日曜日, 3月 1, 2026
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放射線治療装置をリニューアル《メディカル知恵袋》1

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新しい放射線治療機器(リニアック)

【コラム・大城佳子】筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保)の医療従事者がこのコラムを担当することになりました。少し難しいかもしれませんが、皆さまのご参考になればと思っています。

放射線治療とは

放射線治療は手術や薬物療法と並び、がんの治療の中で重要な役割を果たしています。放射線治療はその名前の通り放射線をがんに照射します。放射線が当たったがん細胞はDNAに損傷を受け、死滅していきます。陽子線や重粒子線も放射線治療の一つです。当院では最も一般的なX線を使った治療を行っています。

X線はレントゲンやCT検査に用いられています。レントゲン検査の際に何の刺激も感じることなく、すぐに終わってしまうのと同様に、放射線治療も痛みや熱を感じることなく、短時間で終了します。体への負担が少ないことが放射線治療の最大の利点です。

そして放射線治療は「病気を治す」という根治目的以外にも、症状を良くする緩和照射、例えば、がんの痛み止めや麻痺の予防、止血などにも効果を発揮します。ですから、放射線治療はがん治療において幅広い効果を期待できます。

一般的にがん細胞は正常細胞に比べて放射線に対して弱いため、毎日少しずつ照射をすることにより、正常な細胞を回復させながら、がん細胞だけを死滅させることができます(図1)。そのため、放射線治療では一般的に平日毎日の通院が必要です。

図1

新しくなった放射線治療

近年、より高精度で効果的、そしてより副作用が少ない治療を目指して、放射線治療技術は目覚ましい進歩を遂げています。

当院では2015年以降、強度変調放射線治療(Intensity modulated radiotherapy : IMRT)を導入しています。これは「機械から出てくるビームの強さを変えて、避けたい臓器の線量を下げて、目的の腫瘍(しゅよう)にたくさん放射線を当てる」という治療です。当初は前立腺がんの治療にのみ利用されていましたが、最近は肺や骨盤など、様々な部位の照射に応用しています。

これにより、これまで治療が難しかった症例が治療できるようになったり、より副作用を少なく治療できるようになったりしています。

今回(2023年10月)、新しい放射線治療の機器(リニアック)が稼働します(写真)。通常の放射線治療に加えて、より高精度な治療に特化した仕様となっています。

小さな脳転移に対しては定位照射が適応となることが多いです。定位照射とはピンポイント照射ともいわれる治療です。小さな腫瘍に対して、大きな線量の放射線を少ない回数で照射することにより、強い効果を発揮します。これまで、複数個の転移に対して定位照射を行う場合は、一個ずつ治療する必要がありましたが、新リニアックでは一度に複数個の転移を治療することができるため、治療期間を短縮することができます(図2)。

図2

また、近年では背骨(脊椎)の転移に対しても、定位照射を行うとより進行を抑えることができ、高い効果が期待できることが報告されています。しかしながら、背骨の中には太い神経の束である脊髄があり、たくさんの放射線が脊髄に照射されてしまうと副作用により麻痺が生じてしまいます。そのため、定位照射は非常に難しく、再照射も困難でした。

しかし、新リニアックには背骨の定位照射に特化したソフトが導入されたため、これまでに比べて定位照射のハードルが下がり、再照射が可能になる機会も多くなります。

最近の放射線治療

日本では歴史的背景から一般的に放射線に良い印象は持たれていません。しかしながら、医療で用いる放射線はその安全性が確立されています。また、一昔前は放射線治療=治らないという時代もありました。しかし、わずか10年前と比べても、現在の放射線治療の技術は格段に進歩し、より効果が高く、より安全になっています。

放射線治療の方法は様々です。ここにご紹介した高精度照射ではなく、古典的で簡単な放射線治療が最適な場合もあります。茨城県は通常のX線治療のみならず、筑波大学に陽子線治療、つくばセントラル病院にサイバーナイフを有しており、非常に放射線治療機器に恵まれています。

当院では、必要があればこれらの近隣施設をご紹介し、それぞれの特性を生かしながら、地域全体で、できるだけ速やかに、最適な治療を提供していきたいと考えています。(筑波メディカルセンター病院 放射線治療科診療科長)

【注】この記事は筑波メディカルセンター病院広報誌「アプローチ89号」でもご覧いただけます。

コロナ禍経て次は自販機で逸品を発信 つくばの飲食店主ら

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自動販売機を紹介する実行委員長の川根せりなさん=つくばセンター広場南側の2階、ペデストリアンデッキ

駅前で冷凍食品販売

つくば駅前のつくばセンター広場(つくば市吾妻)2階ペデストリアンデッキに、県内の飲食店や食品加工会社自慢の加工食品を冷凍で販売する自動販売機が設置されている。コロナ禍、フェイスブック上で県内の飲食店のテイクアウト情報などの発信を続けた「旨がっぺTSUKUBA」(2020年4月10日付)が、同市中心市街地のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)と立ち上げたプロジェクトだ。

つくば市竹園のうなぎ専門店「とよ長」を経営する豊嶋英之さん(46歳)が発起人となり、県内の飲食店有志数店舗と「旨がっぺTSUKUBA実行委員会」(川根せりな代表)をつくり運営する。今年の8月初めから販売を開始し、徐々に認知度も高まって販売数も増加しているという。

現在、自動販売機では、豊嶋さんのうなぎ店の豚なんこつの角煮、つくば市東新井のスペイン料理店「Spanish Bar Bonito(スパニッシュ・バル・ボニート)」のラムチョップグリルなどのほか、もつ煮、焼きサバずし、チャーシュー丼、ラーメンなど5店舗の6商品が販売されている。食品は電子レンジや湯せんで温めるなど簡単な調理ですぐに食べることができる。販売食品の種類は半年に1回程度、入れ替える予定だ。

プロジェクトの目的について豊嶋さんは「売り上げを上げるということよりも、茨城県のおいしい食材、食品を気軽に手に取っていただき、店舗に還元することで、地域を盛り上げていくことを目指している」と話す。

コロナ禍のダメージ続く

コロナ禍、飲食店は休業を余儀なくされるなど利用が制限されることも多かった。豊嶋さんらのフェイスブック「旨がっぺTSUKUBA」は、飲食店が個々に情報を発信するのではなく、一定のまとまりの中で地域に情報を届ける役割を果たした。

今回、新たに自動販売機での販売に着手した経緯について「やはりコロナで飲食店はダメージを受けている。そのような中、人の往来が多いつくばの中心部で、県内の飲食店などの商品を販売することは、お客様に喜んでいただけるだけでなく飲食店を元気づけ、勇気づける効果がある」と豊嶋さん。

つくばまちなかデザインと共同でプロジェクトを実施することについては「まちなかデザインとは理念が合致している部分も多い。センター広場では日々、人の集まるイベントが行われており、そうした場でプロジェクトを行うことは意義がある」と話す。

実行委員長を務めるつくば市在住の川根せりなさん(26)は「コロナ禍をきっかけに始まったプロジェクト。新しい商品の企画などで飲食店と協力させてもらっている。よりよいプロジェクトをつくっていきたい」と話す。

「自動販売機への出品店舗は広く募集している」と豊嶋さん。自動販売機を通した販売にあたって、各飲食店は、基本的な利用料を支払う。商品が売れ、利益が上がった場合は、出店店舗側の利益となる。自動販売機の運営には、自動販売機本体のレンタル費用、商品の入れ替えや釣銭の管理にかかる運用費用、電気代などがかかっており、これらについては出店店舗が支払う基本的な利用料の中から支払いを行っている。(山口和紀)

◆問い合わせ窓口はつくばまちなかデザイン(電話029-869-7229)へ。

ボランティアで荒れ地を整備 河川敷が憩いの広場に【桜川と共に】10

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月1回実施する草刈りの様子=つくば市栗原、桜橋上流

つくば市栗原、桜川に架かる桜橋上流の河川敷に芝生の広場がある。県有地で広さは約3ヘクタール。筑波山や宝篋山を見渡せ、桜川の自然を満喫できる憩いの場だ。週末には市内外からピクニックやキャンプに訪れた人々が思い思いにのどかな環境を楽しんでいる。

