金曜日, 4月 26, 2024
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冬のキッズ工作体験 14日から動画公開 関彰商事と筑波大生がコラボ 

【山口和紀】地域の文化創造の場として関彰商事(関正樹社長)が運営している、つくば市二の宮のスタジオ’Sが、「冬のキッズアート体験2020-ONLINE(オンライン)」を14日からウェブで開催する。筑波大生が考案した工作のワークショップを動画や画像などで公開する。子供たちが動画を見ながら自宅で工作づくりを楽しめる内容だ。 キッズアート体験は、スタジオ’Sと筑波大生がコラボして毎年、夏と冬の年2回開いている。新型コロナウイルスの感染拡大から今年の夏はスタジオ’S単独の企画として行った。今回は、筑波大生とのコラボが復活した。 ワークショップで紹介する工作は全部で7種類。靴下で雪だるまをつくる工作や、たこ揚げのたこを作る工作など多様だ。オリジナルのクリスマスカードを作ったり、年賀状を作る工作もある。 企画には同大芸術専門学類の学生や大学院生が参加し、7種類の工作を考案した。ワークショップの一つ「靴下で雪だるまをつくろう」を企画したのが大学院1年の横堀玲奈さんたちのチームだ。靴下、綿、飾りつけ用のビーズ等を用意してもらって雪だるまを作る。「子どもたちが楽しめるよう身近なお店で手に入る材料で作れるよう考えたのが『雪だるま』だった」という。 およそ5分の動画で「雪だるま」の作り方を紹介する。内容のほとんどは「雪だるま」の胴体と帽子を作る工程となり、目やマフラーなどの飾りつけについてはあまり触れていない。横堀さんは「飾りつけ部分は子供たちが自分らしさを出せるように動画を短くした。どんな雪だるまにするかは子どもたちが自由に決めて欲しい」と語る。 去年までは子供たちと直接向き合ってワークショップを開催した。横堀さんは「去年は対面で実施された企画に参加し子どもたちと楽しい時間を共有することができた。今年の夏はコロナで一緒に活動できなかったが、今回からこういう形で協力できてうれしい」と話し、子供たちに工作体験を呼び掛ける。 筑波大生が考案した7つのワークショップはいずれもスタジオ’S のウエブサイトで、12月14日から2021年1月末まで公開される。

筑波大生有志が主催 「つくばリサイタル」今年も

【山口和紀】筑波大生有志が主催するコンサート「つくばリサイタルシリーズー1日だけの異色の競演」が12日、つくば市竹園、カピオホールで開催される。出演者は福田廉之介さん(ヴァイオリン)、會田瑞樹さん(パーカッション)、高橋優介さん(ピアノ)の3人。同コンサートは「学生に気軽にクラシック音楽を楽しんでほしい」との思いから生まれた企画で、今年で9回目を数える。新型コロナ対策のため客席を半分とし、全席指定での開演となる。 コンサートは同大の学生有志で作るつくばリサイタルシリーズ実行委員会が主催している。企画の創設者である同大の江藤光紀准教授(比較文化学類)は「学生の皆さんにクラシックの楽しさを感じてもらいたい」と語る。 公演では江藤准教授が作曲した作品「さまざまな風―ヴァイオリン、マリンバ(ヴィブラフォン)、ピアノのための」も披露される。ヴァイオリン、打楽器、ピアノという珍しい編成の作品だ。「困難な時であればこそ、人びとに慰めや希望を与え、勇気を奮い起こさせる音楽を書かねばならない」との思いで作曲された。 キャスティングにも意図がある。演奏者の一人、ヴァイオリン奏者の福田さんは1999年生まれの21歳で、数々の国際コンクールでの入賞経験を持つ注目の若手だ。他の演者もそれぞれ20代と30代。若手に出演を依頼したのは「同世代の素晴らしい演奏を聞くことは、学生たちの心にひじょうに響くものがある」という意図があったからだ。 感染対策を入念準備 予断許さない状況も しかし、新型コロナの影響で、開催できるかどうかすらも分からない状況が続くという。11月下旬からつくば・土浦地域では感染確認者が目に見えて増えており、現在のところ、開催は可能との見通しだが、予断を許さない状況だ。 感染対策はミーティングで入念に話し合い、でき得る限りの準備をしてきた。会場のカピオホールの定員はおよそ380人だが、感染予防の観点から客席をその半分まで減らす。さらに、アルコール除菌の徹底や会場の換気など基本的な感染対策も行う。入場時間を早めて観客の集まる時間を分散させるなどの対策や、チケット販売で電子チケットを発行するなどできる限り接触を減らす。 影響は客層にも及んでいる。年齢層が高い方が普段からクラシックに関心を持つ人が多く、開催のたび固定客として増加傾向だった。しかし今年のチケットの売れ行きは「今年はコロナのせいか高齢のお客様が少ない」。例年とは一変して、一般客ではなく学生が多くなる見込みだ。 コロナ禍のなか、全国的にもコンサートなどの文化事業を行うことは難しくなっている状況だ。しかし、文化は人々の心を豊かにする大切なものだ。委員の一人、岩永彩花さん(2年)は「来場していただいた方に安らいでいただくとともに、地域の文化活動に貢献していきたい」と語った。 主催者の同実行委員会は毎年、企画・開催をする仲間を募集している。国際総合学類や生物学類など様々な分野の学生が集まっているが、「委員会に入るまではクラシックには興味がなかった」という学生も多いという。 ◆「第9回つくばリサイタルシリーズ」の開場は12日午後1時15分、開演は2時。入場料は学生無料、一般1,000円(消費税込み)。

