水曜日, 9月 9, 2026
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18日からライド&トリップ プレイアトレ土浦 県の推進事業に認定

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プレイアトレ土浦内の特設ブースでりんりんロードを走るバーチャルライド(プレイアトレ土浦PR事務局提供)

【山崎実】コロナ禍で打撃を受けている県内観光地の活力を取り戻し、地域経済の活性化を図る県の「いばらき観光誘客推進事業」の対象に、土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」(運営・アトレ)が実施する大型イベント「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~(ウエルカム・ツチウラ・プロジェクト~ライド&トリップ)」など2事業が認定された。2事業には県が各1億円の補助を行う。

プレイアトレ土浦は、9月18日から11月末まで、筑波山と霞ケ浦を結ぶ全長180キロの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」周辺で、県内の観光資源や自然を生かしたサイクリング、キャンプ、アウトドアイベントなどを実施する。さらに周辺市町と連携し、バーチャルとリアルを融合させた、withコロナ期の新たな形のイベントを提案していると評価された。

認定事業のもう一つは、茨城放送が実施する「偕楽園チームラボデジタルアート&周辺イベント」。来年2月中旬から3月中旬に、日本三名園の一つ、偕楽園(水戸市)で、梅まつり時期の夜間に、県内初の大規模なチームラボによるデジタルアートを実施する。また偕楽園周辺でのキャンプイベントや朝マルシェ、弘道館、大手門ライトアップなど市内各地で関連イベントを行う。来年度以降の開催も期待できると評価された。

同事業の対象は、県内の観光資源を生かした新たな集客コンテンツとなる大型誘客イベントで、8月末までの応募期間で38件の申請があった。今回、そのうち2件が第1次認定として採択され、あと2件程度ある残り枠(2億円)についても、今月中の第2次認定が予定されている。

バーチャルサイクリングや合宿ライド

プレイアトレ土浦が実施する「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~」の主なイベントは以下の通り。

▽バーチャルサイクリング チャレンジ=9月19日~11月30日、プレイアトレ土浦2階特設ブースで、世界中の人とりんりんロードを一緒に走るバーチャルライドをオンライン上で体験できるほか、自宅に居ながら茨城の魅力あるサイクリングコースをオンライン上で体験できる。

ツアーゲストとして、アテネオリンピック出場の元プロロードレーサー田代恭崇さん㊨を招く(同)

▽オリンピアンと走る!上級者向けライドツアー=アテネ五輪出場の元プロロードレーサー田代恭崇さんを招き、3コースを走る。①10月10~11日・スキルアップ合宿ライド(星野リゾートBEB5土浦宿泊)②10月18日・筑波山ヒルクライムライド③10月25日・歴史探訪ライド

▽茨城の名所を巡る!ビギナー向けライドツアー=秋の紅葉シーズンに茨城ならではの酒蔵やグルメを楽しむ。3コースある。①11月6~7日・BEB5土浦に泊まる!宿泊ライド②11月8日・稲葉酒造酒造見学ライド③11月15日・秋のグルメライド

つくばワイナリーを会場にBIKE&CAMP FES 2020を開催(同)

▽BIKE&CAMP FES(バイク&キャンプ・フェス)2020=10月31日と11月1日、つくば市のつくばワイナリーで開催する。自転車・アウトドアメーカーなどが多数出展し、アウトドアの新たな扉を開きたいキャンパーや自転車初心者も楽しめる。旅に特化した自転車本体、パーツ類、パニアバッグなどを展示・販売するほか、自転車への荷物の積み方、輪行の仕方、ギアの選び方、ワインセミナー、たき火のおこし方などのワークショップやトークショー、グルメブースなど盛りだくさん。キャンプサイトでの宿泊もできる。

▽第2回つくば霞ケ浦りんりんサイクリング=初心者が週末に気軽に参加できるファンライドで、全長180キロのうちの一部約50キロをコースとして走る。初心者が不安に感じるサイクリングのハウツーをサポートするコンテンツを多数用意し、自転車イベントデビューを応援する。エイドステーションでは、地域ならではの味覚をご用意、秋の風景を感じながら、程よい運動とグルメを堪能できる。

《くずかごの唄》69 東京下町の食文化

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】沢村貞子さんは1996年に亡くなったが、一時は日本を代表する幅の広い俳優で、私はこの人の気どりのない演技と、会話の中の早口の浅草言葉がことのほか好きであった。

この間、NHKテレビの料理番組で、貞子さんの大学ノート26冊分の家庭料理のレシピを紹介していた。沢村さんは明治41年(1908)に東京の浅草で生まれて育った人である。貞子さんだけではない。この時代に育った東京下町の女たちは、いわゆる「お惣菜(そうざい)」作りにかなりの知恵と情熱を傾けていた。

私の母も京橋区新栄町生まれの下町育ちで、お惣菜作りの情熱はハンパではなかった。

「お母さんは死ぬとき、最後の食事は何を食べたい?」

「そうね、フランスパンがいいわ、バターのいいのをつけて」

洋風のパンと言われたのが、私にはちょっと意外だった。近所に、芥川龍之介の父親が経営する牛乳屋さんがあって、そこへ行けばバターもチーズもいろいろな種類のものが手に入ったという。明治生まれの東京人あこがれの食は,洋風のお惣菜だったのかも知れない。

父の鉄砲洲(てっぽうず)小学校の同級生、尾崎喜八さんの詩にも、外国への憧憬(しょうけい)がちらちら見える。

常陸の醤油は「おひたじ」

母はお醤油を「おひたじ」と言っていた。

土浦に来ると、家の人たちが食事に「おひたじ」をたくさん使うので驚いていた。醤油は常陸筑波の産、土浦から船で江戸に運ばれて普及した調味料なので、「常陸」が下町風になまって「おひたじ」という呼び名になったらしい。

母も沢村貞子さんが好きだった。私が沢村さんの声、言葉のテンポ、リズムが好きだといったら、沢村さんのリズムは浅草の言葉だから真似してはいけないと言われてしまった。真似するどころか、私には、浅草と京橋の言葉のリズムの差さえわからない。

「真似なんて、私に出来っこないわよ。安心して」

東京にも地域によっていくつかの方言があることはわかっていたが,私には浅草と京橋の言葉の区別さえつかない。母の大嫌いな山の手のいわゆる「ザーマス言葉」は「そうざあます」(ございます)がなまったものらしい。

「おひたじ」のように、お惣菜の中に残っていた調味料や器具の東京方言、もっと、母に聞いておけばよかったと思う。(随筆家、薬剤師)

アートで現代社会を切り取る美術家たち 21日までつくば市民ギャラリー

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佐々木元彦さんと「HISTRY(宇宙5秒の世界)」=つくば市市民ギャラリー

【田中めぐみ】主に県内在住の写真愛好家や美術家たちによる作品を展示した「フォトMAX美術展」が16日、つくば市民ギャラリー(同市吾妻)で始まった。21日まで。2015年から毎年開催されており、今年で6回目。20人の作家が、写真や絵画などジャンルにとらわれない現代アート作品31点を出展している。

