日曜日, 10月 17, 2021

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キティちゃんとコラボ中 つくば – 水戸結ぶTMライナー

茨城県は12月26日まで、水戸とつくばを結ぶ都市間高速バス「TMライナー」と「ハローキティ」をコラボしたラッピングバスを運行している。 2019年10月から実施している増便実証運行が今年10月1日で開始から2周年を迎え、7月には利用者が10万人に達したことを記念して企画された。 キャンペーンのイベントは▽乗車証明書提示によるコラボ記念グッズプレゼント(先着900人)▽乗車で聞けるハローキティ社内放送(土日祝日限定)▽抽選でコラボ記念グッズプレゼント企画(ツイッターで応募・ホームページクイズで応募)など。 「TMライナー」の運行は、単なる交流人口の拡大だけでなく、都市間連携による経済、文化、スポーツなどの交流促進も重要な目的だ。県では「コロナ禍にあっても日々の運行にあたっては安心して利用してもらえるよう、感染防止対策を徹底している」と強調し、今回のコラボキャンペーンを契機に利用者のさらなる拡大を期待している。(山崎実)

市長、磯崎さんに面会熱望「改修着手前に意向の確認を」 つくばセンタービル

つくば市によるつくばセンタービルのリニューアル計画について、五十嵐立青市長が「私どもは(設計者の)磯崎先生と直接お話している」「磯崎先生の意向は今後も大切にしながら計画を進めていきたい」と9月議会で答弁する一方、市担当課が答弁と同じ日に磯崎新事務所関係者に「市としてもつくば市のシンボルともいえるつくばセンタービルの改修工事に直接着手する前には、是非(磯崎)先生にお会いし、ご意向の確認をと、市長は熱望しております」とメールを送っていたことが情報開示請求で分かった。 市長が磯崎さんに面会を申し入れたメールは、今年8月と9月に計4回、担当課が送っている。磯崎事務所関係者からは現在までに「コロナの状況がますますひどくなっています」「ご報告に関しましては引き続きメール等で」などとする返信がきている。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんのポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。つくば市のリニューアル計画をめぐっては、建築意匠に詳しい筑波大学の鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、エスカレーター設置の見直しなど市のリニューアル計画の見直しを求め、建物や広場の輪郭は保持すべきだなどとする要望書を出している。 情報開示資料によると、市のリニューアル案に対し磯崎さんの意向が示されたのは、2020年12月の事務所からの「改修案への磯崎の意見は特にございません。最初に屋根を架ける案を聞いたときはぎょっとしましたが、見送りになって安心いたしました」とするメールのやりとりだけだった。 その際、市担当者が事務所関係者に示したメールの内容は「基本的に外観については既存のままとし、建物内部をリニューアルする予定ですが、1階と2階の動線を改善するために、センター広場にエスカレーターを2基設置するとともに、一部階段を拡幅したいと考えています。以前懸念をいただいていおりました屋根については、今回、見送ることといたしました」などリニューアルの方向性の資料で、リニューアルによって建物や広場の輪郭のどの部分を改変するかは、当時、磯崎さんに具体的に説明してなかった。 つくば市職員が磯崎さんと直接面会したのは2019年3月の1回のみだった。(鈴木宏子)

「伊能図」完成200年で企画展 19日から地図と測量の科学館 つくば

北海道から九州までの実測による初めての日本地図「大日本沿海輿地全図(だいにほんえんかいよちぜんず)」(通称「伊能図」)が完成(1821年)して200年になることを記念し、国土地理院(つくば市北郷)は19日から「地図と測量の科学館」で企画展「“伊能図”近代地図の原点」を開催する。12月19日まで。 伊能忠敬は55歳の時(1800年)に蝦夷地(現在の北海道)の測量を開始し、1816年の第10次測量まで実施して、北海道から九州までの実測による日本地図を作成した。忠敬は1818年に亡くなったが地図作成は弟子たちによって引き継がれ、1821年に「伊能図」が完成し、幕府に献上された。 彎窠羅鍼(わんからしん)のレプリカ。国土地理院所蔵。方位を測定する器具で、杖先方位盤、小方位盤とも言う。測線の曲がり角で各地点の方位を測るのに使われた。杖の先に羅針盤を取り付けたもので、杖が傾いても羅針盤自体は常に水平が保てるようになっている。これは忠敬が改良したもので、伊能測量隊で最も役立った器具とされている=同 今回の企画展では、忠敬が行った測量の方法や功績、完成した伊能図、明治に入って伊能図がその後の地図作成にどのように影響したのかを、地理院収蔵の資料などを通して紹介する。当時の測量機器のレプリカ、伊能大図、中図、小図等の展示、伊能図から作成された明治時代の地図などだ。 国土地理院広報広聴室の會田美智雄さんは「今回は今年新たに存在が認められた伊能小図の副本とみられる実測輿地図(じっそくよちず)のレプリカを特別展示します。デジタル機材がない時代、長い歳月をかけ、徒歩で全国を測量した伊能忠敬の情熱に想いを馳せつつ、ご覧いただければ」と話している。(如月啓) ◆企画展「“伊能図”近代地図の原点~大日本沿海輿地全図完成二百年記念~」 19日(火)から12月19日(日)、つくば市北郷、国土地理院「地図と測量の科学館」2階特別展示室。開館時間や休館日、アクセスなどはウエブサイトに案内されている。

