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レジオネラ菌検出で温浴施設ストップ つくばウェルネスパーク 15日再開
つくば市は1日、複合スポーツ施設、つくばウェルネスパーク(同市山木)本棟ヘルスプラザ内の温浴施設で、基準値を上回るレジオネラ菌が検出されたとして、2日から使用を停止すると発表した。再開時期は現時点で未定で、安全が確認されるまで利用できない。これまでに健康被害は報告されてないという。
市スポーツ振興課によると、2カ月に1度の定期検査のため、指定管理者のライフテックつくばが7月18日に水質検査を実施したところ、露天風呂、白湯風呂、圧注気泡風呂の3カ所で、基準値を上回るレジオネラ菌が検出された。最大で露天風呂から、基準値の3000倍が検出された。原因は不明。
温浴施設の水は、すべての風呂水を循環させ、ろ過して使っている。1日は休館日で、指定管理者は、浴槽や配管を高濃度洗浄剤で洗浄し、水質の再検査を実施している。早ければ7日に結果が出るという。
一方、ヘルスプラザ内の温水プールからレジオネラ菌は検出されておらず、引き続き利用できる。同施設で基準値を超えるレジオネラ菌が検出されたのは2011年のオープン以来初めて。
14日までに安全を確認
つくば市は14日、浴槽の換水清掃、配管等の化学洗浄、浴室の塩素消毒と高圧洗浄などを実施し、水質検査を改めて実施した結果、レジオネラ菌は検出されず、14日までに安全が確認できたとして、15日午前10時から浴室の利用を再開すると発表した。
今後は再発防止に向けて、浴槽の塩素噴霧消毒の実施や残留塩素濃度の管理など更なる衛生管理を徹底するとしている。
【ウェルネスパーク問題】新たな指定管理者決まる 前回1位と3位が組みリベンジ
【鈴木宏子】つくば市のスポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を4月から管理・運営する指定管理者が12月議会で否決され、市が公募をやり直した問題で、五十嵐立青市長は18日開会した市議会3月定例会に、新たに選定し直した事業者を提案し、賛成多数で可決された。
前回1位だったが、地元を優先すべきだとして議会で否決された都内のスポーツ施設管理運営会社「シンコースポーツ」が、つくば市内のNPOと組んで事業グループ「ライフテックつくば」(つくば市東光台、代表・NPOつくばアクアライフ研究所)をつくり、新たな指定管理者に選ばれた。
アクアライフは、前回3位だった「つくばアクアファーム」の構成団体で、水泳による健康づくりに取り組む野村武男・筑波大名誉教授が代表を務める。シンコーとは、愛知県岡崎市でPFI事業を一緒にやってきたという。
再公募は2社が応募
再公募は、12月議会で否決されたのを受けて、応募資格を地元のみに限定して実施した。ライフテックつくばのほか、現在の指定管理者で前回2位だったT.P.Hウェルネス推進グループ(つくば市篠崎、代表・塚越産業)の2事業者から応募があった。
2月12日に同候補者選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の委員10人で審査の結果、9対1でライフテックが1位になった。総合得点はライフテックが725点、T.P.Hは559点だった。同会議議事録によるとライフテックは、市内雇用を促進し、維持管理についても芝の管理や機器の保守点検修繕などは地元企業に仕事を発注すると強調した。
一方、年平均の指定管理料は、市の上限額7576万円に対しライフテックが7480万円、T.P.Hは7226万円だった。前回はシンコーが7196万円だったのと比べ、ライフテックは年283万円増、T.P.Hは267万円減となった。
18日の議会では、前回も反対討論した五頭泰誠氏(自民つくばクラブ・新しい風)が「前回の議会で、箱に包んで包装されたのを一回返したが、今日、箱の中身は同じで包装は違う。表面だけ変えたという印象」と反対討論した。一方、賛成討論した宇野信子氏(つくば・市民ネット)は「12月議会で否決され、募集要項が変わり、中味も変わった」などと強調し、採決の結果、小差で可決となった。
ウェルネスパークは、開業当初から現在まで10年間、T.P.Hウェルネス推進グループが指定管理者だった。交代するのは初めて。指定期間は4月から5年間。
➡つくばウェルネスパークに関する過去の記事とコラムはこちら
【ウェルネスパーク問題】再公募 応募資格を地元に限定 募集期間わずか10日
【鈴木宏子】つくば市のスポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を4月から管理・運営する市長提案の指定管理者が市議会で否決され、五十嵐立青市長が、改めて事業者を公募し選定をやり直すと表明した問題=1月15日付け=で、同市は24日、新たな事業者の応募資格を地元のみに限定し、23日から2月1日までの10日間、募集を実施すると発表した。募集資格は議会の意向に沿った形に変更となった。
議会で否決された前回の応募資格は「市内に拠点となる事務所を置く」事業者とされ、都内に本店があってもつくば市内に支店などがあれば応募可能だった。今回は「市内に本店を置き継続して2年以上経過している」事業者に変更した。
12月議会で否決された事業者は、都内に本店があるシンコースポーツ。ほかにつくば市内に本店があるグループ企業2者の計3者が応募していた。公募委員を含む同選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)が審査した結果、最も評価点が高かったシンコースポーツが議会に提案された。しかし新たな募集要項では市外事業者は応募自体ができなくなる。
さらに前回の募集期間は、募集要項配布から質問受け付け、現地説明会、申請書類受け付けまで40日間あったが、今回は23日から2月1日までのわずか10日間となる。
