月曜日, 8月 24, 2026
ホームコラム潮来の「あやめまつり」 《日本一の湖のほとりにある街の話》11

潮来の「あやめまつり」 《日本一の湖のほとりにある街の話》11

【コラム・若田部哲】周囲を霞ケ浦の西浦・北浦、外浪逆浦(そとなさかうら)、利根川などの水に囲まれ、古くから水路が生活に根差していた水郷地帯、潮来市。同市の「水郷潮来あやめ園」では、季節になると色とりどりのアヤメが咲き誇ります。その数、何と500種100万株! 1952(昭和27)年より始まり、例年5月から6月中旬ごろまで行われる「あやめまつり」では、日本情緒あふれるその美しさを、様々な演出とともに楽しむことができます。

まず彩りを添えるのが、この地域でかつて生活手段として利用されていたサッパ舟の運行。かつて当地では、水路を道路代わりに移動経路として用いていました。その際に用いられたのが「サッパ舟」と呼ばれる小型の舟。家から田んぼへの往来や、近隣への移動など、様々な場面で日常的に用いられていたそうです。まつり期間中は、この舟が川を行き来し、水上観光を楽しむことができます。

さらに毎週日曜日には「潮来囃子(はやし)演奏」として、お囃子を演奏しながら運航する舟が行きかいます。水郷の情緒とお囃子の音の相性は抜群。古き良き日本の情緒を味わうことができるでしょう。

また2022(令和4)年度より、お隣の千葉は香取市の「水郷佐原あやめパーク」とも連携し、両園のあやめ祭りを結ぶシャトルバスの運行を行うなど、県を超えて地域の魅力を発信しています。

サッパ舟による嫁入りを再現

そして何と言っても最大の見どころは、100万株のアヤメが咲き誇る中行われる、サッパ舟による嫁入りの様子を再現した「嫁入舟」! 一時は途絶えたこの風習ですが、1985(昭和60)年のつくば万博の際にイベントとして行ったことがきっかけとなり、その後は地域を代表する行事へと発展しました。

舟に乗り込むのは、公募で選ばれた本物の花嫁さん。あやめ園から船頭さん、ご両親と共に嫁入り舟に乗り込み、多くの観光客の祝福を浴びながら水路を進みます。鮮やかな新緑ととりどりのアヤメが織り成す初夏の色彩の中、白無垢(むく)姿の花嫁さんが舟で水路を進むさまは、神々しいほどの美しさ! 太鼓橋の上から、沿道から、お愛想でなく本物の祝福が込められた喝采が上がります。

日本情緒と水郷ならではの美しさを存分に味わえるこのお祭りに、ぜひ足をお運びください。(土浦市職員)

<注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。

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