土曜日, 2月 28, 2026
ホーム ブログ ページ 106

霞ケ浦、男子が初優勝 関東高校サッカー県予選

0
後半21分、谷本のクロスを吉沢が決めて2点目=ひたちなか市総合運動公園陸上競技場(撮影・高橋浩一)

高校サッカー関東大会県予選の決勝が14日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開かれた。男子は霞ケ浦が水戸啓明を3-0で破り初優勝。女子は霞ケ浦が鹿島学園に0-2で敗れ準優勝。男子の霞ケ浦と水戸啓明、女子の鹿島学園は、27日から東京都内で開催の関東大会に出場する。

無失点で勝ち上がる

霞ケ浦は前半、風上に立つ水戸啓明の攻撃をことごとく抑え、後半の3得点で一気に試合を決めた。前半はサイドから切り込んでくる相手に対し、中を切って縦をカバーリング。後半は相手が多用してきたロングボールを、ディフェンスラインがはね返し、中盤が回収、前がかりになった相手の裏をFWが狙うという戦い方で進めた。

先制は後半6分。コーナーキックでMF青野嘉寿紀が蹴ったボールを、FW吉沢友慶が頭で合わせた。2点目は21分。FW谷本一翔のスローインを青野が受け、再び谷本へ。右足のクロスが吉沢の頭にぴたりと合った。このとき相手守備陣は谷本のロングスローを警戒してゴール前に密集。スローインの周りにマークが付いていないのを突いた頭脳プレーだった。

優勝を喜ぶ霞ケ浦男子チーム

23分の3点目は、GK根本将翼のキックから吉沢がつないだボールを、MF久保木周がドリブルで敵陣内を切り裂いてシュート。「前半にも同じような場面があり、このときもドリブルで行けそうだったので、イメージ通りに落ち着いて流し込めた。ゴール前の形にはチーム全員でこだわってきた」と久保木の振り返り。

今大会、霞ケ浦は明秀日立や東洋大牛久などの強豪を次々と撃破、無失点でトーナメントを勝ち抜けた。優勝はおろかベスト4以上に入るのも創部以来初めてという。「予選から我慢して1つ1つのチャンスをものにしてきた。関東では厳しい試合になると思うが、チームで意志統一し、セットプレーなど自分たちの得意なところで点を取りたい。県でやってきたことを出せれば勝つチャンスはあると思う」と久保木主将は話す。

女子は関東出場逃す

霞ケ浦は、前半はGK芹澤彩を中心とする堅い守備で相手の猛攻に耐えたが、後半鹿島学園に相手の勢いに飲まれた。

きっかけは選手交代。後半頭から入った相手FWの宿野部夏澄に、4分の最初のプレーで得点を許した。「相手のワントップには自分がマンマークで付いていたが、こぼれ球に前へ出たところを裏へ抜けられた。前半付いていたFWとは違って、ゴリゴリ来るタイプで寄せもうまかった」とDF井上祐実主将の振り返り。8分にはコーナーキックにFW玉井小春が右足で合わせて追加点。0-2と引き離された。

反撃に出たい霞ケ浦は16分、井上から中央でパスを受けたDF地島愛彩がゴールを狙うものの相手DFに阻まれる。25分にMF矢内杏奈が放ったボールは相手DFに当たりゴールへ向かわず、このまま試合終了を迎えた。

後半25分、矢内の放ったミドルシュートは相手DFに当たる

「もっと攻撃に持っていきたかったが、守備で押されてやりたいことが全然できなかった。選手権に向けて点の取れるチームになり、鹿島学園を倒すとともに、去年できなかった全国大会1勝を自分たちの代で果たしたい」と井上。今年は関東リーグ2部にも参戦し、去年はできなかった経験が積めているという。

竹元栄子監督は 「この5年間で守備はできるようになってきた。次の課題は一人一人がゲームの流れを読み、点を取ること。試合では練習でやったことしかできない。毎日の練習の積み重ねを大事にしていきたい」と話す。(池田充雄)

筑波大・東京芸大若手による20作品 スタジオ’Sで「絵画の筑波賞」展

0
開幕した「絵画の筑波賞」展2023つくば展の会場=ギャラリースタジオ'S(つくば市二の宮)

若手作家の創作活動を支援しようと創設された「絵画の筑波賞」2023(主催・筑波銀行、関友商事)のつくば展が14日、つくば市二の宮、関彰商事つくば本社内のギャラリースタジオ’Sで始まった。大賞を受賞した東京芸大大学院生、伊藤藍さんの油絵「白斑」など20人の若手作家による洋画と日本画が展示されている。

創作活動の拠点を共に県内に置く筑波大と東京芸大の洋画(油画)、日本画の両研究室から寄せられた作品を一堂に展示する。在学生や卒業生など35歳以下を対象に、各研究室に作品20点を推薦してもらい、5人の審査員が大賞、準大賞、優秀賞などを選考する。2020年に始まり今年で4回目。受賞作品9点は協賛企業が買い上げて若手を支援するほか、つくばと都内で展覧会を開催し作品を発信する。

大賞を受賞した東京芸大大学院生、伊藤藍さんの油絵「白斑」

大賞の「白斑」は、前屈し丸まった裸の男性を描いた作品。作者の伊藤さんは、知的障害がある兄をモデルにした作品を描き続けている。同展に協力する筑波大芸術系の仏山輝美教授は「ふわっとした丸い塊が浮遊しているように見え、見る人は遅れて人体だと認識する。造形上の効果を計算して描いている」と評価する。

準大賞は東京芸大大学院生の川田龍さんの油絵「untiiled(Bacchus4)=無題(バッカス4)=」。キリストの受難をイメージさせるイバラの冠を付け、顔を白く塗った男性が描かれている。仏山教授は「他の作品とは一味違った大胆なタッチで、絵をまとめようとせず力強さがある」と評す。

ほかに、冬の陽だまりに身を寄せる3匹の猫を、光を使って優しいまなざしで描いた東京芸大大学院生の斎藤愛未さんの日本画「光の瞬き」、イグアナの顔を無数の模様で描いた筑波大大学院修了の澤田麻実さんの日本画「まぜこぜ」などが展示されている。

会場を訪れた市内に住む男性(75)は「両国立大学のベスト20が展示されていて、なかなか個性がある」と感想を話し、スタジオ’S担当コーディネーターの浅野恵さんは「実力ある若手作家の作品が展示されているので、みずみずしい感性を感じていただければ」と来場を呼び掛ける。

筑波大の仏山教授は「つくばの企業や個人にご支援いただき4回目を迎えた。若い作家の力作を見てほしい」と話している。

◆「絵画の筑波賞」2023 つくば展は28日まで。会場のスタジオ’Sはつくば市二の宮1-23-6。午前11時~午後6時(最終日は午後3時まで)。入場無料。問い合わせは電話029-860-5151。池袋展は8月23~29日、西武池袋本店6階アートギャラリーで開かれる。

写真のウソ・ホント 《写真だいすき》20

0
ウソりんご。最近は、こんな青いリンゴが人気になった、なんて簡単だ=撮影は筆者

【コラム・オダギ秀】写真という言葉がいけないよ。写真は、真実を写すものだと思ってしまう。でも、今ほど写真がウソをつけるようになったのは、いいことか悪いことか。

それほど昔ではないが、霞ケ浦の水が汚れていると騒いだ時代。自然保護活動をしていた叔母から、アオコにまみれた霞ケ浦の写真を撮ってほしい、と頼まれた。でも、グリーンを強調した写真もグリーンがない写真も簡単だよ、と説明して、そんなことやれるかよと断ったが、一般の人々は、写真は真実を写すものだと思っているのだな、と写真についての非常識を少し納得した。世間の人々は、写真は真実を写していると思っているのだ。

