月曜日, 11月 10, 2025
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【気分爽快 りんりんロード】3 自転車好きとラーメン好きのクロスロード

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オープン前の「カフェと迷ってラーメン屋」前で店主の柴沼政寛さん(左)と律子さん=土浦市大岩田

【伊藤悦子】サイクリストのためのラーメン店「カフェと迷ってラーメン屋」が20日、霞ケ浦総合公園のすぐ近く、土浦市大岩田にオープンする。店を切り盛りするのは柴沼政寛さん(53)と律子さん(51)夫婦。ともに水戸市で公立中学校の教員をしていたが、自転車好きとラーメン好きが高じて、職を辞し、土浦に転居してきた。

ユニークな店名は、政寛さんの「その瞬間に一生懸命なら、貫かなくてもいい、諦めたっていい、迷ったっていい」という思いから付けた。政寛さんは大学時代、自転車競技に打ち込んでいた。しばらく乗ることがなかったが、5年前子供が独立したのをきっかけに久しぶりにロードバイクに乗ってみたそうだ。自転車はのんびり漕ぎながら景色を眺める楽しみもあれば、筑波山や愛宕山に登り体を鍛えることもできる。

平坦なスプリントを走る自転車競技とは異なる楽しみを見つけたという。水戸からよく、つくば霞ケ浦りんりんロードを訪れた。霞ケ浦も筑波山にもアクセスがいい土浦には特に心惹かれたそうだ。自転車は1人で楽しむこともできるし、仲間で走ることができることも魅力的だと話す。

律子さんが初めてロードバイクに乗ったのは3年前。その楽しさにすっかり虜になったという。「初めて乗った時、その軽さに驚いた。漕いでも漕いでも疲れないし、私にもできるんだと思った。何十キロ走っても疲労感がない。夜少し疲れたかな? と思う程度。景色が見ながら漕ぐのが本当に気持ちよかった」

土浦の食材を使ったラーメン

政寛さんのもうひとつの好物がラーメン。10年前から独自に麺の研究をしてきた。開業の地を大岩田にしたのは、「霞ケ浦総合公園がすぐ近く、岩瀬(桜川市)から土浦へのコースと霞ケ浦一周のポイント地点。サイクリストに休憩してもらうのにちょうどいい場所だから」と話す。

ラーメンには柴沼醤油醸造(土浦市虫掛)のしょうゆ、市川蓮根(同市手野町)のレンコン、佐藤畜産(同市板谷)の県産豚バラチャーシューと、土浦の食材を使っているのが特徴だ。

カラフルな6色麺に土浦産のレンコンをトッピングしたメニュー

自家製の手打ちつけ麺は、目を引くカラフルな6色。「6という数字が好きだから」がその理由。カボチャやトマト、ホウレンソウなどの野菜で色付けされていて、着色料は使用しない。化学反応で色が落ちてしまうため、かんすいの使用も避ける。かんすいは麺にコシを出す働きがあるため、代わりにお酒を使用している。「試行錯誤を重ね、お酒を入れるとコシがでることを発見した」

つけ麺の出汁は、メーンにサンマ節を使用、カツオなど魚介のみで肉類の出汁は使っていない。「濃厚な出汁はサイクリングで疲れた体にほどよい」と政寛さんの自信作。店舗近くに高校が2校あり「高校生も食べて欲しい」と、サイクリスト割のほか、学割、SNS割なども用意した。

◆「カフェと迷ってラーメン屋」土浦市大岩田1287-1 電話:090-8800-0546
営業時間:午前11時30分~(20日、21日、22日は午前11時オープン)定休日:毎週月曜日
お店のTwitterはこちら

《続・気軽にSOS》69 仕事はお金のため?

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【コラム・浅井和幸】30代男性のAさん。彼は借金をし、家賃を滞納していた。身よりもなく、人生の半分は家族とのつながりのない生活を送っている。こういった話を聞くと、怠け者で、誰ともコミュニケーションが取れないというイメージを持つかもしれないが、彼は嘘をつかず、人懐っこく、朗らかなしゃべり方をしていた。

複数のアルバイトをし、質素な生活をしている。しかし、職場の友人と遊ぶことにお金を使ってしまい、生活の基本に回せていない状況だった。お金を使ってでしか、人とつながれない寂しい状況だったのかもしれない。

アルバイトも長く続けていたけれど、新型コロナの影響が大きい分野で、出勤時間が減り、生活に支障をきたすようになった。それでも、一つのアルバイトは、正社員になれるかもしれないという期待もある。

私が「何か将来の夢か希望はありますか?」と聞いたら、「こんな自分がおこがましいのですけれど」と前置きし、「〇〇の店を自分で出せたら最高ですね」と答えてくれた。

なるほど、だから今のバイトなのかと納得した。そのバイトで足にけがをしたAさんだが、「これも仕事をしているのだからしょうがないです。それよりも、いろいろ技術や知識を得られるので楽しい」と、明るく答えてくれた。

おおよその収支を聞き取り、対策を考えてやり、彼は生活の立て直しを始めた。数年は苦しいだろうけど、頑張れば何とかなるだろう。「一緒に悩んでいきましょう」と言って別れたが、何かあるごとに相談の連絡があった。

「生活保護を受けた方がよいでしょうか?」

ある日、Aさんから「自分は生活保護を受けた方がよいでしょうか?」と、いつもと違う暗い声が電話から聞こえてきた。ある専門家から、そのようなアドバイスを受けたそうだ。

その人の考えは、働いても借金しなければいけない、家賃も払えない生活では、仕方がないだろうとのことだった。そんな状態で、辛い仕事をあえてする必要があるのかという理由も見え隠れしていた。

いくつかのアルバイトをしているAさんは、生活保護水準よりも少しだけ収入は高かった。私は、Aさんの希望や仕事に対する考え方も聞いていたので、疑問が沸き上がった。

仕事は辛いか? 働くのは嫌か? 働かない生活、医療費に困らない生活保護の方により魅力を感じるか? その他、いくつかの質問をしてみた。

仕事は辛いこともあるが、嫌ではない。むしろ、やりたい職種であるし、人に「ありがとう」と言ってもらえるし、やりがいがあるという答だった。

今、人生すべての決定をする必要はないが、その時点では、生活保護ではなく、働いて自分の希望に近づく道を選んだ。働くことは、お金を稼ぐことだけではなく、人とのつながり、人に感謝してもらう喜びを感じられる場でもあるのだから。(精神保健福祉士)

つくば市が警察に被害届 事業ごみ不正積み替え問題

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つくば市のごみ焼却施設「サステナスクエア」に入るごみ収集車=つくば市水守(本文と関係ありません)

つくば市内のごみ収集業者が、事業系ごみの一部を家庭ごみに不正に積み替えて、市のごみ焼却施設に搬出していた問題(9月1日付)で、同市は18日、不適正な処理があったとして、つくば警察署に被害届を出したと発表した。併せて同日、市がこの業者に委託していた家庭ごみ収集委託契約を解除し、違約金として約850万円を請求した。

