土曜日, 4月 20, 2024
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直売所めぐり -検索結果

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【直売所めぐり】7 新米の季節、至高の卵かけご飯に出会う JA水郷つくば「さんふれつくば店」

【田中めぐみ】新米の季節。つやつやに炊き上げたご飯を何のおかずで食べようか? 秋のうれしい悩みだ。最高のお米とおかずを探しに、今回はつくば市研究学園、イーアスつくばの敷地内にある直売所「さんふれつくば店」を訪れた。 朝7時、産みたてだという卵を運んできたのは岡田養鶏場の岡田恒雄さん。小松菜、大豆、米ぬかなどの材料を発酵させたこだわりの自家配合飼料で育てた鶏の卵だという。「臭みがないので生で食べるのが一番。卵かけご飯がお勧め」と話す。新米が発酵卵と出会う至高の卵かけご飯。まちがいない、朝ご飯はこれで決まりだ。 卵の後ろ側には新米が並ぶ。スタッフの遠藤拓海さんによると、夏の台風や日照不足の影響で例年よりやや少ない出来で、値段も1キロあたり10円ほど高くなっているとのこと。先月から「新米はまだ? いつ?」と心待ちにするお客さんが訪れ始め、先月半ばに新米が並ぶと売れ行きは好調。下旬からは筑波山麓で作られたブランド米として名高い北条米も並び、人気を集めていると話す。1キロから購入可能で好みに合わせて精米してくれるのもうれしい。卵かけごご飯用に奮発して北条米の特栽品を購入し、精米してもらった。 遠藤さんの話では、外国人のお客さんが多いのが特色というつくば店。外国人に人気のナスやカボチャは見慣れない種類が6~7種類ほど、また、10種類以上のハーブや香味野菜が並ぶ専用売り場もある。ハーブは外国人だけではなく日本人にも人気で、週3回品出しするが、売り切れることも多いそうだ。 小玉スイカを運んできたのは大関水耕さん。主にレンコンを作っているという。「ハウスがあるので、秋に食べたい人もいるかなと思ってすいかを作ってみた。遊び心でね」と笑う。まだ値札のラベルは貼られていない。 「いくらですか」と聞くと、「悩んでいるんだよね、どうしようか。300円から500円くらいかなあ」。遠藤さんに「スイカはいくらだと思う」と相談している。生産者さんが自分で値段を決めているのが直売所のおもしろさだ。 秋は果実も見逃せない 「今は果物も美味しいですよ。特にナシ」とお勧めを紹介してくれたのはスタッフの高野たいさん。「ナシの甘太という品種は他で売っていないからと、わざわざ探して買いに来るお客さんもいます」と試食用に甘太を切ってくれた。同店では今年から出しているという甘太は、その名のとおり甘みが強い。果汁が多くやわらかめの果肉。ちょうど梨を品出ししていた井形克美さんによると今年の出来は上々とのこと。秋の果物も見逃せない。 スタッフの井上松子さんは「イーアスの敷地内にあるので若いお客さんが多い。カボチャの煮方やナスの食べ方を教えると喜んでくれ、次に来た時、あの作り方おいしかったよと言ってくれるのがうれしい」と話す。 「漬物の加工者さんからお客さんに手紙をもらったという話を聞いた。その後、偶然話したお客さんから『漬物がおいしくて生産者さんに手紙を書いた』と聞いてびっくり。手紙をもらいうれしく思う生産者さん、味に感動したお客さんがいて、それをつないでいるのが直売所だなと思った」と相好を崩した。 【サンフレッシュつくば店】 住所:つくば市研究学園C50街区1(イーアスつくばアウトモール内) 電話:029-828-8313 営業時間:午前9時~午後7時 定休日:なし(年末年始は休み) ➡直売所めぐりの過去記事はこちら