我が家の名物 栗の渋皮煮 《くずかごの唄》95

【コラム・奥井登美子】 「栗の渋皮煮、今年はまだかしら。崩れたのでいいから、送ってね」 娘から催促の電話。 「宍倉の栗が今日届いたの。でも『全自動栗むき機』がうまく作動するかどうか?心配なのよ」 「『全自動栗むき機』なんてあだ名付けられて、パパもかわいそうに。元気なんでしょう」 「元気よ。栗を見せたらむきたくなって、むいてしまうけれど。パパ、血液凝固防止剤を飲んでいるでしょう。刃物でけがした時の出血が心配なのよ」

センタービル改修 公金差し止め住民訴訟始まる つくば市「違法ない」答弁書

つくば市が進めるつくばセンタービルのリニューアル事業に対し、大規模事業評価を実施しないのは違法だなどとして元大学教授の酒井泉さん(72)ら6人が、五十嵐立青市長を相手取って、同事業に対する公金支出の差し止めを求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が7日、水戸地裁(廣澤諭裁判長)で開かれ、つくば市側は、公金の支出に違法は存在しないなどとして、請求の棄却を求める答弁書を出した。 酒井さんらは、まちづくり会社に対する市の出資金6000万円を含め事業は総額約10億3800万円であり、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市が要綱で定めているのだから、評価を実施しないのは要綱に違反し、必要な手続きを踏んでいないのから公金支出は違法だ、まちづくり会社を設置した際、総務省の第3セクターの経営健全化指針に基づく手続きを欠いたのは違法だ―などと主張し、市がすでに支出した約7000万円の返還と、新たな公金支出の差し止めを求めている。 これに対しつくば市側は答弁書で、大規模事業の進め方の評価対象となる事業は施設の整備事業であり、出資金は株式取得を内容とするものであって施設の整備を内容とするものではないから、金額の多寡にかかわらず、評価対象事業に当たる余地はない、市が作成した事業整備費用10億3800万円とした資料は、市民に対する説明のために作成したものであり、支出予定の全体を分かりやすさの観点から、支出の性質による区別をせずに全体像として示したものであって、大規模事業の評価対象事業に当たるか否かの観点から記載したものではない、などとして要綱に関する手続き違反は存在しないなどと主張した。 総務省の第3セクターの経営健全化指針に違反するとの酒井さんらの主張に対しても、出資に先立ち、2019年度策定のエリアマネジメント検討業務でエリアマネジメント団体の法人形態の比較検討を行っていること、学識経験者を委員とする検討委員会を開催し、委員会を通じて外部の専門家の意見聴取を行っていることなど、指針に基づく検討を行っている、と主張している。 原告の酒井さんは「(リニューアル計画では)公共スペースの半分をまちづくり会社に貸し出すこと、まちづくり会社が自ら、貸しオフィスの運営という商売をやること、出資会社が不透明であることの問題がある」として、裁判を通して明らかにしたいとしている。

地域で芽生えたつながりを表現 つくばで写真展「ほにゃら」

障害者団体「つくば自立生活センターほにゃら」(つくば市天久保、川島映利奈代表)の設立20周年を記念し、牛久市在住の写真家、柴田大輔さん(41)が19日から、つくば市民ギャラリー(同市吾妻)で写真展を開く。テーマは「ほにゃら―地域の中にある、それぞれの暮らし」。「障害者が地域で生活することで、様々な人のつながりができることを感じてもらえれば」と語る柴田さんに話を聞いた。 障害者のいることが当たり前 柴田さんが、ほにゃらの活動に出会ったのは3年前。最初は、障害のある人もない人も楽しめるイベントの写真撮影を頼まれた。何回かイベントに参加するうちに、「雰囲気がおもしろく、つながり続けたい」と思った。「土浦で育ったが、同じ地域で生活する障害者の存在は全く知らなかった。地元のことをもっと知りたい」という思いもあり、今年1月から同団体で定期的に障害者の介助もしている。 障害者と関わりをもったきっかけは、以前住んでいた都内のシェアハウス。重度知的障害を持つ同居人が介助者から支援を受けながら生活していて、写真家活動の合間に、知的障害者の外出支援をするようになった。またシェアハウスの1階では、「バリアフリー社会人サークルcolors(カラーズ)」(石川明代代表)が、毎月10回ほど、障害の有無に関係なく、様々な人が集うイベントを開催していて、柴田さんも顔を出すようになった。 そこでは、障害者を特別扱いはしないが、必要な配慮は自然にされていたという。「シェアハウスに住むまでは、障害者は別の世界の人だと思っていたが、自分よりも知的障害者の方が片付けまでするなど、きちんと生活している面があって、価値観が変わった」と柴田さん。 シェアハウスで3年過ごし、茨城へ移住するときにほにゃらを紹介された。「特に障害者と関わりたいとは意識していなかったが、東京にいたころから障害者と周囲の人との関係性を身近に見てきた。障害者が自分の生活のことを主体的に決めながら、地域の中で当たり前に暮らす自立生活に興味があった」