主催者の佐々木元彦さん(アース808ギャラリー代表、牛久市)は、元は「週刊新潮」の報道カメラマンだった。仕事でアーティストを取材したのがきっかけで感銘を受け、40代でアートの世界に入ったという。同美術展には、過去の自分の写真や靖国神社に参拝する若者、絵物語作家の山川惣治作品などのモチーフをコラージュした作品「HISTORY(宇宙5秒の世界)」を出展し、宇宙から見れば短い人類の歴史を表現した。

「この美術展に出展する作品には特に基準や制限を設けていない。製作者の好奇心や感性、直観を大切にし、他の美術展には出せないような作品を出してもらっている。アートとは答えがないもの。表現したエネルギーや情報はその人の一部分であり、魂。魂には嘘がない。それが見る人に伝われば」と話す。

大和田清さんと「運転御法度時代考(高齢者・飲酒・ノーベルト)」

桜川市在住の大和田清さんは、「運転御法度時代考(高齢者・飲酒・ノーベルト)」と題した写真を出展した。5、6年前にもらい、家に置いてあったという人体模型から着想を得、運転席に乗せて撮影。高齢ドライバーや違法運転といった社会問題をコミカルに風刺した。「社会的な問題をテーマに、現代に合った作品を作ろうと思った」と話す。

清水牧夫さんが出展したのは、今年1月に渋谷で撮影した写真「STOP!COVID-19」。撮影当時は、日本初のコロナウイルス感染者が確認されたとの報道で世の中が騒ぎ始めた時期だったという。大きな口を開けた看板モデルと対照的に、被写体の男性は少し口元を気にしながら立っている。「まずは見ている人に足を止めてもらい、その後作者が何を思っているのか、立ち止まって考えてもらえるような作品を心掛けている。きれいなだけの写真ではなくて、何かメッセージを持たせたい」と語る。

清水牧夫さんと「STOP!COVID-19」

布施谷敏子さんは、主催者の佐々木さんが講師を務める写真同好会「写心遊学クラブ」のメンバーで、5年前から写真を始めたという。「雨上がり」と題した写真は、絵のように見えるが加工ではなく、自分の影を写したもの。「歌舞伎座に出かけた時、外階段に出ようとすると水たまりができていて、偶然自分の影が映ったのを撮影した」と話す。外出していておもしろい光景があると撮影をして楽しんでいるという。

布施谷敏子さんと「雨上がり」

◆フォトMAX美術展Vol.6「過去~現在~未来の自伝」 21日(月)までつくば市市民ギャラリー(つくば市吾妻2-7-5、中央公園レストハウス内)。開館は午前9時半~午後5時(最終日は3時まで)。入場無料。 問い合わせ:佐々木元彦さん(080-1210-1695)

県内初 スポーツコミッション設立へ 県南・西の9市でプラットフォーム組む

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プラットフォームは9市の若手職員を中心に月2回のペースで勉強会を開いている=守谷市役所

【山崎実】スポーツによる地方創生を目指して、県南県西地域の9市が「スポーツによる地方創生官民連携プラットフォーム」を立ち上げた。まずは茨城県初のスポーツコミッション設立をめざし、マスタープランの策定準備や連携人材の育成など、具体的な年度計画を決め、動き出した。

2017年、プロ野球の日本ハムファイターズと筑波大発ベンチャー、Waisportsジャパン(東京都目黒区、松田裕雄代表)を中心に、北海道と茨城県のスポーツを通じた交流による地方創生実現の動きが活発化。折から19年茨城国体のハンドボール競技を共同開催した守谷、常総、坂東の3市を中心に、スポーツを通じた広域連携の取り組みを継続し、地方創生へつなげていく動きが盛り上がった。

スポーツに対する多様なニーズや市単独では解決できない課題などに対応するため、県南県西地域の自治体に参加を呼び掛けたところ、構成は3市に龍ケ崎、下妻、牛久、取手、つくばみらい、筑西を加えた9市に拡大。今年度のプラットフォームの設立に至った。

会長には松丸修久守谷市長が就いた。事務局の常総市教育委員会スポーツ振興課によれば、9市にまたがる広域連携は県内では例がない規模という。設立趣旨には「茨城国体のレガシーを継承するための一環であり、今後、スポーツを活用した取り組みによる課題の解決などを広域的に調査、研修し、地方創生の推進につなげていく」と掲げた。

事業としてはまず、地域スポーツコミッション設立をめざす。スポーツと観光を組み合わせた「スポーツツーリズム」、域外から参加者を呼び込む「地域スポーツ大会・イベントの開催」など、スポーツと地域資源を掛け合わせ、戦略的に活用することで、まちづくりや地域活性化につなげる取り組み。今年度、国のスポーツコミッション設立支援事業に採択された。

プラットフォームはコロナ禍でスタートが遅れたが、これまでに各市の若手職員によるワーキングチームを編成、スポーツコミッション設立の目途を2022年4月において、活動スケジュール(事業計画)を策定した。

今年度は月2回のペースで勉強会を開催しており、先進地視察など踏まえ、年内にもマスタープランの基本構想を定める構えだ。

現段階では具体的なスポーツ競技名などはあがっていないが、今後、「まだ加盟していない自治体にも加入促進を呼び掛け、地元企業などに参画してもらい、これまでに例のない規模での広域連携と官民連携を進めていきたい」と活動の広がりに期待している。

◆プラットフォームに対する問い合わせは、常総市教委スポーツ振興課(電話0297-44-7657)。

《ご飯は世界を救う》27 パン&カフェ「デリフランス」

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】「少しコロナ禍も落ち着いてきたかな」と、恐る恐るランチ再開。なるべく大きな空間で、密にならない場所を求めて頭を巡らせます。そして思いついた、つくば駅の真上「キュート」1階のパン屋&カフェ「デリフランス」さん。

調べて見ましたら、こちらのお店は全国展開。コロナで一時休業などの店舗もあったようです。

飲食する場所は広く、天井も高く、テーブル間もユッタリ。今回訪ねると、いろいろな対策も。パン本体、以前はオープン売りでしたが、今は1個1個ラッピング。パンは、出来たては熱いし、冷ましてからラッピングするのは大変と思います。

そして、新メニュー「BENTO」(お弁当?)と記載された箱には、この絵のような少し小さ目のパンがいろいろ。なんだかうれしくなって、これをチョイス。お値段も600円で、コーヒーは50円で付けることができました(2020年8月現在)。お得感満載!! 絵の手前の小さいパンは、甘いパンも食べたい私が付け加えました。

コロナ禍、工夫を重ね集客に努力

カフェ部分は前から離れていたのですが、少し近めの場所はアクリル板で仕切られていました。コロナで時短営業をしているようです。また、レジやドリンク作業部分には、以前は若い女性が数名働いていましたが、どうもパン製造の方と思わしき男性お1人。コロナの影響で、アルバイトさんなどは自宅待機と言われていますよね。その影響でしょうか。

飲食店、食物販売店さん、その他いろいろなお店が工夫を重ね、集客に努力なさっているのを見て、本当に頭が下がります。今までの普通の業務に追加して、コロナ対策をしているにもかかわらず、客足は伸びず売り上げが減少。

「Go To Eatキャンペーン事業」も始まるようですが、コロナが早く収束し、すべての働いている方々が、大変な状況から良い方向に行けるよう祈るばかります。(イラストレーター)

骨董機器売ります つくばの研究機関が創立50周年を前にオークション

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10キロ近い重量のユニットも出品されている=KEK(つくば市大穂)

