金曜日, 3月 29, 2024
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また給食に異物 今度はつくば市立二の宮保育所

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混入していた9ミリ程度のカタツムリの殻(つくば市幼児保育課提供)

【鈴木宏子】つくば市は6日、市立二の宮保育所(同市二の宮、御田寺喜代子所長、園児数128人)の給食に同日出されたホウレンソウのごまあえに、大きさ9ミリ程度のカタツムリの殻が混入していたと発表した。回収したほかのごまあえに混入はなかった。

市幼児保育課によると、4歳児がクラスで給食を食べ始めようとしたところ、カタツムリの殻を見つけた。担任の保育士がすぐに所長に連絡し、食事を始めたばかりの3~5歳児クラスのごまあえをすべて回収した。0~2歳児のクラスは食事を終えた後だった。

市はつくば保健所に連絡した。医療関係者に確認したところ、熱湯処理した食材であるため健康影響はないという。市は所長名で全保護者にお詫びの文書を出した。

ごまあえは、市内の業者から生のホウレンソウを納入し、同保育所内の調理室で調理員が調理した。袋から取り出して洗い、10分間ゆでて、冷水でさらに5回洗うなどしたという。市は混入経路を調べている。

五十嵐立青市長は「先日、異物混入事案が発生し各公立保育所に注意喚起をしたばかりにもかかわらず、同様の事案が発生し申し訳ありません。今後は給食のマニュアルの再確認、定期的な研修を行うなど徹底した再発防止に努めます」とするコメントを発表した。

15人が熱中症、うち4人が救急搬送 つくば市谷田部中

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つくば市立谷田部中学校

【鈴木宏子】つくば市は6日、市立谷田部中学校(同市谷田部、岡野光浩校長、生徒数456人)で同日、体育祭の練習を校庭で行っていたところ、正午ごろから午後1時ごろの間に、1~3年生の男女15人にめまいや気分が悪いなどの症状が出て、うち4人が救急車で病院に運ばれたと発表した。熱中症による症状とみられるという。学校は翌日7日に予定していた体育祭を延期した。

市教育局教育指導課によると、同中では朝9時ごろから全校生徒約450人が校庭に出て、翌日7日の体育祭の練習をしていた。正午ごろ、女子生徒1人がめまいを起こし保健室に運ばれた。

学校はこの時点で体育祭の練習を中止し、生徒全員が教室に戻った。その後、給食をはさんだ午後1時ごろまでの間に、さらに1~3年の男女14人が気分が悪いなどの症状を訴えた。

気分が悪い生徒を保健室で休ませたが、症状が回復しない生徒がいたことから、学校は救急車の出動を要請。ドクターカーが駆け付け、搭乗してきた医師が全員を診察し、症状の重い女子生徒3人と男子生徒1人の計4人を病院に救急搬送した。4人は快方に向かい、同日午後6時までに全員が病院から帰宅した。病院に行かなかった11人も教室に戻り通常通り帰宅した。

水戸地方気象台のデータによると6日のつくば市の最高気温は33.6度と真夏日を記録した。学校では、競技の練習の際などは7分ぐらい走って3分くらい休憩するなどを繰り返し、休憩時間は生徒に水を飲むよう教員から声を掛けていたという。

門脇厚司市教育長は「体調を崩してしまった生徒の皆さんや明日の体育祭を楽しみにしていた生徒や保護者の皆様に申し訳なく思います。市内全校に熱中症予防について具体的対応を求める文書を送付し再発防止を指導します」とするコメントを発表した。

同性カップルも受付 つくば市の市営住宅

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10月の定期募集で入居者を募集する9団地の一つ、市営駒形団地=つくば市谷田部

【鈴木宏子】市営住宅の入居申し込みについて、つくば市は10月の定期募集から、LGBTなどの同性カップルも受け付けると5日発表した。性的マイノリティのカップルがパートナーシップの関係にあることを宣誓する茨城県の「いばらきパートナーシップ宣誓制度」=メモ=を適用する。同宣誓書を県に提出し、県から受領書の交付を受けていることが必要となる。

県福祉指導課人権施策推進室によると、県内の市町村営住宅で同性カップルなどの入居を受け付けているのは水戸、笠間、常陸太田、守谷、日立の5市。10月からつくば市のほか、潮来市、茨城町が受け付ける予定で計8市町になる。

つくば市で入居者を募集するのは、市内に21ある市営住宅(うち8団地は廃止予定のため募集停止、1団地は建て替えのため解体済)のうち、駒形団地、金田住宅、戸ノ山団地など9団地の18戸。募集期間は10月1日から15日までで、入居できるのは来年1月6日からの予定。

市営住宅は年4回定期的に募集している。ただし住宅に困窮する市民などが対象のため所得に基準がある。

※メモ
【いばらきパートナーシップ宣誓制度】一方または双方が性的マイノリティであるカップルが、互いに協力して継続的に人生を共にすることを約束し、2人そろって県に宣誓書を提出し、県が受領証を交付する制度。7月1日からスタートした。受領証があると、県営住宅の入居申し込みや県立病院での手術同意などの際、同居者が親族であると認められる。ただし婚姻制度と異なり法的効果はない。県によると9月5日までに17組が県に宣誓書を提出している。

給食に異物混入 つくば市立今鹿島保育所

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コウナゴに混入していた異物(つくば市こども部幼児保育課提供)

【鈴木宏子】つくば市は4日、市立今鹿島保育所(同市今鹿島、鳥羽清美所長、園児数57人)で同日出された給食のコウナゴに、輪ゴムのような異物が混入していたと発表した。保育士が気付き、すべてのクラスのコウナゴを回収した。現時点で園児に健康被害はないという。

市幼児保育課によると、同日午前11時ごろ、1歳児クラス(園児数3人)で、担任の保育士の白米の上にかかったコウナゴに、輪ゴムのようなものが混入しているのを保育士自身が見つけた。

市立保育所の給食は、ご飯は各自が持参し、おかずは保育所内の調理室で調理士が調理している。この日のコウナゴは市内の業者から納入があったパック入りのものを、調理士がフライパンで炒って、クラスごとにボウルの容器に分け、ラップをかけて各教室に運び入れた。各クラスの担任は手袋をして、各自が持参したご飯の上にボウルの中のコウナゴをふりかけた。

