日曜日, 5月 4, 2025
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住民目線で市長にまちづくり提案 研究学園地区に市民団体発足 つくば

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新しい街・研究学園地区を住みやすくする会のメンバーたち。前列左から山形和夫さん、室生勝さん、桐生顕さん。後列左から山本進二さん、石井勇治さん、田中邦宏さん、小澤泰幸さん=つくば市研究学園5丁目

【橋立多美】人口が急増する一方、交通渋滞や公共施設の不足などの課題を抱える、つくば市の副都心、研究学園葛城地区に、住民目線でまちづくりを提案していこうと、市民団体「新しい街・研究学園地区を住みやすくする会」(室生勝代表)が発足した。

同地区に住む60~80代の有志6人が発起人となって10月に発足した。初会合として商業施設イーアスつくば内のイーアスホールで15日、「市長と語る会」を開催した。

同地区のまちづくりに関心のある住民65人が参加。同会事務局を務める山本進二さんは「研究学園駅周辺の当地区には公立保育園や幼稚園、図書館、保健センターは皆無で公共施設は市役所以外何もない。公共サービスの地域間格差をなくし、全世代が住みやすい街にするために住民たちで議論して市に提案していく」と狙いを説明した。

「市長と語る」で課題になったのは、来春の学園の森義務教育学校の教室不足への懸念、公立幼稚園への送迎バスの運行、TXのガード下に地域コミュニティセンターの設置、谷田部地区区会連合会からの分離、イーアスの横を南北に結ぶ幹線道路の立体交差化など。課題は発起人らが幅広い世代から要望を聞き取ったもので、活発に意見交換が行われた。

五十嵐市長と意見交換をする住民たち=同市研究学園のイーアスホール

五十嵐市長は学園の森義務教育学校の教室不足について「新1年生の増加でプレハブ校舎を増築しないと無理な状況にある。都市計画の失敗。学校を分散すべきだった」と述べた。本庁舎北側に建設中の市庁舎コミュニティ棟(仮称)内の地域交流センターとは別に、TXガード下(現在は駐輪場)にサンダル履きで行けるコミュニティセンターについては「考えていきたい」。

イーアス横の幹線道路。往復4車線の中央部分が立体交差のためのリザーブ用地。写真上部がとりせん前の交差点

また、週末や休日はイーアスの買い物客でスーパーとりせん前の交差点が終日渋滞し、緊急車両が走行できない幹線道路の立体交差化について市長は「県は渋滞対策はしない方向で高架、地下化を問わず造れないと思う。イーアスに集中している状況を変えていくほうが早い」と話した。

発起人の石井勇治さんは「9年前にマンション購入を契約した際に『将来道路が渋滞した時の改善策として立体交差の用地を確保している』と言われた。今も片側2車線の道路の中央にリザーブ用地があり、立体交差を望む住民は多い」とする。

19日には同地区のマンションで、会のメンバーたちが市長と語る会の総括と今後の取り組みについて意見を出し合った。「市長と語る会」で配ったアンケートは参加者の86㌫にあたる56人が回答。回答者の半数を70代以上の高齢者が占めたためか、TXガード下のコミュニティセンター設置への関心度が最も高く、次いで幹線道路の立体交差化、図書館の順だった。また「市長のざっくばらんな話が聞けてよかった」「シルバー層と若者が共存し、暮らしやすい街に」などの意見があった。

今後は文字が薄くなった道路標示の明示や通学路の安全対策など、市が時間とお金をかけずに取り組めることから要望していく計画。山本さんは「半年ごとに会を開いて住民の意見を聞き、建設的な提言につなげたい」としている。

【直売所めぐり】4 野菜ソムリエがアドバイス JAつくば桜農産物直売所

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JAつくば市桜農産物直売所の店内

【田中めぐみ】開店直後の朝9時、この日はあいにくの冷たい雨で品出しが遅れているとのこと。にもかかわらず、来店者は途切れることがない。今回はJAつくば市桜農産物直売所を訪れた。産直課の小岩勇太さんによると、今年で開店25周年を迎えるという。直売所ブームが起こる前から地域に親しまれてきた店舗だそうだ。つくばセンターから車で10分弱という立地もあり、研究学園地区からの来店者も多いという。

店内に入り真っ先に目につくのがみずみずしい葉物野菜。11月から暖かい日が続いたため生長がよく、値段も安くなった。生産者の市村典子さんがちょうど品出ししていたのはサラダほうれん草にレッドマスタード、サラダからし菜、ルッコラ、ワサビ菜の5種類が入ったサラダセットだ。葉の種類は手書きで丁寧に書かれている。ベビーリーフのセットはよくスーパーで見かけるが、このように大きく生育し茎まで付いたセットは珍しい。そう思って市村さんに聞くと「ベビーリーフだとひとつひとつの香り、味わいが少ないので、もっとしっかり野菜を味わってほしいと思いこのセットを作ったんです」と話してくれた。野菜ソムリエの資格を持っているという。

市村さんが作ったサラダセット(左上)、大根(右上)、パプリカ(左下)、さつまいも(右下)

店内を回り、さらに市村さんが薦めてくれたのは、葉付きの立派な大根。この日はなんと1本50円から100円だった。繊維の多い皮はきんぴらにするとおいしく、中はおでんや煮物に、葉は下ゆでして冷凍し汁物の具や炒め物にと余すところなく味わえるとのこと。色とりどりのパプリカも肉厚で甘くお薦めという。緑のパプリカを追熟させたものが赤や黄色のパプリカなのだそうだ。

サツマイモの人気品種の「紅はるか」は水分が多く糖度が高いので干し芋や焼き芋に向いているという。もし、てんぷらにしたいのなら「紅はるか」ではなくほっこりとした「紅あずま」を薦めるという市村さん。とにかくその知識の豊富さに舌を巻く。品出しの時、運よく市村さんに会うことができたなら、ぜひ相談してみてほしい。その日の献立にぴったりの品種を教えてくれるそうだ。

「どうも」と笑顔で挨拶しながら入店してきたのは、常連客の吉田和夫さん(71)。「ここは自分の家みたいなもの。自分の好みのものを好きに買って顔見知りにあいさつをする、それが元気の秘訣かな」と話す。吉田さんのお気に入りはつくば美豚の切り落としや豚白もつ。「もつはネギとショウガ、ニンニクを入れて漬け込み、日本酒を入れて炒めるのが最高だよ」と教えてくれた。寒い朝だったが、市村さんの野菜への熱い思いに丁寧なアドバイス、吉田さんの明るい笑顔に心がほっこりとあたたまる、そんな直売所巡りだった。