この業者は、つくば市谷田部の江原工業所で、市環境衛生課によると、市内外の飲食店や事務所などから料金をもらって収集した事業系ごみの一部を、自社の敷地内で、処理料が無料の家庭ごみ収集車に不正に積み替えて、10キロ当たり190円の処理料を市に支払わず、市のごみ焼却施設に搬出していたとされる。

同社は事業系ごみを収集・運搬する許可を同市から受けているほか、同市の委託を受け、谷田部地区の一部で家庭ごみを収集運搬しており、事業系ごみと家庭ごみの両方を収集運搬できる立場を利用したとみられる。

市によると、3月に元従業員から告発があり、4~6月に市ごみ焼却施設のごみ搬入データを分析、同社に立ち入り調査などを行った。同社は7月、市に不正を認める上申書を出したという。

同社がどのくらいの期間、どのくらいの量を不正に積み替えて、市にいくらの損害を与えたかについて市は、今後、警察の捜査に協力していきたいとしている。

一方、市は同社の不正を見抜けなかったことから、今後の再発防止策として、家庭ごみに事業系ごみが混じってないか、収集車を月数回、抜き打ちで調査するほか、ごみ収集委託業者を随時立ち入り調査するなどとしている。

五十嵐立青市長は「このような不正行為は許されないことであり、今後の捜査を見守ると共に、一般廃棄物収集運搬業許可に対する処分や、処理手数料の損害賠償請求についても、関係機関と協議しながら厳正に対処します」とし、さらに「(ごみ焼却施設の)サステナスクエアに搬入されるごみの監視の強化、全車両のチェック体制の構築、事業所への立ち入り調査など再発防止に取り組みます」とするコメントを発表した。

22施設を認定 自転車観光にやさしい宿

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「サイクリストにやさいい宿」の1つに選ばれた古民家江口屋(かすみがうら市)

【山崎実】つくば霞ケ浦りんりんロードで、茨城県はサイクルツーリズム(自転車観光)を楽しむためのサイクリストに「やさしい宿」の第1次認定として、沿線10市の22施設を認定した。

自転車の保管場所がある、チェックインの前後にフロントなどで荷物の預かりができる、自転車の宅配受け取りや配送が可能、スポーツバイク対応の空気入れや工具類の貸し出しができるーなどを条件に県が認定制度を設けた。

りんりんロード沿線14市町村にあるホテルや旅館、民宿などの宿泊施設が対象となる。

県は今後、りんりんロードのホームページで認定施設ごとの詳しい内容を掲載し、情報発信を行うと共に、随時申請を受け付け、サイクリストに「やさしい宿」の充実を図っていく。

さらに「全県的なサイクルツーリズムの展開に併せ、対象地域を拡大していきたい」としている。

認定に関する問い合わせは県スポーツ推進課(電話029-301-2735)。

《電動車いすから見た景色》10 自分の中の矛盾と向き合う

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イラストは筆者

【コラム・川端舞】前回までのコラムで、障害のある子どもとない子どもが同じ教室で学べる学校は、全ての子どもが安心して過ごせる環境だと偉そうに書いたが、障害のある子どもが普通学校に通うことに完全には賛成できない気持ちもある。矛盾していると自分でも思うし、情けないとも思う。

高校の卒業式が終わった夜、私は母を怒鳴った。「なぜ自分を普通学校に入れたのか」と。22年前、私が小学校に入学するとき、重度障害のある私を普通学校に入学させるために、両親は何度も、特別支援学校への入学を勧める教育委員会と交渉した。小学校入学後も、低学年の頃は、毎年「次年度は特別支援学校が適当である」という通知が家に届いたそうだが、両親は私を普通学校に通わせ続けた。

そんな母を高校の卒業式の夜に私は怒鳴った。「特別支援学校に行きたかった」とも言った。高校時代まで、自分以外の同級生はみんな健常児という環境で育った私は、言語障害のある自分は気軽に話してはいけないと思っていた。その反面、気軽に話せる友達がずっとほしかった。同じような障害のある子がいる特別支援学校なら、もっと友達ができたのではないかと思い、自分を普通学校に通わせた母を怒鳴ってしまった。

一緒に考えてくれる人の存在

しかし、私が学校で話せなかったのは、私に障害があるからでも、普通学校に行ったからでもない。障害児も普通学校に通うことが当たり前の環境で、どうすれば言語障害のある私でも他の子どもと関われるようになるのかを一緒に考えてくれる先生がいてくれたら、当時の私も安心して同級生と話せたかもしれない。同じ学校に自分以外にも様々な障害のある子が通っていて、障害のある子とない子が入り混じって過ごしていたら、「自分もここにいていいんだ」と思えたかもしれない。

障害のある子とない子が同じ教室で学び、できないことはお互いに助け合うことで、障害のない子にとっても安心して過ごせる環境になることに異論はない。

しかし、障害のない子がたくさんいる教室に、障害のある子が1人だけいる環境だったり、どうすれば他の同級生とうまくかかわれるのかを一緒に考えてくれる人がいない環境だったりしたら、障害のある子が孤立してしまう可能性もある。自分と同じような経験は誰にもしてほしくない。インクルーシブ教育を考えるとき、無意識にそう思ってしまう。それが今の等身大の私である。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

8カ月ぶりのゴング 20日、つくばカピオのリングに地元勢3選手

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左から)人見信男、高橋竜也、根本裕也の各選手=土浦市東崎町のヤマグチ土浦ボクシングジム

【崎山勝功】ボクシング試合「東日本大震災復興チャリティー ダイナミックヤングファイト」が20日、つくばカピオ(つくば市竹園)で開かれる。主催のヤマグチ土浦ボクシングジム(土浦市東崎町)によると、同ジム主催の試合は今年1月27日に後楽園ホール(東京)での開催が最後で、新型コロナウイルスの感染拡大以降では初めて。

同ジムでは例年4月と7月頃にボクシング試合を開いていたが、メーン会場の後楽園ホールがコロナ禍のため使用中止となり開催を断念した。橘朗代表コーチは「(選手たちが)気持ちやモチベーションを維持していくのが大変だった」と振り返った。

つくばカピオでの試合開催に当たり、同ジムでは▼座席数を通常の3分の1に削減し座席は全席指定▼1試合終わるごとにリングに強酸性電解水を散布して消毒▼セコンドはマスクかフェイスシールドを着用▼報道関係者はリングサイドからの撮影を禁止し2階席から撮影―などの対策を講じた。消毒に使う強酸性電解水は、ボクシング愛好家のつくば市内の業者から寄付を受けたという。