【直売所めぐり】6 タケノコ、ワラビ、ウド…春野菜が続々 JA水郷つくば「さんふれ霞ヶ浦店」

【田中めぐみ】丸い外観が特徴的なJA水郷つくば(本店土浦市)の直売所、サンフレッシュ霞ヶ浦店(かすみがうら市深谷)。朝8時、スタッフの酒井貴さん(65)が店を開けながら迎えてくれた。酒井さんは主に移動販売を担当し、かすみがうら地区の下大津、牛渡、佐賀、美並、安飾、志士庫のそれぞれの地域を隔週ごとに車で回り移動販売を行っている。元設計士、定年退職してからもう少し働きたいとJA直売所のスタッフとして再就職した。直売所で働いて4年。移動販売では主におやつのお菓子の売れ行きが好調で、お客さんは買い物を楽しみにしてくれているのがうれしいという。酒井さんのお勧めは今が旬の春野菜だ。 話していると「朝掘りのタケノコだよー」とたくさんのタケノコが運ばれてきた。「ああ、重い」。ずっしりとした大きなタケノコ。値段はなんと250円から400円ほどだ。「わあ、大きいね」「安いねえ」、スタッフやお客さんから次々に声が上がる。「あくはどうしたらいいの」、「ぬかをサービスで付けるよ」、「縦に切ると皮が向きやすいよ。味噌汁とてんぷらはあく抜きしなくてもいいよ」、「穂先が黄色いのがいいのよ」と生産者。直売所のスタッフ、お客さん、春の恵みを囲んでみんなが笑顔だ。 「ワラビもきたよー」と声が掛かり、見ると穂先のくるくるぴんとした新鮮なワラビ。この日はお客さんの試食会があるとのことで、「もっとワラビ持ってこないと売れちゃうよ」、「もっと持ってこようか」と生産者同士でやりとりする。ワラビの生産者小泉たか子さんのお勧めは、あく抜きしたワラビを3センチほどに切ってめんつゆに漬けた漬物風。粘りがあるのでニンジンやするめなどを合わせて松前漬けにするのもいいという。なるほど確かにおいしそうだ。 桜井信雄さんは葉玉ネギとニラの生産者。葉玉ネギも今が旬。短い時期だけ食べられる野菜だ。食べ方を聞くと「葉玉ネギは葉から玉ネギの部分まで全部食べられるよ。油味噌炒めがお勧め」と話してくれた。食べやすく切った葉玉ネギを油で炒め、砂糖、味噌、醤油などで味付けする調理法だそう。知らなかった。買って帰って作ってみたところ、これがおいしい。新玉ネギのみずみずしい甘みと青い葉のよい香りが、油と味噌によく合う。 カブを品出ししていたのは生産者の石島貞良さん(82)。「いいカブができたと思いますよ。ちょっと寒かったかなと思ったけど育ちがいい」と明るい笑顔がこぼれる。「生涯現役。毎日一生懸命働いて、また明日、また明日と一日一日頑張っています」 春野菜のコーナーをじっくり真剣に見ていた押野清さん(67)は家族のためにウドを買いに来たという。妻の好物だそうだ。「ここには週に1回ほど買い物に来る。葉っぱはてんぷらに、茎は酢味噌にするとおいしい。なんといっても新鮮なものがそろっています」と、話してくれた。 サンフレッシュ霞ヶ浦店 住所▽かすみがうら市深谷3467-4 電話▽029‐897-0682 営業時間▽午前9時~午後6時(4月~9月)、午前9時~午後5時30分(10月~3月) 定休日▽なし(お盆・年末年始は休み) ➡直売所めぐりの過去記事はこちら

【直売所めぐり】5 県外客も訪れる日本一のレンコン産地 JA土浦「さんふれ はすの里」

【田中めぐみ】JR常磐線土浦駅から車で北へ10分ほど、農産物直売所「サンフレッシュはすの里」を訪れた。優しい笑顔で迎えてくれた大森恵子さんは、6店舗あるJA土浦の直売所で唯一の女性店長。以前の勤め先で身に着けたPOP広告の技術を生かし、かわいいイラスト入りのPOPを描いては店内に並べている。商品についてお客さんから色々と質問されるため、野菜の研究には余念がなく、大森さんは「スタッフも同じ主婦なのでなんでも気軽に相談してもらえれば」と話す。レンコンは今が旬で、甘みが増している。春になるとハウス栽培の真っ白なレンコンが出まわるそう。こちらはさっぱり味と聞いて、違いを食べ比べしてみたくなった。 「はすの里」だけあって、店内にはレンコンを使った加工品が数多く並ぶ。レンコン味噌やレンコンめん、レンコンケーキなど。日曜日には「はすの実工房」(かすみがうら市)が作るお惣菜を買うことができる。レンコンのてんぷら、レンコンの丸煮、レンコン入りメンチ、レンコンの南蛮漬け…とにかくハス尽くしだ。丸煮と南蛮漬け、メンチを初めて食べた。丸煮は柔らかで食べでがあり、南蛮漬けも酸味がほどよく、メンチも歯ごたえが楽しい。どれも毎日食べたくなるようなほっとする味付けだ。 茨城はレンコンだけでなく白菜の生産量も全国1位。丸々と大きな白菜が店頭に並んでいく。酒井忠熙さんは1966年、国の指定野菜価格安定対策事業で白菜の作付けが本格的になった頃からの生産者で、経験豊か。「今の時期に収穫できるように調整して栽培している。秋からの天気が良かったので今年の出来はまずまず」と話す。 落花生を品出ししていたのは生産者の羽成誠さん。炒(い)る過程を業者に頼らず自分でやっているという。落花生は畑から抜いた株ごと逆さにして網にかけ、天日干しにするうちに味が良くなるそうだ。「味を第一に考えて作っている。落花生の出来に応じて炒り方も変える」というこだわりようだ。 入口わきの「訳あり品コーナー」にニンジンを並べていたのは、生産者の宮下里美さん。「曲がっていたり小さかったりするものを出しているんです」と話すが、規格外とはいえ品物は見るからに新鮮だ。宮下さんが「おすすめの野菜がある」と教えてくれたのは、井坂多加子さんのアイスプラントだ。緑の葉の表面が凍ったように見える。ミネラルが豊富で、生でサラダにするのがおいしいという。シーザーやゴマなどクリーミーなドレッシングと相性がよく、お年寄りにも人気だそうだ。   開店時間の午前9時過ぎ、お客さんたちが入店し始め、「おはようございまーす」と挨拶の声が飛び交う。笑顔で会釈する石井丈二さんは神奈川県相模原市在住で、月に2回は必ず「はすの里」に買いに来る常連。土浦市で歌謡教室の講師をしており、仕事のついでに買い物に立ち寄るという。 石井さんは「はすの里」の野菜や加工品について「新鮮度が違う。車で来ているので神奈川まで持ち帰っています。レンコンはもちろん、サツマイモ、クリ、草餅などなんでもおいしい。生産者さんと顔見知りなので、作っている人が分かるのも安心」と話した。 サンフレッシュはすの里 住所▽土浦市木田余3140 電話▽029-846-7933 営業時間▽午前9時30~午後6時(11月~2月は午後5時30分まで) 定休日▽無休(ただしお盆・年末年始は休み)