月1回 18年間草刈りやごみ拾い

憩いの広場は、住民団体「桜川ふるさと自然再生の会」(宮本健次会長、会員11人)が、毎月1回、ボランティアで草刈りやごみ拾いなどの整備を行っている。会員は地元住民や桜川漁協組合員など。元は農地だったが、竹林や雑木林となり、不法投棄のごみで荒れていた場所だった。

元会長の宮本正夫さん(故人)がその様子を見て心を痛め、子どもの頃のように桜川に親しめる場をよみがえらせたいと、2005年7月に同会を立ち上げた。

整備を始める2005年以前の河川敷の様子(桜川ふるさと自然再生の会提供)

当初は30人の会員で整備をスタートした。ごみの搬出や竹林の伐採を行い、07年には市の助成金を受け、重機を借りて整地を進めた。つくばブランドの芝生を張って、荒地は美しく生まれ変わり、以来18年間、月1回の整備を続けて広場の景観を維持している。21年からは県土木事務所から河川愛護団体の認定を受け、草刈り機の燃料や飲料水といった整備作業に必要な物品の現物支給を受けて活動するようになった。

河川敷から筑波山や宝篋山を見渡せる

原風景よみがえらせたい

会員の大里茂則さんは「子どもの頃は水辺の草を刈って家畜のえさにしたり、川から砂利を取ったりと川に行くことが多かった。県外に働きに出て、戻ってきたら全く様子が変わって川に入れなくなっていた」と話す。かつては川に行く用事があったので、川への道が自然と手入れされていた。しかし川に行く人が少なくなって、やぶになる所が多くなっていった。会員は皆、親しめる桜川の原風景をよみがえらせ、多くの人に親しんでほしいという思いから活動を続けているという。

「自分たちが草刈りをやらなければ、若い人はやらないんじゃないか」と話すのは前会長の楢戸和夫さんだ。現在、最高齢の会員は83歳。現会長の宮本健次さん(70)は「会員が減少し、高齢化している。30人いた会員が今は11人となった。ボランティアを募集している」と言う。

月1回の草刈り作業に集まった桜川ふるさと自然再生の会の会員=10月22日

週末、広場を訪れていたスリランカ出身で市内在住のテンナコーン・スメダさんは、ほぼ毎週末、同郷の仲間たちでこの場に集まって交流をしている。「とても良い所で気に入っている。今日はお昼から子どもたちも入れて20人くらいで集まろうと思っている。広いので子どもが遊ぶのにいい」。市内から来たソロキャンパーの男性は「お気に入りの場所で、時々来ている。あまり人に教えたくない所かも」。週末の広場には市内外のナンバーの車が停まり、テントを張ってコーヒーを入れたり、風景を眺めたりして静かに過ごす人々が見られた。

芝生の広場は30日から来年3月15日まで、桜川の川幅を広げる工事のため一般の利用ができなくなる。工事は、国の「防災・減災、国土強じん化のための5カ年加速化対策」事業を活用して実施される河川掘削工事で、工期は今年8月から来年3月まで。土浦市田土部とつくば市栗原の桜川で工事が行われている。川の流れをよくするため1万平方メートルにわたって掘削するもので、事業費は約6000万円。(田中めぐみ)

◆桜川ふるさと自然再生の会の次回草刈り作業日は11月18日(土)。参加申し込み、問い合わせは出電話029-857-6147(宮本健次会長)へ。

➡「桜川と共に」の過去記事はこちら

横瀬夜雨の小貝川堤《写真だいすき》25

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夜雨の生家近い小貝川堤は、今はきれいに整備され、詩碑の傍には舗装道も通っている。夜雨はこのあたりに腰を下ろし、筑波山の四季の移ろいを眺めていたのだろうか(写真は筆者)

【コラム・オダギ秀】横瀬夜雨の小貝川堤。悲しみを託して詠(うた)った詩が、その悲しみゆえに世間に称賛され、どんなにもてはやされたとしても、その悲しみが癒やされるわけでは、決してない。下妻市横根。筑波山を仰ぐこの地をぬい、小貝川が流れている。川堤には、草木に覆われて、うずくまるように詩碑がひとつ立っている。

花なる人の恋しとて

月に泣いたは夢なるもの

破れ太鼓は叩けどならぬ

落つる涙を知るや君

「やれだいこ」と題されたこの詩の作者は、横瀬夜雨(よこせやう、1878~1934)といい、茨城の3大詩人のひとりと言われている。

夜雨の家は近在に知られた豪農だったが、彼は、3歳の時、くる病に罹(かか)り、2年遅れて小学校に入学、成績は常に一番であったという。だが4年の時に骨身にしみる屈辱感を味わい、以来登校せず、自宅にこもって読書独学し、詩作を始めた。そんな中、夜雨は、近隣の美少女 琴に思いを寄せたが、彼女は間もなく嫁いでしまった。

叩けど鳴らぬ破れ太鼓

詩碑の「やれだいこ」は、くる病と、進学もできなかった劣等感を負った夜雨が、初恋と失恋の中で月に泣き、自らを、叩けど鳴らぬ破れ太鼓と自嘲した詩なのであった。が、夜雨の悲しみを詠った心とは裏腹に、彼の詩の評価は彼の成長とともに高まった。

夜雨の詩に惹(ひ)かれた文学少女が、夜雨を訪ねて来たことも再三あったという。だが、薄暗い部屋にうずくまる彼の姿を見て、逃げるように帰って行った者も少なくはなかったと伝えられている。

異性へのあこがれと孤独とを胸に抱きながら青春時代を過ごした夜雨は、ちょうど川堤の詩碑のあたりに腰を下ろし、筑波を望むのが常であったらしい。筑波山の朝夕の色の移り変わりを眺めて、心を満たしていたのだろうか。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

市職員2504人の住民税4890万円を滞納 つくば市

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つくば市役所

つくば市は27日、市役所職員2504人の9月分の住民税計4886万8500円を、納付期限までに職員が居住する各市区町村に納めるのを怠ってしまったと発表した。

市職員の住民税は給与から天引きし、翌月10日の期限までに、事業主の市役所が、各職員が居住する計48の市区町村に納めることになっている。市は、インターネットを使って納税を行う「eLTAX(エルタックス)」という地方税電子納付システムを利用して納付手続きを行っている。

市人事課によると、給与から控除した金額をeLTAXに紐づく登録口座に移動させる際、パソコン画面上で手動で行う事務処理を怠ったのが原因という。この作業は毎月、人事課職員が行っているが、9月分については漏れてしまったとしている。

26日に笠間市から問い合わせがあり発覚した。調査したところ、市職員ほぼ全員の9月分の住民税が、納付期限を過ぎているのに納付されていなかった。

市は、納付先の48市区町村に電話して謝罪、27日に全額を納付した。一方、同一市区町村に納付者が100人以上いるつくば、土浦、牛久、つくばみらいの4市については延滞金が計約4万8000円生じる見込み。

再発防止策として同課は、納付の事務手続きを再確認し、複数職員によるチェックシートを用いた確認を徹底することで再発防止を図りたいとしている。

子供たちが仮装しハロウィンイベント つくば、土浦で今年も

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昨年の第1回けんがくハロウィンの様子(けんがくまちづくり実行委員会提供)

31日のハロウィンを前に、つくば、土浦で住民団体によるハロウィンイベントが週末の28、29日に開催される。子供たちが仮装して街を歩く。

ごみを拾いながら つくば

つくば市では、研究学園駅周辺地区で活動する「けんがくまちづくり実行委員会」(島田由美子代表)が29日、同駅周辺と近くの学園の杜公園で「けんがくハロウィン2023」を開催する。昨年初めて開催し(2022年10月19日付)、今年2回目。仮装した子供たちが、ハロウィンかぼちゃと同じオレンジ色のごみ袋を持ってごみ拾いをしながら、駅周辺の店舗を回りお菓子をもらう。