【相澤冬樹】筑波研究学園都市最古の移転研究機関の1つで、来年創立50周年を迎える高エネルギー加速器研究機構(KEK、つくば市大穂)が、使われなくなった機器類を一般に有償譲渡する骨董(こっとう)市を企画した。しかし15日開催の現物確認イベントに訪れた買い手は皆無。ミリタリーファンや鉄道ファン並みのマニア出現を期待したものの、「加速器愛好家」の存在はなお、理論上の仮説にとどまっている。

理論の枠組みはディープだ。担当するのは研究支援戦略推進部未来基金事業推進チーム(竹内大二チームリーダー)といい、50周年を機にこれまでの歩みを振り返るとともに、次の50年に向けて各種の記念事業を実施するため編成された。先に寄付金事業をスタートさせており、「KEK未来基金~いっしょに未来を創ろう」プログラムに取り組んでいる。

骨董市も、未来に向け多様な財源を考えていくなかの一環という。竹内チームリーダーによれば、機器類は従来廃棄処分、または鉄くずとして業者に売り払っていたもので、一般向けに有償譲渡するのは初めて。「当初は9月初旬の一般公開のイベントとして、オークション会場を設けて大々的にやろうとしたが、コロナ禍で一般公開自体がオンライン開催になってしまった」ことから、規模を縮小してのトライアル開催となった。

25日まで入札受け付け

まずは9月6日のオンライン一般公開に際し特設サイトを設け、12GeV(120億電子ボルト)陽子シンクロトロンのコントロールルームなどで使用していた機器類のなかから、電磁ホーンや制御盤銘板(プレート)、イオン源発生用金属片など14点を選び、出品した。同シンクロトロンは1976年から2005年末まで、約30年に渡り運転を続けていたKEKで一番長い歴史を持つ加速器だ。

出品物は動作保証するものではないが、加速器施設特有の放射化した装置などは出品対象から除外している。目玉に予定していたオシロスコープもPCB(ポリ塩化ビフェニル)の使用が否定できないことから出品を取りやめ、電子基板が11枚差し込まれた解析用ユニットに差し替えられるなどしている。

このあと25日までを応募期間に入札を募り、出品ごとに最高額をつけたものが落札する。オンライン公開には延べ1万2000人の閲覧がカウントされたが、これまでのところ応札者はなく、問い合わせも2件にとどまっている。15日の現物確認イベントにも事前の申し込みがなく、記者の取材後、早々に撤収された。

竹内チームリーダーは「PR下手なところもあって、オンラインでアピールしきれなかったきらいがある。さらに工夫をして、加速器マニアの出現を期待したい」と話している。

◆KEK寄附金特設サイトはこちら(有償譲渡の応募要項などにリンク)

つくば市議会を「障害」で検索 一般質問を冊子にまとめる

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冊子を編集した斉藤さんとコラムを執筆した自立生活センターのメンバー

【川端舞】来月のつくば市長選と市議会議員選に向け、これまで議会ではどのように「障害」について議論してきたかをまとめた冊子が刊行された。障害者団体、つくば自立生活センターほにゃら(つくば市天久保)による『つくば市議会を「障害」でポチッと検索』。編集した斉藤新吾さん(45)は「市議会での議論を見える化することで、投票時の参考にしてもらえれば」と語る。

斉藤さんは、つくば自立生活センターの事務局長であり、自身にも重度身体障害がある。「政治に関心がない」という言葉を聞くこともあるが、障害があると、生活の中で政治を敏感に感じざるを得ないという。例えば五十嵐つくば市長が公約に掲げている教育支援員の増員についても、障害児がいる家庭では関心の高い課題である。

しかし市政の情報は時間をかけて調べないと集まらない。そこで、「障害」について市議会でどんな内容がどのように取り上げられているのかを調べ、同じ関心がある人たちと共有できるように冊子にまとめようと思った。

市議会ホームページから閲覧できる定例会一般質問の要旨と会議録に、「障害」に関する7つの単語「障害」「障がい」「医療的ケア」「特別支援」「児童発達」「チャレンジアート」「合理的配慮」で検索をかけた。検索対象期間は、現在の市議会議員の任期期間である2016年12月定例会から20年3月定例会まで。条件に該当した41の一般質問の要旨と会議録を冊子にまとめた。

市議会をより身近に

調べてみると、「障害」に関して様々な面から議会で質問されていることが分かった。斉藤さんは「この冊子を通して、私たち市民の暮らしを考えてくれている議員のみなさんを応援するとともに、市議会と私たちの生活がより身近に感じてもらえたら」と語る。

冊子には、教育支援員の増員や、2019年に市が始めた人工呼吸器を使用する障害者等への家庭用発電機購入補助制度など、市議会でも取り上げられた話題について、つくば自立生活センターで活動している障害者や支援者が考察したコラムも掲載されている。

冊子は1部1000円。つくば自立生活センター事務所とつくば市民活動センター(つくば市吾妻)で購入できる。

《法律かけこみ寺》22 登記にかける症状

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土浦市神龍寺(本文とは関係ありません)

【コラム・浦本弘海】不動産の売買は多くの方にとって、あまり経験のない一大事ではないでしょうか。そして、不動産の売買に関して法的にトラブルになりやすいのが登記。そこで今回は不動産登記について取り上げます。

ところで、民法では「不動産」を「土地及びその定着物」とアバウトな定義をしていますが(民法86条1項)、不動産登記法は「不動産」を「土地又は建物をいう」(不動産登記法2条1号)と具体的に定義しています。不動産登記の文脈では、「不動産」とは土地か建物と考えてください(樹木は含みません)。

ちなみに、民法は「動産」を「不動産以外の物」と、これまた無味乾燥な定義をしています(民法86条2項)。日本語的には動産という概念が先にあって、動産以外の物が不動産のようにも思いますが、不動産を定義するほうが法的には簡単だったのでしょう。

不動産登記について、売買をするうえでどうしても欠かせない重要な知識が「不動産登記には公信力がない」ということです。

「あ、それ知ってる」という方は今回のコラムはパスで。

所有権者が真の所有者とは限らない

「不動産登記には公信力がない」というのは、別の言い方をしますと、登記簿上、所有権の権利者(所有権者)とされている者が(法律上の)真の所有者とは限らない、ということになります。

したがいまして、登記簿上の所有権者がAさんだとして、BさんがAさんから不動産を買ったとしても、不動産の真の所有者がCさんだった場合、Bさんはその不動産を自分の物にすることが(原則)できません。

「え? 登記を信じて買ったのに!?」

そうなんです。登記を信じても(必ずしも)法的な保護を受けられない、それが「公信力がない」という意味です。これがドイツであれば、ドイツでは登記に公信力がありますので、Bさんは不動産を自分の物にすることができます。

ここだけ見ますと、登記を信じた者が保護される法制度の方がよいようにも思えますが、一方でCさん側から見ると、自分の不動産が勝手に売られて、それを取り戻すことができない(たとえばAさんがCさん名義の土地を違法に自分名義に変えて売った場合)のも釈然としません。

BさんとCさん、どちらを保護するかという悩ましい二択で、日本はCさんを保護する制度を採用したということになります。

法に正義はないのか!