9月20日の試合に備えて用意したフェイスシールド(右)と強酸性電解水=同

再開に腕ぶす選手たち

久しぶりの試合とあって、ジム所属の各手たちはそれぞれに意気込みを見せた。

土浦市出身のプロボクサーで日本バンタム級7位の高橋竜也(31)は、47戦目のリングに上がる。昨年11月の試合で肩を痛めて以来の試合出場。「プロになって初めてこれだけ期間が空いた。全然マイナスじゃなくて自分の悪いところを見直したり、短所や悪いところを鍛えられたりしたのでプラスになった」と自粛期間も前向きに受け止めた。「勝つことしか考えていない。勝ち方にこだわってしっかり勝つ。KOだったら最高。いいボクシングをできるようにする」と自信を示した。

同市出身で今年1月から51.4キロ契約でプロデビューした人見信男(35)は「1月のデビュー戦は負けてしまったので、その時の反省を生かしたい。試合が延びたことで自分を鍛える時間を使えたので、プラスに捉えて挑みたい」と意気込んだ。「試合が決まったのがコロナで流れて、残念な気持ちになったけど、また次の試合を組んでくれるのが分かったので会長に感謝して練習に集中することができた」と振り返った。

つくば市出身でスーパーウェルター級の根本裕也(34)は「年齢的にそんなに先が長く無いので、負けたら終わりの気持ちでやっている」と背水の陣で試合に臨む。「自分も試合が2回流れたので久しぶりの試合。いずれはやると思っていたので、いつ決まってもいいように準備はしていた。やっとその時が来たという感じ」と試合再開を歓迎した。

20日は午後5時から7試合が組まれている。人見は第2試合で小安慎吾(三迫)と、根本は第6試合で足名優太(渡嘉敷)と、高橋はメーン試合で城後響(三迫)と、それぞれ対戦する。(かっこ内は所属ジム)

◆問い合わせ先は同ジム(電話029-824-8686)。

18日からライド&トリップ プレイアトレ土浦 県の推進事業に認定

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プレイアトレ土浦内の特設ブースでりんりんロードを走るバーチャルライド(プレイアトレ土浦PR事務局提供)

【山崎実】コロナ禍で打撃を受けている県内観光地の活力を取り戻し、地域経済の活性化を図る県の「いばらき観光誘客推進事業」の対象に、土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」(運営・アトレ)が実施する大型イベント「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~(ウエルカム・ツチウラ・プロジェクト~ライド&トリップ)」など2事業が認定された。2事業には県が各1億円の補助を行う。

プレイアトレ土浦は、9月18日から11月末まで、筑波山と霞ケ浦を結ぶ全長180キロの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」周辺で、県内の観光資源や自然を生かしたサイクリング、キャンプ、アウトドアイベントなどを実施する。さらに周辺市町と連携し、バーチャルとリアルを融合させた、withコロナ期の新たな形のイベントを提案していると評価された。

認定事業のもう一つは、茨城放送が実施する「偕楽園チームラボデジタルアート&周辺イベント」。来年2月中旬から3月中旬に、日本三名園の一つ、偕楽園(水戸市)で、梅まつり時期の夜間に、県内初の大規模なチームラボによるデジタルアートを実施する。また偕楽園周辺でのキャンプイベントや朝マルシェ、弘道館、大手門ライトアップなど市内各地で関連イベントを行う。来年度以降の開催も期待できると評価された。

同事業の対象は、県内の観光資源を生かした新たな集客コンテンツとなる大型誘客イベントで、8月末までの応募期間で38件の申請があった。今回、そのうち2件が第1次認定として採択され、あと2件程度ある残り枠(2億円)についても、今月中の第2次認定が予定されている。

バーチャルサイクリングや合宿ライド

プレイアトレ土浦が実施する「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~」の主なイベントは以下の通り。

▽バーチャルサイクリング チャレンジ=9月19日~11月30日、プレイアトレ土浦2階特設ブースで、世界中の人とりんりんロードを一緒に走るバーチャルライドをオンライン上で体験できるほか、自宅に居ながら茨城の魅力あるサイクリングコースをオンライン上で体験できる。

ツアーゲストとして、アテネオリンピック出場の元プロロードレーサー田代恭崇さん㊨を招く(同)

▽オリンピアンと走る!上級者向けライドツアー=アテネ五輪出場の元プロロードレーサー田代恭崇さんを招き、3コースを走る。①10月10~11日・スキルアップ合宿ライド(星野リゾートBEB5土浦宿泊)②10月18日・筑波山ヒルクライムライド③10月25日・歴史探訪ライド

▽茨城の名所を巡る!ビギナー向けライドツアー=秋の紅葉シーズンに茨城ならではの酒蔵やグルメを楽しむ。3コースある。①11月6~7日・BEB5土浦に泊まる!宿泊ライド②11月8日・稲葉酒造酒造見学ライド③11月15日・秋のグルメライド

つくばワイナリーを会場にBIKE&CAMP FES 2020を開催(同)

▽BIKE&CAMP FES(バイク&キャンプ・フェス)2020=10月31日と11月1日、つくば市のつくばワイナリーで開催する。自転車・アウトドアメーカーなどが多数出展し、アウトドアの新たな扉を開きたいキャンパーや自転車初心者も楽しめる。旅に特化した自転車本体、パーツ類、パニアバッグなどを展示・販売するほか、自転車への荷物の積み方、輪行の仕方、ギアの選び方、ワインセミナー、たき火のおこし方などのワークショップやトークショー、グルメブースなど盛りだくさん。キャンプサイトでの宿泊もできる。

▽第2回つくば霞ケ浦りんりんサイクリング=初心者が週末に気軽に参加できるファンライドで、全長180キロのうちの一部約50キロをコースとして走る。初心者が不安に感じるサイクリングのハウツーをサポートするコンテンツを多数用意し、自転車イベントデビューを応援する。エイドステーションでは、地域ならではの味覚をご用意、秋の風景を感じながら、程よい運動とグルメを堪能できる。

《くずかごの唄》69 東京下町の食文化

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】沢村貞子さんは1996年に亡くなったが、一時は日本を代表する幅の広い俳優で、私はこの人の気どりのない演技と、会話の中の早口の浅草言葉がことのほか好きであった。

この間、NHKテレビの料理番組で、貞子さんの大学ノート26冊分の家庭料理のレシピを紹介していた。沢村さんは明治41年(1908)に東京の浅草で生まれて育った人である。貞子さんだけではない。この時代に育った東京下町の女たちは、いわゆる「お惣菜(そうざい)」作りにかなりの知恵と情熱を傾けていた。

私の母も京橋区新栄町生まれの下町育ちで、お惣菜作りの情熱はハンパではなかった。

「お母さんは死ぬとき、最後の食事は何を食べたい?」

「そうね、フランスパンがいいわ、バターのいいのをつけて」

洋風のパンと言われたのが、私にはちょっと意外だった。近所に、芥川龍之介の父親が経営する牛乳屋さんがあって、そこへ行けばバターもチーズもいろいろな種類のものが手に入ったという。明治生まれの東京人あこがれの食は,洋風のお惣菜だったのかも知れない。

