土曜日, 4月 19, 2025
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大震災10年後の山菜採り《県南の食生活》23

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山菜のコシアブラ

【コラム・古家晴美】ちょうど10年前、東日本大震災という大惨事に見舞われた。この地震は、多くの方々の命、家族、家、仕事、故郷を奪い、漁業・農業など第1次産業に携わる方々の生活にも深刻な影響をもたらした。

食との関わりで言えば、春秋の楽しみとされてきた野山での山菜やキノコの採取にも大きな打撃をもたらした。現在、店頭に並ぶキノコ類の多くは栽培されたものであり、野菜類とともに、セシウム含有量は基準値以下なので安全性が保証されている。

しかし、茨城県のホームページを見ると、昨年末(2020年12月25日)のデータによれば、県南地域では、石岡市の野生・・山菜であるコシアブラ(特に放射性セシウムの含有量が多いとされる)や、つくば市や石岡市の野生・・キノコの出荷が制限(実質的には禁止)されている。

どうして畑の野菜が大丈夫なのに、事故後10年近くもたつ森林の中の植物に食用にできないほどのセシウムが残留しているのか。専門外のことなので、理解が不十分な点があると思うが、その点あらかじめご容赦いただきたい。

吉田聡氏(放射線医学総合研究所2012)によれば、「大気中に放出されて地表に沈着した放射性物質の多くの部分は、様々な生物が共存する生態系であり、かつ人が木材、食糧、水、燃料を供給源とする森林・・に存在する。樹木やその落葉に沈着した放射性セシウムの73パーセントは深さ5センチでの表層土壌表層に存在するが、残りの部分は、より深い土壌と植物(主として樹木)である」(傍点は筆者)。

放出されたセシウムは森林に残留

これが根を通して吸収されて葉に至り、再び落葉して林床に帰るという循環を繰り返す。セシウムは森林に残留し、そこに生息するキノコや山菜、その他の食用植物は比較的高濃度の状態で維持される、ということだ。

野生の山菜について、令和3年3月18日の報告を基にもう少し詳しく見ると、県南全域で、コゴミ、コシアブラ、ゼンマイ、タケノコ(牛久市と阿見町を除く)、タラの芽、ワラビ、ウワバミソウ、ネマガリダケ、シドケ、ウルイ、行者ニンニク、サンショウ(葉・実)、ジネンジョ、セリ、ツリガネニンジン、フキ、フキノトウ(龍ケ崎市を除く)、ウドの出荷に際しては、モニタリング調査を行うことが求められている。

セシウムが100ベクレル/㎏のもののみ出荷が認められる。裏返せば、いまだに残留の可能性が否定できないことになる。こういったことは、県のホームページセシウムの山菜モニタリング検査が参考になる。

私たち人間は自然に対しとんでもないことをしでかしてしまったのだ、と改めて痛感する。10年後に自戒の念を込め、食と環境の関わりについて触れた。(筑波学院大学教授)

リーフレットで中城通りの歩き方 土浦生まれ・育ちの女子大生が卒業制作

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秋間綾乃さん(円内写真)とリーフレット「中城通りあるき旅」

土浦生まれ土浦育ちの女子大生が、卒業制作で中城通り(土浦市中央)のリーフレットを作成した。A4判、両面カラーを3つ折りにして、コンパクトに持ち歩けるようにしている。制作したのは今月12日、筑波学院大学を卒業した秋間綾乃さん(22)だ。

リーフレットを制作した秋間綾乃さん=筑波学院大学(つくば市吾妻)

同市小岩田で生まれ育ち、2019年12月家族とともに土浦駅近くに転居した。新型コロナ感染拡大の影響で緊急事態宣言が出た2020春、中城通りを初めて歩き、江戸情緒あふれる街並みや雰囲気に強く惹かれたという。そのとき「卒業制作は中城通りの魅力を伝えるリーフレットを作りたいと思った」と話す。

掲載したスポットは「まちかど蔵大徳」「まちかど蔵野村」「沼尻墨僊(ぼくせん)寺子屋跡地」「矢口家住宅」「喫茶 蔵」「吾妻屋総本店」の6カ所。中城通りは、旧水戸街道の宿場町、土浦の商業の中心として栄えた。現在は、土浦の歴史散策の観光拠点となっている。

写真もすべて自分で撮影、案内文は同市図書館で関連図書を借りて調べ、作成したという。ピクトグラム(絵文字)やマップ、文字装飾などすべて秋間さんによるデザインだ。

7月からデザイン系ソフト、イラストレーターを使って制作にとりかかった。毎週オンラインゼミで担当教授から指導を受けながら何度も微調整を行い、12月下旬にようやく完成した。

日本語版タイトル

英語版も作成、市役所で配布中

外国人にも手に取ってもらおうと英語版も作成した。案内文は自分で英訳したものを大学の英語担当教授にアドバイスしてもらい、よりネイティブな表現に修正した。

「せっかくいいものができたのだから、土浦市役所に置いてもらえるか聞いてみたら」という担当教授のアドバイスを受けて、市に問い合わせたところ快諾されたという。100部印刷し、すべて秋間さん自身の手で三つ折りにして市役所に届けた。

同市役所商工観光課の職員は「なかなか思いつかない色使い。きれいなリーフレットを作ってもらえてよかった。今後も何らかの形で応用させてもらえたら」という。秋間さんは「歴史の長い中城通りの魅力が、少ない情報量でもしっかり伝わるように作った。地元の方や初めて訪れる方も手に取って楽しんでもらえたら」と語る。

英語版タイトル

リーフレットは無料。英語版は同市役所2階市民活動コーナー、日本語版・英語版ともに3階商工観光課前のラックに置いてある。(伊藤悦子)

オンラインで卒業生最後のステージ 28日から筑波大コピーダンスグループ

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2019年5月の宿舎祭でのパフォーマンスの様子=Bombs!提供

筑波大学のアイドルコピーダンスグループ、Bombs!(ボムズ)のオンライン公演が28日午後8時から始まる。大学のアイドル研究会の1部門として、2019年3月に医学類4年のりかさんが立ち上げたグループだ。昨年はコロナ禍でほとんど活動ができていなかったが「卒業生の最後のステージ」としてオンライン公演を企画した。