永田学長を再任 筑波大 選考プロセスの正当性問う声噴出

筑波大学(つくば市天王台)の次期学長選考会議が20日行われ、同大は21日、同選考会議委員による投票の結果、永田恭介現学長(67)を再任したと発表した。 学長選をめぐっては、学長の任期の上限が撤廃されたこと、教職員の意見聴取で永田学長が584票、対立候補で生命環境系長の松本宏教授が951票だったことなどから、同大の教員有志らでつくる「筑波大学の学長選考を考える会」から、選考プロセスの正当性を問う声が出ている。 同大によると、20日の学長選考会議は、委員24人の無記名投票の結果、永田氏が3分の2以上の得票を得て松本氏を破り、再任が決まった。 永田氏は2013年4月から学長を務める。本来の任期は最長で6年だったが、再任回数の上限が撤廃された。新たな任期は来年4月から3年間。 同選考会議の河田悌一議長は21日の記者会見で、永田氏再任の理由について「(永田氏は)ビジョンを出して一つひとつ実行し、科学研究費補助金の取得や企業など外の組織と結び実績を上げた」ことなどが評価されたとした。 一方、考える会が指摘している任期の上限撤廃については「任期の期限を除外している(国立の)大学は12、13大学ある」とし「一つひとつきちんとした手続きを踏んでやった」と強調した。 一方、稲垣敏之副学長は、任期の上限撤廃について「海外の有力な大学は学長の任期が長いことなどから、議論を重ねて再任回数に限度を設けないことを決めた」とし、教職員の意向調査ではなく意見聴取を実施したことについては「改正国立大学法人法で、意向調査は禁じるものではないが好まれてないため、意見聴取という名前にした」とし「候補者を5人以内に絞るための手段」だとした。さらに「昨年11月に中間報告を出し、各学系の長が教職員に周知し意見を集めており、すべての教職員に周知してきた」などと、時間をかけて教職員の意見を聞き周知してきたと強調した。 再任された永田学長は任期上限の撤廃について「諸外国は10年単位でやらないと大学は変わらない、そういうチョイスもある」などと話した。さらに「4月20日過ぎ、(自身を学長に)推薦したい人が飛び込んできた。その時は何のことか聞き、ちょっと考えさせてほしいと言った。重く考えてこういう結論になった」などと語った。 教員有志が批判「公開性と公正性欠く」 【山口和紀】20日に行われた筑波大学の次期学長選考をめぐり、そのプロセスの正当性をめぐって学内外が紛糾している。10月14日、同大の教員有志でつくる「筑波大学の学長選考を考える会」は会見を開き、学長選考が「公開性と公平性」を欠くとして批判し、是正を求めた。同大の学長選考会議が学長の任期や教職員の意向調査を廃止するなど、学長選考のプロセスに大きな疑念があるとした。 考える会の公開質問状(9月9日付)で選考の問題点として指摘されたのは次の通りだ。 まず、学長を選出する学長選考会議の正当性だ。同大規則で議長は「委員の互選」で選出するという規定があるが、現議長の河田氏の選出経緯について、考える会は、何も説明がなされておらず議事録にも記載がないと指摘する。関連して、学長選考会議の「議事次第」から議長選出そのものが削除された点にも疑念が持たれるとする。 また「意向調査投票の廃止」も大きな疑念だと指摘している。意向調査投票は、学長の選出にあたって教職員の意見を聴取するものとして、これまで実施されてきた。学長選考会議はこれを「廃止」した。今年4月1日、学長選考会議は教職員専用サイトに「新たな学長候補者の選考方法等について」とする文章を公開した。その中で「学長選考会議として意向調査投票を行わない」と発表した。 廃止の理由について同選考会議は、改正国立大学法人法の施行通知(2015年4月1日)で示された「考え方」を根拠としている。しかし同施行通知の原文には「選考の過程で教職員による、いわゆる意向投票を行うことは禁止されるものではないが」とある。そのため、考える会は、学長選考会議として意向調査投票廃止を決定した根拠を改めて提示するよう求めた。 10月15日、考える会の質問状に対する大学側から回答があった。議長の選出や意向調査投票の廃止に関する回答は学長選考会議議長である河田悌一氏からだ。議長の互選があったのかという質問に対し、河田氏は2014年1月の選任以降「現在まで議長を務めている」と回答、2年ごとの互選は行われていないことがわかった。同大では学長選考会議委員の任期が定められていない点が根拠とされた。 意向調査投票の廃止の経緯に対する回答は、「主体的な学長選考は如何にあるべきか」の検討が学長選考会議において行われ、廃止を決定したとするものだった。その根拠は、学長の選出は「学長選考会議が定めた選考方法で行われる」とする国立大学法人法の規定と「投票結果をそのまま学長選考会議の選考結果に反映させるなど、過度に学内の意見に偏るような選考方法は」適切ではないとする文科省の通知だ。 考える会は、大学側の回答内容について「大学の自治についての配慮を欠いた、大変残念なものであった」と批判。学長の「任期上限撤廃」などの状況から、すでに学長選考会議は「お友達選考会議」と化しているなどと指摘する。

共に申請1000件超す つくば・土浦市の新型コロナ特例貸付

【山口和紀】ことし3月利用条件が大幅に緩和された緊急小口資金貸付制度の申請件数が、8月までの合計で、つくば市1068件、土浦市1398件にのぼった。利用条件緩和は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への悪影響を考慮したもので、休業や減収などを理由に一時的な資金が必要な場合等に利用できるようになった。 3月に始まった特例貸付は、4月に入り申請件数が急増した。4月は両市ともに100件超え。5月、そのままの勢いで申請は増加し、6月には高止まりとなった。7月以降は両市ともに減少傾向にあり、4月の申請件数と同水準だ。 申請件数のピークは両市ともに5、6月となった。土浦市の申請件数は5月が398件、6月が429人で、つくば市はそれぞれ339人、334人だった。県内で緊急事態措置による休業要請の本格化は4月中旬、緊急事態宣言の解除は5月下旬だった。人口当たりの申請率は、8月末の段階で土浦市が1%、つくば市が0.5%となった。 一方、生活保護制度の利用は例年同様に推移している。相談件数、申請件数ともに増加のきざしはない。 新型コロナ対策として国が行っている貸付は「緊急小口資金」と「総合支援基金」の2つ。「緊急小口資金」は、20万円を上限として返済期間1年から2年内以内で、無利子で借りることができる。「総合支援基金」は2人以上の世帯は1カ月で最大20万円を、単身の場合は同15万円を、無利子で3カ月借りることができる。最大で6カ月まで延長可能。これらの特例貸付は、9月末までの予定だったが、国は新型コロナの影響が続いていることから12月末までの延長を決めている。

心肺蘇生のオンラインイベント開催 27日に筑波大医学生がカスミと

【山口和紀】心肺蘇生の方法を伝えるイベントが27日、つくば市天久保のスーパー、カスミ筑波大学店フリースペースで開催される。カラオケボックスではやりの曲に合わせて心肺蘇生をするイベントを開催している筑波大医学部5年の森陽愛子さん(2月7日付)が主催する。イベントはカスミの公式フェイスブックや同筑波大学店ツイッターなどでもライブ配信され「リアルとオンラインの融合企画」を目指す。 主催の森さんは以前から「大学生や社会人に楽しみながら心肺蘇生を学んで欲しい」とカラオケボックスで体験イベントを開催している。しかし、新型コロナウイルスの影響でボックスが使えなくなった。「医学生としての病院実習も緊急事態宣言の影響で自宅待機となっていて、何かできることはないか考えていた」と語る。 今回はリアルで企画を行いつつオンラインで配信することで人が密集しないよう工夫をした。企画は同店のフリースペースで開催されるが、ガラス張りなので外からも見学することができる。 当日は心肺蘇生に関するクイズを出したり、ペットボトルを使った心肺蘇生の体験などを行う。ペットボトルを使う体験は、家で配信を見ている人や店舗で見学をしている人にも参加してもらう仕掛けだ。実物大の模型を使った実演も行われる。 今回、カスミはただスペースを貸すだけでなく企画から配信の準備まで森さんをサポートするが、それにはきっかけがある。森さんは今年4月にカスミ広報誌「Cha-ble」で同社の小濵裕正会長と対談した。内容は森さんがコンテストで賞をもらった小論文「SDGsと企業」に関してだった。その中で小濵会長から「今度はカスミと一緒に何かやりましょう!」という声掛けがあったことが、今回のイベントに繋がった。 「コロナ禍にあって、カスミとお客様との関係性をもう一度見直す必要がある」と語るのはカスミの担当者だ。カスミではフリースペースなどを活用した地域の人々の交流イベントが次々に中止になっている。しかし、海外ではシェフが料理をライブ配信で紹介したり、経営者がライブ配信を行ったりするなどの取り組みが行われており、それが参考にされた。今回のイベントをオンラインで配信する目的の一つには、人々が容易に集まれない中で、地域が繋がっていくためのビジョンがあるという。 ◆イベントは27日の17時から20分程度行われ、当日の配信は以下のURLで配信される。 カスミのFacebook https://m.facebook.com/kasumi.fanpage/?locale2=ja_JPカスミ筑波大学店のTwitter https://twitter.com/kasumi398ut?s=09つくば心肺蘇生選手権のTwitter https://twitter.com/tsukuba_sosei?s=09