というわけで、不動産をご購入されるときは、登記簿上の所有権者から購入することは大前提としても、登記を絶対視せず、他に真の所有者らしき人がいないか現地をきちんと確認することも大切です。

「CとAがグルになっていた場合は? 法に正義はないのか!」

たしかにCとAがグルになって、Bさんに不動産は渡さず金は持ち逃げ…ひどい話です。このような場合、民法94条2項(虚偽表示)を類推適用して、Bさんが保護される場合があります。裁判所の目にも涙、といったところでしょうか。(弁護士)

渡辺大輔さん、集大成の初CD つくばのケーナ奏者

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ケーナは南米ペルー、ボリビアなどが発祥の木管楽器。演奏する渡辺大輔さん=土浦市内で撮影

【伊藤悦子】つくば市在住のケーナ奏者、渡辺大輔さん(39)が、オリジナル曲などを収録した初のCD「Quena WORLD(ケーナワールド)」を発表した。

筑波大出身で、元土浦市役所職員、2013年にプロのケーナ奏者に転身した。今回のCDは、聴く人の喜び、うれしさに思いを寄せて曲を作り、演奏したという。

「自分自身のアーティストとしての思いと、聴く人が求めているものが、ちょうど一致する部分の集大成が今回のCD。本音で素直に吹いた。このCDは自分自身そのもの」

ピアノやギター、民族楽器などとのアンサンブルで聴かせる。収録11曲のうち7曲は、渡辺さん自身が作曲した。ボリビアの名曲「Llaqui Runa(リャキルナ、悲しい人)」で始まり、オリジナル曲をはさんで、X JAPANのカバー曲「Forever Love(フォーエバーラブ)」(YOSHIKI作曲)で終わる。

「喜びや悲しみなどで心が揺さぶられたときにメロディーが浮かぶ。オリジナル曲は僕にとって人生の何かしら大きな出来事の記録、記憶、足跡ということ」

「Llaqui Runa」は筑波大学の入試を終えた渡辺さんが、大学構内で初めて聞いたケーナの曲だ。ケーナについても曲についてもまったく知識がない状態で聞いたとき、長年のファンであるX JAPANの曲を思わせた。自分の原点に戻る思いで、彼らの代表曲「Forever Love」をカバーした。

CDを手にする渡辺さん=同

CDジャケットは、幻想的なブルーの中に真っ赤な1輪のダリアが印象的。描いたのは、大学1年の時に出会って20年以上たった今も親しくしている友人。先に曲を聞いてもらい、曲のイメージだけでイラストを描いてもらった。真っ赤なダリアは渡辺さんが「どこかに描いて」と頼み、「イメージどおりの仕上がりになった」という。

「自分の音楽でみなさんの幸せの小さなお手伝いができれば」というアルバム『Quena WORLD』は3000円(税込み)。注文はこちらの公式ブログから。

【参考記事】本サイトコラム《好人余聞》 9 「こんな竹の筒に惚れてしまったんですね」渡辺大輔さん

オンラインでもYOSAKOIは踊れる 筑波大学生サークル「斬桐舞」(下)

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かけ声と共に右手を挙げて練習の最後を締める部員たち=「Zoom」キャプチャー画像

【車谷郁実】新曲の完成を目指し、オンラインでの振り入れが始まって、もうすぐ1カ月。初めての試みはうまく進んでいるのだろうか。

新曲の振り入れは週に2回で2時間程度。1回の練習に30~40人が参加している。振りは各パート2、3人が中心となって考えた。練習ではそのうちの一人が振りを教え、残りの人が部員の踊っている様子を観察して気づいたことを担当者に伝える。練習の様子は録画し、後で見返すことが出来るようにした。

手を広げ満面の笑みで踊ってる

オンラインでは相手に直接触れることができないため、腕の微妙な角度やつま先の向きなどの細かい部分を伝えることが難しい。担当者は「腕の角度は45度、つま先は外にむけて」など画面に各パーツのみを映しながら、動きを言語化して具体的に伝えている。

しかし、対面と違いオンラインでは同時に複数の人が会話をすることができない。自然と会話の数が減り、淡々と時間が過ぎてしまうこともしばしば。実際に振りを教えた小澤政貴さん(20)は「コミュニケーションをとることが難しく、相手がどう思っているかがわかりづらい」と不安げな様子を見せる。そこで、部員の進捗状況を把握するため、定期的に各自で動画を撮って提出してもらい、振りをどのくらい覚えられているか確認するようにした。

動画を見た部長の田中大輔さん(21)は「こんなに新入部員のみんなが踊れるようになると思っていなかった。自主練習を頑張ってくれたんだと思うととてもうれしい」と予想外の出来に驚きをみせた。新入部員の渥美和香奈さん(18)は録画された先輩の動画を0.5倍速で再生し、練習後それを見て自主練習に励んだという。練習を何度も見返すことが出来るというオンラインならではの良さを活かした。

また、オンライン練習では手をつないだり、ハイタッチしたりしながら踊ることができないなかで、多くの部員が手を画面いっぱいに広げて満面の笑みで踊っている様子も目立つ。新入部員の米谷はづきさん(19)は「先輩がニコニコ踊っているのを見て、画面越しでも楽しさが伝わった。対面だったらもっと楽しいんだろうな」とまだ知らないYOSAKOIの魅力に思いをはせている。

振り入れは9月いっぱいまで。全員に振りを覚えてもらった後、各々の動画をつないで一つの動画にする予定だ。田中さんは「引退前に必ず曲を完成させたい。リモートでも一体感を味わえる作品にしたい」と意気込んでいる。(筑波大学社会国際学群社会学類1年、ドットジェイピーインターン生)=おわり

《邑から日本を見る》71 安倍政治を検証する(1) 許せない国家権力の私物化

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【コラム・先崎千尋】安倍首相の退陣表明を聞いていて、本人には悪いが「神輿(みこし)は軽くて〇〇がいい」という政治の世界ではよく聞く言葉を思い出した。青木理『安倍三代』(朝日新聞出版)によれば、安倍晋三(以下敬称略)は「目立たない凡庸ないい子」で、これといったエピソードがなく、政治にほとんど関心を持たなかったという。その安倍の首相在任期間が最長となった。

その秘密を解き明かすキーワードが、「神輿」ではないのか。神輿が軽かったから、担ぎ手である周りの政治家や官僚、財界、うまい汁を吸おうとすり寄ってくる人たちにうまく利用されたのではないか。神輿である親分は軽い方が、部下は担ぎやすく動かしやすい。一連のコロナ騒ぎでそのことが証明されたではないか。

彼は「コロナに打ち勝って東京オリンピックを開く」と言ったが、コロナウイルスは人間相手とは勝手が違うので、コロナに打ち勝つことはできないし、制圧することもできない。

安倍は国会で何度も「悪夢のような民主党政権」という汚い言葉を使った。私も言おう。「悪夢のような安倍政権」と。自己利益のためだけに行動し、自分の支持者にしか便益をもたらさない。反対派には何もやらない。自分に異を唱える人を「左翼」と叫び、敵と味方に分けてしまい、分断をあおる。

何かあったときに「責任は私にある」と言い続けても、その責任を取ろうとしない。それだけではなく、「美しい」この国を、取り返しがつかないほどめちゃくちゃにしてしまった。「取り戻そう、日本」。

