木曜日, 5月 16, 2024
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県議の安藤真理子氏が立候補表明 土浦市長選

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NEWSつくばの取材に対し立候補を表明する安藤真理子氏

【鈴木宏子】任期満了に伴って11月3日告示、10日投開票で行われる土浦市長選に、県議の安藤真理子氏(58)が11日、無所属で立候補すると表明した。同市長選を巡っては現職の中川清氏がすでに立候補を表明している。当初、ほかに立候補の動きがなかったが、一転しそうだ。

安藤氏は取材に対し「今変えなければ土浦は変わらない。愛する土浦を元気にしたい。土浦を変えるのは今しかない」と決意を語った。現職の中川市長が立候補を表明した9月中頃から「このままの土浦ではだめ」「土浦を変えてほしい」などの声が多くの市民から寄せられたことが背中を押したという。

現在の市政に対しては「財源不足は拡大の一途をたどり5年後には取り崩せる基金も底が尽きるなど危機的な財政状況にあり、黙って見過ごすことはできない」「直ちに財政健全化を図り、将来を担う子供たち、孫たちのために、市長がリーダーシップを発揮すべき」と危機感を強調した。

公約としては、県議として土浦市を県につないできた経験を生かし、①県と連携しながら企業誘致など財源増につながる施策を推進する②急速に進む人口減少社会に対し、将来を見据えた自治体間の広域連携を図りながら政令指定都市を目指す③サイクリングのまち土浦を積極的にアピールし、常磐線とつくばエクスプレスの交通アクセスを向上させ、常磐道スマートインターチェンジの設置につなげる④休日や平日夜でも安心して子供を預けられる子育て支援施設の創設や家庭教育を支援する施策を総合的に推進する⑤介護現場で働いた経験から、高齢者本人も支える側も安心して暮らせるよう相談支援システムの充実を図る―などを掲げた。

安藤氏は市議2期を経て現在、県議2期目。自民党県連女性局次長、広報局次長などを務める。県立土浦二高、成城短期大学卒。総合介護福祉施設「プラザマアム」会長、土浦商工会議所女性会会長などを歴任している。

一方、投票日まで1カ月を切ったが、選挙態勢などはこれから構築するとし、「市民一人ひとりの声を応援隊にしたい」と話した。

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台風19号接近 茨城国体 障害者スポーツ大会中止に

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車いすバスケットボールの競技が行われる予定だったつくば市竹園、つくばカピオ。翌11日の公開練習を前に集まった競技団体スタッフに大会中止が告げられた=10日午後

【鈴木宏子】県国体・障害者スポーツ大会局は10日、非常に強い台風19号の接近により、茨城国体に続いて12~14日に開催予定の第19回全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」の全日程を中止すると発表した。12~14日の3連休中につくば市や土浦市で予定されていた他のイベントや催しも中止や延期になるなど影響が出ている。

全国障害者スポーツ大会が中止になるのは初めて。つくば市では車いすバスケットボール、アーチェリー、ハンドアーチェリーが開催される予定だった。県によると個人6競技、団体7競技のほかオープン競技6競技に全国から総勢約5800人が参加予定で、10日までにすでに約2500人が来県しているという。

車いすバスケットボールが行われる予定だったつくば市竹園、つくばカピオでは10日午後、翌11日に予定されていた公式練習を前に集まった競技団体のスタッフに、大会中止が告げられた。担当の県職員は「何年も前から準備してきた。残念というか、まだ信じられない」と話していた。ロビーでは市職員が看板の片付けなどに追われた。

つくば  ラーメンフェスタは14日のみ、東北まつりは13~14日

台風19号の接近により、つくば市では12日、市内で予定されていた計35のイベントや催しが中止や延期になるなど影響を受ける。

「ラーメンフェスタ2019」(研究学園駅前公園で当初は12~14日に予定)は12、13日は中止とし、14日のみ午前9時から午後8時まで実施する。

「食と酒東北まつり」(つくばセンター広場で当初は12、13日に予定)は12日を中止とし、13、14日に開催する。

12日中止となるイベントはほかに▽中央公園スラックライン体験会▽つくばセンターマルシェ▽カツラギマルシェ(延期)など。ほかに幼稚園や保育園の運動会、児童館祭りなどが各地で中止となる。

詳しくは市ホームページ「台風19号イベント等の対応方針調査」へ。

土浦市 消費生活展、緑化フェアなど中止

土浦市では12日に予定されていた6つのイベントが中止となる。水郷体育館(同市大岩田)で開催予定の「市消費生活展2019」「第14回市環境展」、水郷公園(同)で開催予定の「市都市緑化フェア」「市子どもまつり」がいずれも中止となる。同日、市役所で実施予定の「市の木・市の花・市の鳥」絵画作品コンクール表彰式と、県県南生涯学習センターで予定されていた「ミュージックフェス土浦」も中止となる。

13日は、13小学校地区で開催予定の市民体育祭が中止や延期となる。

詳しくは同市ホームページ「台風19号の接近に伴うイベントの中止・延期について」へ。

【総合運動公園問題】市長、3パターン示し理解求める つくば市議会が第1回特別委

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市議会第1回調査特別委員会の様子=10日、つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市による旧総合運動公園用地(同市大穂)の売却方針に対しこれまでに出された意見を改めて検討する市議会の第1回調査特別委員会(小久保貴史委員長)が10日開かれた。民間に一括売却する方針を示した五十嵐立青市長は、3つのパターンについて市の負担額を示し、一括売却に理解を求めた。

五十嵐市長は、市の財政調整基金(積立金)は現在約38億円しかないとして、①民間に全部売却する場合②3分の1を公的に利用し3分の2を民間に売却する場合③売却せず全部を公共施設として利用する場合の3つのパターンを示した。

①全部売却する場合の市の負担額は、これまでにかかった費用約68億円(土地購入費約66億円と利子約2億円)から売却額(事業提案した民間事業者が示しているのは40億円以上)を差し引いた額(28億円)にとどまり、売却後は固定資産税の収入を見込むことができるとした。②3分の1を公的に利用する場合は、公的利用のための土地造成費と施設整備費がかかるほか、土地を購入した際に金融機関から借りた借入金を返済する期限の2023年度末までに、現在の所有者の市土地開発公社から市が土地を購入する必要があるとした。③全部を公的に利用する場合は、2023年度末の期限までに市が市土地開発公社から土地を購入するため約68~70億円を予算化していく必要があり、毎年15~20億円程度を積み立てるか、返済費用を確保しなかればならず、ほかの事業に充てる予算を4年間減らしていく必要がある―などと説明した。

同特別委の今後のスケジュールは、来年3月までを期限とし、計4~5回開催することを決めた。市の一括売却方針に応じて、45ヘクタールを商業施設や物流倉庫などとして利活用するとの事業提案を市に示した民間事業者の事業計画に関する審議も行われたが、秘密会とされ非公開となった。

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食とものづくり企業250社 技術や商品PRし交流 筑波銀行商談会

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試食や食べ比べをする大勢の来場者でにぎわった食のコーナー=つくば国際会議場

【鈴木宏子】食やものづくりに関わる企業が一堂に介する「2019筑波銀行ビジネス交流商談会」(筑波銀行など主催)が9日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で催された。県内を中心に北関東の約250社がブースを出し自社の技術や商品をPRした。約330社約2000人が参加し情報交換や交流、商談などを繰り広げた。

食やものづくりのベンチャー企業、観光・サービス業、大学、高校などのブースも並んだ。参加企業は年々増え、第10回目となった今年は前年より約20社増えたという。会場では半日で計約900件の商談が展開された。