生活福祉資金の貸付、倍増の勢い つくば市社協

【山口和紀】新型コロナウイルスの影響から生活に困った人に少額資金を貸し付ける緊急小口資金制度、つくば市では申請が3月下旬から始まり(4月14日付)、4月以降利用者が急増、5月は前月の2倍を超える勢いで増加していることが分かった。他方、つくば市の生活保護の相談・申請件数は微増に留まり、踏みとどまっていることもうかがわれた。 同制度は、20万円を限度に無利子で貸し付けを受けられるもので社会福祉協議会が実施している。新型コロナウイルス対応のため特例という形で、3月に利用条件が緩和された。同市社協によると、緊急小口資金の申請件数は、3月は11件、4月が128件、5月は15日までの半月で152件だった。条件緩和のため単純に比較することはできないが、昨年度の同市の申請件数は年間を通じて3件しかなかった。 緊急小口資金の利用が急増する一方で、生活保護は4月末時点で微増の傾向だ。同市によると、生活保護制度の申請件数は3月が16件(前年度平均比107%)で4月が17件(113%)だった。全国的には東京都23区や横浜市などで、生活保護の申請件数が増加していることが報道されている。 経営悪化、しわ寄せは従業員へも つくば市の経済に及ぼした影響をみると、茨城県の緊急事態宣言発令は4月16日だったが、それ以前から経済への影響は深刻だった。市が市商工会員などを対象に、3月19日から4月3日に実施した新型コロナウイルスに関する影響調査によれば「売り上げが20~50%低下」した事業者が42%あった。感染が長期化すれば「従業員の解雇や廃業を検討する」との声もあった。 4月に入ってからは、初旬から市内の大型商業施設が休業した。筑波山の観光ホテルや旅館も4月初旬から休業状態となり、ゴールデンウイーク前の25日から5月17日まで筑波山の駐車場は封鎖された。市内の飲食店も軒並み休業や短縮営業を行った。

住居確保給付金の要件緩和、一部の学生も対象に

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大によりアルバイトの収入が大きく減り、生活に影響が出ている学生が少なくないとされる。経済状況の悪化を受けて国は、家賃を肩代わりする住居確保給付金の支給要件に関して就職活動条件を一部緩和した。これにより筑波大などの大学生も支給対象になった。しかし対象となる学生はごく一部に限られる。 筑波大学や筑波学院大学など全日制の大学に通う学生であっても、要件を満たせば支給対象になるが、つくば市社会福祉課によると、対象は「扶養されておらず社会保険料を自ら支払っている」など、親から独立していて学費も生活費も自分でまかなっている学生に限られるとする。 同課は「学生を対象にした修学支援制度や奨学金拡充などの制度があるのでそちらを案内している」としている。 ハローワーク要件不要に 住宅確保給付金は収入の減少などにより経済的に困窮し、住居を失う恐れのある人などが家賃を代わって支払ってもらえる制度だ。原則として3カ月分、最長9カ月が対象となる。支給金額はつくば市の場合、単身世帯が1カ月3万4000円、2人世帯が4万1000円、3~5人世帯が4万4000円となる。 もともと仕事が無くなり経済的に困窮して、住まいを失ったり失う恐れがある人が支給対象だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、仕事が無くなってはいないものの、離職などと同程度の状況にあり、住まいを失う恐れがある人などにも4月30日から支給対象が拡充された。 支給要件は従来、ハローワークで月2回以上職業相談をすることなどが要件だったが、「誠実かつ熱心に求職活動」とすることに緩和され、ハローワークへの求職申込などが不要になった。 支給対象者のうち学生について、厚労省は「もっぱらアルバイトにより学費や生活費を自らまかなっていた学生が、これまでのアルバイトがなくなったため住居を失う恐れが生じ、別のアルバイトを探している場合いも、収入要件や資産要件を満たせば、当分の間、例外的に支給される」とする。 例として「児童養護施設を出て大学に通う学生など」を挙げ、「事情により両親を頼ることができず、扶養に入ること等もできない学生」と規定する。 行政は修学支援や奨学金を推奨 学生向けの支援として行政が勧める修学支援制度は、授業料や入学金の減免や減額と、給付型奨学金の支給を受けられる制度で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で父母の収入が大きく減った場合(4人世帯の目安は380万円以下など)も支給対象になる。 奨学金は無利子(目安年収は約800万円以下)と有利子(同約1100万円以下)があり、新たに申し込みができる。すでに貸与奨学金を利用している学生なら利用額を増額することもできるが、こちらはあくまでも借金で返済が必要だ。