野菜ソムリエの生産者市村典子さん(左)と常連客の吉田和夫さん(右)

JAつくば市 桜農産物直売所
住所▽つくば市古来1608-1
電話▽029-867-8290
営業時間▽午前9時~午後6時
定休日▽水曜日・お盆・年末年始

 

高安に歓声 大相撲土浦・牛久場所 稀勢の里は欠場

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横綱・白鵬に寄り切りで勝ち会場を沸かせた大関・高安(左)=22日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館

【崎山勝功】2018年冬巡業大相撲土浦・牛久場所(同実行委員会主催)が22日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開かれた。土浦市出身の大関・高安が横綱・白鵬を寄り切り、約3600人の来場者を前に健在ぶりをアピールした。牛久市出身の横綱・稀勢の里はけがの治療を最優先させるため欠場した。

高安は午前中の公開稽古で、土俵上で精力的にぶつかる姿を見せた。結びの一番の横綱・白鵬との対戦では、「高安頑張れ」の応援が飛び交う中、寄り切りで勝つと、場内から大歓声と拍手が沸き起こった。

白鵬と四つに組む高安(右)

観戦した高安土浦後援会の折本明副会長は「生で見ると迫力が違う。高安には1月場所で優勝して2月には(横綱の)綱を張ってもらいたい。親方衆もみんな期待している」と述べた。土浦ロータリークラブの交換留学生としてカナダから来日している高校生のソフィア・ラミレスさんは「初めて力士を見た。本当に面白い」と日本の相撲に関心を示していた。

中川清土浦市長は「ぜひ来年はいいスタートを切ってもらい、常に優勝争いに加わってほしい。そのためには心技体をもっと磨いていただきたい」と期待を寄せた。

報道各社の取材に応じた高安は「たくさんの方から直接励ましの言葉をいただいた。なかなか茨城に帰ってこれなかったので(言葉を)いただけてうれしい」と、地元ファンに感謝の意を示した。

一方、稀勢の里の休場について根本洋治牛久市長は「欠場は寂しい。でも稀勢の里の回復が一番。(欠場の)寂しさを我々が我慢しないといけない時期」と述べ「高安関もいるので(稀勢の里と)2人で千秋楽をにぎわせてくれるのが我々の望み。お互いに頑張ってほしい」とエールを送った。

高安が幼児らと交流

同巡業では高安が幼児を抱っこし、ファンとの交流を深めた。事前に申し込みをしていた約30組の親子が、まわし姿の幼児を高安に抱っこしてもらい記念写真を撮るなどした。

妊娠6カ月の青山りつこさん(33)=土浦市荒川沖=は、1歳7カ月の息子、虎ノ介ちゃんを連れて参加した。お目当ては高安に虎ノ介ちゃんを抱っこしてもらい、妊娠中のお腹をなでてもらうこと。古来から「強い力士に抱っこされると赤ん坊が丈夫で元気に育つ」「力士が妊婦のお腹を触ると安産になる」という言い伝えがあるという。

まわし姿の虎ノ介ちゃんは高安に抱っこされた途端、驚いて泣き出してしまったが、お腹をなでてもらった青山さんは「高安の手は大きくて温かかった。子どもは泣き出してしまったけど元気に育ちそう」と満足げな表情を見せた。

高安からサインをもらったという土浦相撲倶楽部の村野太紀キャプテン(12)=小学6年、つくば市=は「将来は力士を目指している。押し相撲ができる力士になり3役に入りたい。横綱・貴乃花のようになりたい」と話した。

ファンとの交流会で幼児を抱っこする大関・高安=同

冬至に火渉祭 桜川・加波山神社

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炎暑の道を素足で歩く火渉の神事=22日、桜川市・加波山神社

【相澤冬樹】火をかき分け炎熱の道を素足で通り抜ける「火渉(ひわたり)祭」が22日、桜川市真壁町長岡の加波山神社本宮(宮本昌明宮司)で行われた。修験(しゅげん)の山、加波山伝来の神事で、応永年間(1394-1428年)に復興したと言われ、今では冬至の恒例行事となっている。

境内には大量の薪(まき)が積み上げられ、社殿で祈とうの神事が始まった正午過ぎには参拝者らが二重三重に人垣をつくった。薪は加波山から切り出したマツ材で、白装束の修験者らが祭文を唱えながら火をたくと、威勢よく燃えあがった。

火焔(かいん)という炎で、火勢が弱まりが熾火(おきび)となると、修験者らが薪をかき分け幅50㌢、長さ5㍍ほどの道をつくる。先達の先導で、厄払い無病息災を祈り素足で通り抜けるのが火渉。信徒はじめ一般の参加者らはこわごわと足を踏み入れ、手を合わせながら小走りで次々に渡っていった。

つくば市からの参加した女性は「急ぎ足でお祈りする余裕もなかった。足裏の熱さを感じなかったが、全身の火照りがすごかった。来年はいい年にしたい」と感想を語っていた。

修験者らが火焔をかき分けてつくった火渉の道

【クレオ再生問題】キュートとモグ 筑波都市整備が日本エスコンに譲渡 つくば駅前

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つくば駅前の商業施設キュート=つくば市吾妻

【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設キュート(Q’t)とモグ(MOG)が20日、不動産会社の日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)に売却された。両施設を所有していた筑波都市整備(つくば市竹園、石原孝社長)と、新たに取得した日本エスコンが同日、それぞれのホームページで発表した。

日本エスコンは全国でマンションや商業施設、ホテルなどの開発を手掛けるデベロッパー。キュートもモグも引き続き商業施設として運営し、名称も当面変更はないという。

西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退した後、空き店舗となり閉鎖されているクレオについても、キュートやモグと一体で日本エスコンに売却する方向で調整を進めているとみられる。クレオについてつくば市は12月議会一般質問に答弁し、旧西武棟は既存建物を利用して商業施設とし、イオン棟は解体してマンションにすると聞いているなどと説明している。

筑波都市整備は、日本エスコンに譲渡した理由について「同社は、つくば市が掲げるまちづくり方針に共鳴し、施設運営のみならず、エリアマネジメントの発想に基づく面的な活性化に高い意欲をもっており、中心市街地の活性化に寄与できる」としている。

