水曜日, 11月 12, 2025
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土浦市を感染拡大市町村に再指定 部活は県外との練習試合自粛を

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茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

新型コロナウイルスの県内の感染状況が再び急速に悪化しているとして、大井川和彦知事は17日、土浦市などを5月20日から6月2日までの2週間、再び感染拡大市町村に指定すると発表した。つくば市は指標を下回ったとして20日から指定を解除する。

一方、高校や大学の部活動でクラスターが発生していることから、県外との練習試合は自粛するよう要請した。さらに県内の感染拡大市町村にある学校との練習試合は慎重に判断するよう呼び掛け、練習試合を実施する場合は自校を含め2校以内、試合に参加する生徒は2週間前から健康管理を徹底するよう求めた。

20日以降の感染拡大市町村の指定は土浦市のほか、かすみがうら市、阿見町、牛久市など計20市町村になる。土浦市は12日まででいったん解除となったが、1週間で再び再指定となる。

土浦市の人口1万人当たりの新規感染者数は10日時点が1.38人だったのに対し、17日時点は1.88人と上昇している。つくば市も同0.89人から1.49人と上昇しているが、1.5人以上という指標を下回ったため解除となる。

感染拡大市町村のすべての飲食店に対して、午後8時から午前5時までの時短営業などが要請される。協力金は売上高に応じて、1店舗当たり1日2.5万円から7.5万円が支給される。

5割が変異株、20代中心に拡大

県内の感染状況について大井川知事は、20代を中心に40代までの感染が広がっているとし、5割が変異株だったことを明らかにした。ゴールデンウイーク前の変異株の割合は3割だった。医療提供体制の負荷も高まっているとした。

こうした状況を受けて国に対し、まん延防止重点措置の適用を要請するとした。申請は3度目。2度とも適用が見送られている。

市民に見せる顕微鏡の世界 つくば開催の学会が体験機会

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電子顕微鏡で拡大していくと、驚きの構造がわかる=学術講演会事務局提供

2012年以来9年ぶりのつくば開催となる日本顕微鏡学会(幾原雄一会長)の第77回学術講演会で、顕微鏡の世界を直接のぞける市民向けイベントが6月13日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で行われる。市民公開講座と顕微鏡体験ワークショップの2プログラムで、参加登録、申し込みを受け付けている。

髪の毛の太さの40万分の1まで見ることができる透過型電子顕微鏡=同

学会は日本の顕微鏡研究者の集まりである公益社団法人。顕微鏡学に関連する話題を取り上げ、最新の研究成果を発表し討論する場として、毎年学術講演会を開催している。今回は6月14日から3日間、同国際会議場で開催する。テーマは「デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の顕微鏡サイエンス&テクノロジー」。

コロナ禍の学会らしく、発表や参加はオンサイト・オンラインを併用するハイブリッド開催となるが、会期前日のプレイベントは開催地域の市民が足を運べる内容で構成した。

観察体験のワークショップ

特に「顕微鏡体験ワークショップ」では、顕微鏡製造会社の協力で走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡を使って、実際にミクロの世界を観察する機会を提供するという。13日午後2時から4時の日程。先着30人(小学生の場合は保護者同伴)で受け付け中。

これに先立ち午後1時からは公開講座がある。山梨大学名誉教授の大野伸一さんの「人間の血液中の赤血球の形について顕微鏡で調べた話題」、タイニー・カフェテラスの永田文男さんの「顕微鏡で見る昆虫や植物の巧みな構造」の2講演が予定されている。

学術講演会事務局では「つくばには数多くの研究機関や大学が存在し、そこには必ずと言っていいほど数多くの顕微鏡が設置されており、最新の研究に欠かせないものとなっている。新型コロナウイルスに立ち向かう有力なツールにもなっている顕微鏡の世界を、この機会にぜひのぞいてほしい」という。

講演会、ワークショップともに参加は無料。事前登録は日本顕微鏡学会第77回学術講演会ホームページから。(相澤冬樹)

つくば中心地区再生 出だしでつまずき 《吾妻カガミ》106

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】つくば市の中心市街地再生事業が動き出しましたが、その仕事を担う「まちづくり会社」への資本金払い込みが一部滞っているとか、センター広場に設けるエスカレーターは要らないとの意見が議会で出ているとか、出だしのつまずきを伝える記事が本サイトに載っています。今回はこれらの問題に目を通したあと、事業策定プロセスでの「手抜き」について点検します。

本サイトの記事「(まちづくり会社の)資本金2900万円少ない」(4月30日掲載)には笑いました。市が中心になって設立したこの会社には、地元の3社が3000万円ずつ出資することになっていたのに、うち1社の設立時払い込みが100万円だけだったという話です。同社はその理由は市に聞いてくれと逃げ、市は「分割で構わない」と弁解しています。新会社に注目していた市民は、さぞ拍子抜けしたことでしょう。

もう1つのつまずきは「(市議会で)エスカレーター設置をめぐり論戦 」(4月27日掲載)に出ています。この事業の目玉、エスカレーター2基設置について、2基とも要らない、1基だけでいい、2基あってよい―と、議会で論争になったという話です。深地下のTX秋葉原駅にはエスカレーターが絶対必要ですが、センター広場にはどうでしょうか。

総額10億超なのに大型事業でない?

問題含みで始まったこの案件、10億円超の経費が投入される大プロジェクトです。ところが市の策定作業では、市民・識者の声の収集や市議との対話が十分でありませんでした。上の2つのつまずきも、この辺に遠因があったようです。

前市長の運動公園計画に反対する運動の熱量を引き継いで市長になった五十嵐さんは、2018年秋、「大型事業の進め方に関する基本方針」をまとめました。前市長時代の大型事業計画を批判的に検証、総事業費10億超の大型事業を進める際には「民意の適切な把握」「議会への適切な報告」などが必要と、執行部のひとりよがりを戒めたのがポイントです。

中心市街地再生事業費は、基本設計費979万+出資金6000万+実施設計費6300万+工事費9億500万=10億3779万円ですから、計10億円超の大型事業になります。ところが、本サイトのコラム「映画探偵団」の筆者、冠木新市さんもたびたび指摘しているように、市による「民意の適切な把握」はおざなりで、基本方針で定めた手順がお留守になりました。

この点を議会で質問した市議、飯岡宏之さんによると、五十嵐市長は「リニューアル事業だから大規模事業評価には当たらない」「6000万の出資金はリニューアル事業費ではない」と答えたそうです。

つまり、再生事業は10億円超でも大型事業に該当しない→だから民意の把握は形だけでよい、仮に再生事業を一般事業に分類するとしても事業費ではない出資金をマイナスすれば10億円以下→だから大型事業に該当しない―ということです。大型事業の定義(総額10億円超、ただし再生事業は対象外)を盾にした2段構えの理屈ですが、追求をかわすための言い訳のように聞こえます。(経済ジャーナリスト)

