土曜日, 9月 20, 2025
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コロナ禍 県内の障害者雇用5年ぶり減少

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ハローワーク土浦=土浦市宍塚

コロナ禍で障害者雇用が厳しい状況になっている。厚労省茨城労働局(水戸市)がまとめた県内のハローワークを通じた2020年度の障害者の就職件数は、前年度比5.3%減(114件減)の2049件で、2016年度以来、5年ぶりに減少に転じた。

就職件数を新規求職申込件数で割った就職率も、0.5ポイント下がり50.7%と、2年ぶりの減少となった。

コロナ禍の就職戦線は当分、困難が続くとみられ、関係機関は障害者雇用促進法の積極的な順守を呼び掛けている。

厚労省茨城労働局まとめ

就職件数を障害別にみると、最も多い精神障害者が18.9%減(210件減)の899件、身体障害者は13.5%減(72件減)の462件だった。知的障害者は4%増(18件増)の467件だった。

産業別でみると「医療・福祉」が876件(構成比42.8%)、「製造業」が251件(同12.2%)、「卸売・小売業」が200件(同9.8%)ーなどでの就職件数が多くなっている。

また職業別(具体的な仕事の内容)では「運搬・清掃・包装等の職業」が805件(構成比39.3%)で最も多く、次いで「事務的作業」が508件(同24.8%)、「生産工程の職業」が236件(同11.5%)と続いている。

障害者の解職者数は14人だった。(山崎実)

「つくバブル」崩壊は杞憂だ 《茨城の創生を考える》19

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ダイヤモンド筑波(筑西市)

【コラム・中尾隆友】つくば市の不動産業や住宅販売業は、もともと全国でも屈指の好環境にある。住環境に優れ、東京都心に1時間で行けるメリットが大きいからだ。この10年間で、TXつくば駅や研究学園駅から徒歩30分圏内には、手ごろな価格で購入できる住宅用地はほとんどなくなった。

それがコロナ禍によって、いっそう好環境に拍車がかかっている。テレワークの広がりによって、首都圏から地方へ移住するハードルが下がっているのだ。大手企業やベンチャー企業では、場所にとらわれない働き方を推奨しているところが多い。

その結果として、つくば駅や研究学園駅から徒歩60分かかる区画整理地でも、万博記念公園駅やみどりの駅に近い分譲地でも、住宅用地が飛ぶように売れている。

不動産業や住宅販売業に従事する人々の最大の関心事は、「つくバブル」がいつはじけるのかということだ。こんな異常な状態が続くわけがないと考えている人が多いのは、肌感覚でも理解できる。

テレワーク導入企業は今後も増える

しかし私は、「つくバブル」は意外にはじけないのではないかと考えている。日本の雇用形態がこれから10年、20年単位の時間をかけて、ジョブ型(職務内容や労働時間を定め、成果で評価する雇用形態)に切り替わっていかざるをえないからだ。

日本企業の圧倒的多数が採用するメンバーシップ型(職務に限定がない雇用形態)では、ジョブ型を採用した企業と比べて、従業員のモチベーション低下が著しい。在宅勤務でも十分に評価されるテレワークを導入する企業は、これからも増え続けていくだろう。

そういった意味では、つくばのポテンシャルは下がりにくい。かつてのバブル崩壊のように、土地価格が急落するという心配は杞憂(きゆう)なのではないだろうか。(経営アドバイザー)

県西4校連合、土浦工 敗れる【高校野球’21】

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【県西4校連合ー麻生】タイムリーを放った筑波高の小松崎

第103回全国高校野球選手権茨城大会2日目の10日、5球場で1回戦10試合が行われた。土浦・つくば勢は、県西4校連合(筑波・真壁・明野・石下紫峰)が麻生に1-31と5回コールド負けを喫した。土浦工は那珂に3⁻6で敗れた。

2番手で登板した筑波高のフセイン

4校連合、筑波高の小松崎が得点

笠間市民球場の第1試合は県西4校連合⁻麻生。4校連合唯一の得点は、小松崎誠至(筑波高3年)が挙げた。2回表1死三塁の場面、カウント2⁻2と追い込まれた後のインコース寄りの直球を振り抜き、ショートとレフトの間に落ちる幸運なヒットとなった。「自分のバッティングができ、ランナーを返せて良かった」との感想。

小松崎は前の回、2つのセンターフライを処理したことでリズムに乗った。先頭打者の高いフライに対しては「前へ突っ込めば捕れると思い、試したらうまくいった。練習の成果があった」とのこと。3番打者のフライは難しいバックハンドでのシングルキャッチだったが、これもうまく処理した。

合同チームについては「最後に連合のみんなと野球ができて楽しかった。やっていくごとに楽しい雰囲気になった。先生方にはよく怒られたが、おかげで目の前のプレーに集中できるようになった。その集中力が今日の試合にも生きた」と振り返った。

4校連合の投手は3人の継投。このうち2人目を務めたのが筑波高のアルダヒール・フセイン。183センチ98キロの恵まれた体格から、120キロ前後の糸を引くような直球を繰り出す。ストライクを入れるため5~6割の力で投げたそうだが、6四死球と6暴投が惜しまれた。

父が日本で自動車販売の会社を始めたのを機にイラクから来日。吾妻中ではバスケでNBAを目指していたが、筑波高校にはバスケ部がなく、迷っているときに田嶋一彦監督(当時)に誘われ入部した。

「野球はイラクにはないスポーツ。見たこともなかったが、とにかく遊びでやってみようかと思い、気付いたら半年経っていた」

コロナ禍で一時帰国したこともあり、野球を経験できたのは正味1年ほど。人数もそろわず満足な練習ができない中、昼休みのシャドーピッチングなど努力を重ねてきた。

「人一倍向上心がある。1年でこんなにうまくなる子を見たことがない。最初の頃を知っているので、今日は涙が出るくらい。良いごほうびになったのでは」と田嶋前監督。今2年生だが18歳なので高校野球は今大会で卒業だそうだ。

土浦工、1勝の夢は来季へ

帽子を飛ばす力投で9回を投げきった倉持

笠間市民球場の第2試合、土浦工-那珂は、3-6で土浦工が競り負けた。6回に飯嶋柊太の2点適時打などで一度逆転するが、エース倉持直輝が8・9回に計5点を失い、再逆転を喫した。

倉持は初回、相手の要注意打者・岩崎快にソロ本塁打を浴びたが、その後はヒットは許すものの失点は許さず、粘り強いピッチングで味方の反撃を待った。

しかし打線は、相手先発投手の荒れ球に狙いが絞れず、5回までノーヒット。「あわててボール球に手を出さず、甘い球を狙おうと伝えた。だが相手もここぞというときはいい球を投げ、チャンスを広げられなかった」と小林悟樹顧問。

そして6回に好機到来。増田康太の右前打がチーム初ヒットになると、富施幸太らが3連続四球を選び、押し出しで1点を獲得。なおも1死満塁から、飯嶋が右翼への二塁打を放った。「先輩がつないでくれたので、しっかり打ってチャンスを生かそうと、ややアウトコース気味のまっすぐを逆らわずセンター方向へ打った。長打は必要ない、1点ずつ返そうと低くて強い打球を意識した」と飯嶋。

だが8回、球数が100球を超えた倉持が打ち込まれる。「序盤から高めに荒れたことが後半の疲れにつながった。負け続けているチームなので、3年生のためにも1試合は勝ちたいと思っていた。また秋にリベンジしたい」と、悔しさをにじませた。

毎年、選手層の薄さに悩んできた同校だが、今年は2年生が9人、1年生も11人入り、練習試合などでは上級生と遜色ないプレーを見せている。同じ出身中学の子たちが誘い合って入り、活気が生まれたことがさらに活気を呼ぶ好循環につながったようだ。

「笑顔で一つ一つのプレーを楽しもう」と、フレンドリーな雰囲気づくりでチームを引っ張ってきた富施主将は、来季のチームに望みを託す。「実力はあるので、チームワークやコミュニケーションを高め、アドバイスにしっかり耳を傾ければ大丈夫。勝利の報告を期待している」(池田充雄)

6回裏1死満塁、飯嶋が右翼への二塁打で2点を挙げる

土浦市職員が新型コロナ 聖火リレーで交通規制

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土浦市役所

土浦市は10日、同市役所4階の下水道課に勤務する30代男性職員が同日、新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。職員は5日に市内で実施された東京オリンピックの聖火リレーで、午後4時10分から6時まで、車の進入を規制する交通規制を担当していた。

