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稀勢の里
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稀勢の里、郷土のファンに感謝 牛久
2019年2月19日
【崎山勝功】大相撲を引退した荒磯親方=元横綱・稀勢の里=(32)は18日、出身地の牛久市牛久町、エスカード牛久で開かれた「稀勢の里関郷土後援会 感謝のつどい」(同後援会主催)に引退後初めて出席し、後援会員ら約420人のファンに感謝の意を伝えた。 荒磯親方はスーツ姿で登壇し「力士人生の17年間、郷土後援会ができて約15年間、大変お世話になりました。苦しいとき、つらいときもたくさん応援していただき、国技館にもたくさん足を運んでいただき本当に力になりました」と振り返った。その上で「苦しかったことやうれしかったことを後輩に伝えていけたら。次世代の力士のために尽力します」と、今後は後進の指導に力を入れることを改めて表明した。 商店主ら3000枚のメッセージ手渡す 集いでは、牛久・龍ケ崎両市民らが感謝の言葉を記した名刺大のメッセージカード約3000枚が荒磯親方に手渡された。和菓子店「手作処かっぱ本舗」(牛久市田宮町)の村松慎次さん(50)が企画した。「稀綱祭(きずなまつり)」と題して、両市の商店主有志らが2月1日から約2週間、各店の店頭などでメッセージを集めた。 村松さんは「横綱がいてこそ龍ケ崎・牛久がクローズアップされた」と話し、参加した喫茶店「サイトウコーヒー」(同市南)の斉藤孝司さん(45)は「お客さんが『ぜひ書かせてください』と書いてくれた。うれしかった」と振り返った。サツマイモ菓子専門店「芋千」(同市南)の冨岡大晃(ひろあき)さん(38)は「店先でいろいろな方に書いてもらったけど、小さいお子さまからおじいちゃんまで、皆(稀勢の里が)大好きだったんだな、絆を感じた」と述べた。 荒磯親方は龍ケ崎市立松葉小学校出身。2年生のとき担任だった、牛久市立牛久第二小の鶴巻幸子校長(60)は、牛久二小の児童345人のメッセージカードを手渡した。鶴巻校長は「元気が良かったから、何か大物になると思った」と当時を振り返り「けがをしない強い力士を育てるとの言葉通り、先輩や親方への恩返しも込めて頑張ってくれると思う」と語った。 集いでは大勢の地元ファンのサインや写真撮影にも応じた。サインをもらった女性は「『ありがとうございます』と言うのが精一杯だった。これからも変わらず応援していきたい」と話した。 同後援会応援団長の石渡昇さん(67)は「けがに負けない力士を育てていただきたい。(日本相撲協会の)理事、理事長になって、100年先の大相撲の発展を願っている」と新たな期待を寄せた。その上で新しい相撲部屋の場所について「牛久、龍ケ崎、つくばなど考えてもらえれば」と希望を話した。 ➡稀勢の里の関連記事はこちら
稀勢の里引退 土浦からもねぎらいや惜しむ声
2019年1月16日
【鈴木宏子】大相撲初場所で3連敗した牛久市出身の横綱稀勢の里が16日、引退を表明した。同じ田子ノ浦部屋の弟弟子、大関高安の地元土浦市からも引退をねぎらう声や惜しむ声が聞かれた。 土浦市役所では高安を応援しようと、初日の13日から千秋楽の27日午後5時から6時まで、1階市民ラウンジで大画面によるパブリックビューイングが開かれている。毎日観戦し高安を応援しているという市内の男性(57)は稀勢の里について「勝てなかったので、だめだった」と話した。私立高校1年の男子生徒(16)は「稀勢の里は地元出身で有名なので、引退を聞いて驚いている」と述べた。 「これからは横綱を育てて」 市内の相撲クラブで子どもたちを指導しているという公務員30代男性は「(連敗した)この3日間、見ていられなかったので引退を聞いてほっとした。これからは親方として横綱を育ててほしい」とねぎらった。 