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土浦市民会館 -検索結果

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土浦市民会館が登録有形文化財に 建築音響工学の大家が設計

古典主義的意匠の外観が評価 国の諮問機関である文化審議会(佐藤信会長)は24日、土浦市東真鍋町の土浦市民会館(クラフトシビックホール土浦)を登録有形文化財(建造物)に登録するよう文科相に答申した。建築音響工学の大家として知られる佐藤武夫(1899-1972)が設計した。建物正面の列柱と、正面全幅の大階段など古典主義的意匠による外観が造形の規範となっていると評価された。 コンサートホールが登録有形文化財になるのは県内で初めて。関東では最大規模になる。官報に告示後、登録される。 同市民会館は1969年に完成した。地方自治体が所有する音楽などの多目的ホールとしては先駆け的な施設だ。建物の設計を担当したのは佐藤武夫設計事務所(現佐藤総合計画)で、主宰する佐藤武夫は建築音響工学の大家、古典主義建築の専門家として名をはせた。 大小の講堂やホールを総称したものをオーディトリアムと呼ぶ。単一の音楽ホールではなく、あらゆる催しものとそれに集う多人数が活用する多目的ホールとして計画され、様々な機能を用途目的に応じて独立して使用しながら、総合した一括使用が行える施設という特徴を持つ。近年、多目的ホールにはそのような機能が標準で備わるが、当時からオーディトリアムを目指す文化施設が増えつつあった中で、土浦では極めて早い時代にこれが実現していた。 施設の内装は、低域の吸音を重点に置き、素材や構造がまとめられたという。音響設備だけでなく、ホールの照明も意匠と機能を両立させた美しいデザインで表現されている。 市民会館は佐藤晩年の建築であり、当時の若手技術者が実際の設計を仕上げているが、音響実験に関してユニークな話がある。 音波が音源から伝播する経路を観察する方法を佐藤は自ら開発し「煙箱法」と名付けた。金属鏡で作った断面模型をガラス箱に収め、音ではなく光を使い、タバコなどの煙を充たす。後光が射すような光を当てると反射の経路が判り、音の伝播にも応用できるという仕組みだ。市民会館の音響性能は、こうした工夫の蓄積からもたらされている。 土浦市民会館は鉄筋コンクリート造3階建て、建築面積約3250平方メートル、延べ床面積5920平方メートル。築51年経った2020年には、意匠を保全しながら約21億6300万円かけて改修工事を実施し、耐震補強のほか、外壁の塗装や補修、大ホールや小ホールの客席の全面交換、トイレの改修やエレベーター新設などを実施した。吹き抜けのホワイエは当時のまま。 市文化振興課によると、登録申請に向けては、2021年11月に文化庁の調査官が現地確認し、今年2月、市が登録を申請した。 24日の答申を受けて安藤真理子市長は「大変うれしい。今から50年以上も前に県南地域の文化振興の拠点施設として建設された施設が、当時の外観・内装をできるだけ生かした大規模改修工事を経て、登録されることは、歴史ある本市において大変意義深い。半世紀にわたり、多くの皆様に愛されてきた当施設をこれからも一層ご利用いただき、文化芸術活動の発展につながるよう願っています」などとするコメントを発表した。 今回の登録により、県内の登録有形文化財(建造物)は295件になる予定。土浦市民会館は文化・福祉系施設に分類されるもので、県内には旧共楽館(日立武道館 日立市)、幕末と明治の博物館別館(大洗町)、個人医院など5件の登録建物が存在する。(鴨志田隆之) ➡土浦市民会館の過去記事はこちら(2020年5月16日付) ➡佐藤武夫の関連記事はこちら(20年5月17日付)

