土曜日, 4月 20, 2024
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つくば霞ケ浦りんりんロード -検索結果

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利用者10万人を突破 つくば霞ケ浦りんりんロード

地域起こしと一体不可分な茨城県の新たな観光「サイクルツーリズム(自転車観光)」が順調な伸長ぶりをみせている。 つくば霞ケ浦りんりんロードの昨年度の利用者数が約10万5000人と、10万人の大台を突破した。波及効果は県央部の「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」、県北の「奥久慈里山ヒルクライムルート」にまで及んでいる。 また、わが国最大級のサイクリングリゾート、JR土浦駅ビルの「プレイアトレ土浦」が国交省の自転車活用推進功績者表彰を受けた。 コロナ禍でも1.13倍増 つくば霞ケ浦りんりんロードの利用者数は、右肩上がりで伸びている。コロナ禍の昨年、アウトドアや健康志向が高まったためとみられる。 今後の取り組みとしては、休憩所を活用したサイクリスト「ウエルカムイベント」の実施▽街中に誘導するための周遊イベント(スタンプラリーなど)の推進▽サイクリストにやさしい宿の更なる認定とPR▽県サイクルステーション整備支援事業(りんりんロード沿線の施設をサイクリストに必要な設備をもつ施設とするための補助事業)―などを実施していく方針だ。 一方、プレイアトレ土浦の自転車活用推進功績者表彰は、2017年5月施行の自転車活用推進法に基づく受賞。県内の観光資源や自然を生かし、地元事業者も協力したサイクリング、キャンプなどの大型イベント、バーチャルライドによる情報発信など様々な取り組み、サイクリングシーンに対応した設備の完備など環境面が高く評価された。(山崎実) ◆サイクルツーリズムに関する問い合わせは県スポーツ推進課(電話029ー301-2735)。

19年度のサイクリスト9万3000人に つくば霞ケ浦りんりんロード 

【山崎実】県スポーツ推進課がまとめた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の2019年度利用者は9万3000人で、前年度比約1.15倍の増加をみせた。18年度実績は8万1000人。 全長約180キロに及ぶりんりんロードが昨年「ナショナルサイクルルート」に指定され、土浦駅に「星野リゾートBEB5土浦」がオープン、同駅ビルが日本最大級のサイクリングリゾートに生まれ変わったことも加わり、茨城のサイクルツーリズム人口は確実に増加傾向にある。 県と沿線9市町村で構成するつくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会(会長・大井川和彦知事)が運営する広域レンタサイクルも、昨年度の利用台数が3115台と、18年度実績の2594台から約1.2倍増加した。 特に沿線11カ所の施設からどこでも自転車の貸出・返却が可能な広域レンタサイクルは、ナショナルサイクルルート指定後の昨年11月から今年3月までの利用台数が1134台と、前年同月の679台から約1.7倍に急増した。 県はさらにサイクルツーリズムを推進するため、傷んだ路面のリニューアルや、休憩所の改修、岩瀬駅と水郷潮来バス ターミナルに、りんりんロードの起点・終点を示す看板を設置するなどの取り組みを進めている。 また今後についても沿線のビュースポットの整備や周辺観光施設、観光地への案内板の設置を予定するなど、官民連携による地域活性化を目指していく。 一方、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、土浦駅ビル1階のサイクリング拠点「りんりんスクエア」が4月14日から5月17日まで休館、広域レンタサイクルも4月11日から5月17日まで休業し、いずれも5月18日に再開したばかり。首都圏との不要不急の移動は6月18日まで自粛が要請されており、厳しいスタートとなっている。

ナショナルサイクルルート候補に選定 つくば霞ケ浦りんりんロード

【山崎実】サイクルツーリズム(自転車観光)王国を目指す茨城県の代表的な「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)が、国土交通省のナショナルサイクルルートの第1次指定候補ルートに選定された。 同ルートは、日本を代表し、世界に誇れるサイクルルート制度の創設に合わせて指定される。候補ルートはほかに琵琶湖を一周する「ビワイチ」(滋賀県、約190キロ)、瀬戸内海を渡る「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県・愛媛県、約70キロ)の2カ所。 自転車活用推進法の施行以来、2018年6月には推進計画が閣議決定され、サイクルツーリズムによる観光立国の実現が位置付けられた。併せて「ナショナルサイクルルート」の創設を明記した。大井川和彦知事は今年6月、国交省に「つくば霞ケ浦りんりんロード」を選定するよう要望してきた経緯がある。 ナショナルサイクルルートに指定されると、同省は統一ロゴを作成するほか、専用ポータルサイトを活用し、ルート全体の情報発信などを行う。つくば霞ケ浦りんりんロードでは県などが、インバウンド(訪日客)対応のサポートライダー養成講座などを開いているほか、広域レンタサイクルの利用料金割引を実施するなど=9月13日付=、利用者の利便性向上(環境整備)対策に力を注いでいる。 それだけに指定候補ルートの一つに挙げられたことは、サイクルツーリズム茨城の実施に弾みが着くものと期待され、大井川知事は「大変ありがたいことであり、引き続き本指定に向けハード、ソフト両面からの取り組みを推進。国内外からの観光誘客につなげていきたい」とコメントした。 今後、第3者委員会による審査を経て、10月にも本指定が行われる。

官民一体で誘客へ 協議会発足 つくば霞ケ浦りんりんロード

【鈴木宏子】これまで行政主導で進められていた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の情報発信や環境整備を、これからは官民一体で進め誘客を図ろうと、6日、「つくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会」(会長・大井川和彦知事)が発足した。 県と沿線14市町村のほか、県内の民間企業、大学、商業や観光、農業団体など計111企業・団体などが同日、霞ケ浦湖岸にある土浦市滝田の結婚式場アジュール土浦で設立総会を開いた。副会長には土浦市の中川清市長、常陽銀行の笹島律夫頭取、JR水戸支社の雨宮慎吾支社長、県サイクリング協会の青山俊士専務理事の4人が就いた。 2016年11月、霞ケ浦湖岸を走る「霞ケ浦自転車道」と筑波山西側の旧筑波鉄道跡を走る「つくばりんりんロード」がつながり、全長180㎞の自転車道が全線開通して1年半が経ち、来訪する自転車愛好者が増えていること、今年3月、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」が土浦駅ビルにオープンし、民間の気運が盛り上がってきたことなどから設立に至った。 これまで環境整備を進めてきた「水郷筑波サイクリング環境整備事業推進検討会」(県と沿線14市町村で構成)と、広域レンタサイクル事業に取り組んできた「水郷筑波広域レンタサイクル事業実行委員会」(県と周辺7市で構成)の2団体を統合し、新たに民間企業や民間団体が加わる。 今後は、つくば霞ケ浦りんりんロードを核に、霞ケ浦や筑波山地域のPRや誘客活動、サイクリング環境整備や広域レンタサイクル事業などに取り組む。 具体的には今年度事業として、統一ロゴデザインの制作とのぼり旗の作成、自転車愛好者向け土産品の開発、沿道の花植えなどのほか、コースを走破した人への認定証発行、スタンプラリーや写真コンテストの開催などを実施する。広域レンタサイクルは電動アシスト自転車を4台増やす。 会長の大井川知事はこの日、会場近くの霞ケ浦湖岸を自転車で走って総会に出席し、サイクリング推進への思いの強さをアピールし「官民一体となって取り組みを推進したい」などと強調した。