募集期間が短いことについて市スポーツ振興課は「(現在の指定管理者の期間が3月末までなので)4月に間に合わせるため」とし、「(前回)7月に公募し(応募があった)3者以外も現地見学会に来ている。今回は応募資格要件以外ほとんど(内容は)変わらないので、(応募事業者は)10日間で十分吟味できる」としている。
応募を2月1日まで受け付けた後は、2月上旬に第1次審査(書類審査)と第2次審査(プレゼンテーション)を実施する。中旬には候補者を決定し、2月下旬に議会に提案する方針で、4月1日からの指定管理期間の切り替えに間に合うとしている。
同施設は温水プール、温浴施設、サッカースタジアムなどがある約9㌶のスポーツ施設。2010年にオープンして以来これまで3年ごとに指定管理者の選定を行い、現在まで9年間、T.P.Hウェルネス推進グループ(代表・塚越産業、つくば市篠崎)が指定されている。指定期間は今年3月末で満了となり、4月から新たに5年間の指定期間となる。
【ウェルネスパーク問題】公募からやり直し 議会否決のつくば市指定管理者
【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長が昨年12月議会に提案していた、スポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)の指定管理者案が、同市議会で否決された問題=2018年12月21日付け、19年1月7日付け=で、五十嵐市長は10日の記者会見で「ゼロベースで公募をかけたい」と話し、同選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の審査で次点だった事業者を議会に提案するのではなく、改めて事業者を公募して選定をやり直す考えを示した。
五十嵐市長は「(選定検討会議の)専門家が様々な議論をして公平に審査した結果(12月議会に提案したのは合計得点が)1番目の事業者になった。専門家の議論が否定されたとは思ってない」と話す一方「決めるのは議会。プロセス部分に対して議会から問題提起があったことを重く受け止め改善策を出す。次点の事業者(を再提案するということ)ではない。(選定検討会議を開いて)選定し直す」などとする方針を示した。
担当の市スポーツ振興課などは「プロセスに関して議会から問題提起があったので、議会の意向をくんで考え方を整理し、参加資格要件も含めて検討したい」などとしている。
一方、現在、同施設を管理運営している事業者の指定期間は今年3月末まで。今回、議会に提案した事業者の選定には、募集開始から候補者選定まで3カ月以上かかった。これから公募し選び直すと4月からの指定に間に合わない可能性が出てくる。新たな指定管理者が決まるまでの間、施設の管理運営をどうするのか、新たな対応が必要になる。市は「どうするかも含めて検討している。なるべく早く(方向性を)示す」などとしている。
市は昨年7月の指定管理者の募集要項で「不測の事態が生じたときは次点候補者を候補者として繰り上げることができる」としていた。さらに応募者の資格要件として、緊急時に迅速かつ適切な対応がとれるよう市内に拠点事務所がある事業者を条件にしていた。
反対「地場産業育成」、賛成「市民の利便性向上」
市長提案に対する12月議会の採決では、五頭泰誠氏(自民つくばクラブ・新しい風)から反対討論として「力のある会社と地元の小さな会社で差が出てしまう。地場産業の育成を市長は公約にうたった。発注段階で庁内でこういうことをもっと考えなければいけなかった」などの意見が出た。
一方、賛成討論として北口ひとみ氏(つくば・市民ネット)は「指定管理者制度導入そのものの目的は民間のノウハウを活用した市民の利便性向上が第一義的。(提案事業者は)地元での雇用にも言及している」などと意見を表明していた。
採決の結果、賛成11、反対16で否決となった経緯がある。
▽今年4月から5年間、つくばウェルネスパークを管理運営する指定管理者には、シンコースポーツ(東京都中央区)、T.P.Hウェルネス推進グループ(代表・塚越産業、つくば市篠崎)、つくばアクアファーム(つくば市竹園)の3者から応募があり、市選定検討会議の審査でシンコースポーツが候補者に選ばれ、議会に提案された。次点は現在、同施設の指定管理者になっているT.P.Hウェルネス推進グループだった。5年間の指定管理料提示額は議会で否決されたシンコースポーツが約3億5900万円、次点のT.P.Hウェルネス推進グループが約3億7400万円だった。
▽12月議会の議決結果は以下の通り(敬称略)
賛成=つくば・市民ネット(小森谷佐弥香、皆川幸枝、宇野信子、北口ひとみ)、公明党(山本美和、浜中勝美、小野泰宏)、共産党(山中真弓、橋本佳子、滝口隆一)、大久保勝弘(つくば政清会)の11人。
反対=自民つくばクラブ・新しい風(長塚俊宏、黒田健祐、神谷大蔵、小久保貴史、五頭泰誠、ヘイズジョン、久保谷孝夫)、つくば市民政策研究会(高野進、柳沢逸夫、須藤光明)、木村清隆(つくば政清会)、木村修寿(同)、塚本洋二(同)、金子和雄(新社会)、高野文男(創生クラブはがくれ)、鈴木富士雄(筑峰クラブ)の16人。
【ウェルネスパーク問題】市長提案の指定管理者案を否決 つくば市議会
【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長が12月議会に提案していた、スポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を来年度から管理運営する指定管理者案が、21日開かれた同市議会本会議で否決された。都内の事業者が候補者だったことから、地元事業者を優先すべきというのが理由の一つだ。
今後市は、3月議会前に臨時議会を開き、指定管理者の選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の審査で次点だった事業者を、改めて議会に提案するという。次点は市内の事業者だが、5年間の指定管理料は、今回否決された事業者より約1480万円高くなる。