土浦市を訪れた帰りに観戦した稲敷市の無職男性(67)は「稀勢の里が幕下のころから大関のころまで後援会に入って応援していた。連敗していたので、とうとうこの日が来たかと感じ。これからゆっくり休んでほしい」と語った。 引退のニュースを聞き、土浦市で開かれているバブリックビューイングに参加したという龍ケ崎市の無職鹿志村昌子さん(60)は「寂しい。もうちょっと頑張ってほしかった。お母さんはがっかりしてると思う」と話した。 後援会95人が応援ツアー 牛久市に事務局がある稀勢の里郷土後援会は16日、もともと予定されていた応援ツアーに95人が大型バスで出掛けた。主役不在の中、国技館では弟弟子の高安などを応援したという。 稀勢の里の引退を受け同後援会では同日、今後は継続会員も新規会員も入会受け付けを実施しないことを決めた。2月18日には牛久駅前のエスカード牛久で稀勢の里激励会が予定されているが、予定通り実施するかどうかは、田子ノ浦部屋が落ち着いたら改めて確認するという。 稀勢の里は龍ケ崎市立長山中学校を卒業後、鳴戸部屋に入門。11年に大関に昇進し、17年に日本出身力士として19年ぶりに横綱になった。
高安に歓声 大相撲土浦・牛久場所 稀勢の里は欠場
2018年12月22日
【崎山勝功】2018年冬巡業大相撲土浦・牛久場所(同実行委員会主催)が22日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開かれた。土浦市出身の大関・高安が横綱・白鵬を寄り切り、約3600人の来場者を前に健在ぶりをアピールした。牛久市出身の横綱・稀勢の里はけがの治療を最優先させるため欠場した。 高安は午前中の公開稽古で、土俵上で精力的にぶつかる姿を見せた。結びの一番の横綱・白鵬との対戦では、「高安頑張れ」の応援が飛び交う中、寄り切りで勝つと、場内から大歓声と拍手が沸き起こった。 観戦した高安土浦後援会の折本明副会長は「生で見ると迫力が違う。高安には1月場所で優勝して2月には(横綱の)綱を張ってもらいたい。親方衆もみんな期待している」と述べた。土浦ロータリークラブの交換留学生としてカナダから来日している高校生のソフィア・ラミレスさんは「初めて力士を見た。本当に面白い」と日本の相撲に関心を示していた。 中川清土浦市長は「ぜひ来年はいいスタートを切ってもらい、常に優勝争いに加わってほしい。そのためには心技体をもっと磨いていただきたい」と期待を寄せた。 報道各社の取材に応じた高安は「たくさんの方から直接励ましの言葉をいただいた。なかなか茨城に帰ってこれなかったので(言葉を)いただけてうれしい」と、地元ファンに感謝の意を示した。 一方、稀勢の里の休場について根本洋治牛久市長は「欠場は寂しい。でも稀勢の里の回復が一番。(欠場の)寂しさを我々が我慢しないといけない時期」と述べ「高安関もいるので(稀勢の里と)2人で千秋楽をにぎわせてくれるのが我々の望み。お互いに頑張ってほしい」とエールを送った。 高安が幼児らと交流 同巡業では高安が幼児を抱っこし、ファンとの交流を深めた。事前に申し込みをしていた約30組の親子が、まわし姿の幼児を高安に抱っこしてもらい記念写真を撮るなどした。 妊娠6カ月の青山りつこさん(33)=土浦市荒川沖=は、1歳7カ月の息子、虎ノ介ちゃんを連れて参加した。お目当ては高安に虎ノ介ちゃんを抱っこしてもらい、妊娠中のお腹をなでてもらうこと。古来から「強い力士に抱っこされると赤ん坊が丈夫で元気に育つ」「力士が妊婦のお腹を触ると安産になる」という言い伝えがあるという。 まわし姿の虎ノ介ちゃんは高安に抱っこされた途端、驚いて泣き出してしまったが、お腹をなでてもらった青山さんは「高安の手は大きくて温かかった。子どもは泣き出してしまったけど元気に育ちそう」と満足げな表情を見せた。 高安からサインをもらったという土浦相撲倶楽部の村野太紀キャプテン(12)=小学6年、つくば市=は「将来は力士を目指している。押し相撲ができる力士になり3役に入りたい。横綱・貴乃花のようになりたい」と話した。