クラウドファンディングで支援呼び掛け 土浦のクラブハウス存続の危機

【山口和紀】土浦市上高津のクラブハウス「club GOLD」がクラウドファンディングを開始した。新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベントが開催できず、存続の危機に陥っているからだ。 クラブは16年前にオープンした。日本語ラッパーとして有名な舐達麻(なめだるま)がライブをしたこともある。筑波大学のストリートダンスサークル「Real jam」など、地元サークルの利用も多かった。 休日を中心に営業し、茨城のミュージック・カルチャーシーンを盛り上げていた。クラブは3月末から営業自粛を開始し、現在までイベントは開催できていない。 イベントを開催しなくても、クラブの維持には費用が掛かる。中心は家賃と電気代だ。高圧電力を通しているため、毎月の基本料金は10万円を超える。電気をいったん解約して収束を待つことも難しい。1から契約という形になるためさらに費用がかかるからだ。数名のスタッフに払う人件費ものしかかる。 クラウドファンディングの目標金額は150万円。100万円集まったら約2カ月分の休業資金になる。募集終了までおよそ1カ月の現時点で約70万円集まっている。しかし「地方の小さいクラブやライブハウスも同様のクラウドファンディングを行っているが伸びない、このままだとうちも満額は達成できないと思う」とオーナーの加藤さん(50)は苦しい状況を話す。 クラブハウスならではの事情もある。クラブのイベントは「企画してから2カ月間の準備時間が必要」だ。出演者のスケジュールや告知をしてチケットを売るためにかかる時間があるからだ。いつ営業再開できるのかわからないという状況では、イベントの企画すら難しい状況になっている。 「3密避けられない」 営業再開ができたとしても道のりは険しい。オーナーは「再開できたとしてもすぐに人が集まるとは考えにくい」と話す。クラブイベントは性質上「3密」を避けることができない。感染のリスクを考えれば客足は遠のくだろう。 しかし、クラブは地元のミュージシャンやダンサーには必要不可欠な場所だ。一度なくなってしまえば、元には戻らないかもしれない。茨城の音楽・カルチャーのともし火を消してはならない。 支援はこちらから➡クラウドファンディングサイト:https://camp-fire.jp/projects/view/263942

まつりつくば、つくばマラソンなど中止 新型コロナ

【山口和紀】つくば市は16日、今年の大規模イベントの中止を発表した。中止になるのは、秋から冬にかけ開催の「まつりつくば」「敬老福祉大会」「つくばマラソン」の3つ。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための措置だ。 「まつりつくば」は毎年45万人が参加する同市最大の祭り。市観光推進課は「新型コロナウイルスの感染拡大の収束がみえない状況」を理由に中止に踏み切った。毎年4月中旬から企業に協賛金を募るが、経済がひっ迫する状況の中では難しいと判断した。開催予定日は8月22日、23日だった。 主催者のまつりつくば大会本部(本部長・五十嵐立青市長)が中止の方向で委員22人全員に電話で打診し、16日までに承諾を得た。事業費は総額約5000万円で、市の補助金が約3000万円、企業の協賛金が約1800万円、出店料が約200万円。 「つくばマラソン」(同実行委員会など主催)は総勢2万人ほどのランナーが参加するマラソン大会。市のスポーツ振興課は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化する見込み」だとして中止の判断を下した。開催予定日は11月22日だった。 市民限定のエントリーが6月から、一般参加者は7月から開始される予定だった。ゴールデンウイーク明けにはエントリー受付の準備に入る必要があったという。 種目はフルマラソンと10キロマラソンの2つがあり、それぞれ約1万5000人と約3000人を募集してきた。エントリー料はフルマラソンが7500円、10キロが5000円だった。 これまでにランナーから「今年は例年通りやるのか」「中止になった場合エントリー料は返還するのか」などといった問い合わせが数件あったという。 「敬老福祉大会」(市主催)は70歳以上の高齢者を対象に式典や歌謡ショーなどを行う行事。開催予定日は敬老の日の9月21日だった。 つくば市の五十嵐市長は「それぞれのイベントの実行委員の中心のみなさまには私から直接電話して協議をしましたが、話した方全員が『この状況では仕方ない』『早い判断を支持する』『来年万全で』とご理解いただきました。これまで開催に尽力をされてきたみなさまのお気持ちに感謝します」とSNS上でコメントをした。 筑波大やどかり祭も中止 つくば市の筑波大学では、毎年新入生が中心になって盛り上げる宿舎祭「やどかり祭」の中止が既に発表されている。開催予定日は5月29日、30日だった。宿舎祭実行委員会によれば「(春学期の)授業がオンラインで行われるため、新入生が模擬店や浴衣コンテスト等の企画を準備する時間や委員会としての活動をする時間の確保が困難であること」などを中止の理由に挙げた。 11月7日に行われる予定の筑波大学学園祭「雙峰祭」の中止はまだ決まっていない。 土浦市の大規模イベントでは7月の八坂神社祇園祭礼の中止が決まったが、8月開催予定の「土浦キララまつり」、11月開催予定の「土浦の花火」は中止の判断には至っていない。

苦境の飲食店 応援したい つくば、土浦で「テイクアウト」サイト次々

【山口和紀】苦しむ飲食店を救おうと、つくば、土浦でテイクアウトを行っている飲食店をインターネットで紹介するサイトが次々に立ち上がっている。つくば市の有志が行う「旨がっぺTSUKUBA」、同市商工会青年部の「テイクアウト紹介サイト」、土浦市の酒寄隆弘さんが企画する「おうちdeつちうら名店街」の3サイトがある。 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、密閉空間、密集場所、密接場面の「3密」を避けながら、おいしい料理を味わってもらい、深刻な影響を受けている飲食業界を応援しようという取り組みだ。 飲食業界の苦境について、つくば市商工会青年部は「商工会への融資の相談も増加し、今後も傾向は続く見込み」だと説明する。3月、4月は歓送迎会などの書き入れ時なのに宴会などのキャンセルが相次いだり、売り上げが下がったりして大変という声が多数だという。 そんな中、多くの店がテイクアウトや、出前などのデリバリーに活路を見いだそうとしている。しかし「個々の発信では限界があり、有意義な情報も届きにくい」ことから、テイクアウト情報を集約して発信するサイトに着想した。 それぞれのサイトには市内飲食店のテイクアウト情報が集められており、持ち帰りができるおいしそうなメニューが数多く並んでいる。 お客さんも投稿 「旨がっぺTsukuba」のサイトはフェイスブック上に作られた。飲食店の経営者だけでなく、お客さんも自発的に投稿し、お店を紹介しているのが特徴だ。「もうすでに、たくさんの方が注文しているよう」だと話すのはサイトの運営者。「人間関係が希薄になりつつある中、さまざまな人が協力し、地域のために行動してくださることに感謝している」と語った。 つくば市商工会青年部もテイクアウト情報をホームぺージ上にまとめている。紹介されているのは同会の部員の店が中心だが、外部の情報も増えてきている。「サイトをきっかけにお店を利用してくれるお客もいるようだ」と語る。「自粛で疲れてしまっている中、少しでも外食気分を味わってもらえたらうれしい」と呼び掛けた。 収束後にぎやかに 「旨がっぺTsukuba」を見て立ち上がったのが土浦市の酒寄さんだ。「おうちdeつちうら名店街」のサイトを5日にフェイスブック上に立ち上げた。「どうにか応援できないか」とずっと思っていたと話す。土浦市も「飲食店だけでなく卸売業、酒販売業など周辺業種の影響も甚大だ」と語る。 「つちうら名店街」の命名の由来は同市川口1丁目にある「土浦名店街」というアーケード商店街だ。酒寄さんは土浦生まれ土浦育ち。子どものころは「名店街」が地域の中心として盛り上がっていた。「新型コロナが収束した後も実際の店舗に足を運んでいただき、いつかまたにぎやかになってほしい」という思いから命名したという。 つくば、土浦近隣のテイクアウト店紹介サイトは以下の通り。3サイトとも10日時点で情報提供を受け付けている。 「旨がっぺTsukuba」:https://www.facebook.com/umagapetsukuba/ つくば市商工会青年部:https://tsukuba-impulse.com/info/take-out_202004/ おうちDEつちうら名店街:https://www.facebook.com/groups/610015126525155/