【直売所めぐり】4 野菜ソムリエがアドバイス JAつくば桜農産物直売所

【田中めぐみ】開店直後の朝9時、この日はあいにくの冷たい雨で品出しが遅れているとのこと。にもかかわらず、来店者は途切れることがない。今回はJAつくば市桜農産物直売所を訪れた。産直課の小岩勇太さんによると、今年で開店25周年を迎えるという。直売所ブームが起こる前から地域に親しまれてきた店舗だそうだ。つくばセンターから車で10分弱という立地もあり、研究学園地区からの来店者も多いという。 店内に入り真っ先に目につくのがみずみずしい葉物野菜。11月から暖かい日が続いたため生長がよく、値段も安くなった。生産者の市村典子さんがちょうど品出ししていたのはサラダほうれん草にレッドマスタード、サラダからし菜、ルッコラ、ワサビ菜の5種類が入ったサラダセットだ。葉の種類は手書きで丁寧に書かれている。ベビーリーフのセットはよくスーパーで見かけるが、このように大きく生育し茎まで付いたセットは珍しい。そう思って市村さんに聞くと「ベビーリーフだとひとつひとつの香り、味わいが少ないので、もっとしっかり野菜を味わってほしいと思いこのセットを作ったんです」と話してくれた。野菜ソムリエの資格を持っているという。 店内を回り、さらに市村さんが薦めてくれたのは、葉付きの立派な大根。この日はなんと1本50円から100円だった。繊維の多い皮はきんぴらにするとおいしく、中はおでんや煮物に、葉は下ゆでして冷凍し汁物の具や炒め物にと余すところなく味わえるとのこと。色とりどりのパプリカも肉厚で甘くお薦めという。緑のパプリカを追熟させたものが赤や黄色のパプリカなのだそうだ。 サツマイモの人気品種の「紅はるか」は水分が多く糖度が高いので干し芋や焼き芋に向いているという。もし、てんぷらにしたいのなら「紅はるか」ではなくほっこりとした「紅あずま」を薦めるという市村さん。とにかくその知識の豊富さに舌を巻く。品出しの時、運よく市村さんに会うことができたなら、ぜひ相談してみてほしい。その日の献立にぴったりの品種を教えてくれるそうだ。 「どうも」と笑顔で挨拶しながら入店してきたのは、常連客の吉田和夫さん(71)。「ここは自分の家みたいなもの。自分の好みのものを好きに買って顔見知りにあいさつをする、それが元気の秘訣かな」と話す。吉田さんのお気に入りはつくば美豚の切り落としや豚白もつ。「もつはネギとショウガ、ニンニクを入れて漬け込み、日本酒を入れて炒めるのが最高だよ」と教えてくれた。寒い朝だったが、市村さんの野菜への熱い思いに丁寧なアドバイス、吉田さんの明るい笑顔に心がほっこりとあたたまる、そんな直売所巡りだった。 JAつくば市 桜農産物直売所 住所▽つくば市古来1608-1 電話▽029-867-8290 営業時間▽午前9時~午後6時 定休日▽水曜日・お盆・年末年始  