メタバース「バーチャルつちうら」17日公開 アバターで疑似体験を

パソコンやスマートフォンを使って、自分のアバター(分身)がインターネット上にある三次元の仮想空間の中に入り、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」を走ったり、湖畔から霞ケ浦を見渡したり、花火を鑑賞したり、施設の中に入って写真展を見たり、観光情報を探すなど、土浦の観光を疑似体験できるメタバース空間「バーチャルつちうら」が17日、公開される。 80種類の中から自分のアバターを選んで入室する。りんりんロードのサイクリングは360度の3D動画で疑似体験できる。仮想空間の中で名産品を販売したり、展示会やセミナーを開催したり、市政情報を発信したりもする。仮想空間にいる他のアバターと会話することも可能だ。 「自転車のまち土浦」など同市の魅力を発信し来訪のきっかけにしてほしいと、土浦市とNTT東日本茨城支店がNTTスマートコネクトと連携して構築した。メタバースを活用する自治体は、愛知県瀬戸市、山梨県北杜市、東京都江戸川区、福岡県福岡市に次いで全国で5番目という。 2022年12月、土浦市とNTT東日本が高齢者のデジタル活用を支援する連携協定を締結したのがきっかけ。その中で、メタバース空間の構築や360度の動画制作に実績のあるNTTスマートコネクトと連携して「バーチャルつちうら」の構築に取り組んだ。仮想空間はプラットフォームの「DOOR」を用いている。 公開を前に16日、土浦市役所で公開イベントが行われ、安藤真理子市長とNTT東日本の松木裕人茨城支店長のアバターが「バーチャルつちうら」に登場、企画の狙いやコンテンツの紹介をした。 その後、それぞれ別室から本人が現れてあいさつ。安藤市長は「土浦の発展のため、たくさんの人が訪れてくれるようにコンテンツを充実させていきたい」と述べた。自分のアバターについては「少し若くてかわいすぎた」と感想を話した。 「バーチャルつちうら」には同市のホームページから入室することができる。(榎田智司)

浄化し宝に…作詞の心記す 幻の歌「霞ケ浦周航歌」を探して(下)

幻の歌「霞ケ浦周航歌」。作詞をしたのは土浦で育った禅研究家、赤根祥道さんだった。故人となった作詞者を師と仰ぐ塾生らは「歌を知ってもらい、口ずさんで、この歌で地域の歴史や文化を知ってほしい」と呼び掛ける。 土浦でも「赤根塾」 1998年、塾生の一人で当時土浦市議会議員だった内田卓夫さん(78)は、東京だけではなく土浦でもビジネス禅の研修会を開きたいと「赤根塾」を企画した。赤根さんに師事したいと、大久保写真館(土浦市桜町)代表の大久保博さん(58)など、地域の会社社長や重役など当時30代から50代の約15人が1期生として集まった。内田さんは当時53歳だった。 「(赤根先生は)一度会っただけでただ者じゃないという感じだった。この人に付いていけば大丈夫だろうと考え、学びたいと思った」と内田さん話す。塾生らは97年に完成した「霞ケ浦周航歌」を広めたいと活動したが、歌はなかなか広まらず、知っているのはごく一部の人だけとなった。 塾生が歌碑を建立 歌が完成した97年、「赤根塾」の塾生だった吉川國弘さんが赤根さんの思いに共感し、自宅の庭に楽譜を刻んだ歌碑を建立した。その後、歌碑は歩崎公園に移設されて現在の場所にある。赤根さんが作った歌詞は8番までで、9番は吉川さんが作って付け足した。歌碑が建つ歩崎公園はサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」上にあり各地から訪れたサイクリストの目に留まるも、ネット上に音源はなく、忘れ去られた歌となっていた。 赤根さんを知る山城経営研究所の竹之内由美子さんは「おおらかで何事も肯定的にとらえる人柄で、経営リーダーの方々を激励していた」と人となりを話す。塾生の一人、大久保博さんは「経営者には不安がつきものだが、赤根先生の話を聞くと不安が無くなった。とにかく話がおもしろく、心をつかまれた」と思い出を語る。 直筆のメモ残る 赤根さんは学生時代、ボート遊びをして霞ケ浦に親しんでいたという。土浦市の郷土史家である永山正さんの著書も参考にして歌詞を考えたと見られ、本の内容を抜き書きした直筆のメモが遺っている。赤根さんは作詞の心を「日本第二の湖・霞ケ浦を誇りにして、大事に浄化して、私たちの心とくらしの宝にしたい。みんなの心をこの歌で元気にしたい」と、手書きで記している。 内田さんは「赤根先生は都内で活躍していたが、土浦に恩返ししたいという気持ちがあったようだ」と話す。「この歌で改めて地域の文化や歴史を知り、地域に誇りを持ってほしい。ボランティアで作られた歌だが、今まで日の目を見なかった。みなさんに知ってもらい、口ずさんでほしい」と思いを話した。 霞ケ浦周航歌 歌詞 一、筑波の嶺をあとにして 花の筏の桜川 亀城の櫓 壁白く めざすは霞浦の湖ぞ 二、霞浦の川面は波静か 帆曳きの影も あざやかに古き江戸崎港には 天海和尚 不動院 三、お江戸廻船あとしたい 古渡の渡し すぎゆきて夢の浮島 信太の館 広がる稲穂 和田岬 四、三又すぎて 潮来には 娘船頭 赤だすきあやめの園や 十二橋 水郷うれし 潮来節 五、鹿島の月は 高くして 俳聖芭蕉 旅衣仏頂禅師 したいたる 根本寺の句碑古し 六、剣聖卜伝 磨きたる  天下無双の剣の道鹿島の社 森深く タケミカツチの武をたたう 七、麻生の浜は 天王崎 歴史も古き 玉造国府石岡 万葉の 歌人の跡 ここかしこ 八、歩崎なる観音寺 望めば遠く 富士の山一望千里 はてしなき 利根の恵みの大平野 https://youtu.be/_WAl82yQ-uA 内田さんは「霞ケ浦周航歌」のシングル版CDを大切に保管していた。 (田中めぐみ) 終わり 【2月12日追加】カラオケバージョンを作成しました。 https://www.youtube.com/watch?v=OmKXxP3qg0s

11月3日オープン 廃校に「筑波山ゲートパーク」

自転車とジオパークの拠点 筑波山麓にある廃校となった旧筑波東中学校跡地(つくば市北条)に、自転車とジオパークの二つの拠点からなる複合施設「筑波山ゲートパーク」が11月3日オープンする。自転車拠点施設の名称は「サイクルパークつくば」、ジオパーク中核拠点施設は「つくばジオミュージアム」で、筑波山の魅力を発見するゲート(入り口)となることが期待されている。 施設の総面積は約3.7ヘクタール。旧校舎の東側を自転車拠点、西側をジオパーク拠点とする。オープンを前に31日、報道機関向け内覧会が催された。 国内最大級のBMXコース サイクルパークつくばは、国内最大級のBMXレーシングコースがある。コースの総延長は380メートル、スタート台は高さ5メートル級。水はけがよくスピードの出る石灰ダスト舗装を使った、国際大会が可能なコースとなっている。スタート地点のゲートは、東京五輪で実際に使用したゲートの払い下げを受けて設置する。BMXコースの年間来場目標は2000~3000人。 施設(旧校舎)1階には休憩室、工具や空気入れなどを備えた自転車の点検修理室、レンタサイクル保管所などがある。2階はロッカー・シャワー室、会議室があり、会議室は地元住民なら無料で利用することができる。レンタサイクルは約40台あり、パナソニックサイクルテックが無償提供する新型eバイク(電動アシスト自転車)を5台備える。近くの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の利用者が立ち寄って休憩したり、自転車の修理をしたり、シャワーを浴びるなどもできる。 玄関通路には自転車が30台駐輪できるラックがあるほか、県が設置した泣き虫ペダルが描かれたオブジェがある。オブジェは自転車置き場にもなる。 市総合交通政策課コミュニティ推進室の高橋研太室長は「3日のオープンにはBMXのレースを行うので、この機会にぜひとも見に来てほしい」と話す。一般のサイクリストの利用は4日からになるという。 オープンする3日は「ペダルでいご~筑波山」と題したイベントが開催され▷自転車競技を題材にした漫画「弱虫ペダル」の作者、渡辺航さんのトークとサイン会▷渡辺さん率いる自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」の活動報告▷つくバスと弱虫ペダルサイクリングチームのラッピングバスのお披露目▷国内トップBMX選手によるレース▷子供たちのBMXレーシング体験▷地元の名産品を販売するローカルマーケット▷筑波地区の名所を巡るサイクルスタンプラリーーなどが催される。 遊び感覚でジオ体験を つくばジオミュージアムは「ジオ探検ブース」「大地のつながりシアター」「文化財ギャラリー」「発見発信ラボ」などで構成。ジオ探検ブースは、筑波山の成り立ちや構造、ジオパーク地域全体のことを遊び感覚で学べるジオ・マップ、ストーン・ジャーニー、モータージャーニーなどがある。大地のつながりシアターは、身近な地域の魅力と大地のつながりを映像とグラフィックで紹介している。文化財ギャラリーは、市内で見つかった石器、土器、石造物が展示あり、地形や歴史、文化との関わりを紹介している。発見発信ラボは机といす、書籍資料があり、ワークショップなどが開催出来るようになっている。すでに各学校から視察申し込みがきているという。入り口近くに休憩ラウンジがあり、飲食も可能だ。 市観光振興課ジオパーク室の亀沢理映室長は「全国には46のジオパークがあり、筑波山地域ジオパークは39番目に認可された。ジオパークは地質遺産があるということだけでなく、活動活用していくことが必要。そのためにも施設を活用したい」と話す。(榎田智司) ◆筑波山ゲートパークはつくば市北条4160。 ◆サイクルパークつくばは、金・土・日・月曜の週4日と祝日営業、火~木曜は休業(祝日の場合は振替営業)など。開場時間午前9時~午後4時30分、休場日は毎週火~木曜日、施設利用料はBMXレーシングコース1日券が市在住の大人1500円、18歳以下500円、市外在住の大人2000円、18歳以下1000円、シャワー室は1回(20分程度)500円、会議室1日2000円、屋内運動場1日3000円など。レンタサイクルは、BMXコース内での使用限定のBMXが1日500円、ヘルメットや防具は無料で貸し出す。施設外で使用できるシティサイクルは大人1日500円、小学生以下250円。eバイク1日2000円、いずれもヘルメットは無料で貸し出す。詳しくはこちら。 ◆つくばジオミュージアムの開館時間は午前9時~午後4時30分、休館日は毎週火曜日(火曜が祝日の場合は翌日)など。入館料は無料。 ➡同施設の過去記事は5月21日付、22年7月6日付、21年7月6日付 21年6月25日付。

