金曜日, 4月 3, 2026
ホーム ブログ ページ 196

雑草は強い? 弱い? 《続・気軽にSOS》82

1

【コラム・浅井和幸】自然農法という手法を使って農業を営んでいる、あるユーチューバーの動画がありました。そこでは、「雑草とは弱いものなんだ」というニュアンスのことを話されていました。

はて?何のことやら?となりますよね。ちょっと気を抜くと、あっという間に生い茂る雑草。草刈りをしようが、除草剤をまこうが、駆逐することは難しいことは周知の事実でしょう。アスファルトやコンクリートを打ち破って生えてくる雑草。屋上だろうが屋根の上だろうが、お構いなしの強さです。

農業は雑草との戦いだという言葉も、どこかで聞いた気がします。そのような雑草を、どうして弱いと表現したのか、先ほどのユーチューバーに話を戻します。

雑草が弱いと聞くと驚くけれど、では、その雑草を一種類だけ種から植木鉢で育ててみてください。結構これが難しくて、なかなか育ってくれないものなのです。ある特定一種類の雑草が育つ環境を、人工的に作ることの難しさなのだろうと推測できるわけです。

つまり、私たちが、家庭菜園、農業、庭や道路の整備などで苦戦を強いられる雑草は、その環境でよくて育つ種類の草が育っているということです。雑草同士も自分が生き延びるため、子孫を残すために、早く芽を出したり、早く高く伸びて日に当たったりなど、いろいろな生存競争をしています。

たまたま、そこに適応している草ひっくるめて、人間の価値観で見た目が悪いとか、食べられないとかで、邪魔な草を雑草と呼んでいるわけです。たまたま育った草を、種類の区別なく邪魔だと一緒くたに捉えているから、「雑草は強い」と感じてしまうらしいのです。

弱者の中の弱者が強者に勝つ

どこかで聞いた話でうろ覚えですが、私達の周りにある雑草は、森などでの生存競争で負けた弱者である(だったかな?)ということです。

海で暮らしていた魚の祖先は骨がなく、その中での弱者が川に逃げ、ミネラルが必要なので骨を作って蓄えた。川でも生存競争があり、川での弱者が海に逃げ、骨があるために早く泳げるなどの利点で、もともといた骨のない魚に打ち勝ったという話に似ていますね。

弱者の中の弱者が、もともとの強者に勝つという生存競争の妙です。私たち人間は強くなりたい、頂点に立ちたい、よりよく生きたいという願望があります。その中で、自然界では食物連鎖の頂点に立つ大型肉食獣が、ことごとく絶滅の危機に直面しているという話には考えさせられます。

弱者とカテゴリーされる方が生活困窮し苦しんでいる一方、テレビや新聞では強者であるはずの偉い人たちが連日の謝罪会見。弱者と強者、被害者と加害者。生存競争で、敵対か、協力していくのか、それぞれが自由に生きていけばよいのでしょう。

生き方は人の好き好き。ここまで書いてきて、私の好きな言葉の一つに「君子、和して同ぜず」がふと思い浮かびました。ま、別に君子になる必要もなく、私は愚者のまま生きていきますが…。(精神保健福祉士)

民間へ、また市場調査開始 旧総合運動公園用地でつくば市

22
旧総合運動公園用地=つくば市大穂

住民投票で計画が白紙撤回された旧総合運動公園用地(つくば市大穂、約45ヘクタール)の民間利活用を目指しているつくば市執行部は1日、民間企業などから活用意向やアイデアを聞く2回目のサウンディング型市場調査を1日から実施すると発表した。

2月に五十嵐立青市長は、一部を防災拠点として公共利用する案を議会に説明したばかりだが、今回の市場調査では、敷地全体の一括活用も含めて、一体的利活用または分割しての一部利活用について、事業イメージ、手法、地域や市全体への波及効果、市に期待する措置などを、企業などに示してもらう。

市公有地利活用推進課によると、市場調査の対象は、法人または法人のグループ。参加申し込み期間は5月21日まで。

6月に結果概要を公表し、市議会調査特別委員会に報告した上で、市として同用地の利活用策を検討するという。

市場調査は2017年度に実施したが、その後、市場動向に変化が見られることから、改めて調査することで、同用地の市場性を把握したいとしている。民間利活用の手法について五十嵐市長は2月時点で、売却だけでなく貸し付けなどもあり得るとしていた。

旧総合運動公園用地をめぐっては、2017年度の市場調査の後、「利子負担を減らしたい」などとして五十嵐市長は19年3月、用地を一括売却する方針を出した。66億円で購入された用地を、事業者1社が40億円以上で一括購入し物流倉庫などを建設する提案が出されたが、住民説明会で異論が噴出、市議会が調査特別委員会を設置し、民間売却案はいったん凍結となった。しかし議会も利活用方針を打ち出せないまま、昨年11月に改選を迎えた。

改選直後の昨年12月、テレビ番組にリモート出演した五十嵐市長は「一部は防災倉庫に活用して残りは民間に売却したい」などと発言。一方、市議会は改選後の新議員で改めて調査特別委員会を設置し、2月に五十嵐市長を呼んでテレビ発言の説明を求めた。五十嵐市長は3割を防災拠点として公共利用、残り7割を民間活用する案を示し、サウンディング調査を実施したい意向を示した(2月20日付)。

一方、利子負担を減らすことについては、2020年度の3月補正で約53億円、21年度当初予算で約9億円を、市が市土地開発公社に無利子貸し付けをして返済することが決まり、24年3月の返済期限を1年前倒しして返済し、利子負担を減らす道筋を付けたばかりだった(2月4日付)。

これに対し市議会調査特別委員会は、作業部会を開いて、利活用方針について議論している最中という。(鈴木宏子)

➡総合運動公園問題の過去記事はこちら

まちづくり会社1日設立 「情報を小出し」課題指摘も つくばセンタービル

7
まちづくり会社が入居し、1階で貸しオフィスを運営するつくばセンタービル

つくば駅周辺の活性化を目指す、まちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(内山博文社長)が1日、登記申請を完了し設立された。市が筆頭株主の第3セクターで、まちづくり法人として市長から都市再生推進法人の指定を受ける予定だ。一方、3月議会では「(つくばセンタービルの)リニューアルの全容が今になっても明らかでない」「情報を小出しにしている」など、課題を指摘された中での船出となる。

新会社は、事務所をつくばセンタービル内に置き、1階で貸しオフィスを運営するほか、センター地区に立地する企業や団体で構成する「つくばセンター地区活性化協議会」の事務局を担う。

市は同日、新会社のアドバイザーとして、筑波大学システム情報系の藤井さやか准教授と、同大芸術系の渡和由准教授の2人が就任予定だと発表した。2氏はいずれも、市中心市街地のまちづくりをするために必要なエリアマネジメントについて検討する「つくば中心市街地エリアマネジメント検討委員会」の委員を務めた。

