土曜日, 4月 20, 2024
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総合運動公園 -検索結果

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つくば市が開発許可 旧総合運動公園用地

つくば市土地開発公社が外資系デベロッパー、グッドマンジャパンつくば特定目的会社(東京都渋谷区)に売却した同市大穂、旧総合運動公園用地約46ヘクタールについて、同市は18日付で同社に、都市計画法に基づく開発行為の許可を出した。 対面で開催されていない住民説明会について市開発指導課は、事業者は近隣にちらしを配布して周知し住民から質問を受け付けるなどしたとし、市開発許可の手引きに定められている「開発区画の周辺おおむね100メートル以内の住民と土地所有者」に対する住民説明会は書面で開催されたとしている。 同用地では今月7日までに地上部分の樹木の伐採が始まった。市から開発許可が出されたことで事業者は、樹木の根っこを抜き取る伐根に着手するとみられる。今回始まった1期工事で伐採される面積は不明だが、北側の高エネ研に隣接する東大通り沿いの物流倉庫建設予定地の伐採を実施しているとみられる。 同用地の開発登録簿によると、工区は10工区に分かれ、東大通り側の3工区に物流倉庫ができる。物流の3工区合わせた面積は全体の約47%の計約21.3ヘクタール、物流倉庫は、5階建て高さ約37.1メートルが1工区に、4階建て高さ30.9メートルが2工区に建設される予定。 西側は4工区にデータセンターが建設予定で、4工区合わせた面積は全体の約39%の計約17.7ヘクタール、施設は3~5階建て、高さは最大で46.5メートルとなっている。 五十嵐立青市長が売却目的の一つとして掲げた防災拠点は南側に建設予定で面積は全体の約10%の約4.6ヘクタール。施設は2階建て、高さは約16メートル。ほかに道路部分が2工区ある。 同用地は、住民投票で総合運動公園計画が白紙撤回となった後、住民投票の勢いに乗って市長になった五十嵐立青氏が、2期目当選直後に民間への売却を表明し、グッドマンジャパンが110億円で購入した。(鈴木宏子) ➡関連記事はこちら(12月8日付)

樹木の伐採始まる つくば市 旧総合運動公園用地

つくば市土地開発公社が外資系デベロッパー、グッドマンジャパンつくば特定目的会社に売却した同市大穂の約46ヘクタールの森林(旧総合運動公園用地、高エネ研南未利用地)で7日までに樹木の伐採が始まった。 同用地は、住民投票で総合運動公園計画が白紙撤回となった後、住民投票の勢いに乗り、一つの争点に的を絞ったシングルイシューといわれる選挙戦を展開して「(元の持ち主の)URと返還交渉する」ことを最大公約に掲げて初当選した五十嵐立青市長が、2期目当選直後に民間への売却を決めた。グッドマンジャパンが110億円で購入、倉庫やデータセンターの建設が計画されている。 7日午後3時過ぎ、隣接する高エネ研敷地に面する出入口には、重機が出入りするための鉄板が敷かれ、すでに広い面積の樹木が伐採されていた。さらに敷地周囲を囲っていた杭が抜かれ、境界付近の草が刈られていた。 今回の伐採面積や1期工事の内容、工事スケジュール、住民説明会開催の有無などについて事業者のグッドマンジャパンは「現在メディア等の取材対応は行っておりません」などとしている。伐採面積などは不明だが、高エネ研に近い東大通りに接する倉庫区画(7工区E区画、約6.1 ヘクタール)付近で伐採が始まったとみられる。 事業者は現在、つくば市に対し、都市計画法に基づく開発行為の許可申請を出しているとみられるが、8日時点で市はまだ開発許可を出してないとみられる。さらに、市開発許可の手引きでは「開発区域の周辺おおむね100m以内の住民と土地所有者に対し住民説明会を開催する」とあるが、事業者は近隣にちらしを配布し、対面での住民説明会は開かれていない。 伐採や住民説明会などについては8日開かれた同市12月議会一般質問で取り上げられ、飯岡宏之市議の質問に対し、市は「(樹木の地上部分の)伐採は(土地の区画形質の変更ではないため)開発行為に当たらない。(木の根っこを抜き取る)伐根は開発行為の許可を得て実施する」などと答弁した。 住民説明会の開催について市開発指導課は「開発行為にあたって必要な説明会は書面開催の方法で周知し、(住民説明会は)なされたと事業者から報告を受けている」としている。一方、一般質問した飯岡市議は、周辺住民からは住民説明会開催を要望する動きがあるとしている。 事業者が10月に近隣住民に配布した資料によると、全体計画は、東大通り沿いの東側に倉庫3区画、西側にデータセンター4区画を建設する。南側の約4.5ヘクタールには防災多目的利活用広場を建設する予定で、防災拠点の整備は市が掲げた売却目的の一つだが、市と事業者との具体的協議はまだ行われていない。(鈴木宏子)

一定期間、定期預金で運用 つくば市旧総合運動公園用地の売却益約42億円

つくば市土地開発公社(理事長・飯野哲雄副市長)が、同市大穂、旧総合運動公園用地約46ヘクタールを昨年グッドマンジャパンつくば特定目的会社に売却して得た利益約41億8000万円を、今年3月から、金融機関の定期預金に預けて運用している。同公社が6月1日開会の6月議会に提案する2022年度事業報告書の中で明らかにした。23年度は計約195万円の利子が付く見込みという。 売却金額110億円のうち、開発公社が市から借りていた約68億円は市に返済。残り約41億8000万円を、JAつくば市谷田部とJAつくば市の1年から5年の複数の定期預金に積み立てた。 市財政課によると、同特定目的会社との間で、10年間の間に土地売買契約上の債務不履行があれば市開発公社が土地を買い戻すという買戻特約登記を行っていることなどから、一定期間、開発公社の方で留保することとし、元本割れしない方法で運用することになった。 運用にあたっては地元金融機関を中心にヒヤリングを実施し、他と比較して高い利息で預けることができる2金融機関の定期預金に積み立てることを決めたという。預ける期間がどれくらいになるかや、将来、約42億円をどのように使うかなどは決まっていないとしている。 同用地は、市原健一前市長が総合運動公園を整備する計画を立て、2014年、市内の4金融機関から融資を受けて、同公社が約66億円で購入した。翌15年、住民投票が行われ、計画が白紙撤回された。16年、五十嵐立青市長は、同用地を「URと返還交渉する」ことを最大公約に掲げて初当選した。 その後、借入金返済に毎年3000万円を超える利息がかかっていたことなどから、つくば市は21年3月から10月まで計3回、開発公社に利息分を含めた計約68億円を無利子で貸し付け、同公社は借入金をすべて返済した。 五十嵐市長はさらに同用地を民間に一括売却することを決め、翌22年3月、市は売却先の事業者を公募し、4社の中から最も高い約110億円で購入するとしたグッドマンジャパンを選定した。同年9月29日付で所有権移転手続きが完了。市は今年2月21日、都市計画変更を実施した。現地には5月19日付で、10月1日から第一期工事を実施するという掲示板が出されている。(鈴木宏子)

10月着工、物流倉庫建設へ つくば市旧総合運動公園用地

つくば市土地開発公社が昨年、外資系物流不動産会社グッドマンジャパンの同つくば特定目的会社(東京都渋谷区)に約110億円で売却した同市大穂、旧総合運動公園用地(高エネ研南側未利用地)約46ヘクタールについて、同社が物流倉庫を建設する1期工事を、今年10月1日から2033年9月30日まで実施するとした開発行為許可申請手続きに基づく掲示板が、25日までに現地に掲示された。 掲示板によると、1期工事で建設する物流倉庫の建築面積は約3万6552平方メートル、延床面積は約14万1324平方メートル。建物は鉄骨造り、地上4階建て、高さは30.85メートル、建設棟数は不明。 グッドマンジャパン(東京都千代田区)の広報担当者は具体的な事業計画について「いろいろなプランを想定して検討している最中なので、コメントできない」としている。10年間で順次、建設していく計画だが、実際にどのくらいの期間で建設するかは未定という。住民説明会は近く開催するが、日程は現時点で決まっていないとした。 つくば市が昨年8月に発表した同社の事業計画によると、同社は約46ヘクタールのうち道路予定地を除いた面積の5割にデータセンターを7棟建設、同面積の4割に物流拠点を2棟建設し、全体面積の1割の約4.5ヘクタールにカフェや物販店、防災備蓄倉庫などを備えた防災拠点を整備する計画を市に提案し、4社の中から売却先に選定された(2022年8月30日付)。 売却後の昨年10月から市は都市計画変更手続きを開始し、同用地は今年2月21日、倉庫などが建設できる準工業地域に用途地域が変更されるなどした。(鈴木宏子)

都市計画変更を可決 旧総合運動公園用地と吾妻70街区 つくば市都計審

つくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)と吾妻70(ななまる)街区 国家公務員宿舎跡地(同市吾妻、約6.4ヘクタール)の都市計画変更について審議する市都市計画審議会(会長・大村謙二郎筑波大名誉教授)が30日、同市役所で開かれ、いずれも異議無く可決した。2月上旬に県と協議し、同中旬に都市計画変更を決定する予定という(22年11月11日付、10月11日付)。 旧総合運動公園用地は2015年、住民投票で計画が白紙撤回され、昨年、市土地開発公社が外資系物流不動産会社グッドマンジャパンつくば特定目的会社に約110億円で一括売却した。データセンターや物流拠点が建設される計画。吾妻70街区は土地所有者の財務省と市が、イノベーション拠点と中高層住宅などのスマート街区を誘導する計画。 都市計画審議会では、旧総合運動公園用地を、現在の第2種住居地域から倉庫などが建設できる準工業地域に変更する用途地域変更に対して、市民4人から意見書の提出があり、「売却先の企業の便宜のために都市計画変更をすることは、事実上の利益供与に当たる。これが許されるなら市民からの同様の要求の場合でも都市計画変更が可能になる。都市計画変更はマスタープランに合致している必要がある。当該地は研究拠点都市の研究・教育施設用地として規定されており、準工業地域にすることは趣旨に反する」などの反対意見が出されたことなどが報告された。 委員からは「環境アセスメントはどうなっているか」「第三者に譲渡された時、防災拠点施設が維持される担保はあるか」「(データセンターや物流拠点の配置等の)レイアウトはどの程度進んでいるのか」などの質問が出て、市担当者は「環境アセスの対象ではない」「仮に事業者が変わっても協議の中で継承的なものを定めていく」などと答えた。 現在の進ちょくについて市は「グッドマンジャパンと日々連絡をとっている」とし「(配置は)基本的にプロポーザル提案の計画案がベース。北側2棟が物流拠点で、データーセンターが全部で7棟、南側の1割が防災拠点」になると説明し、現在、事業者のグッドマンは(用地の整備、開発方針など)マスタープランの作成、実施測量、エンドユーザー(入居企業)の意向確認などを進めていることを明らかにした。マスタープランは早ければ年度内か年度初めに出来上がるとし、開発行為の手続き後に、樹木の伐採や伐根を進めていくと認識しているとの見通しを示した。 一方、吾妻70街区 国家公務員宿舎跡地の都市計画変更に対しては市民から意見書の提出は無かった。委員からは、今後のスケジュールなどについて質問が出て、市担当者は「二段階一般競争入札(22年3月22日付)を行う時期などは確定してない」などと答えていた。(鈴木宏子)

2人が反対意見を公述 旧総合運動公園用地 都市計画変更でつくば市が公聴会

つくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、45.8ヘクタール)と、つくば駅前の吾妻70(ななまる)街区 国家公務員宿舎跡地(同市吾妻、6.4ヘクタール)について、都市計画変更(10月11日付)に向けた同市による公聴会が11日、市役所で開かれ、旧総合運動公園用地に倉庫を建てられるようにするなどの用途地域変更と第2種文教地区の指定をはずすことなどに対し2人がそれぞれ反対意見を公述した。 1人は「つくば市は科学技術の研究拠点都市であり、都市の経営戦略として新たな研究分野に集中投資できる体制を用意しておくべき。(旧総合運動公園用地は)未利用地ではなく未来用地。事業用倉庫や物流拠点を可能にする今回の都市計画変更は、研究学園都市のマスタープランから逸脱しており、研究拠点都市の未来を危うくする」などと述べた。 もう1人は「今回の変更は、データセンターと物流施設を建てさせるための変更。国家プロジェクトとして建設された筑波研究学園都市があっという間に、駅前はマンション、郊外は物流施設になっている。次世代に研究学園都市を残す必要がある。研究学園都市のマネジメントはつくば市だけでは成し得ないので国や県と連携すべき」などと公述し「50年後、100年後のつくば市民がどう思うか(この事態を)記録に残すために今日ここに来た」と話した。 市は、公聴会で出された意見などを受けて今後、用途地域や地区計画変更案を再検討し、来年1月4日から18日まで、再度、変更案を縦覧し意見書を受け付ける。その後、都市計画審議会を開き、知事と協議の上で、来年2月中旬の都市計画変更を目指すとしている。 旧総合運動公園用地は、つくば市土地開発公社が外資系物流不動産会社グッドマンジャパンつくば特定目的会社に一括売却し、データセンターや物流拠点が建設される計画。吾妻70街区は土地所有者の財務省と市が、イノベーション拠点と中高層住宅などのスマート街区を誘導する計画。