男性職員は翌6日、通常勤務した。7日は休暇を取得し、同日夜8時から9時30分まで市役所サッカー部の練習に参加した後、午後11時30分ごろ発熱した。翌8日からは自宅待機しPCR検査を受け、10日に陽性が判明したという。

職員は窓口業務には携わっていないという。同課は10日に消毒を実施し、週明け以降、通常業務を予定している。

職員の感染経路は不明。市は、サッカー部の練習に参加していた職員と下水道課周辺の職員を自宅待機とし、濃厚接触者のPCR検査を実施するとしている。

クレオ第2弾、22日オープン つくば駅前商業施設

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つくば駅前の商業施設トナリエクレオ

つくば駅前の商業施設「トナリエ クレオ」を運営する日本エスコン(東京本社・港区、伊藤貴俊社長)は9日、第2弾が22日オープンすると発表した。

2階に家電量販店のケーズデンキ、3階に100円均一ショップのダイソーと、アミューズメントやゲームセンターのタイトーFステーション、幼児教室のベビーパークなどがオープンする。ほかに、1階に宅配ピザチェーンのピザハット、韓国食品スーパーのイルソイルソが出店する。

第2弾のオープンに合わせて、物質・材料研究機構が3階に夏季限定で本物を模した実験室空間を出展し、22日から25日に実験ショーを開催する。

隣接のトナリエキュート3階にはキャンプ用品の小川グランドロッジ、トナリエモグ1階には宝飾品やブランド品の買取専門店ジュエルカフェがオープンし、クレオ、キュート、モグ合わせて計8店が出店する。

さらに第3弾として秋には、2、3階などにキッズスクールや学習塾などがオープンする予定という。

クレオは5月19日、第1弾として1階に食品スーパー「ロピア」などがオープンした。西武筑波店やイオンつくば駅前店の撤退による閉店以来、5年ぶりのリニューアルオープンで、特に土日などはにぎわいが見られるようになった。(2月2日付4月28日付5月19日付

4~6階のオフィスフロアは昨年11月から順次、入居している。旧イオンつくば駅前店跡地に建設中の18階建てマンション218戸は現時点で90%が契約済みという。

今度は関鉄竜ケ崎線に乗ってみた 《茨城鉄道物語》13

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竜ケ崎線の車両

【コラム・塚本一也】県南地域でかねてから気になる鉄道がありました。それは、関東鉄道の竜ケ崎線です。常磐線の龍ケ崎市駅(竜ケ崎線の名称は佐貫駅)で接続し、総延長4.5キロ、駅数3駅のローカル線です。一体どんな経緯で開業し、どんな人たちが利用しているのか、大変興味がありました。竜ケ崎線は茨城県最古の私鉄であり、1900年に開業し、120周年を迎えました。

そもそも常磐線が開通した1896年時には、竜ケ崎村は仙台伊達藩の領地であった歴史などから、すでに市街地として発展していました。それゆえに、常磐炭鉱の石炭を運ぶ常磐線は、地元との調整やその線形などを考慮し、今の龍ケ崎市の中心部を外れたところを通過することになりました。

しかし、鉄道輸送の必要性を感じた地元有志らの尽力により、竜ケ崎線は4年という短期間で、当時としては珍しい客車を主体とした路線として開通しました。その後、稲敷から鹿島方面への延伸計画もあったそうですが、世界恐慌により、とん挫したということです。

このように長い歴史を持つ竜ケ崎線ではありますが、近年は利用者の減少が課題であり、特に昨年は、コロナの影響により旅客収入の減収に一層拍車がかかったそうです。

ほのぼのとした空気が漂うローカル線

休日の昼、体験乗車をしてきました。交通系のICカードが使えたのは、さすが首都圏を走る鉄道と感じましたが、トイレなどもきれいに整備されており、企業努力の跡がうかがえました。車両は1両編成で、10人ぐらいの乗客がいました。鉄道マニアらしい子供を連れた家族連れもおり、結構、注目されていることに感心しました。

中でも注目すべきは、車両のつり革に、龍ケ崎名物のコロッケがキーホルダーのように飾られていたことです。家族連れも珍しそうに写真を撮っていました。竜ケ崎線が地域に愛され、それに応えるかのように、地域の名産品とコラボしているのでしょうか。なかなか粋なことをするなと、感心してしまいました。

コロナによって、あらゆる旅客輸送事業が痛手を被っていますが、どこかほのぼのとした空気が漂うローカル線に、久しぶりに癒された感じがしました。(一級建築士)

竜ケ崎線のコロッケ手すり

市立学校教員が新型コロナ つくば市

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つくば市役所

つくば市は9日、市立学校教員1人が同日、新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。

市教育局学び推進課によると。教員が勤務する学校に濃厚接触者はいないという。

学校は消毒を実施したが、休校などの措置はとらない。

土浦一、つくば工科2回戦へ 高校野球県大会開幕

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【土浦一―八千代】力投を見せた土浦一の鶴町開=J:COMスタジアム土浦

雨で順延となった第103回全国高校野球選手権茨城大会は9日開幕し、5球場で1回戦10試合が行われた。土浦・つくば勢は、土浦一が八千代を14⁻7の大差で破った。つくば工科は6ー5で岩瀬を下し、それぞれ2回戦に進出した。土浦二は勝田に敗れた。

土浦一、7失点ひっくり返し八千代に大勝

7回表、三塁打を放ちガッツポーズをする花垣謙=同

J:COMスタジアムの第1試合は、土浦一が序盤の7失点をひっくり返し、14-7の大差を付けて大勝した。

土浦一は1回表に先制点を決めたものの、1回裏に4失点で先発の橋口柊太から鶴町開に交代。だが2回裏に3失点で1-7と点差を広げられ、試合の流れは八千代優位に見えた。

3回以降はマウンドに立った鶴町や土浦一守備陣が八千代打線を抑える一方で、攻撃回ではコツコツと安打や盗塁を重ねて1点ずつ返し、5回表には松田瞬の二塁打を皮切りに土浦一打線が爆発。川井大輔の二塁打などが続いて一気に5点を獲得し8-7と逆転した。

7回表は花垣謙が三塁打、8回表は打席に立った鶴町が二塁打を放つなど土浦一打線は勢いを増し、14-7で8回コールド勝ちを収めた。

柴沼剛己監督は「今日の勝利は、去年思い切り野球が出来なかった代(の選手たち)を含めての勝利。3回終わった時点で2-7だったので『1点ずつ取っていけば追いつけるよ』と話し、それを本当に選手たちが(打線を)つなぐ意識でやってくれた。(投手の)鶴町が頑張る裏で3年生が一生懸命やってくれたので、3年生全員でもぎ取った勝利」と語った。

成田圭梧主将は「春(大会)負けてから『1イニング毎回1得点を取っていこう』と話し合っていたので、それが生きてきた。春の負けが今日の勝ちにつながった。あそこ(5回)で5点取れたのが大きかった」と振り返った。

勝利の立役者となった鶴町は「自分のやるべき仕事を全うできたと思う」と述べた上で、守備陣を含めた仲間に向けて「仲間への感謝の気持ちを忘れずに投げれた」と感謝の意を示した。(崎山勝功)

2年ぶりに観戦「母校応援 生きがい」

2年ぶりの有観客試合を観戦する観客たち=J:COMスタジアム土浦

昨年は「茨城県独自の大会」となり無観客(選手や保護者のみ入場可)だったが、今年は各球場に2年ぶりに一般の観客が入った。この日土浦市は小雨が降ったり止んだりの不安定な天気。J:COMスタジアム土浦では第1試合の土浦一―八千代戦を熱心な高校野球ファンらが観戦した。

有観客での開催を行うにあたり「コロナ禍での大会」として特別態勢を取り、学校応援やブラスバンド演奏応援は禁止となった。一般の来場者は入り口前で検温に応じ、手指をアルコール消毒してから入場した。検温に当たったスタッフは「皆さん、協力的でスムーズに進んでいる。高校野球に付きものの応援団が無いけど、(野球が)できるだけでもありがたい」と話した。

「地域の母校を応援するのが先輩にとっての生きがい」という土浦一高OBの川島一男さん(78)=同市=は「毎年母校の応援だけは欠かさずに来ている」と語る。孫が土浦一高の野球部所属ということで「応援に熱が入る。こうやってグラウンドを眺めて子どもたちのすがすがしい姿を見ていると元気づけられる」と語り口に熱が入る。