追記:この原稿を書き終えたあと、「つまずき」どころか「大転び」を予感させるニュースが入りました。中心市街地再生事業について「18人が住民監査請求」(5月12日掲載)という記事です。市民の関心度が高いこの案件、議会論議にとどまらず市民運動にまで広がってきました。

ロボッツB1昇格決定! 3年前の雪辱果たす

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勝利の瞬間、抱き合って喜ぶ選手たち(撮影/高橋浩一)

男子プロバスケットボールB2リーグのプレーオフ準決勝、茨城ロボッツはホームのアダストリアみとアリーナ(水戸市緑町)で仙台89ersと対戦。15日の第1戦は73-56、16日の第2戦は81-78で連勝し、悲願のB1昇格が確定した。プレーオフ決勝は5月22日から太田市運動公園市民体育館で、群馬クレインサンダースとB2王座を懸けて戦う。

「待ってろB1」このスローガンをついに現実のものにした。仙台と互いに死力を尽くして戦った準決勝第2戦は、わずか3点の差で、茨城が勝利をもぎ取ることができた。

第4クオーター残り3分24秒の段階で茨城のリードは7点。ここからここから仙台は3点シュート2本とフリースローで追い上げ、ついに追い付く。残り1分9秒。たまらず茨城はタイムアウトを取り、グレスマンヘッドコーチが選手を鼓舞する。

タイムアウト明けの最初のプレー、チェハーレス・タブスコットのジャンプシュートはリングにはじれるが、マーク・トラソリーニがリバウンドで押し込み、さらにその際の相手ファウルでバスケットカウントを獲得、これも決めて3点のリードを奪った。

ほとんど出ずっぱりでチームを牽引した平尾主将(同)

残り50秒、仙台も後がない。渡辺のインサイドアタックは平尾充庸が止めるもののファウルを取られ、フリースローを与えてしまう。シュートモーションに入る渡辺に対し、スタジアム中の観客が足を踏み鳴らしてプレッシャーをかける。これが功を奏したか、渡辺は2スローとも失敗。

最後残り6秒、起死回生を狙う渡辺は3点シュートを放つが、大きくはじかれる。リバウンドを取ったのは平尾。前線の小林大祐にパスを送ると、ここでブザー。小林はボールを高く投げ上げ、ベンチから選手たちがコートへ飛び出してくる、誰もが待ちに待った勝利の瞬間だ。

第3Q、仙台のビッグマン2選手に囲まれながら、難しいシュートを決めるタブスコット。トラソリーニと共にチームトップの19得点を挙げた(同)

試合後コートにしゃがみ込み、挨拶では涙を見せた平尾は「今季主将としていろんな人の思いを背負いながら戦い、一つの目標を達成したことで、張り詰めたものが報われた。最後の方は覚えていないほど、こみ上げてくるものがあった」との心境を、会見で語った。

2018年5月には破竹の17連勝を遂げながら、福島ファイヤーボンズとのリーグ最終戦に敗れ、プレーオフを逃した「いわきの悲劇」(18年5月7日付)。この試合で平尾は一人で34得点を挙げてチームをけん引したが、4点差で勝利に届かず、試合後に涙をあふれさせた。

試合後に挨拶する山谷社長(同)

その姿はブースターも覚えている。「みんなで流した3年前の悔し涙を、今日は歓喜の涙に変えてもらった。それもホームの水戸で叶えてもらい、本当にうれしい。最後の場面はドキドキしたが、選手が折れずにこらえてくれた」と話すのは、試合後に「ありがとう」のプラカードを掲げた栗田光子さんらのグループ。5年来のロボッツファンで、3年前のいわきにも足を運んでいる。

チームは一つの偉業を成し遂げたが、これで終わったわけではない。山谷拓志社長は「目標はあと2つある。ファイナルに勝ちB2優勝を手にB1へ乗り込むこと、そしてB1で優勝し日本一になること。今はまだそのステージに立った段階でしかない。何年かかるか分からないが、必ず頂点を目指す」と次の目標を見据える。(池田充雄)

オンラインで語学交流 日本語学校の留学生講師に つくばフェスティバル

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オンラインで韓国語を指導するイ・ハンギルさん(左)とチョ・ヨンヒョンさん=つくば市松代の日本つくば国際語学院

オンラインで開催中の「つくばフェスティバル2021」に15日、日本語学校「日本つくば国際語学院」(同市松代、学校法人つくば文化学園運営)で学ぶ留学生が出演し、市民向けオンライン語学講座の講師として中国語や韓国語を教えた。

午前に中国語、午後に韓国語講座が各1時間、オンライン会議アプリZoomを利用して無料で開かれ、語学に関心のあるつくば市民など20代から60代の約10人がそれぞれ参加した。

手作りカードで中国語講座

中国語講座のテーマは「中国料理のお店で、中国語で注文してみませんか?」。講師を務めたのは同学院2年のワン・ヤンさん(29)と、卒業生のマ・ソウソウさん(32)。

2人は、チャーハンやマーボー豆腐などの日本人になじみのある料理名や、「この料理は辛いですか?」「ありがとう」など、食事でよく使われる言葉の中国語表記と発音を、手作りのカードを使いながら教えた。

講座を終えたワン・ヤンさんは「日本人と一緒に勉強できてうれしい」と話した。

中国語を教えたワン・ヤンさん(左)とマ・ソウソウさん。後ろに掲示してあるのはオンライン講座で使用した手書きのカード=同

「韓国人の僕よりうまい」

午後の「韓国人と自己紹介をして友達になろう!」の講師は同2年生のチョ・ヨンヒョンさん(27)と1年のイ・ハンギルさん(30)。「アンニョンハセヨ」など基本のあいさつや、自己紹介によく使用する表現を中心に教えた。

2人は「今の発音はよかった」「この発音は少し口を閉じて」など、画面を通して熱心に指導した。参加者の発音を聞いて「韓国人の僕よりうまい」と盛り上げる場面もあり、和気あいあいとした雰囲気で講座を終えた。

チョ・ヨンヒョンさんは「楽しかった」と笑顔で話し、今年1月に来日したばかりというイ・ハンギルさんは「(緊張で)頭が真っ白になった」と感想を述べた。

参加者からは「楽しかった」「また機会があったら受けたい」など好評だった。

同学院教務主任の杉本和昭さんによると同フェスティバル主催者から「外国語交流をしませんか」と参加依頼を受け、関心のある留学生が参加したという。「昨年のフェスティバルは新型コロナで中止だったが、今年はオンラインで参加できてよかった」と話した。

