日曜日, 12月 28, 2025
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条例違反を市長は自白 つくば市保健センター《投稿・鳥居徹夫》

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茎崎保健センター(左)とつくば市保健センター条例
鳥居徹夫さん

2023年10月14日に茎崎地区で開かれたタウンミーティングで、つくば市の五十嵐市長は、つくば市保健センター条例をずっと(十数年間も)守っていないことを自白しました。

市ホームページには、昨年10月14日の茎崎地区タウンミーティング、および同日の谷田部地区タウンミーティングから5カ月以上も会議録が掲載されず、その概要がアップされたのは、年度末の3月27日でした。

タウンミーティングの司会者は、住民の発言は1人2分以内としながら、このときの市長の答弁はなんと10分前後でした。しかも五十嵐市長は「茎崎のことを、皆さんが思っている以上に考えている」とムキになって2度も繰り返しました。

市長の答弁は、ツッコミどころが多くありましたが、市ホームページの概要では多くが省略されていました。ぜひ本欄のコメント欄に、発言全文の文字おこしを掲載していただければうれしいです。

昨年10月のタウンミーティングで、私は五十嵐市長に対し、「つくば市保健センター条例が、ずっと守られていない。改善を求める」と要望しました。しかし五十嵐市長は「建物は存続するが、機能は廃止する」と発言。条例違反を追認したばかりか、逆に(条例違反の)現実に条例を合わせ、保健センター条例を改悪すると、強弁しました。開き直ったのです。

その時は、市長の顔が引きつり、市長が弁明する際、質問した私を凝視し、にらみつけるようでした。私も目をそらすわけにはいかず、にらめっこの状態が続きました。

しかし昨年の12月議会と今年3月の市議会には、条例改悪の議案は提出されていません。

放置し、追認し、居直る

つくば市保健センター条例によると、第2条で茎崎など4カ所の保健センターの名称と住所が明記され、第4条で(1)検診等(2)健康相談や健康教育(3)保健指導、栄養指導(4)機能回復訓練(5)衛生知識の普及等、を業務としており、第5条で、各保健センターに必要な職員を置くことになっています。

第4条(1)の検診等は、茎崎保健センターの建物を使いますが、貸し会議室のような存在になっています。さらに常駐の保健師がいないので、第4条(2)(3)(4)(5)は有名無実です。検診の結果が出ると、谷田部保健センターから保健師が来て、会場を借りて、相談希望者に対応しているのが現状です。また常駐の職員はおらず、明らかに第5条違反です。

今年秋に市長選挙がありますので、市長は発言を撤回し、条例を遵守すると明言され、市の幹部に指示されていいかがでしょうか。

市のホームページによると「保健センターは地域の皆さんにとって身近な存在です。専門スタッフが子育て支援から健康増進、生活習慣病予防、在宅療養等に関した活動を行っています」と記されています。

つまり「保健センターは、地域保健法第18条に基づき市町村が設置することができ、その目的は住民に対し健康相談、保健指導及び健康診査、その他地域保健に関して必要な事業を行う施設」なのです。

五十嵐市長は、つくば市保健センター条例の違反を長期間放置し、条例違反の現状に合わせ、威勢高に条例改悪を明言し、居直ったわけですから。

《参考》タウンミーティング(2023.10.14 開催 場所:ふれあいプラザ ) 懇談概要の7番目の質疑が、保健センターに関する市長と私のやりとりの概要です。

【とりい・てつお】政治・労働問題研究者。日本労働ペンクラブ会員。1950年生まれ。茨城大学人文学部卒、労組役員を経て国会議員政策秘書。民主党政権では文部科学大臣秘書官。つくば市在住。

医療通訳養成学校の卒業試験《医療通訳のつぶやき》7

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写真は筆者

【コラム・松永悠】3月末に私が講師を務める医療通訳養成学校の卒業試験がありました。筆記試験にロールプレイ、両方とも良い点数を取らないと合格できません。医療通訳は、通訳という職業の中でニッチな存在でありながら、一番難しいとも言われています。

毎年、うちの学校にたくさんの受講生が入ってきます。勉強のきっかけはいろいろですが、皆さんに共通しているのは、医療知識を学んで、通訳テクニックを身につけて、医療現場で人助けをしたいという気持ちです。

しかし一方で、現実はかなり厳しいものです。私は長年講師を務め、一貫して「数より質」という考えで受講生を見てきました。熱意があるのは大変素晴らしいことですが、医療通訳になれるかどうか、条件があります。さあ、それはなんだと思いますか。

語学力と黒子意識

「医療」の専門知識はもちろん必須ですが、これは努力すれば大抵クリアできます。ある意味、一番楽な部分とも言えます。私が考える大変な部分は二つあります。

一つ目、語学力です。日本語/中国語ができるから通訳できるとは限りません。受講生は全員、大きな支障もなく日常生活できる人たちです。しかし、母国語じゃない方の言語に変えた途端、語彙(ごい)が足りないとか、細かい文法の間違いとか、様々な問題点が現れてきます。これらは、長年の癖だったり、勉強不足だったりするので、簡単に直すことも、上達することも難しいです。

このレベルだと仮に最後なんとか意思疎通できたとしても、聞き手がとても疲れてきます。ただでさえ忙しい病院の外来で、こんな通訳に耐えられる医師はほとんどいません。特に文法のミスが多いと、一体何を言いたいのか分からなくなるので、医師の苛立ちは容易に想像できます。

つまり、医療通訳になるには、まず「きちんとした」語学力が必須です。「通じればいい」は、病院では通用しません。残念ながら、受講生の半分くらいはこのレベルに達していないのが現状です。

二つ目、黒子意識です。よく通訳のことを「黒子」に例えます。自己意識を抹消(まっしょう)して、相手の口になることに徹する必要があります。分かりきっていることでも、代わりに答えたり、勝手に話の内容を変えたりしてはいけないのです。我々の世界では「内容を変えない、足さない、減らさない」が鉄則です。

原石を見つけ磨き送り出す

これがいかに難しいことか、卒業試験のロールプレイを見れば良くわかります。どう訳したらいいか分からないとき、数秒間沈黙して考えるのは実は問題ありません。しかし、何かを話さなきゃと焦りだす受講生が必ず出てきます。すると、一部の方がセリフの元々の意味を大きく曲げて訳してしまいます。

この悪い癖をしっかり認識して、意識的に取り除かないと、医療現場でとんでもないミスにつながります。しかし、これもなかなか抜けられないものです。

医療通訳の難しさについて、少しばかり理解していただけましたでしょうか? 講師の仕事は、原石を見つけ、磨き、現場に送り出すということです。4月から新クラスが始まります。さあ、今度どんな受講生と出会えるのでしょうか。(医療通訳)

<参考> 医療通訳の相談は松永rencongkuan@icloud.comまで。

みどりの南小・中学校開校 つくば TX沿線

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みどりの南小学校(左)と同中学校(右)の校舎は向き合うように建てられ、渡り廊下でつながる

駅近くの義務教育学校から分離

つくばエクスプレス(TX)沿線のつくば市みどりの南に、市立みどりの南小学校(市村毅校長)とみどりの南中学校(野村光弘校長)が新設され、3日開校式が開かれた。人口増加により、みどりの駅近くに2018年4月に開校した小中一貫のみどりの学園義務教育学校から分離し、新設された。

同南小には718人、南中は65人が入学する予定。同じ区画に小中学校が隣接して建つ。校舎は小学校が鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積約8500平方メートル、中学校は同3階建て、延べ床面積4200平方メートルで、小中の校舎は連絡通路でつながっている。高速道路に隣接していることから、騒音対策として校舎の建具に遮音性の高いものを使用している。

体育館は小中それぞれあり、グラウンドは小学生用の1周150メートルトラックと、中学生用の200メートルトラックがある。ほかに主に中学生が部活動で使用するサブグランドがある。プールはなく、4月に近くにオープンするみどりの学校プールを使用する。

休日は体育館、図書室、家庭科室、音楽室、多目的室などを地域住民に開放する予定だ。

新設計画がスタートした2020年時点では、みどりの学校プールがオープンする用地に小中学校を建設する予定で県有地を購入した。同用地はTXの線路をはさんでつくばみどりの工業団地に隣接し、近くに産業廃棄物施設が立地していることなどから、議会から「教育環境として問題があると心配の声が上がっている」などの指摘があり、建設用地を600メートル南の高速道路脇の県有地に移転した。その後も、みどりの地区に3カ所目の小中学校を建設する否かや、通学区をめぐって学区審議会などで議論が交わされた経緯がある。

通学区域は、同南小は同市中野、片田、西栗山、飯田、根崎、みどりの東、みどりの南。同南中は、南小と、隣り合う谷田部南小校区となる。一部の地域は、みどりの学園義務教育学校、谷田部南小学校と新設校との選択制となる。

一方、さらなる児童・生徒数の増加が見込まれることから、増築する計画がある。

五十嵐市長から校旗を受け取るみどりの南小学校の市村毅校長(右)