三塁側の階段付近には焼きそばやソフトドリンクなどの売店が2年ぶりに出店し、来場者が購入する姿が見られた。男性店員は「夏は高校野球が無いと活気が出ない。皆が楽しみにしている」と話した。(崎山勝功)

つくば工科、岩瀬に逆転勝ち

8回裏2死一・二塁、木村が逆転の中前打を放つ

笠間市民球場の第1試合は、つくば工科が岩瀬に6-5の逆転勝ちを収めた。同点で迎えた8回裏2死一・二塁の場面、木村尚樹主将が殊勲の一打。ツーボールからの直球を「絶対返そう」という気持ちで中前へ運んだ。「どちらに転んでもおかしくないゲームを、選手たちが気持ちを出して粘り強く頑張ってくれた」と佐藤将光監督。

先発投手も務めた木村は「抜け球が多かった」と苦しい投球で5回までに5失点。だが打撃では逆転打を含む3安打の活躍で、2回には反撃の口火を切る三塁打も放った。「みんなが盛り上げてくれて気持ちが楽になり、初球から狙っていけた」と好調を語る一方、今日の勝因については「チームが心を一つにして、全員で守りきれた1勝だと思う」と振り返った。

「1年生のときは体も小さくひ弱だったが、実力が付いてくるにつれて向上心が出てきた。一人だけ残った3年生として苦労してチームをまとめ、引っ張ってきた」と、佐藤監督の木村評。今のチームがスタートした時は上級生は木村だけで、メンバーは9人揃わず、試合では助っ人を頼みながら戦ってきたという。

助っ人の一人がレフトの井上直弥だが、野球部へは出戻りという形になる。足のけがの悪化で野球部を辞め、回復後はハンドボール部で活動してきた。「チームに迷惑がかかると思って退部したが、みんなが頑張っている姿を見て、悔しさや申し訳ないという気持ちがあった。だが、もう一度やりたいと思っても、どういう顔をして戻ればいいのか分からなかった」という。

3年になってハンドボール部の活動を終えた後、「お願いだから戻ってきてくれ」と木村が声を掛けてくれたときは、思わず涙目になったそうだ。6月から本格的に合流すると、2人が中心になって朝練を始めるなど、夏の大会に向けて準備を進めてきた。

そうした思いが実を結んだのが9回表、この回を守りきれば勝利という場面。相手4番打者の打球が左中間に上がった。「もしこれを落としたら無死一・三塁。みんなのために抑えようと体が勝手に動いた」と井上がこれを好捕。絶体絶命のピンチの芽を摘んだ。

「自分はあきらめかけてしまうことが多いが、野球は何があるか分からない。できる限りのプレーを出しきりたい」と井上。今度は絶対にあきらめないという気持ちで次戦に臨むという。(池田充雄)

9回表無死一塁、左中間への当たりをレフト井上が好捕

日立市民球場第2試合の土浦二⁻勝田は、土浦二が1ー9で勝田に敗れ、2回戦進出はなからなった。

土地収用視野に説明会 霞ケ浦導水 石岡トンネル

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霞ケ浦導水事業の進ちょく状況。2020年12月現在(国交省関東地方整備局霞ケ浦導水工事事務所ホームページより引用)

土地収用法に基づく権利取得を視野に、国交省関東地方整備局は7日、霞ケ浦導水・石岡トンネル区間の事業認定申請に向けた説明会を、土浦市と小美玉市の2カ所で実施した。

導水事業は、地下トンネル方式で実施され、石岡トンネル区間においては必要な用地の約98%の区分地上権を設置している。

しかし現時点で、一部土地で任意による解決が難しいため、任意交渉だけでなく、土地収用法に基づく権利取得を視野に入れた説明会を開いた。

霞ケ浦導水は、利根川、霞ケ浦、那珂川を結ぶ流況調整河川事業で、霞ケ浦や水戸市の桜川などの水質浄化、茨城、千葉、東京都県などの水道用水、工業用水の供給などが目的。導水トンネルの延長は約45.6キロ(那珂導水路は約43キロ、利根導水路は約2.6キロ)。

関東地方整備局は、今年度予算の概要で那珂導水路工事(石岡トンネル、高浜樋管)については、既存施設の維持補修、水理水文調査、環境調査等を実施する予定としている。(山崎実)

つくばセンタービルで「ダイ・ハード」 《映画探偵団》45

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【コラム・冠木新市】ジョン・マクティアナン監督の「ダイ・ハード」(1988)が無性に見たくなった。ニューヨーク市警のマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、クリスマスにロサンゼルスの超高層ビルで働く妻のもとにやって来る。そこで左翼テロリストを装う強盗チームと遭遇し、妻と人質を助けるため、ビル内を這いずり回り、時々ぼやきながらも敵を1人ずつ倒していく。犯人の銃弾で粉々になった窓ガラスを裸足で踏み血だらけになったり、白のランニングシャツが黒くなるまでしぶとく戦う。

そして私は「ダイ・ハード」を見ると、なぜかジョン・フランケンハイマー監督の「大列車作戦」(1964)を思い出してしまう。

パリを占領していたナチスドイツが本国に撤退するにあたり、美術愛好家の将校が、美術館にあるルノワール、ゴーギヤン、ゴッホ、マネ、ピカソなどの名画を列車に積み持ち帰ろうとする。それをフランスの鉄道員ラビッシュ(バート・ランカスター)らは、「たかが絵を守るために」と一度は疑問に思うが、結局は「フランスの誇りのために」と命を賭け、取り戻す行動を開始する。仲間は倒されていくが、ラビッシュは油と汗まみれになりながらも最後まで戦い、絵を取り戻す。

「ダイ・ハード」と「大列車作戦」の主人公はよく似ている。

センター広場にエスカレーターは必要か

6月12日。つくばセンター研究会は講演&シンポジウムを27日に開催することを決めた。テーマは「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」。開催まで2週間しかない。翌日からゲストの交渉とチラシ制作(デザイン・三浦一憲、写真・斎藤さだむ)が始まる。

6月17日。1500枚のチラシが印刷所から届く。早速、メンバーに手分けして配布。

6月18日。私は市役所関係(秘書課、広報戦略課、都市計画課、文化芸術課、文化財課、生涯学習課)にチラシを配布。その後、つくばセンター地区活性化協議会関係者に配布しながら会話を交わし、数々の情報を得た。15時半、研究交流センター内の記者クラブで共同代表の三浦氏と会見(5社が集まる)。

6月19日。各地の地域交流センターを回り、チラシ配布。締めくくりは「まちなかデザイン」。専務に「ぜひ出席を」と参加要請した。

6月27日。台風の進路が変わり、雨の予報ははずれた。参加者は60名(市議8名、県議2名を含む)。エスカレーター賛成派にも呼び掛けたが、参加は少なかった。鵜沢隆先生の講演、加藤研先生と六角美瑠先生の話は好評だった。

参加者の発言から教えられたこともあった。「リニューアルのパブリックコメントは実施されていない」「昨年末のオープンハウスは途中で打ち切られた」などだ。

今回はあえてエスカレーターに焦点を当てたのだが、市の改造計画では、ノバホール横の階段は半分削られてスロープになり、広場の窓ガラスは取り替えられてしまう。さらに、ノバホールの正面玄関の通路は変形し、狭くなる。それらを考えると、イベントの反応がよかったなどと安心してはいられないのだ。

最後まで諦めないしぶとさを学ぶ

だからなのか、「ダイ・ハード」の、ビルを占領する金目当ての犯人たちをやっつけるマクレーンを見て、最後まで諦めないしぶとさを思い起こそうとしたわけだ。

7月3日。つくばセンター研究会に新しく参加した方から「文化財を守ることを訴えるだけでは、文化財とも思っていない人たちとの溝は埋まらないのでは」との問題提起があり、次の企画が検討された。

7月5日。ノバホール前。人々の密集する中で、東京オリンピック聖火リレーが行われた。今後、市も予算を使い、センタービル改造計画のイメージアップをはかっていくことだろう。こちらは、泥くさく地道にセンタービルでの「ダイ・ハード」を続けるつもりである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