都市計画変更手続き始まる 旧総合運動公園用地と吾妻70街区 つくば市

つくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、45.8ヘクタール)と、つくば駅前、吾妻70(通称、ななまる)街区の国家公務員宿舎跡地(同市吾妻、6.4ヘクタール)について、いずれも11日から、都市計画変更に向けた縦覧手続きが始まった。2カ所とも来年4月中旬の都市計画変更を目指している。 旧総合運動公園用地は、つくば市土地開発公社が外資系物流不動産会社グッドマンジャパンつくば特定目的会社に一括売却し(8月30日付)、データセンターや物流拠点が建設される計画。吾妻70街区は土地所有者の財務省と市が、イノベーション拠点と中高層住宅などのスマート街区を誘導する計画だ。 変更案によると、旧総合運動公園用地は用途地域を現在の第2種住居地域から、倉庫などが建設できる準工業地域に変更する。さらに第2種文教地区の指定をはずし、新たに地区計画を策定する。地区計画に定める建物の壁面後退位置は、外周道路または敷地境界から20メートル後退させ、その他の道路または隣地から2メートル後退させる。緑化率は最低10%とし、街区外周に10メートルの緑地帯を設けるなど。 縦覧に先だって9月27日と10月2日に市役所で説明会が開かれ、参加者から「9割がデータセンターと物流拠点になる。市民からはもっと多様な意見があった。本当に地域振興や市民の利益になるのか疑問が残る」などの意見が出た。 予定地は長年手つかずのまま、現在樹木が生い茂る森林になっている。事業者による希少な動植物調査について市公有地利活用推進課は、プロポーザルの実施要領では、敷地内の野生動植物に配慮することとなっているとし、さらに契約書では、止むを得ない場合を除き、来年4月末までに都市計画変更が完了しないことが確実になった場合、事業者に契約解除権があると定められているとした。 イノベーション拠点とスマート街区を誘導 一方、吾妻70街区は、研究機関、スタートアップ企業、ベンチャー企業、その他の業務施設などを誘導するイノベーション拠点地区と、中高層住宅と生活利便性施設を整備し最先端技術を街区単位で実現するスマート街区の二つの街区を誘導する。 変更案の用途地域は、現在の第1種中高層住居専用地域から、事務所やホテル、病院、床面積50平方メートル以下の作業所などを建設できる第2種住居地域に変更する。さらに地区計画を策定して、スマート街区の中高層住宅は高さ制限を45メートル(15階建てマンション相当)とし、壁面後退位置は学園中央通りから5メートル後退、道路から2メートル、隣地から1.5メートル後退させる。緑化率は15%とし街区外周に緑地等を設置するーなど。 学園地区市街地振興課はイノベーション拠点地区について、大学や研究機関のサテライトオフィスや交流スペースなどを想定しているとした。敷地内には元保育所用地(現在は駐車場)や公園、遊歩道など市有地が0.99ヘクタールある。そのうち元保育所用地0.29ヘクタールは今後活用を検討し、公園と遊歩道は市有地のままとするとしている。 70街区について、財務省関東財務局と市は昨年、民間事業者の意向調査(サウンディング型市場調査)を実施し、今年3月、二段階一般競争入札で売却を行うと発表している(3月22日)。市は70街区をスーパーシティの拠点の一つにする計画を国に提案している(8月4日付)。一方、売却スケジュールは現時点で未定という。(鈴木宏子) ◆都市計画変更に向けたスケジュールは2カ所とも、用途地域の変更案などの縦覧は11日から11月11日まで閲覧することができ、変更案に対する意見を述べる公聴会の公述申し出を25日まで受け付ける。公聴会は11月11日に開催される。一方、地区計画については11日から10月25日まで縦覧できる。地区計画に対する意見書を出すことができるのは地権者などのみ。変更案はいずれも市ホームページと市役所3階の都市計画課で縦覧できる。

グッドマンと売買契約を締結 つくば市旧総合運動公園用地

つくば市が民間一括売却に向けて手続きを進めている同市大穂の旧総合運動公園用地(約46ヘクタール)について、同市は30日、「グッドマンジャパンつくば特定目的会社」(東京都渋谷区)と同日付けで売買契約を締結したと発表した。 土地所有者の市土地開発公社(理事長・飯野哲雄副市長)が約110億2900万円で一括売却する。売却にあたっては4社が応募し、評価点合計が最も高かったグッドマンが選定されていた(6月21日付)。全額が払い込まれた後、同用地は現状のまま、同法人に引き渡される。売買契約締結日から30日以内に全額払い込む契約になっている。 同特定目的会社は、外資系物流不動産会社「グッドマンジャパン」(東京都千代田区、グレゴリー・グッドマン社長)が、資産の流動化に関する法律に基づいて、特定資産を裏付けに有価証券を発行するなど資産の流動化に関わる業務を行うために設立した。 事業計画によると、約46ヘクタールのうち、道路予定地を除いた面積の5割をデータセンター、4割を物流施設、1割の約4.5ヘクタールを防災拠点施設とする。計画では、北側の高エネルギー加速器研究機構との間の道路に沿って、物流拠点を2棟建設し、データセンターを東側に4棟、西側に3棟の計7棟建設する。 防災拠点施設は住宅地に近い南側に整備し、防災備蓄倉庫、ヘリポート、救護施設、災害時がれき置き場などを設置する。駐車場は計200台を整備し、災害時は車中避難場所とする。ほかに、カフェや物販などのアメニティ施設、ドッグラン、フットサルコート、菜園、野外シアター、ジョギングコースなどを整備する。さらに防災備蓄倉庫やアメニティ施設などの上に大屋根を掛け、芝生広場とする計画。防災拠点施設については、今回の売買契約とは別に、市と特定目的会社との間で防災協定を締結するという。 今後の手続きは、現在、同用地は第2種住居地域や第2種文教地区になっていることから、来年4月の都市計画変更を目指し、用途地域を準工業地域に変更し、第2種文教地区から除外する手続きをする。現在茂っている樹木は、用地の引き渡しが済めば伐採はできるという。ただし伐根は市の開発許可が必要になる。 その後のデータセンターや物流施設の建設工事は、工区ごとに実施される。都市計画変更後の2023年4月ごろから3年以内を目標に一部施設が供用開始となる予定。その後も工区ごとに工事が順次実施される。 売却代金約110億円は、市が貸し付けた約68億円(用地購入費と利子)については市が市土地開発公社から返還してもらう。残り約42億円は市土地開発公社の所有になるが、使途については今後、検討するという。 一方、同用地をめぐっては市民団体「つくば市長リコール住民投票の会」(酒井泉代表)が市長リコール請求の署名集めを実施し断念した経緯がある(8月16日付)ほか、裁判でも争われている(7月13日付)。今回の売買契約締結に対し酒井泉さんは「今、大学が選択と集中で疲弊しているが、大学の枠を超えて新しい研究施設をつくらないと日本の科学技術の未来はない。そのためにあの土地は絶対必要。これからもやれることはやる」と話している。(鈴木宏子)

つくば市長の宿痾 総合運動公園問題 《吾妻カガミ》137

【コラム・坂本栄】元研究者たちによる五十嵐つくば市長リコール署名運動(7月11日~8月10日)が進行中です。解任の理由は多岐にわたりますが、一番は「議会の議決を取らず公有地を売り払うような市長は辞めさせよ」ということです。このコラムでも何度か、総合運動公園用地売却の手順のおかしさを取り上げてきました。この際、改めて整理しておきます。 リコール運動は「変節」市長への怒り 135「運動公園用地売却…の不思議」(6月20日付)では、▽前市長がUR都市整備から用地を買ったとき、名義上の取得者は市土地開発公社だった ▽しかし、借金した用地代金の返済について、議会から「市が債務を保証する」旨の議決を得ている ▽借金の元利返済も、その予算について議会の承認を得ている ▽それなのに、売るときには議会の議決は要らないという理屈は何か変だ―と指摘しました。 129「公有地売却…『逃げ』の…市長」(3月21日付)では、「市が行ったパブリックコメント(意見募集)では、(コメントを寄せた)77人のうち売却に賛成は2人、残りは反対か対案提示か分類不可でした。2択方式(賛成か反対)で分けると、賛成はたった3パーセントです」と書きました。 125「公有地売却…市の牽強付会」(1月31日付)では、「少ないサンプルで市民の声を計るのは正しくありません。そこで提案です。市民の声を聴くため、市長発意による住民投票(総合運動公園の是非で実施)か、サンプル数が多い無作為抽出調査(土浦市との合併の是非で実施)をやったらどうでしょうか?」と提案しました。 前市長が執行部主導であったことを批判、その否定の上に発足した五十嵐市政のセールスポイントは、議会にきちんと相談する、市民の声をきちんと把握する―でした。ところが、上記3つのパラグラフで引用したように、自ら定めた市政運営の基本を捨て去り、議会と市民の意見を聴かずに市政を進めるようになりました。リコール運動はこういった「変節」に対する怒りではないでしょうか。 議会や市民を軽視し、公有地を売却 五十嵐市長にとって、運動公園問題は「1丁目1番地」のテーマです。最初の選挙で掲げた目玉公約は「総合運動公園問題の完全解決」でした。具体的には、選挙前の住民運動で破棄に追い込んだ運動公園計画の用地をURに返還する、同計画にも入っていた陸上競技場を市内のどこかに整備する―この2つです。 しかし、用地返還は失敗に終わり、跡地をどう処分するかが市政の懸案になりました。そこで捻出されたのが、一部を防災用に借り上げる条件で一括売却する処分策です。なぜ防災施設なのか分かりませんが、一括売却色を薄めたかったのでしょう。市長としては、運動公園問題という宿痾(しゅくあ=長期間にわたって解決できない困難)から、何が何でも逃げたかったようです。 ところが処分を焦るあまり、(議会と市民の声が大事という)民主主義の基本中の基本を軽んじ、市政運営の「金看板」を自ら降ろすという過ちを犯しました。 五十嵐さんは最初の選挙で、運動公園用地売買契約書に「URは市の返還要求を拒める」旨の条項があるのに、目玉公約に「用地返還」を掲げました。つまり、返還が事実上無理であるのに、よく調べないで主要公約に仕立てました。この「フェイク(虚偽)公約」が災いとなり、この6年間、運動公園問題を抱えて迷走。今度はリコール運動を呼び込むに至りました。(経済ジャーナリスト)

つくば市長の宿痾 総合運動公園問題 《吾妻カガミ》137

【コラム・坂本栄】元研究者たちによる五十嵐つくば市長リコール署名運動(7月11日~8月10日)が進行中です。解任の理由は多岐にわたりますが、一番は「議会の議決を取らず公有地を売り払うような市長は辞めさせよ」ということです。このコラムでも何度か、総合運動公園用地売却の手順のおかしさを取り上げてきました。この際、改めて整理しておきます。 リコール運動は「変節」市長への怒り 135「運動公園用地売却…の不思議」(6月20日付)では、▽前市長がUR都市整備から用地を買ったとき、名義上の取得者は市土地開発公社だった ▽しかし、借金した用地代金の返済について、議会から「市が債務を保証する」旨の議決を得ている ▽借金の元利返済も、その予算について議会の承認を得ている ▽それなのに、売るときには議会の議決は要らないという理屈は何か変だ―と指摘しました。 129「公有地売却…『逃げ』の…市長」(3月21日付)では、「市が行ったパブリックコメント(意見募集)では、(コメントを寄せた)77人のうち売却に賛成は2人、残りは反対か対案提示か分類不可でした。2択方式(賛成か反対)で分けると、賛成はたった3パーセントです」と書きました。 125「公有地売却…市の牽強付会」(1月31日付)では、「少ないサンプルで市民の声を計るのは正しくありません。そこで提案です。市民の声を聴くため、市長発意による住民投票(総合運動公園の是非で実施)か、サンプル数が多い無作為抽出調査(土浦市との合併の是非で実施)をやったらどうでしょうか?」と提案しました。 前市長が執行部主導であったことを批判、その否定の上に発足した五十嵐市政のセールスポイントは、議会にきちんと相談する、市民の声をきちんと把握する―でした。ところが、上記3つのパラグラフで引用したように、自ら定めた市政運営の基本を捨て去り、議会と市民の意見を聴かずに市政を進めるようになりました。リコール運動はこういった「変節」に対する怒りではないでしょうか。 議会や市民を軽視し、公有地を売却 五十嵐市長にとって、運動公園問題は「1丁目1番地」のテーマです。最初の選挙で掲げた目玉公約は「総合運動公園問題の完全解決」でした。具体的には、選挙前の住民運動で破棄に追い込んだ運動公園計画の用地をURに返還する、同計画にも入っていた陸上競技場を市内のどこかに整備する―この2つです。 しかし、用地返還は失敗に終わり、跡地をどう処分するかが市政の懸案になりました。そこで捻出されたのが、一部を防災用に借り上げる条件で一括売却する処分策です。なぜ防災施設なのか分かりませんが、一括売却色を薄めたかったのでしょう。市長としては、運動公園問題という宿痾(しゅくあ=長期間にわたって解決できない困難)から、何が何でも逃げたかったようです。 ところが処分を焦るあまり、(議会と市民の声が大事という)民主主義の基本中の基本を軽んじ、市政運営の「金看板」を自ら降ろすという過ちを犯しました。 五十嵐さんは最初の選挙で、運動公園用地売買契約書に「URは市の返還要求を拒める」旨の条項があるのに、目玉公約に「用地返還」を掲げました。つまり、返還が事実上無理であるのに、よく調べないで主要公約に仕立てました。この「フェイク(虚偽)公約」が災いとなり、この6年間、運動公園問題を抱えて迷走。今度はリコール運動を呼び込むに至りました。(経済ジャーナリスト)

