強調する。 弱虫ペダルチームはロードレースなどの選手が多く、BMXの選手は現在、在籍していない。一方、BMXは子供たちが遊び感覚で楽しむことができるため、BMXをきっかけに将来、自転車競技の道に進む選手が出ることが期待されるという。 市は弱虫ペダルチームと近く連携協定を締結し、BMXコースの運営のほか、同中に整備するサイクリング拠点の運営、自転車安全教室の開催協力などを実施してもらう方針だ。 弱虫ペダルチームは人気漫画「弱虫ペダル」の作者、渡辺航さんが立ち上げたチームであることから、市は、同チームと連携することを通して、人気漫画のキャラクターなどを利用し、サイクリング拠点としての集客力向上を図りたい狙いがある。(鈴木宏子)

桜川沿いに交流拠点を 24-25日つくば 長屋門の古民家で「市」

江戸末期に建てられた長屋門を構える、つくば市栄地区の塚本康彦さん宅(同市大)で24、25日、地域交流イベント「ICHI 市 in 栄」が開催される。 土浦市から桜川沿いを遡上し筑波山に至るサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」に沿って、古い街並みや景色の中から、休憩や交流のできる拠点を創出し、コミュニティーを醸成しようと考えられた。今回が最初の試みとなる。 主催は茨城県建築士会筑波支部(長瀨行弘支部長)。「市」の発案は、同支部内で交流しているサイクルスポーツのポタリングから始まった。 有志の一人であるつくば市の茂垣直樹さん(建築設計事務所「m・style」代表)は「将来的には小田地区や北条地区にも同様の拠点と催事を実現し、観光を兼ねて地域の特産品を知り、地元の人々と交流できる機会を創出したい」と趣旨を説明する。 「市」は、同支部の有志が企画する。塚本さん宅の庭先を中心に飲食・物販のマルシェを設営するほか、会として日常進めている耐震・空き家相談会も催す。 約20の出展者が協力し、地元産の食材を使ったランチの提供や農作物の販売が予定されている。筑波支部ではトートバッグづくりなどの行事も準備している。 現地で設営の段取りを進める土浦市の矢口明子さん(建築設計事務所「present」経営)は「栄地区の魅力を食と農と暮らしの視点から発信したい」と意欲を見せる。同地区の歴史や文化を地域の人に話してもらう講座や、染色・草木染め体験、桜川漁業協同組合による桜川に生息するナマズの展示なども予定している。(鴨志田隆之) ◆「ICHI市 in 栄」は24日(土)、25日(日)いずれも午前10時から午後4時まで開催(雨天決行)。両日とも臨時駐車場は近隣の心福寺境内が充てられるが、台数に限りがあるため、支部は乗り合わせや公共交通機関利用を勧めている。詳しくは同会ホームページへ。

PR不足などが課題に つちうらMaaS実証実験をシンポジウムで総括

【池田充雄】観光客の周遊促進や市民の移動手段確保を目的に実施された「つちうらMaaS(マース)実証実験」の活動発表が11日に行われた。この日、県県南生涯学習センター(土浦市大和町)で開かれた「つちうらMaaSシンポジウム2021」プログラムの一つとして、つちうらMaaS推進協議会の松上英一郎会長(関東鉄道社長)が報告した。 実証実験は2月15日から3月12日まで、4種類の事業で展開された。 利用実績は目標の半分強 そのうちの1つ、ジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験は、ジョルダン社(本社・東京)の経路検索アプリ「乗換案内」の付帯サービス「ジョルダンモバイルチケット」を使い、土浦市内のバス、遊覧船、観光施設、物販・飲食店の支払いをキャッシュレス決済する。「アプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービス」というMaaS本来の定義に最も則した実験といえる。 実施期間は2月15日から3月12日まで。市のプレミアム付商品券「コロナに負けるな!応援チケット」の利用期間との重複を避け、さらに外部からの観光客が増える「土浦の雛まつり」や「筑波山梅まつり」の開催期間に合わせる意図があった。しかし結果的に、新型コロナウイルス感染症に伴う県独自の緊急事態宣言のため、これら観光イベントとの相乗効果は見込めなくなった。 当初、推進協議会が目標としていた利用件数は1000件。これは人口80万人の浜松市で行われた同様の実験で、1週間という実施期間で500件の利用結果が得られたため。だが人口14万人・26日間の条件で行われた今回の実験では、目標の半分強に相当する559件(3月10日現在)の利用件数に留まった。 不調の原因としては住民・利用者へのPR不足のほか、利用開始までの登録手続きや、購入したチケットの決済確認などの煩雑さ、利用者への特典の少なさなどが挙げられた。また決済時におつりが出ないので、切りのいい金額設定をした店とそうでない店とでは、平均利用件数に2倍の開きが生じたという。 4つの実験を通して、PR不足から利用者の掘り起こしに精彩を欠いた。これらを踏まえ松上会長は「昨年7月のスタートから、半年間でこれだけのことができ、地域の底力を感じた。各方面のご理解ご協力に感謝する。21年度はコミュニティーバスの自動運転と、マイナンバーカード認証を使ったキャッシュレス化の実証試験を計画している」と話した。(次ページにつづく) このほかの実験の報告は次のとおり。 ▽実験2「自転車道(つくば霞ケ浦りんりんロード)における電動キックボード走行実験」 2月16~20日の期間中に400人ほどの参加者があった。操作性では「非常に簡単」「簡単」を合わせて92%、走行性では「非常に安全」「安全」を合わせて78%、「今後利用したいか」では「ぜひ利用したい」が84%と好評で、96.6%の人が「新しい移動手段として使える」と回答した。 松上会長は「今回は自転車専用道での走行だった。いま各地で、通常の自動車道でヘルメットとナンバープレートを付け、原付自転車と同じ扱いで走行実験が行われており、それらと併せて今後の利用を検討したい」と話し、普及につなげるためメーカーや業界団体に対し、交通マナーの確立を図るよう要望した。(2月19日付) ▽実験3「土浦市新治地区におけるAIコミュニティバス運行実験」 前半2月22日~3月2日が時刻表運行・マイナンバーカード認証方式で63人利用、後半3月3日~11日がデマンド運行・顔認証方式で48人利用(10日現在)だった。1便当たりの利用者数は0.5人で、前回のコミュニティーバス試験運用時の1.7人を下回る残念な結果となった。 狭い道の多い地区ではバスタイプよりもワゴンタイプの方が便利だったこと、デマンド方式は待ち時間の低減につながり、交通不便地域での運用に適することなどが分かった。需要調査について「バスがあったら利用するか」といった旧来型のアンケートではなく、「1日に何回乗るか」「どこからどこまで乗るか」といった実態に即した調査を行い、ビッグデータやプローブデータと共に解析することが重要だとした。(2月22日付) ▽実験4「自動運転一人乗りロボ『ラクロ』走行実験」 2月25日~27日の実験期間中に27人が参加し、91.3%の人が「今後も利用したい」と回答した。走行コースは新治地区公民館から新治学園義務教育学校までの歩道約500メートル。このような郊外地区では目印になるものが少ないため、ラクロの走行に必要な電子マップの作成に、少し苦労するという。また降雨・強風時は、雨やほこりのセンサーへの付着も課題になる。ただし、バス停から自宅へのラストワンマイルを支える交通手段としての技術はおおむね確立しており、今後は普及による低コスト化が重要だという。(2月25日付)