不法投棄監視調査員を発足 ワースト県の汚名返上へ

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道路沿いに高く積み上げられたままの残土=つくば市内

近年、ダンプ数台で早朝や夜間などの人目に付きにくい時間帯を狙って、道路沿いや空き地に廃棄物や残土を捨てていく「ゲリラ的不法投棄」が増えている。県は今年度の新規事業として、ゲリラ的不法投棄を取り締まる不法投棄機動調査員を発足させた。不法投棄ワースト県の汚名返上に全力を挙げる。

メンバ―は警察OBを中心とする不法投棄対策室(県廃棄物規制課)の10人の専門チーム。日ごろは県北、県央、鹿行、県南、県西の各県民センターに2人ずつ配置し、昼夜を問わず監視パトロールを実施する。

悪質な事案が確認されたときはチーム一丸となり組織的に対応し、現場確認、追跡調査などを行う不法投棄Gメンになる。

発足の背景には、産業廃棄物の不法投棄や建設残土を許可なく埋め立てる悪質事案の急増がある。

例えば、産業廃棄物の不法投棄は、2006年度から減少傾向にあったが、18年度は101件、19年度は120件、20年度は197件と右肩上がりで急増している。

さらに不適正残土事案では、土砂が廃棄物処理法の規制対象外であるため、県は5000平方メートル以上の埋め立てを許可制に、県内全44市町村は5000平方メートル未満の埋め立てを許可制にする「残土条例」を制定し、不法投棄に監視の目を光らせている。違反事例が摘発された場合は、いずれも懲役か罰金刑が課せられる。

県は機動調査員の専門チームのほか、ドローンを活用した現地監視や、市町村職員への産廃・残土に関わる立ち入り権限の付与、民間警備会社に対する不法投棄監視委託など、官民一体による「摘発監視網」を広げる。(山崎実)

茨城県の不法投棄新規発生件数
年度新規発生件数うちゲリラ的不法投棄全国順位(ワースト)
2006316 2位
2007210 3位
2008245 1位
2009162 2位
2010133 2位
2011136 1位
2012171 1位
2013116 1位
2014134 1位
201597 3位
201689236位
2017772827位
2018101501位
2019120762位
2020197163
全国順位は10トン以上の事案。

「風立ちぬ」考 その1 《遊民通信》20

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【コラム・田口哲郎】

前略

「風立ちぬ」は長らく堀辰雄の小説を指すものでした。しかし、2013年7月にスタジオジブリ制作のアニメ映画「風立ちぬ」が公開されると、どちらの「風立ちぬ」なのか訊(き)かねば分からなくなりました。というよりも宮崎駿氏が最後の長編アニメと宣言した記念碑的作品に意外な題名をつけたので、「風立ちぬ」は知名度を上げ、堀辰雄の名作を忘却の淵から掬(すく)い出した感すらあります。

高橋源一郎氏が指摘していますが、アニメの方を指すのが現代日本では一般的になりつつあると言えるかもしれません。実際、アニメは小説の映画化というわけではないですし、同じ題名でも内容が違うから区別して呼ぶ方がよいかもしれません。そういう意味でアニメ「風立ちぬ」は宮崎駿の「風立ちぬ」です。

アニメは原作と違って八ケ岳山麓のサナトリウムにおける愛の物語ではなく、零戦の設計者堀越二郎の半生が主題となっています。関東大震災から始まり、太平洋戦争に至る社会変動の物々しいうごめきのうちに、美しい飛行機を造りたいと望む堀越二郎の奮闘が描かれます。

この堀越の伝記に堀の「風立ちぬ」と「菜穂子」が組み込まれている。堀越の妻が菜穂子になっていて、物語の舞台は堀越が勤務している三菱内燃機製造がある名古屋です。小説とアニメの内容の違いはこれ以上言いません。ただ、異なる物語がひとつの名に結びつけられるときに現れる奇妙さを看過するわけにはいきません。

高橋氏の言葉を借りましょう。「宮崎駿は、この設計者・堀越二郎の物語を、なぜ、堀辰雄の物語に、『強引に』接続したのだろうか」(「ニッポンの小説・第三部 第十七回『風立ちぬ』を『読む』」)。この謎を解く手掛かりは関東大震災・戦争のようです。

それぞれの「風立ちぬ」

宮崎氏は「文藝春秋」2013年8月号で、「風立ちぬ」公開に先立って半藤利一氏と記念対談をしています。そのタイトルは「『風立ちぬ』戦争と日本人」。対談は映画のパンフレットやポスターにあった文句「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」的な内容になると思いきや、宮崎氏と半藤氏の戦争体験や家族の思い出が語られ、堀越二郎の零戦の話はまずまずあるとして、堀辰雄の話題はほんのわずかしかありません。

「堀辰雄が戦時中に書いたものを読むと、戦争のせの字もないし、およそ政治的なことはほとんど文章中に書かなかったけれど、やはり、あの時代を真剣に生き、ちゃんと考えていたんだな、と思ったんです」と宮崎氏は語ります。堀は時代性や社会性を作品に反映させていないという評価です。

高橋氏も同様のことを指摘している。彼らは堀の小説が社会性を全く持たないがゆえに敬遠していたけれども、ずっと無視できずにいたと言うのです。宮崎氏と高橋氏を結びつけた小説「風立ちぬ」の魅力は何なのでしょうか? まず、先ほど述べた震災と戦争が関わっています。詳しくは次回。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

つくば市職員が新型コロナ

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つくば市役所

つくば市は7日、市役所コミュニティ棟3階に勤務する非常勤職員が同日、新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。

市ワークライフバランス推進課によると、職員が勤務する部署に濃厚接触者はいないが、保健所の指導により、念のため8日、職員3人がPCR検査を受けるという。

関係部署では消毒作業を実施し、通常通り業務を実施する。

「欲を出さないで頑張るしかない」 霞ケ浦 高橋監督【高校野球’21】

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今年は例年にないもろさがあると包み隠さずチームの現状を話してくれた高橋監督

一昨年の夏に優勝し、昨年の独自大会でも優勝(4校優勝)と、この夏は3連覇をかけて戦う霞ケ浦。昨秋は準決勝で鹿島学園に敗れ関東大会出場を逃した。春は好投手・樫村佳歩擁する水城に県大会初戦で逆転負けを喫している。高橋祐二監督(61)にチームの現状を余すことなく語ってもらった。

勝てる力あるが、もろさある

ー常総学院や土浦日大が入るゾーンです。組み合わせについて所感を伺いたいと思います。

高橋 特にありません。よそのチームを考える余裕がない。今年のチームは勝てる力はあるとは思うけど、簡単に負けるもろさもあり、霞ケ浦の本来の計算した、理詰めの野球が成立していません。監督を始めて12年目で初めて、決勝に行ってある程度こういうチームをつくればなんとか戦えると手応えをつかんで準決勝、決勝までは勝ち進んでいましたが、今年は21年目にして初めてその力がないかもしれません。強いチームを倒す力はもちろん秘めていますが、簡単に負ける可能性もある。そんなチームです。今年はピッチャーが計算できない。野手陣も戦力的には大して毎年変わらないと思うのですが、ものを考える力が不足しているとか、勝ち方を知らないとか、こちらにあまりついてきてくれていない部分が大きいのかもしれないですね。厳しいゾーンではありますが、同一ブロックでシードの土浦日大にしても常総学院にしても戦えないとは思っていませんが、目の前の相手、一戦一戦を戦っていくしかないのかなと。大それたことは言えない状況ですね。

ー現有戦力の分析をお願いします。歴代チームと比べてどうでしょうか。

高橋 1年生の夏に甲子園に行った飯塚恒介(3年)と宮崎莉汰(3年)がチームの完全な柱になり引っ張っていくような形が理想なのですが、そうなっておりません。飯塚についてはそれに近い存在にはなってきていますが、宮崎は全くですね。本来甲子園に行けなくても1年生から起用してきた選手は例年3年生になると完全な柱になってきました。ピッチャーでも野手でもそうですが今年はそうなっていません。戦力的には例年と変わりませんが、内面的な部分が相当弱いです。

