日曜日, 10月 25, 2026
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フェミニズム・LGBTQ・障害者を扱うブックカフェ つくばに開店

安心してつながる場所を目指して

ブックカフェ「本と喫茶 サッフォー」が今年6月、つくば市天久保にオープンした。性差別からの解放を目指す「フェミニズム」、LGBTQなどの性的マイノリティを含む「ジェンダー」、障害者などをめぐる社会課題を提起する「福祉」など、大型書店では見つけにくいジャンルを中心に、絵本から学術書まで幅広く扱う。店主の山田亜紀子さん(49)は多様な人が安心して繋がれる居場所を目指している。

居場所が奪われている

山田さんは6年前まで、都内の書店で女性向けの書籍を扱うフロアの店員をしていたが、フェミニズムの本はなかなか売れなかった。「良い本はたくさんあるのに残念」と感じ、2017年に出版社「現代書館」(東京都千代田区)に編集者として転職。多くの人が親しめるよう、フェミニズム入門雑誌『シモーヌ』をつくってきた。

転職した頃から、性被害の経験をSNS等に投稿する「#MeToo」運動が世界中に広がった影響で、フェミニズムも注目されるようになった。一方で、運動に反発する動きも強くなり、それまでマイノリティと呼ばれる人たちにとって安心してつながれる場だったSNS上の空間が危険にさらされるのを目の当たりにした。「本を作ることも大事だけど、安心できる居場所をつくりたい」と思い、50歳になる今年、出版社を辞め、生まれ育ったつくばで、ブックカフェを出すことを決意した。

街中に小さい本屋がたくさんある東京とは違い、車社会のつくばは、ショッピングセンター内の大型書店に足を運ぶ人が多いが、そこにもジェンダーやフェミニズムの本は少ない。ジェンダーに関心のある人を含め、多様な人が気軽に来られる場所にしたいと、筑波大学や小中学校、障害者の地域生活を支援する当事者団体「つくば自立生活センターほにゃら」(川島映利奈代表)、障害者の就労を支援する多機能型事業所「千年一日珈琲焙煎所」(大坪茂人代表)などがある天久保地区に出店を決めた。

様々な人が安心してつながれる居場所にしたいとカフェも併設。1人で来店した人が、LGBTQ当事者であることを打ち明けてくれることもある。「おそらく安心して誰かとつながれる場所が少ないのだろうと思う。そのような居場所を守っていきたい」と山田さん。

奥がカフェスペース。テーブル席で軽食をとりながら、ゆっくり過ごすこともできる

マイノリティ同士が知り合う場に

昨年、現代書館で編集した『シモーヌVOL.7』では、「不良な子孫の出生の防止」を理由に、多くの障害者が強制的に不妊手術を受けさせられた旧優生保護法をめぐる、女性運動と障害者運動の葛藤を特集した。出産の強制に反対する女性運動と、胎児の障害を理由とした中絶に反対する障害者運動は、時に対立したが、女性だけに育児や介護を押しつける一方、障害者はあってはならないものとする社会を変えるべく、共闘してきた。

「強制的に不妊手術を受けた障害者らが全国各地で国を提訴しているが、そこでは女性団体と障害者団体が連帯して動いている。また、2006年に国連で障害者権利条約ができたときに、世界中から障害者が集まって打ち出したスローガン『我々ぬきに我々のことを決めるな』も、女性やLGBTQの運動に応用できるはず。それぞれに関心のある人たちが交流し、互いの運動を知ってもらえる場所にしたい」

トランスジェンダーたちを知って

現在、店内ではパネル展「トランスジェンダーのリアル」を開催中。トランスジェンダーの実際の姿を知ってもらうために、21年に当事者たちにより制作された無料冊子「トランスジェンダーのリアル」に載る当事者5人の写真とライフストーリーを展示したパネル展だ。同制作委員会によると、冊子は全国の自治体や学校で4万部配布された。パネル展も、自治体や大学など全国各地で開催されている。

店内で開催中のパネル展「トランスジェンダーのリアル」

「カフェに展示することで、普段関心のない人にも当事者の姿を見てもらえたら」という思いから、サッフォーでは、年内はパネル展示を続ける予定だ。(川端舞)

◆サッフォーはつくば市天久保1-15-11 アイアイビル104。問い合わせは電話029-811-9644。ホームページはこちら

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