【直売所めぐり】3 固定ファンがつくお漬物 JA谷田部「野っ食べ」

【田中めぐみ】JAつくば市谷田部の農産物直売所「野っ食べ(やったべ)」を訪れた。5年ほど前にリフォームしたという新しくきれいな店舗だ。店長の埜口祐(のぐち・ゆう)さんのこの日のお勧めはおしゃれな赤ネギ。葉は緑、中間部は白、根元が鮮やかな赤色で、まるでイタリアの国旗のようでもある。普通のネギと同じように加熱すると甘く、生で薬味にもいいという。焼いた油揚げに刻んで乗せて食べるのが店長さんのお気に入り。この日は赤ネギだけでなく新鮮な長ネギもたくさん並んでいた。冬の時期鍋物には欠かせない売れ筋の一つだ。 品出しした瞬間からカートに入れられ、次々と買われているサツマイモがあった。「シルクスイート」という品種だ。品出しをしていたのは生産者の室町吉子さん。サツマイモに目がない記者は「安納芋」や「紅はるか」をケース買いすることもあるほどだが、この品種は見たことがない。室町さんによると外はしっとり、中はホクホクという今注目の品種だそうで、かなりの人気だという。焼き芋には最適とのこと。これは絶対買うしかない。値段も3本入って300円と格安だ。小ぶりの物や傷の付いたものだと100円のラベルが貼ってあるものまであった。「安いねえ」とお客さんも思わずにっこり。「あんまり傷は関係ないもんねえ」と室町さん。てらいのないやり取りが直売所の醍醐味(だいごみ)だ。 加工品のコーナーにはおいしそうな五目おこわが並べられた。作ったのはJA女性部の岡野たか子さんら6人。もち米を業務用のふかし器で高圧でふかして作るので、ふっくらもちもちになるそうだ。具は別で味付けし、ご飯と合わせるこだわりでおいしいと評判。火曜日と金曜日しか作っていない。ちょうど買うことができてラッキーだった。 谷田部直売所で人気を集めているものの一つがお漬物だという。中でも高野愛子さんと、「シルクスイート」の生産者でもある室町吉子さんの作るお漬物はそれぞれに固定ファンが付くほどだそう。お客さんたちはラベルの加工者名を見て買って行き、いつも売り切れてしまうという。白菜やからし菜のお漬物も作るそうだが、この日並んだのは大根の麹漬け。やはり並んだ先から売れていく。大根を塩漬けしてから麹漬けにするという手間がかかるため、漬かるのに15日かかるそうだ。高野さんと室町さんのお漬物をぜいたくにも食べ比べてみた。微妙に塩梅(あんばい)が異なり、これは確かに好みの分かれるところ。どちらも後を引き、いくらでも食べられてしまった。 ◆今月29日(土)と30日(日)には年末セールが開催され、大鍋で作ったけんちん汁を無料サービスするという。おせち料理の材料を買いに「野っ食べ」を訪れてみるのもよさそうだ。 JAつくば市谷田部 農産物直売所「野っ食べ」 住所▽つくば市谷田部2074-1 電話▽029-836-4101 営業時間▽午前9時30分~午後6時(4月~9月) 午前9時30分~午後5時半(10月~3月) 定休日▽1月1~3日

