第75回春季関東地区高校野球茨城県大会は5日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で決勝が行われ、常総学院が延長10回タイブレークの末に5対3で土浦日大を破って、2年ぶりの優勝を決めた。

決勝は土浦市勢同士の対戦。常総学院が9回二死から追いつき、延長の10回タイブレークを制し、逆転勝利を果たした。
先手を取ったのは土浦日大。1回2死三塁から松田陽斗の左前打で先制。さらに2連打で満塁にし、投手の牽制悪送球で1点を追加した。

日大の先発、藤本士生は初回に2安打を許したものの、その後は6回まで2四球無安打の好投。対する常総学院は2回から2番手の飯塚遥己がマウンドに上がり、6回まで2四球2安打でまとめた。

7回の常総は先頭打者の武田勇哉が初球を左中間スタンドへ運び、日大の2番手、小森勇凛をマウンドへ引きずり出した。また常総もこの回から諸星蒼空を登板させ、以後は両エースの投げ合いとなった。
常総は9回2死二塁で一ゴロとなったが、ベースカバーの呼吸が合わず、その間に走者・立野翔聖が本塁を陥れ、ついに追いついた。
大会規定で延長10回からタイブレークに突入。表の常総はバント攻撃の後、若林の中前への適時打で1点を勝ち越す。「速いストレートに詰まったが、いいところへ落とすことができた」との談話。さらに1死満塁から石井恭悟が左前へ2点適時打を放ち、突き放した。その裏、日大は重盗でチャンスを広げ、代打・飯田将生の犠牲フライで1点を挙げるものの、その先へつなげることはできなかった。

日大の小菅勲監督は「接戦は予想していた。投手陣が粘り強く投げてくれていい野球ができた。打線があと1、2点奮起してくれれば。夏に向けてどんな投手にも対応できるようにしていきたい」と敗因を語った。
島田監督「甲子園で勝てるチームになる」
常総の島田直也監督は「最後まであきらめなかったことが良かった。失点しても追加点を与えず、勝ち切れたことは自信になる。もう少し細かいミスやボールの見極めなどをしっかりできれば、甲子園で勝てるチームになる」と選手を讃えた。また澤田主将は「序盤から相手投手に球数を投げさせ、見えない努力が結果に表れた。前半は打たされたが10回の攻撃では割り切って、みんなで低い打球を打つことができた」と打撃陣の取り組みを語った。
両校は20日から神奈川県で開催される関東大会に出場する。常総の初戦は20日午後2時30分から関東一高(東京2位)と、日大は21日10時から健大高崎(群馬1位)と、それぞれ対戦する。会場はともに横須賀市の横須賀スタジアム。(池田充雄)