筑波銀行(本店・土浦市)の生田雅彦頭取は「ブース展示を通じた情報発信やバイヤーとの商談により、業種を超えた連携や交流の促進、自社製品の今後の展開などに役立てていただければ」とあいさつした。

約90社が出展した食・海外販路・観光のコーナーでは茨城のコメの試食コーナーなどが設けられ、食べ比べをしたり、各ブースに並べられた新商品を試食する来場者で人だかりができた。ベンチャー企業のブースでは、AI(人工知能)を活用してものづくりの熟練技術の継承に取り組むライツ(LIGHTz、つくば市千現)など15社が自社製品をアピールした。

15社が自社の技術をアピールしたベンチャー企業のコーナー

高校のブースには県立土浦一高、つくば工科高校など9校が出展した。高齢者の交通事故が社会問題になる中、駐車場での交通事故を減らしたいと多機能カートのアイデアを考え発表した県立土浦一高2年の藤田彩花さんは「出展し来場者に説明することで、自分の中の何が課題なのか分かってきた」などと感想を話していた。

県立土浦一高、つくば工科高校など9校が出店した高校のブース

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日本列島は何から出来ている? つくば地質標本館で特別展始まる

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元素レベルの日本列島を案内してくれる太田充恒さん=地質標本館

【相澤冬樹】産業技術総合研究所地質標本館(つくば市東)で8日、特別展「日本初!日本列島大分析 元素で見る地球化学図」が始まった。同館1階ホールに日本列島をカラフルに塗り分けた多数のパネルと鉱物試料を展示する構成で、開催中の企画展「恐竜とアンモナイト―白亜紀の日本を語る化石」との2本立てになった。10月は毎週土曜日、両展示にまつわる関連イベントが催される。

地球化学図は、各地で地質サンプルを採集し、それぞれの土地がどんな元素でできているか、化学組成まで分析した上で、地図上にマッピング。日本列島で、鉄や銅などの金属元素が多いところはどこか、ネオジムなどレアアースを多く含む箇所はどこかなどを色分けして表現する。目に見えない元素レベルの所在を地質図と関連付けて可視化する地図だ。

産総研地質調査総合センターは、全国から川の砂(約3000個)、海底堆積物(約5000個)の試料を得て、53元素について分析し地球化学図の整備を進めてきた。日本列島が「何からできているか」をマクロに、そしてカラフルにとらえるこの図は、リニア新幹線のボーリング調査でのポイント選びや環境アセスメント調査などに用いられてきたそうだ。

同館では2004年以来、これまでに3回の展示があったが、今回は最も軽いリチウムから重いウランまで16の元素についてパネルにして表示、元素濃度をピンの長さと色でディスプレイ表示する「3D地球化学図」が初登場した。

同センター地球化学研究グループ長、太田充恒さんに案内してもらうと、「例えば銅は火山から生じる玄武岩の多い地質の下流に見られるが、カルシウムでできている石灰岩質の周辺でカルシウム濃度は低い。水に溶けてしまい砂としては採集できないためだ」などの話が聞ける。

パネルに合わせて鉄や銅の試料も展示=同

特別展は来年1月5日まで。「化石」の企画展は11月4日まで。原則、毎週月曜日(休日の場合は翌平日)が休館日。入館料無料。

10月中の土曜日の関連イベントは以下の通り。

▽12日=体験イベント「自分で作ろう!!化石レプリカ」(午前9時45分~など7回催行)

▽19日=企画展特別講演会「『ざんねん』じゃなかった!日本のスゴい古生物」講師・芝原暁彦福井県立大学恐竜学研究所(午前11時~・午後2時~の2回)

▽26日=特別展ガイドツアーと特別講演会「『地球化学図』の見方」講師・太田充恒研究グループ長(ガイドツアーは2回、講演会は午後2時~)の各イベントがある。

詳しくは同館(電話:029-861-3750)、同展のURLはこちら

➡地質標本館の過去記事はこちら

【茨城国体】アーチェリー少年男子、茨城は団体4位

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3位決定戦の様子。声を掛け合い、団結して標的に挑む

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」アーチェリー競技は6日、つくば市の茎崎運動公園多目的広場で最終日を迎えた。少年男子団体の茨城県チームは大阪府との3位決定戦に臨むも延長戦で敗れ、4位に終わった。この結果により茨城県は総合成績11位タイ、天皇杯得点25点を獲得している。

アーチェリー競技の決勝ラウンドは4セットによるマッチプレー方式。大阪との3位決定戦、茨城は第1セットを47-51で落とすものの、第2セットを53-48、第3セットを48-47と連取。だが第4セットを35-50で落とし、延長戦では18-29で敗れた。

流れが変わったのは第4セット。1人目の大坂彰茉、2人目の上山魁が思うようなスコアを上げられず、3人目の飛田和真は時間切れで矢を放てなかった。「葛藤する時間さえなく、打つのをあきらめた」と飛田。「前の2人で時間を使いすぎ、飛田がシューティングラインに入ったときは残り7秒ほど。せめて12秒くらいはないと狙い込んでも打ち切れない」と、檜山敏明監督の説明。

予選ラウンドは4分で6本のペースなので、自分のリズムでじっくり射ることができる。だが決勝ラウンドでは、3人が交代しながら2分で6本を射る。風が変わるのを待つ時間的余裕もなく、当てなくてはいけないという気持ちが強くなると、さらに当たらなくなる。

国体のメダルマッチという大舞台ならではの環境もあった。周囲を大勢のギャラリーが囲み、1射ごとの結果は放送でコールされ、大型モニターに映し出される。また、準決勝までと違って矢取りがなく、気持ちを落ち着かせる間もないまま次のセットが始まる。こういった中で自分を支える強い精神力が必要となる。

大坂は「会場の雰囲気に流され、それまではなかった時間的あせりが生じ、自信を持って打てなかった」、上山は「緊張と雨風で体が萎縮して打ちきれなかった。準備と対応が甘かった」と、悔しさをにじませる。

だがその状況で、強豪の大阪と延長まで競り合ったことは、チームにとって自信にもなる。檜山監督は「技術的に大差はなく、メンタル面で相手が上だった。なんとかメダルを取りたかったが、国体4位は県勢で初めての成績。選手たちはよくやってくれた」と、ねぎらいの言葉をかけた。

第4位の賞状を手にする少年男子チーム。左から大坂、上山、飛田、檜山監督

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半世紀前「山津波」が襲った… 筑波山麓で地元団体が防災訓練

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六所の滝上流の砂防ダムの説明をする大塚太郎さん

【相澤冬樹】猛威をふるう自然災害のニュースが各地から伝わる中、土砂災害警戒区域に指定されている筑波山麓の集落で「里の防災訓練」と銘打ったイベントが6日、地元民間団体の手によって催された。半世紀以上前に起こった「山津波」の現場を見学、被災の様子を経験者から聞いて、今後の防災に役立てようと筑波山麓グリーンツーリズム推進協議会が事務局となり、広く参加を呼び掛けた。

つくば市臼井の筑波山南麓にある里、六所集落が訓練の舞台。同協議会が管理するかやぶき小屋に約30人の参加者が集まって、自前の炊き出しをはさんで、被害体験や防災講義を聞いた。

最後の頼りは「共助」

同所は1966年7月2日未明、突如として起こった山津波に集落の一部が飲み込まれ、8戸が土砂に埋まる被害に遭った。今でいう土石流で、筑波山スカイライン管理事務所下で民間の開発業者が造成していたダムが折からの豪雨で決壊、一気に山を沢伝いに押し流した。人災として開発業者との賠償問題にも発展した事案だった。