【直売所めぐり】2 栗、新米、新レンコン…秋の味覚が勢ぞろい JA土浦さんふれ新治店

【田中めぐみ】朝晩が涼しく感じられるようになると食欲もわいてくる。地場産の秋の味覚を探しに、今回はJA土浦農産物直売所「サンフレッシュ(さんふれ)新治店」を訪れた。 常磐道土浦北インターから国道125号線を西へおよそ3㌔、新治庁舎南交差点の角にある。6店舗あるJA土浦直売所のうち最も大きい店舗だ。 午前9時、お店に到着すると、開店前だというのに待ちきれないお客さんたちが店内に入っていく。商品を品定めするお客さんと、搬入、陳列するスタッフとが入り乱れ、朝の店内は慌ただしく活気づいている。 入り口でまず目についたのは早生栗だ。大粒が40個以上入って値段も300円からと手頃。来店者はみな足を止め「あら、栗が出ている」と手に取る。思わず互いに顔を見合わせ笑顔がこぼれた。「こっちの方が粒ぞろいよ」、「傷があるけどこっちのが安いよ」。農産物を間に、偶然居合わせたお客さん同士で会話が弾むのも直売所の楽しさだ。 店を入って右手のケースには新米が並べられていた。毎年秋の新米を心待ちにしている人も多いだろう。同店では9月の2週目の日曜に、1袋30㎏の新米が30袋売れたという。今年は例年より少し値段が安いそうだ。欲しい分量を伝えると、スタッフが精米して袋詰めしてくれる。その都度精米してくれるので鮮度は最高だ。もちろん玄米のまま買うこともできる。 色白な新レンコンは今ぜひ食べてほしい野菜の一つだ。店長の北泉正男さんのお勧めは、油で炒めて塩コショウするだけの調理法。この時期のれんこんはみずみずしく柔らかい。短時間で炒めることでシャキシャキした食感が損なわず、シンプルな味付けが新鮮なれんこんの甘みをひきたてる。 新治産のぶどうも人気で、様々な品種が並んでいた。お客さんたちは思い思いに好みの品種のぶどうを手に取っていく。巨峰やピオーネは今がまさに旬。特に種なしで食べやすく糖度の高いピオーネは人気だそうだ。どのぶどうもつやつやと光り輝いている。 9月が旬の梨の品種、豊水もずらりと並ぶ。豊水は甘みと酸味のバランスがよく、上品な味わいだ。日持ちもするが、ぜひ新鮮なうちに味わってほしい。 店内には「そば処まほら庵」というそば屋がある。ここは平日でも開店前から行列ができるという人気店で、安くておいしいおそばが食べられると評判だ。常陸秋そばのそば粉を使用しており、お店の入り口ではそば粉を売っているので、買って帰ることもできる。「まほら庵」は開店前の時間で、残念ながらそばを食べることはできなかったが、次は必ず買い物ついでにおそばを食べよう、と思いながら帰途についた。 サンフレッシュ新治店 住所▽土浦市藤沢514-1 電話▽029-862-3573 駐車台数▽60台 観光バス用3台 営業時間▽午前9時30分~午後6時(4月~9月)、午前9時30分~午後5時30分(10月~3月) 定休日▽無休(ただしお盆・年末年始は休み)

【直売所めぐり】1 地産野菜で夏バテ知らず JA土浦さんふれ土浦店

【田中めぐみ】地元の直売所巡りが好きだ。記者は四国の出身で、子どもの頃、右も左も青々とした田んぼの道を行くと、野菜の無人販売所をあちらこちらに見つけることができた。何でもあるスーパーとは違い、せっかく買いに行ったのに棚には何一つ置いていない時もある。日ごとに微妙に変わる品揃えにも興味津々だった。大人になっても直売所に行くとなぜかあの頃のわくわくした気持ちがよみがえる。土浦、つくばの直売所をめぐり、茨城の地産野菜の魅力をお勧めの食べ方などを交えて紹介する。 つくばセンターから車で土浦学園線を東に進み10分弱。JA土浦農産物直売所サンフレッシュ土浦(土浦市粕毛)の朝の店内にはみずみずしい夏野菜が色とりどりに並ぶ。計6店舗あるJA土浦の直売所第1号店。アットホームな雰囲気で、ベテラン店員に食べ方を聞きながら買い物できるのも魅力だ。 この時期、近隣の生産者およそ20人が丹精込めて栽培し、収穫したばかりの夏野菜約15種類のほか、JA女性部のメンバー約15人が手作りしたみそなどの加工品が並んでいる。特におすすめの夏野菜がカボチャ、枝豆、トマト、トウモロコシなどだという。 女性客に人気なのが「ほっこりえびすかぼちゃ」だ。ビタミン、ミネラルが豊富で、ほっこりとして風味豊かな甘さがある。店員の酒井洋子さんのお勧めはかぼちゃの本来の味を楽しめる煮物。一口大に切ったあと砂糖をまぶし、すこし置くとかぼちゃの水分が出てくる。それに顆粒だしをパラパラ、酒ひと回し、みりんひと回し、塩をお好みで入れ、蓋をしてとろ火で煮る。記者も作ってみたところ、まったく水を入れなくてもかぼちゃ自体の水分で煮上がり、出来上がりはホックホク。もちろん、しっとりがお好みの場合は水を加えて煮てもよい。できあがった煮物を冷蔵庫で冷やしていただくのも美味だ。同店では4分の1カットも売っているので少しだけ食べたい時にも買いやすい。 枝豆も今が旬だ。特に「おつな姫」は香りのよい品種で8月半ばくらいまで出回るという。枝豆はタンパク質や鉄分が豊富なので、疲労回復にも最適だ。さやの両端をハサミでカットし、塩でもみ4~5分ゆでて、ざるにあける。ゆでたての枝豆の芳醇な香りと甘み、塩気に手が止まらない。もう2袋は買っておくべきだったと後悔した。ビールのお供にはもちろん、子どものおやつにもいい。 同店のトマトは太陽の光をたっぷり浴びて育った露地栽培だ。熟してからもぎ取るので、収穫後に追熟した普通のトマトよりも栄養分が豊富なのが特徴だ。記者のお勧めは、カットしたトマトにモッツァレラチーズを添え、オリーブオイルをかけて食べるカプレーゼ。甘み、旨味が強いトマトなので、シンプルな味付けで食べるのがいい。同じ品種でも生産者によって味が違うそうだ。ラベルに表示されている名前を見て食べ比べ、お気に入りの生産者さんを見つけて「生産者買い」できるのも直売所ならではの醍醐味だ。 トウモロコシも今が旬。この日はクリスピーホワイトとゴールドラッシュが陳列されていた。午後に行くと品切れになることもあるという。旬のトウモロコシには缶詰や冷凍のコーンにはないフレッシュなおいしさがある。弾けるみずみずしさと風味の良い甘さが特徴。皮付きのままラップし、レンジで1~2分チンするだけですぐに食べられる。人目を気にせず、家で豪快にかぶりつきたい。 お盆に帰省する際の手土産を聞くと、「れんこん黒糖バウムクーヘン」と店長の菊田豊さん。土浦の特産品であるれんこんのパウダーを使っていて珍しい。れんこんもバウムクーヘンも縁起が良く、贈り物に最適だ。カットされた個包装のものも売っているので、自宅用のちょっとしたおやつにもいい。 サンフレッシュ土浦店 住所▽土浦市粕毛705-2 電話▽029-821-4826 駐車台数▽15台(予備駐車場有) 営業時間▽午前9時30~午後6時(4~9月)、午前9時30分~午後5時30分(10~3月) 定休日▽無休(ただしお盆・年末年始は休み)

