火曜日, 10月 6, 2026
ホーム土浦「データ活用し次のステップへ」つちうらMaaS始動

「データ活用し次のステップへ」つちうらMaaS始動

【伊藤悦子】次世代の交通システム「つちうらMaaS(マース)」の実証実験が15日スタートするのを前に、開幕式典が14日、同市川口のりんりんポート土浦で開かれた。主催者の「つちうらMaaS推進協議会」会長で関東鉄道(同市真鍋)の松上英一郎社長は「MaaSの実装に向けて準備を進め、いよいよ明日から実験できることになる。15日から3月12にまで4週間実施する。今回の取り組みが土浦市の課題解決の一助になれば」とあいさつした。

電動キックボードに試乗する安藤真理子土浦市長

MaaSは複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、アプリを利用して検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦市は、国交省の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され、準備を進めてきた。市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的だ。

同協議会副会長の安藤真理子土浦市長は「実証実験で集まったたくさんのデータを活用し、次のステップにいくことを大いに期待する。実証実験が成功することを切に願っている」と力強くあいさつした。

同副会長で、土浦商工会議所の中川喜久治会頭は「MaaSの実証実験は、土浦がテレワークやワーケーションに適した土地であることの大きな発信力にもなる。実証実験を成功させ、土浦の大きな発展の礎になるようにしたい」と抱負を語った。

式典では地元選出の衆院議員、県会議員、市議らがあいさつし「何としても実験を成功させたい」と訴えた。

式典終了後、りんりんロード駐車場内で電動キックボード試乗会が行われた。実際に乗った安藤市長は「やり方がわかれば誰でも乗れる。バランス感覚もそれほど必要ではない。力を使わず楽に、簡単に移動ができる」と感想を話した。

バス路線廃止区域で実験 「何がいいのか、データとる」

 式典後、同推進協議会会長の松上英一郎・関東鉄道社長は今回の実証実験の意義などについて次のように話した。

―実証実験の意気込みは?

松上 昨年の7月から会を発足させて半年でここまでこぎつけた。関係者の尽力に感謝したい。実証実験では(バス停から自宅までの)ラストワンマイルの移動手段として、電動キックボートとラクロ(自動運転一人乗りロボ)の2種類を提案している。電動キックボードはシニアから若い人まで各層で使える。折りたたんで電車やバスに持ち込み、自宅から駅、駅から会社までの移動手段など、1日4回使える乗り物になると提案している。ラクロは都市部で実証実験が済んでいるので、私どもは新治地区の、人混みはないが車がスピードを出して走っている地区で安全走行ができるかを試す。きわめて有効な乗り物だと私どもは思っている。

ラストワンマイルだけでなく、飲食店や交通機関が利用できるモバイルチケットも発売する。ぜひ市内、市外からお越しの方に、モバイルチケットを使ってもらい、土浦市の魅力を再発見していただけたら。

新治地区でコミュニティバスの実験もする。顔認証システムとマイナンバーカードを使った実験で、来年度に向けて、バスの自動運転やマイナンバーカードを使った完全キャッシュレスの実験をしていきたい。

ーデータをとるということだが、目指すところは何か?

松上 実験だから、私どもの仮説は当然ある。しかし、いろいろな方に使っていただいて、まず、不便だとか、もっとこうした方がいいとか、意見を頂戴したい。答えを求めて実験するわけではない。日本のいろいろな地区で参考になるデータが集まればいいと考えている。

ー「つちうらMaaS」は国交省の「日本版MaaS推進・支援事業」に選ばれた全国38カ所の一つだが、全国で初めて行われる実験はあるか?

松上 新たなテクノロジーを使った実験ではないが、「つくば霞ケ浦りんりんロード」で行う電動キックボードのすれ違い実験などは、初めて、安全性走行試験を長距離で実験する。そのデータを各関係者が活用していただければ幸いだ。

ー将来、今回の実証実験の組み合わせで新たな交通手段はできるか。

松上 バスやタクシーの運転手、物流トラックの運転手も国内では減っている。おそらく時間給に見合った労働ではないからだと思っている。バスの運転手は安全運転とお客さんの集金など業務は多岐にわたり、大変な仕事だ。運転手を続ける人が少なくなっている中で、こういった自動運転システムを早晩つくっていかないと公共交通はなくなってしまうかもしれない。こういった実験を我々もやっていこうと思う。

ー今回、実証実験をする新治地区は、以前、コミュニティバス「新治バス」の試験運行を実施したが、成功しなかった(2019年10月29日付)。今回はラクロ(自動運転一人乗りロボ)やAIバスの実証実験をするが、ラクロはバスの運行に寄与するのか。

松上 ラクロも電動キックボードも自宅からバス停までや、駅までの移動手段として有効だと思う。都市部では実証実験が進んでいる。地方都市も同じだ。我々は新治地区でコミュニティバスの実験をやる。以前、関東鉄道のバスが走っていたが1年足らずでやめた。今回は、利用者のデータをもとに、どんな要望があるのかということからバス停の場所を決める。バスが走っても人が乗らなかった地域で、タクシーがいいのか、自転車がいいのか、ラクロがいいのか。私どもはラクロがいいと考えて今回、実証実験をする。

➡つちうらMaaSの過去記事はこちら

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