父の鉄砲洲(てっぽうず)小学校の同級生、尾崎喜八さんの詩にも、外国への憧憬(しょうけい)がちらちら見える。

常陸の醤油は「おひたじ」

母はお醤油を「おひたじ」と言っていた。

土浦に来ると、家の人たちが食事に「おひたじ」をたくさん使うので驚いていた。醤油は常陸筑波の産、土浦から船で江戸に運ばれて普及した調味料なので、「常陸」が下町風になまって「おひたじ」という呼び名になったらしい。

母も沢村貞子さんが好きだった。私が沢村さんの声、言葉のテンポ、リズムが好きだといったら、沢村さんのリズムは浅草の言葉だから真似してはいけないと言われてしまった。真似するどころか、私には、浅草と京橋の言葉のリズムの差さえわからない。

「真似なんて、私に出来っこないわよ。安心して」

東京にも地域によっていくつかの方言があることはわかっていたが,私には浅草と京橋の言葉の区別さえつかない。母の大嫌いな山の手のいわゆる「ザーマス言葉」は「そうざあます」(ございます)がなまったものらしい。

「おひたじ」のように、お惣菜の中に残っていた調味料や器具の東京方言、もっと、母に聞いておけばよかったと思う。(随筆家、薬剤師)

アートで現代社会を切り取る美術家たち 21日までつくば市民ギャラリー

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佐々木元彦さんと「HISTRY(宇宙5秒の世界)」=つくば市市民ギャラリー

【田中めぐみ】主に県内在住の写真愛好家や美術家たちによる作品を展示した「フォトMAX美術展」が16日、つくば市民ギャラリー(同市吾妻)で始まった。21日まで。2015年から毎年開催されており、今年で6回目。20人の作家が、写真や絵画などジャンルにとらわれない現代アート作品31点を出展している。

主催者の佐々木元彦さん(アース808ギャラリー代表、牛久市)は、元は「週刊新潮」の報道カメラマンだった。仕事でアーティストを取材したのがきっかけで感銘を受け、40代でアートの世界に入ったという。同美術展には、過去の自分の写真や靖国神社に参拝する若者、絵物語作家の山川惣治作品などのモチーフをコラージュした作品「HISTORY(宇宙5秒の世界)」を出展し、宇宙から見れば短い人類の歴史を表現した。

「この美術展に出展する作品には特に基準や制限を設けていない。製作者の好奇心や感性、直観を大切にし、他の美術展には出せないような作品を出してもらっている。アートとは答えがないもの。表現したエネルギーや情報はその人の一部分であり、魂。魂には嘘がない。それが見る人に伝われば」と話す。

大和田清さんと「運転御法度時代考(高齢者・飲酒・ノーベルト)」

桜川市在住の大和田清さんは、「運転御法度時代考(高齢者・飲酒・ノーベルト)」と題した写真を出展した。5、6年前にもらい、家に置いてあったという人体模型から着想を得、運転席に乗せて撮影。高齢ドライバーや違法運転といった社会問題をコミカルに風刺した。「社会的な問題をテーマに、現代に合った作品を作ろうと思った」と話す。

清水牧夫さんが出展したのは、今年1月に渋谷で撮影した写真「STOP!COVID-19」。撮影当時は、日本初のコロナウイルス感染者が確認されたとの報道で世の中が騒ぎ始めた時期だったという。大きな口を開けた看板モデルと対照的に、被写体の男性は少し口元を気にしながら立っている。「まずは見ている人に足を止めてもらい、その後作者が何を思っているのか、立ち止まって考えてもらえるような作品を心掛けている。きれいなだけの写真ではなくて、何かメッセージを持たせたい」と語る。

清水牧夫さんと「STOP!COVID-19」

布施谷敏子さんは、主催者の佐々木さんが講師を務める写真同好会「写心遊学クラブ」のメンバーで、5年前から写真を始めたという。「雨上がり」と題した写真は、絵のように見えるが加工ではなく、自分の影を写したもの。「歌舞伎座に出かけた時、外階段に出ようとすると水たまりができていて、偶然自分の影が映ったのを撮影した」と話す。外出していておもしろい光景があると撮影をして楽しんでいるという。

布施谷敏子さんと「雨上がり」

◆フォトMAX美術展Vol.6「過去~現在~未来の自伝」 21日(月)までつくば市市民ギャラリー(つくば市吾妻2-7-5、中央公園レストハウス内)。開館は午前9時半~午後5時(最終日は3時まで)。入場無料。 問い合わせ:佐々木元彦さん(080-1210-1695)

県内初 スポーツコミッション設立へ 県南・西の9市でプラットフォーム組む

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プラットフォームは9市の若手職員を中心に月2回のペースで勉強会を開いている=守谷市役所

【山崎実】スポーツによる地方創生を目指して、県南県西地域の9市が「スポーツによる地方創生官民連携プラットフォーム」を立ち上げた。まずは茨城県初のスポーツコミッション設立をめざし、マスタープランの策定準備や連携人材の育成など、具体的な年度計画を決め、動き出した。

2017年、プロ野球の日本ハムファイターズと筑波大発ベンチャー、Waisportsジャパン(東京都目黒区、松田裕雄代表)を中心に、北海道と茨城県のスポーツを通じた交流による地方創生実現の動きが活発化。折から19年茨城国体のハンドボール競技を共同開催した守谷、常総、坂東の3市を中心に、スポーツを通じた広域連携の取り組みを継続し、地方創生へつなげていく動きが盛り上がった。

スポーツに対する多様なニーズや市単独では解決できない課題などに対応するため、県南県西地域の自治体に参加を呼び掛けたところ、構成は3市に龍ケ崎、下妻、牛久、取手、つくばみらい、筑西を加えた9市に拡大。今年度のプラットフォームの設立に至った。

会長には松丸修久守谷市長が就いた。事務局の常総市教育委員会スポーツ振興課によれば、9市にまたがる広域連携は県内では例がない規模という。設立趣旨には「茨城国体のレガシーを継承するための一環であり、今後、スポーツを活用した取り組みによる課題の解決などを広域的に調査、研修し、地方創生の推進につなげていく」と掲げた。

事業としてはまず、地域スポーツコミッション設立をめざす。スポーツと観光を組み合わせた「スポーツツーリズム」、域外から参加者を呼び込む「地域スポーツ大会・イベントの開催」など、スポーツと地域資源を掛け合わせ、戦略的に活用することで、まちづくりや地域活性化につなげる取り組み。今年度、国のスポーツコミッション設立支援事業に採択された。

プラットフォームはコロナ禍でスタートが遅れたが、これまでに各市の若手職員によるワーキングチームを編成、スポーツコミッション設立の目途を2022年4月において、活動スケジュール(事業計画)を策定した。

今年度は月2回のペースで勉強会を開催しており、先進地視察など踏まえ、年内にもマスタープランの基本構想を定める構えだ。

現段階では具体的なスポーツ競技名などはあがっていないが、今後、「まだ加盟していない自治体にも加入促進を呼び掛け、地元企業などに参画してもらい、これまでに例のない規模での広域連携と官民連携を進めていきたい」と活動の広がりに期待している。

