金曜日, 10月 23, 2026
ホームコラム日本の食料自給率の話 《ハチドリ暮らし》25

日本の食料自給率の話 《ハチドリ暮らし》25

【コラム・山口京子】テレビをいつもつけっぱなしにしている母が、「最近のテレビは、食べ物のことばっかりでつまらないよ。それに、宣伝の時間が前と比べて長くなっているみたい」と。わたしは「きっと、食べ物の番組は安く作れるのではないかな。その割に視聴率が取れればいいものね。宣伝の時間が長くなったのは、スポンサーの意向かな」と答えました。

気になって広告がどうなっているのかを調べました。2022年の総広告費は7兆1000億円を超えたといいます。7兆円という額をどう評価するのか。買いたい気持ちを喚起させる映像が大手を振ることに違和感を抱きますが、コマーシャルのイメージとは裏腹に業界の厳しい競争があるのでしょうか。

私たちが購入する商品の価格に占める広告費の割合はどのくらいなのかしら…。何にいくらかかって、その値段になっているのか―が価格に書いてあったらと思いますが、それは企業秘密なのでしょう。庶民としては、ちゃんと作られた商品を適正な値段で購入したい。そう願うとき、ちゃんと作られた商品とはなにか、適正な値段とはなにかと…。

母が「こんなに食べ物の番組が多いってことは、日本は食べ物があふれているのかね」と独り言。わたしは「あふれているように見えるのは、外国から買っているからだよ。日本の食料の自給率は4割もないよ。家畜のエサもほとんど輸入だよ。だから、輸入が止まったら日本は大変だよ」と言うと、「日本は外国からたくさんの食料が買えてすごいんだ」とびっくりしていました。

食料や飼料作物の超輸入大国

正確には、カロリーベースの自給率は38%(1日1人当たり国産の918カロリー÷1日1人当たりの必要カロリー2426カロリー×100)、生産額ベースでは66%(年間国内生産額10.3兆円÷食料全体の年間供給金額15.7兆円×100)です。日本は食料や飼料作物の超輸入大国だと聞いたことがあります。できればカロリーベースでも生産額ベースでも、100%を目指してほしいと願います。

今までは世界的な農産物過剰があったようですが、そういう前提条件はなくなりつつあります。農産物過剰を支える工業的大規模生産の弊害が目立ち、水不足や土壌の劣化、農薬や化学肥料、化学物質などによる食品汚染の問題、環境汚染などが深刻と言われています。これからの日本は「買い負け」の時代に入るのではと心配する専門家もいます。

「食」を取り巻く事実を知って考えて、選択しなくてはと気づかされた母との会話でした。(消費生活アドバイザー)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最近のコメント

最新記事

データセンター建設ガイドラインを策定 つくば市

住民説明会を100メートル以内に限定など課題も つくば市大穂の元公有地に、外資系不動産開発会社グッドマンジャパンが国内最大級のデータセンター建設を計画している問題で、つくば市は22日、「データセンターの建設及び運営に関する地域共生ガイドライン」を策定したと発表した。 排熱や騒音、水利用などについて、周辺住民から環境や生活への影響を懸念する声が出ている中、周辺環境に配慮し地域住民の理解を得ながら事業を進められるよう、市が事業者に求める事項を示した。策定は21日付。東京都、江東区、日本データセンター協会のガイドラインを参考にした。市は今後、同ガイドライン基づき、市と事業者による協定締結を目指すとしている。 一方、指針であるため、法的強制力はない。さらに桁違いの電力使用や排熱など「新しい公害」と言われる大規模データセンターの建設に対し、住民説明会の対象を敷地境界から概ね100メートル以内の居住者と土地所有者に限定している。周辺環境への影響については数値目標などは示さず「影響を最小限にとどめる」「法令を遵守する」という表現にとどめるなど、周辺住民の不安に応えられるのか、課題もある。策定にあたって市は、周辺住民へのヒヤリングなどは実施していない。 オープンハウス型説明会を1週間以上 住民への情報提供について同ガイドラインは、敷地境界から100メートルより外側に住む住民への説明については、「オープンハウス型説明会を1週間以上開催」するとしている。開催期間中はだれでも自由な時間に来場し、展示してあるパネルや会場に置いてある資料を見て回りながら、スタッフに1対1で質問する説明方法だ。住民説明会の開催を100メートル以内と限定した理由について市は、同市の開発行為の手引きや江東区のガイドラインを参考にしたとしている。 地域住民が最も懸念する周辺環境への影響に対しては▽排熱に伴う周辺環境や住民生活に及ぼす影響を最小限にとどめるため、排気設備の設置位置や排熱の排出方法に工夫を施すなどの対策を講じる▽騒音・振動対策は、法令基準を遵守し、周辺環境への騒音や振動を最小限に抑える▽排煙については、非常用発電機は大気汚染防止法の排出基準の適用外だが、基準を遵守する▽排水は、基準を遵守し、薬品等が河川や地下水に漏えいしないよう適切な対策を講じるーなどとしている。 ほかに▽電力・エネルギー対策として、原則として100%再生可能エネルギーを利用し、市内で発電されたエネルギーを優先的に調達するための対策を講じる▽研究機関と連携し、例として、環境影響評価やモニタリングなどについて研究機関の協力を得て課題解決を図る、などとしている。(鈴木宏子)