電動アシスト自転車で加速 土浦のシェアサイクル

秋の気配に、土浦市街地でも普段使いの自転車の姿が目立ってきた。この中で客足を伸ばしているのが、関東鉄道(土浦市真鍋、松上英一郎社長)のシェアサイクル「関鉄Pedal(ペダル)」だ。ことし3月、同市内を中心にレンタサイクルのステーションを9カ所設けて20台の電動アシスト自転車を配備したところ、半年で累計2400件の利用を数えた。猛暑もようやく収まりそうな10月、同社は自転車を増やし、ステーションを拡大して攻勢をかける。シェアサイクルはモビリティーシェアサービスのOpenStreet(オープンストリート、本社・東京)との提携で3月23日にスタート。JR土浦駅前はじめ同市内に8カ所と関東鉄道「筑波山口」バス停に、24時間自転車の貸出・返却ができるステーションを設置した。レンタサイクルとしては、15分あたり200円(24時間の上限料金3000円)=税込み。スマホの専用アプリに登録することで、自転車の予約から料金の支払いまでできる。全国6000カ所以上で展開しているOpenStreet系列のステーションであれば、どこでも利用できる仕組みになっている。同社によれば平日と休日で、異なるニーズから利用のされ方をしているという。「平日は通勤利用が多い。朝駅前のステーションで自転車を借り、勤務先近くのステーションで乗り捨てる。帰りは改めて借りたり、別の方法で帰ってもいい。週末・休日は筑波山や霞ケ浦などに向かうレジャー利用が増える」(開発部)つくば霞ケ浦りんりんロードは平たんなコースをたどるが、坂道がなくとも風上に向かって走る場合に、電動アシスト自転車は威力を発揮する。電動で100キロ以上走行できるから、土浦から東京まで行って乗り捨てられたケースもあるそうだ。同社は9月から、鬼怒川サイクリングロードのある常総市にも関鉄Pedalを拡大した。常総線水海道駅、三妻駅と「道の駅常総」などを結ぶ。土浦市内では9月までに9カ所となっていたステーション数を6日に4カ所増やし13カ所とし、電動アシスト自転車は40台に増やす。同日からは関鉄グループバスの乗り放題とシェアサイクルをセットにした1日乗車券を3000円(税込み)で発売する。12月11日まで。 努力義務化のヘルメット着用にどう対応 利用拡大の中で課題はヘルメットの着用だ。改正道路交通法の施行に伴い4月から自転車に乗る全ての人にヘルメットの着用が努力義務化されたが、関鉄Pedalを含めOpenStreetのシェアサイクルサービスではヘルメットの貸し出しは行っていない。アプリで持参を呼び掛ける形にとどまる。同様に市街地でレンタサイクル事業を行っている土浦市観光協会に聞くと、「クロスバイク(スポーツサイクル)に乗る人はヘルメット持参で借りに来るがシティサイクルだとヘルメットを辞退する人が多い。別料金ではないのだが他人のかぶったヘルメットには抵抗があるようだ」としており、レンタサイクルとヘルメットには相性の悪さがある。同社開発部は「公共交通を担う企業として安全は第一に考えなくてはならない。課題認識をもって取り組んでいきたい」としている。(相澤冬樹)

新設校の残土で廃校に造成 旧筑波東中にBMXコース現る

2018年に廃校になった筑波山麓にある、つくば市北条、旧筑波東中学校校庭に、計約6000立方メートルの土砂が運び込まれ、起伏のあるコースを走って順位を競う自転車競技の一つ、BMX(バイシクルモトクロス)コースが姿を現した。今年4月、つくばエクスプレス(TX)研究学園駅近くの同市研究学園に開校した市立研究学園小中学校の建設工事で発生した残土を搬入し造成した。 BMXコースは、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」に近くに位置する廃校を、自転車と筑波山地域ジオパークの拠点にしようと、同市が今年秋のオープンを目指して整備している施設の一つ(21年6月25日付、22年7月6日付)。研究学園小中学校建設時に校庭の地下に雨水の貯留浸透施設を埋めたことから発生した多量の残土を再利用した。同量の残土を購入すると概算で約1530万円かかるという。 同市サイクルコミュニティ推進室によると、お目見えしたBMXコースは上級者用で、全長約380メートル、スタート台の築山は高さ5メートル超、きついカーブを描く3つのコーナーと約40カ所のでこぼこがあり、起伏の高低差は最大で1.8メートル。コースの表面は、グラウンドなどの舗装材として利用される石灰ダストで舗装され、コーナーはアスファルトで舗装されている。 人気漫画「弱虫ペダル」の作者、渡辺航さんが監督を務める自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」(本拠地つくば市)の運営会社がコースを設計し工事を監修した。起伏の勾配や高低差は危険がないよう、プロのBMXライダーが1カ所1カ所点検しながらつくり、今年3月末に完成した。 今後さらに初心者や子供向けの初級者用コースを、上級者用の隣に造成する。オープン後の管理運営は2023年度は市直営で実施する。来年度以降どうするかは現在、検討中という。 「筑波山ゲートパーク」に 自転車とジオパーク拠点が整備される旧筑波東中は、昨年11月から今年1月まで、施設全体の名称の公募が実施され「筑波山ゲートパーク」と名付けられた。筑波山の魅力を発見するゲート(入り口)となることが期待されている。 校舎は、東側1、2階に自転車を修理・点検するスペースや、ロッカー・シャワー室などが整備される。西側の1、2階はジオパーク中核拠点施設として展示スペース、ライブスタジオ、実験スペースなどが整備される。 昨年開かれた地元説明会で、五十嵐立青市長は「ジオパーク事業は有意義なものなのだけれど、集客という意味では難しい。自転車の事業とマッチングすることにより相乗効果を生んで活性化を図りたい」と語っている。 地元にある写真館のカメラマンで、フェイスブックのグループ「筑波地区廃校後の利用について考える」をつくり、地元の意見を引き出す活動をしてきた矢島祐介さん(42)は「出来上がった後の運用が大事。施設が外の人にも使いやすいものなっていくよう期待したい。地域と、新しい施設が一緒に出来るイベントがあったら良い。この施設がきっかけとなって、地元にも自転車に乗る文化が出来たら」と話している。(榎田智司)