少し言うと、特定の色彩を強調したり弱めたりすることは、現在のデジタル画像万能の時代でない初期の時代であっても、それほど苦労せずに出来た。秋の雰囲気の木立が欲しければ、木立の葉を秋の色にする程度のことは、しばしばやっていた。仕事の範囲で、当然のように、こなしていた。

もっと以前のフィルム写真の時代には、苦労はした。それでも何とかこなすこともあった。だが、写真を変えるということは、なかなか難しいことだった。写真は真実を変えられないというのが、一般的な常識だった。

水ようかんを撮っていて、現像が済んだフィルムを見たら、皿の手前に、毛髪が1本落ちている。今なら、すぐに消せるのだが、そのころは、手作業で毛髪を消し、消した後は、畳だったが、消したのが分からないように埋めなければならなかった。大変な職人芸だし、時間もかかったのだ。

そんなことするより、撮り直しをした方が、よほど楽だった。撮り直しするにも2日ほどかかったが、そのほうが楽なのだった。髪の毛一本にも、大変な苦労があったのだ。今なら、毛髪がバサッと落ちていても消せるし、バサッと置くことも簡単にやれる。

過去の写真遺産を残そう

そんな髪の毛一本にも苦労しなければならなかった時代の写真は、歴史的に大切な意味があるものでも、残せるか残せないかの瀬戸際にあるのが、現在の状況だ。フィルムでシコシコと撮影していた人々は、多くは亡くなり、それらの人々が撮っていた写真作品は、じいちゃんのゴミとして捨てられたり、燃されてしまっている。フィルムで撮られた写真は滅びようとしているのだ。

その写真が重要か重要でないかの問題ではない。重要か否かは、後の世が決める。ウソを撮ったのかホントを撮ったのか、その時代の写真を確認できるのは今が最後なのだ。フィルムでは検証できても、デジタルの時代になった今では、写真の真偽を確かめるのは、極めて難しい時代に入った。

そこで、それらの過去の写真遺産を残そうと、ボクの所属している土浦写真家協会は、アーカイブ事業を始めた。フィルム写真は、ほとんど真実だ。その真実を写している写真を、今なら、まだ辛うじて残せる。それらを無くならないうちにきちんと残し、歴史遺産として、大切に保存しようとしている。

もう少し時代が進んだら、真実を撮ったものかフェイクなのか、見極めることが極めて難しくなる。真実を写した写真を残すのは、今、しかないのだ。 

例えば、〇〇年ごろは、✕✕はこんなに賑(にぎ)わっていた、寂(さび)れていた―という写真は、フィルム写真では、どちらにも撮れたけれど、それは何故(なぜ)で真実は何か、ということをフィルム時代には検証できた。つまり、フェイクかリアルかをかなり確実に検証できた。そのように写真をホントかウソかと検証して残せるチャンスは、今しかない。

だからこそ、写真を真実か否か、として整理しアーカイブすることが、今、とても大切だと思っている。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

地元子供会が苗木を植樹 宝篋山採石跡地 つくば

11
採石跡地にかぶせた表土に苗木を植樹する親子連れ=13日、つくば市大形

つくば市と土浦市の境に位置する宝篋山(ほうきょうさん)南側の採石跡地に苗木を植えて緑化する「第7回宝篋山ふるさとの山づくり植樹祭」が13日、つくば市大形の採石跡地で催された。地元大形地区と小田地区の子供会や地域住民、採石事業者、県、つくば市関係者など100人以上が参加し、標高約130メートルの採石跡地約5000平方メートルにアカマツ、ヤマザクラ、モミジ、ケヤキなどの苗木約450本を植樹した。

2011年から2年に1度、宝篋山ふるさとの山づくり懇談会(座長・片野博司つくば市経済部長)が主催し実施している。前回21年の第6回は新型コロナにより採石事業者らが実施した。子どもたちが参加したのは4年ぶり。今回も含めこれまで7回の植樹で1万4300平方メートルに2040本を植樹した。

この日参加者は、階段状に掘削された採石跡地にかぶせられた土を10センチほど掘って、肥料を入れ、水をかけて1本1本植えていった。土は、元々あった斜面の表土を保管し、採石後に1メートルほどかぶせた。水はけが良いため、植樹した苗木の周辺を足で踏んで周囲より低くし、雨が降ったら水がたまるよう工夫した。

五十嵐立青市長や県議、市議らも参加した。初めて参加した小学4年の塚田美結さん(10)は「植えた後、苗木の周りを足で踏むのが難しかった」と話し、母親は「子供たちが植えた木が大きく育てばいい」と話していた。

植樹された木々が定着し緑化が進む尾根近くと、採石場

採石場は地元で大形山と呼ばれてきた。現在2社が計約100ヘクタールで採石事業をしている。石はコンクリートやアスファルトの骨材として、筑波研究学園都市の建設やつくばエクスプレスの敷設などに活用されてきた。

2000年、1社が採石事業を終了する計画を立てたのをきっかけに、地元の大形地区住民から「大形山を昔のように親しめる安全な山にしてほしい」という声が上がり、03年、約1万2000人の署名を県に提出した。04年、県が緑化の事業計画を策定し、斜面の勾配、植樹する樹木の種類、防災機能の強化、緑化後の景観や生態系の回復策など住民の要望が取り入れられた。09年から緑化のための工事が始まり、11年、植樹祭がスタートした。

同ふるさとの山づくり懇談会副座長で、地元の山づくり委員会委員長の宮川茂さん(69)は「(採石後の)斜面の傾斜をなだらかにしてほしいと1万2000人の署名を集めて要望書を出し、県と勉強会を開いて(緑化の)事業計画書を作った。植樹祭はこれまで小学5、6年生に参加してもらっていたが、今回から年齢を限定せず、小さい子も保護者と一緒に参加してもらった。将来、子どもたちが地元に残れるよう、少しずつでも地域が活性化してくれれば」と語った。

採石事業者、塚田陶管(本社・土浦市藤沢)の塚田陽威会長(79)は「ここで昭和30年代に採石を始め、これまで1億トン近くをつくばのまちづくりに使ってきた。20年ぐらい前、大形地区の皆さんから、採石した跡の傾斜がきついという話があり、45度だった勾配を、なだらかな30度の傾斜にした。植樹祭は地元住民の要望で始まった全国で初めての事業。採石した石が骨材としてどのように使われているかについても、知ってもらう機会になれば」などと話していた。

「十五の春に泣く学園都市」つくば 《竹林亭日乗》4

20
田植え後の水田に映る筑波山=筆者撮影

【コラム・片岡英明】つくば学園都市の県立高校不足。このありえない問題を何とか解消したいと模索している。4月26日、茨城県の森作宜民教育長へ3回目の要望書を提出し、高校改革推進室と2時間ほど懇談した。つくば市選出の県議の皆さんも、この問題を議会で取り上げているが、教育長の答弁には揺れがある。

▽つくばエリアは生徒増だが、周辺エリアを含めると生徒減(2022年3月)

▽つくばエリアに土浦・牛久・下妻エリアを含めると、生徒増(2022年11月)

▽つくばエリアの生徒増より、周辺の生徒減が大(2023年3月)

データ公開と基準設定をスタートに生徒増を議論するのに、その範囲が変動しては議論が進まない。また、生徒増算定の基準年が毎年移動し、2030年までの生徒増数も変動する。

北海道が高校の4~8学級の適正規模の発想をやめた(茨城もやめた)と聞き、道教委HPの「公立高校配置計画」(2022年9月) を調べた。茨城県の「高校改革プラン」(2019年2月)には、生徒数などの基本データの記載がないが、北海道には2022年基準の生徒数、エリア生徒数、道立高の収容率などのデータがある。

北海道はアンケート調査結果も公開。その2問目で希望学科を問い、普通科希望が多いことを確認し、学級増減を計画している。茨城県もアンケート調査を実施したが、その結果はHP上にはなく、文書開示で調べると、希望学科の問いがない。

県は普通科増は困難と思っている?

