日曜日, 1月 29, 2023
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高校新設めぐり押し付け合い? 知事「市立を」、つくば市長「県の仕事」

人口増加が続くつくば市で、市民団体が県立高校の新設を求めている問題で、大井川和彦知事が「つくば市立の高校をつくってはどうか」と昨年12月の県総合教育会議で発言したのに対し、つくば市の五十嵐立青市長が「県立高校をつくるのは県の当然の仕事」と6日の市長定例会見で反論するなど、県と市が押し付け合う形になっている。 昨年12月8日の県総合教育会議の議事録によると、大井川知事は「つくばにおける高校の問題は我々としても非常に注意を払って検討している」と述べた上で「(つくば市の)通学圏の周辺をみると、今後生徒数が減っていく中で、定員割れがどんどん増えてくる状況が予想される。通学圏にある高校を生かすことも検討しなければならないので、単純につくば市の中心部に新設校ということにはならない」などと述べた。 一方「通学圏の中でクラスを増やすなど、対応できるように県としても努力する」とし、高校新設について「我々からもつくば市に、市立の高校をつくってはどうかということも逆に提案させていただいている。その際には県として、教員の配置等含めて全面的に協力したいということも記者会見の場で申し上げている」と話した。 大井川知事はさらに「今後きちっとつくば市側に我々の意図をお伝えし、状況を理解いただいて、最善の選択肢ということを、我々としても努力しているということを、ご理解いただけるよう努力していきたい」などと述べた。 同教育会議で県教育委員の市原健一前つくば市長が「(市の)中心部ではお子さんがどんどん増えて、今後やはり高校に入りやすい環境をつくってほしいという意見もどんどん強くなっている」「ここは県と市が協力し合いながら、私はつくば市立の高校を設置していただくのが一番いいのかなということを、以前から感じている。その中で実態調査をお願いしたい。実態調査をきちんとやって、市と連携をとって、用地の提供であるとか、人事でも協力するというような姿勢を見せていただきたい」と県に投げ掛けたのに、大井川知事が答えた。 市は六つの小中学校つくる

つくば市への県立高校新設に賛成?反対?【県議選’22候補者アンケート】1

県議選が2日告示され、11日投開票が行われる。NEWSつくばは告示前、県政と関わりの深いつくば地域の課題のうち①つくば市への県立高校新設の是非②洞峰公園パークPF事業の是非③TX県内延伸計画の是非と、④旧統一教会や関連団体との接点の是非について、つくば市区の立候補者8人にアンケート調査を実施した。結果を3回に分けてお伝えする。 1回目はつくば市内への県立高校新設の是非について。人口が増加するつくば市では2021年、中学3年生の6人に1人しか市内の県立高校に入学できなかったなどとして、市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が、市内のTX沿線に県立高校新設や既存校の定員増などを求めて県議会12月定例会に請願書を提出した。結果は継続審査となり廃案となる見通しだ。つくばエリアの中学卒業者は2030年までにさらに約700人増加すると県自身が推計している。対策は急務だ。 立候補者8人には「人口が増加するつくば市に県立高校を新設してほしいという運動が市民の間から起こっています。つくば市に県立高校を新設することに賛成ですか、反対ですか」と質問し、賛成、反対、どちらでもないの3つのいずれかに〇を付けてもらい、50字程度で理由を書いてもらった。 各候補者の回答は以下の通り ▽佐々木里加氏 賛成「校舎については未だ新しく劣化していない廃校が事実存在し、新設に数十億かかるのであれば利活用も含め討論すべき。校舎を新設するのであれば、今後の少子化もかんがみて再利用が可能な建造物とすべき」 ▽宇野信子氏 賛成「TX沿線に巨大な沿線開発を行った茨城県の責任として、急増している子育て世代の進学先を公共交通機関で通学可能な場所に確保するべき」