現在、Bombs!は34人(裏方の4人を含む)の筑波大生が参加している。さまざまなアイドルのダンスを「コピー」してステージ上で披露するのが活動のメーンだ。「ステージ衣装の制作や動画の撮影、演目の構成などもメンバー同士で考えながらステージを作り上げている」という。

これまで出演していたステージは、新入生らが屋台を出店する筑波大学宿舎祭(5月)やおよそ2万人が来場するという雙峰祭(そうほうさい、10月)。学外では日本一のアイドルコピーサークルを決める大会「UNIDOL(ユニドル)」にも参加していた。

2019年雙峰祭、メーンステージでのパフォーマンスの様子=同

しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響で、出演予定のステージが中止になった。練習も自粛を余儀なくされ、活動が全くできないという状況だった。現在リーダーを務める応用理工学類2年のゆうなさんは「去年の春学期が始まったくらいにサークル活動を自粛するよう大学から要請があった。そのまま宿舎祭も学園祭も中止になってしまって、ステージも練習の場もなくなってしまった。2019年の3月に結成して、ようやくこれからという時期だったのに」と振り返る。

オンライン公演のアイデアが出てきたのは昨年の秋ごろ。「こういう状況で、一体何に向けて活動したらいいのかと、グループの幹部で話し合いをした。そこで『今年はグループ初の卒業生が出る。何らかの形でステージはやりたい』ということになった。もちろん対面も考えてはみたが、最終的にはオンラインでということになった」とゆうなさん。著作権上の配慮として、実際の曲は使用せず、収益化もしない形で行うという。

サブリーダーで社会工学類2年のあやめさんは、オンライン公演の見どころを1曲目のアンジュルム(ハロー!プロジェクト)「私を創るのは私」だと話す。「グループを作ったりかさんから、リーダーの立場を2年生のゆうなが引き継いで、グループの第2章が始まったと感じる。その決意を示すのにぴったりの曲だと考えて選曲した。その思いを含めて観てほしい」とあやめさん。

コロナ禍の苦労はオンライン公演でも続く。「どうしても30人の演者が同じステージに立ってダンスをするのは難しい。会場からもあまり密にはならないようにと言われたので、全員で踊る曲というのは全く作らなかった。半分にグループを分けたり、学年ごとにしたりして密にならないように工夫してやっている」とリーダーのゆうなさん。

公演のクオリティーには自信がある。「ステージの迫力が対面よりも弱くなると思うかもしれないが、実はオンラインの良さもとてもある。普段のステージでは見ることができないような演者一人ひとりの表情を見ることが出来る。当日はぜひ見に来てほしい」とサブリーダーのあやめさん。

◆配信はYouTubeのBombs!公式チャンネルで見ることができる。無料。公式ツイッターはこちら。(山口和紀)

骨折り損の… 《続・平熱日記》82

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【コラム・斉藤裕之】駅前のイルミネーションのオブジェを撤去しているとき、無理に力を入れた瞬間、脚立から落ちて身体の左半分をしこたま打った。瞬間的に何とか被害を最小限にしようと体が反応して、地面が近づくまでスローモーションのように感じた。「鎖骨は大丈夫そう。顔は擦り傷か? あばらはやったかも?」。

小学校のときに、右手を折ってから骨折は何度か経験している。あばらは多分5、6回はやっている。多分というは、レントゲンを撮っても「あー折れてますねえ」と言われて湿布をくれるだけなので、医者で確認をとれたのが3回ほど。前回は、酔っぱらって家の入口で転んで骨折したのが10年ほど前か。そのときは医者に行って骨折と断定された記憶がある。

その日の夕方は何とか風呂に入って横になった。しばらく寝てしまって、起き上がろうとしたら起き上がれない。痛みをこらえながら、カミさんに何とか起こしてもらった。多分ヒビぐらいは入っているのだろう。しかし日雇い先生はこれぐらいで休めない。鎮痛剤を飲んでなんとかごまかすしかない。

ところで、このコラムは日記として書いていることもあって、極めて個人的な事柄を書かせてもらっている。私が父の日記を読んでそうであったように、何年、何10年も先に、娘たちがこれを読んで事実を知るということも面白い。

娘たちは私の書くものに全く興味がないのだが、この際、あばらを痛めたのを機に記すことにした。

娘の子は「ボーン・イン・イバラキ」

長野県の北部、白馬の手前の小谷(おたり)という駅を降りると、鹿島槍ケ岳を臨む山の斜面に東京芸大の山小屋がある。大学院生の夏。そこではしゃぎすぎた私はマウンテンバイクから落ちて鎖骨を折ってしまった。そのまま何日かを過ごして東京の病院に行ったら、「筋肉が緊張しているからこのまま固めましょう」と言われた。だから、今でも右の鎖骨は少し膨らんでいる。

さて、その年の秋。不完全燃焼に終わった長野の旅をリベンジするために、当時すでに結婚をしていたカミさんと、骨折が完治しないまま上高地などを訪れた。そのときにできたのが長女だ。つまり長女よ、あなたは「メイド・イン・マツモト」なのよ。

「骨折り損のくたびれ儲(もう)け」はごく早い時期に出会った諺(ことわざ)だ。多分、少年漫画の中に書いてあったような気がする。本来はネガティブな意味で使われる諺だが、痛みをこらえてケヤキの枝からイルミネーションを外していると、人生それでいいような気がしてきた。この作業が終われば春が来る。それにしても汗ばむような陽気で、毎年、確実に春の訪れが早まっているのを実感する。

顔の擦り傷は1週間、あばらの痛みは1カ月の我慢。そして6月に十月十日を迎える長女が、出産の準備のために帰ってくる。つまり、彼女の子供は「ボーン・イン・イバラキ」となる。(画家)

子ども食堂にコメと野菜を贈呈 JAつくば市と谷田部

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コメと野菜を贈呈したJAつくば市の岡本秀男組合長(左端)とJAつくば市谷田部の中島俊光組合長(右端)。中央右は五十嵐立青市長、同左は毛塚幹人副市長=つくば市役所