湖のほとりを紡ぐ花火の話 《見上げてごらん!》13

【コラム・小泉裕司】今年、茨城県内に新たな花火大会が1つ誕生する。小美玉市は、霞ケ浦高浜入りに面した「大井戸湖岸公園」周辺をメーン会場とし、10月7日(土)、約5000発を打ち上げるための費用1300万円を予算化した。 同公園付近は、すでに3月18日、小美玉市商工会青年部がサプライズ花火を打ち上げた実績がある。同市商工観光課によると、毎夏恒例の「ふるさとふれあいまつり」でフィナーレ花火を打ち上げてきたが、コロナ禍の3年の中止を経て、「おみたま花火大会(仮称)」として、新たな魅力創出を図るという。 ということで、今回は、花火シーズンを前に、霞ケ浦のほとりの花火大会を「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦1周コース沿いに、北浦を加え、土浦市から時計回りにアラウンドする。 土浦市は、1925年に湖畔で開催した第1回土浦全国花火競技大会が最古となるが、その後、会場を桜川河畔に移し、湖畔では小規模な打ち上げが不定期に行われている。 かすみがうら市は、7月下旬の「あゆみ祭り」(歩崎公園)のエンディング花火。行方市は、8月上旬に「サンセットフェスタ IN 天王崎~なめがたの湖上花火~」(天王崎公園)。鉾田市は、8月中旬に「鉾田花火大会」(鉾田川下流)を2年に一度、北浦の北端で開催。 北浦の南端では、「鹿嶋市花火大会」(北浦湖上)が昨年11月下旬、3年ぶりの開催となった。潮来市では、8月中旬の「水郷潮来花火大会」(水郷北斎公園)。稲敷市は8月下旬、「いなしき夏まつり花火大会」を、古渡(ふっと)の入り江に注ぐ小野川沿いで開催している。 花火と自転車のコラボはいかが? 過去の実績を参考に紹介してきたが、本稿のきっかけは「久しぶりの土浦は、『花火の街』から『自転車のまち』に変貌しつつある」という東京在住の写真家のつぶやきを知ったから。初見、少々張り合い抜けしたが、プラス思考に転じ、WIN-WIN(ウインウイン)を構築できないものか瞑想(めいそう)したところ、春の妄想に至った。 土浦の花火を紹介する「花火館」を湖畔に建つ「りんりんポート土浦」に併設・整備して、花火と自転車のコラボはどうだろう。 「花火館」には、先に紹介した各花火大会のコーナーを設けながら、年に一度、リレー形式で「霞ケ浦湖畔一斉打ち上げ」を行う。その際は、土浦港での花火大会の恒例化が前提だが、石岡市、阿見町や美浦村のフルエントリーになれば、なおさらにうれしい。 この「花火館」整備については、昨年3月、土浦商工会議所が土浦市長に提言した「花火のまち土浦の発展に向けて」(2022年3月25日掲載)の柱の1つ。12月の土浦市議会定例会においても、一般質問で「花火ミュージアム」の新設が要望された。 さかのぼること27年前の1996年9月の定例市議会で、当時市議会議員であった安藤市長が「花火博物館の新設」として執行部に提案した経緯がある。 とはいえ、今どきの厳しい財政状況を思えば、公益施設とは言いがたい施設整備など、時代錯誤も甚だしいとしかられそうだ。ましてや前職、いわゆるハコモノ行政からの脱却など行財政改革に携わった身としては大いに心苦しい限りではあるが、エイプリルフール月にあやかって、春の妄想をお許し願いたい。 脱稿後、先の提言書を読み返し、最終ページ最終項の提案にあぜんとした。「りんりんロードの利用実績を踏まえ、霞ケ浦周辺の自治体と連携した湖上での打ち上げや、広域花火大会の可能性を研究されたい」とある。 入稿直前で改稿きかず。妄想でも瞑想でもなく、すべてがコピペの迷走となってしまった、あんぽんたんな提案をご容赦願いたい。本日は、この辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <参考>創立75周年記念提言「花火のまち土浦」の発展に向けて:土浦商工会議所(2022年3月)

湖のほとりを紡ぐ花火の話 《見上げてごらん!》13

【コラム・小泉裕司】今年、茨城県内に新たな花火大会が1つ誕生する。小美玉市は、霞ケ浦高浜入りに面した「大井戸湖岸公園」周辺をメーン会場とし、10月7日(土)、約5000発を打ち上げるための費用1300万円を予算化した。 同公園付近は、すでに3月18日、小美玉市商工会青年部がサプライズ花火を打ち上げた実績がある。同市商工観光課によると、毎夏恒例の「ふるさとふれあいまつり」でフィナーレ花火を打ち上げてきたが、コロナ禍の3年の中止を経て、「おみたま花火大会(仮称)」として、新たな魅力創出を図るという。 ということで、今回は、花火シーズンを前に、霞ケ浦のほとりの花火大会を「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦1周コース沿いに、北浦を加え、土浦市から時計回りにアラウンドする。 土浦市は、1925年に湖畔で開催した第1回土浦全国花火競技大会が最古となるが、その後、会場を桜川河畔に移し、湖畔では小規模な打ち上げが不定期に行われている。 かすみがうら市は、7月下旬の「あゆみ祭り」(歩崎公園)のエンディング花火。行方市は、8月上旬に「サンセットフェスタ IN 天王崎~なめがたの湖上花火~」(天王崎公園)。鉾田市は、8月中旬に「鉾田花火大会」(鉾田川下流)を2年に一度、北浦の北端で開催。 北浦の南端では、「鹿嶋市花火大会」(北浦湖上)が昨年11月下旬、3年ぶりの開催となった。潮来市では、8月中旬の「水郷潮来花火大会」(水郷北斎公園)。稲敷市は8月下旬、「いなしき夏まつり花火大会」を、古渡(ふっと)の入り江に注ぐ小野川沿いで開催している。 花火と自転車のコラボはいかが? 過去の実績を参考に紹介してきたが、本稿のきっかけは「久しぶりの土浦は、『花火の街』から『自転車のまち』に変貌しつつある」という東京在住の写真家のつぶやきを知ったから。初見、少々張り合い抜けしたが、プラス思考に転じ、WIN-WIN(ウインウイン)を構築できないものか瞑想(めいそう)したところ、春の妄想に至った。 土浦の花火を紹介する「花火館」を湖畔に建つ「りんりんポート土浦」に併設・整備して、花火と自転車のコラボはどうだろう。 「花火館」には、先に紹介した各花火大会のコーナーを設けながら、年に一度、リレー形式で「霞ケ浦湖畔一斉打ち上げ」を行う。その際は、土浦港での花火大会の恒例化が前提だが、石岡市、阿見町や美浦村のフルエントリーになれば、なおさらにうれしい。 この「花火館」整備については、昨年3月、土浦商工会議所が土浦市長に提言した「花火のまち土浦の発展に向けて」(2022年3月25日掲載)の柱の1つ。12月の土浦市議会定例会においても、一般質問で「花火ミュージアム」の新設が要望された。 さかのぼること27年前の1996年9月の定例市議会で、当時市議会議員であった安藤市長が「花火博物館の新設」として執行部に提案した経緯がある。 とはいえ、今どきの厳しい財政状況を思えば、公益施設とは言いがたい施設整備など、時代錯誤も甚だしいとしかられそうだ。ましてや前職、いわゆるハコモノ行政からの脱却など行財政改革に携わった身としては大いに心苦しい限りではあるが、エイプリルフール月にあやかって、春の妄想をお許し願いたい。 脱稿後、先の提言書を読み返し、最終ページ最終項の提案にあぜんとした。「りんりんロードの利用実績を踏まえ、霞ケ浦周辺の自治体と連携した湖上での打ち上げや、広域花火大会の可能性を研究されたい」とある。 入稿直前で改稿きかず。妄想でも瞑想でもなく、すべてがコピペの迷走となってしまった、あんぽんたんな提案をご容赦願いたい。本日は、この辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <参考>創立75周年記念提言「花火のまち土浦」の発展に向けて:土浦商工会議所(2022年3月)