自宅からバス停までの移動手段模索 電動キックボードで実証実験

【山口和紀】電動キックボードは近い将来、自宅からバス停までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことができるのかー。土浦市真鍋の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」で18日、電動キックボードの走行実験が行われた。同市で実証実験が行われている、複数の公共機関やモビリティを組み合わせ、検索・予約・決済等を一元化する「つちうらMaaS」の目玉の一つだ。 実験に使われたのは常総市のベンチャー企業「KINTONE(キントーン)」の電動キックボード「モデルワン」だ。家庭用コンセントから簡単に充電することができ、一度の充電で13~18キロ走行が可能。最高時速は25キロ。孫悟空の「筋斗雲(きんとうん)に乗っているかのように移動できる」という。 今回行われた実証実験では、すれ違い、追い抜き、並走などの様々な状況を、徒歩や車いす、自転車などが通行している状況を想定し実験し、安全性や活用の可能性を探った。 現在、電動キックボードは条件を満たせば原動機付き自転車として公道を走ることができるが、自転車道を走ることは認められていない。一方、欧米ではシェアリングサービスが進むなど一般に普及している。QRコードを読み込むなどの簡単な方法で、街中のステーションから電動キックボードを借りていくことが出来るという。 同社の担当者は「欧米では、新しいことはまずやってみて、そのあと調整して法制度を作っていく。日本は安全性や活用法をきちんと確かめてから法制化という流れ。実際に自転車道を走ることができるのは、早くてもあと5年はかかると考えている」と語った。 実験を行っている関東鉄道の担当者は「バスや電動キックボードのようなモビリティを様々に組み合わせて、より良い交通システムを模索していきたい。」と話した。

「データ活用し次のステップへ」つちうらMaaS始動

【伊藤悦子】次世代の交通システム「つちうらMaaS(マース)」の実証実験が15日スタートするのを前に、開幕式典が14日、同市川口のりんりんポート土浦で開かれた。主催者の「つちうらMaaS推進協議会」会長で関東鉄道(同市真鍋)の松上英一郎社長は「MaaSの実装に向けて準備を進め、いよいよ明日から実験できることになる。15日から3月12にまで4週間実施する。今回の取り組みが土浦市の課題解決の一助になれば」とあいさつした。 MaaSは複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、アプリを利用して検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦市は、国交省の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され、準備を進めてきた。市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的だ。 同協議会副会長の安藤真理子土浦市長は「実証実験で集まったたくさんのデータを活用し、次のステップにいくことを大いに期待する。実証実験が成功することを切に願っている」と力強くあいさつした。 同副会長で、土浦商工会議所の中川喜久治会頭は「MaaSの実証実験は、土浦がテレワークやワーケーションに適した土地であることの大きな発信力にもなる。実証実験を成功させ、土浦の大きな発展の礎になるようにしたい」と抱負を語った。 式典では地元選出の衆院議員、県会議員、市議らがあいさつし「何としても実験を成功させたい」と訴えた。 式典終了後、りんりんロード駐車場内で電動キックボード試乗会が行われた。実際に乗った安藤市長は「やり方がわかれば誰でも乗れる。バランス感覚もそれほど必要ではない。力を使わず楽に、簡単に移動ができる」と感想を話した。 バス路線廃止区域で実験 「何がいいのか、データとる」  式典後、同推進協議会会長の松上英一郎・関東鉄道社長は今回の実証実験の意義などについて次のように話した。 ―実証実験の意気込みは? 松上 昨年の7月から会を発足させて半年でここまでこぎつけた。関係者の尽力に感謝したい。実証実験では(バス停から自宅までの)ラストワンマイルの移動手段として、電動キックボートとラクロ(自動運転一人乗りロボ)の2種類を提案している。電動キックボードはシニアから若い人まで各層で使える。折りたたんで電車やバスに持ち込み、自宅から駅、駅から会社までの移動手段など、1日4回使える乗り物になると提案している。ラクロは都市部で実証実験が済んでいるので、私どもは新治地区の、人混みはないが車がスピードを出して走っている地区で安全走行ができるかを試す。きわめて有効な乗り物だと私どもは思っている。 ラストワンマイルだけでなく、飲食店や交通機関が利用できるモバイルチケットも発売する。ぜひ市内、市外からお越しの方に、モバイルチケットを使ってもらい、土浦市の魅力を再発見していただけたら。 新治地区でコミュニティバスの実験もする。顔認証システムとマイナンバーカードを使った実験で、来年度に向けて、バスの自動運転やマイナンバーカードを使った完全キャッシュレスの実験をしていきたい。 ーデータをとるということだが、目指すところは何か? 松上 実験だから、私どもの仮説は当然ある。しかし、いろいろな方に使っていただいて、まず、不便だとか、もっとこうした方がいいとか、意見を頂戴したい。答えを求めて実験するわけではない。日本のいろいろな地区で参考になるデータが集まればいいと考えている。 ー「つちうらMaaS」は国交省の「日本版MaaS推進・支援事業」に選ばれた全国38カ所の一つだが、全国で初めて行われる実験はあるか? 松上 新たなテクノロジーを使った実験ではないが、「つくば霞ケ浦りんりんロード」で行う電動キックボードのすれ違い実験などは、初めて、安全性走行試験を長距離で実験する。そのデータを各関係者が活用していただければ幸いだ。 ー将来、今回の実証実験の組み合わせで新たな交通手段はできるか。 松上 バスやタクシーの運転手、物流トラックの運転手も国内では減っている。おそらく時間給に見合った労働ではないからだと思っている。バスの運転手は安全運転とお客さんの集金など業務は多岐にわたり、大変な仕事だ。運転手を続ける人が少なくなっている中で、こういった自動運転システムを早晩つくっていかないと公共交通はなくなってしまうかもしれない。こういった実験を我々もやっていこうと思う。 ー今回、実証実験をする新治地区は、以前、コミュニティバス「新治バス」の試験運行を実施したが、成功しなかった(2019年10月29日付)。今回はラクロ(自動運転一人乗りロボ)やAIバスの実証実験をするが、ラクロはバスの運行に寄与するのか。 松上 ラクロも電動キックボードも自宅からバス停までや、駅までの移動手段として有効だと思う。都市部では実証実験が進んでいる。地方都市も同じだ。我々は新治地区でコミュニティバスの実験をやる。以前、関東鉄道のバスが走っていたが1年足らずでやめた。今回は、利用者のデータをもとに、どんな要望があるのかということからバス停の場所を決める。バスが走っても人が乗らなかった地域で、タクシーがいいのか、自転車がいいのか、ラクロがいいのか。私どもはラクロがいいと考えて今回、実証実験をする。 ➡つちうらMaaSの過去記事はこちら