請願は継続審査に 県議会文教警察委員会 「つくばに県立高校新設を」

人口が増加するつくば市などへの県立高校の新設や既存校の定員増などを求めた請願の審査が10日、県議会文教警察委員会(水柿一俊委員長)で行われ、継続審査とすることが全会一致で決まった。市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が約7500人の署名を添えて県議会12月定例会に提出していた(10月31日付)。 委員会の審査結果を受けて、12月定例会最終日の16日、改めて本会議で審議されるが、本会議も継続審査となると見られる。一方、現在の県議の任期は来年1月7日までであることから、継続審査になった場合、請願は来年1月7日で審議未了により消滅する見通しだ。 継続審査となったことについて、同委員会を傍聴した片岡代表は「小さな団体の請願を不採択にできなかったことが大きな成果。保護者や子供たち、市民の願いが県議会に伝わったことが大きい」とし、「昨年12月から今まで、つくば市選出の5人の県議全員がそれぞれの方向からこの問題を取り上げてくれたことが県に対する圧力になったと思う」と話した。 今後については「県は『中学生の進路選択に影響が出ないよう、既存校の学級を増やす』と答弁しているので、県に対し、こちらから学級増の具体的提案をしていきたい。具体的に検討すれば(既存校の敷地面積の制約や教室増築の費用などから)新設しかないことを分かってくれると思う」と述べた。さらに「つくばだけの運動では力不足なので、つくばみらい、守谷、牛久、土浦などにも(運動を)広げていければ」と語った。 考える会は、人口が増加するつくば市では2021年、中学3年生の6人に1人しか市内の県立高校に入学できなかったこと、つくばエリア(つくば、つくばみらい、守谷、常総市など)の中学卒業生が2030年には21年より1000人増えることなどから、県に対し、つくば市やつくばエクスプレス(TX)沿線に全日制県立高校を新設することや既存校の定員増を行うことなどを求め10月31日、請願書を提出していた。紹介議員となったのは山中たい子県議一人だけだった。 請願に対し県教育庁は10日の委員会で、4日の一般質問への森作宜民県教育長の答弁(11月4日付)と同様の説明を繰り返し、つくばエリアの中学卒業者は2030年までに約700人増加するが、周辺のエリアでは約1400人減少すること、一方、つくば市の生徒が多く通学している土浦、牛久、下妻の3市に限れば、つくばエリアの中学卒業者数は2030年までに現在より約700人増加するのに対し、3市は約500人減少し、つくばエリアの増加が約200人上回る状況となるーなどの調査結果を報告した。

県教育長「既存校の志願者増やすこと優先」 つくば市の県立高校問題

県議会一般質問で答弁 県議会第1回定例会本会議が4日開かれ、星田弘司議員(いばらき自民党)が、つくば市に県立高校が少ない問題について一般質問した。答弁に立った小泉元伸県教育長は「既存の県立高校の魅力化を図り、志願者を確保することを優先したい」と答弁するにとどまった。県議会でつくば市の県立高校問題が取り上げられたのは初めて。 星田県議は、つくば市内の小中学生数は県内1位であるにもかかわらず、改編や統廃合などにより進学先となる市内県立高校が少なくなっていること、同市周辺でも募集枠減少が進められていることなどをあげ、生徒が安心して望んだ進学先を確保できるよう教育環境を整える必要があると主張。そのための対応について県教育長にただした。 小泉教育長は、2023年度につくば工科高校をサイエンス専科高校に改編するのに伴い2学級増やすなど、エリアの実情に応じて柔軟に対応していると答弁した。さらに、市内や隣接する全日制県立高校では欠員や定員割れが生じていることをあげ、既存校の志願者を確保することを優先したいとした。 既存校の魅力化を図る具体策としては、1人1台のタブレット端末やパソコン、電子黒板などを導入し、個別最適化学習を展開するICT(情報通信技術)の活用などをあげた。 傍聴に訪れた市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表(71)は、県議会でこの問題が取り上げられたのは今回が初めてで、大きな前進だとし、答弁の中で、「来春から2030年にかけて県全体の中学卒業数が大幅に減少すると推計される中、つくばエリア(つくば市、つくばみらい市、守谷市、常総市)では約800人が増加する見込み」だと語られた部分をあげ、「(県立高校の適正規模や適正配置計画について示す)県立高校改革プランからしても、クラス増の必要性は十分認められたのではないか」と話した。