つくば市内の子ども食堂に22日、JAつくば市(岡本秀男組合長)とJAつくば市谷田部(中島俊光組合長)が地元産のコメ600キロと野菜1年分を贈った。

市内には現在、NPOや市民団体が運営する子ども食堂や無料の学習支援教室が17カ所ある。そのうちJAつくば市が贈呈したコメは、希望があった6カ所に3月初めに届けられた。JAつくば市谷田部の野菜は、これから希望をとって、必要な団体に商品券を配布し、同JAの直売所でいつでも必要な分だけ購入できるようにする。

22日、市役所で贈呈式が催され、岡本組合長と中島組合長がそれぞれ、五十嵐立青市長に玄米600キロ(10万円相当)と野菜1年分(同)の目録などを手渡した。

岡本組合長は「地域のための農協なので市と一緒になって地域に貢献したい。子どもたちに地元のコメを食べてもらって農協のことも知ってもらえたら」と話し、中島組合長は「コロナで収入が減った人もおり、一人親家庭などは本当に大変だと思う。JAとして協力できれば」話した。

五十嵐市長は「コロナ禍の中で苦しい状況の子供も多く、食の支援への要求がこれまで以上に出てきている。地域の農業者が作ったものを地域の子供たちに届けられるのはありがたい。大切に使わせていただきたい」などと述べた。

コメと野菜は、子ども食堂や学習支援教室などを支援するため市が2019年4月に設立した「つくばこどもの青い羽根基金」に寄付された。

JAつくば市谷田部は2年前から、JAつくば市は昨年から毎年、コメや野菜を提供している。市によると、利用団体からは毎回「とても助かりました」など感謝の言葉が寄せられているという。(鈴木宏子)

農林水産業の再生へ 福島で祈念大会《邑から日本を見る》84

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東日本大震災復興祈念大会=13日、郡山市

【コラム・先﨑千尋】福島の農協団体が13日、郡山市で東日本大震災復興祈念大会を開き、同県の農林水産業の再生に総力を挙げて取り組む決意を確認した。東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故から10年になり、多くの報道がされているが、私も大会前後に現地に入り、取材した。同県の第1次産業は、震災と原発事故によって、農業が8割以下、林業が7割以下、漁業が5割以下にまで落ち込んだ。

大会は農協グループが主催し、県森連、県漁連、生協連などが共催。関係者約800人が参加した。菅野孝志・県農協中央会長は挨拶で「生産者の熱い思いを受け止め、担い手確保の支援対策や生産、加工、流通を一体的に確保する産地づくりに全力をあげる。福島の農林水産業の明るい未来のために、共に手を携えていこう」と呼び掛けた。祝辞では、全国農協中央会の中家徹会長が「安全・安心だというPR活動の展開や消費者対策だけでなく、流通対策も含めて復興支援に力を入れていく」と述べた。

決意表明では、飯豊ファーム(相馬市)の竹澤一敏社長、あかい菜園(いわき市)の船生典文社長、会津よつば農協の吉津紘二さん、陽と人(ひとびと、国見町)の小林味愛社長が登壇し、それぞれの取り組みを述べ、岩瀬農高の生徒たちが動画で発信した。

「地域の人たちに、変わらぬ『農の風景』を届けていくのが私たちの責務」という竹澤さん。「震災と台風、コロナなどの試練を乗り越えてきた。持続可能な農業を次世代につないでいく」と述べた船生さん。「地理的表示(GI)保護制度に登録された南郷トマトのように、福島全体の農産物が特別のものになっていけるように」と表明した吉津さん。「震災時は国家公務員だったが、福島応援のために福島で起業した。競争ではなく、共存共栄の考えで新しいことに挑戦していく」と明るい表情で語った小林さん。それぞれに若い人たちの強さとたくましさを感じ取ることができた。

「農業の復興なくして福島の復興はない」

協同メッセージの発信では、県漁連の野﨑哲会長が試験操業の終了を踏まえ、「操業拡大を図るには風評対策、流通の回復が最重要課題だ」と強調。県森連の秋元公夫会長は「森林・林業の再生を図る取り組みは緒に就いたばかりで、やめることなく進めていく」と述べた。消費者代表として登壇した県生協連の吉川毅一会長は「もう10年なのか、まだ10年なのか」と会場に問いかけ、「農業の復興なくして福島の復興はない。今後も『地産地消ふくしまネット』に結集し、皆さんと共に連携していく」と誓った。

協同メッセージに続いて、福島市出身の俳優梅沢富美男さん、会津若松市出身の県しゃくなげ大使大林素子さん、古殿町出身で東京南麻布にある日本料理「分とく山」総料理長の野崎洋光さんの応援メッセージが動画で放映された。

大会は最後に、県農業会議の鈴木理会長が、大震災と原発事故から10年を経ても残っている課題を解決するために、「農林漁業の復興・再生の取り組みを強化し、国・県・市町村との連携を進め、農林漁業者と消費者の協同に力を結集しよう」という大会決議案を読み上げ、満場一致で採択された。(元瓜連町長)

雨の中、自転車担いで悪路を走る 土浦でシクロクロス競技

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急斜面のコース越えに苦戦する参加者たち=土浦市川口、りんりんポート土浦周辺特設コース

障壁などが設けられた荒れ地のコースをオフロード競技用自転車で走る「シクロクロス」の大会「2020-21茨城シクロクロス第3戦土浦ステージ」(茨城シクロクロスつくば事務局など主催)が21日、土浦市川口のりんりんポート土浦で開かれた。朝から雨が降りしきる中、県内外から参加の276人が悪戦苦闘のレースに挑んだ。

シクロクロスはオフロードを走る自転車競技の一種で、1周数キロの舗装・未舗装が入り混じる不整地のコースを周回する。 コースには柵などの人工の障壁が設けられ、必ず下車して自転車を担がなければならない部分が作られている。今回は荒れ地に加えて、周辺のアスファルト舗装路などもコースに組み込んだため、雨で滑りやすくなった路面に多くの参加者が苦しめられた。

雨の中、荒れ地のコースを自転車で駆ける参加者たち=同

競技種目は年齢・実力別に分かれて行われ、1周約2キロの特設コース(小学生向けは1周約1.5キロ)で周回レースを実施し、タイムを競った。

このうち中学生以上の女性が参加する「CL2+CL3の部」で優勝した福田咲絵選手は「全然ダメだった。不完全燃焼だった」と自身のレース展開に不満を見せながらも、「優勝してこんなに(賞品の)お米をたくさんもらえてうれしい」と喜んだ。