AIバス、自動運転1人乗りロボ 「つちうらMaaS」 15日から実証実験

【山崎実】つちうらMaaS(マース)推進協議会(土浦市、関東鉄道ほか11団体で構成)は15日から3月12日まで、土浦市内でMaaSの実証実験を実施する。 MaaSはアプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦は、国交省国土交通局の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され準備を進めているもので、市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的。 実証実験では▽ジョルダン(本社・東京都新宿区)のアプリ「乗換案内」によるキャッシュレス化実験▽自転車道(つくば霞ケ浦りんりんロード)における電動キックボード走行実験▽土浦市新治地区におけるAIコミュニティーバス運行実験▽自動運転1人乗りロボ「ラクロTM」(AIコミュニティーバスのバス停から自宅までの、ラストワンマイルを担うモビリティー)の走行実験―などを行う。 このうちジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験、自転車道の電動キックボード走行実験、自動運転1人乗りロボの走行実験は県内初の試み。 特に、公共交通の不便地域である新治地区で、市民の移動手段確保を目的として、地区と既存路線バスのバス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバス(無料、1台8人乗り)の運行実験が実施されることは、いわゆる「交通弱者」対策の切り札として注目される。 各実証実験の詳しい内容は以下の通り。 ▽ジョルダンのアプリ「乗換案内」を使ったマルチモーダル経路検索・モバイルチケット利用(2/15~3/12実施)=同アプリで、タクシーを含めたマルチモーダル経路検索と合わせ、キャッシュレスで「つちうらMaaSモバイルチケット」を購入すれば、スマートフォン一つでバスの乗車や市内の飲食店や物販店(計59店)、観光施設などの利用ができる。「土浦グルメ・ショッピングチケット」「霞ケ浦観光遊覧船乗船券」「予科練平和記念館観覧券」「土浦市内バス1日乗車券」があり、各チケットには割引や利用特典がある。 ▽自転車道での電動キックボードの走行実験(2/16~20)=電動キックボードは現在、所定の要件を満たせば原付きバイクとして公道を走行できるが、自転車道は認められていない。今回、つくば霞ケ浦りんりんロードの一部区間で、電動キックボードの活用可能性を探るため、すれ違い、追い抜き、並走など、さまざまな条件の下で安全性を確認する走行実験をする。電動キックボードは、キントーン(Kintone、本社・常総市)社が製造した茨城モデルの「キントーンモデルワン」を使用する。電動キックボードは、世界で普及しており、将来、バス停から自宅までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことが期待されている。 ▽「新治コミュニティーバス」運行実験(2/22~3/11)=土浦市新治地区で、地区と既存路線バス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバスの運行実験を実施する。運行ルートの策定にあたっては、市民の移動需要を的確に捉えるため、Agoop(本社・東京都渋谷区)からビッグデータ(流動人口データ)の提供を受け、筑波大学システム情報系社会工学域、鈴木勉研究室の研究成果を踏まえ、ルートを策定した。運行は、3月2日までは時刻表に基づき運行する。3月3日からはNTTドコモ(本社・東京都千代田区)が提供するオンデマンド乗合交通システムにより運行し、効率的な運行を実現する。「AI運行バス」はNTTドコモが提供する「高度なAIによる配車制御で、乗りたいときに、乗りたい場所で、誰でも簡単に乗車予約ができる(オンデマンド)サービス」。利用者がウェブサイトや電話で乗降場所と乗車人数を予約すれば、運行中のAIコミュニティーバスがリアルタイムに配車される仕組み。車両と運行経路をリアルタイムにAIが決定し、ウェブサイトに乗車予定時刻が表示される。バスの乗車にあたっては、NECソリューションイノベータ(本社・東京都江東区)の顔認証システム及びICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(本社・群馬県前橋市)のマイナンバーカード公的個人認証システムによる認証実験を実施する。 ▽自動運転一人乗りロボ「ラクロ」走行実験(2/26~27)=AIコミュニティーバスのバス停から自宅までのラストワンマイルを担うモビリティーとして、新治地区公民館付近の歩道で走行実験を実施する。「ラクロ」は、ZMP(本社・東京都文京区)が提供するサービス。シニアカーや電動車いすとは異なり、ジョイスティックなどを使った手動操作が必要ない。自律移動機能を搭載しているため、誤操作による事故も回避でき、バス停から自宅までラストワンマイルを担う安全性の高いモビリティとして活用が期待されている。さらに豊かな表情や声によるコミュニケーションも可能なことから、人と共生するロボットとして周囲の歩行者などと交流を図りながら走行することで街を明るくする効果も期待されている。郊外地域での走行実験は全国初。 問い合わせはつちうらMaaS推進協議会事務局(電話029-822-3710)

過去最大を更新 つくば市新年度予算案 総合運動公園の借入金62億円を返済

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長は4日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比1.3%増の約897億1300万円、特別会計などを含めた総額は同比0.5%増の約1495億1300万円で、3年連続で一般会計、総額いずれも過去最大を更新した。 主な事業として、つくばエクスプレス(TX)沿線で小中学校3校と、11校が共同利用する温水プール、学校併設のコミュニティ施設2カ所を新設するほか、総合運動公園用地購入借入金のうち計62億円を3月補正も含めて返済する。 コロナ禍 法人市民税13%減 新型コロナの影響で、歳入は市税収入が前年度比2.2%減ると見込む。同市ではTX沿線地区の人口増などによりここ数年、市税収入が毎年10億円程度増えてきた。市税が減収となるのは、2011年のリーマンショック以来、10年ぶり。 市税のうち、法人市民税が同比13%減少すると見込む。固定資産税は3年に1度の評価替えなども行われることから2.2%減、個人市民税は1.1%減を見込む。 利子負担1億円減らす 総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)は、市土地開発公社が金融機関から66億円を借り入れて購入し、24年3月が返済期限となる。毎年約3600万円ずつ増える利子を減らすため、3月補正で約53億円、21年度当初予算で約9億円を、市が公社に無利子貸し付けをして返済する。残り約6億円は22年度と23年度にさらに約3億円ずつ返済し、1年前倒しで完済する。これにより利子を約1億円減らすことができるという。 歳出の主な事業のうち学校建設は、23年4月開校の研究学園地区小中学校(建設費約20億5700万円)と香取台地区小学校(建設費約9億5300万円)で校舎の建設が始まる。24年4月開校のみどりの南小中学校は設計費(約2億2200万円)を計上する。 学校関連ではほかに、みどりの地区に新設の共同利用温水プールは約6700万円で設計を実施する。学校利用のほか、市民が利用することもできる。葛城小学校の新校舎と香取台小学校には、学校に併設して、地域住民が利用するコミュニティ施設を新設する(建設費計約1億3600万円)。 給食センターをまた新設 児童・生徒の急増により、学校ばかりでなく給食センターも足りなくなることが想定されるため、25年度の開所を目指し新桜学校給食センターの設計(約2200万円)を実施する。給食センターは今年4月、1万2000食を調理できる「つくばほがらか給食センター谷田部」が開所したばかりだが、さらに新設する。 文科省が進めるGIGA(ギガ)スクール構想の一環として約3億6200万円を計上し、小中学生に1人1台パソコン端末を整備する。 春日の旧消防庁舎を解体(2億2800万円)し、筑波大と連携して、跡地に児童発達支援センターを開設するための内装設計(900万円)を実施する。 つくばセンタービル改修設計費6300万円 つくばセンタービルの改修は、市民活動拠点を再整備するための設計費として約6300万円を計上する。 観光では、1986年に建てられ老朽化した筑波山観光案内所を建て替える(約1億7800万円)。 今年、再認定審査が実施されイエローカードが出されると危惧されている筑波山地域ジオパークは、旧筑波東中の一部教室に中核拠点を整備するための設計費(約2200万円)を計上する。 旧筑波東中には併せて、つくば霞ケ浦りんりんロードのサイクリング拠点を整備するための設計(約290万円)も実施する。 つくば駅と研究学園駅周辺ではシェアサイクルの実証実験を開始する(約1600万円)。 五十嵐市長が2期目の課題(20年11月5日付)に挙げた広報のあり方については、市民に市政情報を深く知ってもらうため、新たに「市政情報かわら版」を制作し、区会回覧で配布する(約190万円)。 今年もいつ収束するか先が見通せない新型コロナ対策費については、21年度当初で児童館のエアコン設置やタクシー事業者支援など計約6億4300万円を計上する。1人10万円の特別定額給付金があった20年度のコロナ対策費は279億円だった。