一方、両施設を取得した日本エスコンは「これまでの多面的な不動産開発のノウハウを生かし、つくば駅前開発を推進していく」とし「つくば駅前という交通拠点の強みと、ペデストリアンデッキでつながる駅周辺街区の回遊性の良さを生かし、地域に根差した開発を行うと同時に、エリアマネジメントを充実させることで駅前地区の活性化とさらなる発展に貢献していく」などとしている。

キュートは2005年3月に開業、敷地面積約9900平方㍍、地下1階地上4階建て。モグは1993年10月開業、敷地面積約1100平方㍍、地下1階地上4階建て。両施設には物販店、飲食店など約110店が入居している。

筑波都市整備は「売却後も、つくばセンタービルの運営など中心市街地の活性化に向け努力して参りたい」としている。

【ウェルネスパーク問題】市長提案の指定管理者案を否決 つくば市議会

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つくばウェルネスパーク入り口=つくば市山木

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長が12月議会に提案していた、スポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を来年度から管理運営する指定管理者案が、21日開かれた同市議会本会議で否決された。都内の事業者が候補者だったことから、地元事業者を優先すべきというのが理由の一つだ。

今後市は、3月議会前に臨時議会を開き、指定管理者の選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の審査で次点だった事業者を、改めて議会に提案するという。次点は市内の事業者だが、5年間の指定管理料は、今回否決された事業者より約1480万円高くなる。

12月議会最終日の21日本会議が開かれ、賛成少数で否決となった。提案されていた事業者は、現在、全国70カ所でスポーツ施設や健康施設の管理運営を手掛けるスポーツ施設管理運営会社、シンコースポーツ(東京都中央区、石崎克己社長)だった。

3事業者が応募

現在の指定管理者の期間が来年3月末で満了となることから、市は来年度から5年間、同施設を管理、運営する事業者を7~8月に募集していた。同社のほか現在、同施設の指定管理者となっているT.P.Hウェルネス推進グループ(同市篠崎、代表・塚越産業)、つくばアクアファーム(同市竹園)の3者が応募していた。1次、2次審査を経て、10月に同選定会議でシンコーが候補者に選ばれ、12月議会に提案されていた。

11人の選定委員による採点の合計点は、1位のシンコーが計764点、2位が669点のアクア、3位が649点のT.P.Hだった。次点は、残り2事業者のうち第1順位を付けた委員が多かったT.P.Hとなった。

同選定会議の議事録によると、議会で否決されたシンコーは、運営目標として、運動する機会が少ない20~40代のスポーツ参加率を上げる、高齢者向け独自の教室事業を展開する、子どもが施設の中で遊べるボルダリングや頭を使う取り組みを展開する―などを掲げ、従業員はすべて市内のスタッフを雇用するなどと表明していた。

市が事業者に支払う5年間の指定管理料は1位のシンコーが3億5884万円、次点のT.P.Hが3億7470万円、アクアが3億5000万円だった。

同施設は温水プール、温浴施設、サッカースタジアムなどがある約9㌶のスポーツ施設で、プールと温浴施設は隣接のごみ焼却施設の余熱を利用している。2010年にオープンして以来これまで3年ごとに指定管理者の選定を行ってきたが、いずれもT.P.Hウェルネス推進グループが指定管理者に指定されている。

犬からイノシシへ 東筑波ユートピアで干支引き継ぎ式

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互いに鼻を突き合わせる今年の干支イヌと来年の干支イノシシ=石岡市吉生、東筑波ユートピア

【斉藤茂】石岡市吉生の動物園「東筑波ユートピア」で20日、今年の干支の戌(いぬ)と来年の亥(い)=イノシシ=の引き継ぎ式が行われ、同園のマスコット犬「りく」(柴犬)と、この夏同園で生まれたというイノシシが仲良く式に臨んだ。

式典は同園のエントランスに祭壇を設けて行われ、2頭が他の動物を代表して筑波山神社(つくば市)と神名神社(石岡市)の宮司から幸せと健康の祈願を受けた。

2頭は終始、おとなしくして式典に臨んだ。式典後、同園オーナーの小川高広さん(80)が2頭の頑張りに感謝して両脇に抱きかかえると、互いに鼻を突き合わせてそれに応えるなどほほえましい光景も。取り囲んだ報道陣や見物客らが盛んにシャッターを切っていた。

同園ではテレビ放映をきっかけに全国の大勢の動物ファンから寄せられた募金約5800万円を元に現在イノシシランドを整備しており、来年3月には約40頭のイノシシを一般公開する予定。

小川高広さんは「動物園の運営は決して楽ではなく、赤字続きで何度も止めようと思ったが、今年は全国から励ましの声が届き、若いスタッフたちも意を強くしている。来年はイノシシが活躍してくれることを期待している」と、笑顔で今年を振り返っていた。

【直売所めぐり】3 固定ファンがつくお漬物 JA谷田部「野っ食べ」

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JAつくば市谷田部農産物直売所「野っ食べ」の店内

【田中めぐみ】JAつくば市谷田部の農産物直売所「野っ食べ(やったべ)」を訪れた。5年ほど前にリフォームしたという新しくきれいな店舗だ。店長の埜口祐(のぐち・ゆう)さんのこの日のお勧めはおしゃれな赤ネギ。葉は緑、中間部は白、根元が鮮やかな赤色で、まるでイタリアの国旗のようでもある。普通のネギと同じように加熱すると甘く、生で薬味にもいいという。焼いた油揚げに刻んで乗せて食べるのが店長さんのお気に入り。この日は赤ネギだけでなく新鮮な長ネギもたくさん並んでいた。冬の時期鍋物には欠かせない売れ筋の一つだ。

店長さんお勧めの赤ねぎ(左上)、ねぎ(左下)、JA女性部の作った五目おこわ(右上)、さつまいも(右下)

品出しした瞬間からカートに入れられ、次々と買われているサツマイモがあった。「シルクスイート」という品種だ。品出しをしていたのは生産者の室町吉子さん。サツマイモに目がない記者は「安納芋」や「紅はるか」をケース買いすることもあるほどだが、この品種は見たことがない。室町さんによると外はしっとり、中はホクホクという今注目の品種だそうで、かなりの人気だという。焼き芋には最適とのこと。これは絶対買うしかない。値段も3本入って300円と格安だ。小ぶりの物や傷の付いたものだと100円のラベルが貼ってあるものまであった。「安いねえ」とお客さんも思わずにっこり。「あんまり傷は関係ないもんねえ」と室町さん。てらいのないやり取りが直売所の醍醐味(だいごみ)だ。