12月議会最終日の21日本会議が開かれ、賛成少数で否決となった。提案されていた事業者は、現在、全国70カ所でスポーツ施設や健康施設の管理運営を手掛けるスポーツ施設管理運営会社、シンコースポーツ(東京都中央区、石崎克己社長)だった。
3事業者が応募
現在の指定管理者の期間が来年3月末で満了となることから、市は来年度から5年間、同施設を管理、運営する事業者を7~8月に募集していた。同社のほか現在、同施設の指定管理者となっているT.P.Hウェルネス推進グループ(同市篠崎、代表・塚越産業)、つくばアクアファーム(同市竹園)の3者が応募していた。1次、2次審査を経て、10月に同選定会議でシンコーが候補者に選ばれ、12月議会に提案されていた。
11人の選定委員による採点の合計点は、1位のシンコーが計764点、2位が669点のアクア、3位が649点のT.P.Hだった。次点は、残り2事業者のうち第1順位を付けた委員が多かったT.P.Hとなった。
同選定会議の議事録によると、議会で否決されたシンコーは、運営目標として、運動する機会が少ない20~40代のスポーツ参加率を上げる、高齢者向け独自の教室事業を展開する、子どもが施設の中で遊べるボルダリングや頭を使う取り組みを展開する―などを掲げ、従業員はすべて市内のスタッフを雇用するなどと表明していた。
市が事業者に支払う5年間の指定管理料は1位のシンコーが3億5884万円、次点のT.P.Hが3億7470万円、アクアが3億5000万円だった。
同施設は温水プール、温浴施設、サッカースタジアムなどがある約9㌶のスポーツ施設で、プールと温浴施設は隣接のごみ焼却施設の余熱を利用している。2010年にオープンして以来これまで3年ごとに指定管理者の選定を行ってきたが、いずれもT.P.Hウェルネス推進グループが指定管理者に指定されている。
市営みどりのプール 27日オープン つくば
つくば市営の温水プール「みどりのプール」が27日、TXみどりの駅近くの同市みどりの南にオープンする。平日午前中は市内の小中学校9校がそれぞれプールの授業を実施し、午後などは市民が利用できる。会議室やトレーニングルームもある。同市の温水プールはつくばウエルネスパーク(同市山木)に次いで2カ所目。
温水プールは25メートルプールが2槽設置されている。1槽は7コースあり、最大水深1.3メートルで水深の調整が可能な可動床になっている。もう1槽は6コースで、水深1.1メートル、車椅子用スロープが設置されている。水温は30~31度、プールサイドは床暖房で、体を温める採暖室もある。幼児用プールとして水深50センチ、直径5メートルの円形プールも設置されている。
小中学校の利用は5~12月の午前9時~午後0時30分で、学校にプールがない、みどりの南小中、研究学園小中、香取台小などTX沿線の新設校と、児童生徒数が増加し自校のプールでは足りない学園の森、みどりの学園義務教育学校、島名小のほか、真瀬小の児童生徒計約6000人がそれぞれ年3回程度、バスで行き来し利用する計画だ。
更衣室は、LGBTQなど性的少数者に配慮し、男女それぞれの更衣室に個室を備えているほか、車椅子の障害者などが利用しやすいようロッカーの高さを調整しシャワーやトイレと一体的に利用できる「だれでも更衣室」も設けられている。
ほかにダンスや体操などができる壁一面鏡張りのトレーニングルーム(約120平方メートル)と、可動の間仕切りで3パターン利用できる会議室(90平方メートル)がある。TX沿線のみどりの地区には公共の集会施設が無く、地域住民が集まりなどで利用できる会議室が整備されるのは初めて。会議室の利用が無い時は開放し、コミュニティスペースとして市民が自由に利用できるようにする。
環境にも配慮し、コジェネレーションシステムによりガスでプールの温水を沸かし、同時に発生する電気で施設の使用電力の一部をまかなうほか、発電量50キロワットの太陽光発電設備を取り付け、エネルギー使用量を50%削減する。
施設の運営は、筑波大の野村武雄名誉教授が代表を務めるNPOつくばアクアライフ研究所(つくば市島名)と東京アスレティッククラブ(東京都中野区)で構成するつくばアクアティックグループが指定管理者となり管理運営する。ほかに、水泳やダンス、ヨガ教室などの自主講座や、小学生対象の放課後運動教室を開催する。市が事業者に支払う24年度の指定管理料は年間約3900万円、プールや会議室などの利用料金と自主教室の受講料などは指定管理者の収入となる。指定期間は3年間。
施設は敷地面積約2万5000平方メートル、プールがある建物は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、延べ床面積約2900平方メートル。2022年10月から建設工事に着工し1年半かけて完成した。用地購入費も含めた総事業費は約35億円。
市スポーツ施設課の武笠健一課長は「環境に配慮し、障害のある人でもだれでも使っていただけるよう設計した。皆さんに来ていただけたら」と話している。
みどりのプールの場所はもともと学校用地で、みどりの南小の建設予定地として市が約8億5000万円で県有地を購入したが、産業廃棄物処理施設が近くにあること、高圧線の近くに位置することなどから議会で心配の声が上がり、市は、みどりの南小を約600メートル南の現在地に移転し、代わって小中学校が利用する屋内プールを建設した経緯がある(2020年6月2日付)。
◆みどりのプールはつくば市みどりの南14-1。一般市民の利用時間は5~12月の平日が午後1~9時、学校の利用がない土日祝日と1~4月は午前9時~午後9時。休館日は毎月第2、第4月曜など。▷プール利用料金はつくば市民が大人1回550円(つくば市以外は820円)、子供・高齢者270円(同400円)、障害者180円(同240円)など▷トレーニングルームは同市民が1時間全室一般1100円(同1650円)、半室550円(同820円)など▷会議室は同市民が1時間当たり小会議室150円(同220円)、中会議室310円(同460円)、大会議室460円(同680円)など。つくば市在住、在勤、在学者であることを証明する免許証や学生証などの提示が必要。駐車場は200台分あり無料。詳しくは電話029-896-6870。