ライター紹介

編集部・ライター NEWSつくばのライターは以下の通りです。 鈴木宏子 元常陽新聞記者 3年半で2回、勤めていた常陽新聞の休刊を経験しました。理不尽としか言いようがない体験でした。不運にもめげす、元同僚たちと新しい地域メディアを立ち上げました。常陽新聞は大切な地域資源の一つなのに、経営上の判断だけでなくなってしまうのは悔しい、他のやり方はなかったのかを探りたかったからです。 折しも米国では、IT技術の進展や格差拡大を背景に地方紙が次々と廃刊に見舞われる中、元記者らが調査報道機関を立ち上げるなど新しい時代を切り開いていました。日本国内でも各地で新しいウェブメディアが次々と誕生しています。 スタートとして私たちは、わずかな資金ででき、たくさんの人に読んでもらえるウェブメディアを立ち上げました。ボランティアで取材し、地域で何が起きているのかを拾い上げ、発信していきます。高齢化、人口減少、格差拡大など地域はさまざまな問題にあふれています。地域の課題について皆で議論し解決方法を考える場となり、人と人が結びつき力を合わせて新しい何かを生み出す場となって、地域メディアに何ができるか、可能性を探りたいと思います。 将来は市民記者を育成し、たくさんの市民が自ら発信する場となることを願っています。日刊紙の発行は無理でも、月1回や週1回、地区ごとに地域の課題と向き合う新聞を発行したり、政治家や市民が顔を合わせて議論し新しい政策を生み出す政治カフェをつくったり、70年の歴史がある常陽新聞のアーカイブをつくろうという構想もあります。焦らず一歩一歩積み上げていきます。 NEWSつくばの創設にあたって、元同僚たちとは、休刊直後の今年4月から毎週1回、勉強会や準備を重ねてきました。筑波学院大学の支援ほか、多くの元読者の方々の励ましがありました。支援を約束してくださった実業家の方もおりました。感謝に堪えません。 【すずき・ひろこ】1963年生まれ。水戸市出身。常陽新聞記者としてごみ焼却場のダイオキシン問題、東海村JCO臨界事故の周辺住民の中性子被ばく問題、つくば市の回らない風車問題などを取材。2013年8月と17年3月の常陽新聞休刊を経験した。 ➡鈴木宏子記者の過去記事はこちら 橋立多美 元常陽新聞記者  美しく凛とした言葉を紡いだ詩人・茨木のり子(1926-2006)が好きだ。中でも「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」と綴った『自分の感受性くらい』に背中をどやされた気がした。縁あって元常陽新聞を経てNEWSつくばに在籍しているが、メディアの片隅にいる者として地域住民が共感してくれる社会の壁を提示できるか、に思い悩む。壁を明らかにするのは自分の感性のみで教科書もノウハウもない。ただ『自分の感受性くらい』が元気づけてくれる。また地域住民の生活を潤し、「心の杖」となる記事を発信していきたいと思う。 ➡橋立多美記者の過去記事はこちら 田中めぐみ あてどない散歩が心地よく野菜の直売所めぐりも楽しい、そんな茨城が大好きです。好きなことは料理、ヨガ、古典を読むこと、デジタルイラストを描くこと。スキューバダイビングのライセンスを持っていて時々潜りに行きます。地方行政、教育、医療、労働問題などに興味があります。 ➡田中めぐみ記者の過去記事はこちら       榎田智司 1956年生まれ。東京都立北野高校、駒澤大学経営学部経営学科卒。筑波山麓(つくば市臼井)に生まれ、3歳で上京。杉並区を経て、足立区、北区と移り、小学校から大学にかけては北区王子で育ちました。同級生は北区と板橋区です。東京育ちといいながら、田舎の家もありましたので、行ったり来たりしています。同時代の東京と田舎を見てきたハイブリッドなのです。24歳で生家(つくば)に戻り、筑波アイ・シーを経て、新治村商工会(現土浦市新治商工会)へ37年間、つくば市商工会で2年間。地域に埋没してきました。仕事外は、フォーク、ロックを中心にバンド歴も53年。たくさんの楽器をこなし、オリジナル作品も作ります。1982年には、つくばを中心としたSFファンの集まり「SFステーションつくば」を結成、今も続いています。