高野さんと室町さんのお漬物とおこわ(左)、記者が作ったシルクスイートの焼き芋(右)

加工品のコーナーにはおいしそうな五目おこわが並べられた。作ったのはJA女性部の岡野たか子さんら6人。もち米を業務用のふかし器で高圧でふかして作るので、ふっくらもちもちになるそうだ。具は別で味付けし、ご飯と合わせるこだわりでおいしいと評判。火曜日と金曜日しか作っていない。ちょうど買うことができてラッキーだった。

谷田部直売所で人気を集めているものの一つがお漬物だという。中でも高野愛子さんと、「シルクスイート」の生産者でもある室町吉子さんの作るお漬物はそれぞれに固定ファンが付くほどだそう。お客さんたちはラベルの加工者名を見て買って行き、いつも売り切れてしまうという。白菜やからし菜のお漬物も作るそうだが、この日並んだのは大根の麹漬け。やはり並んだ先から売れていく。大根を塩漬けしてから麹漬けにするという手間がかかるため、漬かるのに15日かかるそうだ。高野さんと室町さんのお漬物をぜいたくにも食べ比べてみた。微妙に塩梅(あんばい)が異なり、これは確かに好みの分かれるところ。どちらも後を引き、いくらでも食べられてしまった。

漬物名人の室町吉子さん

◆今月29日(土)と30日(日)には年末セールが開催され、大鍋で作ったけんちん汁を無料サービスするという。おせち料理の材料を買いに「野っ食べ」を訪れてみるのもよさそうだ。

JAつくば市谷田部 農産物直売所「野っ食べ」
住所▽つくば市谷田部2074-1
電話▽029-836-4101
営業時間▽午前9時30分~午後6時(4月~9月) 午前9時30分~午後5時半(10月~3月)
定休日▽1月1~3日

G20 メディアアートイベントや総合商談会を企画

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宇野善昌副知事や五十嵐立青市長、県内経済団体関係者のほか石川昭政経産相政務官などが参加して開かれたG20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合推進協議会=18日、つくば国際会議場

【鈴木宏子】G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合が来年6月8、9日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で開かれる。開催に向けて、県やつくば市、県内経済団体などで構成する受け入れ団体の同推進協議会(会長・大井川和彦知事)は、茨城やつくばの魅力を発信する企画を明らかにした。来年5月に筑波大学とゆかりが深い芸術分野のメディアアートを素材にしたイベント、同6月には知事がトップセールスする総合商談会などの開催を検討しているという。

18日、同国際会議場で開かれた同推進協第3回総会で準備状況や取り組みについて報告があった。メディアアートを素材にした事業は、研究者とアーティストが協働して創作活動をするイベントで、子どもを含めた一般市民が参加する体験事業になるという。総合商談会は外資系企業の誘致、県産品の輸出拡大、外国人観光客の増加を目指した商談会になるという。

ほかに県内の最先端の科学技術やものづくり技術、伝統工芸、つくばの研究機関などを紹介する最先端科学技術・ものづくり技術の展示会なども企画している。

来年1、3、5月には計3回、在日海外メディア関係者を招いて1泊2日の日程で県内を巡ってもらい、つくばのテクノロジーや茨城の農業、食文化、企業の技術力や港湾などを見てもらうツアーを計画している。世界各国の富裕層をターゲットに、常陸牛や笠間焼、メロンなどの県産品や観光地をPRする動画や画像などの広告を、海外の現地メディアに掲載することなども検討しているという。

来日する各国大臣や随行者などへのおもてなしでは、粒の大きな県オリジナル米「ふくまる」や県内40の蔵元の日本酒など県産食材を使った料理を歓迎行事で提供するほか、会合の合い間に各国大臣に、つくば市内の研究機関やベンチャー企業、周辺観光施設などを見てもらう視察・見学ツアーなども提案していくという。

G20会合に向けて県は、危機管理、海外情報発信、おもてなし、エクスカーション(視察・見学)、展示・イベントの5つのプロジェクトチームを11月に立ち上げ、受け入れ準備を進めている。

12月4日には参加20カ国の大使館職員を対象に、会場のつくば国際会議場とつくば市内の宿泊施設を視察してもらう現地説明会を開催した。計29人が参加し「施設の具体的なイメージがわいた」など好意的な反応を得たという。宿泊施設については2016年にG7科学技術大臣会合が開かれた際は、県が補助金を出して市内のホテルなどにスイートルームを整備したが、今回は施設や設備が足りているとして補助金を出すなどの取り組みは実施しないという。

市民や団体の応援事業を公募

G20会合を盛り上げようと、同推進協は、同会合を応援する市民や団体、企業の自主的なイベントや事業を募集している。歓迎機運を盛り上げたり、同会合のテーマ「自由貿易の推進とIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)等の革新的技術」への関心を高めることができ、来年6月9日までに開催する事業が対象。サポート事業として認定されれば「G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合」サポート事業の冠を付けて開催することができるほか、同推進協のHPにも掲載される。

サポート事業の企画内容、実施時期・場所、実施体制、効果、提案者名などを書いて、同推進協議会(県営業戦略部G20貿易・デジタル経済大臣会合推進チーム内)に申し込む。募集期間は来年3月31日まで。問い合わせは同事務局(電話029-301-2855、同HP)

今度は陸上競技場を検討 つくば市

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陸上競技場の調査対象地の一つ、県立上郷高校跡地=つくば市上郷

【鈴木宏子】つくば市が現在パブリックコメント(意見募集)を実施している市スポーツ推進計画中間年度見直し案に、住民投票で中止となった総合運動公園に代わって、陸上競技場の整備検討が盛り込まれている。市はすでに9月補正予算に陸上競技場が整備できるかどうかを調査する費用を計上し調査に着手している。一方、市が昨年3月にまとめたスポーツ環境に関する市民アンケート調査で陸上競技場の要望は4番目だった。

現在のスポーツ推進計画は2014年度に策定された10カ年計画で、「総合運動公園等の整備」が盛り込まれている。社会状況の変化などを踏まえ、10年間の中間に当たることから今回見直す。見直し案は市スポーツ推進審議会(委員長・阿江通良筑波大名誉教授)で審議された。市ホームページなどで公表されており、12月7日から来年1月7日までパブリックコメントが実施されている。