開校式には学校関係者や県議、市議、市職員ら約100人が参加した。同小の市村校長は「9年間の学びを通して子どもたちが未来に向けて幸せな人生を築くための基盤となる学校を目指していく」とし、「小学校では一人一人の個性を大切にし、中学校では自立と共生という教育理念のもとで自ら考え行動し社会の一員として責任を果たせるような人材育成に努める」と理念を述べ、「地域と連携しながら、地域に愛され貢献できる学校づくりを目指す」と語った。

あいさつに立った五十嵐立青つくば市長は、23年につくば市が人口増加率で日本一になったことに触れ「人口が増えたからといって、ただ学校をつくればいいというわけではない。学校は子どもたちが学び、人と関わり成長してく居場所としての機能を持つところ」とし、「教えから学びへ、管理から自己決定へ、テスト重視ではなく子どもたちが協調する力を育める教育を目標とする市教育大綱に基づき、子ども達にとってどのような場所がいいのか、近代公教育の大きな転換を図っていくことを目指していく」と語った。また「先生たちの負担を少しでも軽くしながら、校内フリースクールやスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを置くなどし、学校が子ども達にとって安心した居場所になるよう努めていく。課題はあると思うが、みんなで新しい学校をつくっていきたい」と語った。

両校の校歌は、歌手・松田聖子の曲を多数手掛けてきたことで知られる、つくば市出身の作曲家、小倉良さんが手がけた。開校式に参加した小倉さんは「校歌を依頼されたことは大変名誉。何百年も歌われることに責任とこれまでにないプレッシャーを感じた。これまで450曲以上作ってきたが校歌は初めて。児童・生徒の皆さんが歌うところを思い描きながら作った」と笑顔を交えながら語った。(柴田大輔)

実際にどう対応? 「合理的配慮」義務化スタート 土浦

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自費でスロープを用意する古書店経営の藤田康元さん=土浦市川口

情報不足に戸惑いも

改正障害者差別解消法の施行に伴い、段差があればスロープをつけるなど障害の特性に応じた配慮をする「合理的配慮」が1日から民間事業者にも義務化された。実際にどう対応すべきなのか、現場では情報不足からくる戸惑いの声も聞こえてくる。実際の現場で事業者や当事者はどのように課題に向き合っているのか、土浦で話を聞いた。

一部でも助成があれば

「絶対にやりたくないのは入店拒否」だと話すのは、昨年、土浦市川口にオープンした古書店「生存書房」の店主・藤田康元さん(57)だ。

同店は、歩道に面した入り口に15センチほどの段差が2段あり車椅子の人が一人で入店するのは難しい。大幅なバリアフリー改修は費用面から現実的ではない。そこで藤田さんが最初にとった「配慮」が、入り口前に「ハンドベル」を置くことだ。玄関にチャイムをつけても歩道からは手が届かない。車椅子でも店主を呼び出せると考えた。

手に取りやすい場所に置かれた古書店のハンドベル

「入り口にスロープがないことでバリアを感じる人はいるはず。入店を諦めさせているかもしれないと思った。諦めないで店主を呼んで欲しいという意味を込めた」と話す。後に折りたたみ式の簡易スロープを購入し、必要な時だけ設置できるようにした。費用は約4万円。ネットで購入したものだ。「これが個人店でできる範囲。出費は厳しい」とこぼす。「大規模な改修費用とまでは言わないが、せめて一部でも助成があれば」と希望を話す。

障害者以外のためにもなる

土浦市乙戸で料理店「ママのごはん」を営む高橋理恵さん(62)は、2017年のオープン時から入り口にスロープを設置しトイレに手すりをつけてきた。障害のある夫の助言からだった。高橋さんは、スロープや手すりのおかげで「車椅子のお客さんが増えた」と言い、喜んでくれるのは障害者だけではないとも話す。

「ママのごはん」入り口に設置されたスロープ=同市乙戸

「つえをついていたり歩幅が小さかったりする高齢者や、ベビーカーで来るお客さんも『入りやすい』と言ってくれる」。何より自分も歩きやすい。「大きな荷物を抱えて段差を上がるのは大変ですから」。

様々な人が出入りする中で必要な「配慮」が身についた。車椅子に限らず、ベビーカーに子どもを乗せたままテーブル席に着きたい人にも、さっと椅子をどかして対応する。

大切なことは、当事者との接点を持つことだと指摘する。「私は身内に障害があることで気づいたことはたくさんある。うちの店には車椅子のお客さんが来るのを他のお客さんもわかってくれているから来店時に手伝ってくれる」と言う。

「ママのごはん」を営む高橋理恵さん

一方で「個人の飲食店だと対応が難しい事情もわかる」と、合理的配慮の実践を躊躇する個人店にも思いを寄せる。実際に家族で外出して入店できないこともあった。「行く前に『車椅子でも入れます』と聞いても混んでいて入れないこともある。車椅子や障害のある人が来ることが前提になっていないお店は多い。私も家族に障害があるなど身近でなければ、必要な配慮への気づきはなかったかもしれない」

4月からの義務化については「(行政などから)手紙での通知などはなく、商工会に入っているわけではないので情報を得る機会が限られていた」といい、周知の不足を指摘する。実際に街で話を聞くと「義務化は知らなかった」と言う人は少なくない。

特性の理解を

同市で障害者福祉の課題に取り組む目黒英一市議(54)は、合理的配慮で大事なことは「特性を理解すること」だと言い、そのためにも「当事者の生の声」に触れることが欠かせないと話す。目黒市議は知的障害を伴う自閉症のある子の父としても活動している。

「知的障害のある方は、性格と同様に個々の特性がある。大きい音が苦手だったり、飛び跳ねたり声を出してしまったりすることもある」。周囲が障害の特性への理解があれば、大きな音が苦手な人と大声を出しがちな人を隣り合わないよう配慮することで、互いに心地よく過ごすことができると指摘する。

「子どものうちから合理的配慮を学ぶべき。(今の社会は)障害のある人が世の中に適応していかなければいけない状況にあるが、障害のある人の目線で物事を考えられれば」とし、「当事者との接点を持つことで『スロープつけなきゃだめだよな』という気持ちになる。合理的配慮は、スロープをつけておしまいではない。大切なのはそこから先。どうすれば車椅子でも通りやすくなるか、接客にはどう気を遣えばいいか。相手のことを考えられることが大事」だと語る。

当事者の声を聞いてほしい

「障害の当事者は、こんな時はどうすればいいのかというアイディアを十分持っているので、まずは当事者に聞いて欲しい」と話すのは、当事者として障害の理解啓発活動をする「茨城県に障害のある人の権利条例をつくる会」共同代表の生井祐介さん(46)だ。同会は、2015年に施行された障害者への差別を禁止する県障害者権利条例を作るために発足した。生井さんは合理的配慮についてこう思いを話す。

「当事者の声を聞いてほしい」と語る、生井祐介さん(中央)

「『過重な負担』というのがあるが、初めから断るのではなくその場で当事者に相談して欲しい。例えば商店の入り口に段差があって車椅子で店内に入れなければ、当事者の希望を聞いて商品を入り口まで持ってきて選んでもらうこともできるし、車椅子を何人かで持ち上げてあげることもできるかもしれない。私たちはそのやり方を説明できる」

「『うちは無理なんです』と断らずに相談してほしい。解決策が見つかれば僕たちも行けるお店が増える。よりいい関係が作れるはず」と語る。

店舗入り口に置かれる取り外し可能な簡易スロープ

7市村に助成制度

県内には現在、合理的配慮への助成制度がある自治体が7市村(つくば、水戸、ひたちなか、取手、つくばみらい、那珂市、東海村)ある。生井さんは「制度を使えばスロープの設置などもしやすくなる」とし、「茨城には『障害者権利条例』があり、全ての差別を禁止すると言っていることも忘れないでほしい」と思いを述べる。

合理的配慮の義務化に関して土浦市は、周辺自治体などで実施されている助成制度については「制度を実施する予定はない」とする。また、合理的配慮は「障害者との建設的対話を通じて事業者が提供できることを考え、実施に伴う負担が過重であれば、過重でない代替方法を対話を通じて見つけていくことが法の趣旨」であるとし、「合理的配慮の具体的な取り組み例を紹介していくことはできる」と述べ、県障害者差別相談室や市障害福祉課への問い合わせを求めている。周知活動については今後も継続していくとしている。(柴田大輔)

【メモ】合理的配慮とは、段差があればスロープをつけたり、声や音が聞き取りにくい人に対して手話や筆談ボードを用意するなど障害の特性に応じた配慮をすること。時間を調整するなどルール・慣行の柔軟な変更も合理的配慮に当たる。障害がある人もない人も平等に社会に参加できることを目的としている。

障害を理由に来店を拒否したり、サービスを提供する時間や場所を限定するなど条件をつけることは「差別」にあたり、「障害があるからと特別扱いはできない」「前例がない」と、求められた配慮を無碍(むげ)に拒むことは認められていない。一方で、事業者にとって過度の費用負担や物理的に実現不可能な場合など、「提供に伴う負担が過重でない」ことが提供範囲とされている。

「言った、言わない」の押し問答《続・気軽にSOS》148

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【コラム・浅井和幸】いつも話が食い違う2人がいます。同意したはずなのに、そのときになってみると、「言った、言わない」の押し問答になってしまいます。何がこの食い違いを生んでいるのでしょうか?