つくば市長リコール運動、11日スタート 市民団体 旧総合運動公園用地の売却問う

つくば市大穂、旧総合運動公園用地(高エネ研南側未利用地、46ヘクタール)を一括売却する相手先として、つくば市が、外資系物流不動産会社「グッドマンジャパン」を候補者に選定した(6月21日付)のを受けて、民間売却に反対する市民団体「つくば市長リコール住民投票の会」(酒井泉代表)は8日記者会見し、五十嵐立青つくば市長のリコール(解職)を求める署名活動を11日から開始すると発表した。同市で市長のリコール運動が実施されるのは初めて。 署名を集める期間は8月10日までの1カ月間。同市の有権者数は19万3972人(6月21日現在)で、リコールが成立するには有権者数の3分の1以上の6万4658人以上の署名が必要になる。 リコール運動実施は、酒井代表が市選挙管理委員会(南文男委員長)に届け出た。市選管は6月30日付で告示した。市選管によると、選挙期間中はリコールの署名活動ができないため、参院選終了後の7月11日からの開始となるという。 「2年に一度、市長選と市議選を交互に」など3点 同会によるとリコール運動の目的は、①旧総合運動公園の売却を止めさせて、同用地を市民の公共の福祉と国益を守るために活用する②市長の解職によって、市長と与党議員の一体化が進む4年に一度の市長・市議選同一選挙を改め、2年に一度、民主主義の原則に基づき、市長選と市議選を交互に実施する③市民一人当たり年間8万円という、市民の税負担に見合った仕事をする市役所に改革するーの3点。 酒井代表(73)は「将来の発展のために必要な公共用地(旧総合運動公園用地)を売って、データセンターや物流基地にすることに、とても黙っているわけにはいかない。止める方法はリコールしかない」と話し、同会の大須賀鬨雄さんは「売却は、将来の種もみを食ってしまうことに等しい」、亀山大二郎さんは「つくば市は研究学園都市なのだから、国が研究機関の用地として取得した土地を、市が外国企業に売ることはやってはいけない」と語る。 11日のリコール署名開始を前に、同会は10日、ちらしを新聞折り込みで配布するという。11日からは、実際に署名集めをする受任者が、署名用紙を地区ごとに各戸に配布する。署名は受任者が対面で確認し、さらに封筒に入れて封印して、同会事務所に届ける。酒井さんは、11日以降も受任者を増やしたいとしている。 一方、8月10日の期限までに、署名数が有権者数の3分の1に達しなかった場合は、署名を選管に提出せず、署名用紙が入った封筒の封を切らずに裁断または焼却処分するとしている。 酒井さんは「やれることは全部やったので、後は、市民が問題意識をもってくれるかどうか。市民のほんの少しの勇気でつくば市は大きく変わると思う」と話している。 旧総合運動公園用地をめぐっては、売却候補者のグッドマンジャパンの購入金額が約110億3000万円であること、同市は8月22日までに同社と土地売買契約を締結する予定であることなどが6月21日に発表された。(鈴木宏子) ◆つくば市長リコール住民投票の会のホームページはこちら

外資系物流会社に110億円で一括売却へ つくば市 旧総合運動公園用地

つくば市が民間に一括売却する手続きを進めている旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)について、市は21日、候補者選定委員会を18日に開催した結果、売却候補者を外資系物流不動産会社「グッドマンジャパン」(東京都千代田区、グレゴリー・グッドマン社長)に決定したと発表した。 市の発表によると、データセンター、物流施設、防災拠点施設、アメニティ施設などを建設する計画という。 売却金額は約110億3000万円。市が最低売却価格としていた約68億5000万円(利子を含む購入金額)と比べ約42億円高い金額となる。 市が売却先事業者から賃りる予定の防災備蓄倉庫(2400~2600平方メートル)は、無料で20年間借りる契約を結ぶ。市が示していた条件は年間賃料4000万円以内だった。 グッドマンジャパンはオーストラリアの総合不動産会社グッドマングループの物流施設開発・管理会社で、近隣では常総市の圏央道インターチェンジ周辺、千葉県印西市などで大型物流拠点を開発している。 市公有地利活用推進課によると、一括売却の公募には、同社のほか、NTTグローバルデータセンター、つくばDC合同会社、フジタの計4社が参加した。 18日、選定委員会で順位を付け、7人の委員の評価点合計が最も高い601点(700点満点)を付けたグッドマンジャパンが選定された。次点は562点だった。 グッドマンとは8月22日までに諸条件を整理した上で、土地売買契約を締結する予定。 今後について同課は、非公開としている候補者選定委員会の会議概要や選定委員の氏名を今後1カ月以内に公表するほか、グッドマンの詳細な事業計画については8月下旬ごろまでに公表するとしている。 購入代金は契約締結日から30日以内にすべて支払うことが必要で、代金支払い終了と同時に所有権が売却先に移転する。平行して市は都市計画の変更手続きを行う。 「何を考えているのかと感じる」 同用地は2014年、市開発公社がUR都市機構から約66億円で購入した。15年、住民投票の結果を受けて市原健一前市長が総合運動公園計画を白紙撤回した。 今回、売却候補が決まったことについて、15年に住民投票を実現させた市民団体「総合運動公園建設の是非を住民投票で問うつくば市民の会」共同代表の一人で、元研究者の山本千秋さん(81)は「物流基地にすると聞きびっくりしている。あの土地は元々、農家の人たちが研究機関の用地として提供した。つくば市が研究学園都市と名がついている以上は、今(土地を使いたいという)研究機関の需要がないとしても、将来にわたりどうしたらいいのかという視点をもってほしかった。つくば市は何を考えているのか、と感じる」と話している。 市民グループは市長リコールを準備 一方、民間事業者への転売に反対する市民グループ「つくばのまちづくりを考える会」(酒井泉代表)は、市長リコール(解職請求)運動を実施するとするチラシを20日、新聞に折り込み、準備を進めている。 同会は旧総合運動公園用地を、研究施設用地や、自然の森、陸上競技場など市民のための公共用地として利用すべきだなどと主張し、7月11日から8月10日まで市長リコールを請求する署名を集めるとしている。リコール請求は有権者の3分の1以上の署名が必要になる。(鈴木宏子) 【追加 21日午後3時50分】市民の反応(小見出し「何を考えているのかと感じる」の部分)を追加しました。

一括売却へつくば市公募開始 リコール運動へ市民団体は受任者集め 旧総合運動公園用地

つくば市が民間一括売却する方針を示している旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)について、市は10日、敷地全体を一括購入する事業者の公募を開始した。一方、一括売却に反対する市民団体「五十嵐市長リコール住民投票の会」(酒井泉代表)が同日、記者会見し、市長リコール(解職請求)に向けて受任者集めを開始すると表明した。 市が公表したスケジュールによると、参加申込書は4月11日から5月6日まで受け付け、5月16日から6月10日まで提案書類の提出を受ける。6月18日には応募事業者によるプレゼンテーションと審査を実施し、同22日に結果を公表する。8月22日には土地売買契約を締結する。 購入代金は契約締結日から30日以内にすべて支払うことが必要で、代金支払い終了と同時に所有権が売却先に移転する。平行して都市計画の変更手続きを行うとしている。 売却の条件は、最低売却価格は68億5073万円、購入事業者は都市計画決定告示から3年以内に一部施設の供用を開始する、契約締結から10年間は土地所有者であるつくば市土地開発公社の承諾を得なければ事業計画を変更することができず、契約不履行があった場合、10年間は同開発公社が土地を買い戻すことができるーなど。 併せて事業者が整備する防災備蓄倉庫は2400~2600平方メートルとし、市が賃貸借する期間は20年間、賃貸料は年4000万円以内を条件に応募時に賃貸料の提案を受ける。 防災広場は4ヘクタール以上とし、アスファルトの駐車場200台分を確保し、それ以外は全面芝生とする、水源は深井戸または耐震性貯水槽のどちからかを整備する、ほかにトイレを整備するーなど。 購入事業者の選定方法については、学識経験者、法律・経営・不動産などの専門的知見がある人、都市計画等の専門的知見がある人、地域のまちづくりに精通する人で構成する候補者選定委員会を設置し、6月18日に選定委員会を開催して応募事業者のプレゼンテーションを聞き、審査する。審査方法は、提案価格による審査が50点、事業計画による審査が50点の計100点満点で順位を付けるーなどとしている。 「市民に意志表示の機会つくる」 これに対し、一括民間売却に反対する元大学教授の酒井泉さん(73)、元市議の亀山大二郎さん(80)、元研究者の大須賀鬨雄さん(76)ら7人が10日記者会見し、市民団体を同日結成し、五十嵐立青市長の解職を求めるリコール運動に向けて、署名をとる受任者集めを6月10日まで実施するとした。 代表の酒井さんは「旧総合運動公園用地は未利用地ではなく、将来のつくば市の公共施設用地や新しい研究分野の研究施設用地として重要な未来用地。市として具体的な利用案もなく一括売却するのは不自然で不可解。市は物流基地やデータセンターなどを候補としているが、いずれも周辺の市街地ににぎわいをもたらすものではない」とし、「一括売却に対して議会が何も言えないなら、市民の実効性のある意志表示はリコールしかない。(一括売却に)イエスも含めて、住民投票は住民に意志表示の機会をつくることになる」と話す。 首長のリコールは有権者の3分の1以上の署名が必要。署名は署名収集受任者が集める。解職請求があった場合、60日以内に首長解職の賛否を問う投票が行われる。つくば市の有権者数は3月1日現在、19万2704人、3分の1は6万4235人。(鈴木宏子)

民間一括売却へ10日公募開始 つくば市旧総合運動公園用地

つくば市が民間一括売却する方針を示している旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)について、市が10日に公募を開始することが分かった。市公有地利活用推進課によると、公募期間は6月10日までの3カ月間。選定方法はプロポーザル方式とし、候補者選定委員会で選定する。 3日、市議会に公募日程を示した。さらに同日、2021年度に市が実施したサウンディング型市場調査の申込事業者12者に対し、10日から公募を開始することなどを電子メールで知らせたとしている。 公募条件は10日に市ホームページで公表するが、今年1月に市が作成した土地利用方針に沿ったものになるとした。具体的には、売却価格は土地の購入価格と金利を合わせた68億5000万円を基準として同額を上回るよう競争性を確保する、現在の林の状態のまま売却する、土地購入事業者は国道408号に左折車線を新設し、高エネルギー加速器研究機構と隣接する県道を拡幅する。 建設できる施設は、市議会特別委員会が2021年6月議会で示した提言を踏まえ①つくばならではの資源や特性を十分生かせる②地域活性化に貢献する③災害に強いまちづくりに寄与する④市民のコミュニティ形成に寄与する⑤観光や産業の振興に寄与するーの5項目いずれかに則したものとし、敷地内全体で5項目すべてを満たすことが望ましい、など。 ほかに、防災備蓄倉庫(面積2400~2600平方メートル)、防災多目的利活用広場(4ヘクタール以上)を事業者が一体的に整備し、倉庫は市が賃料を払って、広場は無償で市や市民が利用できるようにする、などとしている。 市はさらに昨年12月実施した住民説明会や1月の議会全員協議会で、10年間は転売できないようにする買戻し特約を付けるなどと説明している。 一方、昨年11、12月に市が実施したパブリックコメント(市民意見募集)では、意見や提案を寄せた77人のうち、民間一括売却に明確に賛成としたのは2人だけ、昨年12月に計3回開いた住民説明会は延べ76人が参加し、大半が民間一括売却に反対する意見だったなど、市民の合意形成が図られたとはいえない中での売却強行となる。(鈴木宏子)