憲法無視、国会軽視

まず、安倍退陣表明を受けて、新聞はどう捉えたのかを社説で見てみよう。「讀賣」は「長期政権の功績大きい」と褒めたたえているが、「朝日」は「安倍政治の弊害清算の時。分断、忖度(そんたく)克服を」と安倍政権の功罪を検証することを提言している。「毎日」も「安倍支持の弊害 民主主義ゆがめた深い罪」と厳しい。

安倍政治の弊害、罪の最たるものは、憲法無視、国会軽視であろう。彼は「私は立法府の長」といみじくも言ったが、国会を内閣の下請け機関のようにしてしまった。モリカケ問題、「桜を見る会」の問題で野党が追及しても、首相や閣僚の答弁はのらりくらり。誠実に取り合おうとしなかった。「丁寧に説明する」と言いながら、一度も丁寧に説明しなかった。

憲法では、議員の4の1以上から請求があれば臨時国会を開かなければならないのに、野党から追及されるのを恐れてか開かなかった。考えが異なる内閣法制局長官の首をすげ替え、憲法解釈を自分の都合のいいように変えてしまった。集団的自衛権の容認も同じだった。結果として失敗したが、検事総長人事にまで手を出そうとし、法律を変えようとした。

令和という年号制定の時には自分の好みを入れさせ、天皇には発表直前に通知するだけ。日本の首相は、憲法や天皇の上にあるということを内外に知らしめたのだ。

公文書の改ざんや「桜を見る会」問題など、自分に都合の悪い資料を廃棄してしまったことも国政運営の根幹に関わることだ。隣の韓国では、前大統領が自分の親友に便宜を図ったということで大統領の座を追われ、逮捕されている。安倍は「この国はいい国だ」とうそぶいているのだろうか。恐ろしいことだ。(元瓜連町長)

オンラインでもYOSAKOIは踊れる 筑波大の学生サークル「斬桐舞」(上)

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チャット機能でコミュニケーションをとりながら練習を進めている=「Zoom」キャプチャー画像

【車谷郁実】県内外で活躍する筑波大学のYOSAKOIソーランサークル「斬桐舞(きりきりまい)」がオンラインでの活動を続けている。週に2回2時間ほどアパートの自室などから双方向型オンライン会議アプリ「Zoom」を使って練習している。8月末からは新曲の振りのレクチャーが始まった。振り入れという。オリジナル曲の完成に向けて、試行錯誤を続ける斬桐舞の半年間を追った。

新曲の振りを共有できない

斬桐舞では2年に1度、振りや楽曲、衣装デザインなどをメンバーたちが一から考え、オリジナル曲を作っている。今年はオリジナル曲を更新する年で、2月末から現3年生を中心に制作を開始した。予定通りいけば年末には全部員に振りを共有し、4月には新入生に披露するはずだった。しかし、新型コロナが流行。活動の自粛を余儀なくされ、新曲の振りを共有できないまま時間だけが過ぎた。毎月1回のペースであった各地のイベントも次々と中止になっていった。

3カ月が経ったころ、サークル内でこのままでいいのかという声が上がり始めた。夏には対面練習を再開できるかもしれない。せめて体作りだけでもと6月からオンラインで筋トレやストレッチを始めた。普段の活動と同じ週に2回、時間は普段よりも1時間半短い30分。自粛生活の中で部員たちがつながりを感じられるようにコミュニケーションをとる時間も設けた。

そうして、本格的な練習が始まらないまま、7月に入った。コロナは一向に収束する兆しを見せず、3年生にとって最後の舞台である11月の大学の学園祭も中止が決定した。新曲の振りを中心に作ってきた副部長の大坂実旺(20)さんは「何を目標にすればいいかわからず、サークルとして活動している意味さえわからなくなった」とその時を振り返る。

3年生の転機になったのが、オンライン開催された祭りへの参加だった。昨年までのオリジナル曲を各々が踊って撮影し、それを動画編集して1つの曲につなげる。新入部員にもオンラインで曲の一部を教え、参加してもらった。一人で踊った動画をつなげて、見応えはあるのかはわからない。それでもゴールを見失った3年生にとって、一つの達成したい目標が出来たことは確かだった。

完成した動画を見て、部長の田中大輔さん(21)は「予想外の出来だった。オンラインでもYOSAKOIは踊れる」とその可能性を実感。「自分たちの曲も完成させたい」とオンラインで新曲の振り入れを始めることを決めた。(筑波大学社会国際学群社会学類1年、ドットジェイピーインターン生)=つづく

《食う寝る宇宙》69 オンラインで宇宙講演会

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【コラム・玉置晋】今年は、新型コロナの影響でリモートワークをしている方も多いかと思いますが、講演会も軒並みオンライン開催になっています。

先日、オンラインサロン「Remote Campus(通称リモキャン)」で講演させていただく機会がありました。リモキャンは、水戸市出身の会社員、永田聡さんたちにより、今年3月に立ち上げられました。以来、ほぼ毎日、子どもから大人まで登壇しています。会場を使った講演ではなく、すべてインターネット上での講演です。

僕は今年4月に宇宙ビジネスサロンABLabで「宇宙天気プロジェクト」を立上げました(コラム64参照)。そこでは、「宇宙天気キャスタ」や「宇宙天気インタプリタ」(コラム49コラム50参照)といった、社会の現場で草の根的に活動する、宇宙天気の知見を持った人材の発掘を行っていることに触れました。

オンライン講演会では、聞き手も発言することができます。また、チャットを用いて文字入力も可能なので、議論が成立します。これらの機能を使って、様々な立場の方々と白熱した議論を行うことができました。

講師側はボコボコにされることもありますので、ちょっと恐ろしい機能ではありますが、有益なコメントを得ることもできます。原因はどうあれ、おうちで宇宙講演会を楽しめる時代になったのは、なかなか素敵だと思います。

大学はオンライン授業

社会人大学院生として所属する茨城大学は、学生の密を避けるため、許可がなければキャンパスに入ることすらできません。授業はすべてオンラインです。院生の場合は、研究室のゼミへの参加が主となります。プレゼン資料を作成し、その説明を行い、質疑に応えるという流れとなります。

学生さんには、移動しなくてもよい点で好評なようですが、学生同士でワイワイ、キャンパスライフを送れないのはちょっと可哀そうですね。学生の皆さん、いかがです?