つくばフェスティバルは世界各国の食と文化、科学を楽しむイベントで、今年は1日から31日までオンラインで開催されている。同学院留学生による講座は、29日にも、タジキスタン、メキシコ、ペルー出身学生による日本人向け講座「私の特別な日」とスペイン語講座がオンラインで開催される。参加費無料。申し込みはつくばフェスティバル2021公式サイトへ。(伊藤悦子)

正岡子規『水戸紀行』追歩(7) 《沃野一望》27

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恋瀬川から見た筑波山

【コラム・広田文世】
灯火(ともしび)のもとに夜な夜な来たれ鬼
我(わが)ひめ歌の限りきかせむ とて

明治22年、水戸在住の友人を訪ね、東京から水戸へ徒歩で向かった正岡子規は、土浦を過ぎ、意地っ張りを貫き通し、千代田町、ではなく今や「かすみがうら市」の水戸街道を北上した。

令和追歩組も、6号国道を石岡へ向かう。ゆったりした下り坂の先に、常磐自動車道千代田石岡ICへの誘導路が分岐する。上を常磐高速が横切り、下を6号国道、くぐったすぐ脇へ旧水戸街道が左手から合流してくる。合流点には、旧街道時代の一里塚が、気ぜわしく行き交う現代の車列をひっそりと見つめている。子規は、この一里塚を、くたびれきって通過していったにちがいない。

恋瀬川への坂を左カーブで下り、恋瀬橋の付け替えにともない設置された休憩施設が、恋瀬川ロードパーク。子規の時代に整備されていたら、子規先生、どんなにか喜び、足をもみさすったことか。

恋瀬橋を渡るとすぐに石岡市街。石岡駅への分岐の先で、JR常磐線の渡線橋をこえる。子規はその日、石岡泊とした。令和版は、まだ日も高く、両足からの不平信号も届かず、快調に歩を進める。

小美玉市に入る。園部川にかかる園部橋から西を遠望すると、筑波山の男体山、女体山の二峰がちょうど重なり、ひとつの鋭角三角形に見えてくる。子規は、土浦を過ぎたところで道標を見落とし筑波山へ立ち寄れなかったが、訪ねてみたかった無念が行間にうかがえる。

6号国道は、大曲を過ぎる。千貫桜という地名がある。水戸藩二代藩主光圀が、街道沿いの桜の名木を褒賞した由来にちなむ。子規も、桜について記している。「この辺の街道は松縄手にあらずして路の両側に桜の木を植う。木のたち皆のびのびとして高さ十間もあり」と、まだ咲かぬ三月の桜の枯れ枝を見上げている。

「足がすりきれるまで」歩く

茨城町に入り、6号国道は、ひときわ立派なバイパスへ分岐する。バイパスに歩道はなく、歩行者は立ち入れない。やむなく歩道の残る旧6号へ迂回する。

涸沼川を渡る。バイパスの開通のとばっちりで歩行者は、渡線橋を越えたり側道を上がり下りして、大回りのあげくに旧水戸街道=現在の国道50号へ出る。子規の時代は、かえってすっきり歩けたはず。

ここまで来れば、あとはひたすらまっすぐ進み、水戸は偕楽園の脇をとおり千波湖へ、さらにもうひとふんばりで水戸駅のはず、と目標が見えてきたとたん、足やら腰やら肩までが、ストライキのシュプレヒコールをあげはじめる。

もう少しだ、もう少しだ。となだめすかしながら歩くと、バス停の粗末なベンチを発見。バスに乗るわけではないが、ありがたい休憩ポイントとさせていただく。子規の「足がすりきれるまで」の述懐に、思わず納得。とはいうものの、休んでいてはいつまでも到着できないことは自明の理。

最後のふんばり。「どっこいしょ」と立ち上がる一歩が辛い。(作家)

筑波大、流経大に完敗 2年ぶり茨城ダービー

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【筑波大―流経大】後半17分、流通経済大ゴールに向けてシュートを放つ筑波大MF田村(水色のユニホーム)=千葉県東金市の東金アリーナ陸上競技場

第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節の筑波大―流通経済大(流経大)戦、通称「茨城ダービー」が15日、千葉県東金市の東金アリーナ陸上競技場で行われ、筑波大は1-3で流経大に敗れた。コロナ禍により茨城ダービーの開催は2019年以来2年ぶり。

第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節 5月15日 東金アリーナ陸上競技場
筑波大1ー3流経大
前半0-2
後半1ー1

両校は、今月9日にひたちなか総合運動公園陸上競技場(ひたちなか市)で行われた天皇杯県代表決定戦の決勝戦で対決し、延長戦の末、筑波大が流経大に2-3で惜敗した。筑波大は雪辱を期して臨んだが、流経大に返り討ちに遭った格好となった。

筑波大は、前半6分に流経大DF佐久間駿希(4年)にシュートを決められ失点を許した。同35分にも流経大FW満田誠(4年)にシュートを決められ2失点。巻き返しを図ろうとするも得点を決められず0-2と流経大優勢のまま前半を折り返した。

ハーフタイムに交代した筑波大MF田村蒼生(1年)が後半17分に1点を決めて1-2に持ち込み、流経大に一矢報いたが、同21分に流経大FW齊藤聖七(3年)に3点目を決められた。

筑波大は最後まで奮闘するも、放ったシュートが流経大ゴールポストの上をかすめるなどチャンスをものにできない場面が散見され、流経大優勢の流れを変えるには至らず試合終了となった。

試合終了後一礼する筑波大の選手たち=同

流経大は2019年の茨城国体で県代表チームに選手14人が参加し茨城県の優勝に貢献。有力選手を国体に出した影響で同年の関東大学リーグ1部で最下位(12位)となり、2020年は2部に降格した。しかし同年のリーグ2部で優勝を果たし、わずか1年で1部に復帰した。

「実力通りの差が出た」

筑波大の小井土正亮監督は「先週9日も流経大と天皇杯(県代表決定戦決勝)で対戦して延長戦まで行って負けてしまっているので、選手の中ではかなりリベンジを期するものがあり、メンタルでもやる気があった、戦術的にも特に困っているところがあった訳ではない。その中で負けたのは、実力として完敗。実力通りの差が出た」と振り返った。

一方、流経大の中野雄二監督は「ウチの学生はのびのびしていたと思う。筑波大の方が上手くいってないというか、早いうちから失点してしまった。中6日で『(流経大に)リベンジしたい』という強い気持ちで臨んだとは思うけど、前半6分の先制点が筑波大の気持ちを沈めたと思う。それくらい貴重な先制点だった」と勝因を話した。(崎山勝功)

導水運用し霞ケ浦、利根川下流の水資源を有効活用 東京2020渇水対策で国交省

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利根川上流ダム群の補給に先駆けて、霞ケ浦や利根川下流部に集まった水資源を北千葉導水路や利根川連絡水路を運用して有効利用するイメージ図(国交省「東京オリンピック・パラリンピック渇水対応行動計画素案」より転載)