山津波体験を語る木村嘉一郎さん

当時の経験を語ったのは同集落の元区長、木村嘉一郎さん(91)と小美玉市在住の田村(旧姓・松崎)直子さん(63)。木村さんは、発生時刻とされる2日午前0時10分ごろ、講屋(ごや)と呼ばれる集会所にいたが、次第に大きくなる音で、真っ先に異変に気づき、仲間たちを起こし、自宅や周囲に避難を呼び掛ける役を担った。

「田植えが終わった後、皆で労をねぎらう『さなぶり』の宴席があった。15、6人集まっていたが、雨で翌日の作業もないから、酔っ払って寝入ってしまう者もいた。酒を飲めない自分は、酔い潰れることはなく、話し相手になっていたから、0時を過ぎて大きくなるごう音に気づいた。後で新聞記者に聞かれて、米軍爆撃機の『B29みたいだった』と言ったら、そのまま記事になった。時間にして3~5分ぐらいだったろうか。真っ暗で何も見えない中を逃げ出した。3時ごろになって辺りが白んできて、戻ってみると講屋は泥に埋まっていた」

この山津波で死者は1人も出なかったが、寝込んだところを襲われ、自宅で泥流に巻き込まれたのが当時小学生の田村さんだ。唯一の重傷者として被災者リストに載った。「一緒に寝ていた母親は川に流され、救助されたのだけど、私は蚊帳にくるまってしまっていた。2カ月間入院し、ショックから目が見えなくなる症状まで出て大変な思いをした」という。家はかやぶき屋根と柱が残っただけだった。

木村さんによれば、当時の筑波町役場は被災者救済に熱心で、補償交渉の仲介にも入っていたが、ある時を境に急速に手を引いてしまったという。「復旧というか、復興事業を考えたら、人災というのはまずい。国の支援が遠のいてしまうと町は考えた。なので被災者は微々たる補償で納得するしかなかった」と証言する。「公助、自助、共助というが、最後に頼りになるのは共助しかない」と普段付き合いの中での防災意識の共有が大切と結んだ。

そうした経緯から整備されたのが、集落の北東を流れる沢にある「六所の滝」上流に出来た砂防ダム。この日の防災訓練では、土木技術専門家、大塚太郎さん(49)を招き、現状を見て回るなどした。大塚さんは「洪水被害を除けば、茨城県は災害の少ないところ。そのことが逆に防災への備えを甘くしているところがある。筑波山の山津波は数十年に一度は起こっていることだし、小さな山崩れはたびたびあるようだ。警戒を忘れてはならない」とアドバイスした。

ロープ結束や土のうづくりを学ぶ参加者たち=六所かやぶき小屋

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「本屋」がつなぐ可能性探る 土浦・図書館フェスでトークショー

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トークショーで語り合う(左から)司会のNEWSつくば理事長、坂本栄、土浦市立図書館の入沢弘子館長、つちうら古書倶楽部の佐々木嘉弘代表、天狼院書店の三浦崇典店主

【鈴木宏子】土浦駅前に移転・開館し、来月27日に2周年を迎える同市立図書館で5日、「図書館フェス」が始まった。初日の5日は、駅前に集積して立地する図書館、古書店、新刊書店3施設の代表者によるトークショーが催され、活字離れや出版不況がいわれる中、3施設による連携の可能性を探った。

トークショーは、土浦駅前に立地する県内一の市立図書館の入沢弘子館長、関東一の古書店「つちうら古書倶楽部」の佐々木嘉弘代表と、天狼院書店の三浦崇典店主が「本のはなし 本屋×古本屋×図書館」をテーマに語り合った。7月にNEWSつくばが実施した「土浦駅前『本屋』座談会」の続編でもある。トークショーの司会はNEWSつくば理事長の坂本栄が務めた。

土浦に編集部やこたつ劇

天狼院書店は5月に土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」に初出店した。三浦店主は、同店が都内の店舗などで開催している小説家養成ゼミの合宿を土浦で開催する場合を例に、3施設連携のアイデアを紹介した。

同社は10月末にも旅行業の資格を得ることを明らかにした上で、「来年3月に土浦駅ビルにオープンする星野リゾートのホテルで小説家養成ゼミの2泊3日の合宿ができる」ようになるという。参加者には「『佐々木さんの古書店にある本で小説を書く』というテーマを出して小説を書いてもらう。部屋にこもって書いていては体に悪いのでたまに自転車に乗って体を動かしてもらう。最終的に本が出来上がったら図書館に置いてもらう」など、連携のアイデアを話した。

さらに次世代の書店の姿については、写楽の浮世絵を出版した江戸時代の版元、蔦屋重三郎を例にとった。「蔦屋重三郎は自分で作って自分で売っていた。写楽は重三郎のところでしか買えなかった」と紹介し、「大量生産の時代ではない。作って、売ることを総合的にやっていきたい」との考えを披露した。来年4月、湘南に出版社をオープンさせるとも話し、「出版機能の9割はいま東京に一極集中しているが、分散していろんなところに編集部をもっていきたい。土浦にも編集部をつくろうと思っている」などと述べた。

ほかに、池袋が演劇の街になりつつあることに触れ、「やりやすいサイズの演劇『こたつ劇』を土浦でもやりたい。『こたつ劇』を広めて、土浦にシアターカフェ天狼院をオープンさせたい」などアイデアを次々に披露した。

高校生や団塊世代をつなぐ

三浦店主が、高校が10校あり9000人が通ってきている土浦について「土浦の高校生を活字中毒にしたい」と発言していることを受けて、図書館の入沢館長は「小学生のころから本に親しむと、本から離れる時期があっても本に戻ってくるといわれる。10年後の活字中毒者をつくるために、読み聞かせなどをもっと意識してやっていきたい」などと話した。

古書店の佐々木代表は、団塊世代が身辺を整理する「断捨離」や遺品整理などで毎月、同店に2トンほどの古本が持ち込まれていることから「東京・神田の古本市は古本や新刊、児童書などがいっぱい出て異常なくらいにぎわい、わくわくする。神田の古本市のような催しを土浦駅前でできたら」と提案した。

◆図書館フェスは6日までの2日間。6日はイラストレーター、コンノユキさんによるハロウィンの不思議なカードを作るワークショップ、映画会、それぞれ大人と小学生を対象にしたおはなし会などが催される。問い合わせ:土浦市立図書館(電話029-823-4646)

【茨城国体】全国初、eスポーツ選手権 つくばで開幕

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カーレースゲーム「グランツーリスモ」少年の部の予選会場=5日、つくば国際会議場

【鈴木宏子】茨城国体文化プログラムの一つ「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」が5日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で開幕した。都道府県代表による全国初のコンピューターゲーム対抗戦で、768選手が出場し、2日間にわたって3種目のゲームを繰り広げる。

47都道府県代表が勢ぞろいして開かれた開会式=同

サッカーゲーム「ウイニングイレブン2020」、カーレースゲーム「グランツーリスモ」、パズルゲーム「ぷよぷよ」の3種目で、少年の部と一般の部などに分かれて競う。

5日は、出場選手が都道府県ごとに入場行進し、開会式が催された。主催者で県国体・障害者スポーツ大会局の石田奈緒子局長は「国体をもっと身近に感じてほしいと障害の有無や年齢、性別を超えてだれもが一緒に同じステージで楽しめるよう開催した」などとあいさつした。日本eスポーツ連合の岡村秀樹会長は「全国初の大会。つくばがeスポーツの聖地になるかもしれない。自分の実力を発揮して悔いのない成果を残していただきたい」などと話した。