ほかに新会社は、つくばの研究機関や企業などで構成する筑波研究学園都市研究交流協議会に入会し、つくば中心市街地まちづくり調査検討委員会に参画して意見交換をするという。つくばエキスポセンターとの連携に向けて、同センターを運営するつくば科学万博記念財団とも意見交換を開始したとも発表した。

一方、3月議会では、市が所有する1階アイアイモールの店舗と廊下部分約2470平方メートルと、地下駐車場約3660平方メートルを、市が新会社に6月から賃貸することなどが明らかになり、「情報を小出しにしている」などの指摘が出た。新会社は、1階の店舗と廊下の一部を改修して、その人に合わせた働き方ができる貸しオフィスなどを整備して運営する。さらに地下駐車場を運営して事業収入を得る。新会社の経営基盤をつくるため、市がさらなる面倒を見ることが新たに分かった形だ。

今後の工事スケジュールについて市職員から退職派遣される小林遼平専務は、夏ごろから(現在の1階店舗部分などの)解体工事に入りたいとしている。(鈴木宏子)

➡まちづくり会社の過去記事はこちら

子ども版 意思決定支援ツール作成目指す 筑波大 名川講師ら

0
トーキングマットを使って会話をする様子。左が延原稚枝さん

障害者や子どもなど、自分の気持ちをうまく表現することが難しい人に対し、本人の思いを引き出し、意思決定を支援するときに使われるツールがある。イラストが描かれたカードを使って会話を深める「トーキングマット」だ。子ども版トーキングマットを作りたいと、筑波大学人間系の名川勝講師が代表理事を務める「日本意思決定支援ネットワーク(SDM-Japan)」(新潟県)が、クラウドファンディングに挑戦している。

思いを引き出す

トーキングマットは1998年にスコットランドで開発され、現在、ヨーロッパやオセアニアを中心に広まっている。知的障害や学習障害、認知症など、コミュニケーションや記憶保持が難しい人に対し、本人が生活の中で何を大切にしたいと思っているかを、周囲の支援者が理解したい時などに使われる。

例えば、好きな活動について話したいときには、「映画鑑賞」「スポーツ」等のイラストが描かれたカードを本人に渡し、その活動が好きか嫌いかを分類しながら、マットの上に置いてもらう。その後、その活動のどのようなところが好きかなどを聞きながら、会話を深めていく。カードを見て話すことで、会話のテーマが明確になり、具体的な情報を引き出せたり、本人が抱えている問題を発見できたりする。

昨年のクラウドファンディングで作成された日本語版トーキングマット

これまで英語版しかなかったため、同ネットワークでは、昨年3月にクラウドファンディングをおこない、カードや説明書を翻訳した日本語版トーキングマットを約100セット作成した。また、支援者がトーキングマットを使うための基礎研修も4回開催し、約40人が研修を修了した。現在、日本でも福祉や教育現場で障害のある子どもや成人に対して使われ始めている。

筑波大学大学院博士後期課程1年で、同ネットワークのメンバーでもある延原稚枝さんは「昨年のクラウドファンディングで、日本でもトーキングマットについて多くの人に知ってもらうことができた」と話す。

子どもにも意思決定支援を

昨年作成した日本語版は全年齢が対象で、子どもにも使うことができる。しかし、英語版には子どもとの会話を深めることに特化したトーキングマットも作成されており、今回、子ども版の作成を目指す。子どもの生活や教育に、より焦点を当てたもので、同じテーマでも発達段階に応じてイラストが異なるなど、子どもがリラックスして話せるように工夫されている。

「意思決定支援は知的障害など障害者のための支援だと思われがちだが、障害のない子どもでも、自分で何かを決めようとすると、十分に意見を聞いてもらえないことも多い。子どもにとっても意思決定支援は重要」と延原さん。

ヨーロッパでは「子どもの権利条約」で謳われている子どもの意見表明権を大切にしていて、子どもが自分の考えを表現しやすい方法としてトーキングマットが使われているという。学校で自分の進路を考える場面や、入院中に治療を安心して受けられているかを確かめる場面、罪を犯した少年に今後の人生について考えてもらう場面などで活用されている。

「現在、日本では障害福祉や特別支援教育の分野で使われることが多いが、子ども版を作ることで、児童福祉や少年司法分野でも、子ども自身がどのように生活していきたいかを考える機会が増えれば」と、延原さんは話す。(川端舞)

◆支援募集期間は4月19日まで。クラウドファンディングはこちら

3月11日に家族が増えたおはなし 《ことばのおはなし》32

0

【コラム・山口 絹記】出産予定日を数日過ぎた深夜2時。「破水してるかも…」と言いながら、私の部屋に入ってきた妻。「いやぁ、そんな出てないかも、我慢できるくらいの痛みだし」

いやいやいや。破水してる時点で病院直行でしょう。我慢できるとかできないとか、関係ないでしょう。車のエンジンをかけ、暖房を入れ、座席シートにビニールを敷いて、寝ていた上の娘(もうすぐ6歳)に上着と靴下を装着して病院へ。

かけていたラジオから、震災から10年、みたいな話が流れてきた。

そうか。どうやら2人目の我が子は3月11日、あの日からちょうど10年のこの日に生まれるらしい。

こんなご時世なので、出産には夫といえど立ち会えず、面会も1人だけで毎日15分まで。上の娘のときはつきっきりで、妻の背中を全力で押し続け、へその緒も切らせてもらえたし、夜遅くまで病室にいられたことを考えると、ずいぶん違った世界になっていて興味深い。

すっかり目がさえてしまった娘を寝かしつけ、落ち着かない気持ちをごまかしごまかしギターをいじってみたり、狭い部屋をウロウロ歩いているうちにカラスが鳴き始め、外も明るくなってきてしまった。コーヒーをいれていると娘が目をこすりながら寝室から出てきて、無言でストーブをつける。

娘が幼稚園に行ってしまうと、また1人家の中をウロウロ。10時が過ぎたころ、妻から無事に産まれた旨の電話がかかってきた。

15分というのは本当にあっという間で、受付から病室までの距離を考えると、産まれてきた我が子を抱っこして、ミルクを飲ませているうちに終了してしまう。上の娘はちゃんと幼稚園行ったよということ、付き添えなくてごめんね、ということ、元気に産んでくれてありがとう、ということを伝えるのがやっとで、面会時間終了の電話が鳴った。

グッド・バイよりもグッド・ラック

自分のこどもがどんな道を歩んでいくのだろう。私自身とは違った初期設定の世の中で、こどもたちはどんなことを感じるのだろう。

はなにあらしのたとへもあるぞ さよならだけが人生だ、などということばもあるが、自分のこどもたちが過去を前提に未来に思いをはせるのは、まだもう少し先のことになるだろう。私もそれに習って、こどもたちとは、先だけを見ていこうと思う。