稀勢の里、高安 回復ぶりアピール 大相撲龍ケ崎場所
2018年8月10日
【崎山勝功】2018年度夏巡業大相撲龍ケ崎場所(同実行委員会主催)が9日、龍ケ崎市中里の市総合体育館たつのこアリーナで開かれ、牛久市出身の横綱・稀勢の里と、土浦市出身の大関・高安が約2500人の来場者を前に復活ぶりをアピールした。 高安は7月29日から始まった夏巡業の初日から右膝蓋(しつがい)腱炎(けんえん)で休場していたが、8月8日から巡業に復帰してこの日の龍ケ崎場所に姿を見せた。午前中の公開稽古では、土俵上で精力的にぶつかり稽古に取り組むなど、けがから回復した様子を見せた。7月の名古屋場所で初優勝した関脇・御獄海と対戦し高安が御獄海に突き出しで勝つと、場内から拍手が沸き起こった。 稀勢の里は横綱に昇進後、17年3月の春場所で負傷して以来8場所連続休場しているが、龍ケ崎場所では結びの一番に姿を見せた。横綱・鶴竜と対戦、寄り切りで倒し、小中学校時代を過ごした第二の故郷・龍ケ崎に錦を飾る取り組みを見せた。 観戦した中山一生市長は「稀勢の里は順調に調子を取り戻しているようだ。9月場所が楽しみ。高安もけがからの復活で、力強い相撲を取ってくれたので楽しみにしている」と、2人の活躍に期待を寄せた。 河内町の会社員女性(28)は「勢いがあってすごくかっこ良かった」、つくば市の山成真由美さん(31)は「初めて見たが、迫力があって興味がわいてきた」とそれぞれ感想を話した。 稀勢の里と高安は報道陣の取材に応じ、稀勢の里は、小学校時代に会場近くのたつのこ公園内の「たつのこ山」で遊んだ思い出や、小学4年生のときに少年相撲大会で5人抜きをして金メダルを取ったことなどを振り返った。自身の状態については「しっかり調整して来場所は活躍したい」と述べた。 高安は「茨城のたくさんの方に応援してもらっているので、どこかで恩返しをしなければと思っている。たくさん稽古してまた来場所に向かっていきたい」と意気込みを見せた。 県南地域での大相撲地方巡業は、12月22日に土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で「大相撲土浦・牛久場所」が開かれる。 母校の後輩が稀勢の里に花束 稀勢の里の母校、市立長山中学校の野球部員と、稀勢の里が小学校時代に所属した少年野球チーム「龍ケ崎ハリケーンズ」の選手たちが同日、稀勢の里に花束を贈呈した。 選手たちは、稀勢の里が小学生時代に通っていた市立松葉小学校の児童が作った「輝け 横綱稀勢の里先輩」の横断幕を背景に、花束を渡し握手をした。 長山中野球部員の田向陽祐さん(3年)は「非常に光栄。オーラがあった」と感激した様子で「生徒一同で応援したい。頑張ってほしい」と先輩の稀勢の里にエールを贈った。
二所ノ関部屋初のもちつき つくばみらい市で親方率いる地域交流
2022年12月11日
つくばみらい市紫峰ケ丘の商業施設「SEKISHO Mi・La・Pa(セキショウミラパ)」で11日開かれたもちつき会に、元横綱稀勢の里の二所ノ関親方と力士4人が登場、近隣の住民たちに特製のもち入りちゃんこ鍋が振る舞われた。 参加したのは近隣住民のほかMi・La・PaのLINE会員ら250組500人。先着100人対象で親方のサイン会と写真撮影会も行われ、交流を楽しんだ。 詰めかけた来場者の見守る中、蒸かしたもち米がうすに投入されると、まわし姿になった力士2人が交代で杵(きね)を振るい、次々ともちに仕上げていった。「もちつきは初めてだが楽しかった」「意外と大変だった」と担当した力士の花房(三段目)=と林龍(同)。この日用意されたもち米は、二所ノ関部屋のある阿見町荒川本郷の農家、大塚康夫さんが育てたマンゲツモチ90キロ。