国交省関東地方整備局は、東京2020オリンピック・パラリンピックに備えた4月の渇水対策協議会で、渇水対応行動計画を改定した。

前回、東京オリンピック直前の1964年(昭和39)夏に、最大給水制限率50%で昼間の断水等、厳しい制限を余儀なくされたことから、これを教訓にダム群の貯水量の温存に努め、水の安定的供給に万全を期す。

渇水対応行動計画の主な改定内容は、利根川・荒川水系等で3対策(武蔵水路等の新たな運用、既存施設の徹底活用など)を新たに追加したほか▽洪水期のダムの弾力的管理は「八ッ場ダム」(2020年3月末完成、4月以降は本格的な運用開始)、「渡良瀬遊水地」を追加し計11ダムで実施する▽継続的な確保対策上、水不足の段階になった場合には外国人観光客等に対し、外国語で節水を呼び掛ける―ことなども行い、対策を拡充、強化し、渇水に備えたいとしている。

前回の1964年夏とは異なり、現在は東京都の水源として多摩川に加え、利根川、荒川の2水系が加わり、2020年3月末には八ッ場ダムも完成した。

このため首都圏のダム総利水容量は、八ッ場ダムを含め洪水期で当時の約4.5倍の12億4500万立方メートル、非洪水期で5.1倍の16億9100万立方メートルとなっているが、近年の猛暑などから首都圏の主要な水源である利根川・荒川水系では、取水制限を伴う渇水が発生している。

オリンピック・パラリンピック開催の今年も大きな懸念材料になっている。

水行政の情勢下、期待されているのは八ッ場ダムの運用で、完成後は新たに非洪水期(10月6日~6月30日)で9000万立方メートル、洪水期(7月1日~10月5日)で2500万立方メートルの利水容量に貯留した水が活用できるという。

また利根川上流ダム群の補給に先駆けて、北千葉導水路など下流利水施設を活用し、霞ケ浦や利根川下流に集まった水を江戸川に供給する連絡水路、利水施設の運用を強化する。運転日数、導水量を強化することで、ダム補給量を抑制し、ダム貯水量の温存を目指すとしている。

渇水諸対策(流況監視、利水施設の導水量決定、河川流量予測、ダム補給量の決定・指示など)のコントロールセンターとして、同整備局では、「首都圏水資源統合運用本部」が、その指揮を執る方針だという。(山崎実)

サヨナラ勝ち アストロプラネッツ、東地区2位に浮上

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9回裏、サヨナラの四球を選んだ瀧上(中央左向き)の下へ選手が集まる(撮影/高橋浩一)

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは14日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で神奈川フューチャードリームスと対戦し、4-3でサヨナラ勝ちを収めた。これで茨城は7勝7敗1分、栃木ゴールデンブレーブスをかわし東地区2位に浮上。期待の新外国人ラモン・カブレラも公式戦初ヒットを記録した。

神奈川 000002001 3
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茨城はこの試合、土浦出身の野木和馬投手が加入後初となる先発出場。5回までを2安打2四球の好投で試合を作り、「少ない球数で抑え、攻撃につなげるピッチングを心掛けた。1、2回とも先頭打者を出してしまったが後続を断ち、野球はリカバリーができるスポーツであることを体現できた」と胸を張った。ジョニー・セリス監督も「いま一番安定している投手。コントロールがいいし気持ちも強い」と評価、今後も先発で使う意向だ。

先発で5回を好投した野木(同)

野木は初の先発とあって5回でマウンドを降りたが、6回表、2人目の久能雄汰が神奈川に先制を許した。先頭を四球で出し、三塁打と犠牲フライで2失点。しかし茨城はその裏すかさず逆転に成功。先頭の妹尾克哉の中前打で口火を切り、2四死球で無死満塁とすると、安田寿明の中前打でまずは1点。そして山中堯之の中越え二塁打で2点を加えた。これで山中は初のMVP受賞。試合後のお立ち台では「勝ちたい一心でバットを振った。これからさらに勝ち続けるので応援よろしくお願いします」とファンにアピールした。

6回裏2死二・三塁、山中が中越えの適時二塁打(同)

9回表、茨城は6人目の橋本直樹が2安打を許し同点とされるが、またもその裏に粘りを見せた。寺島一也が右中間安打から敵失の間に二塁を陥れ、暴投で三塁へ進む。その後、死球と敬遠で2死満塁とし、打席には瀧上晶太。フルカウントからファールで粘ると、7球目が外れてサヨナラの押し出し四球となった。

茨城は取られても取り返す粘りを見せ、ピンチも細かい継投で切り抜け、快勝ではなくてもこれで勝率5割を達成。セリス監督は「今の意識が大切。投手は四球なく、野手はエラーなく、集中して最後までいい試合をしたい」と、今の好循環について話した。

この試合でもう一つ注目されたのが、3番捕手で先発出場したカブレラ。かつて埼玉西武ライオンズなどでプレーしたアレックス・カブレラ選手の息子で、メジャーリーグ通算4本塁打の実績もある。来日後、新型コロナウイルス感染対策のための隔離期間を経て、9日にBCリーグデビューを果たしたばかり。

1回裏2死、カブレラの初ヒット。この日は3打数1安打の成績(同)

今日は出場3試合目で「自分が出て初めての勝利」と喜びの声。今は試合の中で徐々に調子を上げている段階だそうだ。捕手としても「日本の投手やボールをもっと理解して、彼らと一緒に勝つ道を探していきたい」と抱負を語る。(池田充雄)

「コップ半分の水」の捉え方 《続・気軽にSOS》85

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【コラム・浅井和幸】ここにコップがあります。そのコップには水が半分入っています。このコップを見て、「コップに水が半分しか入っていない」とネガティブに考えることはいけないことで、「コップに水が半分も入っている」とポジティブに考えることがよいことだと教えられる場面があります。

世間では、ポジティブが良いことで、ネガティブが悪いことだと教わります。さて、コップに水が半分「も」入っていると考えるのがよいのか、半分「しか」入っていないと考えるのがよいのか。それぞれが勝手に好きなように考えればよいと思いますよ。

ですが、浅井はどのように考えるのか?と聞かれたら、「コップに水が半分入っているのだなと考える」と答えます。いやいや、それをネガティブに考えるのか、ポジティブに考えるのか?という質問に答えなければいけないとなると、どんな大きさのどのようなコップに、どれぐらいの水が入っていようが、ポジティブでもなければ、ネガティブでもないよと捉えます。

大切なのは、このコップと水のある背景、シチュエーションです。コップに水が入っていることが良いことか、悪いことか? そして、「も」と捉えることと「しか」と捉えることのどちらがよいことかは、別の条件がなければ判断できません。