3月11日という日にも、息子は私に違った趣を与えてくれた。考えてみれば、365日、何もなかった日なんてないのだ。特別じゃない日なんてない。

本人が実際に経験しなかった事象を、経験したものが押し付けるのも、押し付けられる側からしたら迷惑な話でしかないだろう。

3月11日はおまえさんが産まれた日。彼にとってはそれで十分だ。そのうち、彼自身の悲喜こもごもが追加されるのかもしれないが、それはもう親の領分ではない。勝手に生きるだろう。

今の自分のこどもたちに必要なのは、グッド・バイよりもグッド・ラック、だと私は思っている。(言語研究者)

筑波大 4月開校のS高で講義やデータ分析 角川ドワンゴ学園と協定

1
連携協定を締結した筑波大学の永田恭介学長(左)と角川ドワンゴ学園の山中伸一理事長

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)は29日、角川ドワンゴ学園(山中伸一理事長)と連携協定を締結した。同学園は、4月に筑波西中学校跡(つくば市作谷)に開校する通信制高校、S高を運営する。

高校、大学を通じたトップレベルの人材育成や教育・研究活動の充実に資することを目的とした協定で、筑波大教員らは、同学園が運営するS高やN高(本校・沖縄県うるま市)などの教育活動を支援したり学習機会を提供する。さらに、同学園が有するオンライン授業やアスリート及びアーティストの育成に関する大規模データを分析をしたり、双方が蓄積した知見やデータを活用した共同研究などをする。

具体的な協力内容について同大は「S高、N高の生徒に対し、筑波大教員が体育・芸術・情報・教育など専門分野の講義をしたり、反対に、同学園の生徒が筑波大学の研究室や授業を見学するなどが考えられる」とし、「同学園が展開するバーチャルリアリティ(仮想現実)によるオンライン授業に関して、学習効果の分析のほか、eスポーツ(コンピューターゲーム)に関する調査分析を行うことを具体的には想定している」と話す。

角川ドワンゴ学園は2016年に通信制高校N高を開校し、現在1万5000人以上の生徒がいる。生徒らが実際の教室で教師と対面しながら授業を受けるスクーリングの受け入れがいっぱいになることを見越して、つくばに2校目となるS高を開校する。

N高とS高のカリキュラムや学費の違いはない。イベントや部活動の参加に関しても、両校の生徒が同じ場で活動できる。異なるのはスクーリング。日程が両校で異なり、学校ごとに分かれて行う。ときには学校別の対抗試合を行うこともあるという。(山口和紀)

➡S高の過去記事はこちら

地域密着、デジタルクーポンアプリ「TOKTOK」開発 つくばのIT企業

0
TOKTOK利用イメージ(TOKTOK提供)

つくば市松代のウェブマーケティング会社、クラッシュが、自社開発によるクーポンアプリTOKTOK(トクトク)の運用をきょう31日から始めた。つくば市内の飲食店や美容・エステ関係など約150店舗が発行するデジタルクーポンを掲載している。利用者はこれらをスマホ1台で管理し、店で提示することで代金割引などのサービスを受けることができる。

最大の特色は地域密着型であること。多くのクーポンアプリがファストフード店やファミリーレストランなど全国チェーンの店を主に扱うのに対し、TOKTOKでは地域の身近で個性的な店を多数掲載しているため、選択の幅が大きく広がる。いつもの店をよりお得に利用したり、いままで知らなかった店を発見したり、知ってはいても行く機会のなかった店を訪れるきっかけにもなる。

アプリにはさまざまな店のクーポンが掲載されている

現在はつくば市内の約150店が参加しており、飲食系や美容系のほか整体・マッサージ、ホテル・宿泊、運転代行、英会話、スマホ修理などさまざまな分野の店がそろう。クーポン内容も料金割引のほか大盛り無料、メニュー1品サービスなど多様で、毎月更新されるため飽きずに足を運べる。参加店や利用エリアは順次拡大し、まずはつくば市内で500店、茨城県内で2000店が目標。その後各地の営業代理店と提携し、全国展開を目指す。

店側にとってのメリットも大きい。クーポン使用後30分ほどで利用者のスマホに届くデジタルアンケートは、回答すると次回同店で使えるクーポンがプレゼントされ、顧客の利用頻度向上が図れる。アンケートの結果は店舗のサービス改善や、スタッフのモチベーション向上などにもつながる。

通常のクーポンとは別に、クラウドファンディングのリターンや株主優待など、ちょっとしたプレゼントに使えるデジタルチケットの発行もできる。また運営母体のクラッシュは、フェイスブックやユーチューブといったSNSを使ったマーケティングや、キャッシュレス決済導入などのコンサルティング業務も行っており、店の経営やサービス提供のデジタル化を進めることも可能だ。(池田充雄)

◆TOKTOKは、顧客側は利用無料で個人情報の登録なども不要。店舗側の利用料は月額プラン4980円、年間プラン40000円。現在オープニングキャンペーンとして、つくば市内の店舗は半年分、市外の店舗は1カ月分が無料になる。導入相談はこちら、アプリダウンロードはiOSAndroid

満開の桜川河口で満月を見下ろす 《土着通信部》45

0
29日午後7時22分撮影、土浦市港町

【コラム・相澤冬樹】満月の夜は、土浦駅東のビル屋上に陣取った。ここからだと眼下に桜川河口から霞ケ浦土浦入りまでを見渡せる。河口部には両岸の堤に桜が植わっていて、満開の樹冠越しに月の出が望めるはずだった。

お月さまの写真は毎月のように撮っているが、満月に限ると桜の時期では1年前の4月7日の宵だった。新型コロナウイルスの感染拡大で、ちょうど国の緊急事態宣言が出た日のこと。月の出は午後5時過ぎで、「月は東に日は西へ」太陽コロナも沈む時分だし、お月見ぐらいよろしかろうと勝手な理屈をつけて霞ケ浦畔まで出掛けたのである。

ところがこの日は東の空に低く雲がたれ込め、まさに桜の季節の花曇り。水辺から昇るお月さまは拝めず、雲間から満月が姿を現したのは午後9時過ぎ。自宅からでも見物可能な高みに昇ってからだった。

お月見とはいうが、月の出の時間帯にこだわるようになったのは、二十三夜をはじめとする「月待」の行事に興味をもった(コラム第16回第22回)からだった。中天に昇った月を撮れば天体写真になってしまうが、地表近くなら樹木や水辺の写り込みが逆に興趣を誘う。月の出と同時に空の色調が一変するのをおもしろがった。

そんな話をしていたら、昨春土浦駅東に事務所を構えた知人が「花見の時期においでよ」と誘ってくれた。3階建てのビル屋上から川岸の桜並木を一望できるのが自慢だ。今年は早めに散ってしまいそうな懸念もあったが、満月の3月29日は昨年より1週間以上早く、ぴったり満開のタイミングに合った。