うすときねも大塚さんが提供した。 振る舞われた鍋は部屋自慢の鶏ガラ塩味。親方が15歳で角界入りしてから食べてきたさまざまなちゃんこの中で一番好きな味で、商品化もされており、理想に近付けるため何度も試作を繰り返したそうだ。「今日は豚肉と鶏肉に野菜など10種の具材を加え、オーソドックスに仕上げた。ニンニクを効かせることで旨みが増し、食欲もそそる」と、この日のちゃんこ番の足立(序二段)。 鍋はテイクアウトする人もいれば、その場で味わう人もいた。市内在住の橋口恭子さん(76)は「この味は自分では作れない。今日は寒いので特においしく感じる」との感想。岡崎誠さんの長男・日凪大さん(5)は「おいしい。おとうふが一番好き」と笑顔を見せた。 サイン会と写真撮影会には長蛇の列ができた。「親方と同じ牛久市出身だが、地元でもこういう催しはなかなかないので開催してくれてうれしい。コロナ禍で外へ出る機会が少なくなっていたが、久々に子どもと一緒に出かけることができた」と渡邉慎也さん(43)。「親方は相変わらず優しかった」と話すのは宮崎直人さん(43)。10年前、親方が大関だったときに出会ったことがあり、今日はそのときの写真を持参してサインしてもらったそうだ。 会場となったMi・La・Paは、セキショウグループのガソリンスタンド、カーディーラー、携帯電話ショップの3店舗による複合施設。地域の交流の場としても貢献したいと、折々にイベントを催している。今回のもちつき会は、親会社である関彰商事の関正夫会長が、二所ノ関親方の現役時代に「稀勢の里関郷土後援会」の会長を務めていた縁から実現した。 初の関取誕生へ精進 二所ノ関親方の話 部屋として初めてのもちつきで、力士にはいい経験になった。ファンの方々とふれ合うこのようなイベントは、コロナ禍以降かなり少なくなった。久しぶりに大勢の方に来ていただき、さまざまに声を掛けていただけてありがたい。今年は2月に尾車部屋と合併し、6月には阿見町に新施設が完成するなど、いろいろなことがあった年。力士もそれぞれ順調に成長し、番付を上げてきた。来年も稽古に精進し、さらに上を目指すとともに、念願である初の関取誕生も実現させたい。
《ひょうたんの眼》23 茨城の魅力度最下位 どうしてなの?
2019年12月26日
【コラム・高橋恵一】我が茨城県は都道府県別の魅力度ランキングで最下位の47位。それも7年連続。8年前に46位になる前も3年連続で最下位。ランキングは11回目だから…。 世界に誇る筑波研究学園都市があり、ノーベル賞受賞者を輩出した筑波大学がある。公立で東大合格者数のトップを競っている県立土浦一高もある。今年はひどい目にあったが、もともと自然災害が少ない。 人口や県民所得は10位前後に定着し、世界規模の茨城港、鹿島港があり、首都圏の第3空港、茨城空港もある。日本一の「筑波北条米」、メロン、レンコン、納豆も。 ネモフィラとコキアとロックフェスティバルの、ひたち海浜公園の観光客は増え続けている。日本三名園の偕楽園、日本三神宮の鹿島神宮、日本三大瀑布の袋田の滝。 スポーツだって、サッカーJ1最多タイトルを誇る鹿島アントラーズ、引退しちゃたけれど感動を与えてくれた日本人横綱の稀勢の里。知られていないけれど、温泉の数もトップクラスなのだ。 魅力度1位は11年連続で北海道なのだが、広々と耕作地が広がる北海道に次いで、農業生産額は茨城県が2位。気候が豊かだから、北国のリンゴも南国のミカンもできる。 イチゴも柿も栗も美味しいし、冬の干し芋は絶品だ。あんこう鍋も。1戸当たりの住宅の敷地面積は茨城がトップで、北海道より広い屋敷に住んでいる。タワーマンションを建てる必要がないのだ。 茨城の人は自県が好きなのだろうか? 茨城県の古代を描いた「常陸国風土記」では、土地も気候も豊かで、人々は生き生きと暮らしている、この世の理想郷「常世の国」とは、この地ではないかと称えられている。