生徒が急増しているつくば市で、なぜ定員割れのつくばサイエンス高が学級増なのか疑問だったが、少し謎が解けた。アンケートを取れば、当然、普通科の学級増希望となる。

しかし、つくば市は県立高が削減されて少なく、普通科で受験生が多いのは竹園高のみ。その竹園高は8学級。所狭しと校舎が建ち、2学級増となれば校地拡張と校舎新設が必要だ。普通科の牛久栄進高も8学級で、2学級増は困難と考え、つくば工科の学級を増やしたのではないか?

つくばエリアに県立高は10あるが、いずれも学級増は困難。並木中等の高校2学級増には、校地拡張と校舎建設に加え、教育課程の変更も必要になる。茎崎校は定時制であり、全日制を入れるのは困難だ。

森作教育長の「進学先を確保し、中学生の進路選択に影響がないよう計画を示す」との答弁(2022年11月)を受け、つくばエリアの不足学級数を算出してみた。すると、現時点で15学級不足、2030年までに25学級増が必要―と判明した。

どうするか? つくば市の県立高の現状をみると、学級増だけを求めるのは不誠実だ。そこで私たちは。学級増の一つの形態として、高校新設も含めた次の3案を県に提案した。①困難だが学級増だけ、②学級増+1校新設、③学級増+2校新設―だ。

県も、現在の中学生のために、データを共有化し、学級増計画を早急に示してほしい。「十五の春に泣く学園都市」の汚名返上がつくば市の緊急課題であり、この問題の解決が茨城の発展にもつながることを、多くの方に知ってほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会・代表)

➡片岡英明さんの過去のコラムはこちら

4年ぶり減益 筑波銀行決算

0
会見する生田雅彦頭取=筑波銀行本部(つくば市竹園)

筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)は12日、2022年3月期連結決算を発表した。1年間の純利益は前年比50.5%減の20億9500万円で4年ぶりの減益となった。特定の大口取引先の貸し倒れに備える引当金の計上により、与信関係費用が当初予想を大きく上回ったことが減益の主要因になった。

経常収益は前年比1.1%増の370億9800万円。預け金や有価証券の利息、配当金は減少したが、貸出金利息や役務取引等収益などの本業の収益、株式の売却益などが増加した。

営業経費は減少したが、外貨調達コストの上昇に伴う資金や外国債の売却損などから、経常利益は前年比66.1%減の17億6000万円にとどまった。特定の大口取引先については、「再建中」であるとして社名や金額は明らかにされなかったが「コロナ禍と原材料費の高騰が経営悪化を招いた」という。

預金残高(2兆5130億円、うち個人1兆8560億円)、貸出金残高(1兆9512億円、うち住宅ローン4950億円)はいずれも期末としては過去最大となった。

会見で生田頭取は新年度に向け、「コロナは収束しても借り入れは残る」と地域企業と共に困難を乗り切る姿勢をみせた。新型コロナ対策の無利子・無担保融資として政府が始めた「ゼロゼロ融資」の返済が2023年度から本格的にスタートしている中、早くから借り手企業との相談に当たってきた。資金の借り換えや返済期間の見直しなどを進めており、現在のところ倒産などの目立った事例は起きていないという。(相澤冬樹)

貸しギャラリー建て個展 つくば市の水彩画家 佐々木量代さん

0
自身が建てた貸しギャラリーで個展「樹々たちのざわめき」を開催する佐々木量代さん(左端)

つくば市桜が丘の水彩画家、佐々木量代さん(73)が、自宅近くの住宅団地内に、貸しギャラリー「アート・スペース コリーヌ」を建て、個展「樹々たちのざわめき」を14日まで開催している。

これまで描きためた自身の作品を展示したり、地域の人が作品を発表する場に使ってほしいと、自宅近くの空き地を購入しギャラリーを建築、コロナ禍の昨年6月、オープンさせた。

ギャラリーは平屋建て、展示スペースは約25平方メートル、ほかにアトリエや収納スペースがある。

オープン後の昨年は、自身の個展や、自身が主宰する水彩画教室受講生の作品展を開くなどした。「知られてない」ため、まだ一般の利用はあまりないという。

普段は水彩画教室を開いているほか、常時、自身の作品を入れ替えながら展示しており、佐々木さんは「気軽に立ち寄ってほしい」と話す。

佐々木さんは福島県相馬市出身。南フランスの農村風景を描いた筑西市出身の水彩画家、柳田昭(1948-2012)に師事し、2012年、武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業。現在、現代美術家協会や水彩画連盟に所属する。風景、花、樹木、静物などをモチーフに創作活動を続け、個展やグループ展を開いている。

貸しギャラリーについて「地域の高齢化が進み、絵を見る機会が遠のいていると思うので、発表したい方々に利用してもらって、気軽に立ち寄れる場所になれば」と話す。

開催中の「樹々たちのざわめき」で展示されているのは、大木のごつごつした根っこや、枯れ葉、冬枯れの樹木などをモチーフにした作品など。ハガキほどの大きさから縦横1.5メートルほどの大作まで約30点が展示されている。

◆貸しギャラリー「アート・スペース コリーヌ」はつくば市桜が丘15-4。問い合わせは電話029-876-0080。詳しくは同ギャラリーのホームページへ。

潮来の「あやめまつり」 《日本一の湖のほとりにある街の話》11

5
嫁入りの様子を再現した「嫁入舟」。イラストは筆者

【コラム・若田部哲】周囲を霞ケ浦の西浦・北浦、外浪逆浦(そとなさかうら)、利根川などの水に囲まれ、古くから水路が生活に根差していた水郷地帯、潮来市。同市の「水郷潮来あやめ園」では、季節になると色とりどりのアヤメが咲き誇ります。その数、何と500種100万株! 1952(昭和27)年より始まり、例年5月から6月中旬ごろまで行われる「あやめまつり」では、日本情緒あふれるその美しさを、様々な演出とともに楽しむことができます。

まず彩りを添えるのが、この地域でかつて生活手段として利用されていたサッパ舟の運行。かつて当地では、水路を道路代わりに移動経路として用いていました。その際に用いられたのが「サッパ舟」と呼ばれる小型の舟。家から田んぼへの往来や、近隣への移動など、様々な場面で日常的に用いられていたそうです。まつり期間中は、この舟が川を行き来し、水上観光を楽しむことができます。

さらに毎週日曜日には「潮来囃子(はやし)演奏」として、お囃子を演奏しながら運航する舟が行きかいます。水郷の情緒とお囃子の音の相性は抜群。古き良き日本の情緒を味わうことができるでしょう。

また2022(令和4)年度より、お隣の千葉は香取市の「水郷佐原あやめパーク」とも連携し、両園のあやめ祭りを結ぶシャトルバスの運行を行うなど、県を超えて地域の魅力を発信しています。

サッパ舟による嫁入りを再現

そして何と言っても最大の見どころは、100万株のアヤメが咲き誇る中行われる、サッパ舟による嫁入りの様子を再現した「嫁入舟」! 一時は途絶えたこの風習ですが、1985(昭和60)年のつくば万博の際にイベントとして行ったことがきっかけとなり、その後は地域を代表する行事へと発展しました。

舟に乗り込むのは、公募で選ばれた本物の花嫁さん。あやめ園から船頭さん、ご両親と共に嫁入り舟に乗り込み、多くの観光客の祝福を浴びながら水路を進みます。鮮やかな新緑ととりどりのアヤメが織り成す初夏の色彩の中、白無垢(むく)姿の花嫁さんが舟で水路を進むさまは、神々しいほどの美しさ! 太鼓橋の上から、沿道から、お愛想でなく本物の祝福が込められた喝采が上がります。

