金曜日, 6月 18, 2021
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つくば中心地区再生 出だしでつまずき 《吾妻カガミ》106

【コラム・坂本栄】つくば市の中心市街地再生事業が動き出しましたが、その仕事を担う「まちづくり会社」への資本金払い込みが一部滞っているとか、センター広場に設けるエスカレーターは要らないとの意見が議会で出ているとか、出だしのつまずきを伝える記事が本サイトに載っています。今回はこれらの問題に目を通したあと、事業策定プロセスでの「手抜き」について点検します。

本サイトの記事「(まちづくり会社の)資本金2900万円少ない」(4月30日掲載)には笑いました。市が中心になって設立したこの会社には、地元の3社が3000万円ずつ出資することになっていたのに、うち1社の設立時払い込みが100万円だけだったという話です。同社はその理由は市に聞いてくれと逃げ、市は「分割で構わない」と弁解しています。新会社に注目していた市民は、さぞ拍子抜けしたことでしょう。

もう1つのつまずきは「(市議会で)エスカレーター設置をめぐり論戦 」(4月27日掲載)に出ています。この事業の目玉、エスカレーター2基設置について、2基とも要らない、1基だけでいい、2基あってよい―と、議会で論争になったという話です。深地下のTX秋葉原駅にはエスカレーターが絶対必要ですが、センター広場にはどうでしょうか。

総額10億超なのに大型事業でない?

問題含みで始まったこの案件、10億円超の経費が投入される大プロジェクトです。ところが市の策定作業では、市民・識者の声の収集や市議との対話が十分でありませんでした。上の2つのつまずきも、この辺に遠因があったようです。

前市長の運動公園計画に反対する運動の熱量を引き継いで市長になった五十嵐さんは、2018年秋、「大型事業の進め方に関する基本方針」をまとめました。前市長時代の大型事業計画を批判的に検証、総事業費10億超の大型事業を進める際には「民意の適切な把握」「議会への適切な報告」などが必要と、執行部のひとりよがりを戒めたのがポイントです。

中心市街地再生事業費は、基本設計費979万+出資金6000万+実施設計費6300万+工事費9億500万=10億3779万円ですから、計10億円超の大型事業になります。ところが、本サイトのコラム「映画探偵団」の筆者、冠木新市さんもたびたび指摘しているように、市による「民意の適切な把握」はおざなりで、基本方針で定めた手順がお留守になりました。

この点を議会で質問した市議、飯岡宏之さんによると、五十嵐市長は「リニューアル事業だから大規模事業評価には当たらない」「6000万の出資金はリニューアル事業費ではない」と答えたそうです。

つまり、再生事業は10億円超でも大型事業に該当しない→だから民意の把握は形だけでよい、仮に再生事業を一般事業に分類するとしても事業費ではない出資金をマイナスすれば10億円以下→だから大型事業に該当しない―ということです。大型事業の定義(総額10億円超、ただし再生事業は対象外)を盾にした2段構えの理屈ですが、追求をかわすための言い訳のように聞こえます。(経済ジャーナリスト)

追記:この原稿を書き終えたあと、「つまずき」どころか「大転び」を予感させるニュースが入りました。中心市街地再生事業について「18人が住民監査請求」(5月12日掲載)という記事です。市民の関心度が高いこの案件、議会論議にとどまらず市民運動にまで広がってきました。

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14 コメント

14 Comments
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名無しの市民
1 month ago

エスカレーターの本数など多様な意見が出て議論して良いものにしていくのは健全な民主的プロセスだと思うけど、昔ながらの「シャンシャン会議」しか知らないと、意見が出るだけでいがみ合いに見えるんですかね。

また、住民監査請求を出したのは市長選で負けた陣営だというのも隠さずにちゃんと書くのがフェアなジャーナリズムというものじゃないかな。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
1 month ago

その通りだと思う。
そもそも、まちづくり会社の資本金が市議会への報告より少ないのは、このサイトの請求による情報開示で明らかになったことです。応援してます。素晴らしいです。フェアなジャーナリズムとして、今後もこの癒着を徹底的に追及してほしいです。

名無しの市民
1 month ago

「リニューアル事業は対象外」って、例えば老朽化した水道管の交換とか橋の架け替えとか、用途や規模がほぼ変わらないリニューアル事業は対象外でも良いと思うんですよ。

でもセンタービルは大幅改築、リノベーションとも言える内容。今までにない施設、機能を付加する事業ですから新築事業に準じる扱いで事業評価すべきと思うんですよね。

出資金分割払いなのは実質に影響なければ割りとどうでも良いです。ただ、どうやって出資者を決めたのかなぁと。他の二者は実績、会社規模から分かりますが。

あと、市長選落選者は単なる「市民」というより市長の「政敵」、って気がします。普通の市民に波及していくこともないでしょう。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
1 month ago

そうなんですよね。五十嵐さんは事業評価がどういう目的で行われる(べき)ものなのかをはき違えているような気がします・

名前はあるけど市民
1 month ago

つくば市の中心市街地?
どこにあるの?