9月末まで教室使わずオンライン授業へ 新型コロナで筑波大

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染が首都圏で急速に広まっていることから、筑波大学(つくば市天王台)は2日までに、4~9月の春学期について、教室での授業は行わず、オンライン授業を基本にすると発表した。 同大学はこれまで、入学式を中止し、さらに学生には2週間以上、宿舎やアパートなどで健康観察をした上で、新学期の開始を3週間遅らせるとしていたが、大幅な見直しとなる。 同大は3日、学生に対し帰省を促すのではなく、現在の居住地(実家も含む)に待機し、できるだけ移動を避けるよう改めて呼び掛けた。春学期は基本的に、宿舎やアパートまたは帰省先の実家など遠隔地からパソコンを通して授業を受けることになる。 一方、実験などどうしても対面での授業が必要な科目については、大学の新型コロナ感染症リスク対応チームの指示が出るまで実施できないとしている。ただし教員が日常的に学生の健康状態を把握している研究室など少人数での実験や演習の場合は、マスクを着用し、検温を行った上で、換気をし、密閉された空間でないことを条件に実施できるとしている。 一方、実家などに帰省せず、やむを得ず宿舎やアパートにとどまる場合は、不要不急の外出を避け、健康管理を徹底して生活するよう呼び掛けている。 4月、5月に学生宿舎に新たに入居を予定していた新入生などに対しては3月28日時点では、2週間以上の健康観察期間をとるため4月6日までに引っ越してくるよう要請していた。しかし今回、引っ越しを延期して自宅待機を要請している。荷物を宿舎宛てにすでに送ってしまった学生に対しては大学が荷物を受け取り各部屋に届ける。すでに引っ越してきた新入生への資料など配布物は各学群などで受け取ってもらう。受け取りに来られない学生には実家などに郵送するという。 その上で全学生に対して、手洗い励行やマスク着用などのほか、人混みには行かない、毎朝体温を測り平熱であることを確認することなどを求めている。 オンライン授業の形式について詳細は明らかになっていない。形式によっては、パソコンを所有していない学生やデータ通信量に制限があるモバイルルーターなどを使用する学生に大きな負担をかけることになる。また大学には、手に麻痺がある、耳が聞こえないなど障害のある学生も多く在籍している。誰ひとり取り残さない授業環境をオンラインでどのように作るのか。懸念点も多い。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

新学期開始を3週間延期 新型コロナで筑波大

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、筑波大学(つくば市天王台)は新学期の授業開始日を3週間遅らせ、4月27日にすると発表した。本来、大学の学群は4月8日から、大学院は7日からスタートする予定だった。同大はすでに4月5日に予定されている入学式の中止を決めている。 開始を遅らせることによる授業の不足分は、土曜や祝日に授業を行い埋める。土曜授業は5月に4回、6月にも4回、計8回行う。祝日に授業を行うのは計3回(昭和の日、海の日、スポーツの日)だ。 さらに授業の不足分をオンラインで補うなど弾力的な授業の形も可能だとした。例えば対面での授業を8回だけ行い、あとはオンラインで課題を出すなどだ。通常は定められた時間数の授業を行わなければならないが、文科省が2020年度の授業について「弾力的に取り扱って差し支えない」と3月24日付けで通知したのを受けて、各教員が柔軟に判断を行えるようにする。 宿舎やアパートで健康観察 授業開始は延期したが、同大は、4月6日までに帰省先の実家などから、学生宿舎やアパートに戻るなど「通学するための環境に身を置いて過ごしてほしい」と学生に呼び掛けている。 新入生も4月6日をめどに学生宿舎やアパートなどに引っ越してくることになる。新型コロナウイルス対策として2週間以上の健康観察を行うためだ。同大は「つくばに来てもらい、つくば市内あるいは保健所の管区内で過ごしてもらうことを原則にしたい」とする。新入生の行動には一定の制限がつくことになる。 履修する授業について新入生が説明などを受けるオリエンテーションに関しては、教室の換気ができ、多人数が集まらず、それぞれが1.5メートル程度の間隔を空けられるなどの環境を整えることができれば行うとした。各学群、研究科といった教育組織別に検討を行い、工夫しながら行う。 オンラインでのオリエンテーションも検討する。しかしオンラインのオリエンテーションや授業にアクセスするには同大の統一認証アカウントが必要だ。同大は「アカウントがないとアクセスできないので、手渡しはどうしても必要になる。職員との接触などについては検討中」と述べた。 新入生にとって馴染みのない土地で3週間の「待機」となれば心理的なストレスは大きい。対策として同大は様々なプログラムを実施したり、課題を出したりしながら工夫を行っていくとしている。 留学生には帰国要請 さらに同大は3月10日から25日までに滞在国ごとに、世界各国にいる学生や留学生に帰国要請を行っている。3月25日付で外務省の危険情報が全世界でレベル2に引き上げられ、「渡航禁止」の対応が取られたためだ。 海外にいる同大の学生は現在316人で、そのうち日本国籍の学生は193人(留学や研修など)、本国に帰省している学生が123人だ。帰国・来日した学生に対しては、2週間は症状がなくとも毎朝必ず体温測定するなどの健康観察を行い、自宅待機するよう通知している。 留学生などが4月になっても日本に入国出来ない場合については、3月19日日付で「不利益が可能な限り少なくなるよう対応を検討する」と呼び掛けを行っている。現時点でイタリアに滞在する2人の学生が帰国の見込みが立っていないという。授業までに帰国できない学生または隔離期間の学生にはオンラインでの補講などが検討されている。 ➡筑波大学の関連記事はこちら

