土曜日, 3月 25, 2023
ホーム スポーツ 水辺のまち土浦をカヌーで遠足 来春始動へ ラクスマリーナ

水辺のまち土浦をカヌーで遠足 来春始動へ ラクスマリーナ

【鈴木宏子】水辺のまち土浦で、市内を流れる川をカヌーで巡り、自然体験や観光に生かそうという新たな試みが始まっている。コロナ禍、野外で、親子や小グループでも楽しめる旅行商品づくりでもある。

霞ケ浦で遊覧船を運行するラクスマリーナ(同市川口、社長・栗原正夫土浦市副市長)が企画した「カヌー遠足」で、来春の商品化を目指している。

ガイドが付き添い、遠足気分でカヌーを楽しんでもらおうという企画だ。市街地を流れ、両岸に約200本の桜並木が続く桜の名所、新川を水面から巡る「新川遠足」や、夏にはハスの花が一面に広がる日本一のハス田を巡る「霞ケ浦レンコン田遠足」などが企画されている。

企画は、県の筑波山・霞ケ浦広域エリア観光連携促進事業「アウトドア層向け新商品企画開発」の開発部門で入賞し、11月から来年2月まで計5回のモニターツアーが実施される。

モニターツアーで子供たちが新川巡り

初のモニターツアーは11月に実施され、つくば市研究学園の総合型地域スポーツクラブ、NPO法人Next one(ネクスト・ワン、井上真理子代表)の小学1年から5年生約20人が、新川のカヌー遠足に参加した。初めてカヌーに乗るという参加者もいた。

午前10時、霞ケ浦・土浦港のラクスマリーナを出発、霞ケ浦から新川河口に入り、常磐線の鉄橋など計9カ所の橋をくぐって、桜並木が途切れる真鍋橋上流まで上り、Uターンする往復4キロを巡る約2時間のコースだ。真鍋橋では、川岸に立地するコンビニに上陸してトイレ休憩。子供たちはコンビニ店で一人200円ずつ渡され、それぞれ好きなおやつを買うなど遠足気分を盛り上げる演出もあった。

参加したつくば市の小学3年、女子児童は「いろいろな景色が見えて面白かった」、同市、同3年の男子児童は「流れが強いところがあって岸にぶつかりそうになったけど楽しかった」などと話していた。

同NPOアシスタントマネジャーの河田萌さん(28)は「子供たちは自分たちの力で進んで、仲間と協力しながら乗り越えることを体験できたと思う」と語った。

ツアーのガイドには、土浦港で年4回実施されているカヌーやヨット体験イベント「誰でも楽しもう霞ケ浦」を支えるボランティアらが参加し、子供たちの安全を見守った。「誰でも楽しもう」は2005年から開催され、障害者も高齢者も子供も、だれでも霞ケ浦を楽しんでもらおうという催しだ。ツアーにガイドスタッフとして参加した筑波大出身で埼玉県春日部市の会社員、木村穂高さん(53)は「子供たちは、ぐらぐらする水面や非日常を楽しんでくれたと思う」と話す。

カヌー遠足を企画したラクスマリーナ取締役の秋元昭臣さんは、自転車愛好者がつくば霞ケ浦りんりんロードを自由に行き来して楽しんでいるように、水面ではカヌーが行き来し、誰でも気軽に楽しめるようになることを目指したいとし、「霞ケ浦には56本の流入河川がある。皆が水に親しむようになれば、川もよりきれいになるのでは」と話す。

◆カヌー遠足は「新川遠足」が片道1.3キロ、往復90分で参加費は大人4500円、子供(小学4年生以上)2500円、「霞ケ浦レンコン田遠足」は片道650メートル、往復90分で、参加費は大人3500円、子供2000円。料金はいずれも税込み。詳しくは電話029-822-2437(ラクスマリーナ)。

guest
名誉棄損、業務妨害、差別助長等の恐れがあると判断したコメントは削除します。
NEWSつくばは、つくば、土浦市の読者を対象に新たに、認定コメンテーター制度を設けます。登録受け付け中です。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

7月着工、来年3月ごろ開業へ つくば市旧茎崎庁舎跡地ドラッグストア

ドラッグストアの開業を提案した大和ハウス工業茨城支社(つくば市)を優先交渉権者に決定した、つくば市の旧茎崎庁舎跡地(同市小茎)の利活用について(22年9月26日付)、同市は24日、同茨城支社と23日、30年間の定期借地契約を締結したと発表した。 市公有地利活用推進課によると、今年7月に本格着工し、来年3月ごろまでにオープン予定という。当初、年内オープンを見込んでいたが、コロナ禍で契約締結協議などに時間を要し、開業が約3カ月遅れる見通しだという。 定期借地契約は今年7月1月から2053年6月末までの30年間で、土地賃借料は年約90万円。固定資産税評価額の改定があった時は見直す。 店舗予定地の敷地面積は約2700平方メートル、店舗面積は約1100平方メートル。 周辺住民から要望があった、青果や精肉などの生鮮食品を取り扱うほか、店内に約30平方メートル程度のフリースペースを設け、テーブルといすを置き、来店客が自由に利用できるようにする。さらに敷地内の店外に緑のあるオープンスペースを設け、テーブルといすを置き、来店客がバスを待ったりできるようにする。 茎崎庁舎は2010年4月に閉庁、16年1月に解体され、跡地は更地のままになっていた。(鈴木宏子)