つくば出身の音大生、同級生と地元を回り公演 サクソフォーン四重奏

12月23日 土浦 つくば市出身で、昭和音楽大学(神奈川県川崎市)4年の北野圭亮さん(23)が、同級生4人でサクソフォーン四重奏団「リリーサクソフォンカルテット」をつくり、12月23日、土浦市東真鍋町、クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)小ホールでコンサートを開催する。種類の違うサクソフォーン(サックス)4本による四重奏だ。 メンバー4人でそれぞれの地元を回りコンサートを開くという企画の一環で、すでに今年3月に神奈川県足柄市、5月に新潟市でコンサートを開き、今回が3回目。1、2回とも客席の8割が埋まるなど成功を収めた。昨年12月につくば市のアルスホールで開催を予定していたが、当日体調不良者がいたため延期していた。今回はリベンジに向け思いを込める。 それぞれの地元なら知人も多く集客が容易だということから企画を考えた。北野さんは「卒業後は地域に根ざした活動ができたらと思い、その足がかりにすると同時に、まだクラシックサクソフォーンの認知度が低いので、皆さんに知っていただく良い機会になれば」という。 リリーサクソフォンカルテットは、2年の時に同じ学科で学ぶ4人が集まって結成した。リリーは大学の最寄り駅、新百合ケ丘駅にちなんで名付けた。メンバ―はテナーサックスの北野さんのほか、 ソプラノサックスの横内魁人さん、アルトサックスの浅沼絢斗さん、バリトンサックスの中村洋翔さんの4人。クラシックを前半に、幅広い世代に耳馴染みのあるポップスや童謡などを後半に演奏する。 北野圭亮さんは水戸市生まれ。小学5年の時つくばに転居し、二の宮小、谷田部東中、竹園高に進んだ。高2の2018年、第20回ソロ・コンテストいばらき(県吹奏楽指導者協会主催)に出場し金賞などを受賞している。現在、同大の弦・管・打楽器演奏家コースで学ぶ。 音楽との出合いは、母親のサクソフォーンが自宅にあったこと。11歳のころから地元の音楽教室に通い、中学から高校1年まで吹奏楽部に在籍した。その後はプロの個人レッスンを受け、音楽家を目指した。中学の時出場した「アンサンブルコンテスト」の楽しかった感覚が音楽家になりたいと思うきっかけになったという。 北野さんは「サクソフォーンは19世紀に生まれ、クラシックの世界では比較的新しい楽器なので、演奏に加わる曲目も少なく、見る機会が少ないと思う。音色は多彩で、音を出しやすく、大きな音量を持っているなどすべてを合わせ持っている楽器なので、皆に興味を持ってもらいたい」と語り、将来については「プロとして地元に根差した活動を続けていきたい。文化振興という面でも貢献していければ」と語る。 ◆コンサートは12月23日(土)、土浦市東真鍋町、クラフトシビックホール土浦小ホールで。開場は午後1時30分、開演は2時。入場料は一般2000円、大学生以下1000円。問い合わせはEメールへ。

8/12上映会「妖怪の孫」

安倍元総理の真実に迫るドキュメンタリー。マスメディアが描くことを避けてきた安倍政治を、徹底検証する。 「昭和の妖怪」と呼ばれた母方の祖父、岸信介。幼心に祖父の教えとして刷り込まれた野望を実現しようとした政治姿勢と、その背景にある血縁の秘密。妖怪の手はいかなる嘘や不正さえも諦めで満たし、政官の倫理観を地に堕とした。その結果としての黒塗りや改ざんのまん延。それはいつの間にか日本国民の心にさえも忍び込んでいた。 なぜ安倍政権は選挙に強かったのか?何が多くの国民を引きつけたのか?アベノミクス失敗の先に見えるさらなる日本経済の凋落、政治と行政のモラルの低下、そして戦争ができる国になろうとしているニッポンの本当の姿。その根本にあものをる紐解いていく。企画/河村光庸、監督/内山雄人。2023年制作、115分。 上映日時は8月12日(土)①午後2~4時と②午後6~8時の2回上映。会場はクラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)小ホール チケットは前売り券1100円/当日券は一般1400円、学生1000円。前売り券はクラフトシビックホール土浦などで販売。

7/10 寺内タケシ追悼公演 in土浦

2021年6月18日亡くなった土浦市生まれのエレキギター奏者、寺内タケシの追悼公演。土浦市産業文化事業団・土浦市民会館自主文化事業運営委員会主催による「寺内タケシ&ブルージーンズスペシャルライブ in土浦」として開催。 愛用の衣装やギターほか、写真パネルなど展示予定(午後1時~)、スペシャルゲストにエド山口。開場は午後2時から。入場料は全席指定5000円(税込)、追悼記念パンフレット付。 寺内タケシは1939年1月17日土浦市生まれ。エレキブームの先駆者としてグループサウンズ時代を牽引し、国内をはじめ海外公演も行っている。また、「ハイスクールコンサート」として、1500校を超える高等学校に自費で巡業公演するなど、長年に渡り音楽活動を精力的に実施してきた。他にも1985年のつくば万博ではグランドプロデューサーに就任し、指揮を執るなど多方面でも活躍した。