試作したランタン(同)

駅前の不動産会社、ホテル、飲食店など、昨年より3店舗多い約26店舗が子供たちにお菓子を配る。ほかに、オレンジ色のごみ袋に色紙を貼ってハロウィンかぼちゃの顔を描いたり、賞品が当たる仮装コンテストなども催す。今年は新たに、かぼちゃをデザインした袋でランタンを作り、学園の杜公園に150個つるし、雰囲気を盛り上げる。

現在約2万人が住む研究学園駅周辺の開発地区は、市内外から新たに転居してきた住民がほとんど。代表の島田さんによると、同地区では多様な住民団体がさまざまな活動をしているが、住民同士や住民団体同士の交流が少ない、地元商店などとの関わりが少ない、駅前飲食店街はごみのポイ捨てがあるなどの課題がある。

代表の島田由美子さん

島田さんは「新しくできた街はコミュニティが熟成されるのに時間がかかる。(研究学園駅周辺の)けんがく地区には課題やテーマごとに活動している住民団体のコミュニティがある。多様な団体が連携し、強み、得意を生かすことで、街の成長につながっていくのではないか」と話す。

ハロウィンイベントは、同駅周辺でごみ拾いをしている住民団体「研究学園グリーンネックレス タウンの会」(島田代表)の活動から発生した。ごみ拾いに協力した子供たちに、駅前の商店が詰め合わせのお菓子などを店頭でプレゼントしたことが始まりという。

第1回の昨年は地域住民約600人がハロウィンに参加。イベントを主催した同実行委は、イベントを通して住民団体同士の緩やかな関係や地元商店との協力関係を構築し、にぎわいを生み、ごみ拾いにより美しいまちづくりにも貢献したなどとして2022年度の「つくばSDGsアワード」を受賞した。

島田さんは、今年はさらに参加者が増えると期待しており、昨年4月から始まった「研究学園さくらまつり」(22年3月30日付)と併せて、「けんがくハロウィン」を春と秋の二大イベントとして定着させたいという。

◆つくば市の「けんがくハロウィン2023」は29日(日)午後2時~4時45分、同市研究学園5丁目の学園の杜公園に集合。参加は事前予約不要。駅周辺の店舗でお菓子をもらえる「トリック・オア・トリート」の対象は中学生以下の先着300人。ほかに仮装コンテスト、ハロィンゴミ拾い、ハロウィンクラフトなど。詳しくは同実行委のインスタグラムへ。

スタンプラリーで街歩き 土浦

「土浦ハロウィン」は、コミュニティバス「キララちゃんバス」を運行するNPOまちづくり活性化土浦が、28日午後1時30分から、土浦駅前の「アルカス土浦ひろば」などで開催する。「ゴイスーな仮装で大賞をGET!」「土浦の街をスタンプラリーで歩いてお菓子をもらおう」などの企画がある。昨年を上回る150人の参加者があり、すでに定員に達している。(榎田智司)

里山の鳥 モズ《宍塚の里山》106

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モズ(筆者提供)

【コラム・片山秀策】今回は、秋になると里山で目立ち始める野鳥、モズについて紹介します。モズは、スズメとムクドリの中間の大きさで、里山だけでなく市街地でも見られる鳥です。漢字で「百舌鳥」と書くように、ウグイスなど他の鳥の鳴きまねが得意です。

関東では1年中いるのですが、秋から春にかけて鳴き声を出したり、子育てをするなど活発に動き回るので目立ちます。童謡「モズが枯れ木で」で歌われるように、木や電柱の天辺(てっぺん)で「キチキチキチ」や「キーィ」と鳴き声をあげる「高鳴(たかな)き」を始めると、秋が到来します。

モズの高鳴きはエサが少なくなる冬の訪れに向けての縄張り宣言で、縄張りが見通すことのできる高い場所で鳴くのです。縄張りに入ってきた別のモズを見ると、雌雄に関係なく追い払い、時には激しくつかみ合いになることもあります。

「モズの高鳴き七十五日」ということわざがあって、高鳴きを初めて75日目に初霜が降るということで、農作業の目安にしている地域もあります。

モズの貯蔵食のハヤニエ

モズのエサは主に昆虫やカエルなどの小動物ですが、ネズミや小鳥など自分の体と同じくらいの大きさの動物を狩ることがあるので、「小鳥の猛禽(もうきん)」と呼ばれることもあります。猛禽は脚で獲物を捕まえますが、モズはクチバシで獲物をくわえて捕まえます。

狩った獲物はすぐに食べるだけでなく、木の枝や棘(とげ)に刺して冬の間の保存食にする「早贄(ハヤニエ)」を作ります。ハヤニエは他の野鳥では見られない行動です。注意して見ていると、イナゴ、カエル、ネズミ、トカゲなどが刺さっているのを見ることができます。ザリガニやカタツムリのハヤニエを見たことがあります。

ハヤニエ(筆者提供)

モズは里山で冬を越す野鳥の中で一番早く、2月初旬ごろから繁殖を開始します。そのころは、オスがエサを持ってメスにプロポーズします。メスが雛(ひな)のように羽を震わせてエサをねだると、結婚成立になります。低木や竹林に巣を作り子育てして、4月ごろに巣立ちヒナが見られるようになります。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

「勉強頑張り会話力身に付けたい」 つくば国際語学院で後期入学式

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緊張した面持ちで入学式に臨む新入生ら=つくば市小野崎、つくば山水亭

学校法人つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長兼校長)の後期入学式が26日、隣接する料亭、つくば山水亭で催された。中国、韓国、バングラディシュ、イランなど8カ国から計20人が入学し、出身国や地域の民族衣装やスーツ姿で式典に臨んだ。東郷理事長からは、新入生一人ひとりに学生証が授与された。

祝辞を述べる東郷治久理事長

東郷理事長は「当校の教育理念は、日本語を楽しく学び、日本を好きになってもらうこと。学校で先生や友達と会ったら元気にあいさつし、たくさん日本語を使って上手になってください。つくばには多くの研究機関や教育機関があり、勉強に集中したいならつくばよりいい場所はない」などと祝辞を述べ、「当校のように多様な国籍の学生が在籍している日本語学校はほかにはない。私たちの学校は、世界をぎゅっと小さくしたような場所。さまざまな文化があり、さまざまな人がいる。自分の国で暮らしているだけでは得られない体験をすることができる。大いに交流を深め、心身ともに成長し、真の意味で留学を楽しんでください」などと語り掛けた。

新入生を代表して韓国出身のホン・ヨンギさん(24)があいさつし「先輩たちがそうだったように、新入生たちも皆、心配な気持ちで母国を出た。見知らぬ土地で生活するのは怖いが、日本の美しい風景ときれいな街、おいしい食べ物、親切な人たちを見れば日本に来てよかったと思う。入学した以上は、毎日の日本語の勉強を頑張り、流ちょうな会話力を身に付けること、友達との付き合いを大切にし、楽しい思い出を残すことの二つを目標として頑張っていきたい」などと述べた。

新入生を代表してあいさつする韓国出身のホン・ヨンギさん

在校生を代表して歓迎の言葉を述べた中国 内モンゴル自治区出身のシェン・ウェンジェさん(23)は、2022年7月に中国の大学を卒業した。日本への留学を決めていたが、コロナ禍で出国できず、今春ようやく入学を果たしたばかり。当時を振り返り「コロナの影響で漠然とした不安と焦燥感でいっぱいだった。夢もなく、やりたいこともなく、日本に来るまでそんな思いを抱えたままだった」と話した。さらに「(留学が決まってからも)コロナの影響で国から出ることができなかったので、やりたいことをやるために目の前のやりたくないことをやる、学校が終わったら寝ないでアルバイトに行って、空いた時間を見つけて勉強する、そんな日々を過ごし、夢を追いかけるのを諦めようと思ったことが数えきれないくらいあった」と語った。しかし「諦めようと思った回数よりも、留学というたった1回のチャンス、将来への希望、夢を実現したいという気持ちが支えになった」と当時の思いを話し、新入生に向けて「人生はつらいことの方が多いが、やり直しはきかない、絶対、夢をかなえてみせる、そう思って頑張っている。自分のやりたいことを見つけてやり続けることに必ず意味はある」などと語った。シェンさんは卒業後は日本の大学院進学を目指しているという。