日本情緒と水郷ならではの美しさを存分に味わえるこのお祭りに、ぜひ足をお運びください。(土浦市職員)

<注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。

➡これまで紹介した場所はこちら

社会人にも門戸開きオープン模試 茗渓学園

0
茗渓学園教育構想推進部の新妻翔副部長(左)と谷田部篤雄部長

論理的思考力や発想力を採点

中高一貫の私立校、茗渓学園(つくば市稲荷前、宮﨑淳校長)で、一般参加もOKなオープン模試が行われている。中学校で習う出題範囲ながらも国語・数学・英語・理科・社会の5教科について、論理的な読解力、判断力、推論力、表現力を問うオンライン試験だ。29日まで、「ChatGPT(チャットGPT)では解答も採点もできない」という難問へのチャレンジャーを広く受け入れている。

模試は「茗溪オープン2023」と銘打った。同校教育構想推進部、谷田部篤雄部長(35)によれば、学校オリジナルの模試で全国的にも例がないという。

「なるほど、わかった、と学習で得られる感動があって、学びは人生の基礎となる」を掲げた同校の「アカデミアクラス(AC)」設立がきっかけだった。教鞭(きょうべん)をとっていると「学校で習ったことが企業に入ると使えない」現実があった。社会に出てからも学び続けることがますます必要になるこれから、学校で身に着けておくべき学力とは何か? との模索から同校に21年、開設されたのがACだった。

その開設から3年目。中学校の全学年に2クラスずつACがそろい、志願者数を伸ばし、カリキュラムも整った。同校を特色づける教育となり、その趣旨を具体化する校内模試は中学生ばかりか、高校生も希望すれば受けられるようにした。22年度の模試では保護者にも門戸を開くと、約80人が参加したという。

今回は学校外の中学生、高校生に限らず、一般社会人にも門戸を開いて初開催、その真価を世に問う形になった。

その出題方針の1つは、東京大学をはじめとする難関大学の入試で求められる「論理的・抽象的な文章の総合的な読解力」「論理的・分析的な思考力」「試行錯誤的な総合的・創造的思考力」を問う。解き方を変えひねり出すための発想力が問われ、 中1生で解ける者もいれば、高3生でも解けない者も出てくるレベルの問題だ。

逆に初歩的な知識の有無を問うだけの、授業や学校を離れたら意味を失うような、論理的な発展可能性の貧弱な問題は出題しないという。「理論的な基礎」を厳しく判定するために、記述形式はもちろんのこと、選択形式であっても初歩的な選択に誤ると一切の加点が得られない「地雷問題」のような採点をすることで、学習者の到達段階に対して多様なフィードバックを可能にするそうだ。

各教科には制限時間があり、それぞれ100点満点(理科は2分野選択だと各50点)で採点。出題者を中心に教員が採点し偏差値まで通知するが、合否判定は特に行わない。「チャットGPTで試したが解答にならないことが多く、採点にも使えない」(谷田部部長)という。

募集は4月1日から始まり、29日までが申し込み期間、受験時間となっている。所定のメールアドレスを通じ、試験問題と答案提出用紙をダウンロード、印刷して受験後に答案を返送する。これまでに約40人が申し込んでいる。(相澤冬樹)

◆申し込みのURLはこちら


娯楽は世につれ、世は娯楽につれ 《遊民通信》64

0

【コラム・田口哲郎】

前略

マカロニえんぴつというバンドの「なんでもないよ、」という曲を聞いて衝撃を受けました。ラブソングらしいのですが、歌詞の一部はこうです。「会いたいとかねそばに居たいとかね守りたいとか そんなんじゃなくてただ僕より先に死なないでほしい そんなんでもなくて ああやめときゃよかったな なんでもないよ なんでもないよ」とあります。

ラブソングですから、恋人に会いたいとかそばにいたい、守りたいと歌うのは当然ですが、そうじゃないというのです。俺より先に死ぬなというところは、さだまさしの「関白宣言」が思い出されます。関白宣言は新婚夫婦の夫の妻への思いを歌ったものですが、マカロニえんぴつはそんなんじゃない、とやはり言います。

いまテレビ神奈川で1971年放送の「たんとんとん」というドラマとBS11では1980年放送の「心」というドラマが再放送されています。

「たんとんとん」は森田健作主演、脚本山田太一、木下恵介プロ制作の青春ドラマ。「心」は宇津井健主演、橋田壽賀子脚本、石井ふく子プロデュースのホームドラマです。ふたつとも、庶民の日常を描いたほのぼのとしたドラマです。そこでは若者の成長や職業的な困難の克服など、いわゆる人生の悲喜こもごもが盛りだくさんです。しかし、そうしたいろいろな出来事をつらぬくテーマは男女の出会いと結婚です。

以前、小津安二郎監督の映画のことを書きました。小津映画の主なテーマは、妻に先立たれた男のひとり娘の結婚です。娘が年ごろになったので「どこかにやらなきゃならないよ」と父親役の笠智衆が言います。

人びとの素直な気持ちが世を変える

日本にはいままで無数のラブソングや映画やテレビドラマがありましたし、いまもあります。そのなかで一番多いテーマは男女の恋愛と結婚なんじゃないでしょうか。バブル期にはやったトレンディー・ドラマもおしゃれな恋愛がテーマでしたが、結婚が前提でした。

こうした娯楽が男女の恋愛・結婚をテーマにしてきたということは、何を意味するのでしょうか? それはこの社会が結婚によって、家族が再生産され、世代を後世につないできて存続してきたということです。それほど社会の構成員が結婚して家族を増やすことが大切ですし、人間はそのために時間と労力を惜しまずにきたということでしょう。

でも、そのあたり前だったことが、あたり前でなくなっているのが今なのかもしれません。

男女の恋愛と結婚が当然の価値観に、そうではない価値観が加わる社会はどうなるのでしょうか? それは分かりません。人類が経験していないからです。でも、流行歌が歌うことは、いまの社会に生きる人たちが感じている素直なことなのは確かです。昔の歌や映画やドラマも人びとの素直な気持ちでした。素直な気持ちは社会を変えますね。ごきげんよう。

草々

(散歩好きの文明批評家)

チャットGPT「ほぼ毎日使ってる」 五十嵐つくば市長

10
チャットGPTについて記者の質問に答える五十嵐立青つくば市長=10日、市役所

政策課題の整理やあいさつの素材探し

対話型人工知能(AI)の「チャットGPT」について、つくば市の五十嵐立青市長(44)が、ほぼ毎日チャットGPTを使用し、自分の頭の中で政策課題を整理したり、あいさつの素材を考えるなどに利用していることを明らかにした。10日開かれた定例記者会見で記者の質問に答えた。

五十嵐市長は、昨年12月から使い始めたと述べ、具体的には、地方創生のパネルディスカッションでチャットGPTを使用し、課題などを整理したなどと話した。議会の答弁に使用したことは無いとしている。私生活では家族のご飯を作る際に利用したという。

4月25日から、職員同士の対話型ネットワークシステムに導入されたチャットGPTを見る市職員(つくば市提供、写真右パソコン画面のLoGoチャットに関する画像はトラストバンク提供)

職員同士のネットワークに導入

一方、市役所では五十嵐市長の提案で、職員同士が対話したり資料をやりとりしたりする対話型ネットワークシステム「ロゴチャット」に4月25日からチャットGPT3.5ターボを導入した。