桜土浦IC周辺に産業系用地誘導 土浦市23年度当初予算案

場所難航の上大津統合小 用地購入へ 安藤真理子土浦市長は17日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比5%増の552億8000万円、特別会計などを合わせた総額は同比3%増の969億3000万円となる。予算規模が前年度当初を上回るのは2年連続。厳しい財政状況が続く中、創意工夫を凝らしたとしている。 主な事業は、常磐道・桜土浦インターチェンジ(IC)周辺に企業誘致を図る産業系土地利用に向け、事業採算性を検討したり地権者組織を設置するなど同IC周辺地区土地利用促進事業に8900万円を計上するほか、市内の常磐道にスマートインターチェンジ(IC)を設置することを目指し調査したり国や県と協議するスマートIC整備事業に700万円を計上する。 教育では、場所の選定が難航し建設候補地を見直す上大津地区統合小学校の用地購入や新校舎の基本・実施設計など同小整備事業に1億200万円を計上し、28年度の開校を目指す。 公共交通は、公共交通不便地域である中村南・西根南地区と右籾地区にコミュニティ交通を導入したのに加え、新年度は新たな地区でコミュニティ交通を導入したり、高齢者など交通弱者に三輪自転車の購入費を補助する地域公共交通確保維持改善事業に9200万円を計上する。 子育て支援は、公約により公立の認定こども園として存続させ、今年10月の開園を目指している「認定こども園土浦幼稚園」に、3億9900万円を計上して園舎の改修工事を実施する。ほかに産前・産後家事ヘルパーを派遣して妊産婦に家事援助サービスを提供したり(83万円)、妊娠・出産時の伴奏型相談支援や経済的支援(9300万円)などきめ細かな支援をする。 福祉は、市聴覚障害者協会から出された請願をきっかけに、手話が言語であるという認識の下、手話への理解を促進する手話言語条例を今年3月に制定する予定であることから、260万円を計上し、手話ハンドブックを小学3~6年生に配布したり、手話奉仕員を養成したり、市長会見の動画に手話通訳を加えたり、手話ができることを示すバッチを作成し手話奉仕員に配布などする。 土浦方面が有力視されているつくばエクスプレス(TX)県内延伸については、決定すれば沿線を中心に土地開発が活発化すると見込まれるなどから、330万円を計上し、効果を最大限に発揮させるため様々な波及効果を検討し調査する。 ほかに、つくば霞ケ浦りんりんロードの自転車利用促進では約3100万円を計上し、新たに台湾にウェブ広告を配信したり、都内の駅でプロモーション活動をするなどインバウンドや国内観光客に向けた知名度向上を図る。 防災では、浸水想定区域の洪水ハザードマップがすでに作成されている霞ケ浦と桜川に加え、県が今年度中に新たに乙戸川、花室川、備前川、上備前川、新川、境川、天ノ川の市内の中小7河川を新たに浸水想定区域に指定する予定であることから、200万円を計上し、市内の中小7河川を加えた洪水ハザードマップを更新し、全戸に配布などする。 安藤市長は「就任以来の公約であるスマートIC設置やIC周辺への企業誘致は税収を確保すると共に市民の雇用創出にもつながる。交通不便地域のコミュニティ交通導入は順次、実証実験として進めているが、1年に2地区ぐらいずつ増やしたい。子育て支援は、安心して土浦で子育てができるよう取り組みたい」などと話し、「土浦は人口が少しずつ増えている。コロナ禍で注目されているサイクリング環境を整備し、土浦に来る人を増やし土浦を元気にしたい」などと述べた。 一方、歳入は、個人市民税が同比1.7%減となる一方、コロナによる経済活動の回復に伴い、法人市民税が4.4%増加し、市税全体では同比1.3%増を見込む。一方、財源不足を補うため財政調整基金から15億円を繰り入れる。市の借金である市債は、児童福祉施設や社会教育施設の整備費が増え、同比13.2%増となる。23年度末の市債残高は22年度末より4.3%減り、854億3000万円になる見込み。

大河人気やまず、常時販売へ 「常陸の不死鳥」小田氏居城の御城印

何度負けても再起する。その生き様が「常陸の不死鳥」とも称される戦国武将、小田氏政とその居城小田城をあしらった御城印の常時販売が28日から、小田城歴史ひろば案内所(つくば市小田)で始まる。小田氏の始祖、八田知家がNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のなかで取り上げられた昨年、同所で期間限定で販売されていた。県内外から訪れる「大河ファン」の声も販売再開を後押しした。 近年、神社や寺院による「御朱印」がブームとなる中で、土浦城などでも販売される「御城印」が人気を博している。小田城跡への来場者から多数寄せたれた「御朱印販売」の要望の声からつくば市は、昨年10月15日から11月20日にかけて日曜、祝日などに御城印を試験的に販売した。その後も各地から問い合わせが相次いだ。 小田の魅力知る機会に 御城印が販売されるのは、1987年まで土浦と岩瀬をむすんだ旧筑波鉄道小田駅跡にできた「小田城歴史ひろば案内所」。サイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」の休憩所にもなっている。田園風景の中に残されたかつてのプラットフォームに、筑波山に向かう観光客や土地の産物、花崗(かこう)岩などを運び賑わった往時の面影が浮かぶ。 案内所内では、同地を拠点に鎌倉時代から戦国時代にかけ約400年間、常陸国南部一帯を支配した小田氏15代の歴史が展示されている。入り口近く設置される、八田知家を演じた市原隼人さんの来場時の記念写真もファンの目当てになっている。案内場の担当者は、「大河ドラマの影響は大きい。他の番組でも取り上げられてお客さんが増えている」と話す。 小田城跡は1935年に国の史跡に指定された。本丸跡は2009年から7年かけて復元され、2016年に案内所とともに「小田城歴史ひろば」としてオープンした。周囲には、奈良西大寺から来た鎌倉時代の高僧・忍性が布教や病人救済の拠点とした宝篋(ほうきょう)山や筑波山の峰が間近に迫る。担当者は「より多くの方に、小田氏や八田氏のことを知っていただきたい。旧小田駅の周辺地域の歴史への関心にもつながれば」と話す。 販売される御城印は、小田氏の家紋である六州浜をあしらった通常版、小田氏最後の城主で、「常陸の不死鳥」と称される小田氏治をイメージした不死鳥版、氏治の肖像画に描かれた猫をモチーフにした愛猫版の3種類。1枚300円で、和紙の質感にこだわった大礼紙を使用。転売防止のため購入は1人各種3枚までとしている。売り上げは市の歳入とし、文化財展示施設の管理等に充てられる。会場では、「つくば市の文化財」(700円)と「筑波町史(上・下)」(各巻3500円)の図書販売も開始する。価格はいずれも税込み。(柴田大輔) ◆問い合わせ つくば市教育局文化財課(029-883-1111)