食、ものづくり、ベンチャーなど200ブースが出展 筑波銀行が商談会

異業種交流やバイヤーとの商談などを通して新たなビジネスの機会を創出する筑波銀行(本店土浦市、生田雅彦頭取)主催の「2026ビジネス交流商談会」が22日、つくば市竹園、つくばカピオで催され、約2500人が参加した。食、ものづくり、ベンチャーなど約200の企業や団体のブースが出展し、それぞれの商品をPRしたほか、バイヤー110社が参加し、約400件の商談が行われた。 栃木銀行(本店宇都宮市)、東和銀行(本店前橋市)などが共催し、栃木県や群馬県など関東の企業も出展した。海外展開を支援するいばらき中小企業グローバル推進機構や日本貿易振興機構(ジェトロ)茨城貿易情報センターなども参加した。 今年は「販売拡大の”シンカ(進化・深化・真価)”」をテーマにした。開会式で生田頭取は「人手不足や人口減少、原材料・エネルギー価格の高止まりなど、企業を取り巻く経営環境は大きく変化している一方、DX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル化)やGX(グリーントランスフォーメーション、脱炭素)への対応、新たな販路開拓など成長に向けた挑戦も求められている」として「商談会を通じて新たな出会いとビジネス機会を創出し、地域企業の持続的な成長と地域経済の発展に貢献したい」などとあいさつした。 地域を元気にするスポーツチームのスポンサー獲得につなげようと、サッカーJ1の水戸ホーリーホック、男子バレーボールSVグロースに所属するつくばユナイテッドサンガイア、来年3月、守谷市に2軍施設をオープンする東京ヤクルトスワローズがそれぞれ初出展した。 商談会に今回、初出展したつくば市の有名洋菓子店「コート・ダジュール」マネージャーの中山寛子さん(55)は「円安による材料費や燃料費の高騰、人件費の上昇という時代の中で、健康志向もあり、スイーツの立ち位置が難しくなっている」と話し、「糖分や脂質を少なくしたスイーツや、病気で入院中の人も楽しめるスイーツ、ワンちゃんのスイーツなども試作しているので、そういうものも紹介していけたら」と語っていた。 ものづくりの分野で初出展した筑西市の金属加工会社、渡辺工業の福田泰幸社長(59)は「創業50年の溶接職人の技で、小ロット、多品種生産にも対応できる。特に軽い素材として、宇宙分野のベンチャー企業などから求められているアルミは、溶接が難しい素材だが、1個単位でつくることができる。自分たちを知らない企業にPRしていければ」などと話していた。(鈴木宏子)