お米を買ってもらい、谷津田を保全 《宍塚の里山》99

【コラム・福井正人】宍塚の里山を構成する重要な環境の一つに谷津田があります。冬にも水が張られた谷津田では、早春、ニホンアカガエルが多数産卵します。カエルが増えると、それを食べるヘビが増え、ヘビが増えるとそれを食べる猛禽(もうきん)類が増えるといった「生き物のつながり」が生まれます。このように、谷津田は生き物の生息域として重要な場所になっています。この環境を守ろうと始めたのが「宍塚米オーナー制」で、今年で25年目を迎えます。 人類が稲作を始めたころ水田が作られたのは、水が手に入りやすい谷津田のような環境だっただろうと言われています。しかし、現代のようなかんがい設備の整った水田耕作では、水が引きにくく、田んぼの形も不揃いで小さく、また周りの木々にさえぎられて日当たりも悪いといった問題があります。さらに、湧き水が入るために水温も低い谷津田の環境は、稲の生育にも作業する人間にとっても不利な状況になっています。 このように、生き物の生育環境としては重要でも、耕作条件としては不利な谷津田での耕作を続けていくためには、いろいろな工夫が必要です。例えば、里山のもつ公益的機能の恩恵を受けている非農家である都市部の市民にもお金や労力を提供していただくことです。私たちの会では、支援としての「宍塚米オーナー制」と労力としての「田んぼ塾」(現在の「自然農田んぼ塾」と「田んぼの学校」)を立ち上げ、谷津田での耕作を維持してきました。 「田んぼの学校」では、たくさんの子どもたちが自然と触れ合い、我々の主食である「お米」がどのように作られるのかを学ぶ場所になっています。 宍塚米のオーナーを募っています 宍塚米オーナー制では、毎年4~9月、谷津田の支援に賛同してくれるオーナーを募り、10月末に谷津田を耕作してくれている宍塚の農家からお米を買い取り、オーナーに発送しています。品種はコシヒカリで、宍塚の里山の猛禽類の象徴サシバにちなんで「宍塚サシバ米」と呼んでいます。

マスクを脱いで巣立ちも 筑波大で4260人の卒業式

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の卒業式・学位授与式が24日、大学会館で行われ、スーツや袴に身を包んだ生徒らが新たな門出の日を迎えた。22年度の卒業・修了者は4260人。マスクの着用については自由で、一部の生徒らはマスクを外して式に臨んだ。 式典は学群が2回と大学院が1回の3回に分けて実施され、永田学長から各学群の代表者に学位記や卒業証書が手渡された。卒業生と修了生のみが参加し、家族や在校生らは会場の様子をライブ配信で視聴する形となった。式典後の祝賀会は開催せず、謝恩会については大学側が自粛を求めた。 永田学長は式辞で、筑波大が東京高等師範学校の創設から数えて150年を迎えたことや、昨年から文部科学省より指定国立大学法人に指定されていることを述べ、「みなさんがそれぞれに新しい挑戦をすることこそが、本学の価値を世界に発信することであり、みなさんに続く後輩たちの活動の幅を広げていく」と激励した。 卒業式で式辞を述べる永田学長 人文・文化学群日本語日本文化学類の鎌田真凜さん(22)は「コロナ禍での生活は、これまでの当たり前を覆すことばかりだった。オンラインが中心となり、友人や先生方と顔を合わせることすら難しくなった時期もあるが、同じ思いや悩みを抱えた仲間がいることが何よりも救いになり、変わり続ける状況の中でも学びを止めることなく進み続けてこられた」と述べ、教職員や地域の人々に支えてくれたことへの感謝の意を伝えた。 式典の前後には、卒業生が在校生や家族らと大学会館脇に咲く桜を背景にして写真を撮影し、喜びを分かち合った。人文・文化学群で西洋史を専攻し、卒業後は就職するという河野太一さんは「時の流れが速く感じ、うまく言葉にできない。対面授業からオンライン授業、オンライン授業から対面授業への切り替えに慣れるのが大変だったので感慨深い。卒業後は仕事と趣味を充実させたい」と話した。人間学群心理学類に所属する女性は「大学院に進学するので実感があまりない。臨床心理士の資格を取り、将来は心理の関係で働くことができれば」と将来の希望を話した。(田中めぐみ)

聖地土浦に「パトレイバー」デザインマンホール デビューを前に市役所で展示

土浦市オリジナルの「機動警察パトレイバー」デザインマンホール15種類が完成し、24日から市役所2階(同市大和町)で展示が始まった。4月9日まで展示したあと、土浦駅周辺道路に設置する。 カプセルトイのアクリル製マンホールキーホルダーも作成、4月下旬からまちかど蔵(同市中央)、きらら館(同市大和町)で販売する。デザインマンホールの情報をSNSで拡散した人には、オリジナルグッズとして紙製コースター(約2000個)を郵送する。 パトレイバーオリジナルキーホルダー 2022年に開催の「機動警察パトレイバー30周年突破記念 in土浦『TV-劇パト2+』展」では全国から約3000人のファンが来場した。根強いファンが多いため、デザインマンホールを設置することで同市を訪れる人を増やし、回遊性や消費を高めるのが狙い。 キャラクターの背景は土浦の風景や名産

記事データベースで過去の記事を見る