会社の若者に聞いたところ、例えば地震が起きたとき、今はまずソーシャルネットワークサービス(SNS)を確認するそうです。SNSは、リアルタイムで災害の情報発信・収集が可能です。これまでの災害時の経験から、電話回線がパンクした後でも、SNSは利用できる可能性が高いと思います。一方で、SNSは悪質なデマや誤った情報が拡散されやすいのは注意です。

この話を聞いた若者のオチとしては、地震が起きたら「逃げる前に」SNSを確認するそうです。まずは身を守ることを考えましょう。(宇宙天気防災研究者)

【気分爽快 りんりんロード】2 土浦-岩瀬往復80キロを毎日走破 越後睦陸さん

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早朝のりんりんロードを走る越後さん

【田中めぐみ】土浦駅付近から岩瀬駅までの「つくば霞ケ浦りんりんロード」をほぼ毎日、自転車で往復している元サラリーマンがいる。越後睦陸(よしたか)さん(73)だ。往復距離はおよそ80キロ。5時間半から6時間程度で走破する。

ヨットから自転車に

越後さんは、元は小型ヨット、ディンギーの愛好家だった。ディンギーは風が強くなると、傾かないように反対側に体重をかけてバランスを取る「ハイクアウト」という体勢で操縦する。船の外に体を出し、足で強く踏ん張るため、上半身と下半身の筋肉を使う。かなりの持久力も必要だ。この「ハイクアウト」でずっと体を鍛えていた。

1989年にクルーザーを手に入れた。霞ケ浦に臨む土浦港のヨットハーバー、ラクスマリーナに停泊し、以来25年間クルーザーで寝泊まりした。

ラクスマリーナは土浦駅から徒歩10分の距離にある。勤め先は都内だったため常磐線で通い、休みの日には家族と外洋に出て、大島に出掛けたり、途中の漁港で食事をしたりして楽しんだ。

その後、クルーザーを手放し、ディンギーにも乗らなくなった。今は家族とマンション暮らし。なまってしまった下半身を鍛えたいと5年ほど前から自転車に乗るようになった。

最初は普通の自転車で走っていたが、クロスバイクを手に入れてから走行距離が少しずつ伸びていき、土浦から岩瀬の往復が日課となった。越後さんの記録によると、昨年1年間の走行距離は2万6557キロに達する。

移り変わる四季を五感で感じる

毎朝、早朝5時に出発。りんりんロードの虫掛休憩所-藤沢休憩所-小田城跡歴史広場-筑波休憩所と過ぎて、出発地点からおよそ22キロ地点にあるコンビニに立ち寄ってコーヒーを味わうのが越後さんの習慣だ。

それ以外は水分補給だけでほとんど休憩を取らない。岩瀬までのコースの魅力は、日々刻々と移り変わる季節を五感で感じられることだという。

沿道の春は、梅のつぼみから咲き始め、桜の開花やウグイスの初鳴きを楽しむことができる。特に虫掛から藤沢休憩所の辺り、小田城跡から筑波山バスターミナル辺りの桜はアーチのようで絶景だ。

夏はアジサイや青々とした田んぼが美しい。ヘビが横切って驚かされることも何度かある。

晩夏からは初穂がだんだんと頭を垂れる様子が、秋が深まると筑波山の紅葉が目を楽しませる。冬には身が引き締まるような季節風を感じるようになる。

様々な種類の鳥や、派手ではないが美しい小さな花々も見え、日々小さな変化を感じるそう。毎日走っても飽きないという。

りんりんロードの桜のアーチ(越後さん撮影)

平坦で初心者向き グルメも魅力

土浦から岩瀬間は途中、傾斜もあるが、それほどきつくなく平坦で初心者向けのコースだと話す越後さん。

最近は女性のサイクリストも多くなってきたそうだ。途中、グルメを楽しめるのも魅力という。

越後さんのお薦めは筑波休憩所近くの「松屋製麺所」(つくば市沼田)。店内で食べられるだけでなく、ラーメンや、つけ麺の生麺とスープを買って帰ることができるため、よく立ち寄って購入する。

また、少し坂はきついが、りんりんロードから筑波山神社の方に少し上ると、かりんとう饅頭で知られる「沼田屋本店」(同市沼田)もある。手打ちそばと鴨料理が食べられる「鴨亭」(桜川市真壁町)もお気に入り。

土浦港から遊覧船に自転車を持ち込みクルーズする「広域サイクルーズ」を利用して潮来港まで足を伸ばすときは、「錦水」(潮来市潮来)でうなぎを食べるのが楽しみだそうだ。

当面現状のまま つくば市旧谷田部庁舎跡地 一角に地区交番移設

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更地になったままの旧谷田部庁舎跡地=つくば市谷田部

【鈴木宏子】2013年に庁舎が解体され更地になったままの、つくば市旧谷田部庁舎跡地(同市谷田部、約1万3000平方メートル)利活用地元説明会が11日、谷田部総合体育館で開かれた。市公有地利活用推進課は、当分の間これまでと同様に、駐車場やイベント広場として利活用するという方針を示した。参加者からは利活用の検討が進んでないことに対する不満が相次いだ。

一方、県警つくば警察署から、跡地の一角1000平方メートル程度に、谷田部地区交番を移設し建て替える計画が示された。約500メートル離れた現在の地区交番が築約40年と老朽化していることから、検討している。まだ計画段階だが、来年度中に建て替え工事を実施し、2022年4月に移転・開設する方向という。旧庁舎跡地のどの場所に移設するかについては今後、市と協議して決める。

説明会で市は、利活用方策検討調査の結果について、商業施設と駐車場兼イベント広場の2案を検討したとした。結果、現在も年100日間以上駐車場として利用されていること、商業施設を誘致した場合、旧商店街への影響が懸念されるとした。

その上で、当分の間、これまで通り、バスロータリーや駐車場、イベント広場として利用し、地元の要望を踏まえながら、引き続き利活用を検討するとした。

11日午後開かれた谷田部庁舎跡地利活用地元説明会の様子=つくば市谷田部、谷田部総合体育館

説明会には地元区長ら約35人が参加した。参加者からは「この程度のことしかできなかったのか」「2つでなく5つぐらいアイデアを出せたのではないか」「長期間検討が進まないのは、何がネックになっているのか」「今後どれくらいの間、検討するのか」などの意見が出た。

「全天候型のプールや体育館を検討してほしい」「車がない人や免許証を返納した人などスーパーがほしいという人もいる」など具体的な提案もあった。これに対し市は「皆様の意見を伺いながら、いい利活用を考えたい」などと答えるにとどまった。

旧谷田部庁舎は、市役所が現在の研究学園駅近くに移転したことにより2010年4月に閉庁し、13年に解体された。その後、庁内ニーズ調査、市場調査などが行われ、スーパーやドラッグストアなどの案が出された。区会連合会支部などからは公共施設、商業施設、保育所などの要望書が出された。

◆地元説明会は2回開催され、2回目は12日午前10時から同体育館で開かれる。

冬場に大気がアンモニア運ぶ 霞ケ浦の富栄養化対策に一石 茨城大

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冬季のアンモニア揮散・移流・沈着の概念図(論文資料)。背景は冬の霞ヶ浦と筑波山

【相澤冬樹】秋から冬にかけて農地に散布された堆肥が高濃度の大気中アンモニアとなり、北寄りの季節風に乗って湖上に流されている―と、霞ケ浦の富栄養化対策に一石を投じる論文が発表された。執筆当時、茨城大学大学院農学研究科大学院生だった久保田智大さん(現・日本原子力研究開発機構所属)が中心となり、茨城大学の堅田元喜さん(現・同大学特命研究員)、国立環境研究所、気象研究所、京都大学、森林総合研究所などによる研究グループの論文としてまとめられ、10日公表された。

アオコの発生など、水質悪化に悩む霞ケ浦では、窒素やリンなどの栄養分が河川を通じて湖沼に流れ込むため、調査や対策は流域に範囲を広げて行われなければならない。湖水だけを調べても効果的な対策は打ち出せないわけで、今回は水の流れにとどまらない大気を介した窒素流入の実態解明に流域規模で取り組んだ。国内ではほとんど調査されていなかったプロセスだ。