人は記憶違いをすることもありますから、この2人の会話や考え方を具体的に追う必要があります。

あるときは抽象的な言葉が原因です。「次のテストを頑張ったらゲームを買ってあげる」という約束があった場合、この「テストを頑張ったら」の捉え方が「テスト点数が上位に入ったら」と「テスト勉強を頑張ったら」とに違ってくるでしょう。

あるときは主語が抜けていることが原因かもしれません。日本語は主語を抜いて話をする特性を持っています。「今日は雨が降るかもしれないので、屋外に出してあるものを片付けてから外出しよう」「うん、わかった」。さて、誰が片づけをするのでしょう?

言葉の定義が全ての人に共通でない

「次のイベントで収支がマイナスだったら、来年度からイベントは中止しよう」。さて、どの範囲の収支を指しているのでしょうか。イベント出店の一つ一つを指しているのか、それとも全体なのか? 中止にするのはイベント全体なのか、それとも出店一つ一つなのか?

「ゴールポストを動かす」という言葉もありますが、言葉の定義とか概念が全ての人が共通であるとは言い切れません。同じ日本語ではありますが、違うものを指していることもあるのです。違うことである可能性も探ることは、「言った、言わない」を避けるためにも必要なことなのです。

約束の食い違いが多いと感じるときは、相手に悪意があるかどうかを探るよりも、それぞれが同じ言葉だけれど、別の約束をしていたのではと捉え直すと解決するかもしれませんよ。(精神保健福祉士)

つくば洞峰公園市営化で市長が隠していること 《投稿・酒井泉》

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2月15日つくば市発行の「かわら版」第30号

つくば市の広報紙「かわら版」のキャッチフレーズは「もっと知りたい!」「皆さんのギモンに市長が答えます」です。 30号のテーマは「洞峰公園のこと、もっと知りたい!」(2月15日発行)でした。洞峰公園は県とのバトルを経て市に無償譲渡されましたが、この広報紙では、県の考え方や県と市のやり取り、譲り受けた後に市が負担しなければならない維持管理費など、市に都合の悪い事実は何も書いていません。

「かわら版」にウソは書いてないと思いますが、市に都合のよい情報だけを選び、都合の悪い情報は隠しています。これは報道、学術、行政など、市民のための情報を扱う世界では禁忌(絶対にやってはいけないこと)であり、「知っていたけど言わなかった」責任は重大です。

隠された事実A:県の当初計画

① 県が負担してきた費用は年1億5000万円:建物管理費と緑地管理費が半々。

② 県が構想した公園民間委託(PFI)では、このうち6000万円が節減できる。

③ 残り9000万円は県が負担するので、つくば市に維持管理費用は発生しない。

④ PFIのグランピングに利用されるのはあまり使われていない野球場区画だけ。

隠された事実B:県とのやり取り

県の洞峰公園PFI構想に対し、市は2021年12月28日、県に質問状を出しています。22年2月7日、県都市整備課長から26項目の回答書が送られてきましたが、これに対してつくば市は何も反論をしていません。このため、同課長は「その後、市から(公式な追加質問や反論は)なかったので、市は(洞峰公園リニューアルについて)納得しているという認識だった」と述べています。

ところが22年3月24日に、市長は「洞峰公園は既に完成された環境で、ゆっくり過ごす空間や静かな散歩やランニングコースとして定着している」「(県に)現状を維持する様に(懸念を)伝えた」と、SNS上でコメントしました。

さらに市長は、22年4月13日の記者会見で、PFIの目玉であるグランピング施設やバーベキュー施設について「周辺に対し匂いやアルコール等懸念がある」と述べ、県のグランピング施設整備について、園内地域の用途変更を認めない考えを表明しました。

知事はこの発言に驚き「(五十嵐市長の発言は)突然」であり、「意外な感は否めない」と戸惑いを露わにしました。

隠された事実C:市議会での議論

無償譲渡によって市営化された場合、洞峰公園の維持管理費の負担額について、市議会で重要な議論がありました。

山中真弓議員;市のスポーツ施設の長寿命化計画によると、年間の維持管理費は1億2600万円となり(残り37年間で総額47億円)、市が(市営化された洞峰公園の維持費について)言っている年額3500万円とはかけ離れた数字になる。

飯岡宏之議員;県の(洞峰公園の維持に今後いくらかかるか試算した)健全度調査では施設更新費が約34億円、近年の資材高騰を考慮すると約50億円になる。               

市の情報操作は市民への背信行為

書かれていない事実A、B、Cを見ると、「洞峰公園の自然を守る」にはもっと他の方法(緑地を市が管理し施設は県が管理する)があったはずです。今後の問題解決のためには正確な情報の共有が必要です。

民主主義社会は、市民が互いに情報を共有して公平な議論をすることで、より良い意思決定と安定した社会が得られます。行政が都合の悪い情報(データ)を隠して市民社会に対して情報操作をすることは、市民社会に深刻な不利益をもたらす重大なルール違反です。(元高エネルギー加速器研究機構准教授、元福井大学教授、つくば市在住)

バイデン氏は勝てるか?米大統領選(4)《雑記帳》58

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ルピナスの花(筆者撮影)

【コラム・瀧田薫】2024年11月の米大統領選挙は、前回に続いて、バイデンとトランプ両氏の対決となった。選挙までまだ半年余りあるが、現時点での各種世論調査結果や投票行動分析の専門家の見方では、トランプ氏の優勢を伝えるものが多数を占めており、選挙はトランプ勝利で決まりといった気の早いご託宣を下す向きもある。

前々回の大統領選(トランプ対ヒラリー・クリントン)では、事前調査の数字はクリントン氏の圧倒的優勢を示していたのだが、結果は「まさかのトランプ」勝利であった。この番狂わせで、選挙予測の専門家や世論調査そのものへの信頼感は大きく損なわれた。

近年、若者を中心に無党派層が増えており、これが世論調査の精度を狂わせる最大の要因となっている。無党派層の動向は極めて流動的で、極端な場合、1カ月いや1週間で潮目が変わることもあり、定点観測たる世論調査の網ではすくい上げにくいのである。

今回の大統領選でも、民主、共和両党の支持者に対するグリップ力の衰えとも相まって、無党派層が勝敗を分ける鍵になると見られている。

A・リクトマン教授の選挙予測理論

世論調査の信頼度が落ち込むと、それに代わる方法が試される。アメリカン大の歴史学者、アラン・リクトマン教授が考案した選挙結果予測理論は、有権者の意識ではなく現職大統領とその政権与党の強さ(支持率)と政策実績を分析対象とする。この理論によって、彼は1984年以降の10回の大統領選のうち9回で勝者を正しく予測してきた(毎日新聞「驚異の的中率を誇る教授に聞く」2023年12月23日付)。

この理論の具体的な方法は、「ホワイトハウスへの鍵」と呼ぶ13の指標を取り出し、その指標ごとに現職大統領と政権与党を査定し、成果が上がったかあるいはライバルに優っている指標については〇を、成果が上がっていないかライバルよりも劣っている指標については✕をつける。

最後に〇の数を数え、13指標中8以上で〇がつけば、現職の再選もしくは政権与党の指名候補者が大統領選に勝利すると判定される。なお、ラクトマン氏は今回の選挙の分析をすでに実施している。

ラクトマン理論が成果をあげた理由は、13の指標を選び出す困難かつ長期にわたる試行錯誤に彼が耐えたこと、さらに13の指標が精妙なバランスを保ってお互いを支え合うように工夫し、それに成功したことにあると思う。ただし、この理論にも欠点がないわけではない。理論に従って予測がされても、その賞味期限は意外に短いということだ。

バイデン氏にまだチャンスあり

そう言っては身も蓋(ふた)もないが、昨年12月時点でのラックマン教授の判定はすでに期限が切れている。今後、適当な時期に彼が再判定を下すのを待つか、13の指標に沿って自分自身で判定を下すこともできる。筆者の最近の判定では、バイデン氏にまだチャンスはあると出た。具体的には、残り半年、経済面(インフレへの対処、財政赤字への対処)で実績を上げることが重要な条件となる。(茨城キリスト教大学名誉教授)

職員の名札、名字のみに 土浦市役所 顔写真など削除

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新しい名札を示す塚本人事課長=土浦市役所

土浦市役所職員の名札から1日、顔写真と下の名前が削除され、所属と名字のみになった。全国の他の自治体では窓口でのトラブルなどにより、氏名をインターネット上で検索され個人情報を調べられたり、SNSに書き込みをされるなどの事案が発生していることから表示を変更した。

これまでは顔写真と所属、名字と名前のフルネームを記載していた。市によると今年に入り、窓口対応に当たっていた若手女性職員の顔写真入り名札が、写真に撮られる事案が発生した。現時点でネットに掲載されたなどの被害は確認されていないが、職員の不安を払拭(ふっしょく)し、安心して勤務できる環境を確保しようと名札を変更した。

新しいデザインは庁内で公募し、11点の中から職員が投票で選んだ。市のテーマカラーの青藍(せいらん)色を用いたシンプルなデザインとなっている。

変更前(左)と変更後の名札のデザイン

市によると、名札を名字のみの表示に変更した市は県内で、笠間市(昨年8月から)、取手市(同12月から)、つくばみらい市(今年1月から)、守谷市(同2月から)で、土浦は5市目。