水辺のまち土浦をカヌーで遠足 来春始動へ ラクスマリーナ

【鈴木宏子】水辺のまち土浦で、市内を流れる川をカヌーで巡り、自然体験や観光に生かそうという新たな試みが始まっている。コロナ禍、野外で、親子や小グループでも楽しめる旅行商品づくりでもある。 霞ケ浦で遊覧船を運行するラクスマリーナ(同市川口、社長・栗原正夫土浦市副市長)が企画した「カヌー遠足」で、来春の商品化を目指している。 ガイドが付き添い、遠足気分でカヌーを楽しんでもらおうという企画だ。市街地を流れ、両岸に約200本の桜並木が続く桜の名所、新川を水面から巡る「新川遠足」や、夏にはハスの花が一面に広がる日本一のハス田を巡る「霞ケ浦レンコン田遠足」などが企画されている。 企画は、県の筑波山・霞ケ浦広域エリア観光連携促進事業「アウトドア層向け新商品企画開発」の開発部門で入賞し、11月から来年2月まで計5回のモニターツアーが実施される。 モニターツアーで子供たちが新川巡り 初のモニターツアーは11月に実施され、つくば市研究学園の総合型地域スポーツクラブ、NPO法人Next one(ネクスト・ワン、井上真理子代表)の小学1年から5年生約20人が、新川のカヌー遠足に参加した。初めてカヌーに乗るという参加者もいた。 午前10時、霞ケ浦・土浦港のラクスマリーナを出発、霞ケ浦から新川河口に入り、常磐線の鉄橋など計9カ所の橋をくぐって、桜並木が途切れる真鍋橋上流まで上り、Uターンする往復4キロを巡る約2時間のコースだ。真鍋橋では、川岸に立地するコンビニに上陸してトイレ休憩。子供たちはコンビニ店で一人200円ずつ渡され、それぞれ好きなおやつを買うなど遠足気分を盛り上げる演出もあった。 参加したつくば市の小学3年、女子児童は「いろいろな景色が見えて面白かった」、同市、同3年の男子児童は「流れが強いところがあって岸にぶつかりそうになったけど楽しかった」などと話していた。 同NPOアシスタントマネジャーの河田萌さん(28)は「子供たちは自分たちの力で進んで、仲間と協力しながら乗り越えることを体験できたと思う」と語った。 ツアーのガイドには、土浦港で年4回実施されているカヌーやヨット体験イベント「誰でも楽しもう霞ケ浦」を支えるボランティアらが参加し、子供たちの安全を見守った。「誰でも楽しもう」は2005年から開催され、障害者も高齢者も子供も、だれでも霞ケ浦を楽しんでもらおうという催しだ。ツアーにガイドスタッフとして参加した筑波大出身で埼玉県春日部市の会社員、木村穂高さん(53)は「子供たちは、ぐらぐらする水面や非日常を楽しんでくれたと思う」と話す。 カヌー遠足を企画したラクスマリーナ取締役の秋元昭臣さんは、自転車愛好者がつくば霞ケ浦りんりんロードを自由に行き来して楽しんでいるように、水面ではカヌーが行き来し、誰でも気軽に楽しめるようになることを目指したいとし、「霞ケ浦には56本の流入河川がある。皆が水に親しむようになれば、川もよりきれいになるのでは」と話す。 ◆カヌー遠足は「新川遠足」が片道1.3キロ、往復90分で参加費は大人4500円、子供(小学4年生以上)2500円、「霞ケ浦レンコン田遠足」は片道650メートル、往復90分で、参加費は大人3500円、子供2000円。料金はいずれも税込み。詳しくは電話029-822-2437(ラクスマリーナ)。

高齢化団地で振興事業、2駅周辺でシェアサイクル つくば市長が2期目所信

【鈴木宏子】改選後初のつくば市議会12月定例会が3日開会し、五十嵐立青市長は2期目の所信を表明した。高齢化が進む住宅団地で周辺市街地振興事業を横展開するとしたほか、つくば駅と研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するなどと表明した。一方、課題の中心市街地活性化や旧総合運動公園用地について新たな言及はなかった。 まず新規感染者が急増している新型コロナウイルス感染拡大対策について、市役所窓口でのデジタル手続きを推進するほか、健康体操教室を通した高齢者の体力づくり支援、地元企業からの相談体制強化など、きめ細やかに取り組んでいくとした。 まちづくりについては、1期目に実施した、旧町村の旧市街地8地区などでの活性化協議会設立や市内外から地域活性化プランを募るコンペなどの取り組みを、他の周辺地域や住民が減少している住宅団地などにも横展開していくと強調した。 一方、中心市街地活性化については、つくばセンタービルをリニューアルして新たな市民活動拠点、市民窓口、多様な働き方を支える場を整備し、中心市街地を活性化する主体となるまちづくり会社を立ち上げるとするにとどまり、改選前の9月議会で指摘があった、まちづくり会社をだれが、どのように運営するか、収支は見合うのかなどについて言及はなかった。 1期目に「総合運動公園問題の完全解決」を最大公約に掲げながらも方向性を示すことができなかった旧総合運動公園用地については、「市民や議会の意見を聞きながら、市にとって必要な方向性について、財政面での実現可能性とも合わせてできるだけ早い段階で決定したい」とするにとどめた。 陸上競技場の整備についても、議会や有識者会議の意見を聞きながら進めていくとするにとどめた。一方、廃校跡地を活用して文化芸術拠点を整備するとし、インフラ整備では多発する災害に備え防災倉庫を含めた拠点の整備を進めるとした。 ほかに、自転車利用の促進について、つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに指定されサイクリングを楽しむ機運が高まっているとして、旧筑波東中跡地などの廃校を活用して、りんりんロードから立ち寄ることができる自転車の拠点を整備すると表明したほか、つくば駅や研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するとした。 子育て環境の整備では、子供の医療費助成について、現在、高校生は入院費用のみ助成しているマル福を、高校生の外来診療まで拡大するとした。 教育では、今後5年間でTX沿線に、香取台地区小学校、研究学園小中学校、みどりの南小中学校(学校名はいずれも仮称)を整備するとし、エアコン整備について、小中学校の特別教室や児童館のプレイルームにも拡大するとした。 福祉ではほかに、高齢者憩いの広場の整備推進や、筑波大と連携して取り組む児童発達支援センターの開設などを進めていくとした。

頑張る土浦応援花火打ち上げ サプライズなのにファン参集

【相澤冬樹】悪疫退散! コロナに負けるな! と打ち上げる「頑張る土浦応援花火」が3日夜、土浦市の霞ケ浦畔を会場に行われた。「3密」対策から、打ち上げ場所を伏せてのサプライズ花火だったが、地元の花火ファンたちはどこからか情報を聞きつけて、続々と会場付近に参集。30分間、1200発の花火が織りなすショーに見入った。 89回目を迎える今年の土浦全国花火競技大会は市制施行80周年記念の節目の大会となるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。応援花火はその代替として、一部競技要素を盛り込んでの開催。競技大会の目的である花火技術の維持向上を図るとともに、各地の花火大会の中止で苦境に陥った業者への支援を掲げている。 市内ではこれまでに、9、10月の2回開催されているが、10号玉やスターマインなど1200発を打ち上げる今回が最大規模。例年、競技大会に出場している北海道から鹿児島まで52業者が参加した。花火は同大会の実行委員会が管理して打ち上げる。例年の開催場所から桜川を下った霞ケ浦の河口部に、台船4台をつなげて特設した。 「会場は霞ケ浦」との情報を聞きつけた市民ら土浦の花火ファンは、早々に霞ケ浦総合公園などに集まり、対岸の湖岸堤にあるつくば霞ケ浦りんりんロード側にも車列ができた。前夜の雨も昼には上がり、曇天ながら無風に近い花火日和となった。 日のとっぷり暮れた午後6時半、最初の1発が上がり、短い間隔で10号玉が夜空に散っていく。マスク姿で見上げる観客から歓声が上がり、ため息が漏れた。「土浦の花火」は2年連続して事故で途中打ち切りになり、今年はコロナ禍で中止、地元の花火ファンは花火に飢えていた様子だ。 今回は、10号玉の部36作品と、75発構成のオリジナル花火の部16作品の2部門で競うオンライン花火競技大会の趣向もある。応援花火で打ち上げた分を録画するなどして、12月7日から20日、動画投稿サイトのYouTube(ユーチューブ)で配信する。一般投票も行われ、各部門の上位者に賞金も用意する。 https://youtu.be/Y64H4BAKgi4

