土曜日, 5月 24, 2025
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ひな祭り 十二単が市民魅了 土浦

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平安貴族の装束を再現した着装実演=土浦市大和町の市民ギャラリー

【谷島英里子】ひな祭りの3日、土浦市大和町の市民ギャラリーで、平安貴族の装束が再現された。女性の十二単(ひとえ)、男性の束帯(そくたい)が披露され、訪れた市民約50人がみやびの美しさに魅了されていた。

着装では、着付けの高い技術をもつ衣紋者が2人がかりで、和装の下着の一つ、襦袢(じゅばん)から着物を重ねていく技術を実演した。解説をした東京大学大学院非常勤講師の杉山恵美さんは「十二単は16キロある。衣を1枚着るごとに、前に留めたひもを抜くので、ひも1本で着せている」「束帯の男性が手に持つ笏(しゃく)は備忘録用のメモ書きとして使われた」などと説明した。着付けは約30分ほどで完了し、市民らは華麗な姿に何度もシャッターを切っていた。

この企画は同市桜町、美容室「すがた」会長の木村恵子さん(74)が和の伝統文化を継承したいという思いから「土浦の雛まつり」の協賛企画として毎年開催している。

モデルを務めたいずれも大学生の栗木みどりさん(21)は「想像以上に重かったが、ひな祭り当日に女性の憧れである十二単が着られてとてもうれしかった」。光本泰知さんは(22)は「近くでみると衣の模様がきれいで驚いた。束帯に触れて歴史を感じました」と話していた。

平安装束の十二単と束帯=同

➡今年の「土浦の雛まつり」の記事はこちら

日本初 クルーザーでグランピング体験を 霞ケ浦

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開所式であいさつする五頭英明社長。後ろの2隻がグランピングボート=ラクスマリーナ

【鈴木宏子】霞ケ浦に開けた土浦港のラクスマリーナ(土浦市川口、社長・五頭英明副市長)に1日、クルーザーでぜいたくな宿泊体験ができる日本初の「グランピングボート」がお目見えした。4月から宿泊できる。

桟橋に係留された大型モーターボートに宿泊したり、船上パーティーを開いたりできる。航行しない状態のためボートやヨットの所有者でなくても、船舶操縦免許がなくても利用可能だ。

グランピングはグラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語で、テントを張ったりしないで済む快適空間でのキャンプスタイル。秋元昭臣専務は「波の音を聞きながら、夜には湖面を流れる月の光やきらめく土浦の街を楽しみ、翌朝は日の出と静かに羽を休める水鳥を見るなど、非日常的な空間を楽しんでいただければ」と話し、「水辺に来て霞ケ浦を知ってもらうきっかけになれば」と来場を呼び掛ける。

宿泊や船上パーティーなどが体験できるグランピングボート。手前が4~5人用、奥が5~6人用=同
ラウンジとベッドがあり、調理器、冷蔵庫などが装備された5~6人用大型モーターボートのキャビン=同

同マリーナは2016年にキャンプ場やバーベキュー施設を開設。利用者から「雨の日や風が強い日に宿泊できるところがほしい」と要望があった。同マリーナには、ベッドやシャワー、調理器、冷蔵庫などが装備されているボートやヨットがあることから、宿泊施設として活用する。

5~6人が宿泊できる全長約8.8メートルの大型艇1隻(面積17平方メートル)と、4~5人用の全長約8.2メートルの2隻(面積各16平方メートル)の計3隻が利用できる。将来はヨットでも宿泊できるようにする。

食事は、料理を持ち込んだり、キャンプ場でバーベキューをしたり、ビザなどの宅配を注文したりできる。食材を持ち込んで簡単な調理をすることもできる。クラブハウスのシャワーや風呂も利用できる。

1日は開所式が催され、関係者にグランピングボートがお披露目された。日本海洋レジャー安全・振興協会関東事務所の杉山裕子さんは「キャンピングを水上に持ち込んでの企画は、国内で未開発なので期待している」と語っていた。

ほかに1棟3人が宿泊できる移動可能なトレーラーハウス(面積10平方メートル)も新たにお披露目された。

◆利用料金(税別)は▽グランピングボート1隻1泊1万5000円(7~9月は2万円)=飲食や寝具などの持ち込みが必要=▽夕食(バーベキュー)と寝具付きの場合、5~6人用ボートが1人8000円(7~9月は1万円)、4~5人用が同6000円(同8000円)▽トレーラーハウス(3人用)は1棟1泊8000円(7~9月は1万円)、夕食と寝具付は1人6500円。申し込み・問い合わせは電話029-822-2437(ラクスマリーナ)

体操の宮地秀享選手(筑波大) 市長にW杯優勝を報告 東京五輪へ自信

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五十嵐立青市長を表敬訪問する宮地秀享選手(左)=つくば市役所

【鈴木宏子】体操の種目別ワールドカップ(W杯)メルボルン大会(2月21~24日開催)男子鉄棒で優勝した宮地秀享(みやち・ひでたか)選手(24)=筑波大大学院=が28日、つくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長に優勝を報告した。同大会は2020東京五輪の日本代表選考競技会の一つ。五輪出場に向け、大きなはずみをつけた。

宮地選手は「ぎりぎりの戦いだったので結果が出てうれしかった。去年も優勝し相性がいい大会。しっかり自分の演技ができた」と大会を振り返った。「去年の春は勝てるか分からなかったが、7月(の全日本体操種目別選手権男子鉄棒で)優勝し自信になった。今回は自信を持って(東京五輪出場決定まで)50%ぐらいまできたと思う」と話した。

3月はバクー大会(アゼルバイジャン)、ドーハ大会(カタール)と続くW杯に出場し優勝を目指す。「連戦なのでけががないようにしたい。五輪が夢ではなく目の前にきた。死に物狂いで練習、試合をこなし、夢をかなえられるようがんばりたい」と決意を述べた。

五十嵐市長は「すばらしい結果。この勢いを次の大会でも維持し一気に五輪出場を決めてもらいたい。市としても全力で応援したい」とエールを送った。

宮地選手は愛知県出身。茗渓クラブ所属。17年10月の世界選手権・種目別鉄棒で世界最高難度の技、伸身コバチ2回ひねりを初めて決め、技名が「ミヤチ」と付けられた。

夢工房オーナーの塚田幸子さん 8カ月ぶりギャラリー再開 古城の村の写真展

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旅先のポルトガル・マルヴァオンで撮影した写真を展示する塚田幸子さん=つくば市豊里の杜、カフェ&ギャラリー夢工房