◆プラットフォームに対する問い合わせは、常総市教委スポーツ振興課(電話0297-44-7657)。

《ご飯は世界を救う》27 パン&カフェ「デリフランス」

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イラストは筆者

【コラム・川浪せつ子】「少しコロナ禍も落ち着いてきたかな」と、恐る恐るランチ再開。なるべく大きな空間で、密にならない場所を求めて頭を巡らせます。そして思いついた、つくば駅の真上「キュート」1階のパン屋&カフェ「デリフランス」さん。

調べて見ましたら、こちらのお店は全国展開。コロナで一時休業などの店舗もあったようです。

飲食する場所は広く、天井も高く、テーブル間もユッタリ。今回訪ねると、いろいろな対策も。パン本体、以前はオープン売りでしたが、今は1個1個ラッピング。パンは、出来たては熱いし、冷ましてからラッピングするのは大変と思います。

そして、新メニュー「BENTO」(お弁当?)と記載された箱には、この絵のような少し小さ目のパンがいろいろ。なんだかうれしくなって、これをチョイス。お値段も600円で、コーヒーは50円で付けることができました(2020年8月現在)。お得感満載!! 絵の手前の小さいパンは、甘いパンも食べたい私が付け加えました。

コロナ禍、工夫を重ね集客に努力

カフェ部分は前から離れていたのですが、少し近めの場所はアクリル板で仕切られていました。コロナで時短営業をしているようです。また、レジやドリンク作業部分には、以前は若い女性が数名働いていましたが、どうもパン製造の方と思わしき男性お1人。コロナの影響で、アルバイトさんなどは自宅待機と言われていますよね。その影響でしょうか。

飲食店、食物販売店さん、その他いろいろなお店が工夫を重ね、集客に努力なさっているのを見て、本当に頭が下がります。今までの普通の業務に追加して、コロナ対策をしているにもかかわらず、客足は伸びず売り上げが減少。

「Go To Eatキャンペーン事業」も始まるようですが、コロナが早く収束し、すべての働いている方々が、大変な状況から良い方向に行けるよう祈るばかります。(イラストレーター)

骨董機器売ります つくばの研究機関が創立50周年を前にオークション

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10キロ近い重量のユニットも出品されている=KEK(つくば市大穂)

【相澤冬樹】筑波研究学園都市最古の移転研究機関の1つで、来年創立50周年を迎える高エネルギー加速器研究機構(KEK、つくば市大穂)が、使われなくなった機器類を一般に有償譲渡する骨董(こっとう)市を企画した。しかし15日開催の現物確認イベントに訪れた買い手は皆無。ミリタリーファンや鉄道ファン並みのマニア出現を期待したものの、「加速器愛好家」の存在はなお、理論上の仮説にとどまっている。

理論の枠組みはディープだ。担当するのは研究支援戦略推進部未来基金事業推進チーム(竹内大二チームリーダー)といい、50周年を機にこれまでの歩みを振り返るとともに、次の50年に向けて各種の記念事業を実施するため編成された。先に寄付金事業をスタートさせており、「KEK未来基金~いっしょに未来を創ろう」プログラムに取り組んでいる。

骨董市も、未来に向け多様な財源を考えていくなかの一環という。竹内チームリーダーによれば、機器類は従来廃棄処分、または鉄くずとして業者に売り払っていたもので、一般向けに有償譲渡するのは初めて。「当初は9月初旬の一般公開のイベントとして、オークション会場を設けて大々的にやろうとしたが、コロナ禍で一般公開自体がオンライン開催になってしまった」ことから、規模を縮小してのトライアル開催となった。

25日まで入札受け付け

まずは9月6日のオンライン一般公開に際し特設サイトを設け、12GeV(120億電子ボルト)陽子シンクロトロンのコントロールルームなどで使用していた機器類のなかから、電磁ホーンや制御盤銘板(プレート)、イオン源発生用金属片など14点を選び、出品した。同シンクロトロンは1976年から2005年末まで、約30年に渡り運転を続けていたKEKで一番長い歴史を持つ加速器だ。

出品物は動作保証するものではないが、加速器施設特有の放射化した装置などは出品対象から除外している。目玉に予定していたオシロスコープもPCB(ポリ塩化ビフェニル)の使用が否定できないことから出品を取りやめ、電子基板が11枚差し込まれた解析用ユニットに差し替えられるなどしている。

このあと25日までを応募期間に入札を募り、出品ごとに最高額をつけたものが落札する。オンライン公開には延べ1万2000人の閲覧がカウントされたが、これまでのところ応札者はなく、問い合わせも2件にとどまっている。15日の現物確認イベントにも事前の申し込みがなく、記者の取材後、早々に撤収された。

竹内チームリーダーは「PR下手なところもあって、オンラインでアピールしきれなかったきらいがある。さらに工夫をして、加速器マニアの出現を期待したい」と話している。

◆KEK寄附金特設サイトはこちら(有償譲渡の応募要項などにリンク)

つくば市議会を「障害」で検索 一般質問を冊子にまとめる

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冊子を編集した斉藤さんとコラムを執筆した自立生活センターのメンバー

【川端舞】来月のつくば市長選と市議会議員選に向け、これまで議会ではどのように「障害」について議論してきたかをまとめた冊子が刊行された。障害者団体、つくば自立生活センターほにゃら(つくば市天久保)による『つくば市議会を「障害」でポチッと検索』。編集した斉藤新吾さん(45)は「市議会での議論を見える化することで、投票時の参考にしてもらえれば」と語る。

斉藤さんは、つくば自立生活センターの事務局長であり、自身にも重度身体障害がある。「政治に関心がない」という言葉を聞くこともあるが、障害があると、生活の中で政治を敏感に感じざるを得ないという。例えば五十嵐つくば市長が公約に掲げている教育支援員の増員についても、障害児がいる家庭では関心の高い課題である。

しかし市政の情報は時間をかけて調べないと集まらない。そこで、「障害」について市議会でどんな内容がどのように取り上げられているのかを調べ、同じ関心がある人たちと共有できるように冊子にまとめようと思った。

市議会ホームページから閲覧できる定例会一般質問の要旨と会議録に、「障害」に関する7つの単語「障害」「障がい」「医療的ケア」「特別支援」「児童発達」「チャレンジアート」「合理的配慮」で検索をかけた。検索対象期間は、現在の市議会議員の任期期間である2016年12月定例会から20年3月定例会まで。条件に該当した41の一般質問の要旨と会議録を冊子にまとめた。

市議会をより身近に

調べてみると、「障害」に関して様々な面から議会で質問されていることが分かった。斉藤さんは「この冊子を通して、私たち市民の暮らしを考えてくれている議員のみなさんを応援するとともに、市議会と私たちの生活がより身近に感じてもらえたら」と語る。