市民要望は4番目

一方、昨年3月にまとめられた市民アンケート調査の結果は、これからのスポーツ施設づくりに関して「既存施設の改修と気軽に利用できる施設を多数つくってほしい」(27.5%)が1位、「既存施設を改修し充実してほしい」(26.2%)が2位で、合わせると過半数の53.7%を占めていた。

さらに新たにつくるべき公共スポーツ施設をたずねたところ、1位は体育館(24.7%)、2位はウオーキング・ランニングコース(21.4%)、3位は多目的広場(20.9%)で、陸上競技場(17.3%)は4位。中高生に限っては7位だった。市はアンケート結果を受けて昨年3月、今後新たに必要・改修が必要なスポーツ施設として体育館を挙げていた。

11カ所対象に調査に着手

陸上競技場をめぐっては、今年9月補正予算に同施設が整備できるかどうかを調査する調査費757万円が計上された。候補地として調査対象となっているのは今年4月、市立秀峰筑波義務教育学校が開校したことなどに伴って廃校となった筑波地区の小中学校跡地10校と、旧県立上郷高校跡地の計11カ所。総合運動公園の予定地だった大穂地区の空き地は対象には入っていない。

調査で想定されている施設規模は、公式記録がとれる400㍍トラックがある規模だという。3㌶以上が必要なため、筑波地区の中学校跡地2カ所と上郷高校跡地の事実上3カ所に絞られている。地形や周辺の状況、概算コストなどを調査し、今後の検討資料にする。

調査に着手した理由は、市PTA連絡協議会から陸上競技場の整備要望が出されていること、五十嵐立青市長の公約にも掲げられていることだという。市スポーツ振興課によると現在約400万円で業者に調査を委託したばかりで、来年3月末までに調査結果をまとめる予定という。

一方、市は総合運動公園が住民投票で中止になったのを教訓に、弁護士らによる検証委員会の提言を受けて今年9月末、「大規模事業の進め方の基本方針」を策定したばかり。しかし今回の調査は、同基本方針の前段の段階だとしている。

【記者のつぶやき】陸上競技場の調査に着手した理由の一つは市長の公約だとされている。五十嵐市長の最大の公約は「総合運動公園問題の完全解決」だった。しかし同運動公園跡地について市は、今年2~3月、事業者から提案を受けるサウンディング(対話)型市場調査を実施し、7~8月に説明会を開いて以降、進展が見えない。片や66億円の用地購入費の利息を現在も年間約3400万円払い続けている。総合運動公園跡地問題の解決が先ではないだろうか。

イノシシランド開設へ 東筑波ユートピア

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イノシシの世話をする小川高広さん

【斉藤茂】石岡市吉生の動物園「東筑波ユートピア」が来年のえと亥(い)=イノシシ=にあやかり、イノシシ専用の放牧場の整備に乗り出している。来春オープンを目指している。

東筑波ユートピアは旧八郷地区の小高い山の中腹にあり、13㌶の園内にはニホンザルやクマ、ポニー、クジャクなど約30種類の動物が飼育されている。目玉のお猿の演芸ショーをはじめ、近年はウサギやドックラン、猫カフェなど小動物との触れ合いコーナーに人気が集まっている。

イノシシランドが設置されるのは動物園の頂上部の傾斜地で、かつてニホンザルを飼育していたエリア。しかし管理小屋や周囲のフェンスが老朽化したため、閉鎖状態が続いていた。今回はこの施設を大幅にリフォームし、現在40頭ほど飼育しているイノシシを公開する一方、子供のウリボウとの触れ合いなども楽しんでもらう方針。

具体的には1㌶の外周を囲う古いフェンスを新調し、入園者の周遊路や監視小屋、休憩所、ふれあい広場などを整備する。一帯は国定公園に指定されているため施設の配色や音、構造などに配慮。神経質なイノシシの生態も考慮し、自然に近い飼育環境を整えていく。

工費約5000万円は全額が寄付金。今年に入って数回、テレビの動物番組で同園が紹介され、これをきっかけにクラウドファンディングを立ち上げたところ、全国から寄付の申し出が殺到した。

オーナーの小川高広さん(80)は「これまで毎年赤字続きだったが、来年こそは入園者を増やし、経営を安定させたい。3月にはイノシシの元気な姿をお披露目させたい」と語り、農家にとっては厄介者の存在に大きな期待を寄せている。

◆入園料は大人1200円、子供720円。年中無休。

工事が行われているイノシシランド予定地

国際交流イベント「世界お茶のみ話」 つくばインターナショナルスクール生徒が発表

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つくばインターナショナルスクールの生徒たちが講演した「世界お茶のみ話」。ムシャラフ・ミシャルさん㊧がパキスタンを紹介した=つくば市吾妻の交流サロンBiViつくば

【田中めぐみ】つくば駅に隣接するBiviつくば内交流サロンで15日、市国際交流協会が主催する「世界お茶のみ話」が開催された。市民約40人が参加した。同イベントは毎回出身国の異なるゲストを講演者として招き、母国を紹介してもらい,新たな交流を創出することを目的に、毎月第3土曜に開催されている。今回で23回目。

この日のゲストはつくばインターナショナルスクール(同市上郷、シェイニー・クロフォード校長)の高校1、2年の生徒たち5人で、韓国、インド、フィリピン、パキスタン、ドイツの5カ国の文化や風習、観光名所などについて紹介した。

インド国籍でフィリピン人と日本人との間に生まれたというコシック・ニキータさんは「どこの国から来たの」という質問には答えづらかったが、今はインド、フィリピン、日本と3カ国の文化を知っていることを前向きに考えられるようになったと自身の経験を語った。また「ハーフとダブルどちらを使うか」という問題について「ハーフという表現は半分欠けているというネガティブな印象がある。ダブルだと両方持っているというポジティブなイメージがあるので、ダブルと呼んでほしい」と意見を発表した。

市内在住の50代男性は「ダブルかハーフかという問題は今まであまり考えたことがなかったので、本当にいい話を聞けたと思う。私は米国に4年間住んでいたことがあり、ミックスの方もたくさんいたが、何も考えずどこから来たのという質問をしていた。その質問に答えにくいという意見を聞いたのは今日が初めて」と感想を語った。