民間一括売却「明確に賛成」は2.5% つくば市旧総合運動公園 パブコメ分析を修正

パブリックコメント(パブコメ)や市民説明会の結果を受けて、つくば市が11日、市議会高エネ研南側未利用地調査特別委員会(浜中勝美委員長)に示した旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)の民間一括売却方針について、市は特別委閉会後の同日夜、パブコメの分析を修正し発表した。 特別委にはパブコメに意見や提案を寄せた77人について、具体的施設を提案した57人を「方針案に反対ではない」とくくり、「民間一括売却に明確に賛成」の2人と「具体的施設を提案」の57人を合わせた77%が反対意見ではないとし、「明確に反対」の6人と「反対し具体的施設を提案」の7人を合わせた17%と対比していた。 修正後は、具体的施設を提案の57人を「方針案に反対でない」とくくるのを止め、さらに民間一括売却に「反対でない」77%対「反対」17%の対比を削除した。 パブコメの集計と分析を修正したことにより、市は民間一括売却に「明確に賛成」したのは77人のうち2人の2.5%だったことを認めたことになるが、「一部で反対もあったが、民間事業者による敷地全体の一体的整備の考えは維持する」との方針に変更はないという。 11日の特別委では橋本佳子市議(共産)が再三にわたり、具体的施設を提案した57人を「反対でない」とくくるのを止め、方針を修正するよう求めていた。 一方、特別委で複数の市議から集計結果を記載するるよう意見が出た市民説明会(延べ76人参加)の結果の集計については、示されないままだ。NEWSつくばの取材では、反対意見が大半だった(21年12月11日付)。 77人によるパブリックコメントで寄せられた意見は市がホームページで公開している。(鈴木宏子)

「反対は一部」と民間一括売却 パブコメ受け最終方針 つくば市旧総合運動公園用地

つくば市が昨年示した旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)を民間に一括売却する案について、五十嵐立青市長は11日、パブリックコメント(パブコメ)などの結果を受けて最終決定した方針を、市議会高エネ研南側未利用地調査特別委員会(浜中勝美委員長)に説明した。「一部で反対もあったが、民間による敷地全体の一体的整備の考えは維持する」とし、民間一括売却に向け、今年春か夏にも開発事業者を公募し、2022年度内に売却するとした。 市の説明によると、昨年12月に3回開催した市民説明会には延べ76人が参加し、11、12月に実施したパブコメには77人から意見や提案があった。その内訳は、市の一括民間売却案に①明確に賛成が2人②反対ではなく具体的施設提案が57人③明確に反対が6人④反対し具体的施設提案が7人⑤方向性(賛否)が明確でないが5人だったとした。 その上で、②具体的施設提案の57人は、方針案に反対ではないとし、③明確に反対と④反対し具体的施設を提案を合わせると17%なのに対し、①明確に賛成と②具体的施設提案を合わせると77%になったとした。 その上で、市民から一部反対はあったが、過剰な公共投資をすべきでない、防災拠点など一部公共利用を図る、国や県から利用を求める声がない、取得費の負担や(現状のままでは)税収が見込めないなど財政的憂慮がある、市場性が高まり好機が到来していることなどから、民間に一括売却すると結論付けた。 さらに事業者公募の条件として、売却価格は利子を含む取得原価(68億5000万円)を基準とする、事業者が計画を守るよう10年間の買戻し特約を付けるなど、新たに条件を付けていくことを明らかにした。 一方、11日の特別委では、市民説明会での賛否の人数を明らかにしてないこと、パブコメで具体的施設を提案した57人を「方針案に反対ではない」とくくって、反対意見出ない人が77%だったと結論付けたことに対し、異論が出た。五十嵐市長は閉会後、記者団の質問に対し「(パブコメの結果を)意図的に曲げたり、誘導する意図はない」とした。(鈴木宏子) 賛否の分析めぐり異議 【11日の特別委員会の主なやり取りは以下の通り】 飯岡宏之市議(自民党政清クラブ) 私が数えたところ市民説明会では76人のうち(民間一括売却案に)賛成は3人だったと思う。パブコメは明確な賛成は77人中2人しかいない。(市の方針と市民の意見が)乖離(かいり)しているのではないか。 五十嵐市長 市民説明会ではさまざまな意見があった。それを受け止めて方針を作成している。市民説明会で賛成が3人というのは飯岡議員の解釈だ。 橋本佳子市議(共産) パブコメ結果で、具体的施設を提案した57人は「(一括売却の)方針案に反対ではない」となっている。賛成でも反対でもどちらでもないのに、反対ではないと書くべきでない。 市課長 (57人は)一括売却に言及しているのではなく、こういった施設があったらいいなと具体的提案をしている。 山中真弓市議(共産) パブコメのどの意見を「方針案に反対ではなく具体的施設を提案した方」としたのか、具体的に明らかにすべき。 市長 さまざまな意見があった。(売却先の)事業者に取り入れてもらうためにこのように(市民からの提案施設という表に)した。 山中市議 議会は一括売却を提案してない。市民意見を取り入れるのであれば一括売却を白紙にすべき。 橋本市議 (何をつくるかという)基本のキが議論されないまま、売るのが前提なのは民主的やり方ではない。市の財産だという意識で長期的に考えるべき。 小森谷さやか市議(市民ネット) 議会が一括売却を提案したわけではないが、(一括売却を)妨げるというのでもない。一括売却すれば市民から提案が上がった施設ができないかというとそういうものではない。(市が)今持っている土地の中で検討していけばいい。(民間に一括売却した場合の)固定資産税の見込みはどうか。 市課長 (市に入ってくる固定資産税は)山林なら年5600万円程度、造成し雑種地にすれば6100万円、施設が立地すれば宅地になるので6100万円程度になる。建物の固定資産税は3億5000万円程度になり、計4億3000万円程度の固定資産税が毎年入ってくると見込んでいる。法人市民税と住民税を合わせて少なくも5億円程度になると見込んでいる。 小森谷市議 URがずっと持っていて50年間買い手が付かなかった土地。今が(売却の)千載一遇のチャンス。住民投票では8割が反対した。あの時の議論を思い出していただきたい。大きな箱モノをつくることに不安をもった。身近なスポーツ施設の改修や教育施設にお金をかけてほしいというのが住民の意見だった。8割の人が反対した理由をもう一度思い出していただきたい。 橋本市議 私たちも住民投票で反対をしたが、今回は、公のものを民間に売ってしまうということに対し、慎重に考えるべきだと言っている。市民の財産を、千載一遇のチャンスだからと一括売却してしまって本当にそれでいいのか。 川久保皆実市議(つくばチェンジチャレンジ) 防災多目的広場と災害用水源が有事のとき本当に使えるのか確認したい。広場と水源は民間が整備し、維持管理は市ということだが、使用貸借契約を結ぶのか。 市課長 今のところ協定。今後必要であれば契約締結も考えたい。 川久保市議 災害協定には一般に損害賠償がなくきちんと履行されるか疑問だが、損害賠償の規程があるところもある。 市課長 今後研究したい。 川久保市議 転売防止だが、会社法上の関連会社(に限定する)とするなどのルール付けをしているところもある。 市課長 そこまで考えてなかったので検討したい。 山本美和市議(公明) (特別委に出されたパブコメ意見を閉会後に回収するという当初の市の方針に対し)どんな意見が市民からあったのか分からない。市民から提案があった施設を表にしているが、どういう意見を反映させたのか、それはなぜなのか書いた資料を付けるべき。 市長 (市民提案施設の表は)市民の意思を形にして残し、事業者に見ていただいて(カフェやテニスコートなどの従たる施設として)この先、事業者に検討材料にしてもらおうと(表のような)まとめ方をした。載せないと何のために説明会やパブコメをやったのかということになる。 飯岡市議 高エネ研南側未利用地(旧総合運動公園用地)は(筑波研究学園都市の一角として)UR(当時は日本住宅公団)が土地収用法を背景に、一団地の官公庁施設用地として土地を全面買収した。土地収用法9条は事業の承継、10条は手続きの承継について書いてあり、公共の利益に沿うよう管理しなければならないと書かれている。 飯野哲雄副市長 (元の所有者の)URとの取り決めの文書の中に(公共利用の)定めは無い。 市課長 2014年3月31日にURと市土地開発公社が締結した文書に、公的利活用に限定する条文はない。 副市長 (用地は)URから取得している。土地収用法で取得したわけではない。 中村重雄市議(創生クラブ) 用途地域変更にどのくらいかかるのか。 市部長 来年度から、1年ほどかかる。 中村市議 先に用途地域を決めて(事業者を)絞るのか。 市部長 (今回の)方針に沿って用途を決め、地区計画も合わせて決める。 高野文男市議(創生クラブ) 準工業地域にするということだが、どんな企業が入ってくるか読めない。 市部長 準工業地域は住宅や商業施設も建てられるので、地区計画の中で住宅や大規模商業施設を除外する。 橋本市議 買戻し特約はどのようにするのか。建物が立地してしまったら、そのまま市が買い戻すのか。 市課長 債務不履行があった場合に市が買い戻すことができるようにする特約で、10年間は転売できないようにする。建物が立地する前に事業計画変更があったり、転売があったりのリスクを防ぐための担保になる。 鈴木富士雄市議(自民党政清クラブ) 一括売却という方針だが、市民からは公共施設の提案がある。市民意見を売却条件にどう入れるのか。 市課長 市民からの提案施設は事業者に(従たる施設をつくる)参考資料にしてもらう。 鈴木市議 市民意見が入らなければ市民の意見を聞かないことになるが、すり合わせはどうするのか。 市長 市民意見は様々。(市民から出た)施設を全部入れると、300億円の総合運動公園をつくるのと同じ、財政破綻と同じになる。必要なものは必要な土地を見つけてつくっていく。(市民提案施設は事業者への)参考として載せている。 鈴木市議 市民説明会では、市は何をしたいのか説明がない、という意見があった。これについてはどうか。 市長 (今回の)方針で説明していること(=民間一括売却)が私が実現したいこと。 橋本市議 市民説明会(の分析)も追加して掲載してほしい。 市長 市民説明会については「敷地一括売却方針案の是非、公共利用の可能性、周辺環境への配慮、防災拠点の考え方、公募の条件など様々な論点で活発に意見交換を行うことができた」と書いている。現時点で修正の必要はない。 橋本市議 パブコメの意見結果総括表で、具体的施設を提案した57人を「方針案に反対ではなく」と書いてある箇所だが、「方針案に反対ではなく」の部分を省いて方針を修正すべきだ。 市長 そもそもパブコメは賛成、反対ではなく、全般について意見を求めるもの。1人1人の賛成、反対ではない。 橋本市議 賛成、反対を聞いてないというなら、「方針案に反対ではなく」と書くのではなく、事実をそのまま載せるべき。 塩田尚市議(山中八策の会) 用地を購入する時、市が債務保証をし、議会が議決をした。売却の時は議会の議決は必要か。 市課長 市開発公社から民間への売却になるので議会の議決は必要ない。 【訂正12日午後5時】本文3段落目「③明確に反対と④反対し具体的施設を提案を合わせると11%」は17%の誤りです。訂正します。

総合運動公園問題 つくば市政の重荷《吾妻カガミ》122

【コラム・坂本栄】今年もいろいろなことを取り上げてきました。最終回はつくば市の総合運動公園用地跡処理問題を話題にします。五十嵐さんを市長に押し上げる強力なテコになった運動公園問題。今では五十嵐市政迷走のシンボルになっています。因果な話です。 用途限定・一括・民間売却 市長5年目の五十嵐さん、このほど用地跡処理の最終案(?)をまとめました、市民の反応を踏まえ、この案に沿った形で「GO !」を出したいようです。その概要と意見聴取の手続きについては、記事「…運動公園用地を一括民間売却へ … 防災拠点は大幅縮小」(11月11日掲載)、同「売却の目安は68億5000万円…」(12月1日掲載)をご覧ください。 ポイントは、事業提案による土地の利用を「工業団地」「物流倉庫」など4分野に絞り、民間にまとめて売却し、敷地内に防災倉庫と防災広場をつくってもらい、それを市が借り上げる―というものです。入札に際しては、用地取得額+借入金利息=68.5億円を念頭に置いてほしいと言っています。 この処理案については様々な声が聞こえてきます。市が保有し続けてスポーツ施設などに活用すべきだ、学園都市らしく研究機関用に残すべきだ―など民間売却に反対する意見。工業団地や物流倉庫は周囲の雰囲気になじまない―など利用形態への異議。市は売り払って財政難対策の足しにしたいと言っているが本当か―など売却の理屈に対する疑問。 反対、異議、疑問はありますが、この「用途限定・一括・民間売却+賃借防災倉庫」案は五十嵐さんの勝負玉と言えるでしょう。 「成功」に潜む「不調」のタネ 五十嵐さんは運動公園問題を上手に利用しました。前市長が立てた計画(UR都市再生機構から買った土地に陸上競技場+総合体育館+サッカー・ラグビー場を整備)に反対する市民運動を盛り上げ、住民投票で計画を葬ったこと。そして、「運動公園問題の完全解決」を目玉公約に掲げ、市長選挙で勝利したこと。大成功です。 ところが、市長就任後は問題解決に苦労しています。主公約の柱「用地返還交渉」は不調に。その後「民間売却」案を示したものの、価格面で市民に反対され頓挫(とんざ)。代わりにまとめた「3分の1・市有防災施設+3分の2・民間売却」も引っ込め、現案を公表。大不調・迷走です。どうしてこんなことになったのでしょうか? 成功の中に不調・迷走のタネが潜んでいたからです。前市長の運動公園計画を撤回に追い込んだことで、自前の計画に陸上競技場などを組み込むのが政治的に難しくなりました。結果、用地利用の選択肢が狭められ、民間売却案の周りをグルグル回っています。成功の高揚感からか、「用地返還」を主公約にしたものの、売買契約上無理とわかり、対UR交渉は失敗に終わりました。結果、公約の信頼性が失われました。(経済ジャーナリスト) <参考> 総合運動公園用地問題・市民説明会(12月10日、同12日)全記録