1年夏からチームを支える飯塚選手。通算本塁打は30本を超える

ー技術的な部分ではなく、あくまで内面的な部分ですか。

高橋 内容的な部分がダメだから技術的な部分に影響を及ぼすのだと思います。チームの中心にならないといけない存在なのになっていない。3年生と2年生は持っている技量を引き出すだけの頭がないのか心がないのか、非常に残念ですね。僕自身は毎年チームづくりの仕方は変えていません。僕としてはある程度ここまでできたらなという指標のようなものがあるんですけど、今年のチームはそこまで届いていません。今年の子たちはチームワークが良いとは言えません。自分だけが良ければそれで良いという風に感じ取れる部分がある。霞ケ浦の野球って基本的に一人の力がなくても、糸だって100本あればロープになる。一本が細くても束になれば強くなるという野球なんですよ。それが今年は全くそうなっていません。例年同じようにチームづくりをしていても、根本的なところは押さえた上で、その年の3年生の性格によってチームカラーが出ます。今年は根本的なところを押さえられないまま最後の夏を迎えることになってしまいました。あめを使ってもむちを使っても通用しませんでした。

コロナが心に影響、例年とは違う

ーそれはコロナの期間を経験した影響からですか。

高橋 2年生はコロナの影響があるかもしれないですね。やっぱり一番大事な4月から6月にかけての時期に霞ケ浦高校野球部として感じなければならないことを感じてこないで、やってこなければならないことをやれないでいて、去年の1年間を過ごしたってことが今の2年生にとっては非常に影響を及ぼしているので、ちょっとピントがずれているところがある気がしますね。やっぱりこれだけたくさん練習をやって試合をこなしてきているのだから、全ては想定内のことで進んでいかないといけないといけないのに、今年はエッと驚くような考えられないプレーが起きる。監督が選手を掌握できていません。そういうチームはダメだね。これがコロナの期間が影響してこうなったのか、どうして今年はこうなのか答えは出ていません。来年どうなるか、これからは毎年そうなのかもしれませんね。ほかの強豪校の監督と意見交換すると、どこの監督とも「コロナが選手の心の成長に何か影響しているのかもしれないですね。例年とは違いますよね。」という話になります。高校生活をしていく中で一番大事な時を失ってしまった子たちですからね。

ー春の県大会は初戦で水城に敗れました。注目投手の樫村佳歩君と対戦してみてどうでしたか。

高橋 良いボールでした。もう1回やりたいね。リードしていたのに余裕がなくて守備から崩れて一気に6失点。そういうところが例年のチームと違う。守り勝てなくてビッグイニングをつくってしまうから。本当に何が起きるか分からない。

ここに来て山名が急成長

ーピッチャーについて伺います。春に背番号1だった渡邊夏一投手(2年)はどんな状態ですか。

高橋 当然期待値は高くて水城戦で先発したように春は主戦で投げていましたよ。でも、打者に向かっていけない。なおかつ打たれてしまうので自信を喪失して余計に気持ちが乗ってこない。本人が一番そのことを分かっていると思うので、期待のままにずるずるとベンチに入れてしまうよりは、一回奮起を促してどれだけ爆発できるかというのを見ていこうという考えではいますが、どうなるか大会まで分かりません。

エースとして期待される山名投手

ーそれでは夏の主戦投手は誰に?

高橋 山名健心(3年)です。唯一の救いはここに来て山名が急成長したということです。先日の東京の強豪校や山梨の強豪校と良いピッチングを披露して、山名が今一番自信を持っていますね。僕が見ていてもこれだったら勝負できるなと。あの時のピッチングが本番で出せるかどうかですね。ストレート自体も良くなりましたけれど、変化球が格段に良くなりました。

ー長身右腕の赤羽蓮投手(2年)はどうですか。

高橋 赤羽は成長がゆっくりですが、本人の自覚も徐々に出てきて成長を感じます。ベンチにも入りますね。

2年生の長身右腕、赤羽投手

ー付属ボーイズでエースとして活躍していた木村優人選手(1年)はどうですか。

高橋 本人がピッチャー志望ですからピッチャーをやらせているのですが、そこそこきっちりと投げますけれど、まだピッチャーらしいピッチャーではないです。素材としては学年では一番良いと思います。夏にはベンチに入ります。野手としての可能性も感じます。

ーベンチ入りするピッチャーは全部で何人ですか。

高橋 山名、木村、山田、赤羽、飯塚です。

ー1年生の木村君が2番手候補なのですか。

高橋 一番良いボール投げますからね。それに野球を知っています。ポテンシャルは兄(翔大・東洋大4年)にも負けていないですよ。

1年生ながら投打に能力が高い木村選手。2番手投手として早くも期待される

ー飯塚選手も投げるのですね。

高橋 まあ投げることはないでしょうけど、緊急登板なんてことも想定しています。もう1枚どうしようかと今考えているところです。

ー調子が上向きの選手を挙げるとしたら誰ですか。

高橋 ピッチャーは完全に山名ですね。野手ですか。野手はどうでしょう。見当たりませんね。

ー一番打っているのは誰ですか。

高橋 それは間違いなく飯塚ですね。パンチ力がありますね。30本くらいは打ったんじゃないかな。専大松戸の深沢君からも打ちました。

ー春の大会以降はどんなところと練習試合をしてどんな結果でしたか。

高橋 4月中に強豪校と複数試合を組んでいましたが、県外とは禁止となって、県内のチームとやらせてもらいました。水戸一、藤代、土浦日大、石岡一、下妻一。後は土浦市内大会ですね。下妻一以外とは全敗でした。水戸一には0対2でしたね。石井陽向君にものの見事に完封されました。素晴らしい。石岡一には0対6でやられました。植村塁君が一番良いと思いましたね。ものが違う。石岡一は本当に強いです。4月5月は県内の公立高校にたくさん負けました。6月に入って健大高崎と前橋育英に勝たせていただいてから徐々に調子が上向きになってきました。そして先日は東海大菅生と二松学舎と良いゲームをやらせていただいて。東海大甲府とは1対2で負けましたが、山名が完投して5安打。非常に良いゲームができて自信になったと思います。こんな良いピッチャーがいるのかと村中監督に言われたくらいです。本当に素晴らしい内容でしたので。

3連覇がかかった大会

ー監督の中では勝ち上がるイメージプランは出来上がっていますか。一昨年なんかはもう勝ち上がるプランをおっしゃっていただいて、そのとおりに投手起用されて優勝できましたが。

高橋 組み合わせが決まったら毎年ここで誰が投げようというプランを立てるのですが、今年はそういうのがないですね。本当にどうしたらいいかが分からない。こんな年は初めてです。エースを初戦からぶつけるしかないのかなと思います。でも球数制限があるからエースだけでいくと、1試合150球を4試合で、1週間のうちに600球投げることになって制限オーバーしてしまうんですよ。移行期間ではありますけど、その辺を考慮しないといけませんね。先のことを考えるのではなくて、目の前の試合を勝つと考えた時に、この投手で負けても仕方ないと思って起用するしかないかもしれませんね。今までの年とは違います。今まで2回甲子園に行っていますが、いずれも秋春の関東大会に行っていない年なんですよね。今年も関東大会に行っていないから、そういう意味では良いジンクスが共通するのですが、実績のない年の戦い方と今年の戦い方はどう考えても違うんですよね。

ー最後に、夏に向けて意気込みを語っていただきたいのですが。

高橋 それはもちろん甲子園を目指していますよ。去年の独自大会は優勝(大会はベスト4で終了)しましたし、一昨年の選手権は優勝していますので、夏はまだ2年間負けていません。3連覇がかかった大会なので今年も優勝を目指していますが、本当にうちは初戦で負けるかもしれません。チームがこういう状況なので欲を出さないで頑張るしかないですね。

ーどういう戦いになるのか楽しみにしています。(聞き手・伊達康)

監督インタビュー終わり

コロナワクチン接種「騒動」《くずかごの唄》88

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【コラム・奥井登美子】コロナワクチンで、町の人たちは促進派と拒否派と分かれてしまっている。

Aさんは、ワクチン接種を息子さんに報告したら「死んでもいいのか。僕は知らないぞ」と、ものすごい勢いで怒られてしまったという。何と言って息子を説得したらいいか途方にくれているらしい。ワクチン拒否派の中には、原理はよく解らないくせに、供給する政治・行政の実力が不満で怒りを爆発させている人もいるらしい。

また、ワクチンそのものが大嫌いという人もいる。江戸時代、ジェンナーの牛痘(ぎゅうとう)を広めようとした緒方洪庵らの蘭学医に対して、「牛痘をしたら牛になる」と言って、怖がった人たちと似たような人が今もいることがわかって、おかしくなってしまった。

「今は何を言ってもだめ、聞く耳をもたない。何も言わないで、コロナが下火になってきたら、ワクチンが効いてよかった、といってやればいい」。

「カロナール」が消えた!