同大会は当初は今年1月24日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い開催期日を延期。これまでは会場内に競技結果を貼り出していたが、密集を避けるために掲示を取り止めウェブ上で告知するなど、感染防止に配慮した。大会事務局の影山代表は「こういう事例が春や夏の(各地の)マラソン大会でも活かしてもらえればと思う。いつまでもコロナと言ってられない。健康を創り出すきっかけになれば」と自転車スポーツを通しての健康増進を呼び掛けた。(崎山勝功)

賞品の茨城産コシヒカリを手に、土浦市マスコットキャラクター・つちまると記念撮影をする参加者たち=同

◆各部門の優勝者は次の通り。(敬称略)
【男性・C1(19歳以上)の部】加藤健悟【同・C2(17歳以上)の部】吉田敬【同・C3(15歳以上)の部】水上央渉【同・C4(中学生以上)Aの部】竹内貴紀【同・C4(中学生以上)Bの部】小笠原拓也【同・CJ(17~18歳)の部】永野昇海
【女性・CL1(17歳以上)の部】渡部春雅【同・CL2(中学生以上)+CL3(同)の部】福田咲絵
【男性マスターズ(40歳以上)・CM1の部】生田目修【同・CM2の部】秋山純一【同・CM3の部】紫藤仁
【U17(15~16歳)の部】室伏碧透【U15(13~14歳)の部】中仙道侑毅【WU15(15歳以下の女性)の部】石川七海【CK3(小学5~6年生)の部】松村拓弥【CK2(小学3~4年生)の部】馬島史弥【CK1(小学1~2年生)の部】阿部咲太朗

洛北高(京都)が初優勝 科学の甲子園つくば開催

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表彰式で金メダルを胸に優勝旗、トロフィーを掲げる洛北高(京都)=つくば国際会議場

4年ぶりのつくば開催となった第10回「科学の甲子園全国大会」(科学技術振興機構主催)は21日までに全競技を終了し、京都府立洛北高校が初優勝した。茨城代表、並木中等教育学校(つくば市並木)は入賞ならなかった。

並木中等は入賞ならず

大会には47都道府県の代表校が出場。1、2年生の6~8人から成るチームで、科学に関する知識とその活用能力を駆使してさまざまな課題に挑戦し、総合点を競った。従来4日間の競技日程で行われてきたが、昨年は新型コロナ感染症の影響で中止。今年も開催が危ぶまれたが、日程を3日間に短縮、同市竹園のつくば国際会議場、つくばカピオの両会場では無観客での催行となった。

理科4科目(物理、化学、生物、地学)と数学、情報にまたがる複数分野からの課題をチームワークでこなす。大会2日目の20日は、実技競技が行われたが、最終種目のシャトルウインドカーを製作して往復走行させる競技が午後6時過ぎ、宮城県で震度5強の揺れを観測した地震の揺れで中断。2回目の試技がキャンセルとなって、勝敗の綾となった。

筆記競技、実技競技3種目の得点を合計した総合成績により、洛北高が優勝、渋谷教育学園幕張高(千葉)が2位、浜松北高(静岡)が3位となった。表彰式で洛北高の関子龍君は「集まることも難しく実技の練習など苦しみながら、大会が開催できるのかずっと気懸かりだった。開催してもらえたことに感謝したい。このメンバーで優勝できてうれしい」と喜びを語った。

表彰式に臨んだ並木中等教育学校チーム=同

並木中等教育学校は5年生(高校2年)8人のチームで挑んだ。途中までは手応えを感じていたが、地震発生前の1回目の試技を失敗し、2回目を準備中にキャンセルとなって万事休した。須藤永遠キャプテンは「開催地の代表なのに申し訳ない気持ちもあるが、全国のいろんな学校の優秀な生徒と知り合えて、研究者をめざそうとしている自分には意義深かった。もっともっと知見を深めようと思った」と感想を語った。

「科学の甲子園全国大会」はこの先、2023年の第12回大会まで、つくば開催が決まっている。(相澤冬樹)

筑波大教授が空を飛ぶ 25日に卒業祝うフライト

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卒業式の日、上空を飛行する筑波大学石の広場

筑波大学(つくば市天王台)の卒業式が行われる25日に、上空をフライトして卒業生らを祝おうとしている教員がいる。筑波大学人間系の岡田昌毅教授だ。新型コロナの影響で昨年の卒業式は中止、卒業生に修了証書を郵送するだけでとても寂しいものだったという。卒業式が行えなかった昨年の卒業生、大学院の修了生、そして今年の卒業生、修了生のために祝賀飛行に挑む。

コロナ禍が後押し

岡田昌毅筑波大学教授

企画した岡田教授は現在、東京キャンパス(東京・大塚)にある大学院で社会人に心理学などを教えており、今年大学を卒業する心理学類の4年生の担任でもある。

2019年に自家用飛行機操縦士の免許を取得。これまでに何度も飛行練習を行っている。「空を飛ぶことは子どものころからの夢だった。自家用飛行機の訓練を受けて2年目くらいのときに今年卒業する心理学類学生のクラス担任になった。そのころからこの子たちが卒業するころに飛べるようになっていたら、卒業のタイミングで祝賀飛行をしたいと思っていた」

祝賀飛行計画の実行をコロナ禍が後押しした。「閉塞感が漂う1年だったと思う。大学に行くこともなく、色々なことを取り止めなければならないこのような状況で、少しでも明るい話題になれば」と話す。

空には子供の頃から憧れがあり、いつか自分の手で飛んでみたいと思っていた。「55歳ころに(操縦士の免許を)取ってみようと思い、4年間自家用飛行機の訓練を受けた。練習はシビアだったが、実際に飛行してみると自分の手で自分の夢を実現することができた。もちろんしっかりとした計画がないと飛行はできないが、自分の手で空を飛ぶということはとても自由で日ごろ見えない世界を見ることができる」と飛行機操縦の魅力を語る。