【鈴木宏子】つくば市豊里の杜、カフェ&ギャラリー「夢工房」のオーナー、塚田幸子さん(72)が、ポルトガルを旅して撮影した写真展を27日から開いている。昨年7月以降閉めていたギャラリーを8カ月ぶりに再開、「これから皆で楽しめる場所にしたい」と、自身が撮影した楽しい写真を展示したという。

「塚田幸子写真展-ジャカランタの花咲く頃~ポルトガル」で、2017年5月、塚田さんがスペインとの国境に近いポルトガルの小さな村マルヴァオンを、日本の桜の季節を重ねながら旅した思い出の写真だ。

白い壁の家が連なる絵画のような街並み、9世紀に建てられた古城で互いに見つめ合う恋人たち、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系などさまざまな人たちが交わる通り、歩道でゆっくり寝そべる犬など、半切サイズ(35×43センチ)の写真34点が展示されている。

塚田さんの写真を見る来場者=同

塚田さんは桜川市在住。子育てが一段落した20年ほど前、写真を習い始めた。現在「日本リアリズム写真集団」(英伸三代表)に所属し、2011年と15年にはバングラディシュを旅した写真展を東京とつくばで開いた。夢工房は2015年にオープンした。

ポルトガルへは、写真家仲間で現在、東日本大震災後の福島に通い写真を撮り続けている菊池和子さんの案内で旅したという。

来場した桜川市の女性は「構図が絵のようですごい」と話していた。塚田さんは「マルヴァオンの街中を歩きながら撮ったスナップ写真。街の匂いを伝えられたら」と語る。

会場には笠間市在住の陶人形作家、永島君江さんの陶器のひな人形など約40点も展示されている。

◆同展は3月8日(金)まで。開館時間は午前10時30分~午後4時30分。3日(日)午後2時からは筑西市のアンサンブルグループ、ティタイムによる演奏会が開かれる。4日(月)は休館。最終日は午後2時まで。問い合わせは電話090-4676-9623(夢工房)。

伝説の音職人・行方洋一さん 日本ポップス録音史つづる

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著書を手に行方洋一さん=コーヒー & ジャズ「ノーチラスカフェ」(阿見町)で

【田中めぐみ】土浦市在住の行方洋一さんが書いた「音職人・行方洋一の仕事 伝説のエンジニアが語る日本ポップス録音史」(DU BOOKS、税別2200円)。昨年8月に出版され、話題を呼んでいる。名盤といわれるレコードの制作秘話が満載の自伝的な一冊だ。日本のポップス史を、録音技術の進化の過程やエンジニアの労働環境という観点からもうかがい知ることができる。

行方さんは1943年生まれ。元の東芝音楽工業(後の東芝EMI)のレコーディング・エンジニアでオーディオ評論家。坂本九「見上げてごらん夜の星を」や弘田三枝子「私のベイビー」、欧陽菲菲「雨の御堂筋」、ザ・ドリフターズ「ドリフのズンドコ節」など、数多くの有名ミュージシャンたちの楽曲録音から、テレビアニメ「サザエさん」の主題歌、蒸気機関車の音などの野外録音まで、様々な作品を手掛けてきた。川口真や筒美京平ら、よく知られた作編曲家からの信頼も集め、「伝説のエンジニア」と称されている。

本の中には、秘密主義で閉鎖的だったレコード会社の気風を壊し、エンジニア同士のコミュニケーションを活発にするため、他社の同業者たちと「音屋会」(現在の「日本レコーディングエンジニア協会」)を発足した経緯も書かれている。当時エンジニアの名前はレコードに記載されていなかった。エンジニアの地位向上を目指し、行方さんら「音屋会」が名前の記載を求めて働きかけた結果、名前が記載されるようになった。

記録媒体がレコードからCDに移り変わるなか、録音の仕方も変化したという行方さん。レコード録音の場合は音が圧縮されるため自然と丸みのある柔らかい音になるが、CDだと音圧レベルを下げる調整が必要だと話す。

「死ぬまで現役エンジニアでいたい」という言葉通り、現在でも毎日何かを作っている。野外録音にも取り組む。対象は、鳥の声や陸上自衛隊の実弾射撃の音、台湾を走る日本製の古い蒸気機関車の音、飛行機の離着陸の音など幅広い。霞ケ浦に船で乗り出し、土浦全国花火競技大会の花火の音を取ったこともある。

大量のレコードに囲まれ録音機材が並ぶ行方さんの自宅作業場

「次の世代に引き継ぎたい」

後進の育成にも心を寄せる。都内で活躍するエンジニアの「弟子」が15人ほどおり、今でも月1回は集まりを開いて話をしたり、相談に乗ったりするという。また台湾にも4人の後継者が育ち活躍している。「音楽業界も昔より厳しくなった。1万枚か100万枚か、どのくらい売れるか予測ができないので、結局制作費を削られてしまう」と話す行方さん。音楽業界でエンジニアとして働く夢を持つ人に向け、「よい音楽に興味を持ってたくさん聞くことが大切。やりたいと思ったら年齢は関係なく、手を動かして作ってみるといい」とエールを送る。

録音技術を次の世代にも引き継ぎたいと、地域でも講演会やセミナー活動を行っており、3月23日にコーヒー& ジャズ「ノーチラスカフェ」(阿見町・土浦三高下)で開催の「『音屋』セミナー2 音職人・行方洋一の世界」に登場する。1月に開催したセミナーの2回目で、初心者から上級者まで楽しめる内容を予定している。

◆『音屋』セミナー2 音職人・行方洋一の世界 3月23日(土)午後7時から、阿見町阿見79コーヒー & ジャズ「ノーチラスカフェ」。参加費2000円(ソフトドリンク付き、税込み)。予約・問い合わせは同店(電話029-887-0375)。

【シルバー団地の挑戦】12 若い世代の参加が鍵 自治会存続に向け住民アンケート

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谷田川沿いの住宅団地・森の里

【橋立多美】超高齢化社会の今、高度成長期に建てられた住宅団地や大型の分譲マンションの住民が一斉に老い、自治会が岐路に立たされている。高齢化による活力の低下や加入者の減少、活動をけん引する役員の担い手と後継者不足などで継続が難しくなり、解散した自治会もある。また独り暮らし高齢者が増えたことで安否確認や空き家問題など、自治会は新たな課題に応じた活動に迫られている。