1歳児クラスは、担任の保育士が園児3人と自身のご飯にコウナゴをふりかけた。給食を食べ始めようとしたところ異物に気付き、担任はすぐに事務室に連絡した。

同保育所はすぐに園児と職員全員分のコウナゴを回収。回収した中で異物の混入が確認できたのは1歳児の担任のものだけで、ほかに混入はなかった。1~3歳児は食べ始めたばかりで、4~5歳児はまだ食べてなかった。

同課は、納入業者と確認を行ったが、現時点で異物が何であるかの特定はできておらず、混入経路も不明で、調査中だとしている。

同保育所は同日付けで保護者全員に、異物混入についてお詫びの文書を出した。

五十嵐立青市長は「今後も原因調査を継続し、調理開始前の材料の点検を複数で実施するなど異物混入に注意を払い再発防止に努めます」とするコメントを発表した。

TX茨城空港延伸へ早期の研究着手を 結成1年半、期成同盟会が要望

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つくばエクスプレス

【山崎実】つくばエクスプレス(TX)茨城空港延伸議会期成同盟会(会長・市村文男小美玉市議会議長)は、TXの茨城空港延伸に関する要望書を大井川和彦知事に提出した。年度内に県議会や県選出国会議員などに協力を働き掛け、延伸実現への気運醸成に結び付けていきたい考えだ。

利用者の増加に対応した茨城空港の利便性向上、沿線地域の農業・経済など産業の振興、その波及効果による県勢の発展を期待して、期成同盟会が設立されたのは昨年5月=18年5月7日付=。市村議長の呼び掛けに、土浦、石岡、つくば、かすみがうら、行方、鉾田の6市議会議長が同調した。県南、県央、鹿行の7市議会がスクラムを組み、国土交通省やTXを運行する首都圏新都市鉄道など関係機関への延伸要望活動を行ってきた。

今回の要望書提出もその一環として行われた。要望内容は▽県総合計画に記載されたTXの延伸ルートについて、茨城空港への延伸を要望する▽茨城県が主体となって国、関係機関連携による調査・研究の早期着手を要望するーの2点。

昨年11月に策定された県総合計画「新しい茨城への挑戦」では、2050年頃の将来像として、TX延伸ルートの一つに”茨城空港ルート”が描かれているとして、期成同盟会はまず政治ベースで実現に向け動き出すことにした。

延伸とはいえ、新線建設には莫大な資金と年月がかかる。TXもかつての第2常磐線構想から常磐新線と名称を変えながら、幾多の難局を乗り切ってきた経緯がある。

期成同盟会もその辺の事情は織り込み済みで「大事なことは、必要な夢や希望をあきらめず、実行運動を展開すること。年度内に7市議会でさらなる行動を起こしていきたい」と意気込んでいる。

高速バスは10月スタート

一方、県が都市間連携による交流人口の拡大をベースに、県全体の活性化を目指す研究学園都市・つくばと県都・水戸を直結する高速バスの増便実証実験が10月からスタートする=19年5月13日付=。つくば―茨城空港、水戸―茨城空港の高速バスもそれぞれ増便される。

今年2月と3月に高速バス利用者アンケート調査を行い、増便の要望が多かったことを踏まえ、県、関係市、交通事業者、学識経験者などで実証実験協議会を設置し、運行計画(運行ルート、ダイヤなど)を審議してきた。

現在、運行事業者となる関鉄バスが国交省関東運輸局に認可申請中で、「10月には(増便実証実験の)実施にこぎ着けると思う」(県交通政策課)と話している。

TXの茨城空港延伸への働き掛けと、水戸とつくばを結ぶ高速バス増便運行ー県内の高速交通網整備計画が、構想の段階から具体化へと大きく動き出そうとしている。

豪華!「土浦名物花火弁当」予約開始

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試食会でお披露目された今年の土浦名物花火弁当=2日、土浦市役所

【鈴木宏子】10日26日実施される第88回土浦全国花火競技大会を前に、恒例の土浦名物花火弁当の予約が始まった。市観光協会土浦名物弁当事業者部会の8店1組合が、地元土浦の特産品を生かし、工夫を凝らした三段筒の豪華な弁当やオードブルなど16品を販売する。

販売店は▽うなぎ・佃煮の「小松屋」(電話029-821-0373、ファックス029-822-8075)
▽霞月楼グループの日本料理店「茶寮かげつ」(電話029-869-8416、ファックス029-869-8418)
▽和洋レストラン「さくらガーデン」(電話0120-396-014、ファックス029-896-8255)
▽すし・和食店「蓮の庭 にぎりや松」(電話029-842-4481、ファックス029-842-4432)
▽土浦中華組合 福来軒(電話029-821-1162、ファックス029-821-1162)
▽フランス料理店の「ル・タブリエ」(電話029-857-8110、ファックス029-857-8110)
▽明治22年創業の料亭「霞月楼」(電話029-822-2516、ファックス029-822-2518)
▽ふぐ・あんこうの「喜作」(電話029-831-7472、ファックス029-831-7657)
▽レストラン「つくし」(電話029-821-2195.ファックス029-823-1728)

三段花火筒弁当の価格は1800円~3000円(消費税込み)。

花火弁当は、戦後直後まで花火大会の日に、土浦の芸者衆が馴染みの旦那衆を招いてお重を振る舞いながら花火を見物した歴史を、「土浦食のまちづくり検討委員会」委員長の堀越雄二さん(75)がひもとき、例年80万人が集まる花火大会で土浦を全国に発信しようと15年ほど前にスタートした。昨年は計約3000個、約700万円の売り上げがあり、毎年販売額は1割ほど伸びているという。

予約方法は、販売数量限定の弁当もあるため、各店に電話して在庫を確認の上、所定の用紙に必要事項を記載してファックスなどで申し込む。料金は前払い。弁当は当日午後2時から7時の間、桟敷席近くの引き渡し所で受け取る。

詳しくは市観光協会のホームページ

各店の花火弁当について説明する各店関係者

➡土浦全国花火競技大会の過去記事はこちら

【つくば市教育長インタビュー】方針を転換 「5校目の義務教育学校はつくらない」

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門脇厚司つくば市教育長=市役所教育長室

【鈴木宏子】施設一体型小中一貫校を新設してきたつくば市の教育方針が大きく転換する。門脇厚司教育長は「5校目の義務教育学校はつくらない」と表明し、人口が急増するつくばエクスプレス(TX)沿線に今後新たにつくる小中学校は、施設一体型の一貫校とはしない方針を示した。つくば市の教育はどこに向かうのか、門脇教育長にインタビューした。