エンジニアから、人と関わる仕事がしたいと教育ビジネス、現場での人材育成を経て、大学院へ進学と幾度も大きなキャリア転向の経験を持つ岡田教授。人に関わる仕事がしたいとかじを切るとき、大学3年で進路に迷ったときのことを思い出したそうだ。「今考えるといろいろなところに伏線があった」

意思決定にはポジティブな面もネガティブな面もある。「物事はやってみないと分からない。意思決定をすることは時に難しいかもしれないが、自分の生きていく道を一歩一歩歩んでほしい」

おめでとう〇と無限大∞

「人生まだ始まったばかり。おそらくコロナのような大変なことは今後も全社会的、個人レベルでも起きうる。この先様々な苦労があるかもしれないが、めげずに頑張ってほしい」と卒業生に向けてエールを送る。

卒業祝賀飛行は25日午前11時~11時30分の間の15分程度。場所は筑波大学石の広場付近の上空。

空の上から岡田教授が卒業生に贈る旋回メッセージは、「本当におめでとう」という意味のマル(○)と「かがやかしい未来は無限大」という意味での∞の字を描く。当日は上空からの映像もZoomで中継する。視聴は主に卒業生等が対象。(渡邉由貴)

正岡子規『水戸紀行』追歩 (5) 《沃野一望》25

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ハス田からの筑波

【コラム・広田文世】
灯火(ともしび)のもとに夜な夜な来たれ鬼
我(わが)ひめ歌の限りきかせむ とて

年末休暇を利用しての、正岡子規『水戸紀行』追歩は、どうやら土浦市へたどりつく。これより土浦市の標識の建つ地点に、荒川沖の一里塚が残る。正真正銘の水戸街道を歩いていることになる。

往時の姿をよくとどめる市指定史跡の一里塚をすぎ、荒川沖入り口で旧水戸街道と別れ、6号国道を進む。自然に足が速くなる。帰心はやはり矢のようだ。原の前からふたたび旧水戸街道へはいる。

通りすぎる中村集落には、荒川沖の一里塚の次の一里塚が崩れ残っている。集落の民家のほとんどが、街道にたいし直角の向きで並び、旧街道の面影をとどめている。ゆっくり味わいながら歩きたい街道筋だが、歩道の区分が整備されていない道は、脇を走り抜ける車が怖い。道の狭さが、当時の様子を伝えている。

東小学校の脇を下り、さらに直進。大聖寺まえを経て永国の坂を上がる。この辺までくると、子規先生の水戸紀行追歩をわすれ、自宅の風呂とビールばかりが去来する。中高津の土浦四中脇をすぎ、無事自宅へ到着となる。風呂を沸かし、どっぷり浸かって、とりあえずのビール。うまい。ありがたいことだ。子規先生の水戸紀行に比べれば、なんと恵まれた条件の歩みの1日。これも、時代の差。

土浦の印象は芳しくない

明けて、12月29日。

午前6時、土浦市中高津の自宅から、水戸紀行追歩後半へ出発する。日の出前の東の空が幻想的な朱に染まり、前途を祝福している。上空は、まだ暗い。本日は6号国道を北へ向かい、まずは石岡を目指し、足や膝と相談しながら水戸まで、歩けるか。どうか。

黎明(れいめい)の土浦市内を通過する。早朝の街は、ひっそりと静まりかえっている。

さてその土浦、どうも子規先生の印象は芳しくない。それとなく昼食を断られたり、まずい食事の曖昧(あいまい)屋から、ほうほうのていで逃げ出したり、車屋に法外な料金を吹っ掛けられたりの散々な目をのろっている。

そんなことでしたら、我が家にお立ち寄りいただき、ゆっくり鰻など召し上がっていってほしかったものをと嘆く市内の旧家の方もいらっしゃるだろうが、今となっては取り返しのつかないこと。

ちなみに子規が土浦を通過した明治22年(1889)は、土浦の老舗料亭「霞月楼」が開業した年。「霞月楼」については「NEWSつくば」で連載記事を掲載しているから、ご参照を。貧乏書生の子規は、もとより霞月楼の開業を知らなかっただろうし、知っていても支払いにたる懐具合ではなかったにちがいない。

子規は、真鍋の高台へ上ってゆく。(作家)

「福島に輝く夜空と豊かな暮らしを知ってほしい」 つくばエキスポセンターで写真展

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「ふくしま星・月の風景写真展」会場の様子=つくばエキスポセンター2階多目的ホール

福島の自然と暮らしをダイナミックに捉えた公募写真展「ふくしま星・月の風景写真展」が20日から、つくば市吾妻、つくばエキスポセンターで開催されている。

展示写真は、郡山市ふれあい科学館が主催する「第5回ふくしま星・月の風景フォトコンテスト」の受賞作品。コンテストは、福島がもつ豊かな人の暮らしと、その頭上に輝く月や星の姿を、写真を通じて全国に紹介したいと、2008年に第1回の公募が始まった。18年の第5回目は、106人による351点の作品が全国から集まり、その受賞作品による全国巡回展が19年から開催されている。北は秋田、西は兵庫までを巡回し、今回のつくば市で47カ所目になる。

大賞には、満月をバックに遊ぶ母子を幻想的に捉えた丹野順子さんによる「月と遊ぶ」が選ばれた。「今までの(応募)作品にはない発想」だと審査員が絶賛した。特別賞の「仲夏の輝き」(田中 祐二さん)は、夜の田んぼを舞う蛍を長時間露光で捉え、その背景の暗がりに浮かぶ一軒家から漏れる光を対比させ、肉眼では見逃してしまう農村の美しい一面を視覚化した。その他、ダイナミックに満点の星や月を捉えた写真や、人の息吹を感じる作品が全40点展示されている。

大賞に輝いた丹野順子さんの「月と遊ぶ」

つくばエキスポセンターでは、これまで年に数回企画展を開催してきた。例年は体験型のイベントが中心だったものの、新型コロナウィルス感染防止の観点から、人との接触が少ない写真展開催となった。企画を担当する、つくば科学万博記念財団の徂徠裕子さんは、「美しい福島の写真を大人の方も一緒に楽しんでもらいたい」と来場を呼びかける。