入居開始から40年、つくば市茎崎地区の森の里自治会は住民の2人に1人が高齢者という深刻な高齢化に直面している。昨年6月には「高齢化に伴う自治会運営等に関する検討委員会」を設置して打開策を探ることにした。委員は11人で構成され、佐藤文信さん(68)が委員長に就いた。

検討課題の解決には住民のニーズを知ることからと11月に会員全世帯(1067世帯)を対象にアンケート調査を実施した。調査は選択方式で回答する13の設問のほか、自由に意見を記載する欄を設けた。463世帯(43・4%)から回答を得て集計と分析を行い、年頭に「答申及び意見書」を自治会に提出。このほど同文書が住民に公表された。

文書は自治会運営の維持について、冒頭で街区委員(町内会では班長に相当)対策を揚げている。輪番制の街区委員が各部会に属する一方で、担当街区の会費や寄付金集めなどの役割まで担っているが、高齢で負担が増していることから軽減を提案。軽減されれば脱会の防止策にもなると記述する。同じように役員も役割の見直しと人員の削減を求めている。その他、体力を必要とする夏まつりの準備作業に外部組織を活用する案や、自治会活動を側面から支える自主的な住民組織「コミュニティー委員会」の検討などが盛り込まれた。

世代間を切れ目なくつなぐ活動を

委員たちの意見を集約した最終章の「課題の解決に向けて」では、高齢化対策の特効薬はないとしつつ、子育て中の若い世代を呼び込むことが自治会活性化の鍵を握ると述べる。時間はかかるが、空き家のリノベーションや空き地を利活用して子育て環境を整えることで、若い世代の入居を促そうとするものだ。

さらに「高齢者向けのイベントや事業が多い。子育て世代にも目を向けて」の意見が多く寄せられたこともあり、生活に密着した防災訓練など家族で参加できるイベントや活動の実行を提言。世代間を切れ目なくつなぐことで、住民間の交流と自治会本来の助け合いが生まれるとした上で、「高齢化対策はこの辺りからスタートしてはどうか」と結ばれている。

森の里自治会は3月24日に定期総会を開く。次年度自治会長に立候補して無投票当選が決まった現自治会長の倉本茂樹さん(76)は「2019年度の活動及び予算は、答申の中から実行に移せるものを(優先したい)と考えている。総会で会員の皆さんの理解を得たい」と話す。

調査をまとめた佐藤文信さんの話 意見書で触れたが、自治会の存続には若い世代との融合が欠かせないと思う。そのための仕掛けが重要で、ITを使いこなす若手に自治会の情報発信を任せるなど、時代に即した活動を展開することで人材の幅も広がる。また、多様化する住民の要望に応えるには女性たちの行動力がモノをいう。だが回答者が世帯主に偏り、潜在している女性たちの意見を拾い上げることができなかった。手だてを考えるべきだった。

➡【シルバー団地の挑戦】の過去記事はこちら

自転車でオフロードを疾走 茨城シクロクロス第4戦土浦ステージ

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通称「きのこの山」を自転車で越えようとする参加者たち=土浦市佐野子の市民運動広場

【崎山勝功】荒地や障壁などが設けられたコースをオフロード競技用自転車で走る「シクロクロス」=メモ参照=の大会が24日、土浦市佐野子の市民運動広場で開かれた。茨城シクロクロスつくば事務局などが主催する「2018―19茨城シクロクロス第4戦土浦ステージ」で、県内外から336人が参加、熱戦を繰り広げた。

大会では、参加者らが競技種目別ごとに分かれてオフロード用の自転車に乗り周回レースを実施。それぞれの種目で同公園内の舗装されていない土手や草地、小山などのコース(1周約2.1キロ。小学生向けは1周約1.2キロ)を走ってタイムを競った。

急斜面のコースに苦戦する子どもたち=同

参加者らは、コース内の通称「きのこの山」と呼ばれる小山を自転車で超えようとして転倒したり、コース内の柵を越えるために自転車を担ぐなど、ツーリングなど他の自転車レースとの違いに悪戦苦戦。コース内にはタイヤなどを交換する「ピットエリア」が設けられ、競技中にタイヤがパンクした選手が駆け込んできては、チーム仲間の助けを借りて交換を済ませレースに復帰するシーンなども見られた。

このうち19歳以上の上級者男性が参加する「C1の部」では、向山浩司さん(40)=東京都=が優勝した。向山さんはレース序盤出遅れたものの、中盤以降は追い上げて先頭に追いつき、激しい首位争いを演じた末に終盤で追い抜きゴールした。向山さんは「最後まで(レースを)やってゴールスプリントができた。(遅れを)挽回できて良かった」とレースを振り返った。

小学3~4年生向けの「CK2の部」で優勝した、小学4年生の山田駿太郎さん(10)=つくば市=は「(レース中に吹く)向かい風がきつかった。その分追い風が吹いたほうで頑張れたので楽しかった」と語った。

◆各部門の優勝者は次の通り。(敬称略)
【男性】▽C1向山浩司▽C2尾形尚紀▽C3古谷寛世▽C4A小川純平▽C4B篠原諒
【女性】▽CL1齋籐磨実▽CL2+CL3平野美穂
【男性マスターズ(40歳以上)】▽CM1石川正道▽CM2佐藤大▽CM3仲民善
【U17(17歳以下)】永野昇海 【U15(15歳以下)】大関宙 【CK3(小学5~6年生)】水上央渉 【CK2(小学3~4年生)】山田駿太郎 【CK1(小学1~2年生)】郷津輝

※メモ【シクロクロス】

1900年代にフランスで始まった不整地(オフロード)を走る自転車競技。1周が約2.5~3.5キロ前後の舗装・未舗装が入り混じるコースを周回する。 参加者は一斉にスタートを切り、1位の選手の周回タイムを参考に、一定の競技時間(30分~60分)に近くなる周回数が競技中に設定され、ゴール着順を競う。コースには柵などの人工の障壁が設けられ、必ず下車して自転車を担がなければならない区間が作られている。

 