筑波山と霞ケ浦に抱かれた、茨城の豊かな姿が思い浮かぶではないか。 それなのに、なぜ、イメージが最下位なのだ。宣伝が下手とか、茨城人は控えめだから、とか言われるが、茨城の人は、茨城県が好きなのだろうか? 茨城の人は、地元の観光地やイベントに足を運び、楽しんでいるのだろうか? 県外の友人を案内して、水戸でタクシーに乗り、市内観光を頼んだら、「偕楽園はつまらないし、水戸には何もないですよ」。食事処を訪ねる気力もなくなった。紅葉の季節に遅れてしまっても、京都のタクシーは、著名ではないけど紅葉の残っている寺院を案内してくれた。 住んでいるところの魅力は、地元の人が愛し、自ら出かけ、自ら食し、自ら感動して、自ら語らなければ、アップしない。時代劇の水戸黄門も、茨城を舞台にした漫遊が必要かも知れない。都道府県地図の魅力度色分けが、灰色からせめてピンクになると、心が落ち着くかも知れない。(元茨城県生活環境部長、地図愛好家) ➡高橋恵一さんの過去のコラムはこちら
《くずかごの唄》23 酷夏の後遺症 わけの分からない病気
2018年10月4日
【コラム・奥井登美子】日本人が歴史上今まで経験したことのなかったような暑さを体験した私たち。秋になって涼しくなり、ほっとしたとたんに、わけの分からない病気が増えてきたような気がする。 酷暑体験の後遺症。あと何年か経てば、その病気も解明されて、きちんとした病名がつくに違いないのだが、病気ともいえないわけのわからない症候群に、私はあだ名をつけてみることにした。 「声患い」 天気予報で低気圧が近づいてくると、加減が悪くなる人が増えてくる。「低気圧病」。喉が詰まって声が出にくくなる。声わずらいの人も多い。「コエ患いですか?」などと、冗談半分で聞くと、「とんでもない、そんな年ではない。喉が詰まって、声が出しにくいんです」。 「胃もたれ」 「熱中症」という漠然とした病気から派生した後遺症も多い。涼しくなって少しほっとしたトタンに、食欲がなくなって、何も食べたくない、何もしたくなくて、ごろごろしている症状のお年寄りが多い。医者もどうしていいのか解らないらしく、胃腸薬にビタミン剤を入れた処方箋が多い。 「かゆいかゆい病」 男の老人に多い。背中がかゆいと言ってかいてしまう。熱中症でたくさん汗をかいたのに、本人は気がつかない。そのままにしておいて、できたアセモを「孫の手」風の棒でかきむしってしまう。昔はそういう時、孫が来て、可愛い手で優しく背中をかいてくれたらしい。それで背中をかく器具に「孫の手」という名がついた。今の孫は、背中どころか小遣いをもらう時にしか来ない。 「稀勢の里症候群」 「私、お相撲が好きなんですよ。地元でしょう、稀勢の里を応援しているの。負けそうになって勝ったり、勝ちそうになって負けたり。心臓がドキドキしちゃって、見たくて仕方がないのに、心配で見ていられない。心臓に響くんですよ」「テレビを見なければいいのよ」「それが見ないわけにいかないんです」「病名は稀勢の里症候群ですね」(随筆家)
《つくば道》4 茨城県の魅力とは
2018年2月7日
【コラム・塚本一也】都道府県の魅力度ランキングという指標がありますが、2017年度版でも茨城県は最下位となりました。横綱稀勢の里の出身県であることやNHKの朝の連続ドラマ「ひよっこ」の舞台となったことなど、プラス要素もあったのですが、結果は4年連続の最下位でした。しかし民間調査会社の「魅力度調査」といっても自治体のイメージを測る一指標でしかなく、その順位が最下位であったとしても、茨城県の全てが否定されたわけではありません。 茨城県は有名人を起用した観光PRやイメージ戦略で人気回復に取り組んでいますが、本質的な改善策も必要であると思います。とくに近隣他県に遅れをとっているのが交通基盤の整備です。 茨城県にはつくばエクスプレス(TX)という在来線としては類いまれな高性能を持つ高速鉄道があります。