講演したつくばインターナショナルスクールの生徒たち。左から山内茉香さん、コシック・ニキータさん、沈水藍さん、シン・ヴァンシタさん、ムシャラフ・ミシャルさん、教諭の河野あかねさん=同

5人の発表後には参加者から次々に質問があり、会場はなごやかなムードに包まれた。

同イベントでつくばインターナショナルスクールの生徒が発表をするのは2回目。発表者で他の生徒の通訳も務めた沈水藍さんは、「練習がとても大変でした。発表者の日本語のレベルも様々なので、原稿の作成にはかなり時間がかかりましたが、苦労した分今日は楽しかったです。来てくれた方が皆さん優しく聞いてくれて嬉しかった。また来年もぜひ聞きに来てほしい」と語った。

同イベントでは毎回発表者の国のお茶が用意されており、今回は韓国のコーン茶、インドのチャイ、フィリピンのコーヒーと、ドイツのシュトーレンやパキスタンのラドゥといった甘いお菓子が参加者にふるまわれた。

▼次回の開催は来年1月19日(土)午後3時45分~5時15分、Biviつくば2F交流サロン。ゲストは中国四川省出身の筑波大学留学生。参加費無料。問い合わせは同市国際交流協会(電話029-869-7675)

つくばFCレディース、リーグ残留決定 延長戦とPK戦の末勝利

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前半37分、相手ゴール付近でペナルティーキックを放つ、つくばFC(青色のユニホーム)の亀井祐美=つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアム

【崎山勝功】女子サッカー・なでしこチャレンジリーグ(3部相当)のリーグ入れ替え戦第2節が15日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで行われ、つくばFCレディース(つくば市)は、関東女子サッカー2部リーグに所属の群馬FCホワイトスター(群馬県前橋市)と対戦。延長戦とPK戦の末につくばFCレディースが勝利を収め、同リーグの残留を決めた。

つくばFCレディースが同リーグ入れ替え戦の対象になるのは2015年から今年も含め4年連続で、今後は「リーグ入れ替え戦の対象にならないチーム体制作り」が急務となる。

つくばFCレディースは、前半はこう着状態が続いたものの、前半37分にMF亀井祐美がペナルティーキック(PK)で先制点を決めた。亀井の先制点で勢いづいたつくばFCは、後半33分にMF中山慶子が2点目を決め2-0とリードした。群馬が巻き返しを図るが、GK中橋まりなが中心となって粘り強い守備でゴール前を守りきり試合終了。9日に行われたリーグ入れ替え戦第1節で群馬が1勝したため、双方とも1勝1敗により前半10分、後半10分の計20分の延長戦を行った。

後半33分、相手ゴール付近でシュートを放つ、つくばFC(青色のユニホーム)の中山慶子=同

延長戦では前後半ともに双方とも得点を得られないこう着状態が続いたため、PK戦に突入。PK戦では5本のシュートのうち、先攻の群馬が2本しか成功しなかったが、後攻のつくばFCが3本成功したため、つくばFCが3-2で勝利し、リーグ残留を決めた。

先制点を決めた亀井は「全部試合の流れをこっちに持ってきた」と試合を振り返りつつ、4年連続でリーグ入れ替え戦の対象になった点に関しては「気持ち的には今回の入れ替え戦4回目が一番きつかったけど、リーグに残留できたのは良かった。来年はリーグ2部昇格争いに行けるよう頑張りたい」と語った。

試合を無失点に抑えた中橋は「無失点で終われる試合が少なかったので、無失点で終われて良かった」と感慨深げに話した。その上で中橋は「今シーズンは失点数が多かったので、来年は失点を半分以下にしたい」と来年シーズンに向けた抱負を述べた。

PK戦でシュートに成功したDF川原布紗子は「『最後に気持ちが強いほうが勝つ』というのを3年間の経験で学んだので、第2節での勝利を取り返せたと思う。来年もまたチャレンジリーグの舞台で戦えるので、一戦一戦を頑張りたい」と語った。

リーグ残留が決まり、観客たちとハイタッチをする、つくばFCレディースの選手たち=同

試合会場には観客606人(主催者発表)が駆け付け、観客らはつくばFCレディースのリーグ残留が決まったのを見届けると、選手たちとハイタッチして喜びを分かち合った。つくばFCの石川慎之助代表は「最後まで一緒に戦っていただいたサポーターの皆さまに感謝の気持ちで一杯」と述べた。その上で「シーズン入りする前にチーム作りをきちんとやるべきかなと思う。何年も連続して入れ替え戦の対象になっているのはフロントの責任もある」との考えを示し、来季は入れ替え戦の対象にならないようにチーム体制を強化する方針を明らかにした。

つくばセンター地区冬の風物詩 ランタンアート 16日も7000個点灯

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色鮮やかなランタンで彩られたつくばセンター広場=つくば市吾妻

【谷島英里子】約7000個の明かりがまちを彩るつくばの冬の風物詩「ランタンアート2018」が15日、TXつくば駅周辺の遊歩道で始まった。ランタンには花火や動物などがデザインされ、訪れた人たちは写真に収めて楽しんでいた。

つくばセンター広場やクレオ前広場、エキスポセンターからデイズタウンまでのペデストリアンデッキに飾られている。つくばセンター地区活性化協議会が主催し、今年で10回目を迎えた。

市内の23校の小中学生、同協議会会員らが作った障子紙に絵を描く「絵付きランタン」や赤、緑、青色の画用紙を切り抜いた「切り抜きランタン」がずらりと並ぶ。

ランタンは16日(日)の午後4時45分から7時30分まで点灯される。開催中は初企画として、インスタグラムへの写真投稿で当たるプレゼント企画や、クイズラリー、オリジナルランタンコンテストへの投票、その場でランタンを作って飾れるコーナーがある。問い合わせは同協議会事務局(電話029・883・0251)まで。

ランタンがまばゆいセンター広場=同

土浦の園児 ラ・フランスに舌鼓 天童市の農家がPR

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園児たちに生産量日本一のラ・フランスを寄贈する森谷恵一さん(右)=土浦市沢辺の市立新治幼稚園

【谷島英里子】土浦市と観光物産協定を結ぶ山形県天童市の果樹農家らが13日、土浦市内の幼稚園と保育所各1カ所ずつを訪れ、生産量日本一の洋ナシ「ラ・フランス」をPRした。園児らは、日本のナシとは食感がひと味違う果肉で香り高いラ・フランスに「甘くておいしい」と舌鼓を打った。