宍塚小跡地活用決まる 土浦市新年度当初予算案

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2019年度当初予算案を発表する中川清市長=土浦市役所

【鈴木宏子】土浦市の中川清市長は22日、新年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3.8%増の約530億2000万円となる。2014年3月に廃校となった宍塚小学校跡地の活用方法が決まり、校舎を耐震改修し、現在、真鍋にある教育相談室を移転するほか、市内3カ所に分散保管されている公文書を移転・集約し公文書書庫とする。

主な事業は合併特例債を活用した市民会館の耐震化・大規模改造、新治庁舎跡地への学校給食センター建設など。いずれも老朽化施設の更新だ。市民会館の工事は合併特例債を使った最後の事業で、発行限度額を使い切るという。

中川市長は「合併特例債をめいっぱい使って投資した。最後が市民会館なので大事業をしっかり仕上げていきたい。返済の時期が今から来るわけで、しっかり財政を立て直していきたい」などと話した。予算編成当初は14億円の不足が見込まれたが、事業の見直しを徹底し不足額を圧縮したという。

一般会計は過去5番目の規模。過去最高だった2015年度以降、近年は3年連続で前年度を下回っていたが、増加に転じる。特別会計などを加えた総額は同1.0%増の約918億6000万円となる。

市民会館は来年5月リニューアルオープン

市民会館の19年度分は20億5000万円。今年1月から工事に着手し来年5月にリニューアルオープンする。給食センターは耐震基準を満たしていない第1、第2給食センターを統合して再整備する。昨年10月に着工、来年9月から使用開始予定。新年度分は約20億円。

ほかに、老朽化している衛生センター(同市佐野子)を建て替え、汚泥再生処理センターを建設する(約4億円)。し尿や浄化槽汚泥に加え、農村集落排水事業の汚泥を併せて処理し、助燃剤をつくる施設とする。完成は20年度末の予定。

ソフト事業では、保育士確保のための処遇改善策として、保育士1人当たりの給与補助額を昨年度の1万円から5000円引き上げて1万5000円(7100万円)とする。隣接のつくば市が1人3万円を助成していることが、周辺市町村の保育士確保に影響を与えているという。

小学校の統廃合では、上大津西小と菅谷小の暫定的な統合に向けた準備として120万円を計上する。

霞ケ浦の土浦港に隣接する川口2丁目の市有地に今年3月、サイクリング拠点「りんりんポート土浦」が完成する。開発計画が頓挫(とんざ)し、2010年に市がデベロッパーから取得した広場の一部で、残り約3.9ヘクタールの市有地の活用についても1000万円を計上し、民間事業者を誘致した観光拠点の整備などを検討する。

歳入は、景気回復などの影響で法人市民税4.7%増を見込む。一方、市民会館や給食センター工事費などの財源不足を補うため、財政調整基金などを総額9億7000万円取り崩す。借金の残高は2019年度末で1030億円になる見込みだ。

入院患者2人がはしかに二次感染 筑波メディカルセンター

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筑波メディカルセンター病院

【鈴木宏子】筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保、軸屋智昭院長)と県疾病対策課は21日、入院したつくば市在住の外国籍の男児(幼児)がはしかと分かり、同室だったつくばみらい市の男児(幼児)と土浦市の10代女性が二次感染したと発表した。

同センターによると、つくば市の男児は1月末に母国から帰国後、発熱し、1月31日と2月4日につくば市内の別の診療所を受診した。それぞれインフルエンザ、肺炎と診断を受け、4日に同センターに入院した。その後、発疹が出てはしかと分かり、10日に個室に隔離となった。

同センターが4日から10日に院内で男児に接触した可能性がある患者や面会者、職員など計340人を調査した結果、21日、2人が新たに感染していることが分かった。接触者には緊急ワクチンなどの接種や健康調査を実施しているという。

つくば市の男児は現在回復した。二次感染が分かった2人はいずれも自宅療養しており、快方に向かっているという。

県疾病対策課の発表によると、県内でのはしか患者は今年に入って5人目。2012年以降、最多となっている。

はしかは潜伏期間が約10~12日間、最大21日間。県は、はしかは有効な治療方法がなく、予防する唯一の手段はワクチン接種だとして、予防接種を呼び掛けている。

土浦一、水戸一など10校が中高一貫に 県が県立高校改革プラン

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2021年4月から併設型中高一貫校となる県立土浦一高=土浦市真鍋

【鈴木宏子】県立土浦一高や水戸一高など10校が2022年度までに新たに中高一貫校になることが分かった。県教育委員会が県立高校改革プラン・実施プランを発表し明らかにした。土浦一高は21年4月から併設型の中高一貫校になる。2学級(定員80人)を中高一貫のクラスとし、現在8学級(320人)の学級数は段階的に減らしていく。将来的に、中高一貫の2学級を含め1学年6学級(240人)となる。

どのような特色がある一貫校にしていくかや、教育方針、授業カリキュラムなどは、3月にも各校に準備委員会を立ち上げ、地元の教育委員会も加えて、これから検討していくという。

一貫校の成果受け

改革プランでは、生徒の通学状況を踏まえ、県内を12エリアに分けて、10校を中高一貫校に改編することを決めた。10校はいずれも各エリアの進学校だ。つくば市の並木中等教育学校など、すでに中高一貫校になっている4校を含め、県内の一貫校は計14校になる。県内どの地域からでも受験できる。

人口減少や高校を取り巻く環境の変化などを受けて、昨年12月、県高校審議会(委員長・鬼沢邦夫常陽銀行特別顧問)が中高一貫校の新設を求める答申を出した。答申を受けて県が新たなプランを策定し取り組む。

県内にある中高一貫校4校の成果を検証した結果、進学率が上がるなどの成果を上げていることがある。一貫校では、探究活動や国際教育、科学教育などに重点を置いた教育を展開し、豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた、地域のリーダーや世界へ飛び立つ人材を育成するという。

流出食い止めたい

並木中等教育学校は現在、競争率が4倍ほどと高い。土浦一高など有数の進学校が新たに中高一貫校になることで、競争のさらなる激化を心配する声がある。これに対し県教育庁は、各エリアに中高一貫校ができることで競争が平準化されるのではないかとする。現在すでに県内から千葉県や東京都などの中学や高校に入学する生徒もいることから、県内の教育環境を充実させることで、県外への流出を食い止めたい考えだ。