地価が上昇 ウィズ・コロナ時代の郊外 《遊民通信》26

【コラム・田口哲郎】 前略 先日、郵便受けに不動産仲介業者のチラシが入っていました。近所の土地が売りに出されていたのですが、見て驚きました。地価がコロナ禍前の4〜5倍になっていたのです。新様式の生活でテレワークが進み、東京郊外や地方都市に移住する人が増えているとは聞きますが、まさか「ひたち野うしく」にもその波が押し寄せているとは…。 でも、よく考えてみると、確かに最寄りのひたち野うしく駅周辺は、スーパーマーケットは西友、ヨークベニマル、ドラッグストアはツルハやセイムズ、ホームセンターはホーマック、書店はワンダーグー、それに市役所の出張所を兼ねた郵便局があり、さらにスターバックスもあり、便利です。 例えば、県南の常磐線沿線を思い浮かべても、駅近で商業施設が徒歩圏内に一通りそろっていて、しかも郊外的な住宅地も駅の近くにある駅というのはひたち野うしくくらいかもしれません。土浦駅周辺は都会で住宅地はあまりないし、取手駅や藤代駅、佐貫駅を見ても、生活便利施設と住宅地のセット開発は見当たりません。牛久駅東口は便利そうですが、生活便利施設同士が少し離れています。 鉄道駅が中心の生活はもう主流ではなくなるから、駅近はパワーワードではないかもしれませんが、テレワークといっても月に何度か出社しなくてはならないから、ギリギリ東京に通えるところと考えると、ひたち野うしく駅が北限なのかなと思います。東京ほど密集していない郊外で、便利な駅近というのが不動産では今はやりなのでしょう。

シャッター通りに飾り付け 7日から土浦「名店街DEハロウィン気分」

土浦の戦後のにぎわいを代表するアーケード街だった土浦名店街(土浦市川口)が、7日からハロウィン仕様になる。ハロウィンの31日まで開催の「名店街DEハロウィン気分」。企画を考えたNPO法人まちづくり活性化(横山恭教理事長)や商工会議所のメンバーらが6日、飾り付けを行った。 同法人は毎年、ハロウィンの時期に「つちうらハロウィン」を開催していた。子どもたちが仮装して土浦の町を散策して商店街でお菓子をもらうイベントだが、昨年も今年も、コロナ感染拡大のため中止になった。 これまでイベントを先導してきた事務局長の小林まゆみさんは「このまま何もやらないのはよくない。せめてハロウィンの飾りを見て明るい気持ちになってもらいたい」と発案した。「この機会に土浦名店街に足を運んでもらいたい」という思いもあったという。ファッション専門店などが軒を並べたアーケード街は平成になると客足が遠のき、ほぼシャッター通りとなっていたが、ちょっと怪しい雰囲気がハロウィンムードにマッチする。 今回は、全長約80メートルのアーケードの天井に、ひも状の飾り付け「ガーランド」を約30本取り付けた。ガーランドそれぞれに、画用紙に描いたかわいいお化けやちょうちんなどを飾っている。飾りの材料はほとんど100円ショップで買いそろえたものだという。 大きな白いお化けは、長さ約100センチメートル。100円ショップの雨合羽に頭を付けてアレンジした。オレンジのお化けも、100円の手提げ袋に顔のパーツを取り付けたものだ。そのほか、お化けの運転手と客が乗ったキララちゃんバスのイラストなどユーモラスな飾りが並ぶ。これらは小林さんらが、仕事のかたわら1カ月かけて制作したという。 さっそく飾りを見に来たチビっ子も