11/18-12/10 つくば市民の日記念事業
つくば市は、11月30日の「つくば市民の日」の記念事業として、市施設の無料開放や割り引きなどを実施する。期間は11月18日(土)から12月10日(日)。実施日は施設によって異なる。身分証の提示が必要な施設もある。つくば市民の日は、1987年11月30日の町村合併によるつくば市誕生を記念して制定された。
【18日(土)、19日(日)に無料開放する施設】
▽市営テニスコート18カ所で2時間無料(夜間照明は有料)、対象は利用者全員
▽さくら交通公園 足踏み式ゴーカート、自転車貸し出し無料、対象は利用者全員
▽豊里ゆかりの森昆虫館入館料無料、対象は利用者全員
▽筑波ふれあいの里バーベキュー場使用料無料、対象は利用者全員、事前予約必要
▽茎崎こもれび六斗の森屋根なしバーベキュー場使用料無料、対象はつくば市民を含むグループ、身分証の提示が必要 事前予約必要
▽松見公園展望塔利用料無料 対象は利用者全員
【割り引きやサービスがある施設】
▽つくばウエルネスパーク入館料割引等 11月30日(木)、大人730円が530円に 対象は利用者全員
▽フォレストアドベンチャー・つくば(筑波山中腹)利用料金割引 11月30日(木)~12月10日(日)、アドベンチャーコースは通常料金から1000円割引、キャノピーコースは同800円割引 対象は市内在住・在勤・在学者、身分証の提示必要、事前に電話で確認の上予約を
▽市内ゴルフ場6カ所 11月30日(木)、先着20人につくば市オリジナルゴルフマーカーをプレゼント、対象はつくば市民
【学校給食「つくば市民の日」】特別メニューの提供 11月末ごろ
公共施設への電気供給ストップ ごみ焼却施設で設備故障 つくば市
つくば市のごみ焼却施設、つくばサステナスクエア(同市水守)で今月12日、電気設備が故障し、ごみを燃やして発電し市の公共施設に電気を供給する「自己託送」(10月7日付)や売電が、同日からストップしていることが分かった。同施設によると、現時点で自己託送事業の再開がいつになるか分からないとしている。
電気設備の故障により、ごみ焼却自体も12日から20日まで9日間停止した。この間、収集した可燃ごみを一時的にためておくごみピット(容量約3800トン)に1800トン以上がたまったが、仮設の発電機を設置して20日に1炉が稼働し、焼却を再開した。もう1炉も27日に稼働できる予定だ。
年末年始はごみの量が増える。同施設では他のごみ焼却施設に処理を委託することも検討していたが、委託しなくても、しのげる見通しだという。
一方、電気設備の故障の原因はまだ分かっておらず、現在、原因を調査している。原因が分かり次第、部品を調達するなどして修理する予定だが、特殊な部品なのですぐに調達できるかどうか分からず、自己託送や売電がいつ再開できるかは未定だとしている。
自己託送は、電気料金の削減と温室効果ガスの排出削減などを目的に今年10月1日から同市で始まったばかり。市役所本庁舎など市内41施設にごみ焼却施設で発電した電気を供給し、年間約6890万円の電気料金を削減でき、年間1900トンの温室効果ガス排出を減らすことができるとしていた。今回の故障による影響について市環境政策課は「(現時点では)答えられない」などとしている。代わりの電気は12日から、新電力のアーバンエナジーから購入している。
プールと温浴施設は25日再開予定
ごみ焼却施設の停止により蒸気の供給も停止したことから、隣接のつくばウエルネスパークの温水プールと温浴施設も12日から営業を休止している。20日にごみ焼却炉1炉が稼働再開したことから、プールと温浴施設への蒸気の供給が再開した。ウエルネスパークによると現在、設備の点検と、水の温度を上げる昇温を行っており、25日にも再開できる見通しだとしている。
サステナスクエアのごみ焼却施設には焼却炉が3炉あり、1炉当たりの1日処理能力は約100トン。常時2炉が稼働し、1日200トン程度を焼却している。敷地内にはリサイクルセンターやし尿処理施設もあるが、電気系統が異なるため通常通り稼働している。(鈴木宏子)
【訂正:23日午後5時20分】つくばウエルネスパークのプールと温浴施設の再開が1日早まり、26日再開を25日再開に訂正しました。
エッセンシャルワーカー向けPCR検査所 県がつくばに開設
濃厚接触者の早期職場復帰へ
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、濃厚接触者となったエッセンシャルワーカー(社会機能維持者)を対象とした県の無料PCR検査所がつくば市山木、つくばウェルネスパーク駐車場内に開設され、2月1日からドライブスルー方式による検査が実施されている。
自宅待機5日目以降で無症状の医療従事者、保育園や幼稚園職員、警察官、消防士や救急隊員、高齢者や障害者施設の職員などが対象。検査で陰性が確認されれば、早くてその日から安心して職場復帰できる。開設はつくば市1カ所のみで、県内全市町村のエッセンシャルワーカーが対象になる。
筑波大の水素燃料電池バスが出動
抗原検査キットが手に入らなかったりPCR検査が受けられないなど、検査体制のひっ迫が続いていることから、県の要請を受けて、現場で精密なPCR検査ができる筑波大学の水素燃料電池バスが出動し、臨時の検査所が開設された。
現在は1日3時間受け付け、1日最大240人分の検査ができる。2月末まで開設し、平日に検査を受け付ける。検査体制のひっ迫が続けば、3月以降も延長される予定だという。
前日までにインターネットで予約することが必要。会場では、自家用車の車内でだ液を採取し、担当職員に検体を手渡せば、5分程度で終了となる。検体は、会場に駐車してある水素燃料電池バスの車内で1検体ずつ検査され、40分から1時間後に本人のメールに結果が通知される。一般の検査センターでPCR検査を実施する場合に比べ、半日ほど早く本人に結果が届くという。