「まちがいさがし」で子供たちにキャンペーン 県障害者権利条例5周年

【山口和紀】県障害者権利条例が4月1日、施行から5年を迎える。これを祝し、「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」(事務局・自立生活センターいろは)が同ホームぺージでキャンペーンを行っている。バリアフリーをテーマにした「まちがいさがし」で、正解した小学生に景品を贈呈する。 「まちがいさがし」には様々な障壁が人々を暮らしにくくしている状況が描かれる。例えば、タクシーに乗るためのスロープがあるかどうかだ。少しの段差がなくなるだけで、車椅子を使っている人などが多くの人が使いやすくなる。 少しの段差をなくしたり分かりやすく説明をしたりするなど、誰もが暮らしやすいように環境を変えることは「合理的配慮」と呼ばれる。キャンペーンの狙いは、社会を少し変えるだけで障害がある人や高齢者、ベビーカーを押す人など多くの人が暮らしやすくなることを子どもたちに知ってもらうことだ。 共に歩み幸せに暮らすために 県障害者権利条例(障害のある人もない人も共に歩み幸せに暮らすための県づくり条例) は2015年に施行された。障害者に対する差別的な取り扱いをなくすことを目的とした条例だ。つくば市にある障害者支援団体「自立生活センターほにゃら」と水戸市の「自立生活センターいろは」の2団体が2011年から条例をつくる活動を始め、12年に「茨城に障害をもつ人の権利条約をつくる会」が発足した。条例は議員提案という形で県議会に提案され、施行された。 条例に基づき、県は障害者差別相談室を設置。常駐する専門の相談員に「差別的取扱い」や「合理的配慮」について相談できる体制が整った。過去には視覚障害者から「工場見学に行った際に盲導犬の同伴を拒否された」という相談などがあったという。 現在つくば市では、店舗や地域団体などが、点字メニューを作成したり、筆談ボードなどの物品を購入したり、スロープを付けて段差を解消するなど工事施工に補助金を出す制度を設けている。水戸、取手、ひたちなか市も同様の制度がある。 ◆キャンペーンは「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」のホームページから、はがきで応募する。締め切りは4月13日。対象は小学生。正解者の中から抽選で10人にオリジナルクオカードをプレゼントする。 ➡県障害者権利条約の関連記事はこちら

筑波大、新学期開始延期あるか 五輪対応で難しい選択

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の大学で新学期の開始時期を数週間から1カ月程度延期する動きが始まっている。すでに入学式の中止を決定した筑波大学はどうなるのか。NEWSつくばの取材に対し大学は、新学期開始時期の延長措置を「検討中」だと回答した。 筑波大は春学期と秋学期の2学期制を導入している。東京オリンピックの時期に授業が行われないようにするため、もともと春学期をおよそ3週間短縮し土曜授業を行う変更措置を行っていた。 首都圏では、東京理科大学が開始を5月に延期することを決定した。その他、早稲田大学や明治学院大なども既に延期の決定をしている。 筑波大も難しい選択を迫られる状況だ。厚労省の専門家会議は、3つの条件が重なる場合に感染リスクが高く、これらの環境を出来る限り避けるべきと発表した。①換気の悪い密閉空間②多くの人が密集③近距離での会話や発声―の3条件だ。大学の授業はこれらの条件が重なることが多いため、授業の開始時期をずらす大学が多い。 しかし、筑波大には開始時期を後ろにずらすことが難しい事情がある。大学は昨年3月にオリンピック期間中に授業や試験を原則行わないと発表。例年よりも3週間ほど春学期を短縮し、代わりに計8回の土曜授業を行う。元々春学期は変則的なスケジュールを組んでいた。 学生の3/4が土曜授業に反対 筑波大の学生組織「全学学類専門学群代表者会議」が2019年10月に行ったアンケートによれば、回答した学生の75%がオリンピックに伴う土曜授業に「反対」している。さらに、筑波大学新聞の調査によれば工学システム学類、情報科学類の2学類は「予習や復習に学生が使う時間が減ることなどを考慮」し土曜授業を行わないことを既に決定している。 オリンピックに伴う土曜授業の決定によって特に大きな影響を受けるのは教職課程の履修者だ。例年、教職課程科目は土曜日に集中講義という形で授業を行う場合が多くあった。特に小学校教諭免許に関わる科目は土曜日に行っていた。 それらの授業は、今年は日曜日と、オリンピックに関わる変更後に空いているいくつかの土曜日に移されたり、春学期の授業を秋学期に移したりすることで対応する。 このような状況の中、新型コロナウイルスの影響でさらに春学期の開始時期を遅らせるとなれば混乱は必至だ。 NEWSつくばの取材に対し、筑波大は春学期の延期措置は「検討中。現時点で公表可能な情報は無い」と回答。オリンピックに関わるカリキュラムの変更を行っている以上は開始時期の延期措置は難しいのではないか、という質問にも「検討中」と回答している。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

【新型コロナ】今度は入学式を中止 筑波大

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大を受けて筑波大学は13日、卒業式の大幅縮小(3月10日付)に続き今度は、4月の入学式を中止すると発表した。 同大は「新入生にとってかけがえのない行事を中止することは大変心苦しい決断だが、学生の健康と安全確保を第一に考え結論に至った」として理解を求めている。 入学式は4月5日に予定され、大学と大学院合わせて計約4700人が出席する予定だった。 新入生の大学での授業開始は8日、その前の5~7日には履修する授業の説明などをするオリエンテーションを実施する予定だ。大学院は5~6日にオリエンテーションを実施、7日から授業開始予定だが、同大はオリエンテーションや2020年度の授業スケジュールについては後日改めて新入生に通知するとしている。 新歓も中止、上級生は「ツイッター新歓」検討 入学式終了後は例年、サークルや部活動など各団体の上級生が、新入生に紹介チラシを配る「新入生歓迎祭(新歓祭)」が実施される。同大は学生に対し、現在予定されている新入生歓迎活動、特に「ご飯会」を含む集会活動の延期や中止を要請した。 これを受けて、新歓を取りまとめる新入生歓迎祭推進委員会は新年度新歓祭の本祭中止を決定した。さらに体育会、文化系サークル連合、芸術系サークル連合の3連合会も合同新歓の中止を決定した。サークル各団体も新歓を中止・延期するかどうか、現在、判断を迫られている状況だ。 文化系サークルの新歓担当者の1人は「今年は『ご飯会』を全面的に中止する。ワークショップなどを準備してきたが、どこかのタイミングで出来ないか考えている」と話し、「メジャーなサークルはオンライン新歓が有効かもしれないが、うちのような“弱小”サークルはどのように人を集めれば良いか悩ましい」と語った。 同大はツイッターをはじめとするSNSが盛んだ。新歓の中止要請を受け、複数の団体が「ツイッターで発信を強化する」と書き込んでいる。名古屋大学など他大学ではオンライン新歓をする動きもある。リモートワークならぬリモート新歓として「ツイッター新歓」や「VR(バーチャルリアリティー)新歓」が今年のトレンドになるのかもしれない。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