キャンパスの風景変える開放系のファサード【つくば建築散歩】2

筑波大学 総合研究棟D 2000年代初頭、筑波大では部分的なキャンパスリニューアルを進め、次世代研究や授業の拠点となる施設を新築した。中でも、従前の大学施設に見られる茶褐色系の落ちついた意匠から離れ、メタル系の外装とガラスカーテンウオールを駆使した斬新な建物として2004年に完成したのが総合研究棟Dだ。本連載のコメンテーターである筑波大学名誉教授の鵜沢隆さんの設計作品でもある。 視点の移動で表情が変化 【鵜沢名誉教授コメント】「学内を環状に循環するループ幹線道路の南端の敷地に、新たな大学院教育・研究施設を設計するにあたり、道路に沿って湾曲した建築のボリューム計画が、その必然的なスタートラインであった。それに対して大学施設部からは、他の大学施設との連続性から、キュービックなボリュームの建築が強く求められたが、最終的にはデザインに対する全面的な理解と支持を獲得して実現した。 主要な設計意図は、緩くカーブする開放的で、柔らかな外観の表現と、連続的に変化する道路からの視点に応じて表情が変化する、建築の外観の実現にあった。 そこで採用されたファサード(正面の外観)の素材が、開放的なガラスとFRP(繊維強化プラスチック)のグレーチング(格子状の構造材)であった。FRPのグレーチングは、視点の移動による表情の変化が意図されただけでなく、直射日光や西日のコントロールのためにも採用された素材であった。その結果、教育・研究施設としての開放的な空間を実現したばかりか、筑波大学の新しい建築のシンボルとして学内外から受け入れられることにもなった。 建築の外観のみならず、各階のインテリアには様々なデザイン的仕掛けが施されているが、教員や学生たちには、それらのデザインはすでに日常的な風景となっているようだ」 次世代のイメージを実現 【建築散歩】この建築プロジェクトで、名誉教授で建築家の鵜沢隆さんと出会った。 当時、芸術学系教授であった鵜沢さんは、学生が通って快適さを感じる開放的な建物を提案した。建物はキャンパス内をループする周回道路沿いの建設敷地で、周回道路に沿った外観を特徴とするような配置計画を描き、実際の研究棟も道路側ではけやき通りからかえで通りに連なる道の、アールに寄り添うような曲面で建設されている。 このファザードが、今ではスタンダードとなった金属製ルーバー(細長い板を平行に複数並べたもの)による意匠表現を与えられ、研究棟本体がコンクリートの塊である様子を感じさせない。ルーバーの内側はサッシュ(窓枠)を含めたガラスのカーテンウオールが見え隠れしており、質実剛健な印象を与えた他の総合研究棟に対して、並木道と融合した次世代のキャンパスイメージを実現させた。 設計は、東京ビッグサイトの設計で有名な佐藤総合計画が協力している。佐藤総合計画は、土浦市役所旧庁舎(2020年5月17日付)や改修以前の土浦市民会館(20年5月16日付)を手がけた佐藤武夫建築設計事務所が前身だ。(鴨志田隆之) 続く ➡つくば建築散歩1 槇文彦、筑波大学大学会館はこちら  ➡つくば建築散歩3 坂倉建築研究所、つくば国際会議場はこちら ➡つくば建築散歩4 谷口吉生、つくばカピオはこちら ➡つくば建築散歩5 伊東豊雄、南3駐車場はこちら ➡つくば建築散歩6 妹島和世、ひたち野リフレはこちら ➡つくば建築散歩7 磯崎新、つくばセンタービルはこちら (敬称略)