少子化や人口減少などを踏まえて、県は2003年度から県立高校の再編に取り組んできた。今回の取り組みは第3次の再編となる。

新たに中高一貫校になる県立高校10校
実施年度 対象高校 改編内容(1学年の学級数)
2020年度 太田一 併設型(5学級のうち1学級が中高一貫)
鉾田一 併設型(6学級のうち1学級が中高一貫)
鹿島
竜ケ崎一
下館一
2021年度 水戸一 併設型(6学級のうち2学級が中高一貫)
土浦一
勝田 中等教育学校(3学級)、高校は募集停止
2022年度 水海道一 併設型(6学級のうち1学級が中高一貫)
下妻一
学級は普通科・単位制

【猫の日】㊦ 猫小物1000点が飾られたカフェ 頑張る女性たち癒す

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猫の小物がいっぱいのカウンター=つくば市北中島

【橋立多美】猫好きな女性たちを癒してくれるカフェレストランがある。大の猫好きのオーナー飯田鈴子さん(51)が2000年10月、つくば市北中島にオープンした「カフェ ド しっぽな」だ。高い天窓から光が差し込む店内に1000点近い猫の小物が置かれ、かわいいポーズの猫たちを眺めながらくつろぐ来店客で終日にぎわう。

店名のしっぽなは、1960年代から人気を集めた赤塚不二夫の少女漫画『ひみつのアッコちゃん』に登場した、白い雌猫シッポナにちなんで飯田さんが付けた。「今の若い人はアッコちゃんを知らないでしょうね」と飯田さんは笑う。

開店時、猫をモチーフにした笠間や益子焼きのコーヒーカップやスプーンなどの食器や小物約400点を飯田さんが収集して店に並べた。その後は常連客が「旅行先で見つけて連れ帰った」など、徐々に増えて現在は1000点近くになった。

黒塗りの柱と梁が落ち着いた雰囲気を醸す店内=同

1人で月に2~3回は利用するという同市牧園在住の32歳の女性は「猫のキャラクター・ダヤンが好きで、ダヤンの焼き物が置かれたカウンター席が私の定位置」と話す。

一段高くなっているカウンター席を除き、店内はフラットな板張りの床で黒塗りの柱と梁(はり)がサーモンピンクの壁と対比して重厚感を醸し出す。今では標準的なバリアフリーをいち早く取り入れ、トイレは車いすに対応できる広々とした設計で玄関から駐車場までの通路には段差がない。

同店の料理は手間をかけた家庭的な料理でボリュームたっぷり。バラエティに富んだ手作りスイーツが人気で、自家焙煎のコーヒーは来店客で混んでいてもハンドドリップで一杯ずついれている。飯田さんは「お客様の9割が女性。家庭も仕事も頑張る女性たちが、肩の力を抜いて和める空間と時間を提供していきたい。たくさんの猫たちも応援しています」と話した。

◆カフェ ド しっぽなは、つくば市北中島424-6。営業時間は午前11時~午後9時(月曜は午後6時まで)。火曜、月末水曜定休。問い合わせは電話029-836-6596。

猫のイラストが描かれたしっぽなの外観=同

【猫の日】㊤ 看板猫のいる花屋さん ペットロスに寄り添うミュー

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花に溶け込んだ看板猫のミュー=つくば市高野台

【橋立多美】2月22日は「ニャン・ニャンニャン」の語呂に合わせた「猫の日」。つくば市高野台に看板猫のいる花屋さんがあると聞いて、訪ねてみた。

そこは静かな住宅街の一角にある「花*mjuk(ミューク)」。木の風合いが心地よい北欧のスウェーデン住宅で、店名のミュークはスウェーデン語で「柔らかい」の意。看板猫は黒目がちの大きな目が愛らしいキジトラの雌4歳で名前は「ミュー」。

3年前の春、同店の店主・加藤敦子さんが花を納品している市内の菜食レストランの敷地内に捨てられていたミューに出合ったのが始まり。加藤さんは無農薬農法に取り組んでいる夫との2人暮らし。夫婦そろって猫を飼ったことがなく迷ったが、ためらわず加藤さんの車に乗り込む姿に縁を感じて花店を兼ねた自宅に引き取った。今では「猫ってこんなにかわいいの」と2人で文字通り猫かわいがりするようになったという。

暮らしに、生花と観葉植物が同居する同店。靴を脱ぐ玄関に鉢花やドライフラワーなどが置かれ、広々としたリビングには切り花が並べられて低めのローテーブルがしつらえてある。客はゆったりした空間で花選びができる。その中を自由に歩き回るのがミューで、常連客にプレゼントされた襟巻きは副店長のユニフォームだ。

おとなしく甘え上手なミュー=同

来客に分け隔てなくつぶらな瞳を向けてすり寄ったりする接客上手で、爪を出したりかみついたことはない。ミュー目当てに来店したり、ローテーブルを囲んで猫好き同士の交流が生まれることは珍しくないそうだ。愛犬を亡くしてペットロスから抜け出せない人が来店すると、ミューはそっと脇に寄り添う。加藤さんは「きっとミューには分かるのだと思う」と話す。

同店の切り花は日持ちが良いと定評がある。それは、加藤さんが街の生花店に勤めていた時に身に付けた切り花の特性をアドバイスしているからだ。加藤さん自ら花き市場で仕入れて水揚げなどもしていることから、リーズナブルな価格もうれしい。客の好みに応じたアレンジメントや、配達と全国発送にも対応している。

猫好きがハッピーになれる原画展開催

「ニャン・ニャンニャン」の日にちなみ、猫好きの人がハッピーになれる絵本の原画展を同店で開催する。茨城生まれのイラストレーター、小林由季さんの絵本『木の実とふねのものがたり』の原画10点を展示。22日は午後1時~5時。23日は午前10時~午後5時。両日とも作者が来店する予定だ。

◆花*mjuk(ミューク)
つくば市高野台3-10-28。営業時間は水・金曜が午後1時~6時。木曜が午前10時30分~午後6時、土曜は午前10時~午後6時。日曜は午前8時30分~完売次第閉店。月・火曜定休。駐車場完備。茶色の建物でグリーンの玄関ドアが目印。問い合わせは電話090-8680-8636(加藤さん)。

リビングの一角を占める切花と観葉植物=同

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「矢口新聞」中心に異業種交流 土浦で始まる

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展示やワークショップを行う矢口祥子さん(右)ら=土浦市中央1丁目、公園ビルのがばんクリエイティブルーム

