つくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、45.8ヘクタール)と、つくば駅前の吾妻70(ななまる)街区 国家公務員宿舎跡地(同市吾妻、6.4ヘクタール)について、都市計画変更(10月11日付)に向けた同市による公聴会が11日、市役所で開かれ、旧総合運動公園用地に倉庫を建てられるようにするなどの用途地域変更と第2種文教地区の指定をはずすことなどに対し2人がそれぞれ反対意見を公述した。
1人は「つくば市は科学技術の研究拠点都市であり、都市の経営戦略として新たな研究分野に集中投資できる体制を用意しておくべき。(旧総合運動公園用地は)未利用地ではなく未来用地。事業用倉庫や物流拠点を可能にする今回の都市計画変更は、研究学園都市のマスタープランから逸脱しており、研究拠点都市の未来を危うくする」などと述べた。
もう1人は「今回の変更は、データセンターと物流施設を建てさせるための変更。国家プロジェクトとして建設された筑波研究学園都市があっという間に、駅前はマンション、郊外は物流施設になっている。次世代に研究学園都市を残す必要がある。研究学園都市のマネジメントはつくば市だけでは成し得ないので国や県と連携すべき」などと公述し「50年後、100年後のつくば市民がどう思うか(この事態を)記録に残すために今日ここに来た」と話した。
市は、公聴会で出された意見などを受けて今後、用途地域や地区計画変更案を再検討し、来年1月4日から18日まで、再度、変更案を縦覧し意見書を受け付ける。その後、都市計画審議会を開き、知事と協議の上で、来年2月中旬の都市計画変更を目指すとしている。
旧総合運動公園用地は、つくば市土地開発公社が外資系物流不動産会社グッドマンジャパンつくば特定目的会社に一括売却し、データセンターや物流拠点が建設される計画。吾妻70街区は土地所有者の財務省と市が、イノベーション拠点と中高層住宅などのスマート街区を誘導する計画。