高円宮家の長女、承子さまが視察に訪れ、5日の予選の様子を観戦した。

47都道府県の最後に入場し開会式に臨む茨城県選手団=同

6日は午前9時30分から各種目の決勝トーナメントが行われる。午後3時からの閉会式で各種目の上位3位までを表彰するほか、総合優勝した都道府県には大井川和彦知事から優勝旗が手渡される。対戦の様子はだれでも見学できる。

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【茨城国体】アーチェリー少年男子 予選を6位通過、入賞確定

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試合の様子。大坂(左端)が的に狙いをつける=つくば市茎崎運動公園

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」のアーチェリー競技が4日、つくば市茎崎運動公園多目的広場で始まり、初日は各種別の予選ラウンドが行われた。本県勢は少年男子団体が1732点を挙げて6位で予選通過し、入賞を確定させた。少年女子団体は12位、成年男子団体は21位、成年女子団体は22位でいずれも予選敗退だった。少年男子は5日、決勝ラウンドに臨み、初戦の準々決勝で大分県(予選3位)と対戦する。

飛田、追い上げも入賞に届かず

個人成績で10位につけた飛田

少年男子の個人成績は飛田和真(水城高3年)が596点で10位、大坂彰茉(波崎柳川高3年)が570点で26位、上山魁(水城高3年)が566点で28位だった。

台風18号から変わった低気圧のもたらす強風が、選手のコンディションに影響した。「練習場(隣接の野球場)は風のない環境だったが、会場は風の中ですごく難しかった。矢がどれだけそれるかチェックし、風が収まってから射ることを心掛け、慣らしていった」と大坂。「臨機応変に射型を変えながら、風への対応を考えすぎるとかえって外すので、あまり考えず淡々と射った。風が弱まってからは勢いに乗れず、終盤になって安定した」と上山。

チームのエース飛田は、試合開始直後の2エンドは30点台と振るわなかった。檜山敏明監督によると、本人の射型と風が合わなかったそうだ。「第3エンドを射ってからは『合います』との言葉が聞かれ、後はごぼう抜きに成績を上げていった」。だが最初のつけが大きく、個人戦の入賞にたどり着くには難しかった。「あと10点で8位になれたので、悔しさもある」と飛田。

上山㊨は射後に手応えのあった表情

上山は「いい感じに当てられ、明日につながる感覚があった。最初が重要なので全力を尽くしてメダルを勝ち取りたい」、大坂は「行けるところまで、どんどん上を狙っていきたい」、飛田は「明日は自分の打ち方をしっかりして、表彰台を目指して団結して頑張っていきたい」と、口々に決勝ラウンドへの意気込みを語った。

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【直売所めぐり】7 新米の季節、至高の卵かけご飯に出会う JA水郷つくば「さんふれつくば店」

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炊きたて北条米に岡田養鶏場の卵をかけた卵かけご飯

【田中めぐみ】新米の季節。つやつやに炊き上げたご飯を何のおかずで食べようか? 秋のうれしい悩みだ。最高のお米とおかずを探しに、今回はつくば市研究学園、イーアスつくばの敷地内にある直売所「さんふれつくば店」を訪れた。

朝7時、産みたてだという卵を運んできたのは岡田養鶏場の岡田恒雄さん。小松菜、大豆、米ぬかなどの材料を発酵させたこだわりの自家配合飼料で育てた鶏の卵だという。「臭みがないので生で食べるのが一番。卵かけご飯がお勧め」と話す。新米が発酵卵と出会う至高の卵かけご飯。まちがいない、朝ご飯はこれで決まりだ。

卵の後ろ側には新米が並ぶ。スタッフの遠藤拓海さんによると、夏の台風や日照不足の影響で例年よりやや少ない出来で、値段も1キロあたり10円ほど高くなっているとのこと。先月から「新米はまだ? いつ?」と心待ちにするお客さんが訪れ始め、先月半ばに新米が並ぶと売れ行きは好調。下旬からは筑波山麓で作られたブランド米として名高い北条米も並び、人気を集めていると話す。1キロから購入可能で好みに合わせて精米してくれるのもうれしい。卵かけごご飯用に奮発して北条米の特栽品を購入し、精米してもらった。

上段は卵の生産者岡田さん㊧と小玉すいかを品出しする生産者大関さん㊨、下段は梨を品出しする生産者井形さん㊨、卵かけご飯にぴったりなしょう油も種類豊富㊧

遠藤さんの話では、外国人のお客さんが多いのが特色というつくば店。外国人に人気のナスやカボチャは見慣れない種類が6~7種類ほど、また、10種類以上のハーブや香味野菜が並ぶ専用売り場もある。ハーブは外国人だけではなく日本人にも人気で、週3回品出しするが、売り切れることも多いそうだ。

小玉スイカを運んできたのは大関水耕さん。主にレンコンを作っているという。「ハウスがあるので、秋に食べたい人もいるかなと思ってすいかを作ってみた。遊び心でね」と笑う。まだ値札のラベルは貼られていない。

「いくらですか」と聞くと、「悩んでいるんだよね、どうしようか。300円から500円くらいかなあ」。遠藤さんに「スイカはいくらだと思う」と相談している。生産者さんが自分で値段を決めているのが直売所のおもしろさだ。

秋は果実も見逃せない

「今は果物も美味しいですよ。特にナシ」とお勧めを紹介してくれたのはスタッフの高野たいさん。「ナシの甘太という品種は他で売っていないからと、わざわざ探して買いに来るお客さんもいます」と試食用に甘太を切ってくれた。同店では今年から出しているという甘太は、その名のとおり甘みが強い。果汁が多くやわらかめの果肉。ちょうど梨を品出ししていた井形克美さんによると今年の出来は上々とのこと。秋の果物も見逃せない。

新米を測ってくれるスタッフの遠藤拓海さん 売場の高野たいさん㊧と井上松子さん㊨

スタッフの井上松子さんは「イーアスの敷地内にあるので若いお客さんが多い。カボチャの煮方やナスの食べ方を教えると喜んでくれ、次に来た時、あの作り方おいしかったよと言ってくれるのがうれしい」と話す。

「漬物の加工者さんからお客さんに手紙をもらったという話を聞いた。その後、偶然話したお客さんから『漬物がおいしくて生産者さんに手紙を書いた』と聞いてびっくり。手紙をもらいうれしく思う生産者さん、味に感動したお客さんがいて、それをつないでいるのが直売所だなと思った」と相好を崩した。

【サンフレッシュつくば店】

住所:つくば市研究学園C50街区1(イーアスつくばアウトモール内)

電話:029-828-8313

営業時間:午前9時~午後7時

定休日:なし(年末年始は休み)

さんふれつくば店の店内=つくば市研究学園

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ご近所限定SNSで土浦市が情報発信 県内2番目

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ご近所SNSマチマチでの土浦市の情報発信のPRちらしの一部(土浦市提供)

【鈴木宏子】スマートフォンで情報を得る人が増えている中、地域限定のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)「ご近所SNSマチマチ」を活用して土浦市が、市の広報紙やイベント、子育て支援情報、防犯・防災情報など市政情報の発信を始めた。県内では水戸市に次いで2市目。

マチマチは、ご近所限定のSNSで、東京都目黒区に本社があるマチマチ(六人部生馬社長)が運営する。住まいや勤務地、出身地など地域を限定して、半径10キロ程度の子育てや医療情報、評判の店の情報を受け取ったり、口コミの評判を確認したり、情報を投稿するなど、地域の利用者同士が無料で情報交換できる。自治会や地域団体、地域チームなどメンバーを限定することもでき、オンライン回覧板としても利用できる。現在、首都圏を中心に月約150万人に利用されているという。