冊子には、教育支援員の増員や、2019年に市が始めた人工呼吸器を使用する障害者等への家庭用発電機購入補助制度など、市議会でも取り上げられた話題について、つくば自立生活センターで活動している障害者や支援者が考察したコラムも掲載されている。

冊子は1部1000円。つくば自立生活センター事務所とつくば市民活動センター(つくば市吾妻)で購入できる。

《法律かけこみ寺》22 登記にかける症状

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土浦市神龍寺(本文とは関係ありません)

【コラム・浦本弘海】不動産の売買は多くの方にとって、あまり経験のない一大事ではないでしょうか。そして、不動産の売買に関して法的にトラブルになりやすいのが登記。そこで今回は不動産登記について取り上げます。

ところで、民法では「不動産」を「土地及びその定着物」とアバウトな定義をしていますが(民法86条1項)、不動産登記法は「不動産」を「土地又は建物をいう」(不動産登記法2条1号)と具体的に定義しています。不動産登記の文脈では、「不動産」とは土地か建物と考えてください(樹木は含みません)。

ちなみに、民法は「動産」を「不動産以外の物」と、これまた無味乾燥な定義をしています(民法86条2項)。日本語的には動産という概念が先にあって、動産以外の物が不動産のようにも思いますが、不動産を定義するほうが法的には簡単だったのでしょう。

不動産登記について、売買をするうえでどうしても欠かせない重要な知識が「不動産登記には公信力がない」ということです。

「あ、それ知ってる」という方は今回のコラムはパスで。

所有権者が真の所有者とは限らない

「不動産登記には公信力がない」というのは、別の言い方をしますと、登記簿上、所有権の権利者(所有権者)とされている者が(法律上の)真の所有者とは限らない、ということになります。

したがいまして、登記簿上の所有権者がAさんだとして、BさんがAさんから不動産を買ったとしても、不動産の真の所有者がCさんだった場合、Bさんはその不動産を自分の物にすることが(原則)できません。

「え? 登記を信じて買ったのに!?」

そうなんです。登記を信じても(必ずしも)法的な保護を受けられない、それが「公信力がない」という意味です。これがドイツであれば、ドイツでは登記に公信力がありますので、Bさんは不動産を自分の物にすることができます。

ここだけ見ますと、登記を信じた者が保護される法制度の方がよいようにも思えますが、一方でCさん側から見ると、自分の不動産が勝手に売られて、それを取り戻すことができない(たとえばAさんがCさん名義の土地を違法に自分名義に変えて売った場合)のも釈然としません。

BさんとCさん、どちらを保護するかという悩ましい二択で、日本はCさんを保護する制度を採用したということになります。

法に正義はないのか!

というわけで、不動産をご購入されるときは、登記簿上の所有権者から購入することは大前提としても、登記を絶対視せず、他に真の所有者らしき人がいないか現地をきちんと確認することも大切です。

「CとAがグルになっていた場合は? 法に正義はないのか!」

たしかにCとAがグルになって、Bさんに不動産は渡さず金は持ち逃げ…ひどい話です。このような場合、民法94条2項(虚偽表示)を類推適用して、Bさんが保護される場合があります。裁判所の目にも涙、といったところでしょうか。(弁護士)

渡辺大輔さん、集大成の初CD つくばのケーナ奏者

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ケーナは南米ペルー、ボリビアなどが発祥の木管楽器。演奏する渡辺大輔さん=土浦市内で撮影

【伊藤悦子】つくば市在住のケーナ奏者、渡辺大輔さん(39)が、オリジナル曲などを収録した初のCD「Quena WORLD(ケーナワールド)」を発表した。

筑波大出身で、元土浦市役所職員、2013年にプロのケーナ奏者に転身した。今回のCDは、聴く人の喜び、うれしさに思いを寄せて曲を作り、演奏したという。

「自分自身のアーティストとしての思いと、聴く人が求めているものが、ちょうど一致する部分の集大成が今回のCD。本音で素直に吹いた。このCDは自分自身そのもの」

ピアノやギター、民族楽器などとのアンサンブルで聴かせる。収録11曲のうち7曲は、渡辺さん自身が作曲した。ボリビアの名曲「Llaqui Runa(リャキルナ、悲しい人)」で始まり、オリジナル曲をはさんで、X JAPANのカバー曲「Forever Love(フォーエバーラブ)」(YOSHIKI作曲)で終わる。

「喜びや悲しみなどで心が揺さぶられたときにメロディーが浮かぶ。オリジナル曲は僕にとって人生の何かしら大きな出来事の記録、記憶、足跡ということ」

「Llaqui Runa」は筑波大学の入試を終えた渡辺さんが、大学構内で初めて聞いたケーナの曲だ。ケーナについても曲についてもまったく知識がない状態で聞いたとき、長年のファンであるX JAPANの曲を思わせた。自分の原点に戻る思いで、彼らの代表曲「Forever Love」をカバーした。

CDを手にする渡辺さん=同

CDジャケットは、幻想的なブルーの中に真っ赤な1輪のダリアが印象的。描いたのは、大学1年の時に出会って20年以上たった今も親しくしている友人。先に曲を聞いてもらい、曲のイメージだけでイラストを描いてもらった。真っ赤なダリアは渡辺さんが「どこかに描いて」と頼み、「イメージどおりの仕上がりになった」という。

「自分の音楽でみなさんの幸せの小さなお手伝いができれば」というアルバム『Quena WORLD』は3000円(税込み)。注文はこちらの公式ブログから。

【参考記事】本サイトコラム《好人余聞》 9 「こんな竹の筒に惚れてしまったんですね」渡辺大輔さん

オンラインでもYOSAKOIは踊れる 筑波大学生サークル「斬桐舞」(下)

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かけ声と共に右手を挙げて練習の最後を締める部員たち=「Zoom」キャプチャー画像

【車谷郁実】新曲の完成を目指し、オンラインでの振り入れが始まって、もうすぐ1カ月。初めての試みはうまく進んでいるのだろうか。

新曲の振り入れは週に2回で2時間程度。1回の練習に30~40人が参加している。振りは各パート2、3人が中心となって考えた。練習ではそのうちの一人が振りを教え、残りの人が部員の踊っている様子を観察して気づいたことを担当者に伝える。練習の様子は録画し、後で見返すことが出来るようにした。

手を広げ満面の笑みで踊ってる

オンラインでは相手に直接触れることができないため、腕の微妙な角度やつま先の向きなどの細かい部分を伝えることが難しい。担当者は「腕の角度は45度、つま先は外にむけて」など画面に各パーツのみを映しながら、動きを言語化して具体的に伝えている。

しかし、対面と違いオンラインでは同時に複数の人が会話をすることができない。自然と会話の数が減り、淡々と時間が過ぎてしまうこともしばしば。実際に振りを教えた小澤政貴さん(20)は「コミュニケーションをとることが難しく、相手がどう思っているかがわかりづらい」と不安げな様子を見せる。そこで、部員の進捗状況を把握するため、定期的に各自で動画を撮って提出してもらい、振りをどのくらい覚えられているか確認するようにした。