東に開けたロケーション

月の出時刻に合わせて午後6時30分過ぎにビルを訪ねると、知人は「曇ってしまったねえ」と迎えてくれた。屋上に昇ると日はとうに沈み、河口の先、東の方角は点々と街の灯が見える程度で月の気配はない。今年も低く立ち込めた雲に月見を阻まれるのか。

しかし10分も経つと、対岸上空の一点ににじむような赤みが差し、やがて月の色だと分かる。昇る月はいつだって深紅の色合いなのだ。

「あれは雲じゃなく霞。霞ケ浦特有の春霞ですよ。じきに満月が見えるはず」と解説するそばから、桜並木を越えたあたりでこうこうと輝きだした。手前の桜と望遠でのぞく満月、いずれかにしか焦点は合わないが、構図をいろいろ探してシャッターを押した。

「春霞 かすみの浦を 行舟の よそにもみえぬ 人をこひつつ」藤原定家

霞ケ浦のおかげで、高いビルに昇らずとも東に開けた展望を持つ土浦は、月の出見物に格好のロケーションをもっている。平坦な地形で、家屋や電線・電柱にさえぎられることもあまりない。ビューポイントに月の出の時刻と方角を表示する掲示板を設けたり、月光サイクリングを仕掛けたり、観光資源としてもっと活用できるはず。月々の月見のたびに思うのである。(ブロガー)

アライグマ対策追い付かず 捕獲数13年で166倍超、防除は住民任せ

0
つくば市金田地区の民家で捕獲されたアライグマ(「衛生害虫獣駆除サービスたいじ屋」渡辺一之さん提供)

茨城県の「第2次アライグマ防除実施計画」が31日に期限を迎える。特定外来生物に指定されるアライグマは、「生態系への被害防止のため最終的には野外からの完全排除を目標として防除を行う」とする県の説明の一方で、防除対策は住民に任され増加に歯止めはかかっていない。次年度以降の対策はどうなるのか。県は「4月中旬頃を目安に正式な公表を予定」していると説明する。

9頭が1499頭超に

2月末の段階で、今年度に県全体で捕獲されたアライグマは1499頭。増加傾向が顕著になった2007年度は、わずかに9頭だった。茨城で初めて野生のアライグマが観測されたのが1994年。個体数の増加とともに生息域も広がった。

国により2009年「特定外来生物」に指定されたアライグマは、生態系への影響が強く危惧され、対策の緊急性が高いことから、2016年には「緊急対策外来種」のリストにも載った。県内ではつくば市、土浦市を含む12自治体が、最もアライグマが定着しているとの想定から「重点防除対応地域」になっている。「防除」とは、「予防と駆除」を同時に行うことを意味する。

県によると農業関連の被害額は、2019年度が約855万円。被害が顕著なイノシシによる被害額が9000万円であることに比べるとまだ少ない。全国的には2000年に3600万円だったものが、2018年は3億7500万円に増えている。

県は2010年、アライグマ防除実施計画を策定し対策を進めてきた。2016年には改めて5カ年間の「第2次アライグマ防除実施計画」を再策定した。その間も、捕獲された個体数は増加の一途をたどっている。

「科学的データが不足」

「防除計画」の課題として、県自然環境課自然・鳥獣保護管理グループは取材に対し、個体数を減少させるための科学的データが不足しており、引き続き防除と情報収集に努めると回答した。また今後の改善点として、行政の取り組みを充実させるとした上で、「住民自らによる捕獲と予防管理の実施」について、地域住民へ一層の周知拡大を図るとする。さらに「従来からの捕獲従事者の養成等を継続し、防除の体制の整備拡充を進めたい」と展望を述べた。

アライグマ駆除には狩猟免許が必要ないが、捕獲するには「防除作業従事者」になる必要がある。県が例年7月ごろに開催する講習会へ参加し、安全確保の講義やわなの組み立て実習などを経て、市町村の「従事者」として防除作業に臨むことになっている。

行政は捕獲用の檻を貸し出し、捕獲した個体を引き取る程度の役割で、捕獲自体は市民の自主性に任されている現状がある。

市街地からも駆除依頼顕著に

日本で野生化したアライグマが最初に確認されたのは1962年。全国的な広がりのきっかけは、1970年代に放映されたアニメによるペットブームだという説がある。以降、2006年までに全都道府県で確認されている。

アライグマやハクビシンの被害を受けたことがある岩瀬明さんの農地=つくば市内

つくば市の猟友会桜支部長、岩瀬明さん(72)は、アライグマを含めた野生動物増加の要因を、農村部の高齢化と人口減少、社会構造の変化が関連し合うと話す。手入れの行き届かない山林や耕作放棄地が増え、野生動物が住み着いた。それにより獣害が増えることで、さらに離農する人が増えるという悪循環を指摘する。

水戸市を拠点に活動する「衛生害虫獣駆除サービスたいじ屋」の渡辺一之さん(57)は、駆除依頼ケースの変化を話す。高齢化により家主を亡くした空き家に住み着く野生動物への依頼が増えているのだ。依頼は農村部だけでなく、市街地からも顕著になっている。また、駆除現場からの実感として、増加する「餌」の存在も指摘する。空き家敷地内に放置される樹木に実る柿や栗などの果実、農地に積み上げ遺棄される農作物などがある。

アライグマ対策は、県の防除計画をもとに市町村が現場に応対する。自治体によって対応に「熱量の差」があると渡辺さんは指摘する。アライグマは生後1年で、4月ごろから複数の子どもを出産する。このため、春から夏の捕獲圧を上げることが生息数を減らすのに効果的とされるが、講習会の開催時期が7月ごろで適切なのか。捕獲許可申請の迅速さ、担当職員の情報収集力など、行政の当事者意識が、多角的な対応を必要とするこの問題解決の鍵になる。(柴田大輔)

➡イノシシ被害の記事はこちら

高校生の進学情報格差なくしたい 筑波大生らオンライン塾立ち上げ

0
代表の長谷川弘貴さん=23日、筑波大学石の広場で撮影

筑波大学の学生らが昨年、無料のオンライン塾を立ち上げた。高校生らの学習や進路の指導を行う「学び舎栄智(まなびやえいち)」だ。活動の大きな目標は、地方と首都圏の高校の間にある大学進学に関する情報格差をなくすことだ。代表の長谷川弘貴さんは、同大理工学群数学類1年で、地方出身。団体を立ち上げた経緯とこれからの展望について話を聞いた。

―活動のきっかけはなにか。

長谷川 高校生の頃から大学進学に関する「情報格差」に大きな関心を持っていた。自分が通っていた高校は、授業料は払っているのに自分が望んだような情報が得られないという状況だった。そういう環境の中で進学の情報格差というものには大きな関心を高校時代から抱いていた。