同校には4月に入学し2年間学ぶコースと、10月に入学し1年6カ月学ぶコースなどがある。

入学式に出席した新入生、在校生、教職員らの記念写真

わんわんランド貸し切りで学園祭 28日、つくば国際ペット専門学校

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学生や来園者でにぎわう昨年の犬友祭の様子=つくばわんわんランドのシンボル、木造犬展望台「モックン」前の広場

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田)が、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして28日、学園祭「第14回犬友祭(けんゆうさい)」を開催する。犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちがさまざまな企画を用意し、勉強の成果を披露する。愛犬と一緒に障害物競走「アジリティー」に参加したり、わんわんランドの犬と触れ合ったりすることもできる。

2023犬友祭のチラシ

ペットケア総合コースは、毎年来園者から好評を博しているドッグレースを企画。同校の学生らが勉強のために毎日共に過ごしている「パートナードッグ」の中から選ばれた約15匹が出場し、3レースを行う。スイートポテトやさつまいもチップスなど愛犬のおやつを手作り体験する企画も開催する。

ドッグトリマーコースは、愛犬用のチョーカー(首飾り)やキーホルダーなどのオリジナルアクセサリーを手作りできる「ワンドメイド」や、さまざまなテーマのフォトスポットを企画。手作りしたアクセサリーを付けて、愛犬と写真を撮ることができる。

愛玩動物看護師コースと動物衛生看護コースは、愛犬の心拍数や呼吸数、体脂肪率を計測し、健康チェックを行う。

ドッグトレーナーコースはパートナードッグと共にドッグダンス、団体訓練、アジリティーの3部構成で息の合ったパフォーマンスを行う。

また1年生や3年生の12チームが模擬店を出店し、グルメコンテスト「OKAWRI」を開催。フォトスタジオのアンシャンテナチュレ(つくば市花室)が協賛し、記念フォト用のブースも出展する。犬友祭初となるバンドのライブコンサートも催される。

学園祭実行委員長でペットケア総合コース2年の沼田美里さんは「人も犬も楽しんでいただけるイベントをつくれるよう全校生徒で頑張ります。皆様のご来園をお待ちしております」と呼び掛ける。

同校は今年4月、ジャパンケネルクラブ主催のトリミング競技大会で優秀養成機関賞を受賞。昨年の犬友祭は、好天の下2000人以上が来場し、愛犬と一緒にイベントを楽しむ親子連れが多く見られた。(田中めぐみ)

◆犬友祭は28日(土)午前10時から午後3時半(入園は午後2時30分まで)、筑波山麓のつくば市沼田579、つくばわんわんランドで。犬友祭時の入園料は大人200円、子ども100円。

「体験王国いばらき」待ち営業⇒積極的アピール 《遊民通信》75

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【コラム・田口哲郎】

前略

JR常磐線の普通列車にヘッドマークがついており、「体験王国いばらき」とありました。デヴィ夫人が女王だと宣伝していましたが、なんだろうと思って調べてみました。

特設のホームページがあり、「体験王国」キャンペーンは、茨城県とJR、関連業者など、全県をあげて行なう国内最大の観光キャンペーンとのことだそうです。

コンセプトは「コロナ禍で変わるライフスタイルと旅行への意識。体験の質、感動の深さ、日常生活へのフィードバック。茨城DC(デスティネーションキャンペーン)では、本県の強みである3つのテーマに沿ったコンテンツを組み合わせ、一人ひとりの“ものさし”に寄り添える、新たな茨城観光のカタチを提案していきます」とあります。

観光もコミュニケーションの時代

コロナ禍で変わったのはライフスタイルだけではありません。街と人の関係性が変わりました。とくに関東は東京一極集中があり、東京に物理的に行かなければ、買い物も娯楽も観光もなかったものが、オンラインが発達したおかげで、東京に行かなくても済むようになりました。

人びとが東京に向けていたお金と時間が、ほかの行き先を求めています。寝に帰るだけだったベッドタウンにも観光の魅力があるはずだと、いま、あらゆる自治体が自らの街の魅力を探して、アピールしています。

東京は海外からの観光客にアピールし始めています。昔は東京といえども首都機能と居住環境が混在した都市でした。しかし、いまは「お・も・て・な・し」の精神があふれ、どこも自らの魅力を意識して、発信力を高めている印象です。庶民の生活の苦しさとは裏腹に、街自体がショーケースのようにきらめいている感じがします。

国策の実験場である東京は別として、東京の郊外でしかなかった関東各県、とくに北関東諸県もインバウンドを呼び込むことに注力しています。名だたる観光地でも、たとえば価値ある古い建物がポツンとあるだけだと、期待外れ、などと言われる時代です。何万キロの旅程の果てに来日した観光客に、そんな期待外れを味わわせるわけにはいかない、という気持ちもあるでしょう。

魅了して、自分で体験をしてもらう

観光地は「みてもらう」から「魅了して、そして自分で体験をしてもらう」という、観光客側の立場になった工夫やアピールをしていることがうかがえます。

そうなると、観光の魅力度の価値は観光客の評価も重要なので、発信側がこれだけやりました!ということも大切なのですが、受け手の声を聞くことも大切になりますね。観光にも、人と人、1対1のコミュニケーションがより重視される時代の到来ですね。ごきげんよう。

草々

(散歩好きの文明批評家)

30人の受理日を不適正記載 つくば市選管 20年の市長選・市議選収支報告

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つくば市役所

つくば市は25日、2020年10月25日投開票で実施されたつくば市長選・市議選の同日選挙で、選挙後に同選挙管理委員会が作成し公表した各候補者の選挙運動費用の収支報告書要旨について、候補者44人のうち30人の受理日に関し、実際とは異なる不適正な日付を記載し公表していたと発表した。

同市長選は3人、市議選は41人の計44人の立候補者があった。市選管事務局によると、そのうち市長選候補者1人と市議選候補者29人の計30人の収支報告書要旨について、市選管が、実際の受理日とは異なる誤った日付を記載していた。

選挙運動の収支は、選挙を明朗で信用あるものとし、公正を保つため、公職選挙法で事務処理の手順や手続きが細かく厳格に定められている。収支報告書は、選挙執行後15日以内に、各候補の出納責任者が選管に提出することが定められている。提出を受けた選管は、収支報告書の書類を元に、候補者一人ひとりについて①選挙運動の収入と支出②公費で負担した金額③受理日などを、簡潔に1ページにまとめた同要旨を作成し、公表することになっている。

20年のつくば市長選・市議選はいずれも、11月9日が選挙運動収支報告書の提出期限で、市選管は翌年2月15日付で同要旨を市役所正面玄関前の掲示板に掲示し公表していた。

一方、今年8月上旬、市民から収支報告書の情報開示請求があり、受理日の不適正記載が発覚した。発覚を受け市選管事務局が候補者全員の収支報告書要旨を調べたところ、候補者44人のうち30人について誤りがあったことが分かった。

30人のうち28人については、提出期限の11月9日より前に収支報告書の提出があり、実際の提出日の受理印が押されていたにも関わらず、その後、市選管が作成した同要旨は、受理日が11月9日と記載されていた。1人については実際は11月9日に提出があったにもかかわらず、同要旨の受理日は11月6日だった。残りの1人は、翌年1月13日に報告書が提出されたが、同要旨の受理日は提出期限の11月9日となっていた。

市選管事務局は、当時の職員に、公選法に基づく事務処理の認識が不足していたことが原因だとし、再発防止策として、職員の事務処理における文書取り扱いの内容や手順を再確認し、複数の職員による記載内容の確認を徹底するとしている。

今後の対応については、不適正記載があった30人の候補者の収支報告書要旨の受理日を正しい日付に訂正し、今後、改めて公表すると共に、事案発生の原因を検証するとしている。