土浦市は9月17日から情報発信を開始した。同市広報広聴課は、市の情報を得る機会を増やすと共に、地域コミュニティーの一層の活性化を図ることができればとしている。

僕たちのヤマカツ先生 筑波大学で「追悼 山口勝弘」展始まる

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『追悼 山口勝弘:僕たちのヤマカツ先生』の会場=筑波大学 大学会館アートスペース

【伊藤悦子】昨年5月、90歳で亡くなった筑波大学名誉教授、山口勝弘さん(1928-2018)をしのぶ『追悼 山口勝弘:僕たちのヤマカツ先生』展が2日、筑波大学会館アートスペース(つくば市天王台)で始まった。

11月2日まで。2005年から07年に描いた「顔曼荼羅シリーズ」7点のほか、年表や画像資料、授業の音源、ポートレート、卒業生から寄せられた山口さんへのオマージュ作品などが展示されている。

戦後まもなく芸術活動を始めた山口さんは、光や映像、音響など最新のテクノロジーを作品に取り入れたメディアアートの先駆者として知られている。同大学に新設された総合造形領域で、1977年から15年間、後進の指導に当たった。在職中は芸術研究科長、芸術系学長、芸術専門学群長を歴任。アーティストであり、教育者でもあった山口さんは、「ヤマカツ先生」の愛称で慕われていた。教え子にはゲームプロデューサーの石原恒和さん(ポケモン社長)など著名人も多い。

教え子らから多くのコメントが寄せられている=同

今回の展覧会では、教育者としての山口さんにスポットを当てているのが特徴。事務局の林剛人丸(ごうじんまる)さんは、「ヤマカツ先生はメディアアートの始祖鳥のような方。学生たちには芸術と社会、芸術とテクノロジーなど、先生ご自身が経験されたことを教えていた」と話す。

「ヤマカツ先生」への思いをつづった卒業生や退官教員、関係者からの寄稿文も読むことができる。受付を担当していた同大学大学院2年の男子学生は「山口先生が筑波大学の芸術専門学群の流れを作られたことを実感した。たくさんの人に観てもらいたい」と話している。

追悼 山口勝弘:僕たちのヤマカツ先生

  • 日程:11月2日(土)まで(毎週日曜日、10月22日、26日は休み)午前9時~午後5時
  • 会場:筑波大学大学会館アートスペース

◆関連プログラム

▽山口勝弘ビデオ彫刻作品のアーカイブ事業成果発表会

10月2日から11日(日曜を除く)午前9時~午後5時、同大学総合交流会館多目的ホールで開催。文化庁メディア芸術アーカイブ推進事業採択の成果として1988年に制作された『アーチ』を再整備したもの。

▽シンポジウム「僕たちのヤマカツ先生とは、」

10月5日午後0時30分から同大学芸術エリア6A208教室で開催。山口勝弘ビデオ彫刻作品のアーカイブ研究グループが、教育者である山口の目指したものや、影響力について語り合う。パネリストはクリストフ・シャルル、井口壽乃、森山朋絵ほか、モデレーターは森脇博之(敬称略)。

いずれも入場は無料。問い合わせは「僕たちのヤマカツ先生展」事務局・林さん(TEL029-853-2861)

ゲリラ豪雨に“水際”対策 つくばで「耐水害住宅」実験公開

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天から豪雨、地から濁流渦巻く水流にさらされる耐水害住宅実験=防災科学技術研究所(つくば市)

【相澤冬樹】「ゲリラ豪雨」に代表される水害や洪水の被害から住宅を守ろうと、さまざまな対策を施した「耐水害住宅」が開発され、2日、つくば市の防災科学技術研究所(林春男理事長)の大型降雨実験施設で実証実験が行われた。

住宅を作ったのは、一条工務店(本社・東京、岩田直樹社長)。同実験施設に幅30メートル×長さ40メートル×深さ3.5メートル、周長120メートルの水槽を設け、2階建て延床面積110平方メートルの住宅2棟を建設した。1棟は通常の在来工法住宅だが、もう1棟は枠組壁工法による耐水害住宅。基礎や耐震性能に差異はないが、外壁のサイディングや窓ガラスなどを強化仕様とした。

天から豪雨、地には濁流のなか1時間浸かる

実験では、国内で観測された10分間の最大雨量の50ミリ、1時間当たり300ミリの豪雨を再現したほか、洪水を想定して1万トン以上の水が6基のホースから注入された。濁流渦巻く状態で水位が上がると、通常の住宅では床下や玄関扉から水が易々、建物の中に侵入した。

しかし、耐水害住宅には浸水せず、周りの水位が1メートル以上になっても建物の中に変化は見られなかった。また、屋外の電気設備も水につかることはなく、約1時間の降雨実験が終わった後も、家の中はつけっぱなしのエアコンが効いて、快適性能が保たれた。

耐水害住宅の内部を撮影するモニター。サッシ窓の下から1メートルほどに上がった水位がとらえられるが室内には浸水していない

同社によれば、耐水害住宅は過去の水害のデータなどから、さまざまな場面を想定して工夫が施された。大きく浸水、逆流、水没の対策を講じており、床下換気口に外部から水が入ると内蔵のフロート弁が作動して、床下への水の流入を防止している。風呂場やトイレの排水管にも逆流防止弁が設けられている。

水の侵入路になりやすいドアには自動車に用いるドアパッキンが使われた。エアコンの室外機や給湯器などの電気設備は、水没対策、感電対策から約1.5メートルの架設台を置くなどして設置されている。

一条工務店の萩原浩さんは、「洪水被害に関してはまず逃げるのが先決だが、水は1日、2日で引く。避難から戻ったとき、家が水害にあっていたら金銭的損害以上に精神的、肉体的に参ってしまう。すぐに暮らせる住宅、災害に耐えて長く住み続けられる住宅が必要になっている」という。

同社では、コンピューターを使ったシミュレーションで、設計上の安全性を確保していたが、「超防災住宅」実現のため、実際の住宅を用いた実験にこだわった。耐震住宅の開発で協力関係にあった防災科研と昨年11月から官民共同研究を進めてきた。同実験施設戦略室長の酒井直樹さんは「浸水リスクを自分事ととらえることができた。膨大なデータが得られたのでさらに研究を進め、社会実装に役立てていきたい」と語った。

【茨城国体】「クセが強い」相撲に初戦敗退 茨城は総合8位

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成年男子団体、茨城-山口戦。中堅の榊原は相手の注文相撲に屈した=霞ケ浦文化体育会館(土浦市)

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の相撲競技最終日が1日、土浦市の霞ケ浦文化体育会館で行われた。成年男子の団体戦で茨城県チームは決勝トーナメント初戦敗退、同じく個人戦では寺田貴博と金子尚平が共に1回戦で敗れた。総合成績では8位入賞を果たし、天皇杯得点22.5点を獲得した。

成年男子団体決勝トーナメント1回戦で茨城は山口と対戦。引いたり飛んだりとクセの強い相手に、稽古の力を出しきれず敗れた。中堅の榊原祥孝は「相手の変化の可能性も常に考えていたが、体が反応しきれなかった」。「開催県の意地を出していこう」と話していた益子翔太監督はこの結果に、「残念だったが相撲自体は悪くなく押し切った結果。下を向かず次に向けて頑張っていきたい」と選手を励ました。