サイクルトレイン運行記念の筑波山ヒルクライム 16日にワンウェイツアー

アトレ(本社・東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)が運営する「プレイアトレ土浦」(JR土浦駅ビル)は、JR東日本水戸支社が16日に運行するJR常磐線団体臨時列車「いばらきサイクルトレイン」の運行を記念し、筑波山ヒルクライムなどが楽しめるサイクリングイベント「石岡~土浦ワンウェイツアー」を開催する。 同トレインは16日と11月27日、上野駅から常磐線の友部駅を通り、水戸線の岩瀬駅まで運行する団体臨時列車。輪行袋なしで、自転車のまま乗車できる。 16日のワンウェイツアーは、JR石岡駅発プレイアトレ土浦着のサイクリングイベント。コースは、石岡駅から石岡フラワーパークを通り、筑波山の不動峠ヒルクライムを体験、平沢官衙(かんが)遺跡に立ち寄り、土浦駅まで約50キロのコースとなる。サポートライダーの案内により、ヒルクライム初心者でも安心して参加できるそう。 当日はゲストに、いばらきサイクルナビゲーターのもえさんを迎える。もえさんは、自転車を活用し、徒歩以上、車未満の視点で、町や地域の魅力を探求し、見知らぬ土地を訪れ「だれもが真似できるサイクルツーリズム」を広げる活動を実践している。 ツアーにはサイクルトレインを利用せずとも申し込め、参加費は3000円(税込み)。特設サイトからの申し込みとなる。定員50人。 いばらきサイクルトレインの運行区間と時間は10月16日、11月27日いずれも▽往路=上野駅8時13分発~土浦駅9時21分着~石岡駅9時39分着~友部駅10時着~岩瀬駅10時32分着▽復路=友部駅15時59分発~石岡駅16時29分発~土浦駅16時51分発~上野駅17時56分着。旅行代金は大人4300円、子ども3200円(いずれも税込み)専用ページからの申し込みとなる。

東北本線・古河駅が面白い 《茨城鉄道物語》16

【コラム・塚本一也】前回述べた通り、茨城県内で乗車できる鉄道は11路線ありますが、これまでのコラムで、そのうち9路線を制覇しました。残りわずかとなりましたが、今回は東北本線の古河駅へ行ってきました。 古河駅は1885年に茨城県で最初に開業した駅であり、130年以上の歴史があります。建設当時は、利根川に橋を架ける技術が確立されておらず、水戸~東京間は水戸線経由で小山から東北線を利用していたそうです。古河駅を訪れたのは初めてでしたが、3つの点に驚きました。 1つは、古河駅の形態です。鉄道の駅舎は、地下駅、地平駅、橋上駅、高架駅―と、基本この4パターンに分類できますが、古河駅は、茨城県内ではTX(つくばエクスプレス)以外ではあまり例のない、高架駅という形態になります。 これは、例えば武蔵野線の駅舎のように、元々高架橋に線路があって、あとからホームを造る場合などに採用されます。しかし古河駅の場合は、駅舎だけを高架駅にして、その前後は線路が地平に降りてしまうという、ある意味、無駄な造りをしていることが不思議に思いました。 自由通路を優先して造る場合は橋上駅が基本であり、山手線の五反田駅のように、幹線道路が駅近辺を横断する場合には、高架駅が採用されます。しかし、あえて古河駅だけを高架にした理由について、元鉄道建築技術者の私は大変興味を覚えました。 古河駅のホーム

第6波に備え 20日からつくば市独自のPCR検査

つくば市の五十嵐立青市長は5日の定例会見で、新型コロナウイルス感染拡大の第6波に備え、無症状の市民や在勤・在学者を対象にPCR検査を20日から市独自で実施すると発表した。一般に数千円から数万円の検査費用がかかるが、市民は1000円の自己負担で検査できる。 市民の自己負担は1000円 県内では、住民や職場などが自主的に行うPCR検査費用を一部または全額補助してきた自治体が9月時点で17市町村あるが、五十嵐市長は、市がPCR検査を実施するのは全国でも初めて、としている。感染者の早期発見や日常の不安解消が目的という。陽性が分かった場合は保健所に知らせ、保健所が対応する。 だ液を採取して検査する。検査費用そのものは1検体3000円。そのうち市民が1000円を自己負担し、残り2000円は市が負担する。市内在勤・在学者の場合は2000円を自己負担する。検査期間は20日から来年3月まで。対象は小学生以上。 18日からインターネットで予約受け付けを開始する。だ液の採取は平日の午前9時から11時に、市役所の敷地内に検査場所を設け採取する。現時点で場所は未定という。午前11時に検体を回収し、当日の午後3時までにインターネットで個別に検査結果を通知する。陰性証明書などは発行しない。 検査人数は1日60人を想定し、希望者が多ければ順次、増やしていく。来年3月までに延べ1万800人の検査を想定している。市が負担する今年度の検査費用は約2200万円で、10月中に臨時議会を開き補正予算の追加を提案する。