「土浦を次の世代に」 市制施行80周年式典で安藤市長

【相澤冬樹】土浦市の市制施行80周年を記念する式典が3日、同市東真鍋のクラフトシビックホール(土浦市民会館)で開かれた。コロナ禍のため市民一般には呼び掛けず、自治体関係者を中心に約300人を集め行われた。安藤真理子市長は「歴史と文化のまち、土浦を次の世代に引き継いでいく」と力強くあいさつした。 式典は刻(とき)の太鼓で幕があがった。17世紀中期の明和年間制作と伝わる。2000年、市制施行60周年を機に市民の手で修復された。約250年経った今日でも6月の「時の記念日」を中心に土浦城櫓(やぐら)門で打ち鳴らされている。「歴史のまち」土浦を象徴する市指定文化財だ。 こうした歴史を踏まえ、安藤市長は「つくば霞ケ浦りんりんロードや水郷筑波国定公園、レンコンをはじめとする農産物など誇れる資源に磨きをかけ、土浦に新たなにぎわいの呼び起こしを図りたい」と式辞を述べた。来賓あいさつの大井川和彦知事、衆院議員らも口々に、全国花火競技大会とレンコン、りんりんロードを地域資源として生かすまちづくりを訴えた。 この日招かれたのは県内や姉妹都市の自治体関係者が中心。市民では自治功労などで表彰を受ける個人や団体・企業の代表が出席した。自治表彰で7人、市政特別功労で22人をはじめ、福祉や保健衛生、教育などの分野で功績があったとして計240人、242団体・企業に表彰状、感謝状が贈られた。 同市は1940(昭和15)年11月3日、土浦町と真鍋町の合併により県内3番目の市(人口3万5567人)として誕生した。水害や戦災を経て県南の商都として発展したが、オイルショックやバブル崩壊、リーマンショックなどの影響から市勢は停滞。2006年、新治村と合併(14万4106人)し、近年ではりんりんロードの結節点としてサイクリング客など交流人口を増やしている。7月1日現在の常住人口は13万8173人。

【気分爽快 りんりんロード】6 サイクルツーリズムの先駆者 張替幸一さん

【伊藤悦子】土浦市の張替幸一さん(63)は「HMBアウトドアクラブ」という社会教育団体の会長として、妻のゆかりさん(57)と、家族向け、初心者向けなど、誰でも参加できるサイクリングイベントを多数企画している。 元公立学校の教員で、現在は土浦市小岩田西にある学習塾「學藝(がくげい)塾」を経営する。 ボーイスカウトの指導者だった経験を生かし、もともと塾の子供たち向けにアウトドア活動を行っていた。サイクリングの楽しさも伝えたいと考え、2004年に第1回「霞ケ浦サイクル&クルーズ」を企画した。 霞ケ浦で遊覧船を運航するラクスマリーナ(土浦市川口)のホワイトアイリス号をチャーターし、土浦から潮来まで自転車を載せてクルーズ、潮来から土浦まで約55キロを自転車で戻るというイベントだ。 以来「サイクリング天国いばらきを走ろう」を合言葉に、「自転車を通して休日を1日丸ごと楽しもう」という理念で、季節ごとにサイクリングイベントを企画している。 サイクル&クルーズは04年から07年まで4年連続実施し、18年に復活、19年に6回目を開催した。6回の参加者は延べ400人に及ぶ。 つくば霞ケ浦りんりんロードを活用したサイクルツーリズムは、17年の自転車活用推進法施行を受け、県が19年に自転車活用推進計画を策定して本格始動したばかり。張替さん夫妻の活動は、県を挙げての取り組みより15年も早く、つくば霞ケ浦地域のサイクルツーリズムの先駆者の1人でもある。 夫妻が目指すのは、みんなが驚いたり感動したりするテーマパークのアトラクションのようなイベント。ファミリー向けの「くるっと霞ケ浦35キロ」、ビギナー対象の「筑波山麓ご朱印ライド」、レンタサイクルで参加できる「つくば土浦カフェランチ自転車散歩」などユニークだ。 会員制ではなく、イベントごとに「この指とまれ」式で参加者を募集をする。すべてのイベントにはサポートカーが同行し、安全にも考慮している。 のんびり走り 楽しさに目覚めた 幸一さんと自転車との出合いは32歳のとき。筑波大学出身のトライアスロン選手から競技用の自転車一式を譲り受けたのがきっかけで、自転車競技に夢中になり練習に打ち込んだ。自分を追い込み、ひたすら霞ケ浦周辺を走った。今思うと「当時はつらかった」と振り返る。 しかし43歳のとき、体調を崩したことをきっかけに、のんびり走る家族向けサイクリングイベントに参加し、楽しさに目覚めた。かつて練習で何度も走った、霞ケ浦周辺の美しさや走りやすさに改めて気づいたという。 ゆかりさんも幸一さんの影響を受けて、クロスバイクに乗り始めた。2002年には30キロを走る東京シティーサイクリングに参加した。 サイクリングの魅力をゆかりさんは「初めて会った人同士でも、1本激坂(げきさか=激しい勾配の坂)を一緒に登ると、苦しさのあまり自然に笑顔になり途端に打ち解けてしまうところ」だと話す。 張替さん夫妻にとってりんりんロードの魅力は「ずばり筑波山と霞ケ浦があること」。風光明媚な景観はどこにも負けないと強調する。特に筑波山は、見る方向、見る時間によって表情を変えるところが魅力的だという。 一方で「心配なこともある」と話す。「りんりんロードには街灯がほとんどない。生活道路や通学路として使っている人もいる。安全のためにも街灯を設置してほしい」と訴える。また「トイレが少ないのもサイクリストにとっては不安」だという。 ◆HMBアウトドアクラブへの問い合わせは、https://hmb.lets-sports.net/。ツイッターアカウントは、HMBアウトドアクラブ 霞ケ浦 Cycling Team-イベント再開しました-

自転車乗せてようやくの船出 霞ケ浦広域サイクルーズ

【伊藤悦子】霞ケ浦のクルージングとつくば霞ケ浦りんりんロードの湖畔サイクリングが一緒に楽しめる「霞ケ浦広域サイクルーズ」が3日、土浦港(土浦市川口)発着で行われた。コロナ禍で開催が先延ばしになっていたが、ようやくの船出に待ち望んだサイクリストらが遊覧船ホワイトアイリス号に乗り込んだ。 サイクルーズは今シーズン、新たな寄港地に歩崎桟橋(かすみがうら市)が加わり、玉造桟橋(行方市)、潮来港(潮来市)と合わせ3カ所を周遊するコースとなった。遊覧船を運行するラクスマリーナ(土浦市川口)の高野利夫さんは、「3月頃から新型コロナの影響でずっと開催できなかった。今日やっとできてようになって待ちに待ったという感じ」と語った。 土浦港の出港は午前9時半、サイクリスト29人が愛車とともに乗船した。乗船中はスタッフ、客ともマスクを着用、乗・下船のたびにアルコールスプレーで手指を消毒するなど、新型コロナ感染対策を行った。船内にはサイクルスタンドが設置されるなど輪行仕様になっている。 サイクルーズでは各寄港地まで乗船して自転車で各地に向かったり、逆に寄港地まで自転車で行き船で土浦港まで戻ったりと、体力に合わせた好きな楽しみ方ができるのが特徴だ。歩崎桟橋は今年7月22日に開所したばかりで、サイクルーズの遊覧船が寄港するのはこの日が初めて。新しい桟橋にも数人のサイクリストが降りたった。 潮来港から乗船してきた都内在住の女性(31)は、JR東日本千葉支社が運行しているサイクリスト専用電車「B.B.BASE(ビービーベース)」を利用して、両国駅(東京)から潮来まで来た。「サイクルーズの動画を見て、楽しそうだと友人と申し込んだ。今日は土浦駅に隣接したホテルに泊まる。土浦は初めてなのでとても楽しみ」という。 快晴無風、絶好のサイクリング日和を満喫した一行は午後1時に土浦港到着。自転車を持っていない人でもレンタルサイクルで楽しめるのがつくば霞ケ浦りんりんロードで、サイクルーズの寄港地でも利用可能だ。オンライン予約は「RingRing広域レンタサイクル予約システム」から。 サイクルーズは完全予約制。土浦港から潮来港が1回乗船1000円(税込み、小学生以下は半額)その他の区間は1回乗船500円(同)。今後の日程は次の通り(いずれも土曜日)。10月17日、31日、11月14日、28日、12月12日、来年1月23日、2月6日、20日、3月6日、20日。問い合わせはラクスマリーナ(電話029-822-2437)