お泊りは輪泊で 《ポタリング日記》11

【コラム・入沢弘子】目が覚めたら、愛車BROMOTON(ブロンプトン)がこちらを向いている。窓をのぞくと、真下を通過する常磐線。そうでした、昨夜は、自転車と一緒の部屋で過ごせる、JR土浦駅の星野リゾートBEB5土浦に泊まったのでした。 2020年秋、「ハマる輪泊」をキャッチフレーズに開業した同ホテル。自転車を部屋に持ち込んで宿泊することが可能です。開業当初から興味があったのですが、近いだけに泊まる機会がありませんでした。今回は、全国旅行支援適用期間ということもあり、自転車でポタリングして宿泊することにしたのです。 つくば市の自宅からは7キロ。いつも使う慣れた道を通ること20分。土浦市立図書館で本を借り、自転車を押したまま、駅ビルのプレイアトレ土浦のカフェに行き、コーヒーを片手に数ページ読む、というところまでは日常的なこと。今日は、その後にホテルのロビーへ。非日常の始まりです。 チェックインカウンターでの手続き後は、自転車を押したまま部屋に入ります。早速、壁のサイクルラックに自転車をディスプレイ。間接照明だけを点灯し、暗闇に浮かび上がる愛車の姿を堪能します。 掛け時計はチェーンホイールを組み合わせたデザイン。棚に設置されている自転車関連の本や、つくば霞ケ浦りんりんロードのマップを参考のために眺めてみます。かすかに聞こえる列車の警報音。ロールスクリーンを上げると、ホームにいる人と目が合いビックリ。線路が近いことを感じない静かな部屋で、行き交う人や電車を眺めているうち、夜のとばりが降りてきました。 壁にディスプレイした自転車を眺める 空腹を感じロビーに向かいます。このホテルはルームサービスがありませんが、24時間、カウンターで飲み物とスナック類を販売しています。落ち着いた照明のロビーにはテーブルやこたつ、本棚に隠れるように配置されたソファなどがあり、ちょっとした隠れ家のよう。 常陸野ネストビールと、土浦特産のレンコンを使用したスナックを注文。ワインを飲みながら、こたつでボードゲームに興じる女性グループ。ミキサー付き自転車をこいで、スムージーを作る家族連れ。この開放的でくつろいだ雰囲気は、グランピングのパブリックスペースに似ています。 部屋に戻り、今度はガラス張りの浴室でバスタブのお湯に浸りながら、壁にディスプレイした自転車を眺めます。明日はどこをポタリングしようか。この場所からは、つくば霞ケ浦りんりんロードで、霞ケ浦にも筑波山方面にも行くことが可能。常磐線で輪行した先を回るのもいいな。 でも、土浦市内の食べ歩きやお土産買い歩きも魅力的。あれこれ思いを巡らせ、ポタリング気分が盛り上がった一夜でした。(広報コンサルタント)

お泊りは輪泊で《ポタリング日記》11

【コラム・入沢弘子】目が覚めたら、愛車BROMOTON(ブロンプトン)がこちらを向いている。窓をのぞくと、真下を通過する常磐線。そうでした、昨夜は、自転車と一緒の部屋で過ごせる、JR土浦駅の星野リゾートBEB5土浦に泊まったのでした。 2020年秋、「ハマる輪泊」をキャッチフレーズに開業した同ホテル。自転車を部屋に持ち込んで宿泊することが可能です。開業当初から興味があったのですが、近いだけに泊まる機会がありませんでした。今回は、全国旅行支援適用期間ということもあり、自転車でポタリングして宿泊することにしたのです。 つくば市の自宅からは7キロ。いつも使う慣れた道を通ること20分。土浦市立図書館で本を借り、自転車を押したまま、駅ビルのプレイアトレ土浦のカフェに行き、コーヒーを片手に数ページ読む、というところまでは日常的なこと。今日は、その後にホテルのロビーへ。非日常の始まりです。 チェックインカウンターでの手続き後は、自転車を押したまま部屋に入ります。早速、壁のサイクルラックに自転車をディスプレイ。間接照明だけを点灯し、暗闇に浮かび上がる愛車の姿を堪能します。 掛け時計はチェーンホイールを組み合わせたデザイン。棚に設置されている自転車関連の本や、つくば霞ケ浦りんりんロードのマップを参考のために眺めてみます。かすかに聞こえる列車の警報音。ロールスクリーンを上げると、ホームにいる人と目が合いビックリ。線路が近いことを感じない静かな部屋で、行き交う人や電車を眺めているうち、夜のとばりが降りてきました。 壁にディスプレイした自転車を眺める 空腹を感じロビーに向かいます。このホテルはルームサービスがありませんが、24時間、カウンターで飲み物とスナック類を販売しています。落ち着いた照明のロビーにはテーブルやこたつ、本棚に隠れるように配置されたソファなどがあり、ちょっとした隠れ家のよう。 常陸野ネストビールと、土浦特産のレンコンを使用したスナックを注文。ワインを飲みながら、こたつでボードゲームに興じる女性グループ。ミキサー付き自転車をこいで、スムージーを作る家族連れ。この開放的でくつろいだ雰囲気は、グランピングのパブリックスペースに似ています。 部屋に戻り、今度はガラス張りの浴室でバスタブのお湯に浸りながら、壁にディスプレイした自転車を眺めます。明日はどこをポタリングしようか。この場所からは、つくば霞ケ浦りんりんロードで、霞ケ浦にも筑波山方面にも行くことが可能。常磐線で輪行した先を回るのもいいな。 でも、土浦市内の食べ歩きやお土産買い歩きも魅力的。あれこれ思いを巡らせ、ポタリング気分が盛り上がった一夜でした。(広報コンサルタント)

県議選告示 つくばは現新8人、土浦は現職3人が届け出

任期満了に伴う県議選は2日告示され、正午時点で、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補を届け出て3人超の激戦に突入した。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補を届け出た。土浦はほかに立候補者がない場合、午後5時に当選が確定する。無投票当選は同市で過去に例がない。 つくば市区は女性候補が初めて半数を占めた。立候補を届け出たのは▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の8人。同市の1日現在の有権者数は19万5232人。 土浦市区は、▽公明現職で4期目を目指す八島功男氏(66)▽自民現職で2期目を目指す高橋直子氏(38)▽自民現職で6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)の3人が立候補を届け出た。1日時点の有権者数は11万8575人。 つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8) 佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致 宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②循環型社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現 ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡し 塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実 山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進 鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具【公約】①TX南北への早期延伸実現など交通整備②高校の早期学級増など学びの保障③ケアラー・ヤングケアラー支援計画策定 山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守る 星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策 土浦市区の立候補者(定数3-立候補者3) 八島功男(やしま・いさお)66 党役員 公明 現③【略歴】土浦市出身、創価大学法学部卒。元常陽銀行土浦ローンプラザセンター長、筑波支店長など歴任。党県本部幹事長。永国【公約】①つくば霞ケ浦りんりんロードを活用など人にやさしいにぎわいと魅力あるまちづくり②子育て応援トータルプラン策定 高橋直子(たかはし・なおこ)38 歯科医師 自民 現①【略歴】土浦市出身、日本大学医学部卒。つくばリボン歯科医院長を歴任。現在、県歯科医師連盟顧問。右籾【公約】①就学前教育の充実と小学校へのスムーズな接続②幼保施設、小学校でのフッ化物洗口など歯科口腔の健康を守る 伊沢勝徳(いざわ・かつのり)52 県議 自民 現⑤【略歴】土浦市出身、明治大学大学院公共政策学修了。狩野安参院議員秘書、党県連政務調査会長など歴任。現在、県議会議長。真鍋。【公約】①保健・福祉の充実②教育・生涯学習の充実③地場産業の育成・TX土浦延伸