茨城県成年男子チーム。左から益子監督、寺田、金子、榊原

先鋒の金子は「いろいろな人に支えていただき、会場一丸となった応援に力をもらった。勝ちきれないのは自分の力不足。来年に向けてまた頑張る」と出直しを誓った。埼玉県出身の26歳で拓殖大を卒業後、笠間市立友部中で教職に就き4年目。柔道相撲部の顧問で、前日の少年男子個人戦で3位になった江連春樹はかつての教え子。「自分の力を出しきった相撲を取っていた」と印象を語った。

中堅の榊原は水戸農高教諭で相撲部コーチ、江連の現在の指導者だ。「国体出場が決まってからは一緒に稽古を積み、彼もこの日のために頑張ってきた。努力の素晴らしさを感じた」と、活躍をわがことのように喜んでいた。東京出身、早稲田大卒の26歳。

大将を務めた寺田は土浦出身の27歳。右籾小4年のとき土浦相撲倶楽部で稽古を始めた。霞ケ浦総合公園の相撲場はホームグラウンドともいえる場所だ。「会場には小さいころからお世話になった方々が皆さん来ていて、ここで活躍することが最大の恩返し」という気持ちで臨んだそうだ。茨城国体は子どものころからの目標だった。東洋大牛久高から中央大へ進み、卒業後は本格的に照準を合わせ、実業団の日本通運で相撲を続けてきた。

同じ県の仲間として一緒に稽古してきた少年男子チームの活躍について、「地元で活躍できる精神的強さを目の当たりにした。同じいい波に乗りたかった」と高く評価した。

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【茨城国体】高校軟式野球 茗渓は初戦で惜敗

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6回表、茗渓の先頭打者・酒詰大智が中前へクリーンヒットを放つ=J:COMスタジアム土浦

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の特別競技、高等学校野球(軟式)競技会が29日から土浦市のJ:COMスタジアム土浦で開幕。2日目の30日は、第2試合に本県代表の茗渓学園が登場し、兵庫代表の神戸村野工と対戦するも1-2で敗れた。スクイズで2点を先行され、9回表の好機にタイムリーで1点を返すが、あと1本が出なかった。

▽田中-古澤(村野工) 井隼-槌本(茗渓)

今大会の出場校は10校。8月の全国選手権ベスト8が中心だ。茗渓の対戦相手の神戸村野工もその一つ。「相手は全国で勝ち進んだチーム、自分たちは挑戦者。緊張したが格上の相手にしっかり腕を振ることを意識した」とエースの井隼張斗(2年)。試合は両投手の投げ合いとなったが、村野工は初回裏、ワンヒットで1死三塁からスクイズを決めて1点を先制。5回裏にも同様の状況からまたもスクイズで追加点。井隼は「狙ったプレーをしっかりと決めてくるあたり、さすがに強いチームだと感じた」と印象を受けた。

茗渓が好機を作ったのは9回表。先頭の稲田遥人(1年)が死球で出塁すると、太田尚吾(1年)の左前打で無死一、二塁。これに続いたのが5番の槌本憲祐(2年)。2ストライクから真ん中やや高めの直球をレフト前へ運んだ。「甘い球を2球見逃していたが、三振を恐れずストレートを狙って振っていった。詰まったかと思ったが打球のコースが良く、三遊間を抜けてくれた」という1打で1点を返し、チームは息を吹き返す。

次打者の井隼にはバントのサイン。だが2球続けてファールで追い込まれ、内角球を見逃して三振。「前がつないでくれてベンチも声が出ていた。しっかりバントを決めようと思ったが決められず、いい場面で流れを切ってしまった」と悔やむ。後続2人も倒れてゲームセット。

重光智章監督は「最後に追い付くチャンスだったが点を取りきれなかった。投手は一生懸命投げていたが、エラーや拙攻で好機をつぶしてしまった」と敗因を語る。それでも1・2年中心の若いチームが、全国レベルの強さを肌で感じる貴重な機会になった。井隼は「自分たちがミスしたところを相手は確実に決め、それが勝敗に直結した」と、槌本は「強豪を相手にいい試合ができた。この経験を次に生かしたい」と、それぞれ課題と気概を語った。

6回表、酒詰は二盗を狙うが捕手の好送球で刺殺される

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【茨城国体】相撲少年男子 亀井V、江連3位 個人戦で2人が表彰台

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個人戦決勝、亀井が上手出し投げを決める=霞ケ浦文化体育会館(土浦市)

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の相撲競技2日目は30日、土浦市の霞ケ浦文化体育会館で行われた。少年男子の団体戦では茨城県チームが5位入賞を果たし、同じく個人戦では亀井颯人(東洋大牛久高3年)が優勝、江連春樹(水戸農高2年)が3位に輝いた。成人男子の団体予選では茨城県チームが3戦3勝を果たした。最終日の1日は成年男子団体および個人の決勝トーナメントが行われる。

少年男子の団体戦決勝トーナメント1回戦、茨城は3-2で青森に辛勝。続く準々決勝では熊本に1-4で敗れ、5位入賞が確定した。「天皇杯獲得に向けてポイントで貢献できた。青森戦ではぎりぎりの戦いになったが、最後に丹羽が3年の意地を見せてくれた。熊本は、今季インターハイ優勝校をベースにした別格の相手だが、全員がチャレンジしてくれた。特に亀井は良い相撲ができ、それが個人戦にもつながったと思う」と山本監督。

喜びの表情を見せる個人戦優勝の亀井㊧と3位の江連

個人戦で優勝した亀井は「今日は立ち合いが決まった。自分の良さである速さと瞬発力が出せた」と開口一番。決勝戦では低く立つと左上手で後ろまわしを取り、相手の横に入って右肩付近に頭を付けた。相手は亀井の右腕を取って一本背負いに持ち込もうとするが、それを振りほどき、後ろへ回り込みつつ投げを打つと、相手はひざから崩れて土俵に諸手を付いた。「自然に体が動き、何も考えず自分のやってきたことが出せた」と振り返った。

個人戦3位の江連は「地元で結果を残せたのでとてもうれしい。3位決定戦では一番いい相撲がとれた」と喜びの声。相手は今季インターハイ個人戦優勝選手。最初の押し相撲から相手の突きをかわして懐に入ると、そのまま土俵際へ追い込んで寄り切った。「立ち合いは相手の方が良かったが、気持ちで負けずに自分の相撲が取りきれた。当たって前へ出て、止まらず相手に攻める隙を与えない押し相撲ができた」と振り返った。

成年男子団体も決勝Tへ

成年男子団体予選は1回戦徳島に2-1、2回戦鹿児島に3-0、3回戦大分に2-1と3戦全勝。目標のベスト4以上に向けて上々のスタートを切った。「少年が頑張ってくれたので大人も続いていきたい。刺激を受けたようでチームにいい緊張感がある」と益子翔太監督。3選手のうち金子尚平と寺田貴博は3連勝なので個人戦にも出場となる。「この大会に照準を合わせて十分な稽古を積み、コンディションも万全。地元の声援を力に変えて上位を狙ってほしい」と期待を込めた。

【試合結果】

▽少年男子 団体決勝トーナメント

1回戦 茨城3-2青森
●江連(押し出し) 〇幡谷(寄り倒し) 〇亀井(突き落とし) ●花房(寄り倒し) 〇丹羽(引き落とし)

準々決勝 茨城1-4熊本
●江連(突き落とし) ●幡谷(下手投げ) 〇亀井(下手投げ) ●花房(上手投げ) ●丹羽(突き出し)

決勝 鳥取 3 ー 2 和歌山
(鳥取は6年ぶり5度目の優勝)