つくば市に県立高校新設を 市民団体、初の県教育庁交渉に臨む

つくば市に県立高校を新設することなどを求めている市民団体「つくば市の小中学校の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が17日、水戸市笠原町の県庁で、県教育庁と初の交渉に臨んだ。県高校教育課高校教育改革推進室に、知事や県教育長宛ての要望書を手渡し、県立高校の新設や市内外の既存校の学級増などを求めた。 回答は消極姿勢に終始 要望書は「つくば市は児童・生徒数が急増しているのに県立高校が少ないため、多くの生徒が市外の県立高校や私立高校に通っており、生徒の通学や保護者の費用・送迎などが重い負担となっている」などとして、①市内のTX沿線に全日制の県立高校を新設すること②竹園、つくば工科、茎崎、伊奈、牛久栄進など市内外の既存校の入学枠を増やすこと③土浦一高の付属中設置に伴う高校の学級数削減を行わないこと④特別支援学級の生徒に高校入試や入学後の資料を整えることーなどを求めた。 これに対し県教育庁の回答は、①県立高校の新設は財政や用地を考えると現時点では困難②既存校の学級増は、県全体の県立高校で1962人の欠員があるので慎重に判断していく③付属中設置に伴う土浦一高の高校の学級削減を止めることは困難④特別支援学級の生徒に対しては担当課と連携して対応を考えたいーだった。 片岡代表は「つくば市の中学3年生の進学状況や児童・生徒数の推移見通しなどの資料を提出し、実情を理解してもらえば、県立高校を必ずつくるしかないことを理解してもらえると思って説明したが、県の回答は、『県全体では定員割れの高校がある』ということに終始した。つくば市の子どもたちのことは県の視点から外れていると思わざるを得なかった」と話した。今後も粘り強く、県やつくば市との交渉を続けるとしている。 考える会の片岡代表は、つくば市の中学生の高校受験の実情を独自に調査し、市内には中間の県立高校がないため、2020年度は中学生の6人に5人が市外の高校や私立高校に通っており、生徒や保護者の重い負担となっていることを明らかにした。その上で、市議会9月定例会に、全日制の県立高校を市内に早急に新設し、進学環境の充実を求める請願を出し、全会一致で採択された。採択を受けて市議会は10月、知事と県教育長に県立高校新設などを求める意見書を提出したばかり。

一転、5月6日まで休校 県南の県立高校 新型コロナ

6日新学期が始まった県立高校について、大井川和彦知事は同日、東京への通勤者が多いつくば、土浦市などの県立高校や中等教育学校を、ゴールデンウイークが終わる5月6日まで臨時休校にすると発表した。 3日時点で大井川知事は、県内の新型コロナウイルス感染者の発生状況から感染の連鎖を止められているとして、県立高校は6日から通常通り再開するとしていた。しかし新学期スタート初日に方針を見直す。東京との交流人口が多いことから県が「感染拡大要注意市町村」に指定した、つくばエクスプレス(TX)や県南の常磐線沿線など10市町に立地する県立高校32校をさらに1カ月間、臨時休校とする。 7日は通常通り入学式を実施し、8日からゴールデンウイーク明けまで臨時休校となる。 大井川知事は方針を一転させた理由について、3日の発表後、インターネットやその他で心配する声が大変多く寄せられたとし「恐怖心、心配、不安が強い中でこれ以上無理に学校を再開しても、逆に不安な心理の中で通常の学校生活が送れないのではないか」と判断したと説明した。 TX沿線や県南の常磐線沿線市町の住民に3日、平日夜間と週末の外出自粛を呼び掛けたことに触れ「予防的な措置として外出自粛を要請したが、それが引き金となって不安感が増して休校を求める声が多くなっていった」とし「不安な心理の中で学校を続けることはマイナスの方が大きい」とした。 休校期間については夏休みを短縮することで取り戻すことを検討しているという。