安藤真理子市長は「顔写真がある方が市民が親しみを持つという意見もあるが、いろいろなことを頻繁に言ってくる市民もおり、対応に心砕かれる職員もいる。職員を守らなくてはならない。個人情報に対する意識が以前より社会全体で高まっているなど時代の流れもある。職員が安心して仕事ができるよう環境を整えたい」と話す。

市社会福祉協議会、産業文化事業団、観光協会職員の名札も1日から市職員と同様、所属と名字のみに変更になる。一方、市長、副市長、教育長など特別職はフルネーム表記のまま。

土浦博物館の展示に誤り? 歴史論争が再燃《吾妻カガミ》180

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土浦市立博物館

【コラム・坂本栄】つくば市小田に拠を構えた小田家の祖、八田友家をメーンに扱った土浦市立博物館の展示内容に誤りがあると、土浦在住の高橋恵一氏が指摘してから2年が経ちます。この間、博物館が疑問にきちんと答えていないことに怒り、高橋氏はコラム66で「八田友家の『筑後氏』名乗り説は誤り」(3月20日掲載)と、再び博物館に論争を挑みました。

鎌倉殿の13人の1人、友家

博物館は、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22年1月9日~12月18日)の放映に合わせ、特別展「八田友家と名門常陸小田氏―鎌倉殿御家人に始まる武家の歴史―」(同3月19日~5月8日)を開催しました。

この企画について博物館は「約600年にわたる時間軸の中で、友家から始まる15代の当主、さらにはその系譜をたどったものです。これほどの長きにわたり、滅びることなく土浦・つくば地域を支配し続けることは容易ではありません。さらに展覧会では関東の名門武家として認識されていくさまも紹介しています」と解説していました。

鎌倉殿(鎌倉幕府初代将軍・源頼朝)が家臣13人をどうコントロールするのか? それを脚本家・三谷幸喜氏がどういったストーリーで見せるのか? こういった興味を持ち、「鎌倉殿の13人」には毎回チャンネルを合わせましたが、13人の1人、友家を祖とする小田氏15代を扱った特別展はうっかり見逃しました。

博物館は「筑後」を誤解釈?

ということで、私にはこの論争の中味について論評する資格はありません。それに、鎌倉時代の歴史については高校教科書のレベルです。しかし、高橋氏が博物館に提出した要請文「小田氏の始祖・八田友家の苗字変更説の訂正を求める」(3月13日付)を読み、これは見過ごせないと思いました。

高橋氏の論点(中世史学者・糸賀茂男館長が率いる博物館の展示内容への疑問)を私の貧しい読解力でまとめると、以下のように超要約できます。

博物館は八田友家の官職名「筑後」を苗字(博物館の言い方は名乗り)と解釈、つまり鎌倉幕府の歴史書・吾妻鏡を誤読し、苗字が「小田」でなく「筑後」だったとする誤解釈を基に、初代友家から3代泰知までは小田に本拠を置いていなかったとの説を展開。こういった誤解釈によって、小田氏初期の歴史が歪曲されている。

市民は博物館の展示を信用!

高橋氏が最初に疑問を呈したのは、コラム47「…土浦市展示に事実誤認あり」(2022年4月20日掲載)でした。これに対し、博物館は寄稿「『…事実誤認あり』に応える」(同4月27日掲載)で反論しましたが、説得力に欠けるものでした。

冒頭リンクを張ったコラム66によると、誤解釈は博物館の展示にとどまらず、糸賀氏が執筆に関わった県内の市町村史でも展開されているそうです。高橋氏はこういった誤りの広がりを憂慮、「自治体の刊行物、博物館の展示内容は、市民が最も信頼する情報です。… 訂正すべきでしょう」と述べています。

糸賀氏の学説が誤りだとすれば、博物館はその説を広げる場として利用されたことになり、市営文化施設の在り方としては何か変です。(経済ジャーナリスト)

<注> 青字の日付をクリックすると、そのコラム・記事・資料が読めます。

今季初勝利 新加入の小田川が決勝点 つくばFCレディース

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後半43分、小田川(右端)の左足シュートがゴールに吸い込まれる。小田川は今季、VONDS市原から移籍加入した(撮影/高橋浩一)

プレナスなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)2部のつくばFCレディースは31日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで第3節を行い、福岡J・アンクラス(本拠地・福岡市)を1-0で破り、今季初勝利を挙げた。通算成績は1勝2敗で12チーム中7位。次節は7日、大和なでしこスタジアム(神奈川県大和市)で大和シルフィードと戦う。

プレナスなでしこリーグ2部・第3節(3月31日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 1-0 福岡J・アンクラス
前半 0-0
後半 1-0

前半27分、内藤からのスルーパスは中央の小西由利恵に合わず(同)

新シーズンを連敗でスタートしたつくばは、今節の初勝利に照準を合わせて準備を進め、この日はウォームアップの段階から全員の気持ちが高まっていたという。「全員で戦え、試合内容も今季一番だった」とボランチでゲームキャプテンの内藤夏鈴。「まずは気持ちで絶対負けないという意気込みで、自分たちのペースで戦えた」とFWの赤嶺美月。

立ち上がりこそやや硬さが見られたが、中盤の攻防では相手を上回る動きの良さを見せ、前半で許したシュートはわずか1本。つくばは5本のシュートと8本のコーナーキックなどで相手ゴールに迫ったが、なかなか得点は生まれない。前半33分には内藤が絶好の位置でフリーキックを得たが、蹴ったボールはバーを直撃。34分には赤嶺がスルーパスに抜け出しシュートを放ったが、相手GKがジャンプしてはじき出した。

前半34分、赤嶺のシュート。赤嶺は前節、なでしこリーグ通算150試合出場を達成した(同)

後半のつくばは右サイドハーフに工藤古都子を投入、さらに左サイドバックの村上奈央を右の小田川真奈と入れ替え、右サイドの活性化を図る。後半も攻撃回数では相手を圧倒するが、やはり得点には届かない。

後半43分、ついに均衡が崩れた。コーナーキックの流れから、石井有紗のループシュートを相手GKがはじき、赤嶺が拾って中央の小田川へ送る。このボールを小田川が反転しながらダイレクトでシュート。敵味方の間をすり抜けてゴールに吸い込まれた。「背中を向けていたがゴールの位置は分かっていたから、振り向きざまに打った。得点で勝利に貢献できてうれしい」とのコメント。

石井は後半36分に村上と替わって投入。後半もセットプレーは多く、長身の石井はターゲットとしての役割も期待されていた。「コーナーからのこぼれ球を押し込む形は練習のときから多くつくれていた。チャンスはたくさんあったのでもっと早く決めたかった」と、キッカーを務めた内藤。

後半26分、内藤がドリブルで攻め込む(同)

「1点取ってゼロに抑えたのは自信につながる。自分自身もチームのためにしっかり走り回れたと思う。次は得点で貢献したい」と赤嶺。「チームとしてもアグレッシブに、攻守にたくさん走って、見ていて楽しいと思ってもらえるサッカーをしたい」とも話す。

「攻撃の精度を高めたい。3点取れる攻撃的なチームを目指している」と話すのは、今季から采配をふるう佐藤誠一郎監督。日立一など名門校の監督を歴任し、2019年には水戸商を高校総体出場に導いた。「同じサッカーだが男子高校生と社会人の女性では勝手が違う部分も多い。言葉のかけ方や練習のコーディネートなど工夫しながら、高校サッカー指導歴38年のキャリアをベースにトライしている」という。

今年で水戸商を定年退職、チームには2月中旬に合流したばかり。ここからの名将の指揮の冴えに期待したい。(池田充雄)

佐藤監督を中心に、今季初勝利の記念写真を撮るつくばFCレディースイレブン(同)

関東大震災クラスの大震災に備えて《くずかごの唄》137

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】関東大震災から100年。再び、関東地方に同じような規模の震災が起こるのではないかと、私はびくびくしている。

関東大震災。1923年(大正12年)9月1日のお昼時、どこの家でも炭や薪(まき)でご飯を炊いていた時だった。倒れた木造の家から発火、町の中2~3か所に火の手が上がったという。

私の母は妊娠中。大きなお腹を抱えて、父と姑(しゅうとめ)3人で新富町の家から皇居前広場に逃げた。途中、銀座通りを横切る時、火の玉が勢いよく飛んできて、危うく火まみれになるところだったという。

皇居前広場で3日間野宿。当時、朝鮮の人に対する差別があって、「朝鮮人が井戸に毒を入れたから水は飲んではいけない」と言われ、飲ませてもらえなかったのがつらかったという。その後、母は芝公園で出産し、私の兄、加藤尚文が生まれた。兄の戸籍謄本には出生地「芝公園」と記入されていた。

母の実家の母親(私の祖母)も震災後に亡くなり、6人の弟たちの面倒も見なければならず、母は心身ともに極限に陥り、震災後10年間、子供をつくることができなかったようだ。