行動に移すきっかけは新型コロナで時間の余裕が出来たこと。昨年、入学していきなりコロナ禍が直撃した。春学期(前期)が完全にオンライン授業になってしまって残念だったが、時間的には余裕が出来た。「時間だけはあるので何かをやってみよう」という気持ちになって、活動をスタートさせた。

―「学び舎栄智」はどんな活動をするのか。

長谷川 活動をスタートさせたのは昨年の4月から5月。将来的には有料の塾を運営したいと思っているが、今はその前の段階。高校生の学習指導や進路相談などを無料で行なって、市場調査をしているところ。団体の構成員としては、筑波大の学生が7人、茨城大学が2人、山形大学が1人の計10人で活動をしている。

―活動のきっかけとなった「情報格差」とは具体的にどういうものか。

長谷川 やはり大きな問題は地方と首都圏の大学進学情報の格差だ。地方に住んでいる高校生は、そもそも大学に通うイメージをもてなかったり、大学の情報を集めるということが難しかったりする。まずはそういう情報格差を出来るだけ埋めていきたいと思っている。

活動に協力してくれている大学生は地方出身の子が多い。彼らは地方と首都圏の間にある情報格差を実際に体感していて、栄智の活動方針に共感してくれている。具体的な活動としては、大学生がオンラインで大学生活について話す活動や、公式サイトで大学生活の様子などを書く活動をやっている。

活動をサポートしてくれている地方出身の学生は、そうした情報格差という問題意識を共有していると思うし、団体としてのモチベーションにつながっていると感じる。

―普段どのような活動を行っているのか。

長谷川 活動の主軸はオンラインでの学習指導。応募してきてくれた高校生とオンラインで面談をして、希望する進路に近い学部や学科の学生が個別で指導をしている。

今のところ、栄智に集まってきてくれている高校生は「現在の所属学年よりも進んだ範囲を予習しておきたい」と希望する子が多い。授業の予習をオンラインで支援しているという言い方が良いかもしれない。

その他としては、ブログで筑波大学のすごい学生を紹介したり「大学で役に立つ積分」と銘打って数学の解説を書いたりしている。

公式サイトで現役の学生に対するインタビューを公開している

―ほかの個人塾との違い、栄智ならではの特徴は。

長谷川 大学生がやっているということがあって、生徒と年齢が近い。面談をしながらお互いに指導の仕方を模索している。押し付けるのではなく、生徒と一緒に指導の方法から考えていくところが他にはない強みだと思っている。

―活動する上で苦労しているところは。

長谷川 やはり指導する講師とのマッチングが難しい。高校生の生徒は、一人ひとり求めているものが違うので、要望に合うような講師を充てることに苦労している。

今いるメンバーは、理系大学生に偏っているところがある。生徒は理系だけではないので、文系科目の指導には今は弱みがあるように思う。それも含めて自分としては楽しくやっている。一人ひとりに合った講義をするというのが強みであり、難しさだと感じる。

―今後はどのように活動していきたいか。

長谷川 今はその段階に向けて頑張っている最中だが、将来的にはお金をとってやっていきたい。それは教える方の責任にもなるし、「お金を払っているのだからきちんと受けよう」という生徒の姿勢にもつながる。まだ始めたばかりなので、そこまでいくのはまだ先だとは思っている。

そうして活動の質を上げていくなかで、高校生に情報を届けていくことが出来たらうれしい。

(聞き手・山口和紀)

◆栄智のホームぺージはこちら。公式ツイッターはこちら。活動に関わってくれる大学生を募集している。

料理を作る楽しみ 《食とエトセトラ》11

0
ハヤシ卵

【コラム・吉田礼子】料理作りに目覚めたのは小学3年のころと記憶している。その年、中耳炎の治療で通院するために、仙台に住んでいた伯母の家に10日ほど泊めてもらうことになった。大分よくなったころ、伯母が通っていた料理教室について行った。そのときのメニューは、缶詰めのサケとみじん切りのタマネギをマヨネーズであえたものを、くり抜いたトマトに入れる、「トマトのファルシー」だった。

あまりのおいしさに、家に帰ってから自分で作り家族に食べてもらった。そのときの家族の驚きと「おいしい」の連発を思い出すと、幸せな気持ちになる。その経験が料理作りのスタートだったと思う。もちろん食いしん坊で、母が料理をしているのを見て、手伝うのも大好きだった。

私の故郷は宮城県の鳴子温泉。母は「(9月の)温泉祭りのときに、初物のマイタケを食べるんだよ。雨が降ったら虫が入るから、水にトウガラシを入れて虫出しをするんだよ。マイタケのある場所は親兄弟でも教えないんだよ」と言っていた。

人はほめて伸ばす

料理修業の最初のころ、ダイコンの千切りはハードルが高い。冷し中華作りのときに、キュウリが切りやすいことがわかり、たくさん練習をした。最初は不器用な自分が情けなかったが、少しずつできるようになり、料理の喜びが分かるようになった。そして、新しいアイデアも出てくるようになった。

小学4年のとき、私は初めて創作料理を考えた。「ハヤシ卵」である。オムレツに乗せるのは、ケチャップ派、ソース派があると思うが、ケチャップとソースの合わせ技も。フライパンに直接入れ、卵が半熟の状態で混ぜると、口の中で三種一体となっておいしい。

ケチャップとソースを合わせるとハヤシライスの色になるので、この料理を「ハヤシ卵」と命名した。小4担任の先生はよく覚えていて、母と会うと、その話に花が咲いたと言っていた。くじけずにできたのは、母や先生の励ましがあったからこそ。「人はほめて伸ばす」を信条に育ててくれた母に感謝している。(料理教室主宰)

密を避け生活を満喫する 《ひょうたんの眼》35

0
石岡市湯袋峠の岩割り桜

【コラム・高橋恵一】4カ月後に予定されている東京オリンピックに、外国からの観客を受け入れないことが決まった。選手も、選手村と競技場以外の行動は制限されることになるようで、オリンピック誘致の決め言葉「おもてなし」は、空振りになってしまうようだ。

オリンピックの経済効果を期待し、特にインバウンドの復活に期待し準備していた業界は、戦術を再構築せざるを得ない。早速、コロナ感染収束の状況も見えないうちから、「GOTOキャンペーン」の再開を言い出したりしているが、慌ててさらなる深みに落ちないように考えるべきだ。

観光とは、文字通り光輝くすばらしい景色、宝、イベントなどに接し、自らの体験を豊かにすることであろう。観光を提供する側も、最大に感動してもらうための「おもてなし」を用意するはずだ。しかし、近年のインバウンド客やGOTOキャンペーン実施時の報道を見ていると、渡月橋に大行列ができたり、浅草や鎌倉の食べ歩きなど、おおよそ日本を満喫する行動とは言えないだろう。観光地では、観光客も観光の対象でもあるのだ。