土浦で1年越しの成人式 コロナ禍 2回延期

新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっていた2021年の土浦市成人式が27日、1年越しで同市東真鍋町、クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)で執り行われた。当初は昨年9月19日に延期する予定だったが、緊急事態宣言を受けて再び延期していた。 感染防止対策のため参加者は、市に事前申し込みをして抗原検査キットを送ってもらうか、自費でPCR検査を受けるなどし、受け付けで検査結果を示して会場に入った。会場にも当日用の抗原検査キットが用意され、来場者に備えた。 式典は8つの出身中学校を午前と午後の2部に分け、それぞれ30分間に短縮して開催された。 式典の中で安藤真理子市長は「この約2年間のコロナでたくさんのことが激変した。会社での仕事がオンラインになったり、自宅で仕事をしたり、学校に長く行くことができなかった。そんな時代を皆さんはご苦労されたのではないかと思っている。大きなピンチを皆さんの力でチャンスに変えていただきたい。ご苦労された両親や先生、これまで自分に関わってくれた方々に大きな感謝をし、自分自身の可能性を信じて大きく羽ばたいてください。夢は強く願えば、必ずかないます」と言葉を贈った。 成人式運営委員の小澤典皓さんは、成人代表謝辞として自身の塾講師のアルバイト経験を話し、「私たちは多くの人の手助けがあって現在に至る。コロナ禍で人とのつながりが薄れたように感じた人もいるかもしれない。しかし、人とのつながりを再認識し、感謝を伝えていくことで、社会人として旅立つ私たちにとってかけがえのない一日になる」などと述べた。 式典後、参加者は会場の大ホールから退場するよう促されたが、会場前では友人たちとおしゃべりする姿が見られた。 現在都内の大学に通う飯村駿介さんは「一年越しの成人式でみんな楽しみにしていたのでうれしい。コロナ禍でこのような式典を開いてくれることに感謝している。大学卒業後は小学校の先生になることを目指していて、今年茨城県の採用試験を受ける予定。小学校も中学校も土浦市だった。自分が育ったところで今度は自分が子どもたちを教える側になりたい」と意気込みを語った。 土浦市田中に実家がある塩田拓実さんは「両親には今日まで育ててくれてありがとうとシンプルに伝えた。今日は皆で集まることができてうれしい。今後の目標はもっと大人っぽくジェントルマンになりたい」とはにかみながらもマスク越しに晴れやかな笑顔を見せた。 対象となったのは昨年1月に成人式を行うはずだった1491人で、うち男性730人、女性761人。成人式には例年800人ほどが参加している。(田中めぐみ)

茨城6区は青山、国光両氏が届け出 衆院選公示

解散に伴う衆院選が19日公示された。小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す元県議の青山大人氏(42)=立憲=と、医師の国光文乃氏(42)=自民=が立候補を届け出て、12日間の選挙戦に突入した。投票は31日行われる。期日前投票は20日から30日まで実施される。 青山氏「与野党拮抗した緊張感ある政治を」 青山氏は午前11時、土浦市乙戸の街頭で第一声、下村寿郎土浦市議、皆川幸枝つくば市議、地元、乙戸地区の下村利充区長らが応援に駆け付けた。下村市議は「政党関係なしで応援している。土浦から国会議員が出た。今回は小選挙区で必ず当選させる」などと話した。 これを受けて青山氏は「昨年、新型コロナの感染が国内で広がり、一斉休校、アベノマスクなどがあった。常陸牛が余ってしまい自民党は和牛振興券を配ろうとまとまりかけた。当時、私は農林水産委員をしていて『子供たちの学校給食に提供してはどうか』と提案し、結果的に和牛振興券ではなく学校給食に提供することになった」と話し、「野党だと何もできないということはない。どういう気持ちで政治をやるかだ。地元の一人一人の意見が政治の原動力。地方に活力をもたらす政治が必要。消費税を上げようと言う声も起きているが、それは全く違う。必要なところに必要な対策を施し、無駄なものは省くのが政治の仕事」と述べた。その上で「前回は自民党に5000票差で負けた。与野党が拮抗した緊張感ある政治、信頼できる政治のために力を貸してください」などと訴えた。 この日は土浦市右籾、永国、下高津などを回り、市内6カ所で街頭演説した。 国光氏「コロナを終わらせ命と暮らし守る」 一方、国光氏は午前9時30分から、つくば市吉瀬の選挙事務所で出陣式。岡田広、上月良祐参院議員、6区の自民党県議とつくば、土浦市の市議らが勢ぞろいしたほか、公明党の田村けい子県議、地元の五十嵐立青つくば市長らが駆け付けた。岡田参院議員は「(6区は)県内で一番厳しい最重点区。選挙は声掛けしかない」、つくば市選出の鈴木将県議は「注目の激戦区。前回(得票数)の足し算、引き算に浮き足立つことなく、総力を結集して6区の議席を死守しよう」などと訴えた。 これを受けて国光氏は「政治を志した原点は医師の現場。コロナを終わらせ、皆さんの大事な命と暮らしを守る、それを私に任せていただきたい。現場主義が私のモットー。地域を回りたくさんの声をノートにずっと書いてきた。その思いが私の原点。あと少しでコロナ禍を終わらせる状況まできている。インフルエンザのタミフルのような経口薬まであと少し」と話し、「今回の選挙はひじょうに厳しい。野党連合の力を、歩いていても本当に感じる。とても厳しい選挙だが、私を皆さんのために働かせてください。必ずコロナを終わりにしてみせます」などと訴えた。 この日はほかに、つくばみらい市谷和原庁舎、土浦市民会館駐車場、かすみがうら市商工会駐車場、石岡後援会事務所の計5カ所で出発式を実施する。 青山大人 42 元県議 立憲 前①【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税?原発からのエネルギー政策転換【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。 国光文乃 42 医師 自民 前①【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成?TX延伸④農家所得の拡大【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。