プログラム同士をつなぐAPIをチャットGPTと連携させ、職員が入力した質問などをチャットGPTに吸い上げられないようにしたり、チャットGPTが出した回答の出典を表記する機能を付けた上で、市スーパーシティ構想の全体統括者(アーキテクト)を務める鈴木健嗣筑波大教授が4月10日、同市のロゴチャットに実装した。

実装されたチャットGPTは鈴木教授の名前にちなんで「AI顧問けんじくん」と名付けられ、4月25日から市職員全員が利用できるようになっている。個人情報と機密情報は入力しないという条件を設けているが、職員がどのようにチャットGPTを利用するか、制限は設けていない。

ロゴチャットを使用している市職員約2150人のうち、ゴールデンウイークを除く約10日間でこれまで約250人の職員がチャットGPTを利用。施策のアイデア出しや翻訳などに利用されたという。

市政策イノベーション部の藤光智香部長は「今後、チャットGPTの使い方の指針を策定し、基礎自治体にふさわしい使い方は何かを検討したい」と話す。

チャットGPTはインターネット上の膨大なデータを収集し、利用者の質問などに即座に回答するAI。欧米では、個人情報の収集や著作権侵害などについて懸念が出され、G7デジタル・技術相会議でも在り方が議論になった。(鈴木宏子)

霞ケ浦の魅力伝えたい 「うなぎ村」に飲食店 6月オープン

1
かすみがうら市安食の実家敷地内につくった「うなぎ村」と、「麦わら村長」こと外山厚志さん

かすみがうら市の漁師

霞ケ浦と天然ウナギの魅力を伝えたいと、霞ケ浦のウナギ漁師「麦わら村長」こと外山厚志さん(44)が6月初め、湖畔にあるかすみがうら市安食に飲食店をオープンする。外山さんは昨年から、実家敷地内の倉庫にウナギの漁業体験ができる体験拠点「うなぎ村」をつくり活動してきた。今回飲食店を併設する。

うなぎ村は、霞ケ浦で伝統的なウナギ漁を体験してもらったり、獲った天然ウナギの調理体験をして味わってもらう拠点。実家周辺に元々ある栗林やミカン、キウイ畑などで、収穫体験もできる。

昨年夏、調理場を増設したいとクラウドファンディングで支援を呼び掛け、329万円が集まった。今年1月から、飲食スペースを併設した調理場の増築工事を実施、5月中に完成する予定だ。ほかに、祖父が乗っていた船を修理しウナギの水槽にして、庭先に設置する計画もある。

うなぎ村に建設中の飲食店

祖父のような漁師に

外山さんの祖父も父親も霞ケ浦のウナギ漁師だった。幼い頃から祖父の船に乗せてもらい、仕掛けの竹筒を水中に沈めて引き上げウナギを獲る「竹筒漁」などを体験してきた。いつかは、尊敬する祖父のような漁師になることを夢見ていた。

現在、会社員の傍ら、実家の倉庫をうなぎ村と名付け、土日に天然ウナギのかば焼きを焼いて、釜で炊いたご飯と一緒に提供したり、仕掛けの竹筒を引き上げるウナギ漁体験会を開いたりしている。

2021年8月、霞ケ浦で1.4キロの大きなウナギを獲り、SNSやyoutubeで発信したところ大きな反応があった。「こんなに反応してくれるのだったら、ぜひ現地に来て食べてもらいたい。一緒に漁業体験もしてもらいたい」という思いから、うなぎ村づくりに取り組み始めたという。

今年4月下旬には、石岡市若宮の石岡イベント広場で開かれた野外物産イベントに出店し、霞ケ浦の天然ウナギのかば焼きなどを提供。ブーズには行列ができた。

石岡市の野外物産イベント「FOOD FOOD FOOD 2023」に出店しうなぎを焼く外山厚志さん

外山さんは「利益が目的というよりも、霞ケ浦産のウナギや霞ケ浦の魅力を伝えていきたい」と話す。6月にはさらにウナギ養殖の申請をし「将来的には自分でウナギを育て、霞ケ浦ブランドとして付加価値を付けて販売できれば」と夢を語る。

かつて国内有数の産地

霞ケ浦・北浦のウナギ漁獲量は1960年ごろ400トンを超えるなど国内有数のウナギ産地だった。塩害防止のため設置した逆水門を完全閉鎖した70年代後半以降、霞ケ浦のウナギは急激に減少した。現在の漁獲量は、福島第1原発事故による天然ウナギの出荷制限が解除された2016年から19年は1~5トン、20年、21年はいずれも500キロ以下だった。獲れた天然ウナギは近隣の飲食店や近県に流通している。(榎田智司)

◆「うなぎ村」はかすみがうら市安食3006-2。開店は土日のみ。かば焼き等の料金は量り売りになる。問い合わせは電話090-5446-4173。

日本の食料自給率の話 《ハチドリ暮らし》25

3
畑には、ホウレンソウ、ニンジン、長ネギ、ジャガイモが育っています

【コラム・山口京子】テレビをいつもつけっぱなしにしている母が、「最近のテレビは、食べ物のことばっかりでつまらないよ。それに、宣伝の時間が前と比べて長くなっているみたい」と。わたしは「きっと、食べ物の番組は安く作れるのではないかな。その割に視聴率が取れればいいものね。宣伝の時間が長くなったのは、スポンサーの意向かな」と答えました。

気になって広告がどうなっているのかを調べました。2022年の総広告費は7兆1000億円を超えたといいます。7兆円という額をどう評価するのか。買いたい気持ちを喚起させる映像が大手を振ることに違和感を抱きますが、コマーシャルのイメージとは裏腹に業界の厳しい競争があるのでしょうか。

私たちが購入する商品の価格に占める広告費の割合はどのくらいなのかしら…。何にいくらかかって、その値段になっているのか―が価格に書いてあったらと思いますが、それは企業秘密なのでしょう。庶民としては、ちゃんと作られた商品を適正な値段で購入したい。そう願うとき、ちゃんと作られた商品とはなにか、適正な値段とはなにかと…。

母が「こんなに食べ物の番組が多いってことは、日本は食べ物があふれているのかね」と独り言。わたしは「あふれているように見えるのは、外国から買っているからだよ。日本の食料の自給率は4割もないよ。家畜のエサもほとんど輸入だよ。だから、輸入が止まったら日本は大変だよ」と言うと、「日本は外国からたくさんの食料が買えてすごいんだ」とびっくりしていました。

食料や飼料作物の超輸入大国

正確には、カロリーベースの自給率は38%(1日1人当たり国産の918カロリー÷1日1人当たりの必要カロリー2426カロリー×100)、生産額ベースでは66%(年間国内生産額10.3兆円÷食料全体の年間供給金額15.7兆円×100)です。日本は食料や飼料作物の超輸入大国だと聞いたことがあります。できればカロリーベースでも生産額ベースでも、100%を目指してほしいと願います。

今までは世界的な農産物過剰があったようですが、そういう前提条件はなくなりつつあります。農産物過剰を支える工業的大規模生産の弊害が目立ち、水不足や土壌の劣化、農薬や化学肥料、化学物質などによる食品汚染の問題、環境汚染などが深刻と言われています。これからの日本は「買い負け」の時代に入るのではと心配する専門家もいます。

「食」を取り巻く事実を知って考えて、選択しなくてはと気づかされた母との会話でした。(消費生活アドバイザー)

私たちは何を食べさせられるのか 《邑から日本を見る》135

1
田植えでやはり楽しい小昼飯(こじゅうはん)

【コラム・先﨑千尋】「食べたものが私になる」。堤未果『ルポ 食が壊れる―私たちは何を食べさせられるのか』(文春新書)の終わりに出てくるこの表現を見て、「ああ、私の考えと同じだ」と思った。