当時、焼け野原の都心から、阿佐ケ谷、荻窪方面に移住する家族が多かった。我が家も、荻窪のノラクロ漫画の作者・田河水泡(たがわ すいほう)さんのお隣りに住み、私はそこで生まれた。

私が言葉を覚え始めた頃、母から震災の恐怖を何十回となく聞かされて育った。10年目に生まれた娘に、その時に体験した恐ろしさを語ることで、やっと母は自分を取り戻すことができたのではないかと思う。

いざという時は雨水を利用

今年の能登半島地震も、飲料水など生活用水で苦労している。100年前の関東大震災と変わらないのではないかと思う。

近くの池の水、川の水、昔使っていた井戸の水。身近にある水の水質を、今は簡単に調査できる器具がたくさんある。調査しておけば、「いざという時に」何かと便利なのではないかと思う。

雨水の積極的利用も有効。昨年、土浦の自然を守る会のどんぐり山を見に来てくれた村瀬誠氏(薬学博士)は、地面にヒ素が含まれていて井戸水が使えないバングラディシュでは、雨水利用を積極的に実行していると話している。

関東地方にあり過ぎるマンションの屋上にちょっとした細工をすれば、災害時に備えての雨水利用が有効に働くと思う。(随筆家、薬剤師)

「合理的配慮」訴え つくばでパレード 県障害者権利条例9周年

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太鼓の軽快なリズムに合わせて声を上げる参加者たち

障害者への差別を禁止する茨城県障害者権利条例施行9周年を記念して、条例をつくる活動に取り組んできた障害者団体「茨城に障害のある人の権利条約をつくる会」(事務局・水戸市)の関係者らが30日、つくば市内でパレードし、4月1日から民間事業者にも義務付けられる「合理的配慮」の必要性を訴えた。

合理的配慮は、スロープを設置して段差をなくす、筆談できるようボードや筆記用具を提供するなど、障害者から対応が必要と伝えられた時に障害の特性に応じた配慮を提供すること。改正障害者差別解消法の施行により4月から民間事業にも提供義務が拡大される。

パレードでは、つくば市内や県内外から駆けつけた障害者と支援者ら約50人が、同市天久保、筑波メディカルセンター前から、同市竹園、つくばカピオ前までの約2キロを歩いた。

参加した聴覚障害者で筑波技術大2年の小林萌楓さん(20)と同大大学院OBの石綿智樹さん(24)は「つくば市内では筆談に応じてくれたり、こちらに口の動きが伝わりやすいように会話の時にマスクを外してくれるなど、飲食店などでも障害に理解があるところが多い」としつつ、「街灯が増えるといい」と話す。街灯が少ないため、夜間に道路を歩くと近づく車や自転車に気づくのが遅れることがあるという。

石綿さんは「私たちはクラクションが聞こえない。車がこちらに気づいても聞こえないので反応ができず、事故に遭う不安がある」と言う。また「夜間に友人と歩く際、街灯が無くて暗いと互いの手話が見えないので、コミュニケーションを取るためにわざわざ遠回りをして帰らなければいけないこともある」と語る。小林さんは「合理的配慮が義務化することで、当事者がどんな配慮が必要か言いやすくなると思う」とし「障害者は孤立しやすいところがあるので、周囲の理解が進むのでは」と期待する。

建設的な対話がポイント

「茨城に障害のある人の権利条約を作る会」共同代表の八木郷太さん(右)

同つくる会共同代表の八木郷太さん(27)は、合理的配慮義務化の周知不足を指摘し「当事者と事業者が建設的に対話をすることが大きなポイント。スロープの設置などどうしても物理的な話が先行しがちだが、スロープがなくても後ろから押せば入店できることもある。障害者がお願いしたことに対して『できる』『できない』ではなく、話し合いで落としどころを見つけていくことが大事」と語る。

さらに9周年となる条例について「条例があることで、当事者と行政、事業者が対話の場を持てる」と八木さんは言い「条例により県に差別相談室ができ、県と協力する場を持てている。行政、当事者、事業所が話し合いの場を持つことで、障害者の側から一方的に配慮を求めるのではなく、求めているものを説明し、事業所と現段階でこれならできると話し合える」とし、「街が一気にバリアフリーになるのは難しいが、対話を通じて徐々に合理的配慮を提供する店が増えていくことが大事になる」と話す。「最初は車椅子でも食事ができるようにテーブルを動かすことからでも、今度は簡単なスロープをつけようとか、視覚障害者が来たらこんな対応をしようとか、関係を積み重ねることで、対応は変化していくはず」と述べる。

「パレードを通じて合理的配慮について広く知ってもらいたい。当事者も知らない人が多いので、配慮を当たり前に求めていいと知ってもらいたい。迷惑をかけると思ってしまうと言えなくなってしまうが、伝えることで対話が生まれ、事例が積み上がる。すぐに100点にはならないと思うが、事業者と行政、当事者が共に経験を重ねながら地域の合理的配慮を育てていければ。結果として街が変わっていけばと思う」と今後へ期待を話す。

県障害者権利条例(障害のある人もない人も共に歩み幸せに暮らすための茨城県づくり条例)は、障害者団体が制定を働き掛け、議員提案により2015年4月1日に施行された。差別の禁止のほか、差別に関する相談、調査、助言やあっせんなどについて定めている。(柴田大輔)

「保幼小連携」の推進を考える《令和楽学ラボ》28

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5歳児と小1年生の交流。写真は筆者提供

【コラム・川上美智子】保育園や幼稚園の5歳児と小学校1年生の間には大きな学びのギャップがあると言われ、そのギャップを埋めるため、幼児のアプローチカリキュラムと小学校1年生のスタートカリキュラムが始まり8年が過ぎました。この間に、新型コロナウイルスの流行などで中断を余儀なくさせられましたが、つくば市内では5歳児と小学校1年生の年2回程度の交流が始まっています。

本園の場合は、園児が香取台小学校を訪問し、1回目は小学生が制作した工作物を使ってお店屋さんごっこ遊びの体験交流をしました。2回目の訪問では、小学1年生がこの1年で勉強した科目ごとの学びを保育園児に紹介してくれました。

どちらの訪問も、園児にとって初めての小学校体験とあって、保育園で見せる幼い顔とは異なり緊張した面持ちで45分間をビシッと過ごし、1歳違いのお兄さん、お姉さんの立派な姿を前にして頑張りを見せてくれました。たった2回の交流でしたが、園児にとっては小学校のイメージをつかむ大事な機会となり、4月の入学を楽しみにしています。

ところで、8年前の幼保小連携のスタート時には、茨城県教育委員として県内のモデルとなる小学校をいくつか視察し、小学校入学時に求められる学習レベルの高さに驚かされました。

ゆとり教育の時代には、自分の名前が読めればOKと言われていたのに、現在ではひらがなの読み書きや数の理解など高度な力が求められます。幼児期は「学びの芽生え」として、「遊びを通して学ぶ」が強調されてきましたが、得手不得手もあり、遊びを通して自然に学ぶだけでは限界があるように思われます。ワークなどを使った系統的学び無しには、どうしても漏れが出てしまいます。

5歳~小1は人格形成の架け橋期

園では、3歳児から少しずつ楽しく学びを進めるカリキュラムを組み、年齢に合ったワークを活用してきました。また、興味・関心の幅を広げ、自ら主体的に取り組む何かを見つけるため、体操、リトミック、ヒップホップ、英会話、ピアノなどが学べる環境も整えてきました。

国が早期教育の重要性を認識し、保育園を幼稚園と同じ教育施設として位置づけ、「保育所保育指針」を改訂して就学前教育をスタートさせた2018年、各園には小学校へつながる学びの連続性を意図した「全体的な計画」の策定が義務づけられました。さらに国や県は「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を提示し、年間保育計画を立てるよう求めました。

しかし、現場はまだ手探り状態で、指導者である保育士もこの大きな改革を十分理解はできていません。そのような中、さらに文科省は昨年「学びや生活の基盤をつくる幼児教育と小学校教育の接続について~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~」を公表しました。

それによれば、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、5歳児から小学校1年生の2年間を「架け橋期」と称して、0歳から18歳までの学びの連続性に配慮しつつ「架け橋期」の教育の充実を図るよう求めました。

その重要性を理解しつつも、保育園も小学校も、現場が忙しい中でこれ以上推進を図ることの難しさを感じているのが現実ではないかと思います。私自身はこの3月末で園を去りますが、つくばに蒔(ま)いた種を、現場がしっかり引き継いでくれるよう期待しています。(茨城キリスト教大学名誉教授、みらいのもり保育園園長)

日本最大級の「ねこハウス」4月1日オープン つくばわんわんランド

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つくばわんわんランド内に4月1日オープンする「ねこハウス」

40種70匹と触れ合い

猫ブームの中、日本最大級の猫との触れ合い施設「ねこハウス」が、つくば市沼田、犬と猫のテーマパーク「つくばわんわんランド」(東郷治久代表)内に新設され、4月1日オープンする。40種類70匹の猫と触れ合ったり、一緒に遊んだり、えさをやったりできる。