大規模校になってしまう

―人口が急増するつくばエクスプレス(TX)沿線にさらに2校を新設する計画が発表された19日の市議会全員協議会で、門脇教育長は「5校目の義務教育学校はつくらない」と明言されました。つくば市の小中一貫校を検証した市教育評価委員会の調査報告書「つくば市の小中一貫教育の成果と課題」(2018年7月)でも「小中一貫教育の効果は小中分離校でも発揮されている。施設一体校では中一ギャップは解消しているが、新たに小6問題が顕在化している」などの課題が出されています。義務教育学校、つまり施設一体型の小中一貫校はつくば市ではもう止めるということでしょうか。

門脇 小中一貫の義務教育学校がつくば市にはすでに4校あり5000人が在籍している。小中学生約2万人のうち4分の1になる。小中一貫教育の義務教育学校を止めるとは言えないが、5校目以降はつくらない。すでにある4校の義務教育学校については、これからはできるだけ小学部と中学部の分離を意識した学校運営をやりたい。

例えば、今は小学6年生を終えても卒業式もないし、中学生になる際に入学式もない。これからは小学部1年生から6年生、中学部1年生から3年生の区切りとし、小学部の卒業式も中学部の入学式もきちんとやるようにしたい。

―義務教育学校をこれ以上つくらない理由は何ですか。

門脇 これからTX沿線につくる新設校を義務教育学校にすると、大規模校になってしまう。それから2018年7月の「小中一貫教育の検証と課題」で指摘されたように、同じ小中一貫教育でも、小学校と中学校が分離していた方が教育効果が高いということなら、高い効果が現れる方を選んだ方がいい。

つくば市で子供の数が増えるのはこれから10年間か15年間。15年後には減ってしまう。これからつくる学校は、将来、何に転用するか考えてつくらないととんでもないことになる。将来どういう施設として活用するかを今から考えながら設計をしていく。

子育て世代 想定以上に増えた

5月30日につくば市が発表した「今後の人口増加地域の児童生徒数の推計値」によると、新たに学校をつくったとしてもTX沿線では引き続き過大規模校のままとなってしまう学校が複数あります。なぜこんなことになってしまったのでしょうか。

門脇 想定より多い子育て世代がどんどん入ってきている。前任者もこうなると思ってなかったのではないか。前任者が「教育日本一」を大々的に掲げたこともある。保護者は、教育日本一とは学力日本一だと考えて、つくば市の学校に入れればわが子の学力が上がると考え、想定以上に増えたのではないか。できたばかりの新しい学校は立派できれいなので、うちの子もこんなすばらしい学校で勉強させたいと、わざわざ引っ越してきた親御さんもいる。

「世界のあした」のトップランナーに

―つくば市の教育はこれからどういう方向を目指すのかを示す教育大綱を今、策定中です。つくば市の教育はこれからどう変わっていくのですか。

門脇 子供たち一人ひとりを徹底的に大事にする教育を目指す。どの子にも、自分はこういうふうに生きていきたいと願う気持ちがあるわけで、それを実現させる教育にしたい。

つくば市は五十嵐市長が「世界のあしたがみえるまち」を掲げている。ならば、つくば市は「世界のあしたの教育」のトップランナーになると言ってきた。これまでどこでもやってない教育をやりたい。

そもそも現在の公教育制度は、150年前に、産業社会を発展させるために必要な人間を育てることを目的に作った制度で、極めて不自然なことを無理を重ねてやってきた。

一例をあげれば、その国に生まれた子供は誰もが一定の年齢になったら必ず学校に行くことを強制されるし、同じ年齢の子でクラスを作り、全員が同じ教科書で同じことを一斉に教わる。学期が終わると必ず競争試験があって、できる子と出来ない子を分けて、できる子にはもっと勉強させて新しいモノを創り出すことができる能力を高め、できない子には先生や経営者の言うことを守ればいいと教える。こんなやり方はいやだ、自分のペースで学びたいと言っても許されないというふうに、今の公教育は経済成長を最優先させるため不自然な教育を無理を承知でやっているというのが実態。

だから、新しい教育大綱をつくって、つくば市がこれから目指す教育をはっきり示さなくてはならない。学力競争の教育から抜け出して社会力を育てることを基本にすえる。社会力とは人と人がつながって社会をつくる力、さまざまな人と人がよい関係をつくり、協力しながらよりよい街をつくる力のこと。子供も大人も社会力を育てるのがつくば市の教育の将来になる。

新設校は固定観念を一新する

―これからできる新しい学校は、つくば市が目指す新しい公教育の在り方を先取りしたものになるのでしょうか。

 

香取台小学校(仮称)建設予定地

門脇 例えばいま設計に取りかかっている香取台小学校(仮称、2023年4月に万博記念公園駅近くに開校予定)は、学校に対する固定観念をぶち破る学校にしたい。

職員室はつくらないで、1年生の教室が並んでいる真ん中あたりに1年生の担任の先生たちの授業準備室をつくる。先生が授業の準備をしたり、お茶を飲んで雑談したり休憩したりする。全教職員が一カ所の部屋に集まる今の職員室は同調圧力のもとで、互いに監視し合ったりする。仕事が終わったので早く帰りたいと思っても隣の先生はまだ帰らないので残っているということになる。

カフェテリアをつくり、勉強に使っている机で給食を食べるのではなく、カフェテリアで食べることで食事そのものを楽しんでほしい。

プールはつくらず、プールの敷地に保育所や児童クラブや、大人が集う市交流センターなどをつくって、学校を小中学生だけの施設でなく市民が集える複合施設にするとか、演劇や音楽や美術の発表を楽しむホールや大勢で遊べる遊び場は作っても、「全体回れ右!」といった軍隊式の集団行動を訓練する体育館は作らないというふうに、学校とはこういうものだというこれまでの固定観念を一新するような学校を作ってみせたい。

カエル姿で500人疾走 筑波山神社門前通りでがまレース

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カエルのかぶり物をして走る子どもたち=つくば市筑波(撮影/筑波大学1年・北村祐子)

【崎山勝功】第71回筑波山ガマまつりのメーンイベント「筑波山がまレース」が1日、筑波山神社(つくば市筑波)周辺で催され、県内外から約500人の参加者がカエルの被り物をして筑波山神社門前の通りを駆け抜けた。

がまレースは2013年から始まり、15年の鬼怒川決壊水害による中止を除いて毎年開かれ、今年で6回目。保育園と幼稚園児対象の「おたまじゃくしの部」(150メートル)から、中学生以上男女の「がまキングの部」(500メートル)といった個人競技部門に加え、今年は親子や仲間などが4人1組のリレー形式で走る「親孝行リレーの部」(一周200メートル、最終走者のみ300メートル)が新設され、合計11部門でレースが行われた。