発覚から公表まで2カ月以上かかった理由については、選挙管理委員会を開催して説明し、さらに当時の職員全員に聞き取り調査を実施し、弁護士や県選管に対応を相談などしたことから時間がかかったとしている。

環境研、つくばこどもの森保育園など 自然共生サイトに認定

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「つくば生きもの緑地in国立環境研究所」を紹介する石濱さん。足元には一面にワラビが生い茂る

環境省の新たな取り組み「自然共生サイト」に、つくば市内から申請していた国立環境研究所(同市小野川、5月3日付)とつくばこどもの森保育園(同市沼崎、22年3月30日付)、戸田建設筑波技術研究所(同市要)の3カ所が認定を受け、25日認定証が授与された。

環境研とこどもの森保育園の両者は今後、環境研究機関と幼児教育・保育の専門家というそれぞれの強みを生かし、生物多様性とその恵みを次世代に伝える取り組みを連携して進めていくという。

自然共生サイトは、2030年までに地球上の陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全するという国際目標「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」に貢献するため、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を認定する制度。広大な原生自然だけでなく、公園や事業所緑地などの身近な自然も認定対象としている。

ノウハウ共有も評価

今では希少になってしまった秋の花、ツリガネニンジン=国立環境研究所内

環境研では、構内の敷地面積約23ヘクタールのうち、5.1ヘクタールを「つくば生きもの緑地in国立環境研究所」と名付け、植生保全優先区域とした。創設50周年を迎える同所は、構内緑地としてアカマツやコナラなどの雑木林を残しており、研究学園都市ができる前からの里地里山の自然が維持され、希少な動植物の生息も確認されている。

今回の認定では、同所が中心となって取り組んでいる「つくば生きもの緑地ネットワーク」の取り組みも高く評価された。つくばの研究機関や事業所などの構内にある緑地を、保全・管理のノウハウなども共有しながら適切に守り、地域の生物多様性の保全に貢献しようというものだ。「重要なのはきれいに管理しすぎないこと。刈ってしまうと花が咲かなくなる植物もある。区域の特徴によって草刈りの頻度を変えたりすることで、多様な生き物が住みやすくなる」と、同所生物多様性領域主幹研究員の石濱史子さん。

教育システムが評価

つくばこどもの森保育園では、0.2ヘクタールの園庭ビオトープが認定を受けた。同園は2012年の開園当初から、隣接する「豊里ゆかりの森」との有機的なつながりを基に、日常的に自然環境の中で生き物と触れ合って遊び学べる「ビオトープがある保育園」を特色としてきた。農家や造園家、樹木医らの協力を受け、職員もビオトープ管理士などの資格を取得して維持管理に励み、21年の全国学校・園庭ビオトープコンクールでは環境大臣賞を受賞した。

園庭ビオトープのプレゼンをする古谷野園長=環境研内

「今回の認定では、原体験活動を通じて自然や人への思いやりの気持ちを育くむ教育システムが特に評価された。今後も人と自然が上手に共生できる考え方や仕組みを醸成できるよう、地域の関係者有志と連携し、子どもたちの未来につながる持続的な活動をしていきたい」と、園長の古谷野好栄さん。

同園の自然共生サイトへの申請にあたっては、環境研側から声掛けがあった。「環境保全には活動する人を育てることが必要。環境教育が大事だと考えており、園の取り組みを見て素晴らしいと感じた。われわれは子どもに教える専門家ではないので、例えば危険な生き物への接し方など、どうすれば子どもたちにうまく伝わるか、園から学ばせていただきたい」と石濱さん。「環境研はわれわれと違って規模も大きいし、専門家が大勢いることが心強い。いろいろと勉強させていただきながら連携を進めていきたい」と古谷野さん。

民間などが管理する緑地が自然共生サイトの認定を受けるメリットとしては、取り組みが「見える化」することが最大の効果だと、石濱さんは話す。「活動支援企業とのマッチングもしやすくなり、持続性向上も期待できる。他の研究機関などにも登録を呼び掛けており、われわれの経験を共有して促進したい。つくばは身近な公園などにもいい自然が多い。保全の方法を伝えて管理に役立てていただきたい」と、今後いっそう活動を広げていきたい考えだ。

戸田建設筑波技術研究所(同市要)は、在来植物で構成されるビオトープを核とする0.4ヘクタールの緑地が認定を受けた。(池田充雄)

永田氏再任へ 筑波大 学長選考行わず

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筑波大学(つくば市天王台)は24日、任期満了に伴う次期学長予定者に、現学長の永田恭介氏(70)が決定したと発表した。学長選考は行わず、学長選考・監察会議(議長・河田悌一元関西大学学長、学内・学外委員各10人で構成)の再任審査により決定した。再任後の任期は来年4月1日から2027年3月31日までの3年間。文科相が任命する。

同大の学長選考要項によると、学長の任期が満了する時は、学長候補者の中から新たな学長の選考を行うことになっている。一方、再任される場合の任期が新たな中期計画期間にまたがらず、現学長に再任の意思がある場合は、学長選考は行わず、学長選考・監察会議が再任の審査をすることになっている。

今回、現学長が再任された場合の任期は第4期中期計画期間(22年4月~28年3月の6年間)内にあり次の第5期計画にまたがらないこと、永田氏から再任の意思が示されたことから、新たな学長の選考は実施しなかったという。

再任審査にあたって同会議は5月24日と9月20日、手順の確認と検討を実施、さらに永田氏から提出があった業績調書と所信表明書に基づいて10月24日、永田氏と面談した。

審査の結果、永田氏は人格が高潔で学識に優れ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営する能力を有していること、情熱と実行力を有し、ビジョンを明示しながら中期計画を策定・推進し、大学の卓越性を高めるーとして次期学長予定者に決定した。

永田学長は東京大学薬学部薬学科卒、国立遺伝学研究所助手、東京工業大学生命理工学部助教授、筑波大学基礎医学系教授などを経て、2013年4月から同大学長を務める。

前回、2020年の学長選考では、永田氏の再任をめぐって、最長6年だった学長任期の上限が撤廃されたこと、教職員の意見聴取で対立候補の得票数の方が多かったことなどから、同大の教員有志らでつくる「筑波大学の学長選考を考える会」(共同代表・竹谷悦子、吉原ゆかり教授)が選考プロセスの正当性を問う声を挙げている(20年10月21日付23年3月27日付)。

土地の守護精霊「ゲニウス・ロキ」《訪問医は見た!》5

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写真は筆者

【コラム・平野国美】今日は、最近知り得た知識を駆使して、お話をさせていただきます。テーマは「地霊(ちれい)」です。オカルトの姿を見せられるかと、嫌な予感をされる方も多いと思います。NEWSつくばも、コラムニストの人選を間違えたと悔やんでおられるかもしれません。でもご心配なく。職業柄、スピリチュアル、オカルトとは一線を引いております。  

この地霊とは、ローマ神話における土地の守護精霊ゲニウス・ロキ(genius loci)の和訳で、大地に宿る精霊や霊的存在を示す言葉なのです。やはり、スピリチュアルかとお思いでしょうが、今の欧米では「土地の雰囲気」や「土地柄」を意味し、本来の守護精霊を意味することはなくなっています。

ノスタルジアという単語が、元はホームシックのような精神科用語であったのが、今は「過去に対する懐かしさ」を意味するようになったように、言葉の意味が変遷したのでしょう。

叱られてしまいますが、学者が設計した計画都市は面白くありません。かつての学識者が私の患者さんとなり、うそか真実かわかりませんが、飛行機から見たレニングラード(現在の名称はサンクトペテルブルク)のような風景の都市を造りたいと語っていた記憶があります。

「つくばシンドローム」という言葉

職住一体型の計画都市=つくばの黒歴史として、「つくばシンドローム」という言葉を覚えている方もあるかと思います。提唱者は、筑波大学医学系の名物教授であった小田晋先生です。

