金曜日, 10月 9, 2026
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永田学長を再任 筑波大 選考プロセスの正当性問う声噴出

筑波大学(つくば市天王台)の次期学長選考会議が20日行われ、同大は21日、同選考会議委員による投票の結果、永田恭介現学長(67)を再任したと発表した。

学長選をめぐっては、学長の任期の上限が撤廃されたこと、教職員の意見聴取で永田学長が584票、対立候補で生命環境系長の松本宏教授が951票だったことなどから、同大の教員有志らでつくる「筑波大学の学長選考を考える会」から、選考プロセスの正当性を問う声が出ている。

同大によると、20日の学長選考会議は、委員24人の無記名投票の結果、永田氏が3分の2以上の得票を得て松本氏を破り、再任が決まった。

永田氏は2013年4月から学長を務める。本来の任期は最長で6年だったが、再任回数の上限が撤廃された。新たな任期は来年4月から3年間。

同選考会議の河田悌一議長は21日の記者会見で、永田氏再任の理由について「(永田氏は)ビジョンを出して一つひとつ実行し、科学研究費補助金の取得や企業など外の組織と結び実績を上げた」ことなどが評価されたとした。

一方、考える会が指摘している任期の上限撤廃については「任期の期限を除外している(国立の)大学は12、13大学ある」とし「一つひとつきちんとした手続きを踏んでやった」と強調した。

一方、稲垣敏之副学長は、任期の上限撤廃について「海外の有力な大学は学長の任期が長いことなどから、議論を重ねて再任回数に限度を設けないことを決めた」とし、教職員の意向調査ではなく意見聴取を実施したことについては「改正国立大学法人法で、意向調査は禁じるものではないが好まれてないため、意見聴取という名前にした」とし「候補者を5人以内に絞るための手段」だとした。さらに「昨年11月に中間報告を出し、各学系の長が教職員に周知し意見を集めており、すべての教職員に周知してきた」などと、時間をかけて教職員の意見を聞き周知してきたと強調した。

再任された永田学長は任期上限の撤廃について「諸外国は10年単位でやらないと大学は変わらない、そういうチョイスもある」などと話した。さらに「4月20日過ぎ、(自身を学長に)推薦したい人が飛び込んできた。その時は何のことか聞き、ちょっと考えさせてほしいと言った。重く考えてこういう結論になった」などと語った。

教員有志が批判「公開性と公正性欠く」

【山口和紀】20日に行われた筑波大学の次期学長選考をめぐり、そのプロセスの正当性をめぐって学内外が紛糾している。10月14日、同大の教員有志でつくる「筑波大学の学長選考を考える会」は会見を開き、学長選考が「公開性と公平性」を欠くとして批判し、是正を求めた。同大の学長選考会議が学長の任期や教職員の意向調査を廃止するなど、学長選考のプロセスに大きな疑念があるとした。

考える会の公開質問状(9月9日付)で選考の問題点として指摘されたのは次の通りだ。

まず、学長を選出する学長選考会議の正当性だ。同大規則で議長は「委員の互選」で選出するという規定があるが、現議長の河田氏の選出経緯について、考える会は、何も説明がなされておらず議事録にも記載がないと指摘する。関連して、学長選考会議の「議事次第」から議長選出そのものが削除された点にも疑念が持たれるとする。

また「意向調査投票の廃止」も大きな疑念だと指摘している。意向調査投票は、学長の選出にあたって教職員の意見を聴取するものとして、これまで実施されてきた。学長選考会議はこれを「廃止」した。今年4月1日、学長選考会議は教職員専用サイトに「新たな学長候補者の選考方法等について」とする文章を公開した。その中で「学長選考会議として意向調査投票を行わない」と発表した。

廃止の理由について同選考会議は、改正国立大学法人法の施行通知(2015年4月1日)で示された「考え方」を根拠としている。しかし同施行通知の原文には「選考の過程で教職員による、いわゆる意向投票を行うことは禁止されるものではないが」とある。そのため、考える会は、学長選考会議として意向調査投票廃止を決定した根拠を改めて提示するよう求めた。

10月15日、考える会の質問状に対する大学側から回答があった。議長の選出や意向調査投票の廃止に関する回答は学長選考会議議長である河田悌一氏からだ。議長の互選があったのかという質問に対し、河田氏は2014年1月の選任以降「現在まで議長を務めている」と回答、2年ごとの互選は行われていないことがわかった。同大では学長選考会議委員の任期が定められていない点が根拠とされた。

意向調査投票の廃止の経緯に対する回答は、「主体的な学長選考は如何にあるべきか」の検討が学長選考会議において行われ、廃止を決定したとするものだった。その根拠は、学長の選出は「学長選考会議が定めた選考方法で行われる」とする国立大学法人法の規定と「投票結果をそのまま学長選考会議の選考結果に反映させるなど、過度に学内の意見に偏るような選考方法は」適切ではないとする文科省の通知だ。

考える会は、大学側の回答内容について「大学の自治についての配慮を欠いた、大変残念なものであった」と批判。学長の「任期上限撤廃」などの状況から、すでに学長選考会議は「お友達選考会議」と化しているなどと指摘する。

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