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香りでおもてなし《令和楽学ラボ》22

【コラム・川上美智子】関彰商事グループの事業所では、昨年度末より、お客様サービスの一つとして「香りでおもてなし」をスタートさせました。みらいのもり保育園(つくば市)でも、玄関と化粧室にアロマの瓶を置いて、香りを楽しんでもらっています。 専門領域である香り成分の機能性研究をしていた大学勤務の時代に、企業の香りづくりを思い立ち、要望があればお手伝いしています。その第1号は筑波銀行でした。香りを大切にされていらっしゃる藤川雅海前頭取からの依頼で、筑波銀行オリジナルの香りの調合を大手の香料会社に依頼し、顧客サービスとしてお店で流しました。それにより、その店舗の取引が上昇し、お客様の滞在時間が長くなったと聞いています。 第2号が、現在お世話になっている関彰商事です。関正樹社長の関彰商事ならではの香りを作りたいという思いを形にするため、4年前、社内に香りプロジェクトを立ち上げられました。語呂合わせから、アヤメ科の「セキショウ(石菖)」の香りも香料会社に調合してもらいました。この香りは個性が強すぎてボツになり、最終的には今、店舗などで嗅ぐことのできる、かんきつ系のグレープフルーツを想起させる爽やかな甘い香りに落ち着きました。 新型コロナの感染拡大の影響で、香りを希釈するエタノールが高騰するなど、実現までには紆余(うよ)曲折がありましたが、昨年には社内のデザイナーがアロマ・オイルを入れる涼やかな容器瓶を完成させ、実現に至りました。アロマの利用法としては、ディフューザーで空間に流す、手指消毒やルーム用のスプレーに賦香(ふこう)する、名刺に賦香するなど、様々な香粧(こうしょう)品が考えられますが、自社内利用の展開が期待されます。 香りは生命を支える重要な物質 ところで、香気物質はppm単位(100万分の1)の、ごく微量で嗅覚を刺激して環境やモノの情報を伝える情報伝達物質の機能をもっています。それは、ヒトだけでなく、地球上の動植物にとっても不可欠の情報伝達物質として働いています。一つの食品に含まれる通常100種以上の香気化合物が、その食品の特性となって、我々にりんごかイチゴか、あるいは新鮮だとか腐っているかを伝えてくれます。

最優秀賞に山口栄司さん 土浦の写真コンテスト表彰式

第17回「土浦の写真コンテスト」の表彰式が28日、土浦市大岩田の国民宿舎水郷「霞浦の湯」2階会議室で開かれた。主催は同市観光協会(中川喜久治会長)。最優秀賞(茨城県知事賞)に選ばれた、つくば市在住の山口栄司さん(80)ら13人が出席し、表彰を受けた。 市内の景観・催事などをとらえた、本人撮影のおおむね3年以内の作品という条件で、昨年秋に募集され、県内外から68人、248点の応募があった。審査の結果、8月の「キララまつり」を撮った山口さんの「彩り鮮やか」のほか、宮本尚男さん(阿見町在)の「ちびっ子ライダー」、糸賀一典さん(千葉県柏市)「レンコン収穫」、仲沢彩さん(土浦市)の「茨城クロス・決戦は土浦で!!」の優秀賞3作品、入選16作品が選ばれた。 表彰を受ける山口さん(左) 最優秀賞受賞の山口さんは「趣味で催事の写真を撮っているが、このような素晴らしい賞をいただけてうれしい。今後も技術を磨き応募していきたい」と語った。 審査員のオダギ秀さん(75)(日本写真家協会会員・土浦写真家協会会長)は「昔は撮るぞーっと構えている写真が多かったが、最近は気楽に撮っている人が多くなった。土浦の良さが自然に伝わってきて、好感が持てる。今後も幸せを感じた瞬間を撮り続けて欲しい」と感想を述べた。(榎田智司) ◆展示会は29日から3月3日まで土浦まちかど蔵「野村」(土浦市中央)で、同4日から31日まで小町の館(土浦市小野)で開催。入選作品は土浦市観光協会のホームページに掲載されている。