自民党新総裁誕生 この国はどこへ? 《雑記録》28

【コラム・瀧田薫】9月29日の自由民主党総裁選の結果、岸田文雄前政調会長が新総裁に選任された。岸田氏は4日の衆参両院本会議で首相に指名され、新内閣を発足させた。 岸田氏の勝因には、菅首相の総裁選不出馬宣言により自民党の支持率が回復し、それに伴って、自民党議員の次の選挙への危機感が薄れたことがあると思う。つまり、「安倍・菅氏路線」の刷新を標榜(ひょうぼう)しなくとも、衆議院選挙を勝ち抜ける見通しが立ったということだろう。 岸田氏は、総裁選出馬にあたり、安倍・菅路線の基本的な方向性は受け入れつつ、小泉政権以来の「新自由主義的な経済政策」を改め「成長と分配の好循環」を目指すと宣言した。安倍・菅路線を正面から否定はせず、部分的な修正を施しながら新味も出そうという狙いだろう。 この岸田氏の妥協姿勢が、河野氏と比較して、より「穏健」なものと受け止められた。自民党国会議員の間に、衆議院選を前にして、党内の力学を優先する余裕あるいは内向き志向が働いたという見方もできるだろう。 しかし、この総裁選の結果を受けて、この国の今後を楽観することができるだろうか。新型コロナウイルス禍もあり、この国の経済も外交も安全保障も極めて困難な状況にある。外に吹き荒(すさ)ぶ嵐を自民党の党内安定だけで乗り切れるものではないだろう。 「成長と分配の好循環」に注目

外国語を学ぶコツ④ 《ことばのおはなし》38

【コラム・山口絹記】 「英会話スクールって、どうなんですか?」。周囲からこんな質問を受けることがある。漠然と訊(き)かれても困ってしまうのだが、すでにある程度英語を話すことができるのであれば、発音や語彙(ごい)表現力の向上には役に立つというのが私の意見だ。少なくとも、0から1を作るには効率の悪い場だ。 また、普段から英語で話す機会があっても、友人知人から会話表現の不自然な部分をいちいち訂正されることもあまりないので、講師と生徒という関係、レッスンという形には意義があるだろう。 実際に会話の中で「困る」という体験を繰り返すことで、今の自分に何が足りないかを効率よく知ることもできる。 私も2年ほど、毎日25分のオンラインレッスンを受けていた時期がある。英会話のレッスンといっても、英語で書いた論文の文章チェックをしてもらいながら議論したり、退官した哲学の教授に英語で講義をしてもらったりといった活用方法だった。 要は、英語で英語を教えてもらうだけではもったいないということだ。必要なこと、興味のあることを、英語を使って学んでしまえば一石二鳥である。

つくばFCホーム最終節、終盤の失点で首位に惜敗

関東サッカーリーグ1部後期第11節、ジョイフル本田つくばFC対クリアソン新宿(Criacao Shinjuku)戦は3日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで開かれた。終盤まで両チーム無得点の競り合いとなったが、後半43分に失点しつくばは0-1で惜敗、通算6勝4分10敗、勝ち点22で7位(参加12チーム)となった。この試合は、リーグ規定により無観客で開催され、YoutubeのつくばFCチャンネルでライブ配信された。 今節ホームに迎えた新宿は、現在リーグ戦9連勝中で首位。得点ランキング首位タイの岡本達也らJリーグ経験者も多く、高い技術で手堅い試合運びをするチームだ。 試合開始2分、新宿があいさつ代わりのシュートを放つ。左サイドからのクロスに前線の選手が頭で合わせるが、これはバーの上。対するつくばのファーストシュートは7分、MF安東輝のフリーキックを折り返し、後方で待ち構えていたMF中村翼がミドルシュートを放つが、枠の右へ外れる。新宿は11分にもコーナーキックからヘディングシュートを放つが、ポストに救われる。 前半、チーム一丸となって新宿の攻撃を封じる

栽培支援アプリで共生の市民農園へ つくばの営農プログラマーが開発

つくば市酒丸で農業を営む中野一秀さん(72)が、新しい市民農園の開設を目指している。プログラマーでもある中野さんが開発した栽培支援アプリが、野菜づくりを一から教える。 クラブハウスもつくり、交流や情報交換を通して、自然と調和しながら豊かに過ごすコミュニティーづくりを目指す。2022年にオープンする予定だ。 3日、PRを兼ねたイベント「ハルファームキャンピング」が現地で催され、野菜や焼き菓子、アクセサリーなどを販売するテントが並んだ。野菜収穫体験、せんべい焼き体験、工作体験コーナーも設けられ、大勢の家族連れでにぎわった。 市民農園は「ハルファーム」と名付ける。中野さんが飼育しているヤギ「ハル」の名前から命名した。約3500平方メートルの畑に、1区画10~15平方メートルの農園を200区画程度つくる。 栽培支援アプリはダウンロードし、どんな野菜を作りたいかを選ぶと、うねづくり、種まき、草取り、肥料のやり方、枝のせん定、収穫など、時期ごとに、どのような作業をしたらいいかを教えてくれる。栽培管理もできる。 農園では、マスコットのヤギ「ハル」とチャボが出迎える。クラブハウスにはシャワールームなどを完備するほか、コーヒーを飲んでゆったりした時間を過ごしたり、共同で利用できる調理場などもつくる予定だ。農機具なども貸し出す。