ホテルや旅館での食事や接待にしても、合宿の朝食でもあるまいし、美しい盛り付けの郷土色豊かな配膳で日常との差別を楽しめてこそ、「おもてなし」なのだと思う。宿泊については、インバウンド対応で「民泊」が登場したが、ホストファミリーとの交流を前提とした昔からのホームスティとは異なる。簡易な宿泊だけなら、ビジネスホテルの利用を進めるべきだろう。

「密」を追いかけてきた日本

この際、「観る側」ファーストを考えてみよう。スポーツやコンサート、観劇などは、会場が一体化して、感動を共有することも素晴らしいのだが、テレビの方が細かい動きや周囲にかき消されていない音声で解説などもあり、理解しやすく満喫できる。

美術品や文化財などは、展示会の混雑の中で鑑賞するより、図録の方が判りやすい。鳥獣戯画やゴッホのひまわりを立ち止まらないで見ることは無理だ。阿修羅像や飛鳥大仏とは、何時間も向き合って語り合いたい。渡月橋では、途中でたたずみ、桂川の流れの音に触れたい。

コロナ感染防止で「密」を避けるように要請されているが、今日の日本は、「密」を積極的に追いかけてきたのではないだろうか。大量生産、大量消費、一極集中…。限りなく競争を求め、行き着くところは、資本と権力の集中だろうか。

密を避けて生活を満喫する。改めて日本人に求められている生き方かもしれない。(地図好きの土浦人)

「知識」と「知恵」の違い 《食う寝る宇宙》82

0

【コラム・玉置晋】高校教員をしていた亡き父のアルバムを整理していたら、切り抜きが出てきました。卒業する生徒に向けたメッセージかと思います。

「高校の勉強が完成するとは、『知識』が『知恵』に高められることだ、という人もいます。(例えばボク)。それでは、『知識』とか、『知恵』とは何でしょう。ボクはこう考えています。『知識』とは、ある物事についての明確な理解、認識を持つこと。つまり、簡単にいえばオボエルこと、だね。『知恵』とは、物事の理(ことわり)を考え、判断し、処理する心の働きのこと。つまり、簡単にいえば、『オボエテイル』ことを使って、頭を『ハタラカセル』こと、だと思うね」

父が教壇に立っていた30年前と比べて、世の中は大きく変わりました。インプットされる情報量も何十倍となっています。人間の頭に格納する知識の価値は下がり、替わりに外部記憶(例えばインターネットの情報)にいかに効率よくアクセスできるかが重要視されています。しかし、知恵(「オボエテイル」ことを使って頭を「ハタラカセル」こと)はどんなに時代が変わっても、大事なことに変わりありません。わが父ながらよいことを言った。

寝坊したのは太陽フレアのせい?

先日、岩手県大船渡市に住む地球防衛隊(コラム25参照)の仲間から、スマートフォンのアプリを開けなかった、太陽フレアの影響ではないか?と連絡がありました。もちろん冗談なのですが、この手のネタは2017年の秋からSNSで見かけるようになりました。

きっかけは、2017年9月に「通常の1000倍の大型太陽フレアが観測」されたと関係機関からプレスリリースが出たことによります。当時、カリブ海では大型ハリケーンの被害を受けて、その救援活動の最中に、大規模な電波障害が生じたという報告がありました。(日本では大きな影響はありませんでしたが)

そのため、何だかよくわからない脅威である太陽フレアは、「寝坊したのは太陽フレアのせい」といったジョークの恰好の餌食となりました。この反応は「宇宙天気防災研究者」としては懸念材料でして、よかれと思って発信した情報がオオカミ少年になってしまわぬように注意を払わないといけません。(宇宙天気防災研究者)

<3分宇宙天気>2021年3月22日、太陽の北半球で巨大なプロミネンス(紅炎)が見られました。ガスの塊(CME:コロナ質量放出)が噴出され、地球方向に向かっています。3月25日以降、到来する可能性がありますので、宇宙旅行ご予定の方は宇宙天気をウォッチ!

市職員2人が新型コロナ つくば市

0
つくば市役所

つくば市は27日、市職員2人が同日、新たに新型コロナウイルスに感染していることが判明したと発表した。

市ワークライフバランス推進課などによると、2人は市役所本庁舎2階に勤務する非常勤職員と、小田城跡歴史ひろば案内所に勤務する非常勤職員で、いずれも職場に濃厚接触者はいないという。

2人が勤務する部署はいずれも消毒作業を行い、通常通り業務を実施する。

2人に症状があったかや、いつまで勤務していたかなどは公表できないとしている。

第1期巣立つ つくば・みらいのもり保育園で卒園式

0
保護者に向けて書いた手紙を読み上げる園児=みらいのもり保育園

社会福祉法人関耀会(筑西市、関正夫理事長)が運営する、つくば市鬼ケ窪のみらいのもり保育園(川上美智子園長、園児数85人)で27日、第1回卒園式が催され、第1期生となるくじゃく組の年長児4人が巣立った。昨年4月に開園したが、コロナ禍で入園式を開催できなかった。

式典で川上園長は「4人は憧れの年長さんで、園のリーダー的役割を立派に果たしてくれました。4月から小学1年生になります。たくさんのお友達と楽しく元気に過ごしてください。皆さんの成長を先生たちは遠くからいつも温かく見守っています」などと式辞を述べた。

卒園生4人は「毎日優しく見守ってくれて、先生方、ありがとうございました」などとお別れの言葉を述べ、参加した父母に向けて「毎日おいしいご飯を作ってくれてありがとう。大好きです」などと書いた手紙を読み上げて手渡した。

1年間の思い出を振り返る映像が流れると、胸がいっぱいになり、すすり泣く保育士らの姿が見られた。

同園は「自分らしさと自ら伸びる力で未来を生きる自信と意欲を育てる」を保育理念に掲げ、筑波大学と連携して園児たちの個性を引き出すアート体験なども行っている。

プロチームを次々撃破 アルボラーダ(つくば) 3×3日本選手権で準優勝

0
表彰式で男子の部準優勝のアルボラーダ(写真提供:アルボラーダ)

3人制バスケットボールの日本一を決める第6回3×3(スリーバイスリー)日本選手権大会(日本バスケットボール協会主催)のファイナルラウンドが3月22、23の両日、新宿住友ビル三角広場(東京都新宿区)で開かれ、男子の部で茨城県代表のアルボラーダ(ALBORADA)が準優勝した。戦い終えて、代表の中祖嘉人さん(3×3日本代表サポートコーチ)や選手たちに話を聞いた。

気合を入れる4人。左から改田、小澤、山本、石渡(写真提供:日本バスケットボール協会)