このうち「小学4年生の部女子」(200メートル)で優勝した山本愛華さん(10)=つくば市=は「幼稚園の年長のころから出ている。小学校2年から1位で3連覇」と話した。18歳以上の男女ペアが2人1組で参加する「ガップルの部」で優勝した、山越貴洋さん(38)と妻の千佳さん(37)ペアは「昨年レースに参加して、レースの2週間後に結婚した。あさって(3日)で結婚1周年を迎える」と、同レースが取り持った縁を明かしてくれた。

同レースには県外からの参加もあり「小学5年生の部男子」で優勝した小野寺優斗さん(10)=埼玉県=は「カエルの格好で走っている人を見て出たいと思った」と、昨年に続いて今年も参加して2連覇を果たした。小野寺さんは「来年も1位を目指す」と意気込みを示した。

「ご当地キャラ」も疾走

「ご当地キャラの部 スピードの部」で健闘した、筑波大学アスレチックデパートメントの「コズミくん」(手前)と、つくば市の「フックン船長」

県内外のご当地キャラクターが集まって走る「ご当地キャラの部」(100メートル)がレースの余興として行われ、観客らの注目を集めた。

速さだけでなくユニークさなどを総合評価した「エンタメの部」と、速さのみで評価する「スピードの部」の2つでレースを実施。エンタメの部には、土浦市の「つちまる」や常総市の「千姫ちゃま」、つくばエクスプレスの「スピーフィ」など自治体や企業のキャラクター10体が参加。スピードの部には、つくば市の「フックン船長」や筑波大学アスレチックデパートメントの「コズミくん」など6体が参加し健脚を競った。

審査の結果、エンタメの部では、水戸市の「みとちゃん」が優勝し、準優勝には茨城国体の「いばラッキー」が受賞した。つちまるは受賞を逃したものの、つちまるに同行した土浦市の担当者は「みんな応援席から『つちまる』の名前を呼んでくれてうれしい。人気のあることが一番」と語った。

スピードの部の優勝は八千代町の「八菜丸」、準優勝は千葉県流山市の「ながれ~」で、フックン船長とコズミくんは揃って最下位だった。しかし、レース終了後に子どもたちがフックン船長に寄ってくるなど、注目を集めていた。

重度障害者の息子との歩みを本に 試行錯誤でコミュニケーションを磨く つくば

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【橋立多美】生後6カ月の時にインフルエンザ脳症を発症し、後遺症で「一生歩くこと、しゃべること、笑うことはできないでしょう」と宣告された遥(はるか)君が笑顔を取り戻し、意思を伝えるまでの道のりをつづった「会話の軌跡―重度重複障害者の息子とのコミュニケーション」をつくば市の江藤睦さん(56)が自費出版した。

「会話の軌跡」の表紙

それは22年前の12月6日のことだった。長男が通う幼稚園の行事に生後半年の3男遥君をおんぶして参加した。行事が終わり、帰路について背中の遥君がけいれんしていることに気付き、筑波メディカルセンター病院に搬送された。

数時間後に対面した遥君はICU(集中治療室)で人工呼吸器とチューブにつながれていた。容態が悪化し緊急の脳外科手術を経て2ヵ月後に退院した。江藤さんは入院中のことを「体は硬直してまるで丸太のようだった。眼球は上転していて見えているかわからない。私にできることは、こわごわと荷物を抱えるような抱っこだけ」と記している。

病院や市立療育センターでリハビリを受けながら遥君の生活能力を上げるためにあらゆる福祉機器を使ってみたが、徒労に終わった。「誰かに生活を助けてもらわないと遥は生きていけない。遥が望む生活をさせてやるには意思の疎通ができなくては。意思疎通の方法を教えて体得させなければ」と思い至った。

根気強く何度も繰り返して単語を、文字は押すと音が出る50音表のおもちゃで教えた。やがて身体障害者向けの意思伝達装置の文字盤を使ってコミュニケーションがとれるようになっていった。公立幼稚園と小学校(特別支援学級所属)では文字盤で友だちと会話し、明るく毎日を送る中で言葉の幅を広げていった。

県立つくば特別支援学校(同市玉取)肢体不自由教育部門の中学部に進学すると、短文を発語して意思を伝達できるようになった。同校の高等部に学んだ遥さんは現在22歳。卒業後の支援プランづくりに本人が加わり、文字や口話で表した希望に添って障害者支援施設に通所している。

江藤さんは「人とふれあうコミュニケーションは生きる喜び。遥がその力を身につけたのは奇跡ではなく、親と子の努力の軌跡がもたらした」と記す。

同書は薬剤師の資格を持っているのに我が子の命に関わる事態に気付けなかった自分を責め、遥君の幸せを願って試行錯誤してきた一人の母親としての歩みでもある。「障害のあるなしに関わらず多くの人に読んでほしい」と江藤さんは話している。

一昨年の成人式の日の遥君(江藤さん提供)

◆167ページ、定価1800円(消費税別)。申し込みと問い合わせは江藤さんのEメール(uraraka22.kaiwa@gmail.com)まで。

◆自分の死後、障害がある子どもは生きていけるのか、と不安を抱く親のための「親なきあと相談室」を開設している。申し込みは上記江藤さんのEメールに。

つくばの大学生チーム、世界一を撃破! 縄跳び競技でアジア選手権優勝

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五十嵐つくば市長(左から2人目)に優勝を報告する藤田惇平選手(左端)、関公平選手(同3人目)、稲葉海哉選手(右端)

【鈴木宏子】つくばの男子大学生チームが縄跳び競技のアジア選手権で、世界選手権9連覇中の強豪、香港チームを破り初優勝した。30日、五十嵐立青つくば市長を表敬訪問し優勝を報告した。

7月24~30日、香港で開催された第10回アジアロープスキッピング選手権大会に日本代表として出場し、15歳以上男子の部で日本チーム初の金メダルを獲得した。

チームのメンバーは筑波大4年藤田惇平選手(22)、同3年関康平選手(20)、江戸川大2年稲葉海哉選手(19)ら。5人のメンバーのうち3人がつくば市在住の大学生だ。

香港チームは、実力世界一と目されるチーム。それぞれ2年に1度開かれているアジア選手権と世界選手権大会で、ともに9連覇中、地元、香港大会での10連覇を目指していた。つくばの大学生らによる日本チームが10連覇を阻止した。