「進学を諦めない社会であってほしい」あしなが学生募金事務局 長瀬光来さん

24、25日 つくば駅前で募金活動 病気や災害、自殺などで保護者を亡くした遺児の進学支援を訴える「第112回あしなが学生募金」の街頭募金活動が24、25日の両日、つくば駅南北自由通路前で実施される。集められた募金は、国内の遺児や親に障がいがある生徒の奨学金として活用される。街頭募金活動を実施する学生団体「あしなが学生募金」事務局員で筑波大学人間学群心理学類3年の長瀬光来(みく)さん(21)は「進学を諦めない社会であってほしい」と話す。 長瀬さんは大学1年の秋から募金活動に参加し、今回を含めて5回目になる。これまでは先輩に付いて街頭で声掛けをしていた。半年前に学生募金活動を企画・けん引する事務局員になって初めて取り組む街頭活動となる。「今回が局員として初めての街頭募金になるので、結構ドキドキなんです」と緊張を隠せない。 母親の病死契機 長瀬さんは現在、あしなが育英会の奨学金を利用している。きっかけとなったのは、小学3年の4月に母親が病気で亡くなったことだった。父親の収入だけに頼って生活するのは厳しく「進学のための奨学金があることを知り、奨学金で高校・大学と進学した」。長瀬さんの姉が高校に進学する際、中学校教師からあしなが育英会の存在を教えてもらったという。 現在長瀬さんは、月4万円のあしなが育英会の奨学金のほかに、2020年度から開始された日本学生支援機構の給付型奨学金(月4万4500円)や、土日の結婚式場でのアルバイトなどで学生生活をまかなっている。給付型奨学金を受給していることから大学の授業料の一部が減免対象となり、通常の授業料の約3分の2を減免してもらっている。 しかし日々の生活は厳しく、普段の移動は徒歩や自転車。交通費が支給されるのでアルバイト先に向かう時にバスに乗る程度。農家を営む祖父から米や野菜の仕送りがあり、食費負担をある程度軽減できているが、昨今の物価高で生活は厳しいと話す。 「進学を諦めない社会に」 あしなが育英会が今年8月に高校奨学金受給世帯の保護者4590人を対象に実施したアンケート調査によると、教育への影響に関する質問(複数回答)のうち、進学先について「学費を理由に希望を変更した、または変更を検討している」が27.7%、「大学や専門学校への進学を諦めた、または諦める可能性がある」が21.5%と、回答の約2割以上が進学への影響の可能性を示した。また「子どもにアルバイトを増やしてもらった、または始めてもらった」との回答も22.6%を占め、2割強の世帯で奨学金を受給している高校生が家計を支えるため働いている現状が明らかになった。 「私はすごく勉強が好きで、絶対に大学に行きたかった。勉強が好きだったり、『こういうことをやりたい』と思っている子もたくさんいると思うので、そういう子が進学を諦めない社会になっていったらいいなと思う」という長瀬さんは、将来、児童相談所職員や児童養護施設職員など、児童福祉に関わる仕事を希望しているという。 夏休みなどの長期休暇期間中は実家がある岐阜県に帰省して、地元の児童養護施設などでアルバイトや有給の長期インターンに参加している。一部の児童は大人への不信感から反抗的な態度を取ることもあるが、「1対1で少しずつ関わっていくうちにいろいろなことを知ることができたり、楽しそうに話してくれるようになったりする。そうした喜びにやりがいを感じながら取り組んでいる」と話す。 まずは知っていただくこと 長瀬さんは大学1年の秋から、水戸市や千葉県流山市の街頭で募金活動に参加してきた。道行く市民の反応については「本当にありがたいことに、温かく見守ってくださる方が多い。強い口調で何かを言われるようなトラブルもなく活動できている」と、市民意識の高さを実感していた。チラシを受け取った市民から「頑張ってね」と声を掛けられたこともあった。 しかし「知っている人は知っているが、知らない人は全然知らない」と、認知度にバラつきがあるという。長瀬さんは「まずは1人でも多くの方に知っていただくことが大事かなと思っている」と、募金や募金ボランティアへの参加を呼び掛ける。(崎山勝功) ◆つくば駅前の募金活動は、24日(土)、25日(日)いずれも正午から午後6時頃まで。あしなが学生募金の公式サイトでは、ネット上や郵便振替でも募金を受け付けている。公式サイトはこちら。 ◆あしなが育英会では、27年度から遺児や親に障がいのある子どもの中学校進学を応援するため、中学校入学前に5万円の「中学校進学支援金」を給付する制度を新設する。対象となるのは▽翌年4月に中学校進学予定▽病気や災害、自死で保護者(父または母)を亡くした(道路上の交通事故は除く)、または保護者が1級から5級の障がい認定を受けている▽経済的な援助を必要―の3点にすべてあてはまる小学6年生。採用人数は全国で400人で、給付金額は5万円で1回限りの給付。締め切りは11月13日正午まで。申し込み・問い合わせはあしなが育英会公式サイトへ。