総合運動公園問題 つくば市政の重荷《吾妻カガミ》122

【コラム・坂本栄】今年もいろいろなことを取り上げてきました。最終回はつくば市の総合運動公園用地跡処理問題を話題にします。五十嵐さんを市長に押し上げる強力なテコになった運動公園問題。今では五十嵐市政迷走のシンボルになっています。因果な話です。 用途限定・一括・民間売却 市長5年目の五十嵐さん、このほど用地跡処理の最終案(?)をまとめました、市民の反応を踏まえ、この案に沿った形で「GO !」を出したいようです。その概要と意見聴取の手続きについては、記事「…運動公園用地を一括民間売却へ … 防災拠点は大幅縮小」(11月11日掲載)、同「売却の目安は68億5000万円…」(12月1日掲載)をご覧ください。 ポイントは、事業提案による土地の利用を「工業団地」「物流倉庫」など4分野に絞り、民間にまとめて売却し、敷地内に防災倉庫と防災広場をつくってもらい、それを市が借り上げる―というものです。入札に際しては、用地取得額+借入金利息=68.5億円を念頭に置いてほしいと言っています。 この処理案については様々な声が聞こえてきます。市が保有し続けてスポーツ施設などに活用すべきだ、学園都市らしく研究機関用に残すべきだ―など民間売却に反対する意見。工業団地や物流倉庫は周囲の雰囲気になじまない―など利用形態への異議。市は売り払って財政難対策の足しにしたいと言っているが本当か―など売却の理屈に対する疑問。 反対、異議、疑問はありますが、この「用途限定・一括・民間売却+賃借防災倉庫」案は五十嵐さんの勝負玉と言えるでしょう。 「成功」に潜む「不調」のタネ 五十嵐さんは運動公園問題を上手に利用しました。前市長が立てた計画(UR都市再生機構から買った土地に陸上競技場+総合体育館+サッカー・ラグビー場を整備)に反対する市民運動を盛り上げ、住民投票で計画を葬ったこと。そして、「運動公園問題の完全解決」を目玉公約に掲げ、市長選挙で勝利したこと。大成功です。 ところが、市長就任後は問題解決に苦労しています。主公約の柱「用地返還交渉」は不調に。その後「民間売却」案を示したものの、価格面で市民に反対され頓挫(とんざ)。代わりにまとめた「3分の1・市有防災施設+3分の2・民間売却」も引っ込め、現案を公表。大不調・迷走です。どうしてこんなことになったのでしょうか? 成功の中に不調・迷走のタネが潜んでいたからです。前市長の運動公園計画を撤回に追い込んだことで、自前の計画に陸上競技場などを組み込むのが政治的に難しくなりました。結果、用地利用の選択肢が狭められ、民間売却案の周りをグルグル回っています。成功の高揚感からか、「用地返還」を主公約にしたものの、売買契約上無理とわかり、対UR交渉は失敗に終わりました。結果、公約の信頼性が失われました。(経済ジャーナリスト) <参考> 総合運動公園用地問題・市民説明会(12月10日、同12日)全記録