個人総合優勝も稲葉選手

さらにメンバーの1人、稲葉選手は、個人戦でも総合優勝を果たした。15歳以上男子の日本人の総合優勝は10年ぶり2人目の快挙だ。稲葉選手は「小さい頃からの夢だった総合優勝ができてうれしい。総合優勝にこだわり続けてやってきて本当に良かった」という。

稲葉選手の母親で、日本ロープスキッピング連盟第10回アジア選手権委員会委員の稲葉正子さんは「香港チームを破ることはチームジャパンの長年の悲願だった。チーム一丸となってプレーしやっと達成できた」と話す。

競技は、できるだけ早く駆け足跳びをして他の選手にバトンタッチしながらリレー形式で何回跳べるかを競ったり、チーム全員で四重跳びや五重跳びなど難易度の高い技を繰り出しながらパフォーマンスを披露するフリースタイルなどの種目がある。

つくば市長にアジア選手権出場を報告した日本代表の小学生から大学生まで14人

縄跳びパフォーマー、粕尾将一さんの教え子

優勝した日本代表の3人はいずれも、10年ほど前、筑波大学出身で現在縄跳びパフォーマーとして知られる粕尾将一さんが、大学在学中に市内で開いた「なわとび教室」の教え子だ。粕尾さんはその後、世界的サーカス・エンターテインメント集団、シルク・ドゥ・ソレイユに出演するため渡米した。現在は帰国し名古屋市を拠点に活躍する。

粕尾さん渡米後、つくばの教室にコーチはおらず、教え子たちは自分たちで動画を見ながら技を習得したり、互いに教え合ったり、後輩を指導したりしながら技を磨いてきた。教室のメンバーは現在、小学生から大学生まで約20人。週4日、市内の学校の体育館などに集まって練習を重ねる。

アジア選手権には3人を含め、小学4年生から大学4年生の教室のメンバー14人が日本代表として出場した。日本代表43人のうち14人をつくば勢が占めた。稲葉委員は「メンバーは小さい頃からつくばで一緒に練習し、切磋琢磨(せっさたくま)しながらやってきたことがチーム力につながった」と話す。

今後は、12月の全日本選手権、来年の世界選手権に向けて再び練習を始めるという。

沖縄の現在と戦後を伝える 島唄と美術がつくばでコラボ

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与那覇大智さん㊧と実行委の野口修さん。バックは島唄コンサートの舞台を飾る与那覇さんの作品=つくば市東平塚

【橋立多美】沖縄八重山民謡の第一人者と呼ばれる力強い歌声と、沖縄生まれの写真家と美術家が戦後から今のオキナワを伝える「南風の伝言2019」が、9月につくばで開かれる。島唄コンサートが14日つくばカピオホールで、写真と絵画の二人展が3日から16日まで県つくば美術館で開催される。芸術文化の振興を図り、特定非営利団体(NP)設立を目指している芸術文化振興NPO準備委員会が立ち上げた実行委員会(野口修代表)が主催する。

八重山民謡の大工哲弘さん

八重山のリズムで歌う島唄

「沖縄・島唄コンサート」に出演するのは、石垣島生まれの大工哲弘さん。八重山民謡の大家、山里勇吉に師事し、島唄や日本の唱歌を八重山のリズムで歌う。1994年にリリースした「沖縄を返せ」がヒットして注目された。八重山民謡を基本に世界の様々な音楽要素を取り入れて奥行きのある音楽世界を作り出し、海外公演歴も数多い。

大工さんは「終戦後、米軍占領下におかれた民衆が苦しみを吹き飛ばすために作った島唄は、民衆の汗と血の中から湧き出して今も歌い継がれている」と語っている。

写真と絵画が映し出すオキナワ

「鎮魂と不屈の沖縄」と題する二人展は、大戦後に糸満市で生まれた写真家、大城弘明さんとコザ市(現沖縄市)生まれの美術家、与那覇大智さんの計60点を展示する。

大城さんは戦争の爪痕を生活の中に見て育ち、少年の日の記憶をたどりながら沖縄の現状を撮り続けている。写真集「地図にない村」(2010年未来社)などを発表している。

大城さんの作品「傷だらけのヒンプン・糸満市喜屋武」

与那覇さんは沖縄が「日本化」する時代に育ち、沖縄県立芸術大卒業後、筑波大大学院を修了してつくば市に在住している。沖縄の歴史に向き合うことがなかったが、東日本大震災の原発事故で変わった。国や東電に対するやり場のない憤りが、戦後の沖縄につながったという。以来、不条理な連鎖が続く沖縄へのメッセージをアートの領域から発信している。

会期中の9月8日午後1時30分から3時まで、大城さんと与那覇さんのアーティストトーク「写真と絵画が映し出すオキナワ」が展示会場で繰り広げられる。

【沖縄・島唄コンサート】

▽日時 9月14日(土)午後6時30分開場、7時開演
▽入場料 一般前売り4000円、当日4300円。学生・障害者は3000円(全席自由)
▽会場 つくばカピオホール(つくば市竹園1-10-1)
▽会場ロビーで飲み物や軽食などを販売する予定
▽チケットのweb予約 https://artsnpo.wixsite.com/home
▽予約と問い合わせ 実行委の野口さん(090-8580-1288)

与那覇さんの作品「Home-裏庭の宴」

【二人展「鎮魂と不屈の沖縄」】

▽会期 9月3日(火)~16日(月・祝日)
▽入場無料
▽会場 県つくば美術館(つくば市吾妻2-8)
▽開館時間 午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで、9日は休館)

「南風の伝言2019」の詳細は実行委員会ホームページで。企画のNPO準備委員会では、クラウドファンディングで会場費や運送費などの資金を募っている。申し込みはホームページで。

原木シイタケは里山保全のカギ握る つくばで初のサミット

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全国・原木しいたけサミットで行われたパネルディスカッション=ホテルグランド東雲(つくば市小野崎)

【相澤冬樹】全国・原木しいたけサミットが29日、つくば市内のホテルで始まった。全国で原木シイタケの生産に関わる農業者や関係者が、同サミット実行委員会(飯泉孝司会長)を組織して開く初めての会合。20道県の生産者はじめ、流通関係者ら約220人が集まって、原木シイタケの置かれた現状と未来図について議論した。

全国から生産者ら200人以上参集

コナラやクヌギをホダ木に菌を植えて栽培する原木シイタケ。オガクズなどを培地にハウス栽培する菌床シイタケと区別する。会合冒頭の「サミット宣言」で表明されたように、近年は生産者の減少や消費の低迷などにより、生産量は減少が続いているという。加えて2011年の原発事故以降、東日本の被災地では依然出荷制限・自粛の規制が解けず、風評被害にも苦しんでいる。