米価格の高騰と反落を語る JA水郷つくばの油原組合長【キーパーソン】

1年前は米の小売価格が高騰し、店頭に並ぶ標準米の5キロ入りが4000円台半ばになった。ところが今年は反落し、最近では3000円以下で推移している。消費者にとって「昨年は困惑、今年は歓迎」の構図だが、日本人の主食が1年の間に1袋1500円も動くのは尋常でない。そこで、4カ月前にJA水郷つくば(本部土浦市小岩田西)の代表理事組合長に就任した油原正明さんに、生産者の立場から米の価格問題を語ってもらった。今年の急落の原因をつくった農林行政に対する苦言はかなり厳しい。 咋年米が残り新米が倉庫に入らず ―今年産米の価格が下落しているが、その現状と背景は? 「最近、商社系の米集荷業者が撤退あるいは廃業しているとの記事を目にした。事実、高値で買い集めた2025年産米の在庫が重荷になり、事業撤退や廃業に追い込まれた業者も少なくない。仕事を続けている集荷業者も、26年産新米の集荷に二の足を踏み、今年は農家が生産した新米が行き場を失っている状態だ。 JAは予約契約を結んでいる稲作農家の米は例年通り集荷しているものの、価格交渉は厳しく、苦戦している。消費者にとって価格が安いことはうれしいと思うが、今後の稲作農家の経営を考えると頭が痛い。 価格が高騰した昨年は、政府から『JAもリスクを取って買い取りなさい』との指導があった。昨年は集荷業者との高値買い取り競争もあり、1俵(60キロ)3万5000円まで高騰したが、今年は1俵2万円以下でも、需要先に売るのが難しい状態だ。咋年産米が倉庫に山積みになり、今年産の新米が倉庫に入らないといった事態も発生している。 価格上下の責任は、米の需給を見誤り、政府備蓄米を大量に放出した政府にある。当時の小泉農相は『米をジャブジャブにする』と発言し、備蓄米の追加放出を断行した。こうした政策のしわ寄せが、今、生産農家にきている。生産者が安心して生産ができ、消費者は安定して購入できる―政府はそういった価格体系に持っていかねばならない」 生産者と消費者が納得できる農政を ―米価の安定、価格の平準化に向け、どうしたらよいか? 「JAは農家組合員で構成される団体だから、当然、生産者米価を意識している。ここ数年の資材高騰で、今後も農業経営が継続できるか、米農家は心配している。肥料や農薬など原料を海外に依存しているものが多く、中東情勢や米大統領の行動がもたらす悪影響に一喜一憂している。 田んぼ1~3ヘクタールを耕作する農家の1俵当たり生産費は2万535円と、公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構は先に発表している。JAは1俵2万円台の価格で農家から買い上げ、消費者に届けたいと考えている。しかし、咋年産の売れない在庫米が多く残っており、今年の価格はJAが目標とするレベルになっていない。 昨年、当時の小泉農相が『米の適性価格は消費者の購入価格だ』と発言したが、これには頭をガーンと叩かれたような思いだった。消費者だけでなく、生産者も納得がいく―そういった落としどころを探るのが政府の役割ではないか。国の安全保障が大切なように、国は主食である米の安定生産・供給、つまり食料安保も図らなければならない」 【ゆはら・まさあき】1981年、東京農業大学卒、茨城県経済連(現JA全農)に入る。2016年、水戸中央青果(株)常務。2020年、JA水郷つくば常務理事。同代表理事専務を経て、2026年6月から代表理事組合長(前組合長の池田正さんはJAグループ茨城5連会長に就任)。高校野球、プロ野球、米大リーグのファン。1958年、龍ケ崎市の農家に生まれ、現在も同市在住。 【インタビューを終えて】昨年のトンデモ米価は、商社系の集荷会社が米は不足すると読んで買い集め、その動きが流通経路に広がり形成されたと聞く。つまり、流通経路で起きた経済事件だった。原油由来のエネルギーや製品素材、米のような価格は流布情報に影響される。政府備蓄米操作は価格平準化の一策だが、うまく運用しないと需給バランスを崩す。消費者物価に連動するぐらいにコントロールする賢さが必要だろう。(坂本栄)