また、コンテストを主催する郡山市ふれあい科学館学芸員の安藤享平さんは、「福島には『本当の夜空がある』といわれるほど、美しい夜空を見ることができます。県内外の方々に、今の福島の人の暮らしとともに、自然の美しさを知ってもらえたら」と企画に対する思いを話した。(柴田大輔)

◆会期は3月20日(土)から4月18日(日)、開館時間は午前9時50分~午後5時。同センター2階多目的ホールにて開催されている。入場無料。

つくばエキスポセンター

食いしん坊だからマテが出来る 《続・気軽にSOS》81

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【コラム・浅井和幸】私がボランティアに参加している保護犬のシェルター。そこには、殺処分をギリギリ免れた犬、虐待で人にたたかれ続けた犬、短いひもでつながれて雨にぬれていた犬、車上生活であまりエサを与えられなかった犬、人とほとんど接したことのない野犬など、様々な生い立ちの犬たちがいます。

人が近づくと震えて固まる犬、ほえる犬、かむ犬、ずっと人にくっついていたい犬など、人に対する態度も様々です。人間は好きだけれど犬が嫌いな犬もいます。

その中に、食べ物に執着し、エサを飲み込むように食べる犬Hがいます。下手に空いた餌箱を取り上げると、エサを取られると勘違いしてかみつかれた人もいます。エサを持っていくと、喜んでいるのか必死に奪い取ろうとしているのか、分からない態度を取ります。それなりに慣れた人でも、怖いと感じてしまうほどです。

エサを持っていくときは、焦らせずにさっと置いてくることが大事と言われるぐらいです。シェルターに来る前に飢えていた時期が忘れられないのかもしれません。

しかし、その食いしん坊犬Hに、私が待てと言うと、餌箱を置いても食べずに我慢します。皆さんに見せると、あのHがと、かなり驚かれます。自分のときは餌箱を見ただけで飛びかかってくるのに、頑張って、よだれを垂らしながら待っているのですから。

犬は一生懸命に考え工夫している

そこで出てくる言葉は、浅井のことは信頼しているから待てるけれど、自分はHにバカにされているから、待たずに飛びかかってくるのだ、と。だから、犬になめられないようにするには、どうしたらいいかと質問されます。質問する人はましな方で、もともと自分は犬になめられる人間なんだと諦めている方もいることでしょう。

もちろん相性もありますし、それぞれの時間がありますから、諦めることは悪いことではありません。無理をしてかまれてしまう方がよほどまずいことです。食いしん坊犬Hに、かむことを覚えさせてしまうからです。

私の解釈ですが、Hは食いしん坊だから待つことができるのです。というのも、私は、飛びついてきたり、「よし」という前に、食べようとしたりしたらエサを取り上げます。(よしと言ってエサを与えるイメージで、取り上げたらかまれるでしょうね)

Hにとっては、浅井の場合は待った方が早くエサを食べられると考えるから待つのでしょう。

他の方は、飛びついて怖がらせた方が早くエサを食べられると、Hに思わせるような接し方を繰り返したのでしょうね。バカにするかしないかではなく、いかに早くエサを食べるかに対して、Hは一生懸命に考え工夫しているのだと私は考えています。

もちろん、それをうまく行うにはちょっとしたコツが要りますので、無理は禁物です。慣れた人の支持を仰ぐのをお勧めします。もちろん、人間に対しても同じことが当てはまるので、お試しあれ。(精神保健福祉士)

さまざまな光で見せる、ふるさとの湖 せきごうさん写真展「北浦・霞ケ浦百景」

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作品を見ながら話し合う、生畑目さん夫妻とせきさん(左)=アルカス土浦1階、土浦市民ギャラリー

土浦市在住の映像ディレクター兼写真家、せきごうさんの写真展「北浦・霞ケ浦百景」が17日から土浦駅西口前のアルカス土浦1階、土浦市民ギャラリーで開かれている。展示作品は50点ほど。季節や気候、時間帯などで千変万化する湖の姿をとらえた。

会場で迎えてくれるせきさん

せきさんは霞ケ浦をテーマの一つに据え、長年撮り続けてきた。始まりは「汚い湖というイメージが定着し、美しかったかつての姿を取り戻そうと、多くの人が活動してきた。それに写真で関わるには、とにかく霞ケ浦の美しい面をとらえなくてはと考えた」ことだった。

国土交通省が定義する霞ケ浦は、西浦・北浦・外浪逆浦という3つの湖をつなぎ、常陸利根川が利根川に合流する常陸川水門(逆水門)までを含んだ広大なエリア。湖面積は220平方キロで琵琶湖の約3分の1だが、周囲長は琵琶湖よりも20キロほど長い約250キロ。この全域をぐるりと囲むように、景色の良い場所を選びながら、まんべんなく撮り歩いた。

2017年に前著「平成土浦百景」を刊行した後、どうせなら霞ケ浦でも百景をやろうと意識し始めたそうだ。

展示の中心は、マジックアワーと呼ばれる日没前や日の出直後の時間帯を長時間露光で撮ったもの。朝焼けや夕焼けで湖面がドラマチックな色に染まり、風による表情の変化も大きい。風がつくる波のうねりが縞模様として現れ、風のないときは水鏡となって空や周囲の景色を映し出す。

日が沈んだ後の薄明かりのころも大好きだそうだ。空と湖面に美しいグラデーションがかかる。日の出直後の時間も太陽を外して撮ることで、画面にふんわりとした淡いグラデーションが生まれる。

穏やかなグラデーションが美しい「鏡面」

「牛堀権現山」と題した1枚は、葛飾北斎が富嶽三十六景「常州牛堀」で描いた場所を撮った。左端に富士山、右端に筑波山を置き、その間に秩父連山、浅間山、日光連山などが並ぶ。「このように遠景まですっきりと見えることは珍しい。たいてい、上空は晴れていても地平線近くに雲がかかってしまう」とせきさん。20回以上も足を運んだ中で、これほど鮮やかに撮れたのは、わずかにこのときだけだった。

遠くまで澄み切った、めったに見られない絶景「牛堀権現山」

会場を訪れた土浦市の生畑目久さん(75)、政子さん(69)夫妻は「いろんな光を上手に取り入れている。なかなか撮れない写真。ぱっと心の中に飛び込んできて、癒されるし、気持ちがすっきりする」などと感想を語った。