それは、一産業の消長のみならず、里山保全、ひいては循環型社会の構築にも影響を及ぼすとの危機感から、実行委員会は行政・消費者にも連携を呼びかけ、2日間の日程で開催した。当初150人規模の想定だったが、200人を超す参加者が集まった。

会場のホテルグランド東雲(つくば市小野崎)には大井川和彦県知事、五十嵐立青つくば市長はじめ衆参議員らが来賓に駆けつけ、原発事故の影響に苦しむ産地の窮状に理解を示した。そのうえで、産業基盤整備や後継者育成、輸出拡大に向けた取り組みに支援を惜しまないとあいさつした。

サミットでは基調講演、パネルディスカッション、分科会で議論した。パネル討議で、大会会長を務めた飯泉孝司東日本原木しいたけ協会代表理事は、つくば市周辺の5人の生産者は震災前、福島県下に合わせて1200ヘクタールの山林を手当し、20年かけて順繰りにホダ木を伐り出す計画でいたが、原発事故で産地を他県に求めざるを得なくなった事例を紹介した。これは山林資源の管理も放置するという意味で、森林の荒廃に直結する。「原木シイタケは里山管理のカギだった」という立場だ。

大分県から参加の阿部良秀日本椎茸農協会長理事も、国東半島宇佐地域の「世界農業遺産」認定に、干しシイタケ産業が果たした役割が大きかったと述べた。消費者はシイタケの購入を通じ地域の持続可能性に寄与してきた。今後の振興は「出口戦略に尽きる」として、食品機能性を絞りこんで健康志向に応えることなどが海外展開を図っていくうえでも大切とした。

「サミット宣言」は、若手・後継者団体の「森のゆかり」長浜隆行代表が読みあげた。「生産者及び関係者は、伝統ある原木シイタケ栽培の技術を受け継ぎ、時代の変化に対応した先進的な経営を取り入れ、日本の豊かな森林資源の有効活用と環境の保全を図り、中山間地の林業者、流通業者、消費者の皆様方すべてに資するように、原木シイタケの発展をめざす」とアピールした。

サミットは2日目の30日、同市中野のなかのきのこ園に会場を移し、原木シイタケ栽培の現地を視察、植菌ロボットの展示、創作シイタケ料理の昼食会などを行い散会する。

飲み会後に酒気帯び運転2件 つくば市職員2人を懲戒処分

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つくば市は28日、7日と23日にそれぞれ同僚らと有志の飲み会に参加した後、帰宅途中に酒気帯び運転をしたとして、市職員2人を同日付けで停職5カ月と6カ月の懲戒処分にしたと発表した。

都市計画部開発指導課の男性係長(42)と、消防本部中央消防署豊里分署の男性消防士(25)の2人で、係長は停職5カ月、消防士は停職6カ月。消防士は24日、道交法違反で現行犯逮捕された=24日付

市人事課によると、係長は7日、仕事を終えた後、市職員らとの飲み会に参加し、帰宅する際の8日未明、市役所近くで酒気帯び運転で警察に検挙された。市の調べに対し係長は、代行運転を頼み、待っている間、自家用車を駐車場から別の駐車場に移動しようとして酒気帯び運転をしてしまったと話しているという。

消防士は23日、仕事を終えた後、有志の飲み会に参加し、帰宅途中の24日未明、酒気帯び運転で現行犯逮捕された。警察の調べに対し当初は容疑を否認していたが、現在は認めているという。市の調べに対し、代行運転を頼もうとしたが電話がつながらなかったため、酒気を帯びて自家用車を運転してしまったと話している。逮捕され、報道されたなど社会に与えた影響の大きさから停職6カ月となった。

五十嵐立青市長は「本市の職員が市民の信頼を裏切り多大なる迷惑をお掛けしたことを心から深くお詫びします。今後、再発防止に万全を期すと共に、市民の信頼を招くような行為を厳に慎むようさらに綱紀の保持を徹底させます」とするコメントを発表した。

宍塚小廃校から5年半で再出発 土浦市教育相談室が移転

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改修工事中の旧宍塚小学校=土浦市宍塚

【鈴木宏子】2014年3月に廃校となった旧土浦市立宍塚小学校(同市宍塚)に10月1日、市教育相談室が移転する。教育問題に関わる電話相談に応じたり、不登校の小中学生などの適応指導教室「ポプラひろば」を実施し、増加している不登校の児童・生徒によりきめ細かな対応を図る。

旧校舎2階の教室や音楽室などを改修し、児童・生徒が勉強する学習室、体を動かすプレイルーム、相談ルーム、職員室、電話相談室などとする。現在、東真鍋町の市民会館脇にある教育相談室と比べ、学習室が2部屋になるなど広々とした環境になる。職員は移転前と同じ、指導主事や教育相談員など8人が配置される。

同適応指導教室には現在、小中学生10人程度が通学している。子供たちは学習室で自習したり、1対1で学習指導を受けたり、指導員に悩みを聞いてもらったりする。休憩時間にはゲームをしたり、卓球などをして体を動かす。

現在の土浦市教育相談室適応指導教室「ポプラひろば」

旧宍塚小では6月から9月中旬まで、教室の改修工事や校庭に駐車場を整備する工事が進められている。改修費は約3200万円。校舎1階と2階の一部は市の公文書書庫とし市内3カ所に分散している書庫を集約する。

現在、教育相談室がある東真鍋町の建物は、50年前の1969年に建てられた。移転後は解体され、改修工事中の市民会館駐車場拡張用地となる。

市教育委員会指導課の中山弘課長は「教室は改修され、装飾などもリニューアルされるので、子供たちが新鮮な気持ちでのびのびと生活ができる。さらに充実した環境となるので、お悩みの方は教育委員会にご相談いただきたい」と話す。

廃校時、地域住民から、宍塚小を売却せずに公共のものを入れてほしいという要望が出されたのを受けて、跡地活用の検討が進められてきた。当時、地域住民代表として同小教育後援会長を務めた同市佐野子の阿部守男さん(77)は「何か利用がないのか皆心配していたところ、3月に宍塚小で住民説明会が開かれ、そういう話があり、全員いいだろうとなった。利用してもらった方がいい」と話す。体育館やグラウンドなどは引き続き市民に開放される。