土浦市中央1丁目のギャラリー「がばんクリエイティブルーム」で18日、市内在住のイラストレーター、矢口祥子さん(46)と仲間たちによる異業種交流催事が始まった。3月3日まで。

手書きの矢口新聞=土浦市中央2丁目の喫茶店「城藤茶店」

矢口さんは「かえるかわる子」名義で、土浦市中心街のパン屋や飲食店などを取材した「矢口新聞」を発行している。生家が商店だったため、まちの活性化に役立ちたいとの思いが募り、2015年から手書きで、商店の見どころ情報やイベントに出席した感想を書き、カラフルなイラストでまとめている。SNSの時代に逆行するかのようなアナログの手書き新聞に、「手書きは温かさがある」「記事の内容への思いが強く感じる」と評判を集めている。

その現在を伝える個展「矢口新聞展」を9日から、同市中央2丁目の喫茶店、城藤茶店で開き、15年から18年の作品15点を展示している。開催案内を年賀状に書いたところ、熱い思いに賛同した仲間が合流して、第2会場のギャラリー「がばんクリエイティブルーム」での同時展開となった。

22日と24日、3月2日、3日の4日間、矢口さんのワークショップ「コラージュでつくるありがとうカード」を中心に、石岡市の喫茶店「リムト」の焼き菓子販売や、同店代表の横瀬伶子さんの椅子ヨガ体験会、土浦市の農家、小宮威彌さんによる「椿庵飴」の販売が行われる。「ありがとうカード」は、スマホもパソコンも持たない矢口さんが、友人や親しい人に感謝を伝える手作りカードとオリジナル封筒だ。

◆22日と24日はワークショップとヨガの組み合わせで会費1000円(定員4人)、3月2日、3日は個別開催でそれぞれ700円と500円となる。事前予約は城藤茶店(電話029-895-0283)まで。

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稀勢の里、郷土のファンに感謝 牛久

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来場者たちに感謝の気持ちを述べる荒磯親方(元横綱・稀勢の里)=牛久市のエスカード牛久

【崎山勝功】大相撲を引退した荒磯親方=元横綱・稀勢の里=(32)は18日、出身地の牛久市牛久町、エスカード牛久で開かれた「稀勢の里関郷土後援会 感謝のつどい」(同後援会主催)に引退後初めて出席し、後援会員ら約420人のファンに感謝の意を伝えた。

荒磯親方はスーツ姿で登壇し「力士人生の17年間、郷土後援会ができて約15年間、大変お世話になりました。苦しいとき、つらいときもたくさん応援していただき、国技館にもたくさん足を運んでいただき本当に力になりました」と振り返った。その上で「苦しかったことやうれしかったことを後輩に伝えていけたら。次世代の力士のために尽力します」と、今後は後進の指導に力を入れることを改めて表明した。

商店主ら3000枚のメッセージ手渡す

集いでは、牛久・龍ケ崎両市民らが感謝の言葉を記した名刺大のメッセージカード約3000枚が荒磯親方に手渡された。和菓子店「手作処かっぱ本舗」(牛久市田宮町)の村松慎次さん(50)が企画した。「稀綱祭(きずなまつり)」と題して、両市の商店主有志らが2月1日から約2週間、各店の店頭などでメッセージを集めた。

村松さんは「横綱がいてこそ龍ケ崎・牛久がクローズアップされた」と話し、参加した喫茶店「サイトウコーヒー」(同市南)の斉藤孝司さん(45)は「お客さんが『ぜひ書かせてください』と書いてくれた。うれしかった」と振り返った。サツマイモ菓子専門店「芋千」(同市南)の冨岡大晃(ひろあき)さん(38)は「店先でいろいろな方に書いてもらったけど、小さいお子さまからおじいちゃんまで、皆(稀勢の里が)大好きだったんだな、絆を感じた」と述べた。

市民の感謝の言葉が書かれたメッセージカードについて話す「稀綱祭(きずなまつり)」の牛久・龍ケ崎両市の商店主有志=同

荒磯親方は龍ケ崎市立松葉小学校出身。2年生のとき担任だった、牛久市立牛久第二小の鶴巻幸子校長(60)は、牛久二小の児童345人のメッセージカードを手渡した。鶴巻校長は「元気が良かったから、何か大物になると思った」と当時を振り返り「けがをしない強い力士を育てるとの言葉通り、先輩や親方への恩返しも込めて頑張ってくれると思う」と語った。

児童からのメッセージカードを手渡す、牛久市立牛久第二小学校の鶴巻幸子校長=同

集いでは大勢の地元ファンのサインや写真撮影にも応じた。サインをもらった女性は「『ありがとうございます』と言うのが精一杯だった。これからも変わらず応援していきたい」と話した。

同後援会応援団長の石渡昇さん(67)は「けがに負けない力士を育てていただきたい。(日本相撲協会の)理事、理事長になって、100年先の大相撲の発展を願っている」と新たな期待を寄せた。その上で新しい相撲部屋の場所について「牛久、龍ケ崎、つくばなど考えてもらえれば」と希望を話した。

郷土後援会のオレンジ色の法被(はっぴ)にサインを書く荒磯親方=同

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【ウェルネスパーク問題】新たな指定管理者決まる 前回1位と3位が組みリベンジ

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つくばウェルネスパーク入り口=つくば市山木

【鈴木宏子】つくば市のスポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を4月から管理・運営する指定管理者が12月議会で否決され、市が公募をやり直した問題で、五十嵐立青市長は18日開会した市議会3月定例会に、新たに選定し直した事業者を提案し、賛成多数で可決された。

前回1位だったが、地元を優先すべきだとして議会で否決された都内のスポーツ施設管理運営会社「シンコースポーツ」が、つくば市内のNPOと組んで事業グループ「ライフテックつくば」(つくば市東光台、代表・NPOつくばアクアライフ研究所)をつくり、新たな指定管理者に選ばれた。

アクアライフは、前回3位だった「つくばアクアファーム」の構成団体で、水泳による健康づくりに取り組む野村武男・筑波大名誉教授が代表を務める。シンコーとは、愛知県岡崎市でPFI事業を一緒にやってきたという。