「人間の身体は食べものと飲みものから成り立っている。その食べものが農薬、化学肥料漬け、不健全な土から生産されていたら、私たちの身体もおかしくなるではないか」。私は大学の講義や農協などの集まりで、農業や食べものの話をするとき、決まってこう語ってきた。

堤さんのこの本は、3月30日に東京で開かれた有機農業運動のトップリーダーだった埼玉の金子美登さんと鹿児島の大和田世志人さんを偲(しの)ぶ集まりで、堤さんの夫で薬害エイズ事件のリーダー・川田龍平さんからいただいた。

堤さんは国際ジャーナリスト。これまでに『貧困大国アメリカ』(岩波新書)、『政府は必ず嘘をつく』(角川新書)、『日本が売られる』(幻冬舎新書)などで、アメリカと日本の政治、経済、農政、エネルギー、公共政策などの分野で、現地取材に基づく鋭い視点で私たちに考える素材を提供してくれている。

本書は、「人工肉」は地球を救う?、フードテックの新潮流、土地を奪われる農民たち、<デジタル農業計画>の裏、世界はまだまだ養える、など6章から成る。本のカバーには「あなたの食べ物は知らぬ間に入れ替わっている。巨大資本が仕掛ける強欲マネーゲーム、<食の文明史的危機>を描き出す衝撃作」とある。

本書には、もう牛は殺さない「人工肉バーガー」、粉ミルクはもう古い、赤ちゃんは培養牛乳で、ふるさと納税にデビューしたゲノム編集魚、注射嫌いな子も「ワクチンレタス」でOK、<原子力ムラ>の次は<ゲノム編集ムラ>など、最新の食とその周辺の新潮流が、これでもか、これでもかと描写されている。

有機農業運動にのめり込んでいる私には遠い世界だが、知らないと言って済まされないほど、食の世界はカネと欲の世界に汚染されている現実を突きつけられ、恐ろしさを感じた。

生態系を乱せば私たちも傷を負う

京都府宮津市のふるさと納税には、2021年にゲノム編集技術で開発された「22世紀ふぐ」が加わっている。レタスにワクチンを移植して毎日そのサラダを食べれば、注射をしなくとも感染予防ができる。

ネットで検索したら、NHKの「クローズアップ現代」は2019年9月24日に「解禁!〝ゲノム編集食品〞-食卓への影響は?」を放映し、血圧を下げる成分が多いトマト、アレルギー物質が少ないタマゴ、食中毒を起こさないジャガイモ、身の量が多いマダイなどを紹介している。

では、救いはないのか。第6章「日本の食の未来を切り拓け」では、加速する有機給食革命、「食の予防原則」のトップランナーになった愛媛県今治市、アメリカに潰された国産小麦を取り戻せ、ゴミなんかない宝の山だ、など参考になる各地の事例が紹介されていて、やればできるという想いが浮かんでくる。

堤さんは最後に、「地球の生態系は土壌も人間の腸も本来完璧に調和が取れており、乱せばその一部である私たちも必ず傷を負う」と警鐘を鳴らしている。(元瓜連町長)

筑波大が連覇 天皇杯県代表決定戦

0
優勝の喜びを噛み締める筑波大蹴球部の選手たち(撮影/高橋浩一)

第25回県サッカー選手権兼天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権県代表決定戦は7日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、筑波大蹴球部が流通経済大ドラゴンズ龍ケ崎を2-0で破り、昨年に引き続き天皇杯本戦への出場を決めた。

筑波大 2-0 流経大
前半0-0
後半2-0

強い雨風による難しいコンディションの中、筑波大が我慢の勝利を手にした。「相手の狙いははっきりしていたので、じれずに戦えるかがカギだった。出方を見極めながら柔軟に取り組み、選手たちが落ち着いてゲームを進めてくれた」と小井土正亮監督は評する。

筑波大は前半から圧倒的に攻めながら、流経大の堅い守りに阻まれ、時折鋭いカウンターを浴びるという展開。だがリスクマネジメントも怠りなく、前半は相手にシュートらしいシュートを打たせなかった。

前半38分、コーナーキックからDF安藤寿岐がヘディングシュートを放つ(同)

攻撃の面では「風でしんどい部分もあったが、中途半端な攻め方よりも、やりきってクロスの方が相手は嫌がっていた」とボランチのMF山内翔主将がみたように、サイドのFW山崎太新やFW角昂志郎から押し込む形を多く使った。もう一人のボランチMF加藤玄は「相手の守備裏へのパスで、中央のFW内野航太郎へボールをしっかり届けようと意識した」という。またトップ下のMF瀬良俊太は「点が取れないと気持ちがマイナスな方向に行きがちだが、じれずにやればいつかは取れると、やることは変えずにとにかく継続した」と話す。

後半6分、加藤が先制のゴールを挙げる(同)

得点が生まれたのは後半6分。加藤の左サイドからのクロスが追い風に乗り、相手ゴールに突き刺さった。「ここも前に人がいるのは分かっていて、速いライナー性のボールを出すつもりで蹴った。前半よりも早いタイミングで、FWが抜け出す前にノールックで出そうと意識していた」との振り返り。

追加点は後半20分。コーナーキックのこぼれ球を瀬良が右足アウトサイドで蹴り込んだ。「こぼれて来るのを予想してニアサイドで待っていた。自分は左足より右足アウトの方が得意。いい感じで打てて、相手GKのすぐ左側を抜いた」

後半20分、ペナルティエリア外から瀬良のシュートが決まる(同)

天皇杯本戦では、5月21日に市原市のゼットエーオリプリスタジアムで千葉県代表のブリオベッカ浦安と対戦する。昨年も1回戦で戦い、土壇場で追い付きPK戦で勝利した相手だ。2回戦に進むと6月7日、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場でJ1の横浜F・マリノスと対戦することになる。「ブリオベッカとは今年も難しい試合になると思う。マリノスはJクラブとの貴重な真剣勝負の機会。去年の柏レイソル戦と同様、戦って得られるものは大きいと思う」と山内主将は意気込む。(池田充雄)

古民家改修終えお披露目 土浦 宍塚の自然と歴史の会

0
お披露目会で、修復活動の説明をする児玉理文さん(中央)ら=百年亭室内

里山保全活動の拠点に

使われなくなった古民家を再生・活用する「百年亭再生プロジェクト」に取り組んできた認定NPO法人「宍塚の自然と歴史の会」(森本信生代表)が7日、改修を終えた「百年亭」をお披露目した。土浦学園線沿いの土浦市宍塚に建つ。家屋は8畳2間の広さ62平方メートルで、キッチン、トイレ、シャワーが新設された。

プロジェクトは昨年3月にスタートした(2022年3月28日付)。クラウドファンディングを利用して寄付を募り、県内外の223人から目標金額を17万5000円上回る317万5000円が集まった。この日は雨が降る中、会のメンバーや支援者ら約30人が集まり、プロジェクトを請け負った建築家らの話に耳を傾けた。

お披露目された「百年亭」

「売りに出されていた古民家を、会の活動拠点に利用できないかと考えたのがプロジェクトの始まりだった」と、プロジェクトリーダーで同会顧問の佐々木哲美さん(70)が振り返る。同会は1989年の発足以来、宍塚大池と周囲に広がる約100ヘクタールの里山を保全するために、野鳥観察や田んぼ・畑作業などを通じて県内外から人を呼び込み幅広い活動をしてきた。

家屋は長年放置され雨が漏り、基礎は腐食し傾いていた。再生事業を担ったのは、土浦市在住の建築士、児玉理文さん(32)。プロジェクトへの支援を求める会の活動を知ったのがきっかけだった。児玉さんは学生時代、京都の宮大工に技術を学び、現在は県内の設計事務所で古民家再生に携わる。「『百年亭』を残すことは、里山を残すという会の趣旨と合致する」と考えた。プロジェクトには、児玉さんの学生時代からの友人で建築士の久保順司さん(31)と潤井駿司さん(32)が協力し、改修工事は、行方市で工務店を営む宮内久志さん(53)が請け負った。