大気を通じた窒素の供給源には、畜舎・堆肥舎や肥料散布などによりアンモニアが大気中に排出され、雨水に取り込まれて陸上に落下する「湿性沈着」や、ガスとして湖沼の表面まで運ばれ吸収される「乾性沈着」の例が知られる。アンモニアの沈着は、生物の必須元素である窒素化合物の供給源として本来有益だが、湖沼のような閉鎖水域に過剰に供給されると植物プランクトンが異常に繁殖し、アオコの発生などにつながる場合がある。

研究グループは、霞ケ浦流域の住宅地、森林、農地、湖上など36地点に大気採集のためのサンプラーを設置し、そのうち17地点で最長1年4カ月にわたって大気中アンモニア濃度を観測した。

その結果、観測期間中の土地利用別の月平均アンモニア濃度は、農地、湖、住宅地、森林の順に高かった。特に排出量が大きい霞ケ浦の北部を含む農地や湖では、大気中アンモニア濃度が冬季に最大となることがわかった(図参照)。同じ流域の内部で、湖沼と隣接する畜産地帯との間に大気を介した循環(揮散・移流・沈着)が生じている可能性が示された。

観測期間中の大気中アンモニア濃度の月平均値の季節変動(土地利用別に平均)

アンモニアの排出源である農地や堆肥舎からは、通常、夏季に揮発しやすいと考えられており、この結果は従来からの知見を覆すものという。日本の特徴ともいえる秋から冬にかけての農地への堆肥散布と、北寄りの季節風によって高濃度の大気中アンモニアが霞ケ浦の湖上に流されたことが要因と考えられた。

今回の成果は、湖沼の富栄養化の対策のために、大気中アンモニアの揮散と移流をモニタリングする必要性を示す。こうしたモニタリングは、霞ケ浦に留まらず、アジア諸国でも農業活動によるアンモニア排出源が主であることから、これらの地域での農業生産と湖沼環境の保全を両立する上で重要なものといえるとしている。

店頭に菊の花とひな人形飾る 土浦駅周辺90店

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菊の花と、土浦市のイメージキャラクター「つちまる」・キララまつりのイメージキャラクター「キララちゃん」の雛人形=土浦市中央、まちかど蔵大徳

【伊藤悦子】土浦市の中心市街地などで9日から、市民手作りの催し「重陽(ちょうよう)いばらきの菊の節句」が始まった。土浦駅周辺の商店や銀行、公共施設など約90カ所の店頭に、菊の花と、ハスの花托(かたく)で作られたひな人形「霞連雛(かれんびな)」が飾られている。

五節句のひとつ「重陽の節句」=メモ=にちなんだ健康長寿を願う行事で、同市の同好会「菊被綿(きくのきせわた)文化を守る会」(木村恵子会長)が2014年から毎年、店頭に飾っている。今年は展示場所に市立博物館、市立図書館も加わった。

例年なら、赤、白、黄の綿を菊の花の上にかぶせて展示するが、今年は綿をかぶせていない。守る会会長の木村さんによると「綿は体につけて長寿を願うという意味があるため、不特定多数の人が触る恐れがある。今年は新型コロナウイルス感染拡大予防に考慮した。菊の花そのものを見て楽しんで」と話す。

菊の花と併せて霞連雛が飾られているのは、重陽の節句では、3月3日に飾ったひな人形を再び飾る「後(のち)の雛」という江戸時代から伝わる風習があるため。

霞連雛は、守る会のメンバーや市内商店街のおかみさんたちが、日本一のレンコンの産地をPRして土浦を盛り上げたいという思いを込めて一つひとつていねいに手作りした。

木村さんは「健康や長寿、若返りを祈る重陽の節句は、個々人はもちろん、企業や社会にも通じる。コロナウイルス感染拡大で大変な今だからこそ大切にしたい」と語った。

◆展示は10月25日まで。展示場所や霞連雛についての問い合わせは菊被綿文化を守る会(電話029-821-1607=すがた美容室)まで。

土浦産のハスの花托で作られた霞連雛=同市桜町、すがた美容室

※メモ
【重陽の節句】「菊の節句」とも呼ばれる五節句のうちの一つ。中国では奇数を「陽」、偶数を「陰」とし、陽は縁起の良いものと考えられた。そのため陽数で最も大きい「9」が重なる9月9日は大変縁起のよい日とされた。

日本に伝わったのは平安時代。宮中では菊被綿という行事も行われていた。8日の晩、夜露が降りる頃に菊に赤、白、黄の真綿をかぶせる。翌朝、夜露を含み菊の香りが移った真綿を体につけると元気になり、若返る、長寿になるとされた。

【つくば/都市と文化】5 ちょっと野良仕事遊びを

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中ノ条プロジェクトの看板

【鴨志田隆之】つくば市内の、特につくばエクスプレス(TX)沿線で開発された住宅地は、個々の商品企画はあるものの、ニュータウン開発を各地で見てきた目には「なんだか大筋は何処も変わらない」印象が強い。それでも居住人口は伸びている上、つくばでも高層マンション住まいがもてはやされるのは、都心への移動手段があり、近隣に良好な自然環境があるという要素があればそれで良いのかもしれない。

TX沿線整備事業で最も北の中根・金田台地区(地区面積189ヘクタール)は現在、春風台、流星台と名付けられ、宅地分譲が急ピッチで進む。同地区にほど近いつくば市大(旧桜村)の農村集落で、「中ノ条プロジェクト」という小さな売り建て分譲に出会った。

牛久市在住の建築家、長尾景司さんがつくば市の不動産業、ケンライズ社と取り組む農地の有効活用で、わずか3棟の分譲だ。土地の提供者は、なんと「もん泊プロジェクト」にかかわっている塚本康彦さんだった。

「塚本さんは、もともと自宅母屋の利活用を考えており、以前はコーポラティブハウス新築の提案もされていました。もん泊はそこから発している事業です。中ノ条プロジェクトは塚本さん所有の農地を使わせていただき、住宅とセットで農地も借り受け、入居者が家庭菜園より少し本格的な野良仕事で遊べるというコンセプトを立ち上げました」

長尾さんは、3区画の分譲で建築する住宅には建築条件を付けず、自由設計とし、シェアファーム構想による自然と共にある日常を求め、増加傾向の空き家現象に対して持続可能な建築空間を提案し、ユーザー本位の住まいを実現しようとしている。つくばの農地に住むという環境を肌で体験してもらい、土地の伝統集落が有する文化との交流をアピールする考えだ。

「母屋は、この住居にお住いの方々に、たとえば親戚や友人を招く際のゲストハウスとして活用していただいても良い」塚本さんも農地や母屋の利活用に積極的な展望を持っている。その需要については、コロナ禍の影響もあり、東京から移住を検討しているという問い合わせ電話が増えている。

「私どもが提供した住宅地のひとつに、お父さんの会が発足していて、野菜や料理などの交換や焚火(たきび)を囲んだバーベキューといった交流が実現しています。中ノ条地区でも同じような地域コミュニティーが生まれることを願っています」

つくばという巨大な都市の開発は、鉄道沿線の大規模宅地にばかり目がとまっていたが、かつてミニ開発は乱開発と呼ばれた時代は変わっているようだ。周辺地域の魅力をどのように活かすかを真剣に考え、街づくりに携わる人々は、つくばらしさを常に大切にしている。(おわり)

《映画探偵団》35 つくばにはモンローがよく似合う?