ポジティブ思考とネガティブ思考

例えば、コップ半分の水で、十分にのどの渇きが潤せるのであれば、それは「コップに水が半分も入っている」というポジティブな意味にとらえられます。

しかし、すでにのどは潤っているのに、無理やりにコップ半分の水を飲み干さなければいけないのであれば、「コップに水が半分も入っている」というネガティブな状況にもなり得ます。

災害で避難しているときなどをイメージしてください。コップ10杯分の水がなければ生きていけない状況では、「コップ半分しか水が入っていない」と捉えて、早めに水を確保する工夫が必要でしょう。そのときに、「コップに水が半分も入っている」と捉えてのんびりしていたら危険ですよね。

いかがでしょうか?「コップに水が半分入っている」という情報だけで、ポジティブに捉えた方がよいのか、ネガティブに捉えた方がよいか断定するという考え自体が現実離れしているわけです。

このように考えることが、現実的には何かに役立つと私は考えていますが、私のツレに言わせれば、「あんたのそういうところが、面倒くさい」と、バッサリと切られてしまいました。やはり、物事を考えて表現するということは、時や場所、それを伝える相手との関係などの要素は、とても大切なようですよ。(精神保健福祉士)

描いて木の魅力を引き出す 上渕翔さん展覧会「木に描く」

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展示風景=水戸市備前町の常陽史料館アートスポット

つくば市在住の画家、上渕翔さんの展覧会「木に描く」が水戸市備前町の常陽史料館で開催中だ。板や丸太などさまざまな木に、ウッドバーニングやアクリル絵の具、金箔などで描いた58点の作品を展示しており、白いキャンバスを離れて自由なアプローチを目指した、この10年間の集大成と言える内容になっている。

上渕さんは熊本県出身。筑波大学で油絵を学び、卒業後ウッドバーニングを始めた。電熱ペンを使って木を焦がし描く技法で、木と絵の一体感が強く出るという。「木自体の色や存在感が好きで、それを見て何を描くか考えるのが面白い。例えば木目が風のそよぎにも、降り注ぐ雨にも、水の流れにもなる。木の力を借りて作品が生まれていて、同じものは2つとない」

制作中の上渕さん。電熱ペンから細い煙が立ち上る

生活に入り込めるアートを作りたいという思いもあった。絵を買って部屋に飾るのは、特に若い人にはハードルが高い。より手にしやすいよう小さな升や桐箱などに絵付けした作品を発表し、そこから桐下駄、羽子板、曲げわっぱなど日本の伝統的な木製品にも目が向いていった。

製材所で見付けた古材や、骨董市で出合った建具などからも「描けそう」とインスピレーションを得て、その素材ならではの雰囲気や存在感が生かせる画題や手法を選んでいる。

「酒樽金魚」2016年、ウッドバーニング、アクリルガッシュ

「古色を帯びた木だとウッドバーニングよりも、絵の具で白を入れた方が引き立つ。アクリル絵の具は以前から影付けなどで補助的に使っていたが、積極的に取り入れることで、いっそう木を生かせるようになった。黒に金の取り合わせも好きで、最近はよく使っている」

ここ数年は暗い中にもロマンチックな雰囲気のある作品づくりを目指しているそうで、和と東洋や西洋が溶け合ったようなイメージが広がる。神話やマザーグースなど、物語の世界からヒントを得ることが多いという。「導く者」と題した2枚の作品では、中国の伝説で太陽に棲む3本足のカラス「日烏」と、月に棲むウサギ「月兎」に、星座のからす座やうさぎ座、植物の桜や菊を組み合わせた。

左より「麒麟」「鳳凰」いずれも2018年、アクリルガッシュ、金箔

「日本神話では八咫烏(やたがらす)や因幡の白兎が神々を導いたが、この絵では神話以前から人を導いてきた星々や植物が真の主役。私の絵には、ぱっと見には分からないところにダブルミーニングや暗喩などが込めてあり、謎があった方が面白い」

最近は活動の幅がさらに広がり、土浦を拠点に活動する石原之壽さんの創作紙芝居の作画も担当。土浦港岸壁の競作壁画の一つ、ハスの葉陰に遊ぶコイの絵や、土浦市中村西根のラスク工房「美・Sekiyama」の外壁に描かれた、天使の羽根の絵も上渕さんの作品だ。「絵の技術が社会の中でどう生きるのかが若いときは見えていなかった。今こうして求められることがうれしい」と話す。(池田充雄)

教室での指導の様子。ウッドバーニングをする人もデッサンをする人もいる。決まった課題などはなく「そのとき作りたいものを作った方が上達する」という考えだそうだ=つくば市下平塚の「にれ工房スタジオ」

◆「木に描く」展は5月23日まで、入場無料。詳細は常陽芸文センターホームページ、上渕さんオフィシャルサイトへ。

「つくばセンター」に見る満映の影 《映画探偵団》43

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【コラム・冠木新市】「広々とした大野原の中に、魔術の如(ごと)く聳(そび)え立つ、豪華な建築—寛城子(かんじょうし)を見た直後なので、狐(きつね)につままれたやうだ。宮殿の如く、銀行の如し」(徳川夢声)。

岩下志麻主演『極道の妻たち』

つくばセンターを象徴する映画は『仮面ライダー』シリーズだとずっと思い込んできた。しかし最近では、同じ東映の『極道の妻たち』シリーズではないかと揺れ動いている。この映画はセンタービル誕生3年後の1986年に公開され大ヒット 。ビデオも売れ、テレビ放映の視聴率も高く、関係者を仰天させた。

日下部五朗プロデューサー、高田宏治脚本、五社英雄監督―このトリオと、題名から受ける印象で誰もがヤクザ映画と信じていた。ところが、任侠・実録ヤクザ映画ブームはすでに終わっている。

岩下志麻主演でその後10年以上続くこのシリーズは、対立組織との抗争で性根の定まらない男性を支える、女性を描いた作品との理解が深まる。つまり純粋な女性映画だったのである。

東映映画史を振り返ってみよう。

▽1950年代:『笛吹童子』『紅孔雀』などのお子様時代劇『新諸国物語』シリーズ。

▽1960年代前半:内田吐夢監督が敗戦後の青春像を描いた『宮本武蔵』シリーズと大作『飢餓海峡』。

▽1960年代後半:高倉健の『網走番外地』『昭和残侠伝』シリーズ。

▽1970年代:暴力団組織で日本社会の仕組みを批判した実録『仁義なき戦い』シリーズ。

▽1980年代:『鬼龍院花子の生涯』など宮尾登美子文学の映像化シリーズ。そして『極妻』につながる。男性路線中心だった東映が方向転換し始めたころだ。

映画ブロデューサー 根岸寛一

学生時代、私は東映企画調査部でアルバイトをしていた。後に『映画「極道の妻たち」ノ美学』(1995年、近代映画社)を出版。丸の内本社と撮影所に出入りしていた私は、よく「東映は満映関係者の受け皿」との話を聞いた。