筑波大によると、2月1日からこれまで、1日平均100人程度、最大で1日169人が検査を実施した。濃厚接触者の場合、自宅待機5日目では1割程度が陽性になるとされるが、筑波大の検査でも169人中11%が陽性だったという。陽性の場合はさらに6日間、自宅待機が必要となる。
16日は午前11時に検査がスタートし、事前予約していたエッセンシャルワーカーの車が次々にやってきて、検体を手渡す姿が見られた。
同大医学医療系感染内科学の鈴木広道教授は「医療従事者などエッセンシャルワーカーの早期職場復帰や、施設内でのクラスター発生防止に協力できれば」などと話している。(鈴木宏子)
【新型コロナ】臨時休館の公共施設増える 土浦市立図書館も9日から
【伊藤悦子】新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、土浦市立図書館(同市大和町)が9日から3月末まで分館を含めたすべての図書館を休館にした。県図書館協会によると、臨時休館となった図書館は増え、県内66館のうち30館が臨時休館になっている(10日時点)。イベントの自粛にとどまらず、休館に踏み切る公共施設が増えている。
土浦市立図書館の入沢弘子館長は「公共施設の中でも市立図書館は駅に近く、駅前のにぎわいをつくる機能もあるため、多世代にわたる来館者が非常に多い。また滞在型図書館であることから感染リスクも高まる」と休館の理由を説明し、理解を求める。
同館は単館として県内一の来館者があり1日約1800人が訪れる。土浦市は水戸市に次いで高校の数が多いため高校生の利用が多いことも特徴だ。さらに来館者がゆっくり過ごせる「滞在型」であるため多くの来館者が長時間滞在する。
新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に対し、土浦市は県内他市町村に先駆けて2月21日、市主催イベントの開催基準を定め、公表した。市立図書館では当初、不特定多数が閉鎖された空間に集まる館内イベントのお話し会を中止した。その後3月2日から高校が、4日から小中学校が臨時休校になったことを受けて、図書館は4日から高校生が集まる4階の学習スペースと飲食コーナーだけを閉鎖した。
するとこれまで4階を利用していた高校生らが3階、2階に降りてきて勉強をするようになった。4階閉鎖後も来館者数は変わらず、かえって人が密集する状態になったため休館の検討を始めた。
当初は分館を開館することを検討したが、本館を休館すると来館者が分館に流れてしまうことを懸念し、分館も閉館にも踏み切ったという。
入沢館長は「図書館本来の使命を果たさないのか、という意見もあるかと思う」と話し「駅前のにぎわいをつくる機能もある滞在型図書館で、たくさんの人が長時間滞在する。感染リスクを考えるとお叱り覚悟で臨時休館を決めた」と語った。
休館について利用者からメールで問い合わせは入るが、事情を話すと理解してくれるという。臨時休館が始まった10日の朝は、開館前から入り口で待つ来館者はなかった。休館を知らせるポスターを見て引き返す人がいたものの、混乱は起きていないという。
閉館前日の8日、同館を訪れた同市小岩田に住む女子高校生(17)は「図書館は集中しやすい。勉強する空間がなくなるので困るが、家でなんとか頑張りたい」と話していた。
「再び開館するときはピカピカに」
休館中も職員は平常通り業務にあたる。傷んだ図書の修理など、普段なかなかできなかった作業を行うという。「再び開館するときはピカピカの状態になっていると思う。状況が変わり次第、ホームぺージなどにお知らせを出し、入り口にポスターを貼るので確認していただきたい」と入沢館長は話す。
貸出予約を受けた資料は、連絡済みの予約資料のみ15日までなら受け取ることができる。16日以降は貸出しないが、開館後、再度連絡する。貸出中の資料は図書館開館後、1週間をめどに返却してもらう。休館中は、各図書館や各地区公民館に設置している返却ポストを利用できる。他館の資料、相互貸借資料については相手館への返却のため、返却期限内の返却が必要だ。アルカスや各分館の窓口で対応してくれる。詳しくは同図書館の土浦市立図書館のホームぺージ。
◆土浦市内のほかの公共施設休館は次の通り(14日現在)。状況によって変更になることがある。休館中の使用料は返金する。詳しくは土浦市ホームぺージ。
▽りんりんポート土浦のシャワー室=2日から当面の間休止
▽勤労者総合福祉センターのトレーニング室=2日から当面の間休止
▽温浴施設「霞浦の湯」=2日から大ホール貸出を除き当面の間休止
▽老人福祉センター・湖畔荘のお風呂=2日から当面の間休止
▽老人福祉センター・つわぶきのお風呂=2日から当面の間休止
▽ふれあいセンター・ながみねのお風呂・プール=2日から当面の間休止。11日から開館時間を午後6時までに短縮
▽新治総合福祉センターのお風呂=2日から当面の間休止
▽小中学校体育館開放事業=2日~4月5日まで休止
▽ワークヒル土浦のトレーニング室、多目的ホール・工芸室の個人利用(卓球・ダンス等)=3日から休止
▽ネイチャーセンター=16日から当面の間休館
▽霞ケ浦文化体育会館(水郷体育館)=17日から当面の間休館。会議室を除く。トレーニング室は2日から利用休止
▽新治トレーニングセンター=17日から当面の間休館
▽市立武道館=17日から当面の間休館。弓道場を除く。
◆つくば市公共施設の休館状況は次の通り(14日時点)。状況によって変更になることがある。感染拡大防止のため交流センターなどの使用をキャンセルした場合、使用料を返金する。詳しくはつくば市ホームぺージ。
▽桜総合体育館の柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽谷田部総合体育館の柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽筑波総合体育館の柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽豊里柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽つくばウェルネスパークのトレーニングルーム=3日から当面の間、利用休止