【新型コロナ】筑波大、卒業式を大幅縮小 代表者のみ出席へ

【山口和紀】筑波大学は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、卒業式の規模を大幅縮小すると発表した。大学の各学群・学類、大学院の研究科からの代表者のみが出席し挙行する。家族はもちろん、一般の卒業生・修了生も出席できない形だ。 卒業式は今月25日、同大の大学会館講堂で実施する。2月28日時点で同大は「出席者は卒業生・修了生のみとし、家族等の来場はご遠慮させていただく」と発表していた。しかし、感染拡大の影響で3月10日にこれを変更。感染の拡大状況から、多数の参加者が一堂に会して開催することは困難であるとし、各学群・学類、研究科の総代や副総代など、代表者のみ出席する形を取る。 式次第も大学は学群を2つに分けて別々に実施、大学院と合わせて計3回、卒業式を実施する。同大広報室によると昨年度は大学、大学院合わせて約7500人が卒業式に出席した。今年は計3回の式典を合わせ例年の50分の1の約150人になる見込みだという。 「晴れ着を着たかった」 出席できなくなった卒業生の1人は「晴れ着を着たかった。友達や仲間と集まる機会が無くなってしまったことは残念」と話した。 卒業式後のパーティー中止を既に決定している学群もある。大学側も「食事を取りながら懇談を行う祝賀会については、開催を控える」よう通知していた。以前から準備を続けてきた学生は「卒業パーティの中止は残念。皆で集まる最後の機会だった。参加予定者への返金が大変」と話す。 卒業式の会場では、後輩たちが『出待ち』をして卒業する先輩たちを祝うのがサークルの慣例だ。「今年は出来ないと思うと寂しい」と話したのは在校生。今年は「追い出しコンパ」なども大規模には行わないサークルが多いそうだ。 成人式に続きまたしても 晴れ着のレンタルなどをしている同大近くの着物店「明日櫻」(つくば市天久保)の担当者は「卒業式の規模縮小や式次第の変更で『着付けの時間を変更して欲しい』という要望がきている。対応できるかどうか検討しているところ。キャンセルは現時点ではきていない」と話した。同店では、晴れ着での写真撮影のみの依頼も対応しており、他店で着付けをして写真撮影のみ同店のスタジオで行うことも可能だという。 今年度卒業するのは「はれのひ」事件が起きた年に成人を迎えた学年だ。新型コロナの影響でまたしても「晴れ着」を着れないという状況になってしまった。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

「家に帰ってもご飯ない」 無料塾の子ども食堂 当面中止 新型コロナでつくば市

【山口和紀】新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受けて、つくば市は27日から、生活困窮世帯の子供を対象とする無料塾「青い羽根学習会」での食事提供を当面の間、中止することを決定した。利用している子供からは「家に帰ってもご飯はないと思う」という声が出ている。 市は生活困窮者自立支援法に基づき地域のNPOなどと協働で、青い羽根学習会を市内13カ所で実施しており、そのうち3カ所で食事の無料提供が行われている。しばらくの間、これら無料塾での「子ども食堂」は中止となる。市子ども未来室は「食事はウイルス感染のリスクが大きいため」だと説明する。ただし無料塾そのものは中止せず、マスクの着用や手洗いの徹底で対応してもらう方針だ。 ライフラインの児童・生徒少なくない 「『子ども食堂』がなければ今日の夜ご飯が無くなる子供もいる」と、無料塾を運営するNPO法人「居場所サポートクラブ ロベ」(つくば市島名)代表の森美智子さんは話す。無料塾に通う子供の1人は「子ども食堂が無くなると聞いてがっかり。今日は勉強する気が起きない。感染を防ぐためには仕方が無いとは思うが、お腹が減ったし、家に帰ってもご飯はないと思う」と話した。 ロべは運営する3カ所の無料塾のうち2カ所で塾の子供たちを対象に「子ども食堂」を行っている。小学生から高校生まで70人近くの児童・生徒が利用し、カレーライスやみそ汁、おにぎりなどのメニューを毎回提供していた。市の決定を受け、週に3日間実施していた「子ども食堂」を当面中止する。 ロべに対しては「感染リスクに配慮し、家でも食べられる既製品のパンを無償提供する」という企業からの声掛けも既にあったという。 森代表は「感染拡大を防ぐため中止の対応は妥当だと思うが、中止によって食べるものが無くなる子供がいることもまた事実」だと語る。子ども食堂がライフラインになっている児童・生徒の数は少なくないのが現状だ。 現場は難しい選択 無料塾「青い羽根学習会」の子ども食堂とは別に、市は民間団体が実施する子ども食堂「みんなの食堂」に対しても補助金を出している。みんなの食堂は昨年末時点で市内に6カ所あり、子供から高齢者までだれでも利用できる。みんなの食堂の新型コロナウイルスへの対応は各団体の判断に任されている。感染リスクと福祉的必要性を天秤にかけて、どちらを取るべきなのだろうか。現場は難しい選択を迫られている。 ◆居場所サポートクラブ ロベは日頃から食べ物の寄付を募っている。コメや日持ちのする野菜などが必要。生鮮品は要相談。連絡先はafterschool.robe@gmail。 ➡新型コロナウイルスの過去記事はこちら

ツンデレの白馬がやってきた 筑波大馬術部に元競走馬

【山口和紀】筑波大学体育会馬術部の厩舎(きゅうしゃ)=つくば市天王台=に2月はじめ、元競走馬の白馬がやってきた。サラブレッドの牡(おす)、15歳。現役時代の名前はバロンビスティー、JRA(日本中央競馬会)美浦トレセン所属で、2008年から11年に国内22戦4勝の成績を残した。白く美しい芦毛の馬体で、引退後は東京競馬場の誘導馬として活躍し、ファンも多かったそうだ。 筑波大に移籍し「桐杏(とうあん)」と命名された。由来は、大きな身体で、杏(あんず)の花のような白さと美しさから連想したという。日本産の牡サラブレッドには、「桐(とう)」という文字に一文字足して命名する同部の慣習にならって命名した。 部長の松田森樹さん(生物資源学類3年)によると「桐杏は少し気難しいところがある。かまって欲しそうにしているが、近づき過ぎると怒る。あえて言うなら“ツンデレ”みたい」だそうだ。 馬術部には「桐杏」を含めて11頭が在籍し、馬術部の部員は14人。全員が大学に入ってから馬術を始めた。松田さんは「生き物への関心が元々あって、入学後の体験で馬に乗ったときに『この部に入ろう』と思った。馬術部の面白さというのは、生き物を相手にすることにあると思う」と話す。 馬術競技には大きく「馬場」「障害」「総合」の3種目がある。同大は特に総合馬術に力を入れているという。他の馬場馬術や障害馬術は、それを得意とする馬種が多く在籍する私立大学が一般的に強い。筑波大馬術部は引退した競走馬、つまりサラブレッドが多く在籍するため、その特性を活かすためには総合馬術が最も適しているそうだ。 「馬との距離の近さ」が大学馬術の特徴だ。部員それぞれが1頭の馬の世話を担当している。持ち回りで担当するが、365日、毎日4回の餌やりも欠かすことはできない。「プレーヤーとマネージャー、そしてトレーニング。これら全てを自分で担当することで得られる奥深さは魅力的。毎日毎日、馬も人間の調子も違うため、新しい発見がある」と内窪夏希さん(教育学類2年)は話す。他競技であれば言葉で話すことで通じ合えるが、馬術は違う。「チームメートは馬。言葉は通じない。『ちゃんとやって』と言ったとしても伝わらない。その難しさと面白さが馬術にはある」そうだ。 馬術部では同大の学生と教員向けに体験乗馬を随時行っている。連絡先は馬術部ツイッター(https://twitter.com/tsukuuma)へ。部活への入部はいつでも歓迎。学外者への一般開放は現在のところ行っていない。  