1937年、満洲国と満鉄の出資で設立された満洲映画協会は、「五族協和、王道楽土」のスローガンの下の国策映画会社だった。少し遅れて甘粕正彦が理事長に就任する。甘粕の片腕となったのは、『大菩薩峠』『人生劇場』『土』など名画を製作した、元日活撮影所長のブロデューサー根岸寛一だった。

根岸は、李香蘭をスターに育てあげ、中国人の監督、脚本家、スタッフを起用し、多くの作品を残す。終戦後、満映は消滅するが、撮影所は中国人映画関係者のために守られた。冒頭の引用は、夢声が満映撮影所を見た時の感想を映画雑誌に書いたものである。

戦後、根岸は東映と深く関わり、満州から帰国した映画人の生活ために、病を押して奔走する。私はつくば市に移転して来て、根岸寛一が筑波郡小田村(現つくば市)の出身と知ってうれしくなった。

議論の鍵を握るのは女性たち

4月27日掲載された「NEWSつくば」の記事で、センタービル広場のエスカレーター設置をめぐり、市議たちが「2基とも必然性がない亅「1基のみでよい亅「2基とも必要」ともめていることを知った。これまでの検討がいかに不足していたかがよく分かった。

また、男性市議よりも女性市議の発言が目立っているようにも感じた。市議は市民の代表である。このエスカレーターをめぐり、つくば市の女性たちの意見も割れているのだろうか。

私は何故こんなにもセンタービルに引かれているのか、ようやく謎が解けた。大平原にこつ然と現れた満映撮影所をセンタービルに重ねていたからだ。未来の遺跡に、1億6000万円もかけてエスカレーターを付けて、文化財に傷跡を残すかどうか。カギを握っているのは女性たちである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

道路工事で光ケーブル切断 つくば市

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つくば市役所

つくば市は13日、同市下平塚で、市発注の道路改良工事をしていたところ、業者が誤って電線の光ケーブルを切断する事故が発生し、近くの店舗2軒が光ケーブルを同日、使用できなくなったと発表した。

市道路整備課によると、同日午前9時30分ごろ、道路のU字溝を入れ替える作業の資材置き場で、作業員が重機でがれきを整理する作業をしていたところ、重機のアームが電線に引っ掛かって、光ケーブルを切断した。

市はただちにNTT東日本に連絡し復旧を依頼、切断された光ケーブルを使用していた店舗2軒を訪れ、事故の説明をして謝罪した。光ケーブルは同日夕方までに復旧したという。

再発防止策として市は、受注業者に対し、施工中の保安措置の徹底を指導するとしている。

小石が跳ね来園者けが つくば市平沢官衙遺跡

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平沢官衙(かんが)遺跡=つくば市平沢

12日午後4時30分ごろ、つくば市平沢、平沢官衙(かんが)遺跡歴史ひろばで、業者が芝刈り機で作業を行っていたところ、小石が跳ね、付近を散策していた50代女性の頭部に当たり、側頭部が腫れるなどのけがを負う事故が発生した。つくば市が13日発表した。

市文化財課によると、女性は12日、同遺跡を見物するため市外から2人で来園した。同日午後4時30分ごろ、歴史ひろば南側の道路を散策していたところ、近くで作業をしていた芝刈り機から小石が跳ね、女性のこめかみ近くに当たった。

事故当時、2人の作業員が芝刈りをしていた。小石の大きさや、どちらの機械が小石を跳ねたかなどは不明という。

女性はそのまま帰宅し、その日の晩に市に事故の連絡があった。13日現在、側頭部の腫れと首の痛みがあるという。14日以降、医療機関での受診を予定している。

同課によると、同歴史ひろばは面積が大きいため、芝刈り作業中は石跳ね事故を防止する衝立(ついたて)やフェンスなどは設置しておらず、近くに人がいないことを確認しながら作業を実施したという。同広場では年3回芝刈りを実施している。

五十嵐立青市長は「管理作業中に来園者にけがを負わせてしまい深くお詫びします。今後再びこのような事故を起こさぬよう、管理作業を受託している全事業者へ注意喚起と飛び石防止の安全対策を徹底するよう指導します」などとするコメントを発表した。

指定管理施設職員が新型コロナ つくば市

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つくば市役所

つくば市は13日、市民交流施設、市ふれあいプラザ(同市下岩崎)の指定管理事業者の職員が12日、新型コロナに感染したことが分かったと発表した。

市文化芸術課によると、この職員の濃厚接触者は同施設内にはいないという。

同施設は13日、消毒作業などのため休館となった。

14日から通常通り開館する。

街の記憶 東京・つくば 《遊民通信》16

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5月19日、1階がオープンする「トナリエ クレオ」=つくば市吾妻、つくば駅前

【コラム・田口哲郎】

前略

「木綿のハンカチーフ」などで知られる作詞家、松本隆さんは2012年に東京から神戸に移住したそうです。当時雑誌記事で読んで、衝撃を受けました。松本さんは生粋の東京人です。生まれ育ちは港区青山、慶應義塾に通い…と、シティ・ボーイの体現者です。のちの渋谷系につながる、いわゆるニューエイジの山手文化を生み出し、けん引してきたことはご存知の通りです。

都心文化を屈託なく表現できる人は、上京者の街でもある東京にはそれほど多くいません。その松本さんが東京を離れたことは、一個人が地方に引っ越したという事実以上の何かがあるに違いないと思わせられました。東京がかつての東京では無くなったという旨の発言をされていました。

コロナ前の東京は色々限界だったのかもしれません。諸々(もろもろ)が集中・蓄積しキャパシティ・オーバーとなり、はち切れる寸前でした。そんな東京をコロナ禍が襲いました。東京は破裂せず、しぼみ始めました。今後も東京は東京として続くでしょう。でも、かつての東京はもう戻ってこないでしょう。

恐らく、かつての東京、例えば第2次大戦前の東京は戦後の東京とは全く違う東京でした。戦前の東京を戦後に語ったところで、それはノスタルジーに過ぎないわけですが、街の記憶は人をなんとも言えない感覚に誘います。沈みゆく東京は、これから無数の記憶の華に飾られるでしょう。

つくばに陽は昇る

では、つくばはどうでしょうか? つくばの記憶…。つくばの記憶は、特に1985年のエキスポ以後、東京の栄華とは逆の衰退のものでしかありません。かつて、つくばセンター前の西武百貨店には高級スーパー・マーケットのザ・ガーデン自由が丘が入っていました。高級スーパーがあることが、その街の東京度を測る基準となります。例えば、六本木や横浜の青葉台には、明治屋ストアがあり、港区の魚藍坂には大丸ピーコックがありました。