活字は、社内報、同人誌、メルマガ、SNSとあらゆる時代に関わりました。特に、筑波山麓情報誌「すそみろく」に10年近く参加しています。質はともかく書いて書いて書きまくります。 ➡榎田智司記者の過去記事はこちら 戸田さつき 元常陽新聞記者 茨城県土浦市生まれ。東洋大学経営学部卒業。民間研究所、製薬会社などで品質試験に従事。常陽新聞記者、広告代理店広告サイト管理を経て犬用具製造販売で起業。プライベートではペット地域サイト「てくてくつくば」を運営(今は活動停止中)。39歳、夫と犬2匹と暮らす。2017年第3回全国創業スクール選手権ベスト8。第1回とりでビジネスプランコンテスト最優秀賞。 ➡戸田さつき記者の過去記事はこちら 崎山勝功 元常陽新聞記者 18歳の頃に流通経済大学進学のため単身で茨城県龍ケ崎市に来て以来、20年以上に渡って同市在住。30歳で常陽新聞記者職に就いて以来、「市民の声、市民の目線」を大切に県南地域を中心に記事を書いてきた。 常陽新聞新社時代は連載企画「おれたち働きたいんだ ルポ・年越し派遣村」や布川事件再審をはじめ、選挙や市政などを担当。 常陽新聞(株)では「ご当地メシ決定戦2014」に出場した龍ケ崎コロッケの全国優勝や、土浦市の心臓病男児への心臓移植募金活動を取材したほか、警察、裁判所、スポーツなど幅広く担当。 【さきやま・かつのり】1976年岩手県宮古市生まれ。岩手県立宮古高校、流通経済大学卒業後、広告代理店社員、無料情報誌編集部員などを経て、2007年常陽新聞新社(当時)に契約社員として入社。08年報道部記者として正社員登用。13年常陽新聞株式会社の創立に参加し、17年3月まで編集制作局記者として活躍。現在は「週刊金曜日」「よみうりMOVEダイジェスト」などに寄稿。 ➡崎山勝功記者の過去記事はこちら 伊達康 中学軟式野球部出身で学生野球は大学まで経験。社会人軟式野球を引退後はプレーする側から見る側へ転身し、精力的に球場へ足を運んでいる。好きなカテゴリーは高校野球と中学野球。雑誌「野球太郎」や高校野球ドットコムなどに寄稿している。 ➡伊達康記者の過去記事はこちら 伊藤悦子 神戸市生まれ、東京育ち。麻布大学獣医学部環境畜産学科(現:動物応用科学科)卒。縁あって都内から茨城県土浦市に茶トラ猫と共に引っ越してきました。たくさんの人に出会い、そして「読んでよかった」と心に残る記事を書いていきたいと思っています。 音楽が大好きで土浦・つくば・守谷周辺と都内でバンド活動をしています。担当はキーボード。普段はペットのことを中心に執筆するライターです。俳人「水田悦子」としても活動中。食べることと飲むことと散歩が趣味。 ➡伊藤悦子記者の過去記事はこちら 鈴木萬里子 元常陽新聞記者 常陽新聞では主に文化面を担当していました。各ギャラリーでの展覧会や音楽会は私にとって趣味の範ちゅうである上に、重圧はあるものの取材する特典まで与えられた至福の時間でもありました。新聞が休刊した後に訪れたそれらの催事は、取材から解放されこそすれ物足りなさも感じていました。今回NEWSつくばの発足に加わり、私の興味ある分野を再び取材できる!と今は少々興奮気味でいます。 私は子どもの頃からの活字オタクで目の病気をするまで年間300冊は本を読んでいましたし、今でも活字を読まないと落ち着きません。なのに息子は活字を読んだのは受験の時だけ、二児の父親となった今でも本は読まず新聞購読もしていません。情報は全てネットから得ているようです。これが息子を含め今の若い人の平均的な姿なのだと思います。情報発信の媒体は紙からネットに変わるのも時代のすう勢なのだと感じています。ページをめくる楽しさは手軽に読める電子媒体に替わったけれど、情報を発信する側の熱意は変わりません。これからも熱く、でも冷静に取材し発信していきたいと思います。 ➡鈴木萬里子記者の過去記事はこちら 米内隆 元常陽新聞編集委員 元朝日新聞記者 全国紙、地方紙、地域紙で通算35年間、記者や編集者をしてきました。紙の世界しか知りませんが、媒体は違っても、記者としてニュースを掘り起こし、記事にして発信する作業自体は変わらないと思います。