TX本来の建設主旨は常磐線のバイパスとして機能することにありました。つくば駅からTXが北部延伸して常磐線と接続し、水戸とつくばを鉄道で結ぶことにより利便性は飛躍的に向上します。 水戸方面から都心への所要時間も短縮され、どちらか一方の路線が車両故障や災害時の場合においても振替輸送が可能となり、水戸が東京の通勤圏として本格的に機能することになります。そして水戸市とつくば市が連携することにより、2大都市を軸とした新たな生活圏・文化圏が誕生し、茨城の新しい時代が開かれることになると思います。 さらに、TX北部延伸の延長線上には空の玄関である茨城空港があります。茨城空港は軍民共用のため、様々な制限はありますが、「茨城県の空港」を主張するだけではなく、羽田・成田を補完する「首都圏第3空港」としての役割を認識し、沿線各市や近隣各県にも利用し易くすることが茨城県の評価につながると思います。 また、茨城県の海運の拠点である常陸那珂港は「海の無い栃木・群馬に港を開く」というコンセプトの下、3県がスクラムを組んで物流拠点としての常陸那珂港開港にこぎ着けました。この考え方こそが、これからの北関東3県の浮沈を握ると思います。茨城の陸・海・空が持つポテンシャルを活かし、近隣各県も恩恵が享受できる施策を発信することが、茨城県の魅力を高めることにもなるはずです。 それぞれの自治体がお互いの弱点をカバーしあえる関係を構築し、北関東圏がひとつの経済圏として大きく発展すれば、全国に先駆けた先進的な取り組みのモデルとなるでしょう。(大曽根タクシー社長)
工夫次第で和やかに成人式 龍ケ崎 中学校で分散開催 旧交温める
2018年1月8日
【崎山勝功】8日の成人の日を前に、県内39市町村で7日、成人式が催された。手荷物検査や検問など物々しい雰囲気で実施されたつくば市と異なり、終始和やかな雰囲気で実施された式典もある。龍ケ崎市では市内6中学校で成人式を分散開催し、新成人は互いに旧交を温め合った。 7日、横綱稀勢の里の母校、市立長山中学校(同市長山)には、振袖やスーツ姿の同中卒業生ら約90人の新成人が集まった。会場の同中体育館には、物々しい鉄柵や私服警官の姿は一切なく、終始和やかな雰囲気で式典が進行した。式典終了後は記念写真撮影やビンゴゲームが行われ、新成人に笑顔が絶えなかった。 同中出身で千葉ロッテマリーンズ投手の原嵩さん(20)は「久しぶりに会った人ばかり。(昨年)手術を受けた後で落ち込んでいたけど、仲の良かった人の顔を見て元気になった」と語った。 終了後は、新成人たちが体育館に並べられたパイプ椅子の片付けをし、養生シートを畳むなど、自主的に手伝う姿が見られた。 ■喧騒問題化、1998年から変更 同市生涯学習課によると、同市でも1997年まで他市同様に市内1カ所の施設に新成人を集める方式だったが「式典時の喧騒や新成人たちのまとまりの無さ」などが問題になった。このため98年からは市内6中学校に分散して成人式を執り行う方式に変更。成人式の運営を各中学出身の新成人に任せた。 学校関係者などによると、成人式を1カ所で集中開催すると、異なる中学出身者との間でトラブルになったり、一部の新成人に「悪目立ちをしよう」などの心理が働くこともあるという。分散開催について学校関係者からは「自分の母校で『悪さをしよう』という新成人はいない」と評価する声が聞かれた。 同中で成人式の運営に当たった、成人式実行委員長の大野隆博さん(20)=茨城大生、同市=は「久しぶりに集まるメンバーとの再会になるので、しっかりと運営できるよう、楽しい時間になるよう心掛けた」と式典を振り返った。その上で各中学校ごとの分散開催について「自分たちの仲間や親しんだメンバーばかりなので安心できる。特別目立とうとしなくても大丈夫なのかなと思う」と話した。
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