再公募は2社が応募

再公募は、12月議会で否決されたのを受けて、応募資格を地元のみに限定して実施した。ライフテックつくばのほか、現在の指定管理者で前回2位だったT.P.Hウェルネス推進グループ(つくば市篠崎、代表・塚越産業)の2事業者から応募があった。

2月12日に同候補者選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の委員10人で審査の結果、9対1でライフテックが1位になった。総合得点はライフテックが725点、T.P.Hは559点だった。同会議議事録によるとライフテックは、市内雇用を促進し、維持管理についても芝の管理や機器の保守点検修繕などは地元企業に仕事を発注すると強調した。

一方、年平均の指定管理料は、市の上限額7576万円に対しライフテックが7480万円、T.P.Hは7226万円だった。前回はシンコーが7196万円だったのと比べ、ライフテックは年283万円増、T.P.Hは267万円減となった。

18日の議会では、前回も反対討論した五頭泰誠氏(自民つくばクラブ・新しい風)が「前回の議会で、箱に包んで包装されたのを一回返したが、今日、箱の中身は同じで包装は違う。表面だけ変えたという印象」と反対討論した。一方、賛成討論した宇野信子氏(つくば・市民ネット)は「12月議会で否決され、募集要項が変わり、中味も変わった」などと強調し、採決の結果、小差で可決となった。

ウェルネスパークは、開業当初から現在まで10年間、T.P.Hウェルネス推進グループが指定管理者だった。交代するのは初めて。指定期間は4月から5年間。

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しゃべってOK 写真見ながら魅力語る「しゃべっぺ土浦写真展」

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写真480点が並ぶ会場で「しゃべっぺ土浦市民の会」のメンバー=土浦市大和町の市民ギャラリー

【谷島英里子】土浦市内で撮影された写真を見ながら郷土の魅力や思い出を語り合う「しゃべっぺ土浦写真展」が16日、同市大和町の市民ギャラリー(アルカス土浦1階)で始まった。四季折々の自然風景や祭礼などを切り取った約480点を展示している。

主催は市教育委員会と映像ディレクターや元大学教員、学生、市民などでつくる「しゃべっぺ土浦」市民の会。市民ギャラリー開館前の2016~17年度に「人と街をアートでつなぐ」をテーマに市が開いたワークショップを経て企画された。

地域の魅力を再発見することを目的に開催。ギャラリーは通常静かに鑑賞する空間だが、写真を見た人同士で懐かしさや面白さを語り合う楽しさも認めることにした。土浦市内で撮影した珍しいもの、美しいもの、思い出の場所などを中心にホームページやインスタグラムなどから募集した。

展示は撮影地を中学校区ごとに分け、写真1点をA3判で掲示している。霞ケ浦総合公園の風車、祭礼、花火、石仏、霞ケ浦を背景に写したハス田やハクチョウなど土浦ならではの写真。付近の住人にしか知らないであろう天川ショッピングセンターや銅像、鳥居なども並んだ。撮影者のコメントの下に、来場者が見た感想を書けるようにした。

ハスの花托を写した写真。黒電話の受話器のデザインぽい=同

ほかに、ハスの花托(かたく)を写した写真に「懐かしい黒電話の受話器のデザインを発見!もしもし?今からしゃべっぺ!」といったユニークなコメントもあり、来場者の目を引いていた。同市民の会の上杉伸夫さん(79)は「おしゃべりのネタを集めたので、ぜひ見に来てほしい」と呼び掛けている。

会期は3月10日まで(月曜休館)。午前10時から午後6時。入場無料。写真の撮影可能。問い合わせは市民ギャラリー(電話029-846-2950)まで。

一夜限りの酒類解禁 19日に常総市豊田城でお月見の会

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豊田城超観月会のポスターの一部(写真は合成)

【斉藤茂】博物館や城郭などを会場にイベントを開く「ユニークベニュー」の手法を借りて、19日夜、常総市でお月見の会が催される。豊田城超観月会(かんげつえ)は、「市内で一番高い建物から見る、平成最後のスーパームーン!」と銘打って、一夜限りの酒類解禁の宴(うたげ)となる。

歴史的建造物、文化施設、公的空間などの地域特性を演出できる特別な場所(ユニークベニュー)を会場に、会議・レセプションなどのイベントを開催する取り組みは、新たな交流人口拡大につながる期待がある。政府観光局(JNTO)の肝いりもあり、全国的にさかんになっている。

常総市主催の今回は、「豊田城」の別名のある市地域交流センター(同市新石下)が、初めて夜間営業に踏み切っての開催。2月の満月は20日だが、19日が旧暦の十五夜に当たり、夕方5時ごろに月の出がある。普段の満月より14~15パーセント大きく見えることから、「平成最後のスーパームーンを見て楽しもう」という趣向になった。

月の出る午後4時50分から、ピークを迎える深夜0時54分まで開催する。市内名産品販売の常総名産会による出店はじめ、市内の飲食店が集結、酒類の販売も行う。シンガーソングライター、慈光(じこう)のミニライブなどが予定されている。雨天・曇天を問わず催行するということだ。

▼問い合わせ 常総市生涯学習課(電話0297-30-8880)
参照Facebookは:https://www.facebook.com/joso.city/photos/gm.2211054082248340/1797683927002470

「つちうら横丁」オープン 桜町3丁目 店持ちたい人がチャンレジ

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つちうら横丁外観

【鈴木宏子】自分の店を持ちたい人がチャレンジできる、飲食店などの複合施設「つちうら横丁」が15日、土浦市桜町3丁目にオープンした。同市中心市街地活性化基本計画の認定を受けた民間主導の事業で、にぎわいづくりが期待されている。

中川清市長(左から4人目)らとテープカットする塚崎雅之社長(同5人目)

鉄骨造り2階建て、延床面積約490平方メートルの施設に、1区画当たり4坪(約13平方メートル)から9坪(約30平方メートル)の店が計18区画集まる。各店の座席は10~15席程度。1階と2階にそれぞれテーブルやいすが並べられた広い共有スペースがあり、各店で購入したメニューを食べることもできる。

家賃は月額約4万5000円~11万円。200~300万円くらいの自己資金があれば開業でき、一人で切り盛りできる広さだという。入居店は、3年程度を目安に横丁で店を運営して自信を付け信用を得てもらい、その後、中心市街地の空き店舗などに新たに開業して、にぎわいを創出してもらうのが狙いだ。