プロジェクトメンバーの(左から)潤井駿司さん、児玉理文さん、佐々木哲美さん、宮内久志さん、久保順司さん=百年亭室内

児玉さんらが大切にしたのは、元の姿を尊重しつつ新しい技術を入れること。古民家の歴史的価値の保存だけでなく、実用性を重視した。欄間や付け書院などがある和室と縁側は、建設当時の姿に再生することを目指した。台所周辺の水回りは一新し、作業の後に汗を流せるようシャワーとトイレを新設して利便性を意識した。キッチンカウンターと床板には、隣接する里山からナラの木を切り出して使用した。児玉さんは「里山は人の暮らしと共にある。家屋も里山から切り出した木材を利用したと考えられる」と言い、その伝統を現代に応用した。壁下の地中には鉄筋コンクリートの基礎を設けて耐震性を確保した。

新設された真新しいキッチンには、里山から切り出された木材が使われている

「歴史を掘り起こし、読み解きながらじっくり時間をかけて仕事に向き合ったことは、今後につながる大切な経験」と、1年に及んだ仕事を児玉さんは振り返る。また児玉さんからの依頼で建築を請け負った宮内さんは「若い人たちが本当によく勉強していて、私も勉強になった」と笑みを浮かべた。

プロジェクトリーダーの佐々木さんは「丁寧な仕事に感謝している。私たちも彼らの思いを後押しできよかった」と話し、「文化事業に価値を見出し、さまざまな人が力を合わせられたことが一番の成果。みんなで実現させたプロジェクトを、里山全体の保全につなげたい」と期待を述べた。

「百年亭」の玄関

141年前に建築と判明

解体した玄関から木片が見つかり、「明治十四年 六月 佐野子 伊助作」の文字が墨で書かれていた。同会の森本代表(66)は「この家屋が建てられた年と、手がけた大工の名前。この家が、141年前に建てられたことがわかる」と言い、「この古民家が里山のほとりにあることに意味がある。若い人たちにも、里山がある暮らしを知ってもらうための拠点になればと考えている」と話し、「これまでにも、大学生などがボランティアに来てくれていたが、着替えをしたり、汗を流したりする場所がなかった。これからは、合宿、勉強会などに活用してもらうことで、環境保全の活動に取り組む若者の育成に繋げていきたい」と思いを語った。(柴田大輔)

「平熱日記 in 千曲」後記その1《続・平熱日記》133

0
筆者が描いた絵

【コラム・斉藤裕之】さて、80余点の作品を無事にかけ終わり、「平熱日記 in 千曲」は小雨の中、初日を迎えた。ギャラリーと接する母屋のリビングにはいつの間にかお手伝いの方々が集まり始め、にぎやかに準備が進んでいく。今まで経験したことのない、こうなるともはやギャラリーのオープニングというより、親戚一同が集まった何かの慶事のようだ。

そうこうするうちに、アーティストトークの時間となった。見ての通り、特に何を説明する必要もない作品だと思うのだけれど、オーナーのかおりさんの提案で簡単な実演をすることになっていた。

持参した筆や絵具を使ってイリコを描く。光の具合や机の高さなど、いつもとは違う条件の上、周りを多くの人が囲んでいるのでやりにくかったけれども、漆喰(しっくい)に金網を塗る様子も見てもらって、イリコを描いてみた。それから、かおりさんの質問に答えながら作品にまつわる話などをした。

近隣の方々、東京から来てくれた姪(めい)夫婦、かつての教え子。ファンとおっしゃる方は富山から、なんと茨城からもいらしてくれた方もいて…。実に久しぶりに打ち上げなんていう経験もして、にぎやかな初日を終えた。

次の日、人のいないギャラリーに座る。壁に展示された絵はすでに私には何ともしがたいものとなってしまっていて、壁の絵に見られているような気になる。やがて扉を開けてお客さんが入ってきた。そして一つの絵を見つけて話を始める。

私は、その人が私の絵について全てお見通しのような気がするので、聞かれることに子供のように素直に答えることしかできない。ただ、多くの方から「とても小さな絵なのに大きな広がりを感じる」という感想をいただいてうれしかった。私としても小さな絵を描いているつもりはなくて、描いている絵が小さいだけなのだ。

運転と演歌のリズムは相性がいい

3日目、金髪の次女とネールアーティストの友人、チエピーがわざわざ新幹線でやってきてくれた。寒の戻りでダウンジャケットを着た外国人観光客が目立つ中、まずは善光寺にお参り。先日無事に戻られた「賓頭盧(びんずる)様」のお体も触ることができた。ちなみに、チエピーのカラフルな付け爪は鉛筆のキャップほどの長さがあって、先が鋭くとがっている。賓頭盧様もその爪にはさぞかし驚かれたはず。

せっかくなので、信州そばを食べてからギャラリーに向かう。子供のころから絵を習っていたチエピーはとても熱心に作品を見てくれた。

さて、暗くなる前に2人を乗せて高速で茨城まで帰らなければならない。チエピーは運転する私を気遣ってか、ブルートゥースで音楽を流してくれた。その選曲が「心の旅」、「神田川」から始まって、「帰ってきた酔っ払い」、山崎ハコの「織江の唄」、「木綿のハンカチーフ」…。

お父さんがよく聞いていたという、なんとも渋すぎる選曲だが、私には中学の修学旅行や上京したころなど、その当時の光景が懐かしく思い出されて、眠気をみじんも感じない快適なドライブとなった。

余談だが、長距離トラックの運ちゃんが八代亜紀やサブちゃんファンだという理由が何となく分かった。車の1人旅にはしゃれた音楽よりも演歌が合う。ハンドルと演歌のリズムは実に相性がいい。眠くもならないし長いトンネルも一曲唸(うな)ればあっという間だ。(画家)

➡斉藤裕之さんの過去のコラムはこちら

草刈りの休憩に草刈り《続・気軽にSOS》132

0

【コラム・浅井和幸】つまるところ疲労とは、作業、行為の継続です。重労働や難しいことを考えると疲れると捉えられがちですが、違います。ゴールデンウイーク中に車の運転を長時間すると、目も疲れますし、腰や膝が痛くなりますよね。これは、同じ距離を見続けるとか、同じ姿勢を取り続けることで疲れるのです。

寝過ぎても腰が痛くなったり、褥瘡(じょくそう)が出来たりします。なので、寝返りをうてない方の解除をヘルパーさんがする必要があります。これと同じように、嫌なことを考え続けても疲れます。

何もせずに横になっていようが、リラックスできる椅子に座っていようが、嫌な仕事を続けたり、嫌な人のことを考え続けると疲れがたまります。そんなときは、ゆっくり寝ているよりも、嫌な考えを無理やりなくそうとはせずに放っておきます。そして、凝った料理を作るとか、掃除をするとか、おしゃべりをするとか、おいしいスイーツを味わうとか、別のことをするとよいでしょう。

また、嫌なことを考え続けても、疲れて飽きたり眠くなったりして、止まりやすいですが、好きなことややりがいのある事は続けられてしまいます。これは、疲れを感じることに対する感度が鈍くなって、余計に疲れがたまってしまう「マスキング効果」といって、危険なことにつながることがあります。

好きなゲームをしていたら、食事やトイレも忘れていたという経験をしたことはないでしょうか。嫌な仕事や勉強を続けるとよくないことは理解しやすいですが、好きであったりやりがいがあったりして疲労がたまり、それに気づかず心の病に至ることもありますし、最悪のケースに至ることもある事実は見落とされがちです。