▽桜総合体育館のトレーニングルーム=3日から当面の間、利用休止
▽谷田部総合体育館のトレーニングルーム=3日から当面の間、利用休止
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【つくば市20年度予算】過去最大規模を更新 学校建設ラッシュ続く
【鈴木宏子】つくば市は4日、2020年度当初予算案を市議会全員協議会に説明した。一般会計は約885億2500万円で前年度当初比0.6%増となり、過去最大規模だった前年度をさらに上回る。つくばエクスプレス(TX)沿線の児童・生徒数増加に対応するため、学校建設や校舎増築ラッシュが続く。
新設が予定されているのは、TX研究学園駅周辺の研究学園小中学校(仮称)、万博記念公園駅周辺の香取台地区小学校(同)、みどりの駅周辺のみどりの南小学校(同)の3校。研究学園小中と香取台小はいずれも23年4月開校に向け、それぞれ約1億2800万円と約9600万円で設計を行う。みどりの南小は24年4月開校に向け用地を約10億7800万円で購入し、さらに約2億1800万円で基本・実施設計をする。
ほかに小中学校3校で校舎を増築する。葛城小は21年4月からの利用開始を目指し約8億円で校舎を増築する。手代木南小と栗原小は22年4月の利用開始に向け校舎増築の設計を実施する(2校の設計費合計約5500万円)。
保育所もさらに増やす。民間保育所施設の整備補助を約14億1000万円を計上し、保育所7園、認定こども園1園、病児保育施設1園を20年度中に整備する予定だ。
旧総合運動公園 借入金返済に備え積み立て
課題となっている旧総合運動公園用地については、いったん市は売却を表明したが、市議会に特別委員会が設置され売却見直しの意見が多数となっていることから、2023年度末の土地購入費の借入金返済期限に備えて財政調整基金に6億円を積み立てる。21~23年度までは基金残高98億円を目標に3年間で毎年15億円ずつ積み立てる計画。今後、議会から示される方向性を見据えながら再検討していくという。
つくば駅前の商業施設クレオの再生に市が関与しない方針を決めた後の中心市街地のにぎわいづくりについては、市が約6000万円を出資し、官民連携の中心市街地エリアマネジメント団体を設立し活性化を図る。さらにつくばセンタービルの再整備に向け、約990万円で必要な機能や配置について検討する基本計画を策定する。
ほかに、圏央道つくば中央IC(インターチェンジ)- 常総IC間のスマートICの整備に向け、用地購入2億2600万円とNEXCO東日本への同IC建設負担金約7500万円を計上する。21年度中の利用開始が予定されている。
ナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」については、新たにつくば駅からりんりんロードまで7.5キロの推奨ルートを設定し、案内表示の路面サインをつくる(約720万円)。
つくばウェルネスパーク内のサッカー場、セキショウ・チャレンジスタジアムは経年劣化により芝の破れやほつれが発生していることから、約1億7600万円で人工芝を張り替える予定だ。
不登校児童生徒の支援では、市南部に約1200万円で新たな支援拠点を設置する。市と民間の共同事業とする計画で、共同事業は県内初という。4月以降、民間事業者を公募し10月ごろ開設する予定だ。
一方歳入は、人口増などにより、個人市民税を前年度比5.1%増、固定資産税を3.2%増と見込む。法人市民税は昨年10月の税制改正の影響で13.2%減となり、市税全体は2.4%増を見込む。
特別会計などを含めた総額は1488億800億円となり、一般会計と同様、過去最大規模を更新する。
同予算案は14日開会の市議会3月議会に提案される。五十嵐立青市長は「市未来構想が目指す4つのまちの姿の実現に向けた予算で、まいてきた種が形になる」などと話している。
《吾妻カガミ》51 面白い形で決着 つくばの市施設問題
【コラム・坂本栄】つくば市のスポーツ施設の指定管理者問題は面白い展開になりました。最初に市の選定会議が1位に選んだ業者(東京のスポーツ施設運営会社)を議会が否決、2位の業者(地元の清掃品販売・ビル管理会社)の繰り上げかと思っていたら、なんと1位と3位(地元のスポーツ生活支援NPO)が連携、管理者に選ばれたからです。
地元優先に固執する市議の裏をかき、非地元と地元が組んで、地元の看板で非地元が実質受注するという逆転劇。誰が考えたか知りませんが、大変ドラマチックな展開になりました。
議員の一人は「1位+3位」案について、箱(東京の会社)は最初と同じで、上紙(地元のNPO)を変えただけではないかと反対したそうです。でも、サービスの質と地元優先の条件を満たす、この妙案が通りました。それにしても、箱と上紙の例え、なかなか秀逸(しゅういつ)でした。
詳細は、本サイトの記事「【ウェルネスパーク問題】新たな指定管理者決まる 前回1位と3位が組みリベンジ」(2月18日掲載)、議会否決の記事(12月21日掲載)、再公募の記事(1月24日掲載)をご覧ください。一連の市と議会の動きをコメントした私のコラム(1月7日、1月21日、2月4日各掲載)もどうぞ。
私が疑問視したのは、地元企業優先は高くつくのではないか、それで管理サービスの質が保てるのか、地元保護は企業経営をヤワにする―の3点でした。そして、こんな入札をやっている市と議会を「村役場」と呼びましたが、今回の結果と気が利いた議員発言を聞き、「町役場」に昇格させます。市の地元優先スタンスは不変ですから、より上の格付け(レーティング)は見送ります。
公営プールの苦い思い出
スポーツ施設と言えば、私も民間のクラブに週2~3回通い、有酸素運動+筋肉トレーニング+ストレッチ(ときどきプール)に励んでいます。高齢者の体力維持(私もその1人)、奥様方の体形維持、キッズのスポーツ志向といったニーズもあり、今、スポーツ施設はブームです。競争も激しいようですが、利用者にとってサービス競争は大歓迎です。