同ギャラリーでは21日まで開かれ、その後他館を巡回する。展示作品数は会場によって異なる。

今後の展示予定は以下の通り。その後さらに、霞ケ浦周辺の市町村を巡回したい考え。
3月17日~21日 アルカス土浦(土浦市大和町)1階、土浦市民ギャラリー
3月24日~28日 新治ショッピングセンターさん・あぴお(土浦市大畑)2階、あぴおギャラリー
4月21日~25日 香丸資料館(石岡市府中1丁目)2階、市民ギャラリー

写真集「北浦・霞ケ浦百景」も21日に発行される。写真展会場およびオンライン(ヤフーショップやアマゾン)で先行発売し、その後、土浦市内など一部の書店にも並ぶ予定だ。(池田充雄)

濃厚接触者も陽性 つくば市役所

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つくば市役所

つくば市は19日、本庁舎1階に勤務する正職員が、新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。市ワークライフバランス推進課によると、18日に感染が判明した、3階に勤務する正職員の濃厚接触者という。

新たに感染が分かった1階正職員の濃厚接触者は6人おり、いずれも同じ1階に勤務する職員という。6人は今後、PCR検査を受ける。

一方、1階正職員に症状があったかや、いつまで出勤していたかについて市は、公表しないとしている。相次いで感染が分かった正職員2人は、職場での濃厚接触者ではないという。

1階正職員が勤務する部署は、消毒を実施し、通常通り業務を実施する。

「最年少」の後任に「初の女性」 つくば市副市長に松本玲子市長公室長

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副市長選任の同意を得て市議会であいさつする松本玲子市長公室長(中央)

全国最年少の副市長として26歳で就任し3月末で退任するつくば市の毛塚幹人副市長(30)=3月10日付=の後任に、市長公室長の松本玲子氏(62)が4月1日就任する。同市初の女性副市長となる。市議会3月定例会最終日の19日、本会議が開かれ、五十嵐立青市長が提案した。全会一致で同意を得た。

松本玲子氏

本会議であいさつした松本氏は「市政運営では議員の皆様から様々な意見をいただき、多くの課題を抱えていると認識している。議員の皆様とのコミュニケーションを大切にしながら、課題の一つひとつに丁寧に取り組み、五十嵐市長が掲げる『世界のあしたが見えるまち』の実現に向け、誠心誠意努力していきたい」などと決意を話した。

五十嵐市長は「松本公室長は市役所の総司令塔。男女の分け隔てなく働く環境を切り開いてきた」と評した。

任期は4年間。就任後は、毛塚副市長が担当した政策イノベーション部、保健福祉部、こども部、教育局などを担当するという。

取材に対し松本氏は、市の課題について、旧総合運動公園用地の利活用、中心市街地の活性化、学校建設などをしっかり進めていきたいとした。女性職員の活躍促進については「市の職場環境に男女の差はないので、女性職員のモチベーションや意欲をより高めることを一緒にやっていきたい」などと話した。

松本氏はつくば市出身。筑波大卒、同大学院修士課程環境科学研究科を修了し、都市計画などを学んだ。1983年に合併前の旧桜村役場職員となり、合併後はつくば市職員として、環境都市推進課長、国際戦略総合特区推進部次長、科学技術振興部次長などを歴任。つくばエクスプレス(TX)沿線開発、シティプロモーション、環境モデル都市構想や筑波山地域ジオパーク構想の策定などに取り組んだ。

2016年4月から市長公室長を務めている。(鈴木宏子)

「謎解きやボードゲームの魅力伝えたい」 元スタッフら土浦に開店し1年

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JOKER PROJECT代表の矢口優希さん(中央)、コンテンツディレクターの櫻井知得さん(左)、店長の井上恵さん(右)。後ろの棚に並べられたボードゲームは世界各国から取り寄せている=土浦市川口、「AsoVIVA JOKer」店内

県内唯一とされる謎解き・ボードゲームカフェが、土浦駅西口近くのモール505(同市川口)にある。「AsoVIVA JOKer(あそびばジョーカー)」という店だ。つくば市内にあった体験型ゲーム店の元スタッフたちが昨年1月、オープンした。筑波大出身のスタッフらが、同店オリジナルのゲームや謎解きを制作している。

運営するのは土浦市のイベント制作団体、ジョーカープロジェクト(JOKER PROJECT、矢口優希代表)だ。店内には400種類を超えるボードゲームや謎解きなどが並び、いずれも時間制で利用できる。「脱出ゲーム」も常設されている。

同団体は、2016年4月に閉店した脱出ゲームの常設店「アジトオブスクラップつくば」の元スタッフたちが「こんなに楽しい場所が無くなるなんてもったいない」と結成した団体だ。結成後、数年間はイベント制作を行いながら事業を準備し、昨年1月、念願の店舗営業をスタートさせた。

店内の様子

ボードゲームは専用のボード上で駒を動かしたり置いたりして遊ぶゲームの総称だ。「ボードゲームと言われるとよく分からないかもしれないが、日本だと『人生ゲーム』『人狼』『モノポリー』と言われればピンとくると思う。コロナ禍で自宅にいる時間が増える中、家族が顔を合わせてコミュニケーションをとる道具として再注目されてきている」と話すのは、店長で土浦市在住の井上恵(めぐみ)さん。

同店に常設されている脱出ゲームも、ルールは簡単だ。実際の部屋に閉じ込められ鍵をかけられる。密室の中には「謎」がちりばめられており、謎を一つずつ解いていくと部屋の鍵を手に入れて外に出ることが出来る。制限時間20分以内に密室から「脱出」するゲームだ。「本格的なものでは制限時間が一時間のものもある」という。

「僕たちはつくば市にあった脱出ゲーム店の元スタッフ。ずっと店を持ちたいという気持ちがあって、昨年やっと店舗を構えた。その矢先に新型コロナがきて、お客さんの出足が遠のいてしまったけど、なんとか店を存続させることができている。脱出ゲームや謎解き、ボードゲームなどはまだまだマイナーだが、魅力を伝えていきたい」と代表でつくば市に住む矢口優希さんは語る。

