月曜日, 10月 12, 2026
ホームつくばTX沿線に3校新設急務 児童・生徒数増でつくば市 過大規模校に懸念の声

TX沿線に3校新設急務 児童・生徒数増でつくば市 過大規模校に懸念の声

【鈴木宏子】つくばエクスプレス(TX)沿線で児童・生徒数が急増している問題で、つくば市は30日、人口が急増している地区の2033年度までの児童・生徒数推計を発表した。すでに用地を取得した万博記念公園駅周辺に香取台小学校(仮称)を新設するほかに、新たに、みどりの駅周辺のみどりの学園義務教育学校と、研究学園駅周辺の学園の森義務教育学校で教室が足りなくなり、学校の分離新設が急務であることを明らかにした。

同日開いた市議会全員協議会で推計値を報告した。みどりの、学園の森の2校はいずれも2018年4月に開校したばかり。今年度中に、みどりのは15教室、学園の森は特別教室を含め27教室を敷地内に増築する。しかし、みどりのは2022年度以降、学園の森は23年度以降から再び教室が足りなくなるという。これから用地を取得し学校を新設するには5年程度かかることから、開校までの間、2校ともさらに教室を増築することが求められる。

一方、みどりのと学園の森の2校が文科省が解消を促している過大規模校=メモ=になることも分かった。市の推計によると分離新設をしない場合、みどりのは開校時の2018年の児童・生徒数が719人だったのに対し、最大で2030年に6.3倍の4576人になる。学園の森は2018年の1151人に対し、最大で2027年に2.9倍の3427人になり、分離した新設校も過大規模校になってしまう懸念がある。

市議からは「あり得ない規模の学校になる。子どもたちへの影響や市財政への影響も示してほしい」「(推計値が)やっと出てきたが、想像以上でびっくりしている。適正なクラス数があり、それを無視して増築で対応してはいけない」など過大規模校への懸念が出た。

市教育局によると、2014年8月に策定した市学校適正配置計画の推計値と比べ、その後に、予想を上回る子育て世帯の流入があったという。さらに学校用地などを配置したTX沿線の土地利用計画では、小中一貫の義務教育学校の建設が想定されておらず、学校配置で土地利用のアンバランスが生じているとしている。

市は現在、同計画の見直しを進めており、今年度中に策定するとしている。人口が急増するTX沿線の学校は早急な対応が求められていることから、策定を待たずTX沿線に限定して推計値を公表し、先行して対応方針を明らかにした。

※メモ
【過大規模校】全校で31学級(1200人程度)以上の学校をいう。文科省は2015年策定の「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置に関する手引き」で、大規模校(25~30学級)や過大規模校には①教員集団として児童生徒一人ひとりの個性や行動を把握し、きめ細かな指導を行うことが困難で問題行動が発生しやすい場合がある②児童生徒一人当たりの校舎面積、運動場面積が著しく狭くなった場合、教育活動の展開に支障が生じる場合がある③特別教室や体育館、プールの利用に当たって、授業の割り当てや調整が難しくなる場合がある―などの課題が生じることを挙げている。特に過大規模校に対しては、速やかに解消を図るよう促している。

児童・生徒数が急増するTX沿線の小中学校・義務教育学校の対応方針
児童・生徒数推計 対応方針
みどりの学園 最大想定で、1~6年生は2028年まで増加し(最大約3240人)以降減少。7~9年生は32年まで増加し(約1630人)以降減少。 2019年度中に敷地内に15教室を増築し、21年度まで対応可能。新たな学校建設を検討するが、22年度以降は教室増築が必要
学園の森 最大想定で、1~6年生は2026年まで増加し(最大約2380人)以降減少。7~9年生は31年まで増加し(約1160人)以降減少 2019年度中に敷地内に特別教室を含め27教室を増築し、22年度まで対応可能。新たな学校建設を検討するが、23年度以降は教室増築が必要
竹園東小 2024年まで増加し(最大約720人)以降減少 既存校舎で対応
竹園西小 2025年まで増加し(最大約990人)以降減少 2019年度中に8教室を増築
竹園東中 2028年まで増加し(最大約880人)以降横ばい 2019年度に11教室を増築
手代木南小 減少から横ばいに転換し2024年がピーク(約340人) 既存校舎で対応
松代小 今後も減少 既存校舎で対応
葛城小 今後も増加し2031年にピーク(約720人) 北側の県有地を購入し校舎を増設
手代木中 2024年まで増加(最大約690人) 2021年度までは既存校舎で対応。22年度までに敷地内に校舎を増築
島名小 2027年まで増加し(最大約880人)以降は減少 2022年度までは既存校舎で対応。香取台小(仮称)を23年4月に開校
真瀬小 今後も緩やかに減少
高山中 2028年まで増加(最大約470人)し、その後、増減しながら横ばい 2021年度までは既存校舎で対応。22年度までに敷地内に校舎を増築