一括売却に厳しい意見相次ぐ つくば市が市民説明会 旧総合運動公園用地

住民投票で計画が白紙撤回された旧総合運動公園用地約46ヘクタール(つくば市大穂)を、市が民間に一括売却する方針案を出したことを受けた(11月11日付、26日付、12月1日付)市民説明会が10日と12日開かれた。10日は午後2時30分からと7時からそれぞれ大穂交流センターで開かれ、1回目は約35人、2回目は約15人が参加した。12日は午前10時から市役所で開かれ、約30人が参加した。参加者からは「(一括売却案は)何を実現したいのかが無い」「なぜ今、一括売却かの説明がない」など、厳しい意見が相次いだ。これに対し説明に当たった五十嵐立青市長は、財政の厳しさを強調し「前に進めたい」と繰り返した。 第1回目の説明会の主なやりとりは以下の通り。 参加者 (防災拠点施設を整備することについて)水、交通について質問、意見したい。水は、上水はいろいろな給水方法があるが、下水はトイレの汚物を含む下水、汚物処理どうするのか。道路がうまく使えない災害を想定すべき。ここの地点(大穂)は遠い。汚物処理拠点としての機能が必要。交通は、道路が(地震などで)割れたらどうするのか。航空によるしかない。まっ平らな広いところが必要。46ヘクタールは滑走路を確保するにはぎりぎりの広さ。ドローンで運ぶ場合もある。そういうことが全く抜け落ちている。航空は高いものを建てるともうだめ。そこを計画に入れていただきたい。 五十嵐市長 汚物処理は危機管理課から説明する。道路は滑走路確保は厳しい。ドローンの活用など災害時は様々な可能性がある。1カ所だけですべてまかなうのは難しいと思っている。ヘリポートは、このスペースがあればいくらか離着陸できると考えている。高い建物は、10階建てが建つことはない。 市部長 処理場は下横場にある。災害時はそこに流して滞留させる。市の容量の2日分をためることができる。 参加者 流路が割れたらどうするのか。(汚物を)一次的に置いておくことを一番最初に考えないといけない。 市長 市全体としてどういうことができるか考えたい。 参加者 (売却)価格設定は簿価ベース、68億円以下はないということか。(方針案では)公共施設は備蓄倉庫とか避難場所になっている。広報つくばやかわら版を読むと、最大のポイントは地域の活性化だと言っているが、倉庫だとか備蓄倉庫だとか、活性化じゃなくて空洞化を起こすような施設しか出てない。事業者はメリットがないと地域の活性化を前提にしない。地域の活性化がポイントであれば、より具体的に、どういう施設を置くんだと言うことをポイントにしてほしい。防災倉庫は、利用者が整備したものをリース契約のようにするのか。 市長 価格設定は用地取得費66.1億円と利子2.4億円を足した金額以上と考えている。地域活性化は、物流施設では雇用が生まれないというが、聞き取りの範囲だが、物流施設ができたとしたら6000人ぐらいの雇用が生まれるだろうと聞いている。働く場として大きな期待感をもっている。防災倉庫はリース契約ではなく賃貸契約。民間が整備したものを市がお借りしていくという形のもの。 参加者 用地を購入したのは運動公園をつくるのが大きな目的だった。施設の半分を売却して、後は運動施設、野球場、サッカー場、グランドゴルフ場、テニスコート、体育館などをつくる予定はないのか。小学生の孫がサッカークラブに入っている。土浦市の新治運動公園、下妻市のほっとランド・きぬに行く。つくば市には運動施設がない、ぜひとも整備をお願いしたい。 市長 当初、運動施設が目的だった。何より305億円かかると、結果として住民投票でなくなった。スポーツの拠点をつくることは必要だと考えていて、上郷高校に陸上競技場を整備する計画を立てて(大規模事業評価の)審議をしていただいている。サッカーができるスペースもできる。障害者スポーツをしやすくしたり、高齢者スポーツや、地域の皆さんが集まってスポーツができる環境を上郷高校で準備している。お孫さんにもそういう場所が出来れば使っていただきたい。 参加者 当初のこの土地は運動公園として使うため取得した。研究学園駅につながなきゃ利用価値がない。どのように道路をつくるのか。 市長 南側の道路をどうするかは、事業者からの全体計画が出てきてからになると思っている。災害の時、市の防災備蓄品が取り出せないとか、そこは(売却事業者選定の)評価項目になってくる。 参加者 市執行部、議会の怠慢ではないか。 市長 この土地について少しでも早く解決することが重要と考えている。議会から提言書をまとめていただくことができた。(一括民間売却案は)基本的には議会の提言書に沿ったものと理解している。急ぎ過ぎという意見もあるが、かなり議論を積み重ねている。前に進めたい。方向性を出していきたい。 参加者 つくばには平地林がたくさんある。木を使って、バイオマス発電をつくって、つくば地区の環境整備、林業再興を目指し、地元でつくったエネルギーを地元で使う、あれだけの土地を地元のエネルギー供給源にできないのかとパブリックコメントで提案している。将来に対する投資という意味で、一緒に環境を改善していく企業を誘致してはどうか。 市長 どうやって環境を守るか、さまざま取り組んでいる。ゼロカーボンの問題意識を持っている。街路樹も守らなきゃだめだと、工事が始まったのを止めてもらったこともある。(事業提案の中に)発電施設の提案もいくつかあった、EV(電気自動車)開発の複合施設の提案もいただいている。どの事業者も、エネルギー、環境に配慮をしないことのマイナスを理解している。どういう形になっても確実に環境に配慮する様々な工夫はされるだろうと思う。(売却先の事業者選定では)事業の中身と価格の両方で審査する。中身の審査も環境に配慮しているか審査する。化石燃料をどんどん使ってCO2を出しまくる場所にはしてはいけないと思っている。 参加者 いちはら病院のメディケアレジデンスに住んでいる。(用地の)南側を散歩コースにしている。見事な木がはえており、建物に代えられない資源だと思う。そこを生かして快適な素晴らしい散歩コースを残していただきたい。 市長 私も歩いて通っている。あの辺り、いい環境になっていると感じている。多くの企業から聞き取りしたところ、南側に病院と住宅地があり、新しくできる施設と病院との緩衝地帯にしていくことは理解を得ている。南側を全部丸坊主にすることはしたくない。そこは安心をしていただければ。 参加者 大穂で、通勤・通学時間に子供たちの誘導をやっている。通勤時間は交通渋滞となり、安全性も含め危険な状態になっている。運動公園のときも幹線道路含めて(配布資料の図面の)左側に道路が予定されていたが、今の計画では6年後と聞いている。運動公園跡地の開発では間に合わないと思ってる。全体の交通インフラを含めて早急に進めないと大変な問題になる。 飯野副市長 北部工業団地から東光台を結ぶ都市計画道路のことだと思う。(高エネ研との間の)県道213号を拡幅したら、結ばれてネットワークができる(計画がある)。県の方も、用地買収しながら北部工業団地に続く道路の事業計画をしている。未買収のところも残っているので、この事業と合わせて進めたい。 参加者 住民投票(で計画の白紙撤回)が決まった時、跡地の利用を考えないといけないよ、と五十嵐さんに言ったことがあるが、(プランは)何もなかった。(今回の一括売却方針案は)一体、何をやりたいんだろうか。何を実現したい、ということが無い。大事なことは何も言ってない。やるべきことはたくさんある。今慌てて売るんじゃなくて、市がやるのがいいのかも含めて、きちんと(市が用地を)持っている必要がある。自分たちはこういうのを実現したいんだというのが無かったら、待つ方がいい。つくば市は研究学園都市にある。つくば市は地方自治体だけれども、もっと日本全体のことを考えることを期待したい。早急に決めることは絶対に反対。 市長 つくば市がここをどうしたいか、それは明確。どういう形で地域に資するものにしていくかだが、研究所は待っていれば来るというものではない。この土地をずっと持っていることはできない。66億円で買ってしまった。運動公園の目的がなくなった。土地を返すか、有効活用するか。日本を代表するエリアは必要。それはこの土地でなく、つくば駅に隣接する(吾妻地区の)70街区。(70街区は)放っておいたらマンションに売られてしまう。つくばの最先端の研究機関のショーケースとして、国や県と一緒に整備していきたい。取捨選択するのが市長としてすべきこと。運動公園は上郷高校(につくる)。何もしたいことがないのではなくて、今回の方針案のような施設を誘致することが将来のつくば市にとってプラスになる。 参加者 反対というより(市の方針案では)何をやりたいか分からない。何をやりたいのかが出てないから困ってしまう。ここを使って何を実現したいのか、今もお話いただいてない。 市長 1期目では結論が出なかった。その時と何が違うかというと、議会が特別委員会をつくってくださったこと。1期目は議会側の意見がさまざまあった。その中で委員会として提言書をまとめてくださった。そうやって確実に進んでいる。陸上競技場も基本構想ができた。着実に進めていけると思っている。きちんと伝わられないのであればいろいろな方法を使って伝える方法をしていきたい。 参加者 水守のクリーンセンター近くに住んでいる。いい空気ではない。もしこの土地(旧総合運動公園)を利用できれば、第2クリーンセンターをつくりたい。それから半導体不足で、TSMC(台湾の世界的半導体メーカー)は(熊本県の)ソニーの敷地に工場をつくっている最中。つくばにつくってもらえればよかった。世界一有名な半導体工場を誘致していただければ活性化になる。TXの駅にも使いたい。膨大な敷地があり、駐車場もバスも入る。ぜひ検討してほしい。今つくば駅前では国の研究所の宿舎を次々に壊している。つくば市は終わりだと感じる。よし、私(市長)がやるんだと、もうちょっと市民の先頭に立ってやっていただきたい。 市長 クリーンセンターは地元の理解を得ながら(現在地の施設を)長寿命化をしながら使っている。ここにつくることは考えられない。TX延伸はいろいろな意見があるが、その先の整備費は国は出さない。整備するとした地元がやっていくことになり現実的でない。TSMCは熊本に工場をつくるが、つくばの産総研に研究開発拠点をつくる。つくばが世界の最大手に選ばれる場所であることを示すことができた。世界経済フォーラムに呼ばれて参加しているが、そこでつくばの注目度が上がっていると紹介してもらったりしている。メディアで取り上げられる回数も増えている。つくばは確実にいい方向に進んでいる。 参加者 民間の4事業者から提案があったということだが、4事業者の案は示してもらえないのか。 市課長 4事業者の提案は(配布資料の)1(工業団地等)、2(物流倉庫施設等)、3(物流施設・データセンター等)、5(EV実験場等)だが、公募したとき、4事業者が応募するとは限らないし、それ以外の民間事業者の応募を妨げるものではない。 参加者 選考はどなたがどういう過程で選考するのか 市課長 事業者の事業計画提案、価格提案の両方の観点から評価したい。いくつかの手法があるが、公募型プロポーザルが望ましい。ガイドラインに従い、評価委員を選定して、公募期間が過ぎた後にプレゼンしてもらい、評価を行って候補者が決定する流れになる。 参加者 案が示されてない。案が決まった後、再度、住民説明会を開いてほしい。つくばみらい市では70町歩の工業団地の造成が進んでいる。市でお困りであれば、具体的な案をもって県に相談いただければいくらでも力を貸す。 市長 当然、事業者が決まったら皆さんにきちんとお話する機会をつくりたい。先日も県の担当者に来ていただいて意見交換したところ。県ともさまざまな形で随時話していきたい。 参加者 問題は、46ヘクタールの公有地、66億円の購入費用、民間一括売却が果たしていいのかということ。歴史を考えてみると、URが全面買収し、平成11(1999)年に研究施設用地として不要と判断した。(前市長の)市原さんが総合運動公園用地として購入した。五十嵐さんは、URと交渉したが、らちが明かなかった。民間事業者1社に売却し地域にプラスになることを進めるというが、URに返還することが一番いい。臨海副都心のように暫定用地として使うこともできる。五十嵐さんは「URと返還交渉する」「裁判も辞さずにやる」と言った。拍手喝采した。交渉をどの程度やったのか。研究施設用地の発展余地として残しておくことが絶対必要。交渉すれば66億円は返ってくると思っている。暫定利用として地元のために使うことができる。民間事業者に売る前にURとの交渉をもう一度考えるべき。売るにあたっても一括売却が本当にいいのか、昨日(9日)の議会(一般質問)の答弁で部長が固定資産税が入ってくると言ったがちょっと違う。固定資産税は行政サービスに対する対価。地主は税金を払っているが、つくば市は土地をもっていても税金を払わないで済む。市は46ヘクタールの土地を保有コストなしにもっていける。もっとじっくり利用を考えるべき。民間売却しかないのか、民間に貸与する方法もある。売らなくも税収相当分がはいってくる。一括売却して地域にとってプラスになるのかというと、中根・金田台地区に物流施設がきたが、ちっともプラスにならない。熱に浮かされたように一括売却するというのは危険。URは(坪)1000円で買った土地を4万6000で売った。まずURと本当の交渉をやった方がいい。 市長 国の方針としてURに資産の整理をさせ、URは全国で資産を手放している。交渉は事務方とさまざまな話をした。プロセスに瑕疵(かし)があれば瑕疵を交渉の材料にしていくと徹底して調査したが、契約に瑕疵はなかった。(当時は)ソーラー(発電会社)が買おうとしていて、早く買わないと売っちゃうよとなった。URに返還は現実的でないと考えているが、仮に返還しても、URが売ります、というとソーラー発電になってしまうかもしれない。暫定利用は簡単にできない。造成費として1ヘクタール1億円かかる。(売った場合は)68億円、市として極めて大きな金額。恵まれた自治体なら別だが、現在のつくば市はそういう自治体ではない。66億の土地をそのままにしておく余裕はとてもないというのが、市長として仕事をしている実感。貸与と言ってもそう簡単ではない。民間利用だが、商業施設は筑穂に影響を与える施設にはしていかない。前に進んでいかなければならないタイミングが来ている。 参加者 財政的に厳しいのは分かる。だからこそURに元の研究施設用地に戻せと返還交渉すべき。それをやらないで民間売却と言っているからおかしなことになる。URと交渉をやったというならその内容を知りたい。 市長 繰り返しになってしまうが、先ほど申し上げた通り様々な話はしている。今、国は売却をどんどんしている状況。必要な土地は残さなきゃいけないから、つくば駅前(吾妻70街区)は2段階で売却していく。UR交渉は現実的ではない。 参加者 (研究機関や大学などで構成する)筑協(筑波研究学園都市交流協議会)に(用地活用の意向を)聞いたが何もなかったということだが、つくばの研究機関は余剰の土地を持っている。追いつけ追い越せ型の研究機関ではなく、新しい分野の研究用地が必要になる。 市長 URとの交渉内容はお話している。(質問した参加者が)納得してないだけ。市長、議員は選挙で選ばれた。議会に伝えて議会がOKと言えば、それが民主主義。 参加者 五十嵐さんは住民の力を忘れている。住民投票で8割が反対だった。それを背景に交渉してはどうか。五十嵐さんは研究状況を分からない。民主主義どうのというのは間違い。 市長 (質問した2人に)納得していただくことは難しいと考えるが、何もしないでこのままにしておくのは無責任な姿。 参加者 民主主義の原則は情報共有、対等な議論、少数議論を見逃さないこと。情報共有をしてない。 参加者 上郷高校跡地の運動公園はここと比べてどのくらいか。 市長 6分の1か5分の1、上郷高校は7ヘクタール。   □   □   □ 「買戻し特約は必須」 第2回説明会 2回目の市民説明会では、一括購入した民間事業者がその後、切り売りしたらどうするのかという質問が出て、市から、10年間の買戻し特約を検討していると説明があった。主なやりとりは以下の通り。1回目と重複したやりとりは省略した。 参加者 問題は取得価格。URがつくば市に66億円で売ったことが大きな問題、どういう交渉があったのか。400メートルトラックの運動施設をつくるという話があった。そんなにかけなくても整備できる。400メートルトラックはどのように位置づけているのか。 市長 土地を取得した交渉過程は第三者の弁護士に調査していただいた。結論として、URは国から(資産の)処分を強く求められている、市は運動公園をつくりたがっている、ソーラー発電に売りますよ、市が買いたいのだったら早く表明してくださいと、価格もある意味でURの言い値になっていった。総合運動公園は305億円という大きな金額になってしまった。大きなお金をかけなくても陸上競技場をつくることができる。上郷高校に400メートルトラックがある陸上競技場を整備したい。現在、評価をしていただいているプロセスにある。高エネ南側(旧総合運動公園用地)は防災拠点としての施設にする。(防災拠点は)1カ所では心もとないので、上郷高校跡地も役割を果たしていきたい。 参加者 土地の取得の経緯は終わった話。これからどうするかを考えなくてはいけない。気になるのは(市長は)一括売却にこだわられているが、売却した後に切り売りされたら一体性は確保できるのか。最も大きな懸念だ。短冊にされて、ばら売りされたら一体性が保てるか。全体を行政がやるのは難しいかもしれないが、4分の1とか3分の1は公共活用を図り、未来永劫維持した上で、付加価値を上げてから売却する方法もある。なぜ今、全面売却しなければならないのか、そこのところの説明がない。 市長 もしそういうこと(一括取得後、民間事業者がばら売りする)が起きてしまえば市が目指している計画は実現できない。買戻し特約を設定するのは必須と考えており、公募要領の売買契約の条件にして事業者公募を行っていくことを考えている。ご懸念のことは起きない。 参加者 譲渡後を縛る契約ができるのか。一般的な土地取引でそれができれば世の中の土地問題は起こらない。 市課長 他自治体を確認している。債務不履行があった場合(他自治体では)10年間の買戻し特約が主流。 参加者 債務不履行とは、お金を払わなかった場合ではないか。 市課長 第3者に移転する場合も法的に(買戻し特約の対象になり)妥当だ。 参加者 仮にデータセンター、物流センターができたとして、流星台に行くと、あの巨大な施設は圧迫感がひじょうにある。将来につながるものなのか。 参加者 買戻し特約は学校用地ならあり得るが、46ヘクタールを全部買い戻すのは大変。買戻し特約を付けても買い戻すことは非常に難しい。 副市長 土地利用方針に沿った土地利用を将来どう担保するか、担保の仕方の一つの方法として契約上で買戻し特約をするのも一つの方法だ。期間は10年間とする。基本は地区計画、都市計画で、将来的に(ばら売りされないよう)担保できる手当てをできるように考えていくことが必要。 参加者 日本は所有者の権利が強い。地区計画で禁止することは難しい。こういうふうに利用しなさいというのも、一括売却のものについて買戻し条項は現実的に不可能。一括売却を考え直さないといけない。 副市長 担保できないと言われちゃうと、法治国家の中で、後ははない。法的なものを根拠とする。 参加者 現実的に66億円の買戻しができるのか。実効性のない計画だ。 副市長 無理だといわれても、一つの方法として(買戻し特約が)ある。 参加者 であれば、できるというなら(説明の)資料として付けるべきだ。できるというなら資料に付けなければ説明にならない。実現しようとするのであれば、実現を担保しようとする資料が出るはずだ。 副市長 土地利用方針が定まってない中、まず土地利用方針が定まらないと先に進めない。 参加者 土地利用方針は一括売却でしょう。一括売却で話をしている。 参加者 結局どうしようとしているのか。 市長 今さまざまな自治体の調査をしている。地区計画も合わせてやっていく。法の下でさまざまな検討をしている。 参加者 陸上競技場が上郷にできていけばとてもうれしい。経済的なものはとても大事。(旧総合運動公園用地に)子どもの城をつくってほしいという願いはあるが、一括売却が一番、経済的にいい。担保を法的にやるならきちんとした文書に起こせる。安心できるためには文書に起こす、文書ができたら、有効に使っていただきたい。もっと費用対効果があれば提案してもらわないと進まない。 市長 財政に余裕があればいいが、そういう状況ではない。利子を少しでも減らす努力をしている。貯金をためて返済をなんとか終えて1億円ぐらい影響を減らす努力をした。しばらく寝かせて持っておくべきだという意見もあるが、今はそういうことをしている余裕はつくば市にはない。できる限り有効に活用していきたい。建物が建てば固定資産税も上がる。建物で3億数千万円は見込んでいる。税収を増やすためにやっているのではなくて、実現をしていくことが私の使命。 参加者 今日は(市民が市の)説明を聞く場なのか、市民の意見を聞く場なのかー。都市計画はものすごく大事。中根・金田台の物流施設はあの始末だ。用途を準工業地域に変更して(中根・金田台では)現実にそういうことが起きている。買い戻し特約をつけるということだが、66億円を積むのか。それこそつくば市の財政が大騒ぎになる。一括売却はものすごく危ない。 副市長 一括売却の優位性を話したい。土地利用方針に沿った内容できちんとした土地利用を図ってくれる業者が出てくるかを(つくば市が)いかに選べるかが大変重要。家を建てる時、角に電柱が建っている土地より、まっさらな土地の方がいい。真っさらな土地の方が参加してくれる事業者が多くなる。(事業者が)プランニングしずらい前提条件を取り除くことが、選択肢が広くなる。 参加者 この話はいつもつくば市単独で解決するストーリーになっているが、県とか、近隣自治体、国などに、この土地を一緒に使ってほしい、一緒に考えようという相談はしたことがあるのか。国レベルとして、首都直下地震の防災拠点の最前線基地として使えないでしょうかという相談を内閣府などにしたことはあるか。 市長 周辺自治体とはさまざま話をしている。陸上競技場について土浦市長と整備の可能性はどうですかと話をしたけれども、それぞれ議会の皆さんがいるし、土浦には土浦の計画がある。(自治体による)共同の整備は、広域でやろうとしてうまくいかないで、プロセスだけでものすごい年月が経っていることがある。複数の主体が一体となって整備するのは20年、30年かけられるのであれば、選択肢として有効。運動公園は県に整備してほしいと繰り返ししている。 参加者 国とは話をしてないのか。 市長 国とは防災拠点の話はしてない。 参加者 防災拠点とは限らない。民間にぽんと売却するのはもったいないという印象をぬぐえない。 市長 つくば駅前の財務省がもっている宿舎跡地(吾妻70街区)はかなり交渉を重ねて2段階の入札にすると、国と共同でサウンディング調査をしている。つくばの拠点となる場所を構築していく。夢物語を語ることは大事、いろいろな連携をしていくことも大事だが、前に進めていかなければならない。 参加者 (旧総合運動公園の活用方法について)国に話したことはないということか。 市長 国会議員に随分前に聞いてみたりした。国もなかなか新しい場所をつくっていく状況にはほとんどない。県にはいろいろ、知事とも話をしている。 参加者 一括売却して地域にとってプラスになる望ましい施設を整備するということだが、何が地域にとって望ましいのか分からない。