昔のつくばは、茨城屈指の東京っぽい街でした。外国人が多い国際性は、さらに東京の港区っぽくもありました。でも、その西武が撤退し、官舎が取り壊され、つくばの中心から人がいなくなりました。東京圏に飲み込まれるにしては、遠い距離感がつくばを苦しめました。一極集中の歯止めが効かず、東京は巨大竜巻のように周辺の街の栄華を吸い取りました。つくばエクスプレス(TX)は格好のストローになりました。

しかし、コロナ禍によって、東京に向いていた流れがつくばに向かって流れています。つくばには東京と真逆のことが起きるでしょう。沈没する大都会を眺めながら、常に陽の当たる街は静かにそのエネルギーを回復すると思います。

新しい繁栄はこれまでの栄華とは違うことは確かです。人と物資を集中させることしかしてこなかった人類が、初めて分散をも目論(もくろん)んでいます。群れることなく楽しむ術は、類まれなる田園学研都市つくばの市民が得意とするところでしょう。

ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

「大規模事業評価行わないのは違法」 18人が住民監査請求 つくばセンタービル改修で

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監査請求書を市監査委員事務局職員に提出する代理人の坂本博之弁護士(左)と請求人代表の酒井泉さん(中央)=12日、つくば市役所

つくば市が取り組んでいる総事業費約10億3800万円のつくばセンタービルリニューアル事業について、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市の要綱で定められているにも関わらず、事業評価の手続きが踏まれていないのは違法だなどとして、元大学教授の酒井泉さん(72)ら市民18人が12日、市監査委員(高橋博之代表監査委員)に対し、すでに支出された約7000万円の返還請求と未支出額の支出差し止めを求めて住民監査請求をした。

同要綱は、住民投票で白紙撤回となった市総合運動公園事業を教訓に、五十嵐立青市長が2018年9月に定めた。10億円以上の大規模事業と市長が必要と認める事業を実施する際には、評価会議を設置し、事業の必要性や妥当性などの評価を行うことなどが定められている。

監査請求によると、同リニューアル事業は10億円を超えるのだから「同要綱の対象であることは明らかであるが、市はこの要綱に従った評価を全く行っていない」としている。

一方、大規模事業評価をめぐっては、今年3月議会で、飯岡宏之氏(自民党政清クラブ)と山中真弓氏(共産)が一般質問し、それぞれ大規模事業評価を実施するようただしたが、市は、約10億3800万円のうち、まちづくり会社「つくばまちなかデザイン」への市の出資金6000万円はリニューアル事業の事業費ではないなどとし、10億円を超えないのだから大規模事業評価を実施しないとした。

監査請求した酒井さんは「議会で質問した議員がいたが、数の力で無視された。議会が道理を通すことができなくても、市民は道理を通すということをはっきりさせたい」と話した。

監査請求ではほかに、まちづくり会社は市が出資する第3セクターであるにもかかわらず、総務省が2014年に出した「第3セクターの経営健全化指針」に基づく検討を行っておらず、市の出資金6000万円の支出は公金支出のための必要な手続きを欠いており違法だと指摘している。

さらに、つくばセンタービルの中の市所有施設は公の施設なのに、市が一部をまちづくり会社に賃貸し、さらに同社が個々の企業に賃貸の事業所として貸し出すのは、公の施設としての利用を拒否することになり地方自治法に違反する、リニューアルの基本設計策定をプロポーザル方式で随意契約したのは市契約規則に違反するーなどと主張している。

その上で、すでに支払われたリニューアル事業の基本計画策定費用とまちづくり会社への出資金計約7000万円について、市は五十嵐市長などに損害賠償請求または返還請求を行うべきで、いまだ支出されていない金額は支出を差し止めるべきだなどとしている。

監査結果は60日以内に出される。(鈴木宏子)

ほうきの力で「魔女のフェスタ」 29日 旧筑波小に集結

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魔女とほうきのイメージ=旧筑波小教室で撮影

つくば市国松の旧筑波小学校を会場に、29日開催する「魔女のフェスタ」の準備作業が佳境を迎えている。2018年以来3年間、人の手が入らずにいた校舎を利活用する廃校リノベーション企画。フェスタ実行委員会(いしざき緑子代表)は校長室や各教室の大掃除から始め、ほうきの力で学校ばかりか地域社会にも魔法をかけた。

29日は校庭に飲食店のキッチンカーやテントが並び、3階建ての校舎全体に占いや癒し療法、手づくり品、子供向け工作教室のワークショップなどが展開する。10日現在、その数は95店になった。10代から80代の「魔女」が集結する。

いしざきさんは昨年、学校近くの国松地区の古民家に移住して、アロマテラピーの教室「魔女の学校」を開設(2月17日付)。誕生日が4月30日で、ドイツの魔女祭り、ヴァルプルギスの夜にちなむ「世界魔女デー」であることから、自身「魔女」と称して活動を行ってきた。2019年4月には石岡市内で「魔女のフェスタ」を催したことがあり、旧筑波小でも開催を計画した。

「地区に子供たちがいないわけではないのに、放課後や休日に声がしない。校庭に集まって遊ぶ様子がない」のを残念に思ったためだ。

音楽教室のいしざきさん=旧筑波小

校長室アーカイブス

旧筑波小は、2018年開校の秀峰筑波義務教育学校(つくば市北条)に統合された旧筑波町9小中学校のうちの1つ、筑波山の男体山麓にある。1975年建設の地上3階建て校舎は、耐震構造で上下水道も整ったまま残された。

同市教育総務課によれば、閉校後はグラウンドの手入れ程度の管理しか行っておらず、設備の点検もしていないため、イベント等への貸し出しには原則応じていなかった。学校跡地の利活用については市の公有地利活用推進課が窓口となり、譲渡先などを探しているが、これまで動きはない。

地元区長・区会の協力を条件に、市が貸し出しに応じたことから、いしざきさんは地元の同意を取り付け、フェスタ実行委員会を結成。4月末は農繁期となるのに配慮して、開催期日を1カ月ずらした。石岡開催時の仲間や「魔女の学校」スタッフらの参加で、今年に入って開催準備を本格化させた。

2月、真っ先に行ったのは教室や職員室など校舎内の大掃除だ。徹底した掃除から始める古民家再生の手法を取り入れた。出店者のグループごとに教室を割り振って、窓を拭き、床を磨き上げる掃除は、毎週土曜・日曜ごとに行われた。

戦前の撮影も含め大量に出てきた記念写真=旧筑波小

すると、ホコリに埋まった校長室はまさにアーカイブス(記録保存所)だった。卒業生を毎年撮影した記念写真や古写真、給食用の食器、卒業記念に学校に贈られたはく製などが次々現れた。これらは一教室分そっくり当てて、資料展示することにした。