県議選あす告示 つくば市区は現新8人、土浦市区は現職3人が立候補へ

任期満了に伴う県議選は2日告示され、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補し3人超の激戦になる見通しだ。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補し選挙戦にならず2日にも当選が確定するとみられる。無投票当選になれば同市区で初めて。 つくば市区は現職5人のうち公明の田村けい子氏が引退する。立候補を表明しているのは、現職が▽4期目を目指す星田弘司氏(48)=自民=▽4期目を目指す鈴木将氏(50)=自民=▽5期目を目指す山中たい子氏(71)=共産=▽2期目を目指す塚本一也氏(57)=自民=の4人と、新人は▽前市議の山本美和氏(52)=公明=▽元市議の宇野信子氏(57)=つくば市民ネット、立憲推薦=▽美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)=無所属=▽市議のヘイズ・ジョン氏(59)=無所属=の4人。1日時点の有権者数は19万5232人で、4年前より約1万3000人増えている。4年前の投票率は41.80%だった。 土浦市区は▽4期目を目指す八島功男氏(66)=公明=▽6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)=自民=▽2期目を目指す高橋直子氏(38)=自民=の現職3人が立候補する予定。1日時点の有権者数は11万8575人で、4年前より約1000人増えている。4年前の投票率は34.93%だった。 3人超の激戦へ つくば市区 つくば市区の星田氏は3期連続でトップ当選を重ねる。県犯罪被害者支援条例など4つの条例制定、信号機設置など通学路の安全対策などに取り組んだ実績を強調し、ポストコロナの再興支援、県立高校の定員増などを掲げる。告示日の2日は午前10時から同市西大沼の事務所前で出陣式。 鈴木氏は市議会最大会派などの応援を受ける。県ケアラー支援条例制定にあたりプロジェクトチームの座長を務めたなどの実績を強調、TX南北への早期延伸実現、科学技術の実装、高校の早期学級増、ケアラー支援計画策定などを訴える。2日は午後2時から寺具集落センターで出陣式。 山中氏は、12月県議会に市民団体が出した県立高校新設などを求める請願で唯一の紹介議員になった。コロナ、物価高、格差と貧困、東海第2原発問題などに対し、暮らしと平和が一番の県政への転換を訴える。11月26日には志位和夫党委員長が応援。2日は午後1時からつくば駅前で第一声。 塚本氏は、TXと常磐線を接続してつくばと水戸を結ぶ構想を提唱。大井川和彦知事が今年度調査費を計上しTX県内延伸構想が動き出した。農林水産物のブランド化、スクールバス運行による県立高校の通学圏拡大などを訴える。2日は午前10時から若森の信金隣りの駐車場で出陣式。 山本氏は、県議を4期務めた田村けい子氏の後継。教員を目指し教育学部で学んだ経験から教育の大切さを強調し、子どもの貧困対策や、TX東京駅延伸による生活の足の確保などを訴える。11月27日には山口那津男党代表が応援に駆け付けた。2日は午前10時から、天久保の事務所内で出陣式。 宇野氏は、現在市議4人を擁するつくば市民ネットが県議選に初挑戦する立候補予定者。公立高校や洞峰公園グランピング問題などを挙げ、県の情報がほとんど市民に届いてないと指摘し、情報公開と市民参加で県政を見える化するなどと訴える。2日は午前10時から二の宮の事務所前で出発式。 佐々木氏は、今年7月の参院選で維新から県選挙区に立候補し次点で敗れたが、つくば市では1万6000票超を得票した。参院選で傾聴した皆さんのお困りごとを解決したいと無所属で挑み、高齢者の介護サービス拡充、教育と出産無償化などを掲げる。2日は午前9時ごろ市役所前で第一声。 ヘイズ氏は、2012年から3期連続で市議トップ当選を果たしている。8年前、県議選に立候補したが次点で敗れ、今回、再挑戦し雪辱を期す。公立高校をつくば市に新設、再生可能エネルギーと蓄電池の活用、海外企業・自治体と茨城の橋渡しなどを訴える。2日は出陣式などは実施しない。 2日にも確定か 土浦市区 八島氏は、誰一人取り残さない、日本一幸せな茨城を目指すと訴え、つくば霞ケ浦りんりんロードの活用、子育て応援トータルプランをつくる、にぎわいの土浦をつくるーなどを掲げる。2日は午前10時から下高津の事務所隣りで出陣式。 伊沢氏は現在、県議会議長を務める。保健・福祉の充実、教育・生涯学習の充実、地場産業の育成・TX土浦延伸、災害に強いまちづくり、女性・若者の声を生かすーなどを掲げる。2日は午後6時から城北町のホテルマロウド筑波で出陣式。 高橋氏は昨年9月の県議補選で初当選。2期目は、子供たちに明るい未来のための教育、歯科口腔の健康を守る、日本一子供を産み育てやすい県の実現と少子化対策ーなどを訴える。2日は午前10時から、小岩田東の事務所前で出陣式。

10月、11月に大規模自転車イベント 土浦駅拠点に茨城プレDC

プレイアトレ土浦(JR土浦駅ビル、土浦市有明町)を運営するアトレ(本社・東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)は10月~12月にかけて茨城県で開催される観光キャンペーン「茨城プレデスティネーションキャンペーン」(茨城プレDC)に合わせ、霞ケ浦一周のサイクリングが楽しめるライドイベント「いばらきK1ライド2022」や2020年以来となる人気イベント「BIKE&CAMP(バイク&キャンプ)」などを開催する。 本県で21年ぶり3回目となるデスティネーションキャンペーンは、23年10月から12月の開催が決定した。JR東日本、JR東海などJRグループ6社が地域と一体となって、魅力的な観光資源の紹介、イベント開催やおもてなしに取り組み、集中的な宣伝を全国で実施する。国内最大規模の観光キャンペーンは3カ年にわたり展開され、22年には「茨城プレDC」を、24年には「茨城アフターDC」を、共に秋季開催する。 茨城プレDCでは、県が誇るサイクリングやキャンプなどのオープンエアで楽しめるアクティビティーのほか、茨城の豊かな「食」をメーンコンテンツに全国各地からの観光誘客を図るよう計画された。アフターコロナを見据えた観光需要の回復や県内経済の活性化を目指すという。 「いばらきK1ライド2022」は霞ケ浦一周にチャレンジするファンライドイベント。主催はいばらきK1ライド大会事務局(東京)。開催日は10月16日。ナショナルサイクルルートにも選ばれた「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦エリアを走行しながら、途中のエイドステーションでは地元の名産品や名物グルメを楽しむ。 霞ケ浦1周コース(95キロ)のほか、土浦~潮来(霞ケ浦南岸を走行)をサイクリングし、復路はサイクルーズに乗船し、クルージングで土浦まで戻る55キロコース、土浦~かすみがうら市歩崎公園までの往復の初心者向け36キロコースが設けられる。 参加費は▽95キロ(大人6500円、中高生4000円)▽55キロ(大人7000円、中高生5000円)、36キロ(大人3500円、中高生2500円)=いずれも税込み。イベントサイトから申し込みできる。 「BIKE&CAMP」は20年10月の開催では、2日間で3500人が来場した自転車とキャンプをテーマにした旅イベント。今回は11月19日と20日、霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)を会場に開く。最新自転車の試乗、地元産品の販売、キッチンカーの出店、旅マルシェ(世界各国の雑貨など)トークショー、ワークショップ、チャリティオークション、ライドイベントなどが予定されている。入場は無料。キャンプ宿泊は別途。イベント特設サイトから申し込める。 10月9日、10日にはプレイアトレ土浦6階屋上で「食とお酒」のイベントを初開催。土浦市自慢のグルメやアトレ2階・佐藤酒店おすすめの茨城の地酒を堪能できる。イベントでは、地元の常陸秋そばを原料とするそば焼酎「土浦小町」の試飲やそば処の味などが楽しめる。県内のクラフトビールを豊富に用意しての「ビアフェス」も同時開催する。各イベントの詳細は、順次プレイアトレ土浦のホームページで公開する。 茨城デスティネーションキャンペーンの詳細はこちら。