➡葛城小の過去記事はこちら

➡竹園西小・竹園東中の過去記事はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最新記事

抗がん剤治療が効き10カ月《ハチドリ暮らし》66

【コラム・山口京子】「死に時に あらがいつつも 迷いつつ…」。今の自分の心持ちです。昨年12月にがんと告知され、医師に「治療をしなければ余命8カ月。治療して功を奏した場合は2年半」と言われました。月に2回入院して、抗がん剤治療が効き、10カ月が過ぎました。 そうした中、良寛さんの言葉を思い出しました。1828年、良寛さんが71歳のとき、新潟で大地震が起きました。被災し、子どもを亡くした知人に宛て「災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。死ぬ時節には死ぬがよく候」と。色身と法身を一身に生きた良寛さんならではの言葉だったのでしょう。 昨今の天災は人災の要素が高まっています。医療技術が進み、かっては助からない命が助かるようになった時代に生き、自分は死に時をどう考えるのか…。末期がんとどう向き合うのか…。 国民皆保険制度で、受けられる治療であれば受けてみる。高額になる自由診療は見合わせる。自分でできる食事・運動や生活改善はやってみる。手の届く代替治療やサプリメントは可能な範囲で利用する。こうして過ごしてきました。 抗がん剤治療で時間を稼いで、できるならがんの進行を遅らせ、がんを小さくし、その間に、体力・体調・体重をキープし、自分の免疫力や自然治癒力を高め、標準治療に頼らないで、がんと共存できたらという願いがあります。 どんな物語を紡ぐのか そう願う一方、抗がん剤を止めたらがんが増殖するのではないか、抗がん剤が効いて手術ができるようになったのに手術をしないのはどうかと、迷っている自分がいます。 自分の心身は自分の支えでもあり、制約でもあるのでしょう。制約を取り払うことができるなら、何が見えてくるでしょう。人が生きていくに当たって、物語と意味は不可欠なものかもしれません。どんな物語を紡ぐのか、何にどういう意味を込めるのか。 自分の自分と、他人の自分、たくさんの他人の自分で構成される社会で、平和に暮らすすべとは、いかなるものなのでしょうか?(消費生活アドバイザー)

駅名板やヘッドマークなどお宝40点 土浦まちかど蔵で「筑波鉄道展」

1987年に廃線になった筑波鉄道の歴史と、現在の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」のつながりを紹介する「筑波鉄道展」が9日から、土浦市中央の観光拠点、土浦まちかど蔵「大徳」で開かれている。駅名板、ヘッドマーク、切符などお宝約40点が展示されている。 鉄道愛好家でもある土浦市観光協会の浅川善信さんが、筑波鉄道を運行していた関東鉄道の倉庫に眠る鉄道資料の中から、選りすぐって展示した。関東鉄道、JR土浦駅などの協力を得て同市観光協会が主催する。 展示されている駅名板は、筑波山観光の玄関口として当時、観光客でにぎわった「筑波駅」(つくば市沼田)と、旧新治村の「常陸藤沢駅」の2点。 ヘッドマークは、臨時列車「つくば」、急行「つくばね」の車両の先頭に取り付けられていたものなど3点。臨時列車のヘッドマークは、かつて筑波山の観光シーズンなどに、国鉄上野駅から臨時列車を運行していた記録でもあるという。急行は、1960(昭和35)年ごろ、土浦ー筑波駅間をノンストップで運行していた急行に取り付けられていた。ほかに、廃線間際の車両に取り付けられた「さようなら 筑波鉄道 ありがとうございました」と書かれたヘッドマークも展示されている。 さらに、土浦駅の隣の新土浦駅で実際に使われていた、列車の運行を監視したり制御するためのスイッチが収められた制御盤や、1983(昭和58)年に田土部駅に掲示されていた旅客運賃表なども展示されている。制御板は、右上に国道踏切、右下に六号国道踏切とある。当時、筑波鉄道が土浦市内の国道6号を横切った際、住民は踏切で長く待たされた。浅川さんは「土浦市民にとっては懐かしい思い出として記憶に残る踏切なので、こういうふうに踏切を制御していたんだと分かる制御盤」だと話す。 旅客運賃表には、田土駅から土浦駅までの運賃が当時340円だったことのほか、上野駅や横浜駅、宇都宮駅までの運賃も書かれており、当時、国鉄への乗り換えが多かったことがわかる。 ほかに、1896(明治29)年に製造されイギリスから輸入されたレールを切断してつくった文鎮、客車をけん引していたディーゼル機関車のブレーキハンドル、レールを固定するために打ち込んだ犬の頭部の形に似た犬釘など珍しい資料も展示されている。 浅川さんは「サイクリストには、りんりんロードに鉄道の歴史があったことを知ってもらうと同時に、鉄道ファンには現在も現地に残る筑波鉄道の遺構を自転車で巡ってもらえれば」と話し、「折に触れて、その場所にあった筑波鉄道に思いを馳せていただければ」としている。 筑波鉄道は1918(大正7)年に開業した土浦駅と岩瀬駅を結ぶ40.1キロの鉄道で、開業当初は蒸気機関車が黒い煙を吐きながら、客車2両と手荷物車、郵便車の計4両を引っ張り1日6往復した。1925(大正14)年に筑波山ケーブルカーが開業してからは、筑波山観光に大きな役割を果たすようになった。一方1970年代以降の道路整備や車社会の普及により沿線住民や観光客の鉄道離れが進み、1987(昭和62)年に廃線となり70年の歴史を閉じた、廃線後、線路跡地を茨城県が買収し、2002年に自転車道「つくばりんりんロード」を整備、2016年には霞ケ浦自転車道と統合され、ナショナルサイクルルート「つくば霞ケ浦りんりんロード」になった。駅のホームには現在、サイクリストのための休憩所などが整備されている。(鈴木宏子) ◆「筑波鉄道展」は19日(日)まで。入場無料。開館時間は午前9時~5時。18日(日)午前11時からと午後1時からの2回、筑波鉄道に関する鉄道ビデオを会場で上映するほか、同日午後2時から、鉄道関連グッズが当たる抽選会を開催する。詳しくは土浦市観光協会のホームページへ。