卒業生らが黒板に描き残したチョーク絵は、大切に残した。再び日の目を見られるよう手を付けなかった。

卒業生の描き起こしたチョーク画はそのままに=旧筑波小

交流と活性化の魔法

こうした動きに地元も応じた。卒業生の経営する設備業者がトイレの改修を買って出て、1階の水洗トイレをきちんと使えるようにした。学校に隣接する住宅にあいさつに行くと、自作の化粧品を販売したいと逆に出店を申し込まれたりした。開催日に備えた駐車場も学校周辺に大量に確保できたという。

地元出身のシンガーソングライターの参加で、新たに「魔女の学校」の校歌も制作、CDにして販売することにした。グランドピアノのある3階音楽室では、コンサートのほか「バーカウンターを設けてジャズ演奏も楽しめるよう保健所の許可もとった」(いしざきさん)そうだ。

「これをやりたいと思ったら、自分に魔法をかけて立ち上がることで皆に喜んでもらえるものになっていく。少子化だ、過疎化だと言われ続けた国松地区にも交流によって活性化が訪れるはず」と語る。魔女フェスタは1日限りだが、秋にはハロウィン企画の構想も練っており、さらに魔法をかけ続ける構えだ。(相澤冬樹)

◆魔女のフェスタ 5月29日午前10時から午後5時、旧つくば市立筑波小学校。マスク着用での来場を呼び掛けている。「魔女の学校」ホームページはこちら、「魔女のフェスタ2021」Facebookはこちら

対象拡大も利用は1件 つくば市障害者向け発電機購入補助、道半ば

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人工呼吸器を使用する根本希美子さんの息子(根本さん提供)

人工呼吸器を使用している障害者を対象に、つくば市が2019年4月から開始した停電時のための家庭用発電機購入補助制度について、昨年4月に利用条件が緩和されたにもかかわらず、実際の利用はいまだに1件にとどまっていることが分かった。

市の購入補助制度は当初、人工呼吸器を常時使用する障害者を対象に、停電時も医療的ケアができるよう、家庭用発電機の購入を最大10万円補助するものだった。しかし対象者は人工呼吸器を24時間、常時使っている人に限られた。夜間のみ使用する場合など「医療機器の電源確保が必要なのに、発電機の購入補助を利用できない」という声が多く寄せられた。そのため、20年4月に市は、補助の対象を1日1回以上人使用する者に広げた。

補助制度のもとになったのは、医療的ケア児の親の会「かけはしねっと」(根本希美子代表)が2018年に市議会に提出した請願だ。同会は当初から、できるだけ幅広い人が補助の対象になることを望んでいた。実際に補助制度が始まってからも、対象を広げるように市に働き掛けた。「補助の対象が広がったのは一歩前進だが、人工呼吸器に限らず痰(たん)吸引機など電源が必要な医療機器を使用している人なら対象になるように、もう少し対象を広げてもらえるとさらに良い」と、同会代表の根本さん(43)は話す。

制度の周知も課題

市障害福祉課によれば、新しく補助の対象が拡大してから補助制度の利用相談が複数あり、支給に向けて準備を進めているケースもあるという。しかし5月6日時点で実際に支給が決定されたのは、対象拡大前の1件のみ。補助の対象を拡大したことについて、市ホームページに掲載されている制度要綱を更新したり、障害者手帳取得時に窓口で説明しているが、幅広い周知が課題だ。

「昨年から市ホームページも新型コロナに関する情報があふれていて、4月に補助の対象が拡大されたことの周知が十分ではなかったと感じる。必要な家庭に情報が届いていないかもしれない」と根本さんは心配する。

市障害福祉課の担当者は「今年3月に新しく医療的ケア児のための相談窓口ができたため、発電機の購入補助の相談も増えるだろう」と期待する。(川端舞)

➡家庭用発電機購入補助に関する過去記事はこちら

私も経験した介護離職 《ハチドリ暮らし》1

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介護のため栃木県の実家に帰り、畑の手入れをする筆者(左下の写真)
山口京子さん

【コラム・山口京子】コロナ禍で生活や家計が一変した人が多いのでは! 自分もその1人として感じたことを伝えたい。

昨年5月、コロナの影響で、両親が通っていたデイサービスが一時閉鎖。介護のために栃木県の実家に帰り、一緒に生活することになった。仕事の方は、初めのうちは介護休暇や有給休暇を取り、それがなくなると欠勤扱いにしてもらった。自宅と実家を往復する生活が半年。結果的に、復帰の見通しが立たずに退職した。現在、父は施設に入所、母はデイサービスに通っている。

調べてみると、全国の65歳以上の人口は3600万人を超え、要支援・要介護認定者は約670万人。働きながら介護をしている人は約350万人。介護を理由に仕事を辞める人が年間で10万人弱。国は介護と仕事の両立支援のために制度を作ったが、まだまだ周知されていない。また、使い勝手の点で課題が多いことを当事者となって分かった。

結果的に退職となった場合、例えば、50歳で年収600万円の人が介護離職した場合、その後の収入の損失は1億円近くになるだろう。辞めた後は、厚生年金ではなく国民年金加入者となり、65歳から受け取れる年金額も下がってしまう。介護が終わって再就職したいと願っても、正社員として働くことは非常に難しいのが現実だ。

人生後半の生活設計が狂う

人生後半のライフプランが大きく狂ってしまうのが、介護離職だ。介護に直面した場合、1人で悩みを抱えずに、いろいろな相談機関に出向いてほしい。勤務先にもその旨を伝え、働き続けたいという意思を示したうえで話し合ってほしい。

問題解決には、最新の情報を入手し、どんな制度を利用できるのか知ること。そして、介護される人が親であれば、親の年金や資産についても確認すること。親のお金でやりくりできるのか、どんな介護の方法があるのか―などについて、専門家を交えて決めたい。

私は現在、1人暮らしをする母の様子を見るために月3回ほど帰省する。病院通い、銀行通い、買い物、行政から届く書類の確認、農家だった家の周りの掃除、草取り、野菜作り…。春になると自然は足早に進み、忙しくなる。母に指示されて、庭の一角に作った畑を耕し、種をまく。(消費生活アドバイザー)

【やまぐち きょうこ】2020年まで、いばらきコープ生活協同組合の「くらしの電話相談ダイヤル」相談員を15年務める。また組合員を対象にした「くらしの講座」講師として、生活設計、家計管理、年金、相続、遺言、終活、保険見直しなどのセミナーを企画。現在「社会保険労務士 やまと事務所」所属。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、消費生活アドバイザー。1958年、栃木県生まれ。龍ケ崎市在住。