霞ケ浦から桜川へ自転車散歩 《ポタリング日記》1

入沢弘子さん 【コラム・入沢弘子】高架道でまちを抜けると霞ケ浦が見えてきました。こんな快晴の日の湖面は透明感のある瑠璃色。沖には数隻のヨットの白い帆がくっきり。今日は湖の近くを走ってみましょうか。 りんりんポート土浦の駐車場は、県外ナンバーでほぼ満車。ロードバイクのサイクリストの間で車から自転車を降ろします。さっき見えた土浦港に行ってみようかな。隣接する三帆ひろばでラクスマリーナのヨットを撮影。見晴らしがよく気持ちがスッとします。 停泊するモーターボートを眺めながら港沿いを行くと、日本三大水天宮の水天宮に到着。水神宮と稲荷大明神と三社が並んで見送ってくれました。近くの出島状に湖に突き出た港町地区には湖岸道があったはず。ジョギングや散歩の人たちがちらほら。岸から釣り糸を垂らす人がたくさん。小さな船だまりの木造船の先に養殖さおや漁網もあるのは、漁をしていた頃の名残かな? 湖面を渡る風は、かすかに潮の香り。 おやつは「リンリンチョコ」

支援団体、感染対策を徹底 つくばの食材無料配布に感謝の列

つくば市の食料支援団体「学生応援プロジェクト@つくばPEACE(ピース)」が25日、筑波大学近くの松見公園(同市天久保)で食材の無料配布を行った。用意した200人分は徹底した感染対策の下、3時間以上をかけ同大の学生らに受け取られた。 今回は当初、配布場所として公園の使用許可がつくば市から出ず、開催が危ぶまれた(9月15日付)。市と打ち合わせを行い、新型コロナ感染症対策を講じた結果、公園の使用が認められた。その際には、前回の実施形態や写真などを市と確認したうえで、今回の松見公園での実施が決定した(16日付)。 今回、配布は30分ごと30人ずつの利用となった。利用者の滞在時間を短くするために配布の列を通常よりも短くし、レトルトや缶詰などをひとまとめにした基本セットで配布した。また、スタッフの人数も12人に制限した。加えて、「いばらきアアマビエちゃん」登録や手指の消毒と検温、利用者に手袋を使用してもらうなど、徹底した感染対策を行った。 列には筑波大などの学生をはじめ、一般の利用者が並ぶ姿も見られた。新米200キロも提供された。 200キロの新米を提供した本木茂さん=同 持ち込んだのはモトキバイオファーム(つくば市小沢)の本木茂さん(66)。「もとから食料配布活動に興味を持っていた。今回はNEWSつくばを見て活動に参加しようと思った。娘が筑波大の卒業生で、いろいろなところに支援してもらっていたため、今度は私が支援してあげたい。皆が少しずつ支援をすれば、より大きなものになっていくだろう」と語った。

「土浦は着物が似合う町」前野呉服店3代目、市民ギャラリーで90周年の伝承展

ことし90周年を迎えた前野呉服店(土浦市中央)が29、30日、土浦市民ギャラリー(同市大和町)で「伝承展」を開催する。節目の年に、日本の伝統文化である着物のよさを知ってもらいたいと代表取締役、前野有里さん(52)は語る。 「着物には染めと織りがある。でも、着る人が減ってどちらも職人が減っている」と前野さん。「改めて着物のよさを実感してもらい、次の世代につなげていきたい」と今回の企画につながった。 伝承展の作品。左から「モンステラ」「ヤツデ」「花更紗」=森尻春司さん提供 伝承展では京都在住の着物デザイナー、森尻春司さんの作品「style(スタイル)」や染めの工程の一部を展示する。昔ながらの技法と、新しい感覚の色彩やデザインの出会いが見どころだ。多数の反物が会場を彩る。 呉服店は1931(昭和6)年2月、有里さんの祖父である前野道之助さんが創業。当時は着物だけでなく、オリジナルの布団やはんてん、綿なども販売していた。嫁入り道具として、着物や布団がよく売れていたそうだ。