サイクリストの宿 《日本一の湖のほとりにある街の話》1

【コラム・若田部哲】このコラムは、日本一の湖・霞ケ浦にまつわる様々なコトやモノを紹介する欄です。「日本一は琵琶湖でしょ」と思ったそこのアナタ。もちろん正解ですが、それは面積の話。一般に「霞ケ浦」と呼ばれているのは霞ケ浦の一部(西浦)で、北浦や外浪逆浦(そとなさかうら)といった水域を合わせると、「周長」日本一は霞ケ浦なのです。 この霞ケ浦周囲と、隣接する筑波山とを巡るサイクリングコースが「つくば霞ケ浦りんりんロード」として、2019年、全国で3カ所しかない「ナショナルサイクルルート」に選定されました。 今回は、このサイクルルートの起点となる駅ビル「プレイアトレ土浦」内に、2020年、オープンした「星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦」をご紹介。総支配人の大庭祐太さんにお話を伺いました。 合言葉は「ハマる輪泊」 BEB5土浦は、高級リゾート「星のや」をはじめ、様々なブランドを展開する星野リゾート初の、自転車を楽しむホテルです。 合言葉は「ハマる輪泊」。本格的サイクリストから、普段自転車に乗らない人、ビジネスマンまで、幅広い人それぞれが気軽に楽しめるホテルになっています。 気軽さ・手軽さに重点を置いており、フロントで予約のQRコードを読み取らせれば、チェックインは完了。小径車とクロスバイク2タイプの電動自転車を貸し出しているため、手ぶらで来て、気軽にサイクリングが楽しめます。 その一方、本格的なサイクリスト向けの自転車用メンテナンススペース、自転車関連サニタリーなどにも抜かりがありません。 また、館内に自転車を持ち込めるため、盗難の心配は皆無です。 客室は性格が異なる3タイプ。1つ目の「サイクルルーム」は、本格的サイクリスト向きの部屋。部屋内の壁にサイクルスタンドが設置されており、向かい側のガラス張りの浴室から、お湯に浸かりながら愛車を眺めるなんてことも可能です! 2つ目が「ヤグラルーム」。畳敷きの部屋の中央に、上がロフトベッドになっている櫓(やぐら)が組まれ、その下は大きなソファとなっている、皆でワイワイと楽しむのに最適な空間です。 3つめの「ダブルルーム」は、ビジネスにも使用しやすい、シンプルで居心地の良いスペース。いずれのタイプにも、さりげなく自転車的モチーフが散りばめられている演出が心憎いところです。 カジュアルな素材を用いつつも、細部まで計算されたプロポーションや、要所に配された名作什器(じゅうき)により、館内のどこを切り取ってもSNS映えする空間となっているのも、さすが星野リゾート。 居心地の良いスタイリッシュな空間だけでなく、季節を通して様々なアクティビティが用意され、何度も来たくなる、まさに「ハマる輪泊」が用意されています。 地域文化こそ最大の資源 自転車を楽しむホテルだけに、スタッフはみな相当なサイクリストぞろいかと思いきや、必ずしもそうでもないとのこと。逆に、そうしたスタッフの意見から生まれたアクティビティもあるそうです。 例えば、今夏開催の「朝活ブルーベリーサイクリング」では、電動アシスト付き自転車で、ホテルから片道10キロほどのブルーベリー農園に向かい、農薬無使用・有機農法のブルーベリー狩りを楽しみます。その後、収穫した果実をホテルのミキサー付自転車でスムージーにして味わう、というもの。 サイクリストなら、「えっ」と思うかもしれません。ある程度自転車に乗る人間にとって、10キロはほんの散歩程度の距離。ですが、普段自転車になじみのない人にとって、10キロは一つの壁であり、達成感も得られる絶妙な距離設定です。 生粋のサイクリストだけだったら逆に生まれにくいアイデアも、柔軟に取り入れていく。そこには星野リゾートの社風である、アイデアを自由に出し合えるフラットな組織文化があるとのこと。自転車を楽しみつつ、プラスアルファとして「この地域ならではの地域文化を楽しんでいただく」ことを念頭に、常に皆でアイデアを出し合っているのだそうです。 「自転車リゾートはまねできるが、地域文化はまねできない。茨城の豊富な地域文化こそが、このホテルの強みです」と大庭さんは語ります。 農業大国・茨城の様々な地域文化・資源と自転車の組み合わせで、これからどのようにこのホテルが成熟していくのか、とても楽しみです。(土浦市職員) 【わかたべ・てつ】筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻修了後、建築設計事務所など経て、2009年、土浦市役所入庁。地元出身が多い職場にあって、県外出身として地域への理解を深めるため、霞ケ浦周辺を歩き回り、様々な対象をイラスト化。WEBサイト「日本一の湖のほとりにある街の話」などで地域の魅力を配信。1976年生まれ。 「日本一の湖のほとりにある街の話」の公式ホームページはこちら

サイクリストの宿 《日本一の湖のほとりにある街の話》1

【コラム・若田部哲】このコラムは、日本一の湖・霞ケ浦にまつわる様々なコトやモノを紹介する欄です。「日本一は琵琶湖でしょ」と思ったそこのアナタ。もちろん正解ですが、それは面積の話。一般に「霞ケ浦」と呼ばれているのは霞ケ浦の一部(西浦)で、北浦や外浪逆浦(そとなさかうら)といった水域を合わせると、「周長」日本一は霞ケ浦なのです。 この霞ケ浦周囲と、隣接する筑波山とを巡るサイクリングコースが「つくば霞ケ浦りんりんロード」として、2019年、全国で3カ所しかない「ナショナルサイクルルート」に選定されました。 今回は、このサイクルルートの起点となる駅ビル「プレイアトレ土浦」内に、2020年、オープンした「星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦」をご紹介。総支配人の大庭祐太さんにお話を伺いました。 合言葉は「ハマる輪泊」 BEB5土浦は、高級リゾート「星のや」をはじめ、様々なブランドを展開する星野リゾート初の、自転車を楽しむホテルです。 合言葉は「ハマる輪泊」。本格的サイクリストから、普段自転車に乗らない人、ビジネスマンまで、幅広い人それぞれが気軽に楽しめるホテルになっています。 気軽さ・手軽さに重点を置いており、フロントで予約のQRコードを読み取らせれば、チェックインは完了。小径車とクロスバイク2タイプの電動自転車を貸し出しているため、手ぶらで来て、気軽にサイクリングが楽しめます。 その一方、本格的なサイクリスト向けの自転車用メンテナンススペース、自転車関連サニタリーなどにも抜かりがありません。 また、館内に自転車を持ち込めるため、盗難の心配は皆無です。 客室は性格が異なる3タイプ。1つ目の「サイクルルーム」は、本格的サイクリスト向きの部屋。部屋内の壁にサイクルスタンドが設置されており、向かい側のガラス張りの浴室から、お湯に浸かりながら愛車を眺めるなんてことも可能です! 2つ目が「ヤグラルーム」。畳敷きの部屋の中央に、上がロフトベッドになっている櫓(やぐら)が組まれ、その下は大きなソファとなっている、皆でワイワイと楽しむのに最適な空間です。 3つめの「ダブルルーム」は、ビジネスにも使用しやすい、シンプルで居心地の良いスペース。いずれのタイプにも、さりげなく自転車的モチーフが散りばめられている演出が心憎いところです。 カジュアルな素材を用いつつも、細部まで計算されたプロポーションや、要所に配された名作什器(じゅうき)により、館内のどこを切り取ってもSNS映えする空間となっているのも、さすが星野リゾート。 居心地の良いスタイリッシュな空間だけでなく、季節を通して様々なアクティビティが用意され、何度も来たくなる、まさに「ハマる輪泊」が用意されています。 地域文化こそ最大の資源 自転車を楽しむホテルだけに、スタッフはみな相当なサイクリストぞろいかと思いきや、必ずしもそうでもないとのこと。逆に、そうしたスタッフの意見から生まれたアクティビティもあるそうです。 例えば、今夏開催の「朝活ブルーベリーサイクリング」では、電動アシスト付き自転車で、ホテルから片道10キロほどのブルーベリー農園に向かい、農薬無使用・有機農法のブルーベリー狩りを楽しみます。その後、収穫した果実をホテルのミキサー付自転車でスムージーにして味わう、というもの。 サイクリストなら、「えっ」と思うかもしれません。ある程度自転車に乗る人間にとって、10キロはほんの散歩程度の距離。ですが、普段自転車になじみのない人にとって、10キロは一つの壁であり、達成感も得られる絶妙な距離設定です。 生粋のサイクリストだけだったら逆に生まれにくいアイデアも、柔軟に取り入れていく。そこには星野リゾートの社風である、アイデアを自由に出し合えるフラットな組織文化があるとのこと。自転車を楽しみつつ、プラスアルファとして「この地域ならではの地域文化を楽しんでいただく」ことを念頭に、常に皆でアイデアを出し合っているのだそうです。 「自転車リゾートはまねできるが、地域文化はまねできない。茨城の豊富な地域文化こそが、このホテルの強みです」と大庭さんは語ります。 農業大国・茨城の様々な地域文化・資源と自転車の組み合わせで、これからどのようにこのホテルが成熟していくのか、とても楽しみです。(土浦市職員) 【わかたべ・てつ】筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻修了後、建築設計事務所など経て、2009年、土浦市役所入庁。地元出身が多い職場にあって、県外出身として地域への理解を深めるため、霞ケ浦周辺を歩き回り、様々な対象をイラスト化。WEBサイト「日本一の湖のほとりにある街の話」などで地域の魅力を配信。1976年生まれ。 「日本一の湖のほとりにある街の話」の公式ホームページはこちら

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