小田先生は、授業で「人間にとって街路は曲がりくねっていなくては駄目。真っすぐなんてありえない。駅前だって、赤提灯があって、ちょっと酔って、電車に30分ぐらい乗って帰らなくては、職場から家へのリセットができない」と、学者らしからぬ話をされていました。しかし、先生は大事な公衆衛生の話をされていたのだと、今、思います。

その後、つくばから東京駅へのバスの運行、そして、つくばエクスプレス(TX)の開通によって、こういった問題は解消されていったのです。つくばに限らず、政治家や都市工学の専門家は機能的な街を提示します。TXは通ったものの、この街には多様な居場所がまだ形成されていないと思うのです。逆に壊されたかも…と。まだ、「地霊」が宿っていないかも知れません。

地霊ゲニウス・ロキとは何でしょうか? 秘められた時間や歴史を大衆が織り込んでいくこと? 私は、上の写真のネオンサインとかに「地霊」を感じます。見慣れた永谷園のネオン、姫路駅前の揖保乃糸のネオンに。ああ、ここへ来たのだと気づかせてくれるパワーを感じます。これを見つける感性も必要なのだと思うのです。(訪問診療医師)

大正建築の米蔵に価値を見出す【つくば 古民家利活用】下

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米蔵内

つくば市栗原の古民家、郷悠司さん(30)の下邑家住宅でワイン試飲会が終わる頃、母屋と正対する米蔵にトラックが乗りつけられた。建築業者が手際よく杉材の床板168枚の搬入を始める。

老朽化した米蔵の床板を張り替えるワークショップだ。NPOつくば建築研究会(坊垣和明代表)が、古民家の長屋門に宿泊機能を付加しようという「もん泊プロジェクト」(20年9月9日付)の派生イベントとして企画した。

搬入された床材

江戸時代から農家を営んできた下邑家は、栗原の別住所から現在地に移り住み、地主となり、小作人も増えていった。質屋も始めるようになり、米蔵は、収穫されたコメの保管場所として大正時代に建てられた。

郷悠司さんの両親、則夫さんと晴美さんによると、米蔵は1921(大正10)年の建築で、2階建て、148平方メートル。「昔は白壁だったそうだが、戦時中、爆撃の目標とならないよう炭で黒く上塗りされたのが今の姿」。郷家では正確なところはわからないとしながらも、戦後の一時期、GHQが食糧倉庫として接収したという逸話があり、実際に英文を刻んだ木製のプレートが残されている。

ひさしを支える梁(はり)が一本の木で継ぎ目のないところが建築として自慢になるそうだが「床板は古くなり重量物を置くことが危険になった。内壁も、特に東日本大震災の地震で痛みが進んだ」。

「古い屋敷を維持するのは、なにかと手間がかかる。私の代では意識しなかったことだが、これを次代に継承させることを考えると、躊躇(ちゅうちょ)する」

則夫さん、晴美さんは、このような悩みをつくば建築研究会に話してきた。このことから同研究会は、長屋門の宿泊機能づくりと同様に、古民家や古建築の維持保存についても「もん泊プロジェクト」に取り入れた。

利活用のためにまず健全保存

米蔵の床はこれまで、土台の補強や修理を施し、新しい床板を打つところまで進んでいる。ワークショップは、米蔵を広く紹介しながら、実際に床板の張付けを体験してもらうという内容だ。

現場では、サポートで参加している建築業者のスタッフが床材を寸法に合わせて裁断し、参加者を指導しながら打ち付けていく。日常では体験する機会のない作業だ。建築業者は上郷地区で伝統的建築物を主体とした仕事を請け負う建明(望月聡志社長)。古民家のリノベーション、改修、古材を活用した新築に関してはエキスパートで、研究会の活動に関心を寄せている。

この日を含めて3度の体験会を計画。年内に板張りを済ませ、来年2月18日に開催する市民シンポジウムでお披露目する考えだ。

(左から)建明の望月社長と、つくば建築研究会の坊垣理事長

研究会の永井正毅副理事長は「本年から市内の古い街並みを訪ね歩く『みちあるき』を行事化しているが、会員外の一般の方々の参加が増えてきた。今回の米蔵修繕にも会員外から2人の参加者があった。古民家や古建築に興味を持っていただけるという感触を感じられるようになっている。これは言い換えれば、地域と人々をつなげるという、研究会がやりたかったことや、やっていかねばならない課題だと思っている」と語る。

道草が縁を生む

ひとつ問題がある。郷さん宅が所在する栗原地区は都市計画上、市街化調整区域にあたり、米蔵修繕後の利活用には制約がかかる。例えばこの空間でカフェなどの運営は難しいため具体的な運営内容は決まっていない。郷家が矢面に立ち、研究会は様々な形でこれを支えることになる。

「市街化調整区域の都市計画変更は市に働き掛けるほかないが、市に納得いただけるように、まずは形をつくることに精進したい」と悠司さん。母屋でのイベント同様、悠司さんは実績を積み上げることを重視している。さらに栗原地区の将来をけん引できるような利活用方法を考えている。

下邑家の米蔵

ところで、ワイン試飲会の参加者は郷悠司さんを「7代目」と呼んだが、彼はまだ下邑家の世襲はしていない。現在の6代目は彼の伯父にあたる人物が家督を継いでいる。「SNS上でつながった全国の皆さんの応援も活動の原動力になっている。皆さんからいただいた力をきちんと形にできるように頑張りたい。いろいろなことが整った暁には、つくば市や国内の古建築保存に向けて活動していきたい」と悠司さん。

つくば建築研究会の坊垣和明理事長は「もん泊そのものにはまだ多くのハードルがあり、短期間で実現するのは難しい。しかし時間の経過とともに建築は痛んでいく。江戸期や明治、大正の建物が現存するつくば市は、貴重な古建築の集積地。これまでの調査研究では、市内に所在する長屋門だけでも200を超える。全国的にも珍しい都市と農村の融合地。もん泊プロジェクトは目下、”道草”をしているが、道草こそ、こうした出会いや保存のきっかけを発見できると考えている」と述べる。(鴨志田隆之)

終わり

こんぴらふねふね《続・平熱日記》144

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絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】随分早い時間に起きて余裕を持って家を出たのに、はたとホームで気が付いた。新幹線に乗り遅れることに。スマホの便利さに油断した。出発時刻と所要時間を勘違い。気を取り直して、30分後の「のぞみ」自由席に乗車。東京駅で辛うじて変更できた岡山から四国に渡る特急の指定席は1席だけ空いていたのだが、岡山でホームに入ってきたのはアンパンマン号。

何となく嫌な予感。車内もアンパンマンのキャラクターで埋め尽くされていて、ほとんどがお子さん連れのファミリーの中、おっさんが1人。場違い感がハンパない。

しかし、アンパンマン越しに見る瀬戸内の島々は格別だった。俯瞰(ふかん)する景色には大小の島々が遠くまで続く。そしてついに四国、丸亀に初上陸。駅前の猪熊源一郎美術館を横目に、「ディメンションZERO展」を開催中のあーとらんどギャラリーに向かう。

到着早々、ちょうどお昼ということで、オーナーの山下さんに近所のうどん屋へ連れていかれる。それから予定を聞かれ、金毘羅さんには行きたいと告げると、夕方には戻ってこられるだろうから、今日は丸亀に泊まっていけばいいと言われて、知り合いのシェアハウスを紹介された。

「金毘羅さんには列車やなあ」。電車ではなくて列車? 山下さん曰(いわ)く、四国は電化されていない鉄道が多いからだという。30分ほどで琴平駅に降り立つ。金毘羅さんは象頭山の懐にあって七百八十五段の石段を昇るらしい。

しかも、ここにきて9月も終わりだというのに、ぶり返してきた暑さが尋常ではない。吹き出る汗。足はガクガク。しかし、杖をついて降りてこられる年配の方々のお姿を見ると、弱音は吐けない。やっとの思いで御本宮までたどり着く。

途中にある「高橋由一(鮭の絵は教科書などでお馴染み)館」をぜひとも訪れたいと思っていたのだが、冷房の効いた館内を暑さ対策のために無料開放していたのにはありがたいやら驚くやら。おかげで汗が引くまでゆっくりと作品を見ることができた。