記者という仕事柄、ストレス解消と体力維持のために、20代からスポーツ施設を利用してきました。最初は都営のプール、次は区営の体育館、そして民営のクラブです。これらにゴルフも加え(今は休止中。代わりに毎朝柴犬と1時間弱散歩)、体力を維持できました。
こういった施設利用で気になったことがあります。往々にして、公営は民営に比べ使い勝手やサービスがよくないということです。区営の施設は、プールは立派なのにロッカールームが貧弱とアンバランスでした。「1位+3位」業者のサービスがプレゼンテーション通りに実施されるか、監視していきましょう。(経済ジャーナリスト、NEWSつくば理事長)
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《吾妻カガミ》49 つくば市外の会社を排除 議会に市長も同調
【コラム・坂本栄】つくば市の行政ウォッチは結構笑えます。街並み、研究機関、教育機関、そこで仕事をしている方、住んでいる方の先進性と対照的に、行政・議会が田舎丸出しだからです。
前回(1月21日掲載)と前々回(1月7日掲載)、市のスポーツ施設の指定管理者選定問題を取り上げましたが、その後、市は議会の意向を受け入れ、一度決めた管理者を選び直すプロセスで、市外の業者を事実上排除する新選定基準を採用しました。市長の五十嵐さん、「市外の者 参入禁止」の高札を立てたわけです。
詳細は本サイトの記事「【ウェルネスパーク問題】再公募 応募資格を地元に限定 募集期間わずか10日」(1月24日掲載)をご覧ください。
ポイントは、先に東京の業者が選ばれた際の選定基準では、応募事業者の資格は「市内に拠点となる事務所を置く」であったのに、議会の意を汲(く)んだ新基準では「市内に本店を置き継続して2年以上経過している」になった、ということです。
この基準ですと、東京の業者は再エントリーできません。前回2位あるいは3位だった市内の業者に何が何でも管理者を任せようと、市外業者の排除を狙った手順と言えるでしょう。市は議会に屈し、地元企業優先・市外企業排除の入札基準を採用したことになります。
これまでのコラムでも指摘しましたように、こういった地元保護は、納税者に余計な負担を負わせ(応々にして高い買い物につながる)、地元の業者を甘やかす(過保護により競争力が育たない)ことになります。もちろん、サービスの質の問題もあります。
さらに、先進的で開放的な研究学園市のイメージを傷つけます。「整然とした街並み」「多くの研究機関」「高レベルの国立大」「意識の高い市民」と、「垢(あか)抜けない行政・議会」 のミスマッチングは悲しいものがあります。
ウェルネスパーク問題 学園都市の田舎政治
私は高校まで土浦市に住んでいました。そのころ、今のつくばセンター地区とその周辺は山林か田畑でしたから、足を運んだ記憶はありません。林の中にポツンと建つ館野測候所(現気象庁高層気象台)見学は覚えていますが、現つくば地区への遠足といえば筑波山が定番でした。
つくば科学博のころは、米国から帰ったばかりで、東京で経済記者をしておりました。帰省の折に車で現つくばセンター地区を走り、その都市構造に「これは日本でない」と感激したものです。そのころ、取材のかたわら、県知事の竹内藤男さん、後任の橋本昌さんに頼まれ、三井不動産の江戸英雄さんらと、科学博跡地分譲(買い手企業探し)を手伝ったこともありました。
私のつくばの記憶=縦軸=には、このような田舎と都市が混在しています。でも、現切断面=横軸=に田舎と都市が混じるのは困ったものです。都市化が進むTX研究学園駅エリアの一角にデンと構える「村役場」―笑って済ませられるでしょうか?(経済ジャーナリスト)
《吾妻カガミ》48 芝居「つくばファースト」上演中!
【コラム・坂本栄】前回のコラム「つくばファースト? 研究学園の変な議会」(1月7日掲載)で、つくば市の指定管理者選定問題を取り上げました。要約すると、市がきちんとした手続きで選んだ「東京の業者」を議会がひっくり返し、議会は地元の会社にやらせたい―という話です。
問題になっているのは「つくばウェルネスパーク」(スポーツ施設)の管理者ですが、市当局と市議会のズレ、「議会の勝ち」というわけにはいかず、もう一波乱ありそうです。
というのは、透明性の高い選定を否決されたことにカチンと来たのか、市長の五十嵐さんが「ゼロベースで選び直したい」と言っているからです。市の選定委員会に再度諮り、選び直した業者を議会に再提案する―こういったシナリオを考えているようです。
この辺の経緯については、本サイトの記事「公募からやり直し 議会否決のつくば市指定管理者」(1月15日掲載)をご覧ください。市案に反対した議員の名前も出ています。
市当局vs市議会、大歓迎です。税金の使い方(東京の業者の受託費の方が安い)、提供されるサービスの質(東京の業者がベスト)、地域活性化策(地元業者へ優先発注)の是非などの議論が、市民の前に晒(さら)されるからです。再選定のプロセスで、市長、各市議がどう演じるか、楽しみにしています。
喜劇「医科大男子ファースト事件」
市の再提案を前に、展開が気になっています。「ゼロベースで」と言いながら、議会との衝突を避けるため、市は選定基準を変え、議会が受け入れる業者を選び直す―こういった筋書きになるのではないかと。
選定といえば、大学受験の合否判定で事件がありました。東京医大の不正入試です。報道によると、総合点を計算する際、女子は減点され、男子が有利に扱われていたそうです。この男子ファースト採点式はマル秘にされ、女子はバカを見ることになりました。
事件には続編もありました。合否判定基準がブラックであることをいいことに、受験ブローカー(なんと元国会議員)が暗躍、「サクラ散る」レベルの受験生を大学に押し込んでいたというのです。受験者―仲介者―大学の間で、おカネが動いたのかどうか知りませんが、同大卒の質が心配です。
元へ。とにかく、指定管理者選び直しのプロセスで、選定式を地元有利(女子受験生減点を真似て市外業者減点)に書き換えるようなことはないか、気になります。世界の自治体のモデルを目指す、研究学園つくば市ですから、そんな笑える話にはならないと思いますが。(経済ジャーナリスト)