Bさんは副反応の心配性。副反応が出たらどうしようと、接種しないうちから心配で、夜も眠れないという。近所の医者に相談したら「熱が出たらカロナールを処方するから飲めば治る」と言われて少し安心したけれど、薬を出してはくれなかった。カロナール成分の一般薬が薬局にあれば、接種前に用意して持っていたいと言う。

カロナールの成分はアセトアミノフェン。大正8年にスペイン風邪が流行したときも、この薬を使った。いわば昔からある薬だ。

最近、不思議なことに、一般薬として売れる形のカロナールが品切れになっている。処方薬は在庫があるので、処方箋調剤には差し支えないが、世の中にBさんみたいな、熱も出ていないのに薬を用意したい心配性の人がたくさんいるらしく、買い占めが横行しているという。おかしな世の中だ。

「かかりつけ医」って何?

Cさんは健康で、医者にかかったことがない。ワクチン説明書の中の「かかりつけ医」という言葉がピンとこないらしい。

「接種してくれる医院の名簿を見て、お宅の家から一番近くて、すぐに行ける医院に電話して予約すればいいのよ。近ければ熱が出たときでも安心でしょ」

「なーんだ。そんなことでいいのなら、やってみるわ」

「インフルエンザのワクチンのときと同じ。考え過ぎると面倒だから、気楽にいきましょう」(随筆家、薬剤師)

つくばの小学生20人 「きぼう」の星出宇宙飛行士とライブ授業

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星出宇宙飛行士の無重力状態での実験に見入る児童たち=つくば市吾妻

七夕前夜の6日夕、つくばスタートアップパーク(つくば市吾妻)に宇宙大好きの小学生が集まった。国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に滞在する宇宙飛行士、星出彰彦さんと結んで宇宙実験などで交信するライブ授業が行われた。

集まったのは同市内の小学校4年から6年の20人。かばんから「GIGA(ギガ)端末」と呼ばれるコンピューターを取り出し、それぞれがWi-Fiに接続し、オンラインミーティングのZoomを立ち上げ、QRコードを読み取ってYouTube(ユーチューブ)で中継される星出宇宙飛行士によるレクチャーを受けた。

同市では今年度から、小中学校の児童・生徒に1人1台のコンピューターを配備する文科省の「GIGA(ギガ)スクール構想」が本格的に始まった。持ち帰りできるパソコン「GIGA端末」を校外に持ち出しての教育活動も展開されており、今回は市主催のGIGAスクール特別講座として、応募者から抽選で20人が選ばれて宇宙からのライブ授業に臨んだ。

「きぼう」と結んだ宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターには油井亀美也宇宙飛行士がスタンバイ、質問や注文を仲介する形で、特に無重力空間での食事について学習した。「宇宙では水の形はどうなるか」「コーヒーとミルクはどのように混ざるのか?」など事前に寄せられた質問に答える形で実験が行われた。その模様はZoomを通じ、オンライン配信された。

小学生らは事前の回答で、多くが水の形は球形になると予想。星出さんが特殊な容器に入った水をストロー口から吸い出すと、見事な球形になるのが確認された。その表面に星出さんが写り込むライブならではの画像もとらえられた。

ライブ中継に前後して、会場ではつくばで活躍する宇宙研究者、フライトディレクター、宇宙スタートアップの経営者をゲストにトークショーも開催。最新の研究、ビジネスの動向や宇宙に興味を持ったきっかけなどが話され、児童たちは熱心にメモをとるなど聞き入った。

市立竹園西小6年生の志村淳之介君は、水が球形で浮いているとすると飲み込むとき気管に入ったりしないか、と質問。JAXAフライトディレクターの中野優里香さんから「大丈夫、飲み込めているようだけど、大変いい質問」と返事をもらった。志村君は「宇宙に行くときは模型を持っていって実験します」と意欲的だった。(相澤冬樹)

鋭い質問も飛び出したトークショー=同

弱虫ペダルチームと協定締結 旧筑波東中の自転車拠点整備で連携 つくば市

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連携協定を締結した(左から)五十嵐立青つくば市長、漫画「弱虫ペダル」の作者で「弱虫ペダルサイクリングチーム」の渡辺航監督と同チームの佐藤成彦ゼネラルマネージャー=つくば市役所

つくば市は6日、市内に本拠地がある自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」と、自転車利用の推進を目指した連携協力協定を締結した。

具体的な連携事業はこれから詰めるが、今後、同チームの選手が、小中学生向けの自転車交通安全教室に講師として参加したり、市が筑波東中学校跡地に計画している自転車拠点整備について同チームからアドバイスを受けるなどするという。

人気漫画「弱虫ペダル」の作者で、同チームの渡辺航監督(50)と佐藤成彦ゼネラルマネージャー(51)が市役所を訪れ、協定書に調印した。

渡辺監督は「国内のロードレースを盛り上げようとチームを立ち上げた。弱虫ペダルを読んで自転車競技の世界に入った若者たちが、世界に羽ばたく道筋の一つになればいいと思っていた。そのときにつくば市から(連携協定の)話があった。筑波東中にサイクリング拠点ができる。子供たちが自転車に触れ、自転車っていいな、楽しいなと感じ、選手たちがもっている自転車の気づきをフィードバックしながら、どんどん活用できる方向にいければ」などと話した。

佐藤GMは「チームが発足して6年間、つくば市を拠点に活動してきた。つくば市の素晴らしい環境があって活動ができる。少しでも恩返しできれば。筑波東中を拠点にした活用は、私どもも協力できたら」とした。

五十嵐立青市長は「今年つくば市にサイクルコミュニティ推進室が発足した。自転車利活用を本格的に加速させていくタイミングにある。(自転車を)知ってもらい、盛り上げていく上でこれ以上心強いパートナーはいない」などと述べた。

市は現在、廃校となった旧筑波東中の校舎の一部にサイクリング拠点を整備するための設計を実施している。さらに弱虫ペダルチームの提案を受けて同中のグラウンドに新たに、自転車競技の一つ、BMX(バイシクルモトクロス)コースを整備する計画を立てている(6月25日付)。

「不足していた糧が満ちてきた」土浦日大 小菅監督【高校野球’21】

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ざっくばらんに語ってくれる小菅監督=土浦日本大学高校

土浦日大はこの夏をどう迎えるのか。秋はまさかの県大会初戦で敗退、春は準優勝の常磐大高に準々決勝でタイブレークの末に惜しくも敗退した。小菅勲監督(54)に大会への意気込みやコロナ禍がチームづくりにどう影響したかなどを語ってもらった。

厳しいゾーン、身が引き締まる

ー組み合わせですが、常総学院ゾーンに入り、霞ケ浦も同じゾーンになりました。そのほかに好投手を擁する多賀や水戸葵陵などの中堅私学が入っています。まず、このゾーンに入った所感をお聞かせ願います。

小菅 厳しいゾーンです。非常に身の引き締まる思いがします。私は毎年、何回戦でどこと当たるといったことはほとんど見ないで大会に臨みます。勝ち上がりの予測が外れることも少なくありません。初戦、もし多賀高校さんが勝ち上がってきますと、神永耀生投手(3年)と対決することになります。去年常総学院に投げ勝った良いピッチャーです。そのほかに川井虹投手(3年)も良いボールを放っています。

ー右の好投手2枚に対して何か対策は考えていますか。

小菅 県内の好投手の情報は、年間を通してチーム内で共有し、対策を練っています。当然その中に神永君も入っていました。それを確認し直したいと思います。昨今はカット系、チェンジアップなどの特殊球を多投する投手が多いので、練習試合の中で対応してきました。選手はそういうピッチャーに対応しなければ勝てないということはよく分かっていますので、それをもう一回おさらいし、再認識するということだと思います。

負けに不思議の負けなし

ー秋の県大会初戦の敗戦から冬場はどのように過ごしてきましたか。

小菅 秋に初戦で負けたことは絶対にその原因がある。“負けに不思議の負けなし”で、時間をかけて修正をしてきました。ようやくこの春になって、こちらが感じている以上に自分を「重くして」しまう選手が多くて、逆境の時に見せる姿が分かるようになってきました。逆境をはね除ける糧が、昨年からのコロナ禍で足りないと思っています。これまで、去年1年の真剣勝負の積み重ねが欠落していました。春の大会の戦績は満足できるものではありませんでしたが、ようやくここに来て不足していた糧が満ちてきた感があります。チームにもまとまりが出てきました。全員で、大会の時ももっと良い声掛け、あるいは結束が出来ると思っています。チーム力としては、十分に優勝の可能性があると信じています。特に野手は能力の高い選手がいます。“大会を通して成長を果たしていく”のが優勝チームだと思います。1イニング1イニング、一戦一戦で成長していきたいです。その姿を見ることが楽しみです。