珍しい猫がたくさんいる室内。(上段左から)スフィンクスの毛づくろいをするトイガー、サイベリアン、アビシニアン(下段左から)ラグドール、ジェネッタ、ベンガル

マンチカン、スコティッシュフォールドなど人気の猫のほか、スフィンクスやバンビーノなどの珍しい種類、日本ではブリーダーが1軒しかいない新しい種のバーミラなどがいる。オープンにあたって北海道や和歌山など全国のブリーダーから人気の猫や珍しい猫を集めたという。

施設は木造平屋建て、床面積約200平方メートルで、室内には猫が上り下りする大型のキャットタワーが3基設置されている。同園として3代目の施設となり、現在の2代目ねこハウスの2倍以上の広さがある。

ねこハウス外観

現在のねこハウスは1回の入室者を30人までに制限していることから、混雑時は猫と触れ合いたい入園者が待たされたり、入室できないなど、残念なまま帰宅する入園者がいて、新施設を開設することになった。新施設は一度に60~70人が入室できる。

29日、関係者が集まって神事とテープカットが催された。東郷代表は「猫がブームになっていて、猫派が急に増えていると感じる。当初は犬と触れ合うついでに猫と触れ合ったが、今は犬を見ないで猫だけ見にくるお客様も増えている。レアな猫がたくさんいる。お客様の声に応えていきたい」と話す。

テープカットする東郷治久代表(中央)ら=ねこハウス内

同園は、90種1000匹以上の犬と、40種70匹の猫がおり、触れ合ったり、犬を散歩させたりできる。園内や周辺にはブリーディングハウス、ペット専門学校、老犬ホーム、ペット葬祭場がある。今年28周年を迎える。

一方、えさ代や光熱費などの高騰により、4月1日から25年ぶりに入園料を値上げする。新しい入園料は大人(中学生以上)2000円(ウェブサイト割引券使用は1700円)、子供(3歳~小学生)1000円(同800円)、乳児(3歳未満)無料、65歳以上1000円。同伴犬は無料。問い合わせは電話029-866-1001(同園)。

春の陽気に誘われて《短いおはなし》25

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イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】
ずっと部屋に籠(こも)っていたけれど、いい陽気になってきたから家を出た。
コロナも5類になったし、食料もなくなってきた。
ずっと引き籠ってもいられない。
まだ少し肌寒かったので、パーカーのフードを目深に被(かぶ)った。
マスクもまだ外せない。

住宅街を歩いていると、庭先の芝桜がきれいな家を見つけた。
淡いピンクが一面に広がって、なんて美しい。
可愛(かわい)いな。春だな。
思わず見とれていたら、垣根のあいだから家主が現れた。

「何か御用ですか?」

「あっ、いや、芝桜がきれいだったもので」

家主が睨(にら)むので、俺はそそくさとその場を後にした。
世知辛い世の中だ。うっかり他人の家も覗(のぞ)けない。

公園に行った。公園の花なら、いくら見ても文句は言われない。
チューリップが見事だ。
近くの幼稚園児が集団で遊びに来ている。

「お花、きれいだね」

近くにいた子に話しかけると、すかさず先生が飛んできた。

「さあ、園に帰りますよ」と、さらうように園児を連れて行った。
世知辛い世の中だ。子どもに話しかけただけなのに。

せっかくだから写真でも撮ろう。
俺はスマホを取り出して、チューリップの写真を撮った。
すると、向かい側にいた若い女がチューリップを跨(また)いでやってきた。

「ちょっと、今撮りましたよね」

「ああ、花の写真を撮ったが」

「私のこと、撮りましたよね。盗撮ですよね」

「いや、たまたまあなたが入ってしまっただけで、撮ったわけでは…」

「消してください。今すぐ消して」

「分かったよ。消すよ」

せっかくきれいに撮れたチューリップの写真を消した。
世知辛い世の中だ。写真を撮っただけなのに。

なぜだろう。蜘蛛(くも)の子を散らしたように、みんな公園を出て行った。
別にいい。逆にせいせいする。
誰もいなくなった公園のベンチに座った。

日差しが暖かいので、フードを取った。
そうか。このフードとマスクとサングラスのせいだ。
すっかり不審者扱いされてしまったのだ。
何だ、そうか。
俺は、マスクとサングラスをポケットにしまって立ち上がった。

「ちょっとすみません」

男が話しかけてきた。
ほら、フードとマスクとサングラスを取ったら、さっそく話しかけられた。
人恋しかった俺は、にこやかに振り向いた。

「はい、何でしょう」

立っていたのは警察官だった。
警察官は俺の名前を呼んで、強い力で腕をつかんだ。
ああ、そうだった。
俺、指名手配されていたんだった。

ずっと隠れていたのに、春の陽気のせいで捕まっちまった。
あーあ、世知辛い世の中だ。(作家)

次長級の統括監を新設 つくば市人事異動’24

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つくば市役所

つくば市はこのほど4月1日付人事異動を内示した。次長級の職として統括監を新設し、各部局が所管する公共施設の管理や長寿命化を担当する。異動総数は、再任用、組織改編に伴う部署名変更などを除き全体の21.6%の300人。23年度から市職員の定年引き上げが開始され61歳になったことにより3月末の定年退職者はゼロ。再任用を除く普通退職者は39人、新規採用は66人で、4月1日付全職員数は前年度に比べ27人増えて2087人になる。

係長以上の管理職は前年度から9人増え609人。管理職の昇格者は同比32人減り88人。女性管理職の割合は前年度より0.1ポイント減って25.8%になる。

国、県などとの人事交流では、文科省から政策イノベーション部長を迎えるほか、国、県などに8人の実務研修生を派遣する。

組織改編では、ダイバーシティ(多様性)を一体的に推進するため市民部の男女共同参画室を市長公室に移し、ダイバーシティ推進室に名称変更する。こども部は、子育て家庭を包括的に支援する体制を構築するため、健康増進課の母子保健係をこども未来課に移し、名称をこども未来センターに変更する。

政策イノベーション部は、国政調査等、統計業務の推進やデータ利活用の強化のため企画経営課に統計係を、情報政策課にデジタル推進係を新設し、根拠に基づいた新たな政策立案を推進するためとして21年度に新設した統計・データ利活用推進室を廃止する。

財務部は、未利用の市有地利活用を一体的に進めるため、公共施設マネジメント推進室を都市計画部の公有地利活用推進室と統合し、公共資産利活用推進室を新設する。経済部は産業用地の創出を推進するため、産業振興課に立地推進室を新設し、プロジェクトチームだった産業用地検討室と都市計画部の地域開発振興室を廃止する。建設部は都市計画道路の整備に重点的に取り組むため、都市計画道路整備推進室を課に昇格させる。

保健部は、新型コロナが5類に移行し全額公費によるワクチン接種が3月末で終了することなどから、新型コロナウイルス対策室を、他の感染症対策と一体的に推進するため予防接種・感染症対策室に変更する。消防本部は予防広報課を予防課に変更する。

◆4月1日付け人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。

【部長級】
▽政策イノベーション部長(文部科学省)髙橋安大

【次長級】
▽総務部次長兼人事課長(人事課長)松本光由
▽総務部次長兼法務課長(総務課長)沼尻浩幸
▽総務部政策法務監・教育局教育法務監(新規採用、任期付)大岩昇
▽政策イノベーション部次長(市民部次長)池畑浩
▽市民部次長(同次長兼市民窓口課長)中川伸一
▽市民部統括監兼統括地域支援監(同次長兼統括地域支援監)大木茂樹
▽保健部次長(こども政策課長)鈴木加代子
▽こども部統括監(経済部次長)大橋一彦
▽経済部次長(産業振興課長)柳町哲雄
▽経済部統括監(同部次長)岡田克己
▽建設部次長(総務部次長)山田正美
▽建設部建設政策監(同部次長)木村幸弘
▽生活環境部次長兼環境政策課長(同課長)渡邊俊吾
▽上下水道局次長(水道総務課長)小吹正通
▽上下水道局統括監(同局次長兼水道監視センター所長)渡辺高則
▽教育局統括監(保健部次長)中根英明
▽消防本部消防次長・消防本部担当(同次長・消防署担当)松岡幹夫
▽消防本部消防次長・消防署担当(同本部主任参事兼南消防署長)鈴木浩
▽消防本部主任参事兼救急課長(救急課長)中島昌美
▽消防本部主任参事兼消防総務課長(予防広報課長)高野順一