金毘羅旗の御利益で大漁

夕刻、名物の骨付きもも肉にかぶりつきながらの美術よもやま話。他の個人商店と同様に、街からギャリーが消えていく昨今。ギャラリストとして、また丸亀を愛する方として山下さんの心意気が伝わってきた。

翌朝、丸亀城(これまた想像を超えた石垣の高さ)に登る。山下さんには朝のうどん(早朝から営業している)までお付き合いいただいて、駅でお別れ。それから山口の弟のところに向かった。

翌日、周防灘に出航。実は金毘羅さんが舟や漁の神様であることを知り、弟の舟に「海上安全」の旗を買ってきていたのだ。こんぴらふねふね 追手に帆掛けて しゅらしゅしゅしゅ…。その御利益か、その日は大漁。

良型のアジに混じって、特大のウマヅラやタイ。強烈な引きの正体は初めてみるアイゴ。背びれに毒があって独特の匂いもあるというが、持ち帰って刺身にしたら結構いけた。

帰りの新幹線は、平日だというのに同じような黒いスーツ姿の若者で混んでいた。後で内定式?の日だったことをニュースで見て、また日本に妙なセレモニーがあることを知った。

パクを受け取りに行ったら、マヨねえはパクとの散歩のおかげで、体重が減ったと喜んでいた。お土産には甘いものはやめておいて正解だった。庭仕事が趣味の彼女に、山口の道の駅で買った、よく根っこが取れるという草取り用のコテを渡した。(画家)

地元ホテル、ワイナリーとコラボ【つくば 古民家利活用】上

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岩佐ソムリエ(左)によるワイン解説

つくば市栗原の古民家、郷悠司さん(30)宅(5月31日付)で、古民家の価値と利活用をアピールし、維持保存につなげようとする試みが始まっている。「下邑(しもむら)家住宅」と呼ばれ、江戸時代後期に建てられたとされる古民家が舞台だ。

ホテルがツーリズム企画

夏前、つくば駅前のホテル日航つくばから郷さん宅に打診が入った。同ホテルが進めるローカルツーリズム「つくたび」(2月2日付)が、市内のワイン醸造場やブドウ生産農園を訪ね歩く企画で、古民家にも注目した。9月に第1弾が開かれ、下邑家住宅は第2弾としてオファーを受けた。「つくばワインでテロワール(ブドウ畑の自然環境)を愉しむ特別体験」をテーマに今月21日、催しが開かれた。

試飲会に提供された料理とワイン

「私の憧れだったワイナリーとのコラボが実現し、本当にうれしい。ホテル日航つくばも全く別世界の存在という印象でしたから、こんな機会をいただくことができ、家族全員喜んでいる」と郷さん。

郷さんによれば、今回のイベントは、同じ栗原地区でブドウ栽培とワイン醸造場を営むつくばヴィンヤード(Tsukuba vineyard、高橋学代表)=2020年10月16日付=と下邑家住宅を地域の観光資源として結び付けた。ブドウ畑では剪定(せんてい)作業体験、古民家ではワインの試飲会を実現させた。

ホテル日航つくばマーケティング部の林智一次長は企画の狙いについて「昨年スタートさせた『つくたび』では、ホテル内での食事やアミューズメントだけでなく、街に出て新しい発見をしてもらおうと考えた。当ホテルから比較的近い栗原の地を訪ねると歴史的文化や新しい農業などたくさんの魅力があったので、ブドウ栽培の体験と、古民家で食事を兼ねたワイン試飲会を提案した」と経緯を説明する。

今回は市内や近県から12人が応募し参加した。つくばヴィンヤードは市内で2番目のワイン醸造場だが、これまで一般人を招いた体験学習は行われていない。高橋代表も「何ごともまずやってみるもの」と今回のコラボを評価。「つくばのワインをアピールできる良い機会になる。今夏のような猛暑続きのシーズンは収穫を迅速に行わなければならないため、人手が不足するという経験をした。来シーズンも開いてもらえるなら収穫時期にお招きしたい。古民家でワインというのも面白い」と話す。

(左から)つくばヴィンヤードの高橋代表、ホテル日航つくばの林次長、下邑家住宅7代目の郷悠司さん

7代目が雄弁に物語る

古民家でワインという非日常的な体験を、参加者はどう感じたのか。千葉県から参加した高田浩さんは「ブドウの剪定も初めてのことだったが、かしこまらず、アウトドアにちょっと出掛けて何かを見つける、そういった楽しさを得られた。古民家を案内してくれた郷さんが若くして7代目ということで、居間に飾ってある代々の肖像画とも顔つきがよく似ていて、歴史があるという実感があった」と目を細める。

同じ千葉県から参加した赤間靖子さんは「初めは見ず知らずの人たちだったが、田舎の古い屋敷に親戚が集まったようで、すぐに打ち解けてくつろげた」と感想を述べた。

「つくたび」ののぼり旗を見掛け、そぞろ歩きをしていた人が庭に入ってきて屋敷を見学するという場面もあった。郷さんは「にぎわいを地域に広げてこその古民家利活用。まだそこまで実現していないが、マルシェやレンタルスペースのほか、今回のようなコラボ企画を続けて栗原の魅力を発信していきたい」と結んだ。ホテル日航つくばのつくたびは、来シーズンも栗原を訪れる予定だ。

下邑家の母屋

2017年から「邑マルシェ」

郷さん宅は、江戸時代後期の農家・商家の母屋226平方メートルを中心に、長屋門や土蔵、米蔵が保存されている。母屋はかやぶき屋根だったものが瓦からスレートに置き換えられたが、たたずまいは風格をたたえる。

しかし家族内で、家屋の存続問題は重くのしかかっていたという。「父の考えで官民学一体の栗原活性化プロジェクトというアイデアも出たが、古民家の価値を役所や企業に理解していただくためには利活用の実績が必要。2017年に母が邑マルシェをスタートさせ、昨年10月から私と妹の瑞季が加わって邑マルシェのSNS発信を進めている」と郷さん。

レンタルスペースとして古民家(母屋)の有償提供も行っている。市北部では古民家を活用して「iriai tempo」(同市北条)や「旧小林邸ひととき」(同市筑波)がコワーキングスペースや宿泊機能を提供している事例を参考にした。するとウエディング撮影やコスプレ撮影の予約が次々と舞い込んだ。テレビ局の取材も入り、全国放送のテレビ番組で放映されたことも注目度の高まるきっかけとなった。

つくば市の農村部には、江戸時代後期からある家屋や土蔵が多く存在する。地域の貴重な財産といえる一方、古民家の所有者にとっては建物の維持継承は難題となっている。建物を保存するためにも、利活用を通して維持費や修繕費をいかにねん出するかが課題となっている。(鴨志田隆之)

続く

開幕6連敗 ロボッツ、後半の失速が課題

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第1Q、茨城ロボッツ(青いユニフォーム)の中村がインサイドへ攻め込む(撮影/高橋浩一)

男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは21、22日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで大阪エヴェッサと対戦し、21日は83対100、22日は85対93で両日とも敗れた。Bリーグ2023-24シーズンは5日開幕、茨城はこれで開幕6連敗で東地区8位、大阪は6連勝で西地区首位。

2023-24 B1リーグ戦(10月22日、アダストリアみとアリーナ)
茨城ロボッツ 85-93 大阪エヴェッサ
茨城|24|23|13|25|=85
大阪|19|27|25|22|=93

第1Q、タプスコットがロングの守備をかわしシュートを決める(同)

21日は第1クオーター(Q)の失点が尾を引いて敗れた茨城ー。22日の試合は「ファーストパンチしていこう」と臨み、立ち上がりの約5分間で中村功平やチェハーレス・タプスコットの3点シュート、山口颯人のバスケットカウントなどで11得点を重ねた。この間、相手の攻撃に対しては24秒のショットクロックオーバーを2回起こさせ、奪われた点はフリースローによる3点のみ。前日は18得点14リバウンドの活躍を許した大阪のショーン・ロングに対しても、アンガス・ブラントやタプスコットらがよく封じ込め、厳しく守ることができた。