【気分爽快りんりんロード】5 レンタサイクルの楽しみ 伊藤孝二さん

【田中めぐみ】一度はりんりんロードを走ってみたいが車しかない、輪行できるような自転車は持っていない、そんな人におすすめなのが、りんりんポート土浦(土浦市川口)で借りられるレンタサイクルだ。茨城県と土浦市、つくば市など8市町で構成する水郷筑波広域レンタルサイクル事業実行委員会のサイクリングサポートデスク、伊藤孝二さんに話を聞いた。 りんりんポート土浦は、自転車と車と船をつなぐ交通拠点として昨年3月にオープンしたスポット。敷地内をりんりんロードが通っており、およそ100台の無料駐車場に、無料Wi⁻Fi環境のある休憩スペースやシャワー室、自転車のメンテナンススペースを完備している。1階はガラス張り、屋上からは霞ケ浦を望める開放的な施設だ。 伊藤さんは新潟県の出身で、全国のサイクリングロードに詳しいサイクリストだ。JCF(日本自転車競技連盟)の審判員やサイクリング・インストラクターの資格も持つ。2011年に早期退職して自転車関連の仕事を始めた。広島・岡山両県にまたがるサイクリングロード「しまなみ海道」には、出張とプライベートを合わせ、年に10回、10年間通ったという。 「サイクリングの魅力は、四季折々の風を感じられることでしょうか。レースには出ませんが、一時期ロードバイクでストイックに自分を追い込み、峠や長い距離を走ったりもしていましたが、やはり気の合う仲間と走ったり全国各地をめぐるサイクリングが一番楽しいですね」2014年からは茨城県のサイクリング事業に携わり、サイクリングのPRや安全教室など自転車活用推進活動を行った。現在の広域レンタサイクル事業には2015年から携わっている。 2019年度のレンタサイクル利用台数は3024台に達した。サイクリングサポートデスクの仕事は、毎日30件以上あるレンタサイクル利用者の予約、問い合わせなどのメールを整理して自転車の配置計画を立てること。また、その計画に従って利用者の希望する施設へ自転車を配送、回収したり、自転車のメンテナンスを行ったりしている。常にワゴン車で移動しているため、デスクにいることはほとんどないという。 6車種がレンタル可能 レンタルできる車種は6種類で、1日1500円から4000円(無料ヘルメット付き、税込み)。車種によって料金が異なる。どんなところでも走りやすいクロスバイクは万人におすすめだ。ミニベロ(小径車)は小回りが利くので街乗りに適しているという。 体力に自信のない人や、初心者だが経験者に同行したい人などには、電動アシスト付きのクロスバイク「Eバイク」が便利。いわゆるママチャリの電動自転車は充電が早々に切れてしまうが、貸し出しているEバイクはスポーツバイクと同様の設計でバッテリーの容量も大きい。りんりんポート土浦から筑波山まで往復したり、霞ケ浦一周したりしても充電が切れる心配はないという。 2人乗り用のタンデム自転車もある。レンタサイクル事業は、TXつくば駅のつくば総合インフォメーションセンターを含むりんりんロード沿い11カ所の施設で行っており、乗り捨ても可能。(タンデムのみ乗り捨て不可)利用日の3日前までの予約が必要で、つくば霞ケ浦りんりんロードホームページ「RingRing広域レンタサイクル予約システム」からオンラインで予約ができる。これから自転車を始めようというなら、購入前にレンタサイクルで乗り心地を試してみる利用法もありそうだ。 船や電車の輪行便 3日スタート りんりんポート土浦に隣接するラクスマリーナ(土浦市川口)が運航する「霞ケ浦広域サイクルーズ」は、自転車を乗せられるクルージング。今季は3日のスタートとなる。土浦港午前9時30分発で、湖内の歩崎桟橋(かすみがうら市)、玉造桟橋(行方市)、潮来港(潮来市)を回り、土浦港に午後1時に戻ってくる。 今夏お目見えした歩崎桟橋(かすみがうら市坂)までレンタサイクルで行き、土浦まで船で戻ってもいいし、潮来港から半周するプランなら霞ケ浦一周より気軽に挑めそうだ。土浦港-潮来港が1回乗船1000円(税込み、小学生以下は半額)、その他の区間は500円(同)。来春まで土曜日に11回の運航が予定されている。完全予約制。電話029-822-2437(ラスクマリーナ) 3日はまた、自転車をそのまま電車内に持ち込んで移動できるサイクルトレイン、房総バイシクルベース(通称B.B.BASE)が佐原・鹿島コースの運転を開始する。3日、4日と11月7日、8日の土日の期間限定で、鹿島線の鹿島神宮駅、潮来駅に停車する。潮来着は往路が午前10時07分着、復路が午後5時06分発だ。JR東日本千葉支社がサイクリスト向けに企画した。 通常、電車内に自転車を持ち込む際は折りたたんで輪行袋に入れなければならないが、B.B.BASEには専用ラックが備え付けてあり愛車をそのまま持ち込むことができるという。「霞ケ浦広域サイクルーズ」と組み合わせれば、潮来駅から一気に房総方面まで遠征できる、と伊藤さんのおすすめ。前日までの予約が必要で、計画する際は注意したい。 チケット購入サイトはこちら

【気分爽快 りんりんロード】4 ヒルクライムに熱中 志賀旭さん

【田中めぐみ】筑波学院大3年の志賀旭さん(21)は、昨年4月、兄の大海(ひろみ)さんに誘われたのがきっかけでつくば霞ケ浦りんりんロードを走り始めた。休日の早朝、つくば市内の自宅から出発して土浦駅まで行き、りんりんロードに入って平沢官衙遺跡(つくば市平沢)まで走る。そこから、つくば市と石岡市の境にある標高294メートルの不動峠、筑波山南東の尾根に位置する標高412メートルの風返し峠、つつじが丘駐車場に上るヒルクライムコースが特にお薦めだそうだ。 坂を上りきる達成感 「ヒルクライムはとにかく体力勝負。余った体力を坂にぶつけている。頂上まで上り切った時の達成感が最高」と志賀さん。「ギアを軽くして上る人もいるが、自分は軽くせず、一度も止まらずに強い踏み込みで上っていく。動いている、確かに前進していると感じられるのがヒルクライムの楽しさ」と顔をほころばせる。 不動峠の平均勾配は7%。途中10%を超える急傾斜もある。風返し峠を過ぎると標高は500メートルになる。兄の大海さんと、どちらが早く着くか競い合うこともあるそうだ。 つつじケ丘駐車場から筑波山神社に向かいダウンヒルで下りてきた後、りんりんロード沿いの筑波休憩所近くにある「松屋製麺所」(つくば市沼田)で食べるラーメンは感動の味だそう。「サイクリスト向けに駐輪用の自転車スタンドが置いてあり、席数もメニューも少ないが、安くてめちゃくちゃおいしい」 バイトしクロスバイク購入 志賀さんが初めてクロスバイクを手に入れたのは昨年10月。大学に進学してから物流倉庫で荷物を仕分けするアルバイトを始め、貯めたお金で購入した。同時にヘルメット、スパッツ、シューズと、ペダルを固定するクリートという器具なども購入し、本格的に自転車に取り組み始めた。 クリートを使ってペダルにシューズを固定すると、ペダルを引き上げたり回したりする動作が安定し、ヒルクライムでもダウンヒルでも効率的な走りができるようになった。しかし、ペダルから足を外すのにコツがあり、慣れないうちは足が外れず何度も転んでけがをした。転びながらコツを覚え、今では自在にペダルを操れるようになったと話す。 どこにでも行ける自由さが魅力 元々自転車で走ることが好きだったという志賀さん。小学校から高校時代まで自転車で通学していた。自宅から高校までは片道およそ13キロあり、自転車通学で基本的な体力が付いたという。 りんりんロード付近には様々な史跡があることから、地域の歴史に興味を持つようになり、在籍する筑波学院大の社会貢献活動「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」では、文化財を案内するボランティア活動を行った。 「自転車で行動範囲が広がると同時に自分の世界も広がったように感じる。自転車さえあれば自分でどこにでも行ける、その自由さに取りつかれてしまった」