それが示されないで一括売却すると言っている。駅前の公務員宿舎用地と違って、ここは研究施設用地だ。望ましいまちが何になるか分からないのに、あまりにも楽観的だ。 市長 できることをできる限りしていく。 参加者 市議会が特別委員会を立ち上げて、こういう視点でやってくれというのが民意だと思う。(一括売却を)進めていただきたい。市がやると伐採費も相当なお金がかかる。これだけ大きい面積になると(何かあった場合)業者は日本中で信頼を失う。(一括売却して)損はない。 市長 お金の件は最低価格を68億とし、市の財源になっていく。二元代表制であり、市議会の皆さんの話はすごく大事に思っている。市議会が提言としてまとめてくださった。市民25万人が満足するとは思っていない。総合運動公園の計画も(反対)8対(賛成)2だった。それぞれにそれぞれの思いがある。全員が納得できない状況は分かるが、私は前に進めていかなければならないという決意のもとにやっている。 参加者 今の、市長がおっしゃることが心配だ。ここにいる(参加者の)大人の人たちはそれで大丈夫なの?って思って控えめにお話になっている。市長さんに自信があればいいでしょうけど、そういう事業をやったことがない。そういうことを皆さんがひじょうに心配していることが分かりますか。そこのところをもう少し謙虚にお答えいただかないと、ご返答を聞いていて心配になる。 市長 この計画が完璧なものと言うつもりはない。方針案として出して、変えるところは一緒に改善していきたい。 参加者 市長が先ほど、議会は、議会は、とおっしゃっているので議会として一言、言いたい。特別委員会の提言書は作業部会の中で意見が分かれて、一括売却したほうがいい、しない方がいいという意見があって、一括売却すべきだということを議会では出していない。11月11日に方針案が示されて、これから議会がもんでいくのかと思ったら、次の週からパブコメをやります、(議員は)意見をそれぞれ特別委員会の中で出してください、パブコメで出してくださいとなっていた。こんな乱暴なやり方はおかしいと思っていたら、今度は(12月1日発行の)市報の1面で(一括売却の方針案が)出た。市報は2カ月前に内容を決める。(市長は)議会に丁寧な説明をして進めて参りましたというが、市はこういうやり方をずっと続けてきた。 市長 山中議員のおっしゃったことが議会の総意であれば、多くの議員が不満を表明すると思う。 参加者 (土地開発公社の契約書を一部書き換えて民間売却を可能にする)契約書の議案が(開会中の12月議会に)出ている。 副市長 (契約書の議案は)今ごろ出てくるのがおかしい、白紙撤回と同時に議決をしておかないといけない。 参加者 (契約書を書き換えると)民間に転売できるという内容も入ってくる。 参加者 民主主義で一番大事なのは約束を守ること。嘘を言ってはいけない、不確定なあいまいな情報も出してはいけない。五十嵐さんが最初に約束したURとの返還交渉も、一番大事なことは(情報開示された交渉の資料には)書いてない。URとの交渉はどうでもよくて、売りたくて売りたくてしょうがないのかな。(他の参加者から出た)全国レベルの話はそれ。46ヘクタールは研究学園都市にとって研究施設用地としてなくてはならない土地。つくば駅前の土地が高いのは研究学園都市というブランドがあるから。 参加者 広大な土地を市民としてどうやって保全し生かしていくか。一番大事なのは用途指定だ。46ヘクタールもあるのだから、それを変えればいい。用途指定で土地の値段が変わってくる可能性がある。(買戻し特約は)10年保証でなく、私たちは永遠に住んでいる。研究施設用地をURがつくば市に売ったことはおかしいと思う。時間かけてでも交渉していくべきだ。もともとそういうことで研究学園都市ができている。 参加者 土地開発公社が取得していた負担金は市が清算して今、銀行からの借り入れはないということか。それを市が取得しない理由はなぜか。 副市長 取得目的がないから。地方自治法上、取得目的がない取得はない。 参加者 では売却する目的はあるのか。 副市長 現在、土地開発公社の所有地になっている。運動公園用地なら市の方で取得する。 参加者 目的が出れば取得できるということか。今は目的がないから取得できないということか。 参加者 つくば市ではなく土地開発公社がもっているのは、つくば市が取得する場合、事業をやろうとしたときに国から補助金が出るから、ということを聞いている。市長と副市長が説明しないので付け足す。つくばは研究者のまちではないけれど、研究施設あってのつくば。研究施設の発展余地がなくなったらつくばは死んでしまう。 参加者 ここは研究学園都市に残されたいい土地、そこをまず使おうとしないで、売ろうということにひじょうに違和感を感じる。何で使おうとしないのか。使おうとするためには予算がいる。予算を確保できる案を出すべき。(市長が)何をやろうとしているのかわからない。お金がほしいというのが目的のようだが、そこの土地はそういう土地ではないのではないですか。 参加者 あそこが研究用地として活用できるのであれば、長い間残っていたのでしょうか。そこで(URは)つくば市に話をもってきた、URの現状を皆さんご存知のはず。これから市民が活用していくのは膨大な拠出になる。経済的に埋めていきたいという提案でよいと思う。ぜひ前に進めてほしい。(一括売却案以外の)提案があるならどんどん出してほしい。 参加者 研究用地の発展余地をもっているから研究学園都市であり続けられる。    □   □   □ 参加者同士、怒鳴り合う場面も 第3回説明会 3回目の市民説明会は、12日午前10時から市役所で開かれた。参加者同士が怒鳴り合う場面もあった。3回目の市民説明会の主なやり取りは以下の通り。 参加者 政治家は本当に信用できない。研究所を持ってこい、はあり得ない。66億で買って2億5000万の金利がかかった。固定資産税が年7000万無くなっている。こんなことを永遠にやっていては市民のためにならない。早く売却した方がいい。伐根伐採するだけでも46億円かかる。それをどこから金を出すのか。いつまでもいつまでもあーじゃこーじゃと言わないで、あんなもんは早く民間に売っちゃった方がいい。体裁だけ考えずにつくば市民のことを思うのであれば、早く売って子供たちのために使ったらどうか。 市長 政治家の一人として少しでも信頼を取り戻せるよう様々仕事をしている。研究所用地として使われなくてずっとそのままになっていた土地。研究所を引っ張ってくるというのは現実としては無いということ。これまでの土地のプロセスは、元々国がURに売却を求めた。URはつくば市に、買うか買わないか、買わないんだったらソーラー発電にするぞといって、つくば市は半ば慌てながら買ったということが(総合運動公園事業検証委員会の)報告書で示されている。財政にゆとりがあればうれしいが、とても遊ばせている余裕はない。就任して貯金を積み上げて(借入金の)土地代は払った。年間利子3000万円だけでも大きな負担だが、(利子を前倒しで返済したため)結果として1億円ぐらい市の財政にプラスになった。これから、どの事業も精査しながら来年度予算の査定が始まる。無駄なものを削って浮いたお金で市民サービスしないといけないということでやっている。今のような話(一括民間売却)でまとめていくのがつくば市にとって必要なことと考えている。 参加者 お金の面から売却がいいと言う話もよく分かるが、しかし住民として純粋な希望だが(配布資料の)この写真を見ても分かるように(旧総合運動公園用地は)緑が多くて貴重な土地だと思う。ここをどのように市民のために使うか、お金のことは置いておいて、純粋な希望として、今、市民が必要としているのは高校用地であったり、周辺小学校では生徒が増えてパンクしているので小学校をつくる案もあるだろうし、図書館も駅前の図書館は駐車場がないので子ども図書館であったり、ウオーキングコースやマラソンコースもある。地球環境を考えたとき、森をそのまま残すこと、お金をかけてもこの場所を守る方法もある。森林保全など環境関係で補助金をもらえる方法はないのかなと思う。 市長 私も木にこだわりを持っている。就任前に街路樹が伐採される計画があったが、残した。まだつくば駅周辺に街路木が残っている。そのままだったらほぼ木は残ってなかった。森林保全のお気持ちは理解する。しかし木として持っているだけでは森林保全にならない。この土地の南側の緑を少しでも残して、散歩コースであるとか(にする)。地域住民にとって貴重な緑だと思っている。しかし管理されていないので、すべての緑がいい緑だといえない。高校や図書館は市に必要な施設だ。高校は繰り返し知事に対し、つくばの高校対策をきちんとしてほしいという話をしている。ようやくいくつかの高校、まだ一つだが、定員を増加することをしてもらったりしている。小学校は人口試算をして、大穂地区は小学校が必要になる状況ではないが、数字を見ながらやっていきたい。図書館は十分でないという話をいただいているが、市に図書館を整備していく財政的な余裕はない。土浦市は20年くらいかけ、お金も総額で100億円近くかかったと聞いている。つくば市は10年後を目途に市としての図書館の方向性をつくっていきたい。いろんなご希望がある。お金があればかなえた。現実の制約の中でやるのが高エネ研南側未利用地。必要なところに必要な整備をしていく。 参加者 計画の中にスポーツ施設は入ってないのか。地域の活性化とは人が集まること、気軽に集まること、それはスポーツ施設。市原さんが総合運動公園を提案したとき説明会があった。いろんな話があった。プロ野球の2軍がくるとか。高校野球の県大会をつくばでやってほしい。土地を買い取りたいところがあるそうだが、ぜひスポーツ施設を盛り込んでほしい。 市長 サウンディング調査では(事業提案者が)全部で12件あった。そのうち1社からスポーツツーリズム拠点の整備という提案をいただいている。ただし土地を買うのではなく、つくば市から借りたいという提案なので、つくば市は土地を持ち続けなければいけない。公募の際、一括売却とする方針だが、もしこういう事業者が、買うとか手を挙げてくれればそういう施設の可能性もあるが、全部買い取りを希望する企業にスポーツ施設は入ってない。私もスポーツがもつ価値は大きいと思っている。そういう拠点がないというのがつくば市の大きな課題。今、上郷高校跡地に陸上競技場の整備を計画している。スポーツの重要性は私が肌で体験してきた。今後もできることをそれぞれの場所でやっていきたい。 参加者 民間の経済活動がくるとき、市が稼ぐことができるかを考えると、都市計画税、固定資産税が入ってくるが、法人税が市に入るかという視点も大事。つくば市で活動しても東京に本社があって税金は東京都に収めると市が潤うことはない。そういう視点も必要。雇用を生むこともつくば市の将来を考えると必要。そういうことも考えて経済活動する法人が必要。データセンターは、すごい電力がかかる。小型原発1機分くらいの電力を使う。これをやられるとSDGsの面から、日本は火力発電がメーンなので二酸化炭素排出量が増える。データセンター等、環境に悪い経済活動をする法人は入れないという視点も必要。 市長 市民サービスのために税収を確保することは重要だと思っている。法人税はつくば本社でなくても、働いている人の数によって税金が入ってくる。東京本社の大きな企業から、つくば市に法人税をいただいている企業もある。(旧総合運動公園用地の売却は)法人税の収入にもつながる。大きいのは働く場ができること。物流施設ができると6000人くらいの雇用を生み出すことができるとサウンディング調査の企業から聞いている。雇用を生み出すことは地域活性化や地域が持続可能になるのに重要。環境への配慮は重要。公募してプロポーザルで審査する。環境への配慮がどうされているかも審査の評価対象に入ってくる。もくもくと煙を上げて環境を汚す企業がつくられることはない。多くの企業が環境に配慮して持続可能な事業をしないと企業価値を下げる。ただデータセンターがダメとは申し上げていない。 参加者 もう一度、ここの土地の原点に戻ってみたい。(配布資料の)土地利用方針の三本柱だが、「敷地の一体的整備」は異存ない、「公的利活用」もいい、「用途地域変更」だが、現在、利潤を上げなければ使えないような用途地域にしようとしている。今は研究開発用地(第2種住居地域及び第2種文教地区)だから、そこを変えてしまって、お金の問題になっている。市長さんは、研究学園都市という世界でまれな都市の市長さんになったのだから、そこまで考えていただきたい。(第1回、第2回の説明会で)用途地域や法律で縛ろうという話があったが、つくば市はそういう方法で土地の管理ができていない。農地も(用途、法律で)整備されていない実績がある。1社で購入すれば、つくば市に対して1社が対応する。つくば市は対応できない。一番心配しているのは、資本系列を調査しているのか。外国資本は欲しがる。(資本系列などを)まだ調査してないとしたら自分たちは満足に土地を扱えないということ。やるならきちんと調査すべきだ。もともとはURから高価な買い物をしてしまったことがある。つくば市が損害を受けた、市民が損害を受けたということ。今のままでいくと、もっと大きな損害を受けることになる。研究用地の需要がないとおっしゃっているが、あなたが(市長が)そう思っているだけ。例えばDX(デジタルトランスフォーメーション)をみても、中心的にやる研究所が必要。日本は技術を下で支える教育がされてない。日本は給料が安いから。そんな状況を変えようと思わなかったら研究学園都市ではない。 市長 研究学園都市としての使命を捨てることではない。 参加者 (市長の言うことが)理解できない。 市長 この土地についてはこういう利活用をするということ。つくばのショーケースとなる場所がないということに対しては、つくば駅前(吾妻70街区)につくるよう、国とサウンディング調査をやっている。DXの人材が足りてないことは明らか。私もさまざまな関係者とそういう話をしている。原点に戻ると言う話だが、研究学園都市の使命は人類に貢献することだと思っている。(つくば市は)それぞれの事業を通じてモデルをつくってやっている。この土地がなくなると研究学園都市の使命を果たさなくなるということはない。(発言者が)現役でいらっしゃったときと国の方向性が違っている。国と話ができればという状況にはなってない。 参加者 今のようなことを常識と考えていることがおかしくないかと言っている。 参加者 五十嵐さんは市民無視の政治を改めると言って市長になった。市報とかわら版で情報発信しているが、これだけ大きな問題になるといろいろな角度からの検討が必要だ。情報共有、対等な議論、少数意見を見逃さないことが必要。少数意見は、どんな革新的な意見も最初は一人だから。市報は民間のちらしと一緒に宅配(戸別ポスティング)されている。宅配でちらしを入れようとしたが、政治のちらしはだめだと断られた。やむなく折り込みで入れた。新聞を購読している人は半分しかいないので、新聞折り込みでは市民からの情報はなかなか伝わらない。市民や議員が対価を払った上で、意見広告などを(市報と一緒に)宅配できるようにしたらどうか。五十嵐さんは名誉棄損で市民を訴えているので、お互いに誤った情報を出さないようチェックしてもらってもいい。市の広報と一緒に市議会議員の広報とか、市民の意見とかを(宅配で)入れていただきたい。情報の共有と対応な議論、少数意見の尊重をぜひ実現させてほしい。 市長 政治のちらしがダメということはないと思っている。私もちらしの折り込みをお願いしてきた。事業者の判断を行政から言うことはできない。情報共有や対話は重要。情報量は市役所の方が多い。双方向で対話しながら進めている。(双方向の対話は)就任以来、一貫して続けている。(市民の意見広告などを)行政の広報と一緒に配布するのはなかなかハードルが高いのかなと思うが、皆と直接お話をすることを続けていきたい。情報が基本というのは大事にしながら取り組みを進めていきたい。 参加者 子供たちとか市民が気楽に使える用途にしたらいいんじゃないかという話があったが、子供たちを育ててきて、将来を見据えて子供たちが楽しめる場所があったらいい。つくばは小さい子が雨の日に行く場所がない。民間のゲームセンターがいっぱいだったりする。防災備蓄とあるが、トレーラーハウスとかキャンピングカーがいっぱい置いてあって、万が一のときは仮設住宅になるなどを民間に提案していはどうか。子供たちが気楽にのびのび遊べる場所が拠点としてあればいい。 市長 私も子供が4人いる。雨が降ればショッピングセンターにはあまり連れて行きたくないし、どうすればいいか苦労してきた経験がある。(雨の日に遊べる場所は)つくば市に必要だと思っている。最近は泥だらけになって遊べばいいかなと思っている。つくば市にはプレイパークがある。泥だらけになったり、全身を使って遊べる場所を順次整備していっている。(サウンディング調査には)賃借だが、道の駅、農業自然体験エリアなども提言としてある。どうなるかは別として、子供たちが全身を使って遊べる、元気に過ごせる場所が必要。どういう場所がいいか、現役の子育て世代として、意見として承る。 参加者 2,3年前、神栖の防災・多目的施設(かみす防災アリーナ)を見たことがある。アリーナみたいだったら子供たちに開放してスポーツに使える。46ヘクタールのうち、市が使えるのは4ヘクタールというのは狭いのではないか。その中にスポーツ施設があればいい。神栖の施設はカフェがあって皆が集まれる場所だった。 市長 神栖の防災アリーナはかなりの金額がかかる。現時点ではアリーナや体育館をつくることは想定してない。芝生の広場になる。上物(うわもの)の建設は考えてない。体育館をつくると数十億の整備になる。テニスコートは、つくば市は市内各地に整備されている。きちんと補修しながら皆さんの使いやすい環境にしたい。公共投資はあまりにも過大になる。 参加者 市の方では一体的な整備でやっていくということだが、公的活用は意外とできる部が広がると思っている。引っかかるのは利益追求だ。民間活用についてサウンディング型調査をしているということだが、そういうやり方もあると思うが、先のことを考えると、何のための利益追求か、何のためにお金が欲しいかがあいまいだ。他市ではブランデングを一生懸命進めて、生き残れる施策を練っているところがある。目先で、民間に任せて利益を上げるのではなく、もう少しブランディングを考えて、つくばならではのものを生かして何かやっていけないか。一次的な利益でなく、つくばならではの強みを生かす活用方法をぜひ考えてほしい。つくばは他の自治体と比べてやりやすい思う。 市長 利益を追求しているわけではない。これまでの過程が重要だ。ここに地域活性化のお題目で305億円の事業が計画されていたのを、住民がそれは違うと結論を出した。陸上競技場が(旧総合運動公園用地に)つくれないかと検討したが、最終的には上郷高校跡地になる。つくばだからこそ4社が(一括購入に)手を挙げてくれたんだろうと思っている。つくばは様々な取り組みをしているおり注目度が高い。そういった意味でつくばの特性を生かしたものになる。公共で全部整備していくのは現実的には不可能。決してお金のことだけを考えて言っているのではない。つくば全体にとってプラスになるものだと思っている。 参加者 土地利用方法の決定をこれから進めるということだが、市長の説明は防災拠点にしていくことだけ。あとのことは、全体としてこうしたいという説明がない。一括で土地業者に買ってもらうにも、土地業者任せの利用方法になっていくのではないかと不安。インフラ整備が必要になることは総合運動公園でも問題になった。もともと研究施設用地として計画されていた。商業用地や事業用地として活用されていくことや、408号の共同溝や下水道を想定したことはなかった。歩道も、左折車線をつくるため、歩道を壊さなければ左折用地がつくれない。インフラ整備がネックになるのではないか。 市長 今示しているのは土地利用方針案。先日も(市は)何をしたいか分かっらないという話があったが、従来であればこうした説明会は開かない。すっと延ばして、こういうことが決まりましたというところで説明会になる。事業計画が決まった際も説明会を開催して、より具体的な提案をしたい。次のプロセスでより具体的な話ができると思っている。インフラ整備や道路をどうしていくかは、事業者が実際にどうしていくのか、地区計画の協議で進めたい。 飯野副市長 道路拡幅とか408号線の右折、左折帯をつくるのは、どういう事業提案があっても必要になる。もっと具体的に、道路幅員をいくらにするとか、408号だけでなく西側のアクセスをどうするか必要になる。事業者提案によって発生する交通量が決まってくる。物流倉庫なら大型トラックとか勤務する従業員の車とか。事業が決まったら推計をして、それをもとに決める。現段階ではどういう土地利用がされても必要となる道路などを(方針案に)示している。 参加者 基本はこの土地の取得のいきさつが間違って、相当高い金額できていること。つくば市の負の遺産だ。いろんな意見があるが、お金があればつくば市はどんなことでもやってくれる。問題はお金がないから売るしかない。自分の懐を傷めないで、あーじゃこーじゃと同じことをやってもしょうがない。売れば固定資産税が3億ぐらい入ってくる。早めに処分した方がいい。今は7000万円の固定資産税が入ってこない。カネがなければ売っちゃえばいい。基本はカネ。カネがないから売るしかない。 参加者 観光ボランティアガイドで県内ほとんどを歩いている。つくば市の評価を聞くと、つくば市は頭脳都市だという評価。すばらしい評価がされている。 参加者 お金の問題だということだが、お金がないから苦労されているのは分かっている。しかしお金を確保するにはいろいろな方法がある。一つはURとの交渉が中途半端で終わっていること、一つは研究所だが、皆さんに声を掛けてどうしたらいいだろうかと考える機会をつくってはどうか。そういうことも試みていない。あれだけの土地を利用する計画はそう簡単につくれない。一括で売ってしまうとそういうことはできない。そう簡単に売ることをやっていただいては困る。市は収益を上げなければならない土地をもっていいいことにはなっていない。市が買った結果(URと)裁判をすることまで考えられたのですよね。五十嵐さんは5年間苦労されたが、今のような心配なことばっかりある形で進んでいいいのかな。1社に売るときいろいろな条件を付けたとしても、つくば市は実行させたことがない。用途変更、こんな簡単なことですらやってない。ましてや相手は資本系列が外国じゃないの?そういう確認はしましたか。 五十嵐 サウンディングにきた会社は分かっているが、明かせない。 参加者 何をやりたいかわからない。つくば市として何を実現したいのか。借金を返したいだけなのか。防災用地を借りるのに費用がいくらかかるかも聞けない。皆さん、それを聞けないから、いろんなこと言う。防災用地をつくるなら、お金がかからないで済む用途にして(市が)もっているべき。 参加者 3回出席して、3回で明らかになったことは、URとの交渉が十分でないこと、つくば市が何がほしいのかが明確でないこと、一括売却に伴う不安要素として土地利用が将来にわたって保証されるのか明確でないことだ。お金のことはその通りだが(将来、旧総合運動公園用地が)国レベルの新しい研究分野のためのスタートアップ支援拠点になるかもしれない。そのことを国が分かれば66億出してくれるかもしれない。その辺の交渉をやった方がいい。 以上 ※3回目の市民説明会の主なやりとりを、12日付で追加しました。