イオン土浦でワクチン集団接種訓練 民間会場は県内初

【崎山勝功】65歳以上の高齢者や基礎疾患がある市民に、新型コロナウイルスワクチンを集団接種する訓練を、土浦市は5日、同市上高津の商業施設、イオンモール土浦2階クリニックエリアで実施した。市職員や市医師会関係者ら約60人が参加した。市コロナワクチン接種チームによると、民間施設を使ってワクチンを集団接種するのは県内初という。 訓練では、接種を受ける役の参加者が、係員の指示に従って検温してから受け付けを済ませ、予診票に記入、医師による予診の後、ワクチン接種を受ける訓練をした。さらに接種済証の交付、2回目の接種予約、接種後の経過観察と、一連の訓練を実施し、どれだけの時間がかかるかなどを測定しながら問題点を洗い出していった。 受け付けを済ませてから接種まで約8分、接種後の経過観察終了までを含めると合計約26分かかり、順番が後になればなるほど時間がかかる傾向が見られた。 市担当者は「接種後の経過観察のところが一番時間がかかってしまった」と話し、予診待機場所と接種後の経過観察場所が混雑する傾向があり、運用面での改善を検討する考えを示した。 訓練には安藤真理子市長も被接種者として参加し、検温から接種までの一連の流れを確認した。安藤市長は「意外なところで時間がかかることが分かった。問題点を洗い出せた」と、訓練を評価した。 同市の65歳以上の高齢者は4万1022人(1月1日現在)で、同商業施設と市保健センター(同市下高津)の2カ所が集団接種会場となる。さらに市内約70カ所の協力医療機関でも個別接種できる対応をとる。 接種のスケジュールは、4月12日以降に国からワクチンが配送され次第、順次対応していく。接種に必要な「接種券」の配布も国次第となる。 同市は今月22日からワクチン接種の問い合わせ窓口となるコールセンターを開設する予定。市内在住の外国人にも対応できるよう、英語と中国語でも対応する。 買い物客との交錯課題 イオンモール土浦は、交通の便が良く、駐車場も広く、市民が訪れやすい半面、接種を受ける人と買い物客とが交錯するなど混雑する恐れも指摘される。イオンモール土浦の担当者は「どうソーシャルディスタンスを取るかが課題」とする。 同市が接種会場の一つを商業施設にしたのは、霞ケ浦水郷体育館やクラフトホール土浦(土浦市民会館)などの「空きが無かった」(同市担当者)という事情があるという。 今回の訓練では実施されなったが、接種後、副反応を起こす人が発生した場合の対処については、車で5分の距離にある霞ケ浦医療センターが協力する。会場にはストレッチャーも用意する。 一方、接種に必要な接種券を紛失したり、事前予約制にも関わらず予約無しに訪れる人がいることも想定されることから「今後は検討していかないといけない」としている。