「まつりつくばには3日目がある」祭りの後の清掃活動に意義

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デッキブラシを持って歩道を磨く子どもたち=つくば市吾妻のつくばセンター広場

【崎山勝功】24、25日に開催の「まつりつくば2019」から一夜明けた26日、まつり会場の一つとなったつくばセンター広場(つくば市吾妻)に市民の有志ら約60人が集まって、広場の歩道やベンチなどの清掃に汗を流した。

参加者たちはそれぞれデッキブラシを持ち、タイル舗装された歩道に水や洗剤をかけて、歩道にこびりついた油脂や泥などの汚れを磨き落としていた。歩道には捨てたガムも点在してこびりついており、除去するのに苦心していた。

「大人が汚した街を子どもたちがきれいにするのダサくない?」

清掃活動は、2016年3月から市内で清掃活動に取り組む市民団体「グリーンバードつくば」が中心となって行った。フェイスブック上などで「まつりつくばには3日目がある」とのキャッチフレーズで市民に参加を呼び掛けた。まつりつくば会場の清掃活動は17年から始まり今年で3回目。同団体代表で会社経営者の堀下恭平さん(28)は「大人が楽しんで汚した街を子どもたちがきれいにするのダサくない?」と訴える。

この日は、広場の街路樹に設置のベンチなども清掃。ベンチのすき間には食品の食べこぼしなど汚れが目立ち、参加者たちはブラシなどで食べかすや汚れをていねいに取り除いていた。清掃活動に参加した、同市の中学生、辻野夏海さん(13)は「ベンチはコケがたくさんあってきつかったので大変だった。来年もやってみたい」と話した。

お掃除のために水を撒く子どもたち=同

グリーンバードの堀下代表と「同じ大学の出身」という縁で参加した、つくば観光大使の吉田さやかさん(28)は「清掃をやってくださる方がいるから、よりつくばを好きになるんだなと感じた」と語った。ラヂオつくばパーソナリティでフリーアナウンサーの小村悦子さんも清掃活動に参加し、自らデッキブラシを手に歩道やベンチを磨いた。「散らかっている街や汚れた街を見ると、何でポイ捨てするのとイライラする。1人で清掃活動はしづらいが、みんなで楽しんでできるので良かった」と振り返った。

清掃活動には市議や県議らも参加し、歩道清掃に当たった星田弘司県議は「祭りを盛り上げるだけでなく、街をきれいに盛り上げていくことも大切な事」と説いた。

同団体は、普段は毎月第1~第3日曜日と第2土曜日、第3水曜日の計5回、TXつくば駅や研究学園駅、みどりの駅の3駅周辺の清掃活動に取り組んでいる。ごみ拾いは子どもから高齢者まで幅広い層が参加できるため「自分たちの街を好きになるため、ごみ拾いをきっかけに人が集まってしゃべるなどの交流が目的」という。

――まつりつくば当日のスナップです――

まつりパレードで通りを埋め尽くした市内各所のみこしなど=24日午後8時過ぎ

 

屋台が並び、にぎわうつくばセンター広場周辺=24日午後3時過ぎ

 

まつりつくばに併せてつくばセンター広場特設ステージで行われた「いばらき国体」つくば市炬火(きょか)集火式。筑波山で採火した筑波山の火とつくばエキスポセンターで採火した科学の火を合わせてつくば市の火をつくった=24日午後7時ごろ

 

酒気帯び運転でつくば市消防士逮捕

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つくば市役所

つくば市は24日、市消防本部中央消防署豊里分署に勤務する消防士の男性主事(25歳)が、同日午前1時50分頃、同市遠東の市道で酒を飲んで車を運転し、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕されたなどと発表した。

つくば中央警察署によると、男性消防士は帰宅途中で、巡回中のパトカーに職務質問を受け、酒気帯び運転が分かった。同署によると容疑を否認しているという。

植木利男市消防長は「職員が酒気帯び運転で逮捕されたことは誠に遺憾。事実関係を確認し厳正に対処します」などとするコメントを発表した。

江崎賞に有機半導体の染谷東大教授 つくば賞は物材機構の廣崎フェロー

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江崎玲於奈賞の染谷隆夫さん(左)とつくば賞の廣崎尚登さん

【相澤冬樹】ナノサイエンスとナノテクノロジー分野の研究で世界的な業績を挙げた国内研究者を顕彰する第16回江崎玲於奈賞の選考会が23日、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれ、東京大学大学院教授の染谷隆夫さん(50)に決定した。県内において顕著な研究成果を収めた研究者を対象にした第30回つくば賞は物質・材料研究機構フェロー、廣崎尚登さん(64)に授与されることになった。授賞式は11月13日、同会議場で開かれ、両氏にそれぞれ1000万円と500万円の副賞などが贈られる。

染谷さんは、伸縮性と生体親和性をもつ有機半導体の新領域を開拓した。人の皮膚に貼っても違和感がないほど薄くやわらかいプラスチックフィルムの上に、センサーや太陽電池などのエレクトロニクスを実現するナノ技術。医療やスポーツなど多くの産業分野への応用につながる業績が評価された。

廣崎さんは白色LED用蛍光体の開発でサイアロン材料(ケイ素をベースにアルミニウム、酸素、窒素を合成したセラミックス)に着目、優れた発光特性を得てLED液晶ディスプレイの普及を加速させる原動力となった。

両賞は県科学技術振興財団とつくばサイエンス・アカデミーが主催し、県などが共催する。江崎玲於奈賞は関係学会や研究機関等から推薦のあった業績について、江崎さんはじめ、ノーベル賞受賞者の白川英樹さん、野依良治さん、小林誠さん、同市在住の元宇宙飛行士、毛利衛さんらが選考する。今回は12件の推薦があった。

つくば賞は、県内の大学、官民の研究所など108機関へ推薦を依頼し、書面審査と予備審査会を経て、23日の委員会でつくば奨励賞と共に選出された。江崎さんほか、筑波大学の永田恭介学長らが選考に当たった。

選考会に臨む江崎玲於奈委員長(左)ら=つくば市竹園のつくば国際会議場

つくば奨励賞受賞者と研究テーマは次の通り。(敬称略)

◆つくば奨励賞(実用化研究部門)島村清史(52)、ガルシア・ビジョラ・エルカルナシオン・アントニア(47)=以上、物質・材料研究機構 船木秋晴(36)フジクラ「レーザー加工機用の優れたファラデー回転子の開発と実用化」