ファイナルラウンドの相手はいずれもプロチーム。1回戦は唐津レオブラックス(佐賀県)を21-13、2回戦は八戸ダイム(青森県)を21-15と相次いで撃破。準決勝ではウィル(東京都)と対戦、点の取り合いから延長21-19で勝ちきった。メンバーの山本陸は「相手は1対1に自信を持つチームで、タイトな守備が必要。自分たちが重視する攻撃から守備への切り替えで、パスアウトのカットを狙うとか、リバウンド時のポジション取りなど、タフでハードな守備を心掛けた」と振り返る。

決勝の相手ビーフマン(高知県)は、保岡龍斗(3×3日本代表候補、B1秋田ノーザンハピネッツ)、湊谷安玲久司朱(元B1横浜ビー・コルセアーズ)らを擁する強豪。チーム平均身長189センチと、体格差の大きい相手にゴール下で押し込まれ、14-21で敗れた。「シュートファールからフリースローを与え、楽に点を取らせてしまった。ファールにならない守備が必要だった」と改田拓哉。

生え抜き選手で挑む

アルボラーダは2013年につくばで結成された、3人制と5人制バスケのクラブチーム。中祖代表にとって今回の日本選手権準優勝は、昨年のチームつくばを率いての優勝に続く2年連続での決勝進出。だがその価値は昨年とは全く異なるという。

「チームつくばは、つくばから世界を目指すというコンセプトで、元B2茨城ロボッツの大友隆太郎(現B1滋賀レイクスターズ練習生)ら、プロ選手を集めて作ったチーム。それに対し今年は、子どものころから一緒に練習してきた生え抜きの選手たちで挑んだ」

決勝戦、体格差のある相手と競り合う石渡(左から2人目)と山本(右端)(写真提供:同協会)

メンバーは小澤峻(つくば市、土浦二高出身)、山本陸(牛久市、土浦日大高出身)、石渡優成(牛久市、藤代高出身)、改田拓哉(我孫子市出身)の、いずれも20代前半の4人。平均身長は177センチで、出場チームの中では格段に小さく、身体能力でも突出したものは持っていない。それでも3×3のU-18日本選手権では、2017年の第3回大会優勝など、3年連続で上位入賞を果たしてきた。オープンカテゴリーの大会は今回が初めてだが「優勝しかない」との意気込みで臨んだ。

次に続く選手らの目標に

道のりは厳しく、県予選では最終戦を延長で制し、東日本予選では11チーム中5位というギリギリの成績で勝ち抜いた。ただしその中にはプロリーグ「3×3エグゼプレミア」の今季優勝チームであり、小林大祐(茨城ロボッツ)ら日本代表候補2人を擁する宇都宮ブレックス(栃木県)を破るなどの快挙もあった。

「残念ながら優勝は逃したが、ここまで勝てたことが本当にうれしかった。彼らのことは子どものころから見てきた。体が大きくなり技術も上達したが、それ以上に人間としての強さ、メンタル面での成長が感じられた」と中祖代表。

準決勝戦、ドリブルで切り込む山本(写真提供:同協会)

「彼らはいわゆる普通の選手ばかり。中学や高校でも目立ったキャリアはないが、時間をかけて努力し、正しいトレーニングを積むことで、日本のトップと渡り合えるまで成長できた。後に続く選手たちに希望を与えられる存在」と小山涼コーチ。彼らの活躍を見て、一緒に練習してきた小中学生らのモチベーションがいま、非常に高まっているという。

4人は今大会を一つの区切りとして、今後はそれぞれ次のステージへ進む。改田はプロチームから日本代表や世界での活躍を目指す。指導者として後輩の育成に携わる山本は「高校生や大学生のメンバーを伸ばし、次は彼らに日本一をつかんでもらいたい」と目標を語る。(池田充雄)

オオシマザクラのはなし 《令和楽学ラボ》12

0
日立市かみね動物園のオオシマザクラ

【コラム・川上美智子】今年は桜の花の開花が早く、各地から垂れ桜やソメイヨシノの花便りが届いています。ここ茨城県でも既に桜が満開になっているところもあります。

今から10年ほど前、桜の名所である日立市の依頼で、大学の研究室では「オオシマザクラ」の研究に取り組みました。オオシマザクラは、日本に自生するサクラ野生種の1つで、日本の固有種とされ、交雑しやすいため多くのサクラ栽培種の原種となっています。

例えば、明治初期に誕生したソメイヨシノも、DNA解析からオオシマザクラを父に持つことがわかっています。また、オオシマザクラを母種とするサクラも多数あり、これらはサトザクラ群と言われています。原木は木炭や浮世絵の版木、茶筒などに使われてきました。葉は滑らか、無毛で食べやすいところから、桜餅の葉として利用されてきました。花びらは白色でソメイヨシノよりやや大きく、4月ごろ、新葉が出る時期に咲くのが特徴です。

日立市のオオシマザクラは、日立銅山の歴史と深い関係にあり、新田次郎原作・松村克弥監督の映画「ある町の高い煙突」にそれが描かれています。明治後期、銅の製錬による煙害(2酸化硫黄の発生)が大きな問題となり、煙害に強い樹木としてオオシマザクラが採用され、植樹が始められました。

大正4年(1915)に大煙突が建てられるまで、数万本のオオシマザクラの苗木が伊豆大島から移植され、さらに耐煙樹種研究のために作られた農場では、苦心の末、120万本の苗木栽培が行われたと言います。その後、オオシマザクラの苗木にソメイヨシノの苗木の接ぎ木も行われ、日立市全体がサクラの町になって行きました。

「桜香るうどん」の開発は断念

研究室では、特有のかぐわしい香りをもつサクラの花と葉を利用した商品づくりを試みました。手始めに、サクラの葉と花の揮発性成分について分析したところ、強い樹木であるだけに、葉からはクマリンやベンズアルデヒドなどの芳香をもつ抗菌成分と猛毒の青酸(シアン化水素)などが見つかりました。

クマリンは抗菌作用のほか、抗血液凝集(ぎょうしゅう)作用などがありますが、大量摂取すると肝毒性、腎毒性をもたらします。シアン化水素はミトコンドリア中で酵素チトクロームオキシダーゼと結合し、細胞呼吸を阻害して呼吸困難や窒息を引き起こします。生葉よりも乾燥した葉で、これらの成分の含有量が高まるため、サクラの葉粉末を練り込んだ「桜香るうどん」などの開発を試みましたが、商品化は断念しました。

ちなみに、クマリン自体も食品添加物としては認められていません。と言うことで、サクラは花を愛でることに留めた方がよさそうです。(茨城キリスト教大学名誉教授)

土浦お花見さんぽ 《私家版吾妻カガミ》

1
霞ケ浦総合公園=土浦市大岩田

霞ケ浦総合公園

26日(金)午後、うちの奥さんと2人で霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)に出かけました。この公園は自宅から歩いて10分と近く、毎早朝、豆柴犬と散歩しているところです。ですから、どこにどんな桜の木があるか、開花の度合いどの程度か、知り尽くしています。それでも、天気予報でこの日は20℃を超えることを知り、「昼、花見に行こう」となりました。幼稚園や小中学校が春休みに入ったこともあり、平日にもかかわらず子どもたちでいっぱい。上の写真は、公園のシンボルでもある風車を桜越しに撮ったもの、土浦市の桜まつり旗を桜とセットで撮ったもの、周回路沿いの桜と奥さんの後ろ姿を撮ったもの、です。