ヘンテコな踊り、結構おすすめ

じゃあ、疲れを取るには何をすればよいのかとなります。旅行に行けばよいのか?(実は旅行は疲れるので疲労回復には向かないという部分もあります)人生を一変するようなすべてを打ち込めるような素晴らしい趣味を持てばよいのか?(そんなことが出来るはずがないだろうと言われます)

いえいえ、気分転換、神経や筋肉の疲労回復は、今とは別のことをすれば何をしてもよいです。近くばかり見ているのであれば遠くを見て、一点を見ているのであれば周りを見回し、腕立て伏せで疲れたのであれば走ればよいのです。

私は小さな畑を借りているのですが、草刈りが結構大変なんです。柄のついた大きめの道具で草刈りをしていると、息が切れて腰が痛くなってきます。そこで、しゃがんで手で小さな雑草を抜きます。今度は膝が痛くなってくるので、また柄のついた道具を使って…。

そう、草刈りの休憩で草刈りをするのです。それで疲れたら、木陰で空を見上げて、ゆっくりと呼吸をします。

最近、深呼吸をしたり、空を見上げたりしていないであれば、してみてください。それだけで、ほんの少しの休息になります。あと、ヘンテコな踊りを踊ってもよいですよ。ヘンテコな踊り、結構おすすめです。(精神保健福祉士)

常総、タイブレーク制し2年ぶりV 春季高校野球

9
優勝の喜びに沸き、マウンドに集まる常総ナイン=J:COMスタジアム土浦(撮影・高橋浩一)

第75回春季関東地区高校野球茨城県大会は5日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で決勝が行われ、常総学院が延長10回タイブレークの末に5対3で土浦日大を破って、2年ぶりの優勝を決めた。

決勝は土浦市勢同士の対戦。常総学院が9回二死から追いつき、延長の10回タイブレークを制し、逆転勝利を果たした。

先手を取ったのは土浦日大。1回2死三塁から松田陽斗の左前打で先制。さらに2連打で満塁にし、投手の牽制悪送球で1点を追加した。

1回裏2死三塁、松田の左前打で日大が先制

日大の先発、藤本士生は初回に2安打を許したものの、その後は6回まで2四球無安打の好投。対する常総学院は2回から2番手の飯塚遥己がマウンドに上がり、6回まで2四球2安打でまとめた。

常総の2番手、飯塚。追加点を許さなかった

7回の常総は先頭打者の武田勇哉が初球を左中間スタンドへ運び、日大の2番手、小森勇凛をマウンドへ引きずり出した。また常総もこの回から諸星蒼空を登板させ、以後は両エースの投げ合いとなった。

常総は9回2死二塁で一ゴロとなったが、ベースカバーの呼吸が合わず、その間に走者・立野翔聖が本塁を陥れ、ついに追いついた。

大会規定で延長10回からタイブレークに突入。表の常総はバント攻撃の後、若林の中前への適時打で1点を勝ち越す。「速いストレートに詰まったが、いいところへ落とすことができた」との談話。さらに1死満塁から石井恭悟が左前へ2点適時打を放ち、突き放した。その裏、日大は重盗でチャンスを広げ、代打・飯田将生の犠牲フライで1点を挙げるものの、その先へつなげることはできなかった。

10回表無死満塁、若林が勝ち越しの中前適時打を放つ

日大の小菅勲監督は「接戦は予想していた。投手陣が粘り強く投げてくれていい野球ができた。打線があと1、2点奮起してくれれば。夏に向けてどんな投手にも対応できるようにしていきたい」と敗因を語った。

島田監督「甲子園で勝てるチームになる」

常総の島田直也監督は「最後まであきらめなかったことが良かった。失点しても追加点を与えず、勝ち切れたことは自信になる。もう少し細かいミスやボールの見極めなどをしっかりできれば、甲子園で勝てるチームになる」と選手を讃えた。また澤田主将は「序盤から相手投手に球数を投げさせ、見えない努力が結果に表れた。前半は打たされたが10回の攻撃では割り切って、みんなで低い打球を打つことができた」と打撃陣の取り組みを語った。

両校は20日から神奈川県で開催される関東大会に出場する。常総の初戦は20日午後2時30分から関東一高(東京2位)と、日大は21日10時から健大高崎(群馬1位)と、それぞれ対戦する。会場はともに横須賀市の横須賀スタジアム。(池田充雄)

つくば生きもの緑地から始める30by30 国立環境研「自然共生サイト」に名乗り

4
キンランの咲く区域を案内してくれた石濱史子主任研究員(左)と小田倉碧さん=国立環境研究所

新緑の候、4日はみどりの日。キンランの花咲く所内の保全区域を足場に、国立環境研究所(つくば市小野川)が「自然共生サイト」を地域に広げる取り組みに乗り出している。

同研究所は所内の植生保全優先区域のうち5.1ヘクタールを「つくば生きもの緑地」と名付け4月、国の認定制度がスタートした「自然共生サイト」に申請した。同サイトは、民間が主体となって生物多様性の保全が図られている区域を国が個別認定する。国際的な目標30by30(サーティ・バイ・サーティ、※メモ参照)に基づく取り組みだ。

国は今年度中に100カ所以上の認定を目指している。国立・国定公園などを除く企業の森、ナショナルトラスト、自然観察の森、社寺林などが対象。認定には生物多様性の価値(絶滅危惧種の生息、渡り鳥の飛来地、環境教育の実践など)に加え、普段の管理や維持が適正に行われていることが基準になる。

研究所のサイトについて生物多様性領域、石濱史子主任研究員は、伐採・除草はあまりせず、適宜手を入れる管理法で、適度に明るさを保つ林を維持してきたという。木漏れ日のさす林では今の時期、環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に掲載のキンランが育つほか、ジュウニヒトエ、ツリガネニンジン、ワレモコウなどの植物を見ることができる。所内では、ノウサギ、ニホンアカガエルなどの生育も確認されている。

トンボの別名「秋津」の名を冠した池も植生保全優先区域の一画

筑波研究学園都市の建設初期に立地した研究機関は、敷地の30%以上を緑地として保全した経緯があり、同研究所にも在来の植生を生かした林や原野が残ることになった。その後も、コナラを主とした在来種からなる落葉広葉樹林の育成と区域の特性に合わせた頻度での草刈りなど、絶滅危惧種を含む草地性の動植物種の個体群維持を図っているという。

今回が初認定となる「自然共生サイト」への申請は5月8日に締め切られ、審査して8月ごろ認定される見込み。市域からは、つくばこどもの森保育園(同市沼崎)も申請している。

緑地ネットワークも再始動

研究所は「自然共生サイト」を地域に広げる取り組みにも乗り出している。2019年にスタートしたものの、コロナ禍から休止していた「つくば生きもの緑地ネットワーク」の活動をこの春から再開させた。農研機構や防災科研に改めて参加を呼び掛けており、相互の緑地見学会や交流セミナーなどを開催、生物分布に関する情報共有を行いたいとしている。

また同市では生物多様性つくば戦略(仮称)の策定を進めており、石濱主任研究員は策定懇話会に委員として参画している。第3次つくば市環境基本計画の重要施策のひとつで24年度の策定をめざしており、30by30の目標に歩調を合わせる。さらに機会をとらえて「自然共生サイト」の趣旨に沿った情報、知識の発信をしていく構えだ。(相澤冬樹)

※メモ 30by30(サーティ・バイ・サーティ)
2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させるゴールに向け、海域を含む国土の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする国際目標。2018年のCOP14での採択などに基づく。環境省はオールジャパンで目標を達成するためのプラットフォーム「生物多様性のための30by30アライアンス」を立ち上げた。