【気分爽快 りんりんロード】4 ヒルクライムに熱中 志賀旭さん

【田中めぐみ】筑波学院大3年の志賀旭さん(21)は、昨年4月、兄の大海(ひろみ)さんに誘われたのがきっかけでつくば霞ケ浦りんりんロードを走り始めた。休日の早朝、つくば市内の自宅から出発して土浦駅まで行き、りんりんロードに入って平沢官衙遺跡(つくば市平沢)まで走る。そこから、つくば市と石岡市の境にある標高294メートルの不動峠、筑波山南東の尾根に位置する標高412メートルの風返し峠、つつじが丘駐車場に上るヒルクライムコースが特にお薦めだそうだ。 坂を上りきる達成感 「ヒルクライムはとにかく体力勝負。余った体力を坂にぶつけている。頂上まで上り切った時の達成感が最高」と志賀さん。「ギアを軽くして上る人もいるが、自分は軽くせず、一度も止まらずに強い踏み込みで上っていく。動いている、確かに前進していると感じられるのがヒルクライムの楽しさ」と顔をほころばせる。 不動峠の平均勾配は7%。途中10%を超える急傾斜もある。風返し峠を過ぎると標高は500メートルになる。兄の大海さんと、どちらが早く着くか競い合うこともあるそうだ。 つつじケ丘駐車場から筑波山神社に向かいダウンヒルで下りてきた後、りんりんロード沿いの筑波休憩所近くにある「松屋製麺所」(つくば市沼田)で食べるラーメンは感動の味だそう。「サイクリスト向けに駐輪用の自転車スタンドが置いてあり、席数もメニューも少ないが、安くてめちゃくちゃおいしい」 バイトしクロスバイク購入 志賀さんが初めてクロスバイクを手に入れたのは昨年10月。大学に進学してから物流倉庫で荷物を仕分けするアルバイトを始め、貯めたお金で購入した。同時にヘルメット、スパッツ、シューズと、ペダルを固定するクリートという器具なども購入し、本格的に自転車に取り組み始めた。 クリートを使ってペダルにシューズを固定すると、ペダルを引き上げたり回したりする動作が安定し、ヒルクライムでもダウンヒルでも効率的な走りができるようになった。しかし、ペダルから足を外すのにコツがあり、慣れないうちは足が外れず何度も転んでけがをした。転びながらコツを覚え、今では自在にペダルを操れるようになったと話す。 どこにでも行ける自由さが魅力 元々自転車で走ることが好きだったという志賀さん。小学校から高校時代まで自転車で通学していた。自宅から高校までは片道およそ13キロあり、自転車通学で基本的な体力が付いたという。 りんりんロード付近には様々な史跡があることから、地域の歴史に興味を持つようになり、在籍する筑波学院大の社会貢献活動「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」では、文化財を案内するボランティア活動を行った。 「自転車で行動範囲が広がると同時に自分の世界も広がったように感じる。自転車さえあれば自分でどこにでも行ける、その自由さに取りつかれてしまった」

【気分爽快 りんりんロード】3 自転車好きとラーメン好きのクロスロード

【伊藤悦子】サイクリストのためのラーメン店「カフェと迷ってラーメン屋」が20日、霞ケ浦総合公園のすぐ近く、土浦市大岩田にオープンする。店を切り盛りするのは柴沼政寛さん(53)と律子さん(51)夫婦。ともに水戸市で公立中学校の教員をしていたが、自転車好きとラーメン好きが高じて、職を辞し、土浦に転居してきた。 ユニークな店名は、政寛さんの「その瞬間に一生懸命なら、貫かなくてもいい、諦めたっていい、迷ったっていい」という思いから付けた。政寛さんは大学時代、自転車競技に打ち込んでいた。しばらく乗ることがなかったが、5年前子供が独立したのをきっかけに久しぶりにロードバイクに乗ってみたそうだ。自転車はのんびり漕ぎながら景色を眺める楽しみもあれば、筑波山や愛宕山に登り体を鍛えることもできる。 平坦なスプリントを走る自転車競技とは異なる楽しみを見つけたという。水戸からよく、つくば霞ケ浦りんりんロードを訪れた。霞ケ浦も筑波山にもアクセスがいい土浦には特に心惹かれたそうだ。自転車は1人で楽しむこともできるし、仲間で走ることができることも魅力的だと話す。 律子さんが初めてロードバイクに乗ったのは3年前。その楽しさにすっかり虜になったという。「初めて乗った時、その軽さに驚いた。漕いでも漕いでも疲れないし、私にもできるんだと思った。何十キロ走っても疲労感がない。夜少し疲れたかな? と思う程度。景色が見ながら漕ぐのが本当に気持ちよかった」 土浦の食材を使ったラーメン 政寛さんのもうひとつの好物がラーメン。10年前から独自に麺の研究をしてきた。開業の地を大岩田にしたのは、「霞ケ浦総合公園がすぐ近く、岩瀬(桜川市)から土浦へのコースと霞ケ浦一周のポイント地点。サイクリストに休憩してもらうのにちょうどいい場所だから」と話す。 ラーメンには柴沼醤油醸造(土浦市虫掛)のしょうゆ、市川蓮根(同市手野町)のレンコン、佐藤畜産(同市板谷)の県産豚バラチャーシューと、土浦の食材を使っているのが特徴だ。 自家製の手打ちつけ麺は、目を引くカラフルな6色。「6という数字が好きだから」がその理由。カボチャやトマト、ホウレンソウなどの野菜で色付けされていて、着色料は使用しない。化学反応で色が落ちてしまうため、かんすいの使用も避ける。かんすいは麺にコシを出す働きがあるため、代わりにお酒を使用している。「試行錯誤を重ね、お酒を入れるとコシがでることを発見した」 つけ麺の出汁は、メーンにサンマ節を使用、カツオなど魚介のみで肉類の出汁は使っていない。「濃厚な出汁はサイクリングで疲れた体にほどよい」と政寛さんの自信作。店舗近くに高校が2校あり「高校生も食べて欲しい」と、サイクリスト割のほか、学割、SNS割なども用意した。 ◆「カフェと迷ってラーメン屋」土浦市大岩田1287-1 電話:090-8800-0546営業時間:午前11時30分~(20日、21日、22日は午前11時オープン)定休日:毎週月曜日お店のTwitterはこちら

22施設を認定 自転車観光にやさしい宿

【山崎実】つくば霞ケ浦りんりんロードで、茨城県はサイクルツーリズム(自転車観光)を楽しむためのサイクリストに「やさしい宿」の第1次認定として、沿線10市の22施設を認定した。 自転車の保管場所がある、チェックインの前後にフロントなどで荷物の預かりができる、自転車の宅配受け取りや配送が可能、スポーツバイク対応の空気入れや工具類の貸し出しができるーなどを条件に県が認定制度を設けた。 りんりんロード沿線14市町村にあるホテルや旅館、民宿などの宿泊施設が対象となる。 県は今後、りんりんロードのホームページで認定施設ごとの詳しい内容を掲載し、情報発信を行うと共に、随時申請を受け付け、サイクリストに「やさしい宿」の充実を図っていく。 さらに「全県的なサイクルツーリズムの展開に併せ、対象地域を拡大していきたい」としている。 認定に関する問い合わせは県スポーツ推進課(電話029-301-2735)。