元土浦青年会議所で活動し、全国各地のまちおこし事業を見て歩いた塚崎雅之さんが構想を温めてきた。塚崎さんが社長を務めるイープラス空間設計(東京都千代田区)が施設を建設した。今後、土浦青年会議所のメンバーらで事業組合をつくり横丁を運営していくという。

15日時点で、居酒屋、バー、ラーメン店、ケーキ店など計8店が開店した。3月中に、焼き鳥店、焼き肉店、ベトナム料理店など6店がさらにオープンする予定という。

塚崎社長は「全国150カ所ほどを回り、各地の特色ある横丁を見てきた。2、3年前から土浦に横丁をつくりたいという思いを抱くようになった」と述べ「誰もが、店を持ちたいという夢を持ったとき、地域の力や行政が応援し、さらに『つちうら横丁』が起爆剤となって、中心市街地に店がどんどん増えていけば」と思いを話した。

15日には開所式が催され、中川清市長、海老原一郎市議会議長、中川喜久治土浦商工会議所会頭らがテープカットした。中川清市長は「中心市街地のにぎわいづくりをされている方の創業意欲の喚起につながり、地域に親しまれる横丁になってほしい」と語った。

写真左上から右下へ ダイニングキッチン「雅」、バースデーギフト&ケーキ「土浦スイーツ」、麺屋「のらくま」、おでんや「こばん」

◆「つちうら横丁」は土浦市桜町3丁目3-15。

15日までにオープンした8店は
▽ダイニングキッチン「雅(みやび)」
▽バースデーギフト&ケーキ「土浦スイーツ」
▽麺屋「のらくま」
▽おでんや「こばん」
▽和み処「なにぬねの」
▽カラオケBAR「千代」
▽ほぐし屋「かみやの手」
▽インテリアショップ「e-Room」

写真左上から右下へ 和み処「なにぬねの」、カラオケBAR「千代」、インテリアショップ「e-Room」、ほぐし屋「かみやの手」

「福来梅」に願を掛け 16日から筑波山梅まつり

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観梅客を出迎えるつくば観光大使(写真提供=つくば観光コンベンション協会)

【相澤冬樹】第46回筑波山梅まつりが16日、つくば市沼田の筑波山梅林で幕を開ける。つくば市とつくば観光コンベンション協会による同まつり実行委員会(委員長・五十嵐立青市長)主催で、会期は3月21日まで。16日は午前11時からの開園祭・開園式はじめ、「福来(ふくれ)梅の木」祈願祭などオープニングイベントが催される。

梅林は筑波山の男体山西側、標高約250メートル付近の斜面地に広がる。涸(か)れ沢沿いの約4.5ヘクタールに筑波石とよばれる班れい岩の巨石が散在し、縫うように約1000本の白梅・紅梅が植えられている。早咲きの紅梅は馥郁(ふくいく)たる花をつけ、例年並みの開花状況。下旬には白梅も咲きそろってくる。斜面地の最上部にある茅ふき屋根のあずまやからは、晴れた日には富士山まで見渡せるといい、人気の展望スポットになっている。

紅く色づき梅まつり開幕を待つ筑波山梅林(つくば市沼田)

昨年はまつり期間中に約17万人を集めた。今シーズンは16日のオープニングイベントをはじめ、期間中の土・日曜日にはつくば観光大使のお出迎えがあり、ガマの油売り口上の実演、観光ボランティアによるガイドなどが予定されている。

今回は特に、筑波山名物の「福来みかん」にちなむイベントが各種用意された。園内1000本の梅から1本を「福来梅の木」として選び、筑波山神社の祈祷により縁結びパワースポットとして期間限定で開設する。来場者が梅の木に縁結び絵馬(300円)を結って願掛けたり、開運招福のお札「福来の枝」(500円)の授与が土日限定で行われる。

筑波山周辺の各店でも、福来みかんを使ったソフトクリームやおでん、ベーコンバーガーなどオリジナルメニューを用意して観光客を迎える。3月3日には筑波山水系の酒蔵5店が参加しての特別企画「観梅!乾杯!梅宴!新酒de筑波山地酒フェス」、昨年の好評を受けて2回目の開催で、イープラスでチケットの前売り販売を開始している。

▼問い合わせ つくば観光コンベンション協会 電話029-869-8333

市職員2人を懲戒免職と停職1カ月 つくば市

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つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は14日、市職員2人を同日付けで、懲戒免職と停職1カ月の処分にしたと発表した。懲戒免職は、今年1月11日、無免許運転で現行犯逮捕された同市水道工務課水道監視センター主任主査の男性職員(48)。停職は1月21日、来館した男子児童の尻を蹴り上げた児童館長の男性職員(56)。

2年間、無免許運転

市水道総務課によると、主任主査は2016年8月20日未明、土浦市内の飲食店で酒を飲んで自家用車を運転し、酒気帯び運転で検挙された。その後17年2月、2年間の運転免許取り消し処分を受けた。

しかし上司に報告せず、無免許のまま、業務や通勤で公用車や自家用車を約2年間にわたって運転した。市内の配水施設を点検したり水質検査をするのが業務だったため、公用車の無免許運転は計43回に及んだという。今年1月11日夕方、同市下岩崎で、帰宅途中に巡回中の警察官に逮捕され無免許運転が発覚した。

同課の調査に対し主任主査は、免許取り消し直後に同居していた母親が寝たきりになり、通院や介護などで運転を始めたと話しているという。

児童の尻蹴り上げる

一方、市人事課によると、停職処分を受けた児童館長は1月21日午後、児童館玄関近くで、男子児童を注意する際、児童の尻を後ろから蹴り上げ、頭を拳でたたいたという。市民から市に通報があり発覚した。

館長は17年4月に同館に就任。以来、計10回にわたって、来館した児童の尻を蹴り上げたり、拳で頭をたたくなど不適切な行為があったという。市内の児童館では昨年12月27日、別の児童館長が口答えをした男子児童の頬を平手打ちしたとして停職1カ月の懲戒処分を受けたばかりだった。

五十嵐立青市長は「職員の服務規則確保についてはこれまで再三注意喚起したにもかかわらず、不祥事を起こしたことは極めて遺憾で市民に深くお詫びします。今後再びこのような不祥事を起こさぬよう、全職員で常に緊張感を持って職務に専念し、市民の信頼を回復できるよう取り組みます」などとするコメントを発表した。