オリジナルのボードゲームの数々。店舗でプレイできる

オリジナルのボードゲームや謎解きも制作している。主に制作を担当するのは筑波大出身の桜井知得さん。「僕らはオリジナルのゲームや謎解きを作ったりもしている。お店に来れば一人でも、グループでもゲームを楽しむことができる。ぜひ足を運んで、ボードゲームの楽しさを知ってもらえたらうれしい」と桜井さんはいう。(山口和紀)

◆スペースの利用料金は1時間ごとに400円(学生300円)。謎解き、脱出ゲームは別料金。同店ホームページはこちら

精神安定剤を見つけよう 《くずかごの唄》82

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【コラム・奥井登美子】

「去年はコロナで緊急事態宣言、お花見行けなかった」

「今年こそ、行きたいけれど…無理でしょうね」

「コロナが収まらなくて困りましたね」

「何か落ち着かないのよ、どうしたらいいの」

「楽しいニュースがないんですよ」

「家にいてテレビのニュースは、10年前の大津波、ミャンマーの軍事政権、コロナばかり」

「怖いのは、コロナの変異種が出てきたの」

「死亡率が高いんですってね…」

「うつ病」まではいかないものの、「コロナノイローゼ」気味の人は多い。

友達とのばかみたいなおしゃべり

うちの薬局に来てくれるお客様は、老人の1人暮らしの人が多い。薬をお渡ししてもなかなか帰らない。外に行かれない。旅行にも、娘の家にも行かれない。友達とのおしゃべりができない。もろもろの憤まんがみなぎって爆発する。

友達とのばかみたいなおしゃべりが、主婦たちの精神安定剤だったのだ。私は自分が精神安定剤になったふりをして、おしゃべりに付き合う。

個性的で明るい人を観察してみると、上手下手には関係なく、それぞれ家でできる個性的な創造を試みている人たちだ。

斬新な手作りマスク、折紙、お料理、俳句、川柳、短歌、読書、ケーキ作り、アクセサリー作り、犬の服作り―などなど。コロナ禍を乗り越えるために、自分で自分の精神安定剤を見つけてみよう。(随筆家、薬剤師)

つくば市職員が新型コロナ

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つくば市役所

つくば市は18日、市役所本庁舎3階に勤務する正職員が同日、新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。本庁舎に正職員の濃厚接触者が1人おり、今後PCR検査を実施する。

市ワークライフバランス推進課によると、感染が判明した正職員は12日まで出勤し、15日以降は休んでいた。18日、医療機関を受診し、陽性が分かった。正職員は、すでに感染が判明した人の濃厚接触者ではないという。

市は、正職員が勤務する部署の消毒作業を行い、通常通り業務を実施する。

桜が開花 つくば市農林団地

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桜が開花したつくば市観音台、農林団地の桜並木=18日午後

つくば市の桜の名所、同市観音台、農林団地のさくら通りで、ソメイヨシノが18日までに開花した。午後4時30分ごろ、愛犬と散歩に訪れた近くに住む主婦、山口文子さんは「桜が咲いていて、びっくり」と話した。

開花した桜=同

農業関係の研究施設が並ぶ同さくら通りは、約1.5キロにわたってソメイヨシノや八重桜、山桜などが植えられ、約500本の桜並木が続く。

水戸地方気象台によると18日のつくば市の最高気温は17.6度と平年より4.4度高く4月中旬並み。前日の17日は最高気温20.4度と、連日、暖かい日が続いている。

桜の季節がくると例年、同さくら通りには市内外から大勢の花見客が訪れ、交通渋滞が起こるほどにぎわう。毎年、満開の桜の下で愛犬の写真を撮るという山口さんは「去年は新型コロナの影響で花見客が少なかった」と話し、「去年も開花が早く、3月24日ごろはほぼ満開だった。今年は『宴会なしで』という看板も出ていて、今年の花見はどうなるんでしょうね」などと話していた。

水戸市三の丸、県三の丸庁舎のソメイヨシノを標準木とする水戸地方気象台の桜の開花日は、平年が4月2日なのに対し、昨年は3月21日だった。県は、21日から4月10日までの21日間を「県まん延防止警戒期間」とし、花見で宴会や会食をしないよう呼び掛けている。(鈴木宏子)

災害対応に過去と未来のクロスビュー 防災科研がWebサイト刷新

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防災クロスビューの一例。2月13日、福島県沖を震源とする地震の震度運否=防災科研のサイト

防災科学技術研究所(つくば市天王台、林春男理事長)は18日、Webサイト「防災クロスビュー」を一般公開した。水害や地震などの災害発生から進行、復旧までの各局面に関わる情報をはじめ、過去の記録、未来の予測に至る災害情報を集約し、防災にフル活用する。これまで災害時の「対応」を主に発信していた「防災科研クライシスレスポンスサイト(NIED-CRS)」を「予防」と「回復」にも拡張する形でリニューアルを図った。

防災科研と日立製作所が2014年から共同で研究開発を進めてきたSIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)などにより、災害対応に必要な共有された情報をまとめ、統合的に発信するサイト。臼田裕一郎総合防災情報センター長によれば、災害時には、官公庁や研究所、企業などからの情報発信が活発化するが、分散して大量に出てくるため災害の全体像が見渡せない。これらの情報を集約して、予防・対応・回復の各局面を通じて活用できるシステムを目指した。

例えば、今年2月13日夜に発生した福島県沖を震源とする地震(マグニチュード 7.3)についてみると、面的推定震度分布や建物被害推定などの解析、家屋の被害状況、断水や給水支援などインフラ状況、防災科研Hi-netによる震源分布などの観測データ、気象庁が発表している災害の危険度分布など19の情報をサイトにまとめている。気象災害では1時間降水量分布など解析雨量、浸水・土砂災害などの発生危険度のリアルタイム評価結果などの情報が得られる。

平常時は過去の記録や現在の観測、未来の災害リスクを表示、災害時は発生状況、進行状況、復旧状況、関連する過去の災害、二次災害発生リスクなどの災害情報を重ね合わせて見える化(ビュー)した。表示される地図は市町村単位になったり、河川ごとになったり、詳細を確認し、避難に役立てられるものもある。

「防災クロスビュー」サイトはこちら、スマホ版も用意されている。ツイッターはこちら。(相澤冬樹)