18日からライド&トリップ プレイアトレ土浦 県の推進事業に認定

【山崎実】コロナ禍で打撃を受けている県内観光地の活力を取り戻し、地域経済の活性化を図る県の「いばらき観光誘客推進事業」の対象に、土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」(運営・アトレ)が実施する大型イベント「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~(ウエルカム・ツチウラ・プロジェクト~ライド&トリップ)」など2事業が認定された。2事業には県が各1億円の補助を行う。 プレイアトレ土浦は、9月18日から11月末まで、筑波山と霞ケ浦を結ぶ全長180キロの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」周辺で、県内の観光資源や自然を生かしたサイクリング、キャンプ、アウトドアイベントなどを実施する。さらに周辺市町と連携し、バーチャルとリアルを融合させた、withコロナ期の新たな形のイベントを提案していると評価された。 認定事業のもう一つは、茨城放送が実施する「偕楽園チームラボデジタルアート&周辺イベント」。来年2月中旬から3月中旬に、日本三名園の一つ、偕楽園(水戸市)で、梅まつり時期の夜間に、県内初の大規模なチームラボによるデジタルアートを実施する。また偕楽園周辺でのキャンプイベントや朝マルシェ、弘道館、大手門ライトアップなど市内各地で関連イベントを行う。来年度以降の開催も期待できると評価された。 同事業の対象は、県内の観光資源を生かした新たな集客コンテンツとなる大型誘客イベントで、8月末までの応募期間で38件の申請があった。今回、そのうち2件が第1次認定として採択され、あと2件程度ある残り枠(2億円)についても、今月中の第2次認定が予定されている。 バーチャルサイクリングや合宿ライド プレイアトレ土浦が実施する「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~」の主なイベントは以下の通り。 ▽バーチャルサイクリング チャレンジ=9月19日~11月30日、プレイアトレ土浦2階特設ブースで、世界中の人とりんりんロードを一緒に走るバーチャルライドをオンライン上で体験できるほか、自宅に居ながら茨城の魅力あるサイクリングコースをオンライン上で体験できる。 ▽オリンピアンと走る!上級者向けライドツアー=アテネ五輪出場の元プロロードレーサー田代恭崇さんを招き、3コースを走る。①10月10~11日・スキルアップ合宿ライド(星野リゾートBEB5土浦宿泊)②10月18日・筑波山ヒルクライムライド③10月25日・歴史探訪ライド ▽茨城の名所を巡る!ビギナー向けライドツアー=秋の紅葉シーズンに茨城ならではの酒蔵やグルメを楽しむ。3コースある。①11月6~7日・BEB5土浦に泊まる!宿泊ライド②11月8日・稲葉酒造酒造見学ライド③11月15日・秋のグルメライド ▽BIKE&CAMP FES(バイク&キャンプ・フェス)2020=10月31日と11月1日、つくば市のつくばワイナリーで開催する。自転車・アウトドアメーカーなどが多数出展し、アウトドアの新たな扉を開きたいキャンパーや自転車初心者も楽しめる。旅に特化した自転車本体、パーツ類、パニアバッグなどを展示・販売するほか、自転車への荷物の積み方、輪行の仕方、ギアの選び方、ワインセミナー、たき火のおこし方などのワークショップやトークショー、グルメブースなど盛りだくさん。キャンプサイトでの宿泊もできる。 ▽第2回つくば霞ケ浦りんりんサイクリング=初心者が週末に気軽に参加できるファンライドで、全長180キロのうちの一部約50キロをコースとして走る。初心者が不安に感じるサイクリングのハウツーをサポートするコンテンツを多数用意し、自転車イベントデビューを応援する。エイドステーションでは、地域ならではの味覚をご用意、秋の風景を感じながら、程よい運動とグルメを堪能できる。

【気分爽快 りんりんロード】2 土浦-岩瀬往復80キロを毎日走破 越後睦陸さん

【田中めぐみ】土浦駅付近から岩瀬駅までの「つくば霞ケ浦りんりんロード」をほぼ毎日、自転車で往復している元サラリーマンがいる。越後睦陸(よしたか)さん(73)だ。往復距離はおよそ80キロ。5時間半から6時間程度で走破する。 ヨットから自転車に 越後さんは、元は小型ヨット、ディンギーの愛好家だった。ディンギーは風が強くなると、傾かないように反対側に体重をかけてバランスを取る「ハイクアウト」という体勢で操縦する。船の外に体を出し、足で強く踏ん張るため、上半身と下半身の筋肉を使う。かなりの持久力も必要だ。この「ハイクアウト」でずっと体を鍛えていた。 1989年にクルーザーを手に入れた。霞ケ浦に臨む土浦港のヨットハーバー、ラクスマリーナに停泊し、以来25年間クルーザーで寝泊まりした。 ラクスマリーナは土浦駅から徒歩10分の距離にある。勤め先は都内だったため常磐線で通い、休みの日には家族と外洋に出て、大島に出掛けたり、途中の漁港で食事をしたりして楽しんだ。 その後、クルーザーを手放し、ディンギーにも乗らなくなった。今は家族とマンション暮らし。なまってしまった下半身を鍛えたいと5年ほど前から自転車に乗るようになった。 最初は普通の自転車で走っていたが、クロスバイクを手に入れてから走行距離が少しずつ伸びていき、土浦から岩瀬の往復が日課となった。越後さんの記録によると、昨年1年間の走行距離は2万6557キロに達する。 移り変わる四季を五感で感じる 毎朝、早朝5時に出発。りんりんロードの虫掛休憩所-藤沢休憩所-小田城跡歴史広場-筑波休憩所と過ぎて、出発地点からおよそ22キロ地点にあるコンビニに立ち寄ってコーヒーを味わうのが越後さんの習慣だ。 それ以外は水分補給だけでほとんど休憩を取らない。岩瀬までのコースの魅力は、日々刻々と移り変わる季節を五感で感じられることだという。 沿道の春は、梅のつぼみから咲き始め、桜の開花やウグイスの初鳴きを楽しむことができる。特に虫掛から藤沢休憩所の辺り、小田城跡から筑波山バスターミナル辺りの桜はアーチのようで絶景だ。 夏はアジサイや青々とした田んぼが美しい。ヘビが横切って驚かされることも何度かある。 晩夏からは初穂がだんだんと頭を垂れる様子が、秋が深まると筑波山の紅葉が目を楽しませる。冬には身が引き締まるような季節風を感じるようになる。 様々な種類の鳥や、派手ではないが美しい小さな花々も見え、日々小さな変化を感じるそう。毎日走っても飽きないという。 平坦で初心者向き グルメも魅力 土浦から岩瀬間は途中、傾斜もあるが、それほどきつくなく平坦で初心者向けのコースだと話す越後さん。 最近は女性のサイクリストも多くなってきたそうだ。途中、グルメを楽しめるのも魅力という。 越後さんのお薦めは筑波休憩所近くの「松屋製麺所」(つくば市沼田)。店内で食べられるだけでなく、ラーメンや、つけ麺の生麺とスープを買って帰ることができるため、よく立ち寄って購入する。 また、少し坂はきついが、りんりんロードから筑波山神社の方に少し上ると、かりんとう饅頭で知られる「沼田屋本店」(同市沼田)もある。手打ちそばと鴨料理が食べられる「鴨亭」(桜川市真壁町)もお気に入り。 土浦港から遊覧船に自転車を持ち込みクルーズする「広域サイクルーズ」を利用して潮来港まで足を伸ばすときは、「錦水」(潮来市潮来)でうなぎを食べるのが楽しみだそうだ。

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