団体戦5位入賞の茨城県チーム

▽同 個人決勝トーナメント

1回戦
幡谷健人〇 寄り倒し 影山由伸(埼玉)
江連春樹〇 押し出し 後藤大翔(宮城)
亀井颯人〇 寄り切り バトジャルガル・ムンクジャルガル(神奈川)

2回戦
幡谷健人  寄り切り 〇池田俊(石川)
江連春樹〇 押し出し 上條深能(静岡)
亀井颯人〇 下手投げ 武井朔太郎(静岡)

3回戦
江連春樹〇 押し出し 坂前由基(和歌山)
亀井颯人〇 寄り倒し 小村勇大(石川)

準々決勝
〇江連春樹 押し出し 北野泰聖(熊本)
〇亀井颯人 押し出し 小坂剛司(東京)

準決勝
江連春樹  上手投げ 〇池田俊
亀井颯人〇 突き落とし 大桑元揮(静岡)

第3位決定戦
江連春樹〇 寄り切り 大桑元揮

決勝戦
亀井颯人〇 上手出し投げ 池田俊

▽成年男子 団体予選

1回戦 茨城2-1徳島
〇金子(引き落とし) ●榊原(上手投げ) 〇寺田(上手投げ)

2回戦 茨城3-0鹿児島
〇金子(押し倒し) 〇榊原(押し出し) 〇寺田(突き落とし)

3回戦 茨城2-1大分
〇金子(はたき込み) ●榊原(はたき込み) 〇寺田(寄り倒し)

【成績】

▽少年男子

団体の部 ①鳥取県 ②和歌山県 ③熊本県 ④静岡県 ⑤神奈川県、石川県、茨城県、埼玉県
個人の部 ①亀井颯人(茨城)②池田俊(石川)③江連春樹(茨城)④大桑元揮(静岡)⑤川渕一意(石川)、北野泰聖(熊本)、小坂剛司(東京)、行大成(鹿児島)

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10月の筑波山麓はにぎやか 芸術の秋、味覚の秋を満喫する

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一足早く展示が見られるようになった「アートセッションつくば2019」から國安孝昌さんの作品=つくば市神郡

【相澤冬樹】さあ10月、筑波山南麓ががぜんにぎやかになる。つくば市の旧筑波町地区(筑波、田井、北条、平沢、小田)は収穫の秋に一段落をつけ、芸術の秋、色づく秋の頃合い。5日からアートセッションつくば2019が開幕するのを皮切りに、歴史催事、秋祭りを経て、11月1日の筑波山神社御座替祭(おざがわりさい)に至る、イベント月間に突入する。

造形作家15人による野外美術展

【アートセッションつくば2019】5日~11月10日、「磁場――地場」をテーマに、平沢官衙遺跡から神郡・臼井地区にかけて、15人の造形作家が屋外に意匠を凝らした作品を展示する野外美術展。同地域では2015年から隔年開催されている。主催は同市とつくば文化振興財団。

今回は、阿片陽介、石井琢郎、岡本敦生、國安孝昌、斎藤敏寿、塩谷良太、柴田美千里、菅田比歩海、鈴木典生、瀬川怜、ゼレナク・シャンドル、中山庄太郎、橋本真之、古井彩夏、本郷芳哉(敬称略、順不同)が出展する。

関連企画として、▽12日午前10時~旧田井小体育館でオリジナルオブジェ制作のワークショップ(参加費500円)▽19日午後0時30分~平沢官衙遺跡で劇団百景社によるドラマリーディング「土神と狐」(原作・宮沢賢治)公演(観覧無料)がある。

▼問い合わせ:029-856-7007(つくば文化振興財団)

万葉の時代のつくばをガイド

【巡回企画展「万葉の時代のつくば」】会期1は12日~12月5日、小田城跡歴史ひろば案内所。『万葉集』には筑波山を詠んだ歌が多く収録されており、関係の深さがうかがえる。万葉の時代のつくばについて、文献資料や発掘調査の成果を紹介する。会期2は12月10日~2月6日、谷田部郷土資料館。

10月26日には平沢官衙遺跡周辺歴史ウオーキング。午前9時、出土文化財管理センター駐車場集合で約4キロのコースを歩く。定員30人で要事前申し込み、応募者多数の場合は抽選。

▼問い合わせ:029-883-111(つくば市教育局文化財課)

熾火の上を裸足で歩く

【柴燈大護摩火渡り修行「小田の火祭り」】19日午前9時から小田城跡歴史ひろば。午前中鷹匠パフォーマンスなどがあり、正午から大護摩を焚(た)き、城跡に残る戦没者を供養。護摩で拝んだ熾火(おきび)の上を裸足で歩き、無病息災や心願成就を願う。

今回は100年ぶりに修復された小田不動尊前立像のお披露目がある。山伏体験もできるそうだ。

▼問い合わせ:小田火祭り実行委員会080-5063-0825(幕内)

コンサートや物産市などの会場となる平沢官衙遺跡歴史ひろば

秋の御座替祭をはさんで

【筑波山麓秋祭り2019】26日から11月4日の6日間(28日~30日を除く)を中心に各種イベントを開催。主催は山麓周辺でコミュニティー活動に取り組む筑波山麓地域づくり団体連絡協議会。

主な行事は、▽酒造特製甘酒と搾りたて新酒の利き酒(26日~会期中6日間、稲葉酒造)▽自然薯クラブ秋の芸術祭&カフェ(同、田井ミュージアム)▽古刹(こさつ)拝観(同、普門寺)▽邸宅拝見(同、矢中の杜)▽平沢官衙秋のミニコンサート(26日午後1時~平沢官衙遺跡歴史ひろば)▽宝篋山夜景観察会(26日午後4時~宝篋山小田休憩所)▽筑波山茶屋古民家休憩所(11月1日~4日、大越邸)▽福来みかんジャムづくり体験/ふくれみかんツアー(同、午前・午後の2回開催「筑波山神社入口」バス停集合、1人500円※登録フォームはこちら)▽筑波山秋季御座替祭(11月1日午後2時30分、6丁目鳥居をお神輿が出発)▽秋の北条市(2日午前10時~北条商店街)▽山麓ジャズセッションフェスティバル(2日正午~古民家北条の家)▽館集落秋祭り(3日午前10時~館児童館)▽神郡米のおにぎり、農産物販売(同、石倉RIZ)▽和布工房はんてん屋・里の冬支度(同、神郡・治左衛門邸)▽ 伝統和菓子「押しもの」限定販売(同、神郡・桜井菓子店)▽秋の里山自転車散歩(同、筑波総合体育館集合)▽宮清大蔵クラシックコンサート「ライナー・キュッヒル」バイオリン演奏会(3日午後1時30分~北条・宮本家住宅、2公演あり全席指定※詳しくはこちら)など。

▼詳細は、筑波山麓秋祭り 2019のホームページ。問い合わせ:029-879-5298(つくば総合インフォメーションセンター)

土浦駅ビルに星野リゾート 来年3月、ホテル開業

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自転車に乗って会場に入り記者会見に臨む(左から)星野リゾートの星野代表、アトレの一ノ瀬社長、大井川和彦知事=東京ステーションホテル

【鈴木宏子】土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」を運営するアトレ(東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)は30日、星野リゾート(長野県軽井沢町、星野佳路代表)によるサイクリングを楽しむためのホテル「星野リゾートBEB5(ベブファイブ)土浦」を来年3月19日、同駅ビル3~5階に開業すると発表した。