エース左腕の小谷野=J:COMスタジアム土浦

エースは小谷野、3人で回す想定

ー戦力について伺います。夏はどのような布陣になりそうでしょうか。

小菅 昨秋にベンチ入りしていなかった小谷野奨大(3年)がエースナンバーを着けます。2番手、3番手の山田奏太と河野智輝は2年生です。秋からはレギュラーが2~3名入れ替わり、背番号二桁の選手も秋から4~5名入れ替わりました。チーム全体で「切磋琢磨」ができました。

ー小谷野投手はどんなタイプの投手ですか。

小菅 左投げで180センチです。大柄な割に制球力がよくて,ストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップを満遍なく操れるピッチャーです。

ー秋に1番をつけていた山田投手はどんな調子でしょうか。

小菅 ここ3カ月くらいでかなり成長してきました。彼もボールの勢いで勝負するタイプではなく、コントロールや試合をつくる能力と、強気なピッチャーなのでピンチでも向かっていける要素を持っています。ベストな状態で臨めると思います。身長も伸びて170センチ後半になったと思います。以前は少しぽっちゃり系だったのですが、この3カ月くらいで体脂肪もコントロール出来てきて、その分ボールのキレも増したように思います。

ー河野投手はどのようなタイプの投手ですか。

小菅 右サイドスローです。落ち着いていて淡々としたピッチャーです。大体この3人で回す想定ですが、4人目には、この数週間でいちばん調子の良いピッチャーを入れたいと思います。

ー秋はたくさん下級生がベンチ入りしていましたが、夏は3年生が入ってくるのでしょうか。

小菅 やはり3年生が巻き返し、夏は3年生が増えました。20人中15~16人くらいが3年生になるのではないでしょうか。

キャプテンの芹澤。昨年の独自大会=ノーブルホームスタジアム水戸

去年秋は衝突、産みの苦しみを経験

ー野手陣について伺います。下級生の時から中心選手であった菅野と芹澤、1年夏からスタメンを張っている吉次悠真が春の大会では2番、3番、4番と上位を打っていました。3選手が特に注目を浴びていますが、各選手の状態を具体的な数字などを交えて教えてください。

小菅 正確な本数を把握していませんが、菅野と芹澤は通算本塁打が20本弱で同じくらいの数字だと思います。吉次は一桁台です。トーナメントで求められるのは“勝負強さ”です。“一球入魂”の精神です。あまり本塁打数などは求めていません。本人の励みにしてもらう程度です。まずけがなくここまで来ているというのが良い材料です。菅野と芹澤の2人でチームを引っ張っています。去年の秋にはお互いに衝突したり、冬の間は口論したりと産みの苦しみを経験しました。それだけ2人でチーム作りを真剣にやっているという証拠です。今は同じ方向に向かっています。非常に頭の良い子たちなので、2人でしっかりと考えてチーム作りをやってきたと感じています。後は責任を背負いすぎないようにして欲しいなと思います。今のところは心身ともに充実していると思います。

ー菅野は何球団かスカウトがチェックしに来たという話があります。

小菅 巨人と楽天、中日が来ました。菅野は183センチで90キロと恵まれた体格でありながら100メートル走を12秒切るスピードがあります。そういうデータを知っているので追っているのでしょう。現状では大学経由などワンクッション置いた方がいいでしょうとスカウトも言っていますし、私もそう思います。本人もその辺は理解しています。補強ポイントとして見に来るチームもいるということです。

プロが注目する菅野。昨年の独自大会=ノーブルホームスタジアムk水戸

ー春の大会で1番を打っていた武田優輝と5番の荻原康誠はどのような選手ですか。

小菅 武田は非常にガッツマンでチームのリードオフマンにふさわしい人間です。2年生ですけれども、よく声が出て元気がある。芹澤と二遊間でコンビを組んでいますが、いい「化学反応」を起こしています。時には芹澤が武田に引っ張られながらやっている感じもあります。荻原は学習成績もトップクラスで、練習も一番やる模範中の模範の選手です。自分の真面目さを貫き通して自己を確立してきました。この3カ月くらい試合でも打っていますし、荻原が打って助かった、救世主となった試合が数多くあります。

ーそれでは5番は荻原で決まりですか。

小菅 候補の一人ではありますが固定はしません。警戒される芹澤・菅野の後を打つ重要な役割でありますから、候補は何人かいます。ケースバイケースで決めます。

ーほかに調子が上向きの選手はいますか。

小菅 去年から出場していましたが、中村陸人(3年)です。足も速いです。紆余曲折あって自己が確立できていない時期もありましたが、最近ようやく夏の大会に勝つんだという気持ちが見えるようになってきました。後は高内大翔(3年)ですね。この選手も気持ちの浮き沈みがありました。自分の路線、役割、あるべき姿を確立するのに時間がかかったのですが、ここ2週間ほど非常に良い状態でして期待しています。また大島優太朗(3年)という選手も調子が上がってきました。うちの選手はみんな真面目なんですが、彼は大らかなタイプです。チームの中に一人や二人、考えすぎないような選手がいると良いスパイスになるので期待しています。

ー1年生はどのような状況ですか。

小菅 1年生は促成栽培せずにゆっくりつくっています。秋に照準を合わせてじっくりと仕上げようと話しています。コンセプトも理解してくれて、主体的に練習に取り組んでいます。

土浦日大出島グラウンドにて

感謝の気持ちあふれてる

ーコロナを経験してチームの取り組みとして変化はありましたか。

小菅 まず3年生は「今年は選手権ができて本当にありがたい」という気持ちがあふれています。やはり去年の3年生を目の当たりにしていますから。この間保護者会の壮行会があって、保護者の前でキャプテンの芹澤があいさつをしていました。「本当に大会が開催されることに感謝しています」と言っていました。本音だと思います。後は、このチーム、この世代は仲が良い。3年生のチームワークが非常に良い。皆で頑張って甲子園に行こうよという感じは出ています。なおさらいろいろと制約された中で練習や練習試合をやってきました。本当に練習試合が厳しかったんです。うちはよくても相手がキャンセルを申し出る。直前の金曜日にお互いにやっぱり行けない。本当にいろいろなところと情報交換しながらも、毎週欠かさずになんとか練習試合ができました。有り難かったです。

心は熱く、頭は冷静に

ー最近見た試合で、選手同士が「おおらかに、おおらかに」と声を掛け合っていました。何かきっかけというか、こういう声掛けをするようになった理由はあるのでしょうか。

小菅 私は常日頃から野球はガツガツとやるものではないと言っています。人によっては野球を格闘技に例えたりしますよね。一瞬一瞬のプレーではボルテージが上がりますが、特にバッティングなんかではおおらかさを忘れてしまうとがっついてしまうので、頭は常に冷静にすることを大事にしています。そういったことでおおらかにという声掛けが出るのかもしれません。心は熱く、頭は冷静に、一言で言うとおおらかにとなると思います。

ーこれをチームのテーマとして取り組んでいるのでしょうか。

小菅 自然とテーゼとして流れています。ゲームの時も、選手だけで集まってピッチャーのこと、配球のことを言い合っています。頭は冷静でおおらかさを失うと実のある打ち合わせはできないですから。相手を分析する面など、野球偏差値もかなり良い感じに高まってきています。

ー去年のインタビューでは球速を上げたり投球を改善するために一貫して取り組んでいることがあるということでした。現在でもこの点は変更がありませんか。

小菅 一貫して取り組んでおります。毎月ラプソードを借りて回転数や変化球の精度を計測して「ピッチトンネル」を測っていますし、成果があったと確信しております。

ーピッチトンネルとはどのようなものですか。

小菅 同じ球筋、同じトンネルを通過してから変化させるのが有効という考えのもとにボールの軌道を修正する作業です。当然カーブのように目線を上げる球種もあるのですが、力んだり抑えてやろうとなるとなかなか上手くはいきません。同じ球筋を通ってから変化するという、大きく曲がりすぎることがないように意識しながらやっております。