土浦市沢辺の市立新治幼稚園(中村隆園長、児童29人)を、天童市観光果樹園連絡協議会会長代理=天童ふる里果樹園園長=の森谷恵一さんや同市商工観光課職員、JAてんどうのマスコットキャラクター「ラフちゃん」が訪れた。天童市は果物と温泉と将棋の駒が有名で、観光果樹園はラ・フランス、サクランボ、ブドウ、リンゴ、モモの果物狩りが楽しめると紹介した。

同幼稚園には、今が旬のラ・フランス5箱(18個入り)が寄贈され、園児らは滑らかでみずみずしい果肉を味わった。森谷さんは「ラ・フランスを自宅に持ち帰って家族で食べていただき、購入するきっかけになれば」と話していた。

ラ・フランスをスーパーや農産物直売所などで購入したときは、常温で保存し、指で表面を押して、少しへこみができるくらいが食べごろだという。

ラフちゃんが見守るなか、ラ・フランスを味わう園児ら=同

生活再建できる滞納処分に転換求め 商工団体が「茨城会議」結成 16日土浦で総会

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「茨城会議」結成を呼び掛けている土浦民主商工会会長で行政書士の高橋孝さん=つくば市内

【鈴木宏子】税金滞納者の生活を壊すのではなく、生活再建を基本とした滞納処分行政に転換させようと、長年、事業者や住民の納税相談に応じてきた茨城県商工団体連合会(水戸市)と、県内の税理士、弁護士などが16日、土浦市内で総会を開き、「税金滞納処分対策茨城会議」を結成する。

国保税や市県民税などの納税が滞り徴収が困難なケースは現在、県内全44市町村で構成する茨城租税債権管理機構(県水戸合同庁舎内、管理者・豊田稔北茨城市長)が市町村に代わって徴収している。同機構は、滞納者から強引に取り立てたり、差し押さえをしたり、公売にかけるなどして生活困窮者を生み出しているとして、滞納者が生活困窮に陥らないよう、個々人のそれぞれの状況に応じた徴税方法に改めるよう求めていく。

「荒っぽいやり方、止めさせたい」

同連合会土浦民主商工会(つくば市上ノ室)会長で行政書士の高橋孝さん(66)によると、ここ数年土浦民商は、同機構から強引な取り立てや差し押さえを受けた事業者や住民からの相談を数多く受けている。国保税の値上げによって特に国保税滞納の相談が増えているという。

これまで相談を受けた自営業者のケースでは、元請けから振り込まれた売掛金全額を同機構に差し押さえられ、仕事の材料が購入できなくなったばかりでなく、元請けとの信頼関係が損なわれ次の仕事が受注できなくなり、生活困窮者になった。

ほかに、銀行口座に振り込まれた給料を差し押さえられ生活費や家賃を払えなくなったり、アパートに踏み込んできて家財道具を差し押さえられ公売に掛けられたり、県外の転居先の職場に押し掛けてきて雇い主が脅されたり、相談にのっていた支援者を怒鳴り立てたなどのケースがあったという。2016年には機構の取り立てを苦にした自殺者も出たという。

高橋さんは「滞納者は引け目を感じているので声を挙げられない。荒っぽいやり方を即刻止めさせたい」と話す。

分納や猶予の権利ある

同機構は全国に先駆けて2001年につくられた一部事務組合。県と市町村からの出向職員などから構成され、市町村から移管を受けた未収の税金を徴収している。同機構ホームページの今年度の取り組み方針によると、設立からの17年間で、市町村から引き受けた滞納額の総額は約520億円。そのうち機構が累計約226億円超を徴収し市町村の税財源の確保に大きく貢献したと説明している。この間、国保税を除く市町村全税の徴収率は、88.1%から95.5%(16年度実績)となるなど収入未済額を大幅に縮減・改善することができたとしている。

これに対し土浦民商の高橋さんは「市町村から出向職員は『税の公平性』だけを研修で叩きこまれ、それだけを金科玉条のように言う。しかし税金を払いたくても払えない場合は、納税者の権利として、分割して払ったり、猶予するなどの権利がある」とし「民間が差し押さえをする場合、通常は裁判所に申し立てをするなどの手続きが必要になる。一方、行政には裁判所命令がなくても差し押さえができる権限がある。だからこそ行政は、より慎重なやり方が求められるのではないか」と話す。

◆税金滞納処分対策茨城会議結成総会は16日午後2~4時、土浦市藤沢、新治地区公民館で開催される。結成総会と併せて、滞納処分対策全国会議代表の角谷啓一税理士が「滞納処分問題への対応策を考える」と題して講演する。問い合わせは電話029・253・5966(税金滞納処分対策茨城会議準備会=茨城県商工団体連合会内)。

日本とウズベキスタンの架け橋に 絵本「アミノフと兵隊さん」出版

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左は絵本『アミノフと兵隊さん』を持つノディラさん(右)と山田さん。右上は、抑留日本兵が建設に携わったナボイ劇場。右下は、きれいに守られている日本人墓地(いずれもウズベキスタン・タシケント市)
出版された絵本『アミノフと兵隊さん』

【池田充雄】ウズベキスタン出身で日本在住のノディラ・アミノヴァさんと、つくば市在住のグラフィックデザイナー山田径子さんが、絵本「アミノフと兵隊さん」をこのほど自費出版した。第2次世界大戦後、ソ連の一部だったウズベキスタンで劇場建設に従事していた抑留日本兵の1人と、ノディラさんの祖父アミノフさんとの間に生まれた友情を描いた物語だ。

ノディラさんは祖父から「日本人はどんな過酷な状況でも、心を込めて笑顔で最後まで頑張る民族だよ」と聞いて育ったという。「祖父が大けがを負ったとき、1人の日本兵の必死の看病のおかげで命をとりとめました。その人は帰国の夢を果たせないまま亡くなってしまい、祖父は私に感謝の気持ちを日本へ伝えてほしいと託したのです」

来日後は筑波大学大学院などで学ぶ一方、講演などで祖父のエピソードを語り、両国の架け橋となるべく活動。2013年には夏目漱石の小説『こゝろ』をウズベク語に翻訳して出版し、これは現地で紹介された初の日本文学となった。