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【コラム・冠木新市】20年前、女子短期大学で講師をしていたとき、『モンローとヘップバーン』をテーマに取り上げた。マリリン・モンローは1926年、オードリー・ヘップバーンは1929年の生まれ。2人は同時代に活躍し共通の映画人たちと仕事をしている。初めのうち、学生の好みはヘップバーンが多かったが、講義終了時になるとモンローファンが急激に増えていった。モンロー作品の変遷を追い、演技に対する真摯(しんし)な姿勢を知ると、馬鹿な娘役は高度な演技であることが見えてくるからだ。

つくば市のイメージキャラクターに、2人のどちらかを選ぶとしたらどうだろうか。『ローマの休日』(1953)で王女に扮(ふん)したヘップバーンを大多数の人が選ぶことだろう。だが、市の中心市街地に建つセンタービルには、さりげなくモンローのイメージが組み込まれているのだ。

モンローカーブと呼ばれる外壁の曲線はいくつもある。ホテル棟のドアの取っ手のくねっとした形は、モンローを模している。また、ロビーに無造作に置かれた黒い椅子は背もたれが波うち、モンローチェアと呼ばれている。そのほか、滝の流れ落ちるステージにもモンローカーブがある。きっと、建物内部にも思わぬ所にあると思う。

ビル設計者の磯崎新は、なぜこんなにもモンローにこだわったのか。映画探偵としてこの疑問を考えてみた。モンローの代表作を俯瞰(ふかん)すると、《水》と関連している作品が多くあることに気付く。

《水》:《滝》《海》《河》

『ナイアガラ』(1953)は、腰を振って歩くモンローウォークが有名だが、物語の背景は雄大な《滝》である。『紳士は金髪がお好き』(1953)は豪華客船が舞台で、《海》の旅が描かれる。『帰らざる河』(1954)は、西部劇で不実な恋人を追い、《河》をさかのぼる話だ。『七年目の浮気』(1954)は、名無しのCMガールと中年男が主人公で、モンスター映画『大アマゾンの半魚人』(1954)の、川のイメージを活用して語られている。

改めて、《水》つながりでセンタービルを見ると、階段の降り口にある青銅の月桂樹に黄金の布が巻き付いた彫刻物(長沢英俊・作)に目がいく。これはギリシャ神話に出てくる川の神ペネイオスの娘、水の精ダフネが、太陽神アポロンのしつこい求婚を拒否し月桂樹となった姿を表現している。目立つ位置にありながら目立たない彫刻なのだが、水の精が樹に変身したものと知れば、モンロー作品の《水》のイメージと重なる。

というのも、ホテル入口の取っ手と月桂樹に巻き付いた布の色は、同じ金色だからである。いや、《水》のつながりは当然だとしても、本当は別の意味合いが強いのかもしれない。

強い者に媚びない自立した女性

モンローは、馬鹿っぽい役を押しつける映画会社に嫌気がさし、反旗を翻して女優初のモンロー・プロダクションを設立した。彼女は次のような言葉を残している。「私はかって映画界に入り、女優になるために戦ったのと同じように、自分の才能を発揮するために、戦わなければならないと悟りました。もし戦わなければ、映画という手押し車に乗せられて売り払われる1個の商品となってしまうからです」。

モンローは自由に企画を選ぶ権利を獲得し、プロダクション第1作『バス停留所』(1956)を制作する。ハリウッドスターを目指す場末のクラブ歌手チェリーは、純情でがさつな牧童に惚れられる。チェリーはしつこい牧童を拒否し続けるが、ラストシーンのバス停留所で心底から反省する牧童の姿に接するとほだされて、妻となる道を選ぶ。

モンローとダフネに共通するのは《水》以上に、アポロンを拒否したダフネ、ハリウッドに抵抗したモンロー、2人の意志の強さなのかもしれない。磯崎新は2人の女性の生き方に敬意を表し建築に引用して見せた。センタービルには、強い者に媚(こ)びないで戦う自立した女性像が秘められているのだ。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

【つくば/都市と文化】4 長屋門に泊まってみない?

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塚本家の長屋門=つくば市大

【鴨志田隆之】「つくばRegion8(リージョンエイト)地域活性化プランコンペ」で2年連続敗退している、と刺激的な書き出しをするが、審査側は興味を示しながら「次年度以降のビジネスモデルを構築すべき。実力のあるスタッフだから必ずできるだろう」という旨の講評で不採択とした。「もん泊」(長屋門を活用した民泊と地域振興イベント)という取り組みは、特定非営利活動法人つくば建築研究会(小玉祐一郎代表)が進める「長屋門の利活用」だ。

長屋門は、江戸期に生まれた農家、商家の建築様式で、門構えの両サイドに居住ないし納屋空間をしつらえた大型の門を示す。関東地方の農村や旧街道沿いでよく見かける建築だが、つくば市内には実に217軒もの長屋門が所在する。長屋門は藩政時代、許可制であったため、市内の多くは明治期以降に建てられたものと調査されている。

「水回りも含め、佇(たたず)まいをそのままに、宿泊機能を付加する改修を施し、古民家に滞在体験する。交流と農村の歴史と文化を、長屋門を通して知っていただきたい」と研究会はアピールしている。

「もん泊」は、2018年の住宅宿泊事業法施行で解禁された「民泊」のもじりだが、なぜわざわざ「門」に泊まるのか? そこが、家主と同居に近い形態の民泊との最大の違いだ。母屋(家主)と適度の距離を置き、プライバシーを保ちつつコミュニケーションも図るという良いとこ取りなのである。

モデルケースはすでに確保されている。栄地区在住の塚本康彦さん(68)が所有する、江戸末期に建てられた長屋門が、塚本さんの協力で改修着手を待つ。長期的な展望では、長屋門の所有者の賛同を得て、「もん泊」対象長屋門を増やしていく考えだ。

塚本さんは「数年前父親から相続したものの、私の住居は離れで十分。母屋も利活用を模索していますが、研究会のテーマが地域交流と活性化に資することで好感が持てる」と述べる。母屋は寄せ棟造瓦ぶきの平屋住宅。18年の民泊新法施行前から、グリーンツーリズムの受け皿としての農家リノベーションを考えていた。

研究会は9月27日、市内外の「門主」を塚本邸に招き、プロジェクトの説明会と交流会を予定している。11月1日には、より広く参加者を求めシンポジウムも準備されている。コロナ禍の情勢によってはオンラインミーティングに切り替えられる可能性もあるが、長屋門という建築様式や歴史、そこに生まれた地域文化を見聞するまたとない機会だ。

ここまで準備が整っていながら、まだ資金的な裏打ちが弱いことが悩みの種だ。「長屋門はそのまま見学施設として、庭先でキャンプでも良いのでは?」という寸評もある。いずれにしても第2、第3の「もん泊」へつなげていくために、ビジネスモデルの構築が待たれる。

つくば建築研究会ともん泊についてはhttp://tsukuba-arch.org/を参照。(続く、全5回シリーズ、不定期掲載)