「風立ちぬ」考 その4 《遊民通信》25

【コラム・田口哲郎】前略 堀辰雄の『風立ちぬ』は1938年発表ですから正確には「戦後文学」ではありませんが、「戦後文学」がなし得なかったことを果たします。死者の真の思いを生き残った者たちに悟らせるのです。それは生者の死者からの解放です。「生きねば」派は魂を鎮めたい。生者の責務を全うするために。人間誰しも死が怖いし、逃れることはできない。こればかりはどうしようもありません。 しかし、彼らは死そのものの不安から逃れられたでしょうか? 「死者」からは逃れられても、「死」そのもの、「死」がもたらす恐怖や不安からは逃れられません。 「生きめやも」派には「生きねば」派の意図が理解できないかも知れません。「生きねば」派は自分自身の死そのものに向き合うのではなく、身近な人の死から戦争や災害による大量死の犠牲者にいたるまで、他者の鎮魂を重視します。一方、「生きねば」と考える人々からすれば、「生きめやも」はあまりに現実逃避的で軟弱な生活態度だということになります。両者の死に対するスタンスに決定的な違いが浮き彫りとなってきます。そして、アニメ『風立ちぬ』が与えた問いへの答えが導かれます。 「宮崎駿は、この設計者・堀越二郎の物語を、なぜ、堀辰雄の物語に、『強引に』接続したのだろうか」。それは、近代国家たる日本が積み上げてきた死者への鎮魂のためです。今を生きるために。宮崎氏の変奏曲としての『風立ちぬ』は小説と同じ題名を持つがゆえに、私たちを困惑させていました。 では、堀辰雄の『風立ちぬ』が読者に与えるものは、何でしょうか。実質的処女作と言われる『聖家族』を「死があたかも一つの季節を開いたかのようだった」と始めた堀は、死と向き合うはずです。死そのものと向き合うからこそ、「生きねば」ではなく、「生きめやも」なのです。死に対峙(たいじ)した時の浮世離れした躊躇(ためら)いこそが『風立ちぬ』なのです。

ベトナム人材の採用に「セキショウジョブフェア」 11月にオンライン開催

総合人材サービスのセキショウキャリアプラス(本社・つくば市、渡邊誠社長)は11月、「セキショウジョブフェア」をオンライン開催する。日本企業で働きたいベトナム人大卒予定者らへの合同企業説明・面接会。専門的な技術・知識を持つ人材を採用したい企業や、グローバルな展開を考える企業へ参加を呼び掛けている。 県内企業も熱視線 フェアは2016年からこれまでに7回開催され、次第に規模が拡大。最も盛況だった一昨年は参加企業が39社、学生・求職者の来場は2日間でのべ1089人に達し、うち101人が内々定を得た。このときは現地開催だったがコロナ禍により昨年からオンライン形式に変更された。「直接会って話すに越したことはないが、採用担当者が現地へ渡航しなくても、日本にいながらベトナムの学生と面接できるメリットもある」と、同社海外事業課の小田倉千明さん。 開催の背景には理系、特にシステム・IT系人材の確保が難しく、優秀な人なら国籍を問わず採用したいという企業が増えている現状がある。 今回参加対象のハノイ工科大学は、日本の東工大レベルと言われるベトナムきっての理工学系大学。ほかにハノイ工業大学、ハノイ交通運輸大学、ハノイ大学など。ベトナムにおいて筑波大など日本の大学が協力し、質の高いカリキュラムを提供している日越大学も含まれる。 参加者は、理系技術者では機械、電気電子、IT系など、文系では通訳・翻訳、貿易業務などで500~800人を想定する。オンライン化によりハノイ近隣以外からも参加しやすくなったため、さらに増えそうな見込み。昨年は日本に留学しているベトナム人学生や、現地日系企業からのステップアップを図る就業者の参加もあったそうだ。

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「資金調達 現在進めている」改修工事費用でまちづくり会社 つくばセンタービル

つくば市が出資するまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)が18日から工事を実施すると告知しているつくばセンタービル1階アイアイモールの解体と改修工事のうち、貸しオフィスなどにするための改修工事資金について、同社が現在も、資金調達を進めている最中であることが15日分かった。 同日開催された市議会全員協議会で、まちなかデザインの小林遼平専務が「資金調達を現在進めている」と答弁した。改修工事費がいくらになるかや資金調達の見通しなどについて複数の議員から質問が出たが、小林専務は「この場ではお答えを控えさせていただきたい。細かいデータがないのでお答えできない」「金融機関と守秘義務契約を結んでいる」などと繰り返した。 同社の工事スケジュールによると、アイアイモールの解体工事を18日から12月半ばまで実施し、貸しオフィスなどに改修する工事を12月初めから来年3月末まで続けて実施するとしている。解体工事の費用については「(元の借り主の)筑波都市整備からいただく」という。 小林専務は「(18日から)解体工事に着手する。新設(改修)工事は着手してない」とし、改修工事は「資金調達ができない限り着手しない」「資金調達が決定したらつくば市と協議しながら報告したい」などと答弁した。 同社の現在の資本金は当初の想定より2900万円少ない1億2100円。一方、市は昨年12月と今年3月に市議会に示した資料で、初期投資として改修費などに約2億7300円かかるとする見通しを示している。同じ資料の事業収支見通しでは、資本金を2億万円とし7000万円を借り入れる収支計画を示している。新たな収支見通しに対する質問も出たが、小林専務の答弁はなかった。 議会や市民に説明なしに工事を拙速に進めないよう求める決議を臨時議会に提案する山中真弓市議(壇上)=同