ー今大会は球数の制限はどのようになっているのでしょうか。

小菅 1週間500球で、試合日を起点として前1週間です。決勝戦を起点として4回戦からの4試合が問題になると思います。去年準々決勝までいった時に球数を見せられて(前1週間が)300球程度だったので、この調子でいくと決勝戦で球数制限を超えるんだなと感じました。高校野球はトーナメントです。勝たないと明日がありません。流れと試合展開をよく見ながら、500球ルールに対応していきたいと思います。

ー木内幸男監督が昨年11月にお亡くなりになりました。小菅監督は、甲子園を制覇を果たした1984年の取手二高の優勝メンバーでした。木内監督から受け継いだことや思いなどをお聞かせ願います。

小菅 最後に会ったのは亡くなられる1年ほど前でお元気でした。いつものようにずっと野球の話を興味深くされていました。木内監督から学ばせて頂いたことは1冊の本になると思います。お亡くなりになられてとても残念ですが、悲しい気持ちを決意に変えていきたいと思っています。大事なのは木内監督の遺志を継いで、次の世代の者が高校野球を発展させていくことです。木内監督の気概、「甲子園で勝つ事が教育になる」ーを胸に刻んで励んでいきたいと思います。(聞き手・伊達康)

ロシアは中国に押しつぶされるのか 《雑記録》25

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【コラム・瀧田薫】ソ連邦が崩壊(1991年)してから、今年で約30年が経過した。この間、ロシアは、自国の求心力を保とうと必死の努力を傾け、衰退と分裂の時代をなんとか乗り切ってきた。しかし成長と発展のトレンドはまだ見えてこない。「ロシアの現状は、外交面と軍事面では超大国であり続けているが、それ以外の領域では低開発国でしかない」というのが研究者大方のロシア評である。

ソ連崩壊前の1988年、ソ連経済は中国経済の約3倍の規模であった。しかし今日(2020年)のGDPは中国のそれの約10分の1でしかない。

6月11日、英国・コーンウォールで開かれた「2021年G7サミット」は、西側諸国が現在の中国とロシアをどう評価し、どう扱おうとしているか、検証する絶好の機会となった。今回会議の最重要テーマが「中国の覇権主義にどう対応するか」にあったことは明らかだ。ロシアについては、欧州諸国がその軍事的脅威に言及し、バイデン米大統領に認識を共有するよう要請したが、主要議題になることはなかった。

バイデン氏は、G7閉会後の6月16日、スイス・ジュネーブに立ち寄り、ロシアのプーチン大統領と首脳会談をもった。この会談はバイデン氏の方から持ち掛け、プーチン氏がその誘いに応じたものである。この流れからすれば、バイデン氏がロシアを重視しているかに見える。しかし、会談後の記者会見でバイデン氏が明らかにしたのは、「中国との覇権争いに勝つための一つの条件として、ロシアを重視する」との見解であった。

米ロ首脳ジュネーブ会談の読み方

バイデン氏は、対ロ関係において目指すのは対立の解消ではなく、対立を管理することだと言い、米国の優先事項と価値観の明確な説明ができれば、会談は成功だとも述べた。その上で「ロシアは中国に押しつぶされそうになっている」とのコメントで記者会見を締めくくった。明らかに、中露の連携にくさびを打ち込むための言葉である。

一方のプーチン氏は、別に開かれた記者会見の冒頭、米露関係について「家族のような信頼関係はあり得ないが、会談は極めて建設的だった」と評価した。ロシア国内には、プーチン政権が米国との対立を深めたことで、ロシアの中国依存度が過度なものになることを懸念する向きがある。

プーチン氏にも、米中の覇権争いに割って入ることができないもどかしさを抱えながら、せめて米中両国とロシアとの間の均衡を維持したいとの思いがあり、それが今回の会談に応じる動機ともなった。ともあれ、プーチン氏にとって、今回のバイデン氏との会談そしてバイデン氏のコメントは屈辱的なものであったろう。

プーチン氏は記者会見を「米露関係の将来に幻想をもっていないし、そんな幻想があるはずもない」という厳しい言葉で締めくくった。彼の矜持(きょうじ)が言わせたこのコメントは、プーチン・ロシアの権威主義的体質がさらに高じることを予感させるものに思えた。(茨城キリスト教大学名誉教授)

県内の聖火リレー つくばでフィナーレ

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沿道を埋める市民の声援に応える宇宙飛行士の毛利衛さん

4日、5日の2日間にわたり、県内16市町を176人でつないだ東京オリンピックの聖火が、県内最終地点であるTX研究学園駅前公園(つくば市学園南)でフィナーレを迎えた。

5日夕方、土浦市では、市内出身の柔道家で2009年世界選手権金メダリストの福見友子さんら13人が県立土浦一高前から土浦駅前の市役所までを走った。つくば市では、宇宙飛行士の毛利衛さん、野口聡一さんら21人が、ノバホール前からTX研究学園駅前公園までをリレーし聖火をつないだ。

同駅前公園では、各日の最終聖火ランナー到着時に開催される、聖火を聖火皿へ点火する式典が行われた。出発やゴール地点には大勢の市民が駆け付けた。

「コロナ禍の思いを炎に乗せて走った」

つくば市の第1走者を務めた宇宙飛行士の毛利衛さん(73)は「科学の街・つくばで第1走者を務めることを誇りに思う」とした上で、「コロナ禍で困っている人がたくさんいる中で、そうした人々の思いを炎に乗せて走った」と語った。今回の聖火は、歴史上初めて水素を燃料としたことに触れ「新しい科学技術が生まれるつくばの街で、クリーンな、新しい社会のシンボルとなる水素の聖火を灯せたのは誇らしく思う」と話し、「賛否両論ある中での開催ではあるが、オリンピックの成功が世界に勇気を与えられるのではと考えている」と話した。

フィナーレのTX研究学園駅前公園で聖火皿に点火された聖火

つくば市の最終ランナー、加藤澤男さん(74)がTX研究学園駅前公園に入ると、到着を待つ市民が拍手で迎えた。筑波大学名誉教授の加藤さんは、1968年メキシコ大会、1972年ミュンヘン大会、1976年モントリオール大会、計3度のオリンピックで体操競技に出場し、日本最多記録である8個の金メダルを含む計12個のメダルを獲得した。

聖火リレーを見ようと会場を訪れた市内の櫻井芳則さん(52)は「いよいよ(オリンピックが)始まるなという感じですね。抽選で当選して、今日は仕事を早めに切り上げて家族と来ました」と感慨深げに話し、「中学校でテニスをする息子にとってもいい思い出になる」と話した。

聖火は明日6日から3日間にわたり埼玉県を、9日からは最終地となる東京都を走り、23日正午過ぎ、最終ゴール地点となる東京都庁前に到着する予定だ。開会式は同日夜8時から国立競技場で行われる。埼玉県では新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、「まん延防止等重点措置」対象区域の川口市、さいたま市で公道での聖火リレー中止が決定され、東京都は島しょ部を除く全日程で公道での実施を見送る方向で調整が進んでいると報道されている。(柴田大輔)

聖火リレー終着地点の研究学園駅前公園で抗議行動をする市民たち=5日午後8時30分ごろ

「五輪は中止」抗議行動、つくばでも

つくば市では、オリンピック開催に抗議する市民らが、聖火リレー出発地点のノバホール前(同市吾妻)と、終着地点の研究学園駅前公園(同市学園南)でそれぞれプラカードを掲げるなど抗議活動を行った。

ノバホール前では、開始前の午後6時ごろから市民ら約10人が集まり、「五輪は中止」などと書かれたプラカードを掲げた。

抗議行動に参加した牛久市の福祉関係勤務の男性(48)は「元々オリンピックに反対だけど、コロナ禍が無ければこういうアピールはしなかった。東京では飲食店に営業自粛させているのにオリンピックをやるのはおかしい。オリンピックにお金を使うなら、飲食店の救済にお金を使ってほしい」と語った。

終着地点の研究学園駅前公園では、約20人が「オリンピック廃止」の横断幕などを掲げて抗議活動を行った。

つくば市の団体職員男性(62)は「コロナ対策と全く正反対なオリンピックをやってはいけない。心の中ではみんな反対していると思う。声を上げるべきではないか。日本だけでなく世界中が(コロナ禍で)苦しんでいる。(オリンピック開催は)人の道に反する」と話した。(崎山勝功)