桜川堤

土浦市を流れる桜川の堤には、霞ケ浦の河口部から、上流の学園大橋まで桜の木が植えられています。何本あるか知りませんが、相当な数になります。いつ植えたかも知りませんが、相当な古木です。土手下の河川敷に椅子を持ち込み、うちの奥さんと豆柴犬とで、近くで買った弁当を食べるのが例年の花見でが、今年はその時間が取れず、26日(金)午後、弁当なしの花見になりました。下の写真は、コロナ禍を心配する市の看板、堤の桜の古木を撮ってみました。

桜川堤=土浦市生田町ほか

慢性腎臓病患者への生活食事指導は費用対効果に優れる 筑波大学 戦略研究で示す

0
筑波大学付属病院=つくば市天久保

1人の健康寿命を1年延ばすためには、追加でいくら必要になるかを、慢性腎臓病(CKD)重症化予防から明らかにした研究が24日、筑波大学(つくば市天王台)から発表された。慢性腎臓病が進行すると必要になる透析療法には1人当たり年間約500万円の医療費がかかり、社会的な負担も大きい。そこで、かかりつけ医と専門医が連携し、患者への生活食事指導を普及させることで、社会全体で支払う追加の費用は1人当たり年間14万5593円に抑えられることが分かった。

発表は筑波大学と新潟大学の連名。研究代表者は筑波大学医学医療系の大久保麗子助教、近藤正英教授が務めた。同医学医療系の山縣邦弘教授らによって2006年から行われてきた慢性腎臓病重症化予防のための戦略研究(FROM-J研究)を引き継ぐ研究という。

1人年間500万円が15万円弱に

慢性腎臓病は、たんぱく尿の存在や腎臓の機能低下などが3カ月以上続く状態を指す。慢性腎臓病が進行すると末期腎不全や心血管疾患の危険因子となるとされる。透析療法が始まると、一生続ける必要があり、これに要する医療費(1人当たり約500万円)は、社会的にも負担となっている。このためFROM-J研究では、かかりつけ医、腎臓専門医、コメディカル(看護師、栄養士など医師以外の医療従事者)の協力による医療システムの有効性、有用性を検証してきた。

今回、研究グループは生活食事指導を取り入れた経済モデルを構築した。かかりつけ医と腎臓専門医の診療連携を強化する「介入」を行った場合の費用と効果を分析した。ここでの「介入」は、慢性腎臓病患者に対する生活指導、服薬指導、食事指導、受診促進の全てを含めた生活食事指導のことを指す。

CKD患者の予後を推計するための経済モデル(プレスリリース)

その結果、生活食事指導による介入の増分費用は年間1万6164円、その費用効果比は質調整生存年(QALY※メモ参照)当たり14万5593円と評価された。これが国民1人の健康寿命を1年延ばすために追加的に社会全体で支払う費用と見積もられる。日本の評価基準の閾値(しきいち)となっている500万円(1人当たりの透析医療費と同じ額)と比較すると、極めて小さい値が算出された形だ。

国内に約1300万人と推計される慢性腎臓病患者を腎専門医だけで管理、加療することは不可能。社会負担の軽減には、腎臓を専門としないかかりつけ医、看護師、栄養士からなるチーム医療で、対応していく必要があるとした。研究グループは、この介入を普及させるためには、受診勧奨を含めた生活食事指導に関する診療報酬の改定や、CKD診療ガイドラインへの追加などが重要と考えている。

【※メモ質調整生存年】(QALY:Quality-Adjusted Life-Year) 生存年数を生活の質(クオリティーオブライフ)の値で重み付けしたもの。完全な健康状態は「1」、死亡状態は「0」、病気や障害がある状態のときには「0と1の間の値」で表現する。完全な健康状態で生存する1年間の寿命の価値が1QALY となる。

食うか食われるかを目の当たりに 《宍塚の里山》75

0
大池で見られるオオバン(下段左から)ウシガエルのオタマをくわえる、オタマジャクシを横取りされる、草の実を探す、特徴的な脚

【コラム・及川ひろみ】秋から春にかけて、宍塚大池では、白いおでこが目立つ水鳥、オオバンが見られます。1994年までは来たり来なかったりでしたが、それ以降は毎年見られ、数も年々増えています。オオバンは全国的に増えている野鳥です。繁殖地の調査などが行われていますが、その理由は分かっていません。

オオバンはオオタカなどに比較的捕まりやすく、池の縁で羽根をむしられたオオバンを見ることも少なくありません。オオタカがオオバンを仕留めたときには、池の中にオオバンを力ずくで沈めて窒息させ、その後、岸に引き上げます。タカの脚の強さは想像以上!

今年、仕留めたオオバンの羽をむしり始めたところで、哺乳動物に横取りされた現場を見ました。宍塚では中型哺乳類が生態系の頂点であることが分かります。(この哺乳動物、アライグマ、タヌキ、キツネ、ハクビシン…、何なのか残念ながら分かりません)

オオバンが水草や陸の草の実などをついばむ姿をよく見ますが、実は結構な動物食。ウシガエルのオタマジャクシ、アメリカザリガニもよく食べます。オオバンは潜るのが得意で、カモたちよりこのような獲物が手に入りやすく、冬の間、よく食べていました。

しかし、カモたちにとって、これらの獲物はよだれが出るほどうらやましいのか、そっと近づき、オオバンがくちばしにくわえたオタマジャクシなどをひょいと横取りします。しかし、オオバンは捕られても何事もなかったかのように、また水に潜り、生き物探し。時に、口に入らないほどの大きなものを捕り、水面に何度も打ち付け、食べやすいサイズにしてのみこみます。

オオバンはクコの葉が好き

こんな姿が見られるのは真冬で、春が近くなってくると、動物食から植物食になるようです。

オオバンが好きなのはクコの葉です。クコの枝は細く、登って小さな葉を食べるのは一苦労ですが、落っこちそうになりながら徹底的に食べます。よほどの好物のようで、クコの群落の葉が丸坊主になります。以前飼っていた鶏はクコの葉が大好物でした。

クコは長寿の薬ともいわれていますが、これを知っているかのようです。私も春先、クコの若い芽を摘み、ゆで、ゴマあえなどでいただきます。結構いけます。(ゆでてから時間がたつと青臭くなるのでご注意)

里山の生き物を丁寧に観察していると、生き物同士の、食うか食われるかの関係が見えてきます。生態系という言葉の重みが実感できます。オオバンはカモより遅くまで見ることができます。(宍塚の自然と歴史の会 前会長)