カラオケ店でテンポよく 22日に筑波大医学生、心肺蘇生選手権

【山口和紀】筑波大学医学群医学類4年の森陽愛子(ひめこ)さんが、大学近くのカラオケ店で22日、心肺蘇生選手権を開催する。一般の市民や大学生が対象だ。カラオケ店で開催するのは心肺蘇生のテンポに近い曲を実際に歌ってみたり、大人数で合唱したりしながらテンポを学んでもらうため。森さんが選んだ若い人に人気の曲を使う。「心肺蘇生のやり方に触れてもらい、テンポを学んでもらえたら」と森さんは参加を呼び掛ける。 「TSUKUBA心肺蘇生選手権」で、昨年11月に引き続き2回目の開催となる。心肺蘇生を全くやったことがないという人でも参加できる。 心肺蘇生の技能を得点化する装置のついた訓練用の人形を使って、心肺蘇生の上手さを競う大会だ。医療関係者ではない一般の人に参加してもらうためカラオケ店の一角を使い行う。 主催する森さんは以前から、地域の子どもたちや高齢者に心肺蘇生やたばこの悪影響などを啓発するサークルに所属していた。今回は、大学生や社会人にも心肺蘇生のやり方を知ってほしいと、楽しみながら参加できる選手権形式で開催する。 参加者には30秒間、訓練用の人形で心肺蘇生をしてもらう。1分間に100~120回のテンポで、5~6センチの深さまで胸を圧迫する。選手権では押し込む深さやそのテンポなどを採点する。最も高い得点を獲得した人には景品も用意されている。前回大会の景品は大きなシロクマのぬいぐるみだった。景品のぬいぐるみを使って心肺蘇生の練習をしてもらえたらという思いからだ。 会場のカラオケ店は森さんがもともと頻繁に通っていた店だという。「フレンドリーな店長で、以前から親しくしていた。大会の計画を話すと『うちでやりなよ』と言ってくれた」と語る。 あいみょんやFoorinの曲で 森さんによれば、カラオケで開催する利点は幅広い層に届くことだと言う。前回大会ではカラオケをしに来たお客さんを誘って参加してもらった。その結果「大学生や社会人はもちろん、留学生にも参加してもらえた。『初めて心肺蘇生をやった。楽しかった』と言ってくれた人もいた」という。 さらに「(胸骨圧迫のテンポに近い曲を)実際に歌ってみたり、大人数で合唱したりしながら心肺蘇生のテンポを学んでもらえる」と森さん。従来の講習などでは一昔前の古い曲を使って伝えている場合が多く、若い人には届きづらいと感じていた。「気になって調べてみると、あいみょんの『マリーゴールド』とかFoorinの『パプリカ』とか、最近の人気曲にもちょうどいいテンポの曲がある。それらを使って伝えたい」と語る。 森さんは今後も継続的に「心肺蘇生選手権」を続けるつもりだ。「大会をさせてくれるお店だったり、イベントに企画として呼んでもらえたり、そういうことがあればうれしい。気軽に連絡を取ってもらえたら」と話す。 ◆第2回TSUKUBA 心肺蘇生選手権 22日(土)、カラオケボイス天久保店(つくば市天久保1-7-1)で開催。午後7時から12時までの間、好きな時間に参加することが可能。所要時間は5分程度、申し込み不要。参加は無料だが、カラオケ代は別途支払いが必要(大会参加者にはポップコーンのサービスあり)。詳しくはhttps://twitter.com/tsukuba_sosei(ツイッターアカウント)。

つくばに「ご当地スポーツ」 200人が全5種目を体験

【山口和紀】つくばに「ご当地スポーツ」ができた。全5種目のご当地スポーツを体験するイベントが2日、つくばセンター広場(同市吾妻)で催され、親子連れを中心に約200人が「つくば」と「ゆるスポーツ」の融合をテーマに作られたオリジナルのスポーツを楽しんだ。 主催したのはつくば市と、コワーキングスペース「アップツクバ」などを運営するfor here(フォーヒア)。監修を世界ゆるスポーツ協会が担当した。「ゆるスポーツ」はスポーツの得意不得意などを問わず、誰もが「ゆるっと」楽しむことができることを目的にしている。 昨年12月から2回の会合を開き、参加者はそれぞれがチームに分かれオリジナルのスポーツを考案した。for hereの江本珠理さんは「イベントの趣旨は、関係人口を増やすこと。千葉から来た参加者もいる。イベントをきっかけにつくばに関心を持ってくれる人が増えればうれしい」と話した。 5種目のうちの1つ「ペタウェイ」は、電動の立ち乗り自転車「セグウェイ」と元素記号の融合がテーマだ。つくば市は「モビリティーロボット実験特区」としてセグウェイの公道走行が認められていることからテーマになった。ルールは「元素」をモチーフにしたボールを「セグウェイ」に乗った的(まと)役の人に投げ、的に当たった「元素」がH2OやCO2のようにそろうと得点になるというもの。考案したチームの板谷隼さん(筑波大学大学院2年)は「僕らのチームはセグウェイがテーマ。最初はセグウェイにカゴを載せて、プレーヤーはボールをカゴに投げ入れるというルールだった。後から研究学園都市らしさということで『元素記号』要素を入れて、このような形になった」と話した。 立教大学池袋高校の数理研究部が考案・開発した「谷田川エクスプレス」はバーチャルリアリティー(VR)を使ったスポーツ。参加者はメガネ型のディスプレイ「ヘッドマウントディスプレイ」を装着し、映し出される仮想の「谷田川」で渡し船をこいでゴールを目指す。開発した山崎友也さん(同校2年)さんは「もともとVR作品のコンテストに参加していて、それを見たつくば市の担当者が今回のイベントに誘ってくれた。ゲームは部活の先輩と専用のソフトを使って開発した。コンテストのために作ったものだが、お客さんに楽しんでもらえたらありがたい」と話した。 ほかには、祭ばやしのリズムに乗せて「山菜採り」を行う慶応大学商学部の学生チーム考案の「アブウド採らず」、筑波大院生らが作成した「ガマの油」を集めるVR競技「ガ筋肉(マッスル)」、つくばの特産品である「芝」をテーマにした「筑波つくばおろし」などがあった。 主催者の江本さんは「申し込みは100人を超え、当日申し込みの方もたくさんいた。大勢の人に参加してもらえたのがうれしい」と語り、「ご当地スポーツを作る過程で、つくばが芝の名産地であることなどたくさんの発見があった。10歳の子どもから社会人まで、対等に関わりあってスポーツを作っていくことができたのが良かったと思う」と話した。

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