《吾妻カガミ》47 つくばファースト? 研究学園の変な議会
【コラム・坂本栄】昨年12月のつくば市議会でおかしなことが起きました。市が慎重に選んだ市施設の指定管理者(案)を、議会が「地元の業者ではない」と否決したというのです。そして、近く開く臨時議会で、次点だった地元の業者を管理者に選ぶそうです。
どうやら、市民は、余計な費用(否決された業者の委託料の方が安い)を負担、そして、より良くないサービス(市の判定は否決された業者が最高点)を受けることになりそうです。
冒頭「おかしなこと」と言ったのは、市民が納めた税金をムダ使いし、より良いサービスを敬遠するという議決を、市議会が堂々としたからです。研究学園市の議会は、目線が市民(納税者)ではなく、アサッテ(受注業者)の方を向いているようです。
こういった議会の行状は、本サイトの記事「市長提案の事業者を否決 つくば市議会 ウエルネスパークの指定管理者」(12月21日掲載)で知りました。
詳しくはクリックしていただくとして、ポイントは①市の選定委員会が1位に選んだのは東京の業者だった②その受託料は他業者より年300万円ぐらい安かった③議会は1位の業者に代えて点数も下位だった市内の業者を選ぶらしい―です。
市の仕事はどうしても地元の業者にやらせたいと、議会は考えているのでしょう。「つくばファースト」ということでしょうか。米大統領のトランプさんが流行らせたコピー「アメリカファースト」のもじりですが、なにか不健全なものを感じます。
「世界のあしたが見えるまち」はどこに
これと似た傾向は、市の新しい入札制度にも見られます。昨年秋、市がクレオ問題への市の関与策を議会で説明した際、この問題に興味があった私も傍聴しました。このとき、一緒に公表された入札制度運用方針に、私は強い違和感を覚えました。
市は、一般競争入札が原則と断りながらも、「指名競争入札や随意契約による調達が例外的な取り扱いとして認められている」として、「地域活性化の観点からは、地元企業が受注し地域経済に貢献することも求められており…」と、地域活性化を黄門様の印籠にして「つくばファースト」を掲げていたからです。
こういった排外的な施策は、長い目で見ると域内企業の競争力を弱めます。企業は競争を促すオープンな市場で鍛えられるからです。域外の企業をソフトに閉め出す議決や施策が、地域の経営力を弱めることにならないか心配しています。
つくば市長の五十嵐さんの看板「世界のあしたが見えるまち。TSUKUBA」は、つくばを世界のモデルにしたいという意気込みのコピーと聞いています。でも、トランプ流の「つくばファースト」が世界のお手本になるでしょうか? 真似してはいけないお手本(反面教師)なら分かりますが…。(経済ジャーナリスト)
【震災7年】福島の避難者、故郷の窮状訴え つくば・取手で集会
【崎山勝功】東日本大震災と福島第1原発事故から丸7年を迎えた11日、県南ではつくばと取手市の2カ所で脱原発を訴える集会が開かれた。つくば市吾妻の中央公園では同日午前、「3.11から7年 さよなら原発!守ろう憲法!つくば共同アクション」が開かれ、福島県楢葉町から避難している草野巍久さん(78)=守谷市在住=が、故郷の窮状を訴えた。
草野さんは「安心安全に帰ることができる環境でないと避難解除はすべきでない。住民は避難解除になっても、元の家を更地にして別の場所にマンションを買うなど(楢葉町に)帰らない人が多い」と訴えた。その上で自身が原発事故以前に耕していた水田の様子に触れ「田んぼは7年もぶん投げているので大きな木が生えてしまい、一から開墾しないといけない」と厳しい現状を述べた。
草野さんは取材に対し「帰りたくても帰れない状況。誰のために避難解除したのか分からない。水は飲めそうにないし、自宅周囲は(除染した汚染土などの)仮置き場。具体的にどのようになれば『復興』というのか分からない」と、いまだに生活再建が進んでいない実状を話した。
同集会には約100人(主催者発表)が参加した。集会後、参加者らはつくば駅周辺をデモ行進し「東海第2原発再稼働反対」などと訴えた。参加した弁護士の鈴木裕也さん(25)=水戸市=は「原発のことも被災地のことも、他人事にしないでもっと興味を持ち、被災者に寄り添いたい」となどと語った。
主催者の山本千秋さん(77)=つくば市=によると、集会参加者数はここ数年伸び悩んでいるという。山本さんは「時間が経つと一人ひとりの原発問題についての意識が遠のいていく印象はある」と話し「この集会を継続し、行動を提起し、声を上げ続けたい」と意思を示した。
取手で200人が黙とう
同日午後には取手市新町の取手ウェルネスパークで「フクシマを忘れない3・11 STOP原発 県南総行動」(同実行委員会主催)が開かれ、参加者ら約200人(主催者発表)が、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうし震災犠牲者を追悼した。
ステージ上ではバンド演奏に合わせて「花は咲く」「ふるさと」などの合唱や福島県の民謡「新相馬節」のステージ発表などが行われた。ステージからの「原発いらない」の掛け声に合わせて、参加者らが「原発ゼロの未来へ!」と書かれたプラカードを掲げた。
「震災当時は小学校のPTA役員をしていた」という英会話講師の加川ゆうみさん(52)=牛久市=は、小学校の卒業式で配布するクッキーを牛久市内のパン屋に受け取りに行った際、地震に遭ったと話した。クッキーは1枚も割れることなく受け取ることができたが、小学校の体育館が使用不能になったため、市内の中学校での卒業式を余儀なくされ「母校で卒業式が出来ず息子たちは泣いていた」と当時を振り返った。震災から丸7年を迎え「あれから日本は震災の教訓を生かして成長したのかと考えてしまう」と語った。
主催者の根本和彦さんは「原発事故から7年経っても故郷に帰れず苦しんでいる人が5万人以上いる。そういうことを考えれば原発は廃炉にすべき。一刻も早く政府はエネルギー政策を転換して再生可能エネルギーにかじを切るべき」と主張した。