全90室、1泊6000円から宿泊できるカジュアルなホテルで、自転車に乗ったままチェックインやチェックアウト、入室ができる。アクティブな若者たちをターゲットにした「星野リゾートBEB5」ブランドのホテルは軽井沢に続いて2カ所目になる。土浦駅ビルは第1弾としてサイクリング拠点「りんりんスクエア土浦」(2018年3月オープン)、第2弾はレストランゾーン(19年4月)、第3弾は体験型書店と地元フードショップ(同5月)を次々にオープンさせてきた。ホテルは第4弾となり、ホテル開業により「日本最大級のサイクリングリゾート」が誕生する。

30日、東京駅(東京都千代田区)にある東京ステーションホテルで、アトレの一ノ瀬社長、星野リゾートの星野代表と、大井川和彦知事が記者会見し発表した。大井川知事は同ホテルを県の宿泊施設立地促進事業の第1号に認定した。最大10億円を補助して茨城の魅力を発信する宿泊施設を誘致する事業で、今回は約1億円を補助する。

「35歳以下をえこひいきする」

「BEB5土浦」について星野代表は「35歳以下をえこひいきする」と強調した。その戦略と背景について、日本では外国人観光客が年々増えているのに対し、日本人による国内旅行が減少しているために全体の旅行需要が減少していると危機感を話した。主な要因は日本の若者の旅行参加率が低下していることにあると分析し、「10年、20年後の旅行業を支えるためにはインバウンドと同じくらい日本の若い人の旅行が大切だ」と強調した。

土浦駅ビルにオープンするホテルは、20代から30代前半の世代がもつ旅行概念を、星野リゾートが独自に調査・分析し、導き出したホテルになるという。

35歳以下の世代にとっての旅行とは、飛行機に乗って行くなどでなく、日常の先のちょっとした旅行である、どこに行くかよりもだれと行くかが重要である―などと分析し、BEB5土浦について、従来の旅行の敷居の高さを取り除き「居酒屋以上、旅未満の旅行をつくる」と強調した。

具体的には、飲食物の持ち込みを自由にする、部屋よりもホテル内のパブリックスペースで過ごす若者が多いことからパブリックスペースを24時間利用できるようにする、35歳以下をえこひいきし、お盆や年末年始など季節によって変動するのが一般的な宿泊料金を35歳以下は一定にするなどだ。

星野代表は「年間稼働率80%以上を目標にするが、数字が表れるまでには時間がかかる。正しい取り組みをしていけばどこかで急に伸び始める時が来る。茨城県全体を盛り上げる地道な取り組みをしていきたい。海外にも情報発信していきたい。5年、10年で考えている」と話した。

アトレの一ノ瀬社長はプレイアトレ土浦の戦略と背景を改めて説明した。土浦駅ビルはピーク時の1991年は112億円の年間事業収入があったがバブル景気が崩壊し、6分の1の20億円に落ち込んだとし、「ここでJR東日本グループとして、土浦の魅力をどう引き出すかを徹底的に議論した。その結果生まれたのがプレイアトレ土浦」だとした。その上で「筑波山、霞ケ浦に日本最長のサイクリングコースが整備されているのだから、土浦駅を玄関口にして街の活気を取り戻す。モノが売れない時代に、体験の提供を軸にしたコト発信する」とし、「今スタートラインに立った。土浦が本当の意味でサイクリングのメッカとなるよう息長く取り組みたい」と意欲を話した。

一方、同ホテルを県宿泊施設立地促進事業第1号に認定した大井川知事は「手ぶらで来て楽しめる全国初、駅直結のサイクリング拠点。全国区のブランドと連携した星野リゾートBEB5土浦は本県のフラッグシップになりうる。本県を魅力的なものにするために全国に魅力を発信できるようにしていきたい」などと述べた。

来年3月のホテルオープンに向け工事が続けられている土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」

「星野リゾートBEB5土浦」は延床面積約5000平方メートル。客室90室、カフェやライブラリーがあるパブリックスペース「TAMARIBA(たまり場)」、ショップなどで構成する。自転車好きのほか、ダイエットのためやファッションのための自転車ニーズ、 キッズの自転車デビュー まで 、あらゆる自転車ニーズに「ハマる」ホテルにする。

「TAMARIBA」は24時間オープンで、大迫力のスクリーン、ライブラリー、カフェなどを備える。飲食物を自由に持ち込め、好みのソファーとテーブルでまったり過ごしてもらえるようにする。時間や計画を気にせず、その時の気分でやりたいように過ごしてもらうため、朝寝坊して午前11時のチェックアウト時間を多少過ぎても追加料金は徴収しない。全員が35歳以下のグループの場合、3人1室1万2000円(1人4000円)で年中、均一料金で利用できるようにする-などが特徴になる。

一般の宿泊料金は1泊6000円から(2人1室利用の場合の1人当たり、税別、食事別)。9月30日午後2時から予約を受け付けている。予約はhttps://hoshinoresorts.com/ja/hotels/beb5tsuchiura

➡土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」の過去記事はこちら

【茨城国体】相撲少年男子、初日3勝で決勝トーナメント進出

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先鋒としてチームに勢いを与えた江連春樹=霞ケ浦文化体育会館(土浦市)

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の相撲競技が29日に開幕、初日は土浦市の霞ケ浦文化体育会館で少年男子の団体予選が行われた。茨城県チームは岡山に4-1、愛媛に4-1、島根に5-0と3戦3勝で決勝トーナメントに駒を進めた。30日は少年男子団体および個人の決勝トーナメントと、成人男子の団体予選が行われる。

 ▽少年男子 団体予選1回戦 茨城4-1岡山

〇江連(押し出し) 〇幡谷(押し出し) 〇亀井(押し出し) 〇花房(寄り倒し) ●丹羽(はたき込み)

▽同2回戦 茨城4-1愛媛

〇江連(寄り切り) 〇幡谷(突き倒し) 〇亀井(押し出し) ●花房(押し出し) 〇丹羽(突き出し)

▽同3回戦 茨城5-0

〇江連(押し出し) 〇幡谷(突き出し) 〇亀井(押し出し) 〇花房(押し出し) 〇丹羽(突き出し)

本番での強さを発揮した二陣の幡谷健人

茨城の初日成績は3勝13得点で7位タイ。47チーム中上位16チームが翌日の決勝トーナメントに進む。山本紳童監督は「まずは最初の目標を達成できた。やるべきことをみんなやれた。多少の誤差はあったが全部想定の範囲内」とほっとした様子。決勝トーナメント1回戦の相手は青森県。その後も強いチームが控えており、厳しい戦いが予想される。「どこが来ても自分たちの相撲を取り、勝ちに全力を尽くすだけ。他チームと比べて体の小さい子が多いが、当たって押すことを基本に、絶対に引かない攻める相撲を取らせたい」

今回のチームは東洋大牛久高の4人に水戸農高の江連が加わった形。「江連はすごく力があり、チームに安定感と厚みを増す。いちばん勢いがある相撲を取っており、先鋒としてチームを勢い付かせてほしい」と山本監督の期待も高い。週末には合宿を行ってチームとしての熟成度を高め、9月に入って霞ケ浦文化体育会館に土俵が完成すると、地の利も生かして十分な稽古を積むことができた。本番の大声援には「プレッシャーにもなるが力にもなる。楽しもう、どんどん目立ってやろう」と、力に変えて勝利につなげる考えだ。

団体予選の取組で全勝した選手には、個人決勝トーナメントの出場権が与えられる。該当者は61人で、茨城からは江連、幡谷、亀井の3選手が出場する。

組手のうまさが光った中堅の亀井颯人

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