行きたい店がたくさんあるところが、中心市街地だとすれば、
私にとっては、イーアス周辺です。
大きな本屋さん、回転寿司、車屋さんなどがあるからです。

つくば駅周辺に行くことは、もう、ほとんどない。
行く必要がないからです、エスカレーターがあっても!

以上です。

名無しの市民
返信する  名前はあるけど市民
1 month ago

どこを中心市街地と思うかは人それぞれかと思いますが、つくば市では「つくば中心市街地まちづくりヴィジョン」で公式に定義されています。つくば駅を中心とした概ね東西南北大通りに囲まれたエリアが「つくば中心市街地」です。

商業の中心地はすっかり研究学園駅駅周辺に移った観がありますし車移動の人はそちらのほうが便利ですよね。

名無しの市民
1 month ago

市長選で次点がどうたらこうたらと能書き垂れてる奴いるけど、市長選で負けた人は監査請求しちゃいけないのかな?

現市政(1期目)に異議があるから立候補したんだろ?そして選挙に敗れたものの、おかしいと思う部分は改善されてないから異議を唱える。その時点では選挙で対抗馬だろうが、反現体制だろうが、一市民には違いないだろ?なんだ元市議や元対抗馬は一生一般市民じゃないのか?

正当な手段で選挙という形で異議を唱えたことで一生一般市民扱いされないとか、どれだけレッテル張りが好きなんだよ。

意見が出るだけでいがみ合いに見えてるのか、当事者達に意見を聞いていがみ合いだと判断したのか。それすら分からないでレッテル張り。

流石学歴偏重都市つくばだね。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
1 month ago

学歴で言えば酒井泉氏は東北大学工学部卒で高エネ研の客員教授、国立の福井大学教授を歴任された博士(工学)、市長と比べても全く遜色無い超高学歴な方なんですが。

記事では「運動公園計画に反対する運動の熱量を引き継いで市長になった五十嵐さん」と書く一方で、つくば市25万人のうちのたった18人の行動を「市民運動にまで広がってきました」とまで書くんだから、市民運動が市政に絡んでいることは重々承知でしょう。だったら「住民監査請求を主導した、前回市長選候補の酒井さん」くらい書かないとフェアではない。

これはコラムだから筆者の主観で良い、書きたくないことは書かない、フェアとかジャーナリズムなんて関係ない、と筆者はお考えなのでしょうが。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
1 month ago

地下駐車場の利権については、ニュースつくばとしても、徹底的に情報開示を迫って欲しい。その決意表明ならば、このコラムにも意味はあるんじゃない?

名無しの市民
返信する  名無しの市民
1 month ago

このコラムでは地下駐車場利権問題に一切触れてませんが、そこは大いに頑張って欲しいですね。

名無しの市民
1 month ago

既設のエレベーターを大型化すればいい。
エスカレーターは要らない。景観も悪いし、バリアフリーにも反する。

市政ウォッチャー
1 month ago

このコラムのポイントは、五十嵐市政の基本「市民の声に耳を傾けながら」という理念が軽視されているのではないか、という点にあると思います。例え、自ら決めた大型事業の定義が「10億円以上、リニューアルは除く」だったとしても、市民の注目度を考えれば、10億円以上の一般事業並みに扱った方が、五十嵐市政らしいのではないでしょうか? それを杓子定規に「大規模事業評価に当たらない」と逃げるのは、五十嵐市長らしくありません。2期目に入り、どこにでもいる普通の市長のように、堕落してしまったのは残念です。

名無しの市民
返信する  市政ウォッチャー
30 days ago

約束や目標において、微妙に曖昧な表現を使い、市民自身でそれらがあたかも実現するかのように思わせておきながら、いざ目の前に来た時には「そうは言ってない。そういう約束ではない」と逃げる。

総合運動公園完全解決!(に向けての交渉のみ)
退職金3期分の廃止!(制度上無理なので22円で”実質”廃止)

なんてね。

五十嵐市長らしくない、というより今回もまた五十嵐市長らしい現実を前にしたときの逃げ口上だと思うよ。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
30 days ago

今回の地下駐車場だの、まちづくり新会社などは、自身の後援会長の会社への利益供与(と疑われて当然なのに、説明を避けている)が問題なのでは?
総合運動公園用地については、これを決定した市長や市議会議員の損害賠償責任を追及するというやりかたもあるんじゃないかなぁ。ポンポン山訴訟。

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