初めからうまくいくとは毛頭、考えていません。大事なのは、ニュースを発信したいと思う人たちがいて、実際に発信する環境を整え、発信していくこと。拙速であっても、まず始めていきたい、という他の記者たちと意を同じくしました。 岩手県盛岡市出身。これまで、岩手県北上市→青森県八戸市→福島県福島市→岩手県東磐井郡大東町→宮城県仙台市→岩手県一関市→茨城県水戸市→静岡県浜松市→秋田県能代市→東京都府中市→千葉県浦安市→富山県富山市→茨城県水戸市(2回目)→千葉県浦安市(2回目)→北海道札幌市→東京都江東区→茨城県つくば市で暮らしてきました。茨城県には深い愛着があります。八戸市では十勝沖地震(震度5)、仙台市では宮城県沖地震(同)を体験しました。 子どものころからの憧れだったバスを運転したい、という思いから最上級の大型自動車第二種運転免許を取得すべく、土浦自動車学校をこのほど卒業しました。 いつか運転の仕事をしたいとひそかに夢見る57歳です。(よない・たかし) ➡米内隆記者の過去記事はこちら 梅山鉄平 あちこちで新聞記者を続けて10年以上。かつて新人だった僕を温かく迎えてくれたのが茨城県。不思議な縁で再び携わることができ、うれしいです。普段は都内で仕事をしているので、取材は土日が中心。都民の目線から、魅力を再発見してもらえるような記事を書きたいなあと模索中。ふらっとアポなしで出没することが多いですが、温かく対応いただけるとうれしいです。読者の皆様の反応も踏まえながら、一緒に面白い地域メディアを作れたらなあと思っています。 大阪出身でユーモアを交えた会話が大好き。得意ジャンルは酒、旅行、温泉、自転車、野球、教育など。好奇心旺盛で世の中のあらゆる事象に興味があり、あれこれ考えるのが好きです。 山口和紀 筑波大学人間学群障害科学類4年。新潟生まれ、新潟育ち、筑波大入学からつくば市。介助者のアルバイトをしています。趣味はギターと洋裁(ボトムスにしか興味ないです)、読書(人類学、障害学、運動史分野が好きです)。 ➡山口和紀記者の過去記事はこちら <!-- 谷島英里子 スタッフライター 常陽新聞記者を経て、NEWSつくばスタッフライターとして活動中。インターネット放送Vチャンネルいばらき「NEWSつくばチャンネル」キャスター、ラヂオつくば「つくばYou've got 84.2(発信chu)!」NEWSつくばのコーナーを担当しています。土浦市にある神立商工振興会に所属し、常任理事として神立の活性化に務めています。 フリーでは、不動産会社の広報のほか、フリーペーパーや企業パンフレットでの人物紹介記事。また、飲食商品説明の文章作成などを行っています。好きなことは音楽、詞を書くこと、ハローキティグッズ集め。20代、茨城県出身。 ➡谷島英里子記者の過去記事はこちら --> 川澄萌野 茨城町生まれのオーボエ奏者。趣味は料理、アコーディオンの演奏。2021年、結婚を機につくばに移ったばかり。昔から作文が好きな子どもだった。音楽活動休業中に、「ねとらぼ」「ダ・ヴィンチニュース」など、主にwebを中心にライターとして生活しながら、現代詩や短歌を書きためては発表していた。活動再開してからは、自らが主催するコンサートでポエトリーリーディングも行っている。特に愛してやまない作曲家はバッハで、バロックオーボエの演奏も大好き。気のいい音楽家がたくさん暮らしているつくばの街が気に入っていて、もっと市民の身近に音楽を届けたいと、いつも考えている。 ➡川澄萌野記者の過去記事はこちら 鹿野幹男 茨城県日立市出身。大学卒業後、朝日新聞社に入社して四半世紀近く、記者を続けてきました。昨年4月に転勤となり、本社内の子会社で内勤の庶務業務をしております。会社に在職しながらNEWSつくばのライターとして、ときどき発信いたします。小学生と幼稚園に通う2人の息子の父親です。これといって専門分野はありませんが、最近は教育や子育て、福祉に関心があります。 ➡鹿野幹男記者の過去記事はこちら

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