動画を見た部長の田中大輔さん(21)は「こんなに新入部員のみんなが踊れるようになると思っていなかった。自主練習を頑張ってくれたんだと思うととてもうれしい」と予想外の出来に驚きをみせた。新入部員の渥美和香奈さん(18)は録画された先輩の動画を0.5倍速で再生し、練習後それを見て自主練習に励んだという。練習を何度も見返すことが出来るというオンラインならではの良さを活かした。

また、オンライン練習では手をつないだり、ハイタッチしたりしながら踊ることができないなかで、多くの部員が手を画面いっぱいに広げて満面の笑みで踊っている様子も目立つ。新入部員の米谷はづきさん(19)は「先輩がニコニコ踊っているのを見て、画面越しでも楽しさが伝わった。対面だったらもっと楽しいんだろうな」とまだ知らないYOSAKOIの魅力に思いをはせている。

振り入れは9月いっぱいまで。全員に振りを覚えてもらった後、各々の動画をつないで一つの動画にする予定だ。田中さんは「引退前に必ず曲を完成させたい。リモートでも一体感を味わえる作品にしたい」と意気込んでいる。(筑波大学社会国際学群社会学類1年、ドットジェイピーインターン生)=おわり

《邑から日本を見る》71 安倍政治を検証する(1) 許せない国家権力の私物化

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【コラム・先崎千尋】安倍首相の退陣表明を聞いていて、本人には悪いが「神輿(みこし)は軽くて〇〇がいい」という政治の世界ではよく聞く言葉を思い出した。青木理『安倍三代』(朝日新聞出版)によれば、安倍晋三(以下敬称略)は「目立たない凡庸ないい子」で、これといったエピソードがなく、政治にほとんど関心を持たなかったという。その安倍の首相在任期間が最長となった。

その秘密を解き明かすキーワードが、「神輿」ではないのか。神輿が軽かったから、担ぎ手である周りの政治家や官僚、財界、うまい汁を吸おうとすり寄ってくる人たちにうまく利用されたのではないか。神輿である親分は軽い方が、部下は担ぎやすく動かしやすい。一連のコロナ騒ぎでそのことが証明されたではないか。

彼は「コロナに打ち勝って東京オリンピックを開く」と言ったが、コロナウイルスは人間相手とは勝手が違うので、コロナに打ち勝つことはできないし、制圧することもできない。

安倍は国会で何度も「悪夢のような民主党政権」という汚い言葉を使った。私も言おう。「悪夢のような安倍政権」と。自己利益のためだけに行動し、自分の支持者にしか便益をもたらさない。反対派には何もやらない。自分に異を唱える人を「左翼」と叫び、敵と味方に分けてしまい、分断をあおる。

何かあったときに「責任は私にある」と言い続けても、その責任を取ろうとしない。それだけではなく、「美しい」この国を、取り返しがつかないほどめちゃくちゃにしてしまった。「取り戻そう、日本」。

憲法無視、国会軽視

まず、安倍退陣表明を受けて、新聞はどう捉えたのかを社説で見てみよう。「讀賣」は「長期政権の功績大きい」と褒めたたえているが、「朝日」は「安倍政治の弊害清算の時。分断、忖度(そんたく)克服を」と安倍政権の功罪を検証することを提言している。「毎日」も「安倍支持の弊害 民主主義ゆがめた深い罪」と厳しい。

安倍政治の弊害、罪の最たるものは、憲法無視、国会軽視であろう。彼は「私は立法府の長」といみじくも言ったが、国会を内閣の下請け機関のようにしてしまった。モリカケ問題、「桜を見る会」の問題で野党が追及しても、首相や閣僚の答弁はのらりくらり。誠実に取り合おうとしなかった。「丁寧に説明する」と言いながら、一度も丁寧に説明しなかった。

憲法では、議員の4の1以上から請求があれば臨時国会を開かなければならないのに、野党から追及されるのを恐れてか開かなかった。考えが異なる内閣法制局長官の首をすげ替え、憲法解釈を自分の都合のいいように変えてしまった。集団的自衛権の容認も同じだった。結果として失敗したが、検事総長人事にまで手を出そうとし、法律を変えようとした。

令和という年号制定の時には自分の好みを入れさせ、天皇には発表直前に通知するだけ。日本の首相は、憲法や天皇の上にあるということを内外に知らしめたのだ。

公文書の改ざんや「桜を見る会」問題など、自分に都合の悪い資料を廃棄してしまったことも国政運営の根幹に関わることだ。隣の韓国では、前大統領が自分の親友に便宜を図ったということで大統領の座を追われ、逮捕されている。安倍は「この国はいい国だ」とうそぶいているのだろうか。恐ろしいことだ。(元瓜連町長)

オンラインでもYOSAKOIは踊れる 筑波大の学生サークル「斬桐舞」(上)

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チャット機能でコミュニケーションをとりながら練習を進めている=「Zoom」キャプチャー画像

【車谷郁実】県内外で活躍する筑波大学のYOSAKOIソーランサークル「斬桐舞(きりきりまい)」がオンラインでの活動を続けている。週に2回2時間ほどアパートの自室などから双方向型オンライン会議アプリ「Zoom」を使って練習している。8月末からは新曲の振りのレクチャーが始まった。振り入れという。オリジナル曲の完成に向けて、試行錯誤を続ける斬桐舞の半年間を追った。

新曲の振りを共有できない

斬桐舞では2年に1度、振りや楽曲、衣装デザインなどをメンバーたちが一から考え、オリジナル曲を作っている。今年はオリジナル曲を更新する年で、2月末から現3年生を中心に制作を開始した。予定通りいけば年末には全部員に振りを共有し、4月には新入生に披露するはずだった。しかし、新型コロナが流行。活動の自粛を余儀なくされ、新曲の振りを共有できないまま時間だけが過ぎた。毎月1回のペースであった各地のイベントも次々と中止になっていった。

3カ月が経ったころ、サークル内でこのままでいいのかという声が上がり始めた。夏には対面練習を再開できるかもしれない。せめて体作りだけでもと6月からオンラインで筋トレやストレッチを始めた。普段の活動と同じ週に2回、時間は普段よりも1時間半短い30分。自粛生活の中で部員たちがつながりを感じられるようにコミュニケーションをとる時間も設けた。

そうして、本格的な練習が始まらないまま、7月に入った。コロナは一向に収束する兆しを見せず、3年生にとって最後の舞台である11月の大学の学園祭も中止が決定した。新曲の振りを中心に作ってきた副部長の大坂実旺(20)さんは「何を目標にすればいいかわからず、サークルとして活動している意味さえわからなくなった」とその時を振り返る。