【課長級】
▽市長公室国際都市推進課長(危機管理課長)鬼塚宏一
▽市長公室危機管理課長(国際都市推進課長)岸田和克子
▽総務部総務課長(同課長補佐兼企画監)高野剛
▽総務部ワークライフバランス推進課(市民協働課地域改善対策室長)岡田健一
▽総務部人事課付参事(豊里交流センター地域支援監兼市民ホールとよさと)安田正幸
▽政策イノベーション部企画経営課長(開発指導課長)川原智彦
▽政策イノベーション部情報政策課長(情報政策課長補佐兼情報ネットワークセンター所長)石川玄壱
▽政策イノベーション部科学技術戦略課長(スマートシティ戦略監)中山秀之
▽財務部公共資産利活用推進課長(公有地利活用推進課長)岡野渡
▽財務部納税課長兼徴税管理監(市民税課長)高野克則
▽財務部市民税課長(同課長補佐)横田知巳
▽市民部つくば市民センター所長(企画経営課長)横田裕治
▽市民部市民窓口課長(下水道総務課長補佐)青木ゆかり
▽市民部大穂窓口センター所長(土地改良課長)森田幸一
▽市民部豊里窓口センター所長(桜交流センター地域支援監)吉岡直人
▽市民部筑波窓口センター所長(納税課長兼徴税管理監)柳田賢一
▽市民部スポーツ振興課長(中央図書館副館長)沼尻祐一
▽市民部地域支援課長(農業政策課長)根本隆
▽市民部筑波交流センター所長兼市民ホールつくばね館長(防犯交通安全課長)一瀬剛
▽市民部谷田部交流センター所長兼市民ホールやたべ館長(スポーツ振興課長)大久保正巳
▽市民部桜交流センター所長(つくば市民センター所長)荒澤浩俊
▽福祉部社会福祉課長(市民協働課長補佐兼企画監)中村銀華
▽保健部医療年金課参事、茨城県後期高齢者医療広域連合派遣(地域包括支援課長補佐)飯島良弘
▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長(社会福祉課長)宇津野功
▽こども部こども政策課長(広報戦略課広聴室長)木村真理
▽こども部こども育成課長(ワークライフバランス推進課長)桐生修
▽こども部こども未来センター課長(こども未来課長)中澤真寿美
▽経済部ジオパーク推進監兼観光推進課ジオパーク室長(観光推進課長)伊藤祐二
▽経済部産業振興課長(科学技術戦略課長)前島吉亮
▽経済部農業政策課長(同課長補佐)岡野清宏
▽経済部土地改良課長(公園・施設課長)山口義智
▽経済部観光推進課長(管財課長補佐)小川高徳
▽都市計画部建築指導課長(教育施設課長)鈴木聡
▽都市計画部開発指導課長(建築指導課長)中島隆志
▽建設部都市計画道路整備推進課長(こども育成課長)吉田和敏
▽建設部道路管理課長(同課長補佐)須藤文雄
▽建設部公園・施設課長(同課長補佐)山口嘉宏
▽建設部防犯交通安全課長(道路管理課長)入江一成
▽生活環境部環境衛生課長(同課長補佐)木村憲一
▽上下水道局水道総務課長(地域消防課長)水橋光一
▽上下水道局水道監視センター所長(環境衛生課長)石川太郎
▽会計事務局長(情報政策課長)飯塚喜軌
▽教育局学務課長(選挙管理委員会事務局副局長)笹本昌伸
▽教育局教育施設課長(地域支援課長)大口勝也
▽教育局筑波学校給食センター所長(地域支援課長補佐)倉持賢一
▽教育局つくばすこやか給食センターやたべ所長(筑波学校給食センター所長)渡辺寛明
▽教育局つくばほがらか給食センターやたべ所長(管財課公共施設マネジメント推進室長)田中聖史
▽教育局中央図書館副館長(同館長補佐)玉木正徳
▽選挙管理委員会事務局副局長(法務課長)渡邉健
▽農業委員会事務局農業行政課長(学務課長)下田裕久
▽消防本部地域消防課長(会計事務局長)小川英男
▽南消防署長(消防総務課長)品川豊
▽北消防署長(消防救助課長)北沢直弘
▽消防本部消防救助課長(参事兼中央消防署副署長)青木節
▽参事兼中央消防署副署長(中央消防署桜分署長)櫻井誠
▽消防本部予防課長(予防広報課長補佐兼予防係長)三浦春彦

【退職】3月31日付
▽政策イノベーション部長 藤光智香
▽谷田部交流センター所長兼市民ホールやたべ館長 間中和美

地元スタジアムから声援 常総学院、ベスト8届かず 

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8回裏の常総学院の得点に、熱心に声援を送る観客=土浦市川口、J:COMスタジアム土浦

第96回選抜高校野球大会(兵庫県西宮市、甲子園球場)は27日、第4試合で常総学院が報徳学園(兵庫)と対戦した。常総学院は1-6で敗れ、9年ぶりの春甲子園ベスト8には届かなかった。地元の土浦市川口、J:COMスタジアム土浦では、試合のパブリックビューイングが実施された。

同球場のスコアボードがフルLEDに全面改修された記念として、1回戦に引き続き観客席および外野芝生エリアが無料開放され、熱心なファンが試合を見守った。

阿見町から来た信夫蒼太さん(11歳)と宮本航大さん(同)は、本郷イーグルスで活動する野球少年。常総学院の試合や練習にも足しげく通っている。この日の観戦については「球場の芝生の上で試合が見られるのは最高。負けたのは残念」との感想だった。

蒼太さんの母・美恵子さんは常総学院の給食センターに勤務し、選手たちが練習の合間に食べる補食のご飯も炊くなど、野球部とも関係が深い。航大さん・友美さん親子も、ここ数年にわたって一緒に応援している仲。友美さんは「夏に期待。甲子園まで応援に行くので絶対優勝してほしい」と、次のシーズンに向けてさっそく意欲を高めていた。

第96回選抜高校野球 2回戦(27日、甲子園球場)
報徳学園 001130010 6
常総学院 000000010 1

試合は、常総学院のエース小林芯汰から報徳学園が10安打を放って大勢を決した。また報徳学園は、常総学院の守備の小さなミスも見逃さず得点につなげた。

常総学院の先発小林は、25日の1回戦で119球を投げて完投しており、中1日での連投の影響もあったようだ。立ち上がりからストレートの制球がいま一つで、カットボールなどの変化球の多投が見られた。報徳学園の先発はエース間木歩。22日の1回戦では3回38球を投げており、この日は初回こそ2四死球を与え2死一・三塁のピンチをつくったが、徐々に持ち直し、8回まで常総打線を5安打に抑えた。

常総学院の失点は3回表。死球と盗塁で報徳学園に1死二塁とされ、3番打者の左飛には近藤和真がわずかに追いつけず、4番打者の中前打には池田翔吾がホームへ好返球を送るものの走者の生還が一瞬早かった。4回表には2死三塁の場面で、9番打者の三ゴロは渡辺翔太が横っ飛びで抑えたが、一塁への送球がワンバウンドになり2点目を失った。

5回表には3安打と2四死球で1点を奪われ1死満塁。ここから小林は直球主体に切り替え、ギアを1段上げて臨むが、四球押し出しと左前打でさらに2点を失った。6回からは平隼磨、8回からは斎藤一磨がマウンドに上がっている。

常総学院は8回裏、先頭の3番・若林祐真が四球を選び、5番・森田大翔の右越え二塁打と、6番・片岡陸斗の右犠飛で1点を奪取。この試合唯一の得点だった。9回表には小林が再登板、3者凡退でピシャリと締めたことは、夏に向けての好材料といえた。(池田充雄)

シニア世代のいろいろな活動紹介します《けんがくひろば》4

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「サロンゆうゆう」の様子

【コラム・椎名清代】新しいまち研究学園駅エリア。住民の多くは若い世代ですが、シニア世代も徐々に増えています。今回はシニア世代の活動を紹介します。 

体にいいこと、楽しいことしよう

約14年前、研究学園駅前公園でのラジオ体操は1人でした。そのうち、仲間が2人、3人、…、10人と増え、その人たちから「もっと体にいいことをしよう」「もっと楽しいことをしよう」との声が上がり、木曜日に遊ぶ会=『木遊会』が発足しました。

TX駅前マンションを中心に、口コミで仲間が増え、この活動を知った遠隔地の人の参加もあり、ピーク時、この会は160余名に成長しました。 

毎月の定例会のほか、年2回のバス旅行会、新年会、観桜会、そば打ち会、芋煮会など、季節ごとのお楽しみ会も行われてきました。趣味が同じ人たちが集う同好会も次々とでき、多くの人が楽しい時を過ごせていたと思います。 

ところが、コロナ禍を経て高齢化が進み、役割を担える人が減少してきたこと、この地域に交流センターのような施設がないこともあり、活動を縮小せざるを得ない状況となっています。現在の会員は約120名に減っています。

会では、春の観桜会、夏の納涼会、暮れの忘年会のほか、ゴルフ会(原則隔月コンペ、筑波東急ゴルフクラブ)、麻雀会(毎週金曜日午後、マンション・レーベン研究学園内の林技術事務所)、パソコン会(毎週木曜日午前、同)、グラウンドゴルフ会(毎週水曜日、研究学園駅前公園)、ウォーキング会(毎月1回不定期、徒歩と公共交通機関で近隣へ)などを開いています。

シニアサロンで勉強とおしゃべり

研究学園地域に暮らすシニア世代の多くは、子供世帯と同居あるいは近くに住むため、全国各地から転居してきました。高齢になってから、新しい土地になじみ、友人をつくることはなかなか難しいことです。

自宅にこもりがちになってしまわないか…。そんな懸念から、気軽に楽しく交流できる場が必要と、長年つくば市で在宅診療と認知症ケアに携わってこられた元開業医の先生により、2003年に「サロンゆうゆう」が開設されました。

先生の長い経験から、健康づくり、介護予防、体調変化の見分け方、薬の飲み方など、多くのことを学びました。講話のほかに、軽い体操、歌、ゲーム、おしゃべりで、楽しい時が流れています。 