だが大阪は、途中出場の西川貴之や多嶋朝飛らの3点シュートがよく決まり、第2Q残り9分で逆転。その後も得点を伸ばし、残り3分で38-46と茨城に8点差をつけた。「相手はガードにもいいシューターがいて、ロングからのキックアウト(中から外へのパス)で3ポイントを確実に決めてきた。両方を止めるのは難しい」と、茨城のジェームズ・アンドリセヴィッチ スーパーバイジングヘッドコーチ(SHC)。

第2Q、ブラントが速攻からシュートを決める(同)

第2Q終盤で茨城は激しく追い上げ、最後のワンプレーで47-46と再逆転を果たす。残り2秒でのプレー再開から、鶴巻啓太が放った3点シュートが決まった。「スクリーンをかけてビッグマンをゴール下へ走らせるプランだったが、自分がノーマークになっていたので打った」と、彼の機転が生きた。

第3Qも途中までは競り合うことができていたが、残り3分ほどから引き離され最後は11点差。第4Qの奮闘でも点差は埋められず、試合終了となった。

第3Q、鶴巻が相手のタイミングを外してシュートを決める(同)

「昨日と比べてエナジーレベルは良かったが、リバウンドやターンオーバーの数などが大きかった」とアンドリセヴィッチSHC。後半、シュートやフリースローが入らない場面が続いたことについては、ベンチメンバーによる得点が茨城の24に対し大阪は51という「ベンチの深さ」の違いを挙げた。「われわれはメーンの6、7人をローテーションで回している状態。終盤は疲れてしまいシュート確率が低くなった。40分間いかに高いエナジーで戦い続けられるかが今後の課題」と話す。

幸い、平尾充庸らけが人も徐々に戻りつつあり、戦力は上向いている。次節での初勝利に期待したい。(池田充雄)

第3Q、山口のジャンプシュート

八郷で「懐かしい未来」を求めて《邑から日本を見る》146

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やまだ農園の茅葺き屋根の葺き替え作業

【コラム・先﨑千尋】石岡市八郷地区は有機農業の里だ。1974年に、首都圏の消費者たちが自ら安心安全な食べ物を作ろうと有機農業に取り組む「たまごの会八郷農場」がスタートし、1997年には八郷農協に有機栽培部会が結成された。その他にも、有機農業を志す人たちが思い思いの取り組みを始め、定着している。農協の有機栽培部会は今春、日本農業賞大賞に選ばれている。

ここで紹介する山田晃太郎さん・麻衣子さん夫妻は八郷では新参者だ。だがやっていることは他の有機農業者とは一味違う。どう違うのか。今月発刊された、2人と中島紀一さんの共著『やまだ農園の里山農業ー懐かしい未来を求めて』(筑波書房)で見ていこう。

2人が旧八郷町恋瀬地区で有機農業を始めたのは6年前。同地は筑波山地北端の山々の麓に広がる里山集落。3人の娘がいる。水田80アール、畑2ヘクタール、山林70アールを借り、「旬の野菜セット」を100軒ほどの消費者に食べてもらっている。

やまだ農園が他の有機農家と違うのは、生産から荷造りまで多くの人たちが携わっていることだ。子どもが通う保育園の仲間を中心に、多くの仲間が農作業に加わっている。6月の田植えには3歳から80歳まで延べ150人の人が参加し、長さ30センチほどの大きな苗を一本植え。子どもたちが田んぼの中を泳ぎ回る。

その他、稲刈りや柏餅づくり、生き物観察会、味噌(みそ)の仕込み、落葉集め、踏み込み温床づくりなど、1年を通してやまだ農園の茅(かや)屋根に人が集まる。それだけでなく、近所の年寄りも仲間に加わり、農作業や農産加工、村の暮らし方などを教えてくれる。

里山復活、人がつながる農園

山田さんたちは5年前に空き家になっていた茅葺(ぶ)きの家に出会い、屋敷ごと譲り受けることになった。築100年、養蚕用に建てられた45坪の大きな母屋で、いろりが2つある。

山田さんはこの茅屋根の家を、地域の人たちが伝えてきた農ある暮らしの豊かさを発信する場にしたいと考え、2021年には「八郷・かや屋根みんなの広場」というNPO法人を立ち上げてしまった。現在はこの家が活動の拠点。みんなが集まる場、学習の場となっている。ここでの活動を通じて「懐かしい未来」を生み出していくのが山田さんたちの目標だ。

この茅屋根は、補修用に大量のススキを集め、昨年春と冬に、茅葺き職人を中心に多くの人の手伝いを受け、見事な屋根に生まれ変わった。

この情報を得たNHKは、屋根の葺き替え作業を中心に、やまだ農園の活動を2年にわたって取材し、昨年7月にBSプレミアムで「筑波山麓KAYABUKIライフ~懐かしい未来」として放映した(現在もYou Tubeで見られる)。

やまだ農園は、「いのち育む水辺、里山復活、人がつながる農園」をめざしており、これからの展開が楽しみだ。本書はこうした一部始終(「自然と共にある農業を目指して」)と、中島さんの「里山農業へ夢を広げて」の2部構成。プロカメラマンだった晃太郎さんの写真が美しい。A5判95ページ、1200円+税。(元瓜連町長)

安藤氏が2選 土浦市長選

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万歳三唱する安藤真理子氏(中央)=土浦市下高津

任期満了に伴う土浦市長選は22日投票が行われ、同日午後7時から同市大岩田、水郷体育館(霞ケ浦文化体育会館)で即日開票の結果、現職の安藤真理子氏(62)=無所属、自民・公明推薦=が、新人で家庭教師の小野勉氏(61)=無所属=を破り、2期目の当選が決まった。女性市長が2期目を務めるのは県内で初めて。

当日有権者数は11万7034人、投票率は28.84%で、2006年の市町村合併以降、過去最低だった2015年の28.42%に次いで過去2番目に低い投票率となった。

【土浦市長選】(選管確定)
当 29,598 安藤真理子氏
  3,610 小野勉氏

安藤真理子 62 市長 無現②
【略歴】土浦出身、土浦二高、成城大学短期大学部卒。会社勤めの後、介護福祉会社を経営、市議2期、県議2期、市長1期。大町
【公約】①TX土浦駅延伸の早期実現②給食費無償化、産前産後の生活支援体制の充実など子育て支援の充実③土浦スマートインターチェンジ新設の早期実現

「前進させる新しい市政を」知事ら祝辞

同市下高津、安藤氏の選挙事務所には大井川和彦知事、国光あやの、青山大人衆院議員、伊沢勝徳、八島功男県議ら、国会議員、市町村長、県議と、地元市議らが勢ぞろいし、開票を待った。

午後7時36分、1回目の開票速報で当選確実が伝えられると大きな拍手と歓声が起こった。

祝賀会では、国会議員、市長、県議らが次々と壇上に立ち、大井川知事は「1期目は遠慮がちだったと聞いた。2期目は土浦を前進させる新しい市政を遠慮なく進めていただきたい。県からもしっかりバックアップしたい」などと話した。

安藤氏は「大変難しい選挙だった。応援してくれた皆さんの一票の重みを受け止めて、皆さんが誇りに思える土浦のために全力で走っていきたい」などと述べ、花束贈呈などを受けた。

笑顔で支持者らに応じる安藤氏

祝賀会後、記者団の質問に答えて、安藤氏は「大変難しい選挙だった。無投票当選だと思っていた人もおり、政策を訴える前に『選挙に行ってください』とお願いする選挙になった」と振り返った。

県内で、女性初の2期目の市長になることについては「女性初を意識したわけではなく、女性初は後から付いてくることだが、これからの女性のためにも大切なことだと思う」と述べた。今後の政策については「TX県内延伸と常磐道スマートインターチェンジを1日も早く事業化して、皆に喜んでもらって、若い人たちが誇りの持てる土浦にしていきたい」と強調した。(鈴木宏子、柴田大輔)