3年生の転機になったのが、オンライン開催された祭りへの参加だった。昨年までのオリジナル曲を各々が踊って撮影し、それを動画編集して1つの曲につなげる。新入部員にもオンラインで曲の一部を教え、参加してもらった。一人で踊った動画をつなげて、見応えはあるのかはわからない。それでもゴールを見失った3年生にとって、一つの達成したい目標が出来たことは確かだった。

完成した動画を見て、部長の田中大輔さん(21)は「予想外の出来だった。オンラインでもYOSAKOIは踊れる」とその可能性を実感。「自分たちの曲も完成させたい」とオンラインで新曲の振り入れを始めることを決めた。(筑波大学社会国際学群社会学類1年、ドットジェイピーインターン生)=つづく

《食う寝る宇宙》69 オンラインで宇宙講演会

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【コラム・玉置晋】今年は、新型コロナの影響でリモートワークをしている方も多いかと思いますが、講演会も軒並みオンライン開催になっています。

先日、オンラインサロン「Remote Campus(通称リモキャン)」で講演させていただく機会がありました。リモキャンは、水戸市出身の会社員、永田聡さんたちにより、今年3月に立ち上げられました。以来、ほぼ毎日、子どもから大人まで登壇しています。会場を使った講演ではなく、すべてインターネット上での講演です。

僕は今年4月に宇宙ビジネスサロンABLabで「宇宙天気プロジェクト」を立上げました(コラム64参照)。そこでは、「宇宙天気キャスタ」や「宇宙天気インタプリタ」(コラム49コラム50参照)といった、社会の現場で草の根的に活動する、宇宙天気の知見を持った人材の発掘を行っていることに触れました。

オンライン講演会では、聞き手も発言することができます。また、チャットを用いて文字入力も可能なので、議論が成立します。これらの機能を使って、様々な立場の方々と白熱した議論を行うことができました。

講師側はボコボコにされることもありますので、ちょっと恐ろしい機能ではありますが、有益なコメントを得ることもできます。原因はどうあれ、おうちで宇宙講演会を楽しめる時代になったのは、なかなか素敵だと思います。

大学はオンライン授業

社会人大学院生として所属する茨城大学は、学生の密を避けるため、許可がなければキャンパスに入ることすらできません。授業はすべてオンラインです。院生の場合は、研究室のゼミへの参加が主となります。プレゼン資料を作成し、その説明を行い、質疑に応えるという流れとなります。

学生さんには、移動しなくてもよい点で好評なようですが、学生同士でワイワイ、キャンパスライフを送れないのはちょっと可哀そうですね。学生の皆さん、いかがです?

会社の若者に聞いたところ、例えば地震が起きたとき、今はまずソーシャルネットワークサービス(SNS)を確認するそうです。SNSは、リアルタイムで災害の情報発信・収集が可能です。これまでの災害時の経験から、電話回線がパンクした後でも、SNSは利用できる可能性が高いと思います。一方で、SNSは悪質なデマや誤った情報が拡散されやすいのは注意です。

この話を聞いた若者のオチとしては、地震が起きたら「逃げる前に」SNSを確認するそうです。まずは身を守ることを考えましょう。(宇宙天気防災研究者)

【気分爽快 りんりんロード】2 土浦-岩瀬往復80キロを毎日走破 越後睦陸さん

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早朝のりんりんロードを走る越後さん

【田中めぐみ】土浦駅付近から岩瀬駅までの「つくば霞ケ浦りんりんロード」をほぼ毎日、自転車で往復している元サラリーマンがいる。越後睦陸(よしたか)さん(73)だ。往復距離はおよそ80キロ。5時間半から6時間程度で走破する。

ヨットから自転車に

越後さんは、元は小型ヨット、ディンギーの愛好家だった。ディンギーは風が強くなると、傾かないように反対側に体重をかけてバランスを取る「ハイクアウト」という体勢で操縦する。船の外に体を出し、足で強く踏ん張るため、上半身と下半身の筋肉を使う。かなりの持久力も必要だ。この「ハイクアウト」でずっと体を鍛えていた。

1989年にクルーザーを手に入れた。霞ケ浦に臨む土浦港のヨットハーバー、ラクスマリーナに停泊し、以来25年間クルーザーで寝泊まりした。

ラクスマリーナは土浦駅から徒歩10分の距離にある。勤め先は都内だったため常磐線で通い、休みの日には家族と外洋に出て、大島に出掛けたり、途中の漁港で食事をしたりして楽しんだ。

その後、クルーザーを手放し、ディンギーにも乗らなくなった。今は家族とマンション暮らし。なまってしまった下半身を鍛えたいと5年ほど前から自転車に乗るようになった。

最初は普通の自転車で走っていたが、クロスバイクを手に入れてから走行距離が少しずつ伸びていき、土浦から岩瀬の往復が日課となった。越後さんの記録によると、昨年1年間の走行距離は2万6557キロに達する。

移り変わる四季を五感で感じる

毎朝、早朝5時に出発。りんりんロードの虫掛休憩所-藤沢休憩所-小田城跡歴史広場-筑波休憩所と過ぎて、出発地点からおよそ22キロ地点にあるコンビニに立ち寄ってコーヒーを味わうのが越後さんの習慣だ。

それ以外は水分補給だけでほとんど休憩を取らない。岩瀬までのコースの魅力は、日々刻々と移り変わる季節を五感で感じられることだという。

沿道の春は、梅のつぼみから咲き始め、桜の開花やウグイスの初鳴きを楽しむことができる。特に虫掛から藤沢休憩所の辺り、小田城跡から筑波山バスターミナル辺りの桜はアーチのようで絶景だ。

夏はアジサイや青々とした田んぼが美しい。ヘビが横切って驚かされることも何度かある。

晩夏からは初穂がだんだんと頭を垂れる様子が、秋が深まると筑波山の紅葉が目を楽しませる。冬には身が引き締まるような季節風を感じるようになる。

様々な種類の鳥や、派手ではないが美しい小さな花々も見え、日々小さな変化を感じるそう。毎日走っても飽きないという。

りんりんロードの桜のアーチ(越後さん撮影)

平坦で初心者向き グルメも魅力

土浦から岩瀬間は途中、傾斜もあるが、それほどきつくなく平坦で初心者向けのコースだと話す越後さん。

最近は女性のサイクリストも多くなってきたそうだ。途中、グルメを楽しめるのも魅力という。

越後さんのお薦めは筑波休憩所近くの「松屋製麺所」(つくば市沼田)。店内で食べられるだけでなく、ラーメンや、つけ麺の生麺とスープを買って帰ることができるため、よく立ち寄って購入する。

また、少し坂はきついが、りんりんロードから筑波山神社の方に少し上ると、かりんとう饅頭で知られる「沼田屋本店」(同市沼田)もある。手打ちそばと鴨料理が食べられる「鴨亭」(桜川市真壁町)もお気に入り。

土浦港から遊覧船に自転車を持ち込みクルーズする「広域サイクルーズ」を利用して潮来港まで足を伸ばすときは、「錦水」(潮来市潮来)でうなぎを食べるのが楽しみだそうだ。