コロナ休止期間を経て、現在、民生委員の方数名がサロンの運営を担っています。知りたいこと、楽しいことを皆で考え、つくっていくこのサロンは月1回開かれています(第2月曜日13:30~、林事技術事務所)。毎回20数名の参加があり、緩やかにつながって、互いに気遣いあう関係ができたように思います。 

たくさんの人と交流して、これからの時間を大切に過ごしてゆきたいと思います。(けんがく活動団体協議会代表)

2団体で共同運営に 不登校児童・生徒の支援施設、つくばセンタービル内に移転 

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(左から)アーティストの平方さん、ウニベルシタスつくばの徳田代表、むすびつくばライズ学園の北村代表、ライズ学園職員の松井由佳さん、リヴォルヴ学校教育研究所の小野村理事長、

つくば市の施設である市産業振興センター内(同市吾妻)で不登校児童・生徒への学習支援を行ってきた「むすびつくばライズ学園」(NPOリヴォルヴ学校教育研究所運営、小野村哲理事長)が4月から、近くのつくばセンタービル1階、貸しオフィスco-en(コーエン) 内に移転する。移転後は、2009年から18年まで市内で市民講座「つくば市民大学」を開いてきた市民団体「ウニベルシタスつくば」(徳田太郎代表)との共同運営になる。

平日5日間は不登校支援事業に使用し、土日は市民大学による市民向け講座を開催する。また施設の一部を利用し、区画を分け合う希望者がそれぞれ自分の本を持ち寄るオーナー制の一箱本棚図書館「リブラリウム(コミュニティ・ライブラリー)」をウニベルシタスのメンバーで、石岡市で市民による私設図書館「つながる図書館」を営む同市在住のアーティスト平方亜弥子さんが担当する。

移転先のつくばセンタービル

使い分け家賃負担軽減

同NPOは2000年から同市谷田部で不登校の学習支援施設を運営し、20年から市と協働でむすびつくばをスタートさせた。21年12月に市が実施した次年度の運営事業者選定に漏れると利用者の家族などから運営継続を求める陳情が市に出され、迷走。五十嵐立青市長は謝罪しリヴォルヴとの事業を継続、1年間の事業延長が認められた。23年度からは市が創設した民間フリースクールへの補助金を受け産業振興センター内で事業を実施、24年度からは市の施設からの移転を迫られていた。

新しい移転先は現在の施設から徒歩5分ほど。同学園代表の北村直子さんは「(移転先は)最後の最後まで悩んだ。今いる子どもが通えなくならないことを第一に考えた」と話す。「子どもや保護者からは『よかった。これからも通える』という意見が多かった。新しい場所でも一緒につくっていこうと協力してくれている。みんな楽しみにしている」という。

2団体での共同経営や移転先決定の経緯について小野村理事長は「ここに来る子どもはいろいろなことに関心を持っている。市民大学に来るいろいろな人たちと触れ合う機会があるといいと思った。その中で、本を介してつながることもあればとコミュニティライブラリーの話にもつながってきた」とし、移転先については「物件候補が3カ所あったが雑居ビル3階などでは地域とのつながりがなくなってしまう。人の出入りがあるところがいいとの考えもあった。ウニベルシタスさんと平日と土日を使い分けられるなら、家賃負担も(センター地区から)離れたところで借りるのと変わらずにできる。であれば家賃が高くても価値があるということになった」と話した。

つくば市民大学は09年から9年間、同市東新井のろうきんビルで約1300講座を開講し、延べ1万2500人が参加し17年末に活動を休止した。徳田さんは「何らかの形でつくば市民大学を復活させようという話はあった。ウニベルシタスという団体は継続していてむすびつくばの運営協議会にも参加していた。子どもたちの支援は平日なので土日は使える。きちんとした場を持つ市民大学を復活しようという形になった」と語る。今後については「市民大学のキャッチコピーは『まなぶ、つながる、つくりだす』こと。互いの対話を通じて学び合い、集まる人同士の出会いがあって実際にアクションにつながるものにしていきたい。積極的に社会に働きかけていくような人へと皆で育っていこうという場にしていきたい」と語る。

一箱本棚図書館を担当する平方さんは「それぞれの本棚を通じて『この人はこんな本読むんだ、こんな側面あるんだ』と知ることができる。図書館の利用者同士が知り合い交流が生まれたら」と話す。

収益上げる体制づくりへ

リヴォルヴの小野村理事長は今後の課題を「収益を上げられる体制づくり」だとして、放課後の時間帯に開く新事業「ライズプラス」に期待する。「ライズプラスは『放課後教室』で、誰もが気軽に通えるところ。学校に行っているが自分のペースで学びたい子ども、自分の興味関心に合わせたことはすごく学べるがその環境がない子どもがいると感じている。そういう子を対象に社会科、英語科、国語科などの教室を開いていきたい」と話す。

北村さんは「不登校事業は決して収益性の高い事業ではない」とし、「ライズプラスと教材開発で安定した基盤をつくり子ども達のサポートに当てていきたい。教えることがうちの強みなので、そこをしっかりやっていきたい」と話す。(柴田大輔)

◆31日 (日) 午後2時からオンラインでオープニングイベント「むすびつくば ライズ学園 × 市民大学 + コミュニティ・ライブラリー」が開かれる。参加費無料。詳細は同ホームページへ。

ゴジラの国の子どもたち《映画探偵団》74

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】アカデミー賞の視覚効果賞を受賞した山崎貴監督の日本映画『ゴジラ-1.0』が世界中で大ヒットしている。さらに米国映画『ゴジラ✕コング 新たなる帝国』が近日公開となる。今年はゴジラ誕生70周年にあたる。1954年当時、ゲテモノ作品と馬鹿(ばか)にする人もいたが、今ではゴジラは日本の文化財と言っても過言ではない。

考えてほしい。公開当時20歳だった人は90歳、16歳だった人は86歳、10歳だった人は80歳だ。日本はゴジラを見て育った子どもたちの国なのである。

『ゴジラ・デイズ』

1980年代後半、『ゴジラを創った男たち』のテレビドラマ用の企画を考えた。1954年は東宝撮影所で黒澤明監督の『七人の侍』が製作されていたころ。ビキニ環礁で水爆実験が行なわれ、日本国中に放射能の恐怖が襲う中、田中友幸プロデューサ一は『G作品』の企画を立案。街頭テレビでは米人レスラーに力道山の空手チョップが炸裂(さくれつ)。

この年発足した自衛隊の撮影協力のもと、『ゴジラ』が作られる。作家の三島由紀夫がロケ地を訪れ、国産特撮第1号のゴジラに関心を示す。苦闘する特撮監督円谷英二と本多猪四郎監督。ゴジラとその時代をノスタルジックに描く。

企画書を田中プロデューサ一あて送ると、代理の方から電話があり「現在、新作のゴジラを準備中で、古いイメージを与えて新しいゴジラの邪魔をしたくない」との返事だった。1984年の『ゴジラ』の興業成績がいまひとつだったため、その後作られてなかった。1年後、その新しい作品が『ゴジラVSビオランテ』(1989)だとわかる。

知人に預けてあった企画書は出版社に渡った。ちょうどそのころがゴジラ生誕40周年を迎える前年にあたり、ゴジラブ一ムが起きていた。出版担当者の「第1作だけでなく20作までひろげ、関係者にインタビューして40年史にまとめられないですか」となり、『ゴジラ・デイズ』(1993年)の本になった。その年、アメリカ版『GODZILLA』が製作されるとのニュースが流れていた。

『新諸国物語』

特撮監督・川北紘一にインタビューした際、『ゴジラ』公開時、夢中になったのは『紅孔雀』だと話してくれた。そうなのだ。70年前、ゴジラに負けず劣らず少年少女の人気を集めていたのは、東映の『新諸国物語』シリーズである。

北村寿夫原作のNHKラジオ連続放送劇『新諸国物語 笛吹童子』を映画化したお子様向け時代劇は、白鳥党とされこうべ党の戦いを描く勧善懲悪の活劇3部作だった。大ヒットを記録した東映は、続いて『新諸国物語 紅孔雀』を全5部作で公開する。

『新諸国物語』は最終的に『白鳥の騎士』『笛吹童子』『紅孔雀』『オテナの塔』『七つの誓い』『天の鶯』『黃金孔雀城』の7部作の大河シリーズとなる。戦後の混乱が残る日本で生きる少年少女に正義と勇気のメッセージを送る作品だった。

私が体験したのは『黃金孔雀城』(1961)からで、黒冠者(里見浩太郎)の忍術シ一ンにしびれた。またテレビで見ていた山城新伍・主演『風小僧』は『新諸国物語』のスピンオフ作品だと後で知る。『スター・ウォーズ』(エピソード4)は、元ネタが黒澤監督の『隠し砦の三悪人』であることは知られているが、善と悪のフォ一スの戦いを見て、私は『新諸国物語』を連想した。

世界はゴジラの国の子どもたちの時代を迎えようとしている。今こそ、『新諸国物語』をリメイクし世界に輸出すべき時ではないかと思う。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)