カフェ&ラボ テラッツァ《ご飯は世界を救う》75

【コラム・川浪せつ子】公益財団法人つくば文化振興財団が運営する「つくばカピオ」(つくば市竹園1丁目)では、室内アリーナ、会議室、和室などの施設を借りることができます。ここでは、バスケットリーグ、大相撲つくば場所などのスポーツイベント、音楽リサイタルなどの文化プログラムが開かれています。 その西側に、ガラス張りのステキな平屋の建物があります。以前は、障害者関係の方々が飲食店をやっていました。ところが閉店していまい、今年6月、「Cafe&Labo TERRAZZA(カフェ&ラボ テラッツァ)」という名前のイタリア料理店がオープンしました。 私は月1回、つくばカピオの小会議室を借りて、水彩画教室をやっています。教室が終わってから、皆さんとTERRAZZAにご一緒しました。外観だけでなく内部もオシャレで、都会的ないい雰囲気。お店の方も親切です。隣には、展示などができるフリースペース(有料)もあります。 アナタのお子さんは大丈夫 記憶がややあいまいですが、かつてこのコーナーは社会福祉法人の相談所でした。私はわんぱく息子に手を焼き、2回ほど児童相談に行きました。担当の元小学校の校長先生は「アナタのお子さんは大丈夫です」と言ってくださり、特別なアドバイスはありませんでした。 ですが、その言葉で私の気持ちは落ち着き、ホッとして帰宅したことを覚えています。数年後、元校長先生にお礼をと思いましたら、相談所はすでに閉鎖。社会福祉法人に問い合わせたら、その方は亡くなられたとのことでした。 その後、子育ては山あり谷ありでしたが、今でも時々思い出します。男の子は、母親に理解できないことが多い「未知の生命体」ですね。今、息子たちは「チョッピリ親思い」の大人になりました。(イラストレーター)

5カ国の19人を歓迎 日本つくば国際語学院で秋の入学式

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東東郷治久理事長兼校長)の2026年度10月生歓迎会(秋の入学式)が8日、同市小野崎の同校に隣接する料亭、つくば山水亭で開かれた。5カ国から来日した19人が、鮮やかな民族衣装などに身を包み、新たな一歩を踏み出した。 新入生はミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、中国出身で、ミャンマー出身者が9人と最多。これから1年半、日本語を学ぶ。 歓迎会では、19人のうち、出席した18人全員がそれぞれ、習いたての日本語で、出身国、年齢、日本でやりたいこと、趣味などを自己紹介し「日本語学校で学びながら専門学校に進みたい」「卒業後は日本で仕事先を見つけたい」「音楽とサッカーが趣味」「読書や旅行が好き」「好きな日本の食べ物はすしとラーメン」などと話した。 在校生を代表してバングラデシュ出身のイスラム・サイフルさんが歓迎のあいさつをし、「最初、日本語があまりわからず、電車に乗った時はどこに行くのかもわからなかった。先生たちは優しく教えてくれたので安心して勉強することができた。皆さんも故郷を思い寂しくなることもあると思うが、学びながら日本の生活を楽しんでください」と新入生にエールを送った。 東郷理事長は「遠い国から、このつくばの地に来てくれてありがとう。日本語を学びながら、日本の文化や社会も学んでほしい。つまずくことがあるかもしれないが、つまずきは大きな経験。明るく前向きにチャレンジして成長してほしい」と語った。 歓迎会には在校生も参加し、この日は新入生を含め200人を超える生徒が会場にあふれた。在校生を対象に日本語能力試験の表彰も行われ、5段階評価のうち最も難しいN1に合格した1人、日常的な日本語を理解できるN2合格の2人、N3合格の21人、N4合格の26人が表彰された。N1は日本人でも合格するのが難しいという。 その後、新入生、在校生、教職員全員で記念撮影が行われた。最後は歓迎パーティーとなり、在校生がキーボードやギターを弾きながら歌ったり、ミャンマー出身の生徒が伝統舞踊を披露するなどした。 東郷理事長は「入学した学生を見ていると、向上心があり明るい、日本人の失ったものをもっているような気がする」などと話した。(榎田智司)