売却の目安は68億5000万円 つくば市旧総合運動公園用地

一括民間売却方針案が示されたつくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂)約46ヘクタールについて、五十嵐立青市長は1日の定例記者会見で、売却する場合の価格の目安について約68億5000万円になるとする考えを示した。取得価格約66億円(簿価)に利息約2億5000万円などを合計した金額という。 価格の根拠について市公有地利活用推進課は、公有地拡大推進法の逐条解説と、市土地開発公社の内部規定である業務方法書で、処分価格は原則として、土地の購入価格と借入金の利息、管理経費とされているためだとした。 一方、2019年に市が一括民間売却方針を打ち出した際は40億円以上だったことについて同課は、40億円は当時、提案事業者が示した用地取得予定価格であり、市がそれで(40億円)売ろうとしたということではないとしている。 一方、今回、なぜ一括民間売却とするのかについて五十嵐市長は、今年4、5月のサウンディング型市場調査(民間企業などの意向調査)で具体的な施設が示され事業者から一括購入の意向があったこと、今年2月に市が示した約13ヘクタールに防災拠点を整備する案は約28億円かかることから過大な公共投資を抑えるため、さらに今年6月、市議会高エネ研南側未利用地調査等別委員会(浜中勝美委員長)から提言書が出されたことを挙げ、特に市議会から提言書が出されたことが大きいとした。 2019年に一括売却方針を出した際、五十嵐市長は、利子負担を減らすためと説明し(19年10月10日付)、今年2月に防災拠点の整備を表明した際は、議会から公的利用を求める声が多かった、市財政に大きな負担とならない、市役所内から防災備蓄倉庫などの提案があった(21年2月20日付)とそれぞれ説明し、民間売却の理由や目的が変化していることに対しては「場当たり的ではない」と否定した。(鈴木宏子)

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