ナラ枯れ対策 子どもたちの活躍《宍塚の里山》97

【コラム・小礒慶子】みなさま、ナラ枯れという言葉を聞いたことがありますか? どんぐりの木が夏に急に枯れてしまう病気です。全国的にも問題になっており、茨城県内では2020年につくば市で被害を確認し、3年間で被害が急拡大しています。これは体長5ミリほどの甲虫カシノナガキクイムシ(カシナガ)が原因です。 私たちの会でナラ枯れ対策ボランティア活動をしている小学生とその保護者5家族が「カシナガバスターズ」です。活動場所は土浦市にある宍塚大池周辺の里山です。 カシナガは一生のほとんどを木の中で過ごし、5~10月に成虫になり木から出て、健全なナラ類の木へ飛来します。カシナガは樹幹に爪ようじ程の小さな穴をあけ穿入(せんにゅう)し、ナラ枯れの原因となるナラ菌を持ち込みます。カシナガの繁殖力は強く、1ペアが木に入り込むと翌年には数百匹に増えてしまうので、この期間にできるだけ多く捕獲するのが重要になります。 捕獲するために、A4クリアファイルを使ったトラップを作り、狙われている木に設置します。トラップにかかったカシナガが逃げ出しにくいように、捕虫部分に水を入れる構造ですが、カシナガ以外の虫も入ってしまい、水死していました。一昨年この問題を解決するため、小学生の兄弟が、大きな虫が入らないようにネットをつけ、トラップを改良してくれたおかげで、昨年はたくさんの虫を救済することができました。 被害木は、21年は13本、22年は56本と拡大をしたので、トラップの設置数も増えました。真夏の暑さと蚊やスズメバチが飛び交う中での水替え・回収作業は大変でした。そこで作業時間を短縮するために、トラップの代わりにレジャーシートやラップなどを幹に巻く実験も行いました。そのほか、情報の共有化のため、被害木に番地をつけ、マップを作りました。

近代化の主役、鉄道を楽しむ乗りテツ 《遊民通信》57

【コラム・田口哲郎】前略 2022年は鉄道開業150年、日本初の鉄道が新橋―横浜間で営業を開始した記念すべき年でした。鉄道が150周年ということは、日本の近代化も150周年ということになります。もちろん、どのタイミングを近代化のはじまりとするかは、いろいろ意見があると思います。しかし、人びとの生活を実質的に大きく変えたという意味で、鉄道は近代化の象徴と言えるでしょう。 開業以来、鉄道は人びとの生活に影響を与え続けてきました。いや、支配し続けてきました。コロナ禍の前まで、鉄道の特権的地位は揺るぎないものでした。自動車や飛行機があるではないか、と言われるかもしれませんが、車や飛行機の普及は鉄道よりもずっと後です。近代化を先頭切って突き進んだのは鉄道です。 鉄道は人の移動と物流を激増させ、中央集権的な社会をつくりあげました。江戸時代は人びとの社会単位は村でした。今よりずっと小さい村が無数にあり、それを藩がまとめていました。その限られたテリトリーを鉄道はうちこわして、大きな単位でも人びとが生活していける経済圏を成り立たせたのです。 さらに、鉄道は人びとの時間の感覚を近代化しました。むかしは徒歩や馬の速さでまわっていた時が、鉄道の速さで流れます。定時運行とスピードが、人びとの生活を仕切るようになったのです。ようするに、のんびりがセカセカになりました。資本主義経済が人びとの欲望を刺激して、もっと豊かに、よりはやく、より安く、がよしとされる社会の誕生です。 コロナ禍で人間の物理的移動が広い範囲で制限されてはじめて、鉄道の存在意義が問われることになりました。自動車、飛行機だって人や物を乗せて移動するので、電子情報だけをのせる通信網に速さではかないません。