◆つくば奨励賞(若手研究者部門)林洋平(38)理化学研究所「難病患者特異的iPS細胞を用いた革新的治療法の創出」

来館者100万人達成! 土浦市新図書館

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中川清土浦市長(右端)から記念品の贈呈を受ける100万人目の来館者の小学4年、佐久本蓮さん(中央)と母親のみさおさん=土浦市立図書館

【鈴木宏子】土浦駅前に移転した市立図書館(同市大和町)の来館者数が23日、100万人を達成した。2017年11月に移転・開館以来、1年9カ月での達成となった。年間目標の40万人より1.4倍多い来館者があり、想定より9カ月早い達成となった。

23日午後1時30分過ぎ、100万人目の来場者となった土浦市下高津、市立下高津小4年の佐久本蓮さん(10)に、中川清市長から、市の名産品「土浦ブランド」認定商品の飯村牛と市のイメージキャラクター「つちまる」のぬいぐるみなど記念品が贈られた。

蓮さんはこの日、母親のみさおさんと来館した。「急に呼び止められてびっくりした」と話し、新図書館について「移転前と比べて座りながら読めるのでいい」と述べた。現在、月2回ぐらい来館して毎回本を借りているという。母親のみさおさんも「飲み物を飲むところもあって、居心地がいい」と語った。

同館によると新図書館は、市民1人当たりの貸出冊数が4.26冊と移転前の2.2倍になった。来館者の4割が高校生など10代の学生というのが特徴という。

駅前の活性化にも貢献している。駅前の1日の通行者数は開館1年後の昨年11月に平日が約4万2100人、休日が約3万5800人となり、市役所が駅前に移転した15年11月と比べ、平日で1.1倍、休日は1.5倍に増加した。市役所が休みになる休日のにぎわいづくりに貢献していることが示された。

入沢弘子館長(56)は「100万人達成は開館以来の悲願で、予定より早くこの日を迎えられ職員一同うれしく感じている」とし「開館2周年の今年秋には、本をテーマに様々な催しを行う『図書館フェス』を実施し、既存利用者の図書館への親近感醸成と、新規利用者獲得を目指したい」とした。

同館は延床面積約5100平方メートル、蔵書数約56万冊、閲覧席数約650席といずれも県内一。

➡土浦駅前「本屋」座談会の過去記事はこちら

➡土浦市立図書館館長のコラムはこちら

第30回機に「ブラインド」に変更 かすみがうらマラソン2020

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2018年のかすみがうらマラソン

【谷島英里子】来年の第30回大会に向けた「かすみがうらマラソン」実行委員会が19日、土浦市内で開かれ、来年4月19日開催することを決定した。また、第30回を機に昨年までの名称「国際盲人マラソン」を「国際ブラインドマラソン」に変更し、大会名称を「かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2020」(土浦市、かすみがうら市など主催)にする。

ブラインドは目が不自由な人という意味。同事務局によると、ブラインドは全盲者だけを指すのではなくWHO(世界保健機関)の定義でも障害の程度の軽いクラスの視覚障害者までを含めた言葉。全国的にもブラインドが使用されているという。

マラソンは土浦市川口運動公園周辺をスタート、かすみがうら市歴史博物館先を中間点とし、川口運動公園のJ:COMフィールド土浦をゴールとする湖岸周回コースで競う。

種目、募集人数、参加費は次の通り。

【かすみがうらマラソン】▽一般の部=フルマラソン1万5000人、7000円▽10マイル6000人、5500円▽5㌔2000人、3500円▽5㌔チーム対抗レース=1万円

【国際ブラインドマラソン】▽フルマラソン=7000円▽10マイル=5500円▽5㌔=3500円(いずれも定員なし)

エントリーは先着順で、県民先行エントリーは11月23日から、一般エントリーは12月4日からを予定している。

詳しくは大会ホームページhttps://www.kasumigaura-marathon.jp/

➡昨年のかすみがうらマラソンの様子はこちら

廃校で障害者生活支援ロボコン つくば市旧菅間小で来年から10年連続

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旧菅間小学校

【鈴木宏子】つくば市立秀峰筑波義務教育学校(同市北条)の開校などに伴って廃校となった筑波地区の小中学校跡地10校の利活用で、旧菅間小学校(同市中菅間)を、障害者生活支援ロボットコンテストの事業拠点にしたいという要望がジャパンイノベーションチャレンジ実行委員会(東京都目黒区、上村龍文委員長)からあり、同市が受け入れる方向で協議を進めている。

市科学技術振興課によると同コンテストは、同小体育館内に住宅模型を設置し、障害者が介助者の支援なしで自立した生活を送るための生活支援ロボットの開発技術を競う。ロボットには、起床から就寝までの日常生活で、例えば「夜中にトイレに行くのを支援する」「入浴を支援する」「宅配便の受け取りを支援する」など10程度の課題を設定し、達成されるまで毎年競技を続ける。

コンテストを実施することで技術開発や製品化の加速を目指すのが狙い。コンテスト自体は数日間の開催で、年1~2回程度開く。すべての課題が達成されるまで10年間程度かかると想定し、達成まで毎年連続してコンテストを開催する。賞金は同実行委が総額1億円を用意し、国内外から参加者を募る。20チーム程度の参加を想定しているという。

同実行委の上村委員長は、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するIT企業、トラストバンク(東京都目黒区)の元取締役で、現在は同実行委の委員長として2016年から毎年、北海道上士幌町の町有林でドローンを活用した山の遭難救助ロボットコンテストを開催している。

旧菅間小の体育館と校舎の一部はコンテストの準備期間などを含めて年60日間程度、使用する。体育館の一部にはコンテストが終了するまでの約10年間、住宅模型を常設する。市は同実行委に年約300万円程度で同小の土地建物を貸与する。

昨年12月、同実行委から廃校をコンテストの事業拠点として活用したいという打診があり、市と協議を進めてきた。今後は、9月下旬に市開発審査会に諮る。承認されれば、10月以降、会場設置工事に着手する。第1回コンテストの開催は来年9月ごろを目指しているという。

同校は、選挙の投票所や指定避難所となっており、引き続き投票所や避難所として利用する。校庭の一部には消防団の詰所が設置される予定。

教職員研修会の要望も 旧山口小

ほかに旧山口小(同市山口)校舎を、教職員の資質向上に関する講習会や研修会で利活用したいという要望が21世紀教育会(同市大曽根)からあるという。同校舎は耐震基準を満たしてないことから、市は課題や貸し出し基準などを整理し検討、調整するとしている。

➡つくば市の廃校利活用に関する過去記事はこちら