カーナビで「現在地」を知る 《続・気軽にSOS》95

【コラム・浅井和幸】カーナビゲーションシステム、いわゆるカーナビはとても便利なものですね。方向音痴な上に、物覚えの悪い私にとっては、茨城県内の相談依頼人のところに自動車で伺う時には、なくてはならないものです。 30年ほど前、ほとんどカーナビが普及していない時代には、数千円する地図を買って、前日に行き先を調べていました。大切な用事の時は、前日までに予行演習で目的地まで行って確かめることもしていましたね。20年前でも、インターネットの地図をプリントアウトして調べていました。 道順を赤ペンで書いて確かめていましたが、1回でもその道順から外れてしまうと、自分がどこにいるか分からなくなり、お店の人や道を歩く人に現在地を聞くしかありませんでした。 現在地が分かることが、カーナビの最大の利点だと思います。ナビの指示通りに行かず道を間違っても、またそこからの道順を再検索してくれます。 「どこまでできているか」を確認 悩み相談でも、全く同じことが言えます。いかに現在地が分かるかが大切です。不登校やひきこもりの子を持つ親御さんが相談に来た時に、お子さんがどのようなことができるのか、親御さんがどのようなことができるか、どのように関わることができるのかを洗い出していきます。

キログラム原器が重要文化財に 産総研の地下金庫で保管 つくば

つくば市の産業技術総合研究所(産総研、石村和彦理事長)の地下室金庫に保管されているキログラム原器が重要文化財に指定される。文化庁の文化審議会文化財分科会(島谷弘幸会長)が15日、文科大臣に産総研所有のキログラム原器と関連の原器類を、重要文化財「メートル条約並度量衡(どりょうこう)法関係原器」に追加指定することを答申した。 1kgの重さ130年間伝える 質量の単位「キログラム(kg)」は、メートル法にもとづく最も基本的な単位の一つ。この定義のために、メートル条約の理事機関であるパリの国際度量衡委員会は、1キログラムの具体的な質量を定める「国際キログラム原器」を1880年代に製作した。白金90%、イリジウム10%の合金でできている。日本にはNo. 6と番号付けされた原器が割り当てられ、1890(明治23)年に到着している。 以来、明治、大正、昭和、平成、令和の5つの時代にわたり約130年間、質量の基準としての役割を担い、日本の近代化および産業発展に貢献した。戦時下の1944(昭和19)年には、空襲から逃れるため、東京・銀座の中央度量衡検定所から石岡市の中央気象台柿岡地磁気観測所(現在の気象庁地磁気観測所)に疎開させるなど、原器は先人たちの英知とたゆまぬ努力によって受け継がれてきた。 それでも物体の形では質量の変動が避けられないため、キログラムの定義は2019年、普遍的な物理定数「プランク定数」にもとづく定義に改定された。産総研の研究チームも参加する、国際プロジェクトによる改定作業だった。これにより国際キログラム原器としての役割を終えたが、お役ご免ではない。引き続き、非常に優秀な分銅(ふんどう)として、我が国の質量標準の維持・管理に役割を果たすことになった。

「怪人二十面相」と2・26の時代 《映画探偵団》48

【コラム・冠木新市】昭和7(1932)年から昭和11年にかけ農村の貧困と陸軍の内部闘争を描いた高倉健主演の『動乱』(1980)、陸軍若手将校の4日間のクーデターを追った三浦友和出演の『226』(1989)、海軍と陸軍の攻防と昭和天皇の動きに迫ったNHK『全貌 二・二六事件 完全版』(2020)―これらを見直した。 江戸川乱歩の『少年探偵』シリーズ第1作『怪人二十面相』は、昭和11年(1936)、『少年倶楽部』1月号から連載が始まり人気を呼んだ。だが、2月には2・26事件が起き、東京に戒厳令が出された。当時の少年たちはどのような思いで読んでいたのだろうか。その気分を感じるため、2・26関係の作品を見てみたのだ。 乱歩との出会いは東映『少年探偵団/首なし男』(1958)である。シルクハットをかぶり、二十面相にふんした伊藤雄之助は、大人の演技を見せ真実味を感じさせた。その後、小学校の図書館で光文社版『少年探偵』を次々と読み、独特な世界に魅了されていく。私は長い間、このシリーズは戦後の作品だと信じて疑わなかった。 しかし、『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』『大金塊』の4作は「大東亜戦争亅へ突き進む戦前に執筆されたものだった。多分、戦前の少年たちにとって、『怪人二十面相』は強烈なリアリティを感じたように思える。 明智小五郎は第1作後半に、黒の背広、黒の外套、黒のソフ ト帽という、全身黒のいでたちでオシャレに登場する。満洲国(戦後版は某国)の依頼で新京に行き、重大な事件を解決し帰国したとの設定である。満洲国の背後には関東軍がいたのだから、明智は関東軍とつながりがあったと見るのが自然である。一体何を解決したのだろうか。