日本で就職し、また日本で知り合ったウズベキスタンの男性と結婚したノディラさんは出産を契機に、祖父の話を絵本にして日本の子どもたちに伝えたいとの思いが強まり、『こゝろ』の挿画も手掛けてくれた山田さんに相談。彼女の考えに共感した山田さんは、日本兵が造った現地のナボイ劇場を訪ね、彼らが抑留の身にありながら丹誠を込めた仕事をしたことを実感した。「日本人の勤勉さや生真面目で正直な人柄は、今でも現地の人の心に深く残っている。だがこのことを日本人はほとんど知らない。1人でも多くの人に知ってほしい」と話す。

絵本は2000部を作成。対象年齢は小学校低学年以上だが、まずは大人に手に取ってもらい、子どもたちへの読み聞かせに使ってもらおうと、1冊売れるごとに1冊を公立図書館などに寄贈するようにした。「日本とウズベキスタンの交流を初めて知って感動した」「子どもが読んで泣いていた」などの感想もすでに届いているそうだ。

詳細はホームページで。つくば市吾妻の友朋堂書店では、店頭で実際に本を見て購入することもできる。

AIが問い合わせに回答 筑波銀行が導入

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問い合わせにAIが回答するチャットボットのスマートフォン画面

【鈴木宏子】「届出印を変更したい」「インターネットバンキングを申し込みたい」ーなど銀行への問い合わせに、AI(人工知能)が答える対話型自動応答システム「チャットボット」を筑波銀行が3日から導入している。

パソコンやスマートフォンからの音声や文字入力での質問に、24時間365日対応する。

利用者の利便性を高めようと、昨年から全国の地方銀行7行が、人工知能やデータ解析などのシステム開発企業と共同で実証実験を実施し、今回そのうち4行が同時導入した。

同じ内容の問い合わせでも、人によって聞き方の表現が異なるが、しゃべり言葉や書き言葉などさまざまな表現に対応できるのが特徴という。まだ十分に回答できない項目もあるが、利用者からたくさんの質問を受けることで、AIが学習しながら回答の精度を上げていくという。

利用方法は筑波銀行ホームページ右側の「お問い合わせはガマ吉君に聞いてみよう!」というバナーをクリックし、質問内容をマイク機能を使って話し掛けるか、文字入力する。または質問項目を選択する方法でも問い合わせできる。

例えば「インターネットバンキングを申し込みたい」と質問した場合、①インターネットでの申し込み②郵送での申し込み③店頭での申し込みの3つの方法が示され、選択するなどして回答を受ける。利用者個人の名前や住所、電話番号など個人情報の入力は必要なく、だれでも利用できる。

桜川芸者学校出演者らが撮影会 つくば山水亭しあわせ橋で

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完成した「しあわせ橋」の前で開催された撮影会の様子=つくば市小野崎、つくば山水亭

【鈴木宏子】つくば、土浦地域の歴史や文化を掘り起こし、まちおこしをする演劇公演「桜川芸者学校」の出演者らが10日、つくば市小野崎の料亭「つくば山水亭」の日本庭園に完成した朱色の太鼓橋で、撮影会を開いた。

同芸者学校は、つくば市の脚本家、冠木新市さん(67)が主宰する芸者を主人公にした劇団で、土浦、つくば両市で2016年から5回の公演を開催してきた。

両市を流れる桜川沿いに眠る文化を掘り起こして、来年、第6作を開催するのを前に、ポスターやちらし作成のため撮影会を開催した。

全日本写真連盟うしく支部(伊藤治雄支部長)のメンバー11人が、毎月1回、県内外に出向いて実施している撮影会の一環として腕を競った。

枯山水と並ぶスポットに

朱色の太鼓橋は、同料亭のほかホテルやレジャー施設などを経営するサンスイグループ(同市小野崎、東郷治久代表)が、来年、創業100周年を迎えるのを記念して11月に新設した。皆さんが幸せになりますようにという願いを込めて「しあわせ橋」と名付けられている。朱色の欄干のアーチ橋で長さ5㍍、幅1.5㍍。

山水亭によると、設置直後から撮影スポットとして人気となり、結婚式や七五三などで記念写真を撮るのに利用されているという。2年ほど前から急増している外国人客には特に人気があり、枯山水の庭園と並ぶ2大撮影スポットになっているという。

「つくば市内で一番の日本庭園で撮りたい」と、冠木さんがポスターの撮影場所に選んだ。

撮影会では、演劇に出演している国際美学院の恩田鳳昇学院長、元筑波大講師の安達修子さん、元つくば市職員の田中まき子さんと、民謡歌手の比気由美子さんが芸者役などで登場。しあわせ橋を背景に、音楽に合わせて日本舞踊を踊ったりポーズをとったりする姿を、写真連盟のメンバーがカメラに収めていた。

冠木さんは「桜川が流れる土浦、つくば、桜川市には能の演目となっている『謡曲桜川』や、インドから伝来したといわれる蚕影(こかげ)神社の金色姫伝説など、世界にアピールできる文化が残っている。来年は桜川文化とアジアを結ぶ架け橋となる公演をつくりたいと思っているので、しあわせ橋での撮影会が、桜川文化圏とアジアをつなぐしあわせの架け橋になれば」と話している。

芸者にふんして踊る桜川芸者学校の出演者=同

県議選開票 つくばは現職4氏と塚本氏 土浦は現職3氏確定

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県議選つくば市区の開票作業の様子=9日午後8時30分過ぎ、つくば市流星台、桜総合体育館

任期満了に伴う県議選の投開票が9日行われた。人口増に伴って定数が1増えたつくば市区(定数5)は現職4氏と塚本氏の当選が確定した。土浦市区(3)は現職3氏の当選が決まった。つくば市区の投票率は41.80%、土浦市区は34.93%だった。開票結果は以下の通り。

◆つくば市区 確定 午後10時10分

星田弘司  1万5412票 当選

田村けい子 1万1620票 当選

鈴木 将  1万0217票 当選

山中 たい子 8160票 当選

塚本 一也 7730票 当選

野口修 7659票

飯岡 英之 6803票

後藤吾郎  6221票

八代克彦  435票

(当日有権者数 18万2151人)

◆土浦市区 確定 午後9時5分

八島功男  1万1306票 当選

伊沢勝徳  1万1039票 当選

安藤真理子  1万0658票 当選

柏村忠志  7373票

(当日有権者数 11万7487人)