厳戒のつくば市、閑散の土浦市 成人式集中開催日の両市ルポ 

【崎山勝功】県内の成人式集中開催日の10日、中止を決めたつくば市では、会場のつくばカピオ(同市竹園)と隣接する大清水公園に多数の警備員や市職員が配置され、警察官らが巡回するなど警戒に当たった。カピオ周辺にはバリケードが設置され、警備員が等間隔で配置に着いた。警備員の一人は「来た人に『成人式は中止です』と伝えることと、あの建物(つくばカピオ)に人を近づけないことが任務」と説明した。 警備について、市の担当者は「会場前や公園で酒盛りをしたり、騒ぎを起こして近隣の住民に迷惑を掛けたり、(新型コロナウイルスの)感染拡大につながっては困る」と説明する。土浦市の2019年成人式で一部新成人が会場敷地内に一斗樽(いっとだる)などの酒類を持ち込んだ事例などが念頭にあるという。 つくば市では、2017年成人式で逮捕者を出して以降、18年から手荷物検査をはじめ警察官を大量動員したのを皮切りに、19年からは暴走族の車両侵入を防ぐために会場前の道路を封鎖、20年には暴走族対策としてビデオカメラの導入、式典終了後に出口付近をロープで規制して大清水公園まで誘導する措置を取るなど、年々警備が厳重化していた。 昨年まで会場周辺の道路で見られた、新成人の名前入りののぼり旗を掲げた暴走族の姿は見られず、平穏とも言える状態だった。 暖かくなってきた午後には、晴れ着姿の新成人たちが約20人前後姿を見せ、会場周辺で記念撮影をしていた。話を聞くと、成人式の中止は「仕方ない」としながらも、「無くなって悲しい」「一生に一回しか無いから残念」などつくば市への不満が相次いだ。 市内の女子大学生(20)は「正しい判断だったと思う。ただ土浦市みたいに延期とか、(将来への)望みが欲しかった」との感想も。自らの将来の希望については胸を張っていけるような職業に就きたい」と語った。 市民会館には「延期」の張り紙のみ 成人式延期を決めた土浦市では、会場のクラフトシビックホール(土浦市民会館、同市真鍋新町)に「土浦市成人式は延期となりました」の張り紙が貼られていた。 つくば市と異なり土浦市の会場では警備員や警察官を動員した物々しい警備は一切敷かれず、駐車場にチェーンが掛かっている程度だった。市職員の一人は「午前中に写真を撮りに来た若者が一組いるぐらいだった」というほど会場は閑散としていた。 会場周辺には晴れ着やスーツ姿の新成人はほとんど見られず、新成人の後輩らが「先輩の成人を祝福する」と生花や新成人の名前を書いたのぼりを会場敷地内に持ち込む行為も確認できなかった。

土浦市、成人式開催を延期 県の感染拡大市町村に追加指定

【崎山勝功】土浦市は6日、10日開催予定の成人式の延期を決定した。開催時期は現時点では未定。県は同日、土浦市を「感染拡大市町村」に追加指定している。 市文化生涯学習課によると、当初は新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じ、動画配信を組み合わせて実施する予定だった。しかし感染拡大が進み、東京都など首都圏1都3県を対象にした緊急事態宣言が今週中に発出の方針が示されたこと、若い世代に無症状の感染事例が多発していることなどから延期を判断したという。 開催の中止ではなく延期としたのは、新成人で構成する成人式運営委員と個別に行った電話協議による。担当者によれば「中止はちょっと…という声が多く、どこかの時期で(成人式を)やりたい」が大勢だったことから、意向を汲んだ形になった。 開催時期は未定 延期後の開催時期についても運営委員と協議しながら検討する構え。担当者は、6日からの1週間は県から土浦市民に向けてに不要不急の外出自粛要請が出されていることから「いつごろ会議ができるかも未定」としている。 延期の知らせは即日、市公式サイトや報道機関を通じ発表したが、すでに成人式の招待状を出した新成人1491人(2020年11月1日現在)への連絡については「今からだと個別通知が間に合わない」と同課。10日は会場のクラフトシビックホール(土浦市民会館)に「開催延期」の看板を掲示したり職員を配置して、成人式延期を知らずに来た新成人に対応する方向で検討している。 また、運営委員が同窓会の幹事を兼ねているケースがあり、運営委員のネットワークを通じてSNSなどによる開催延期の連絡をしているという。 市内全域に外出自粛と時短営業を要請 県は6日、国の指標であるステージ3以上に相当するとして、新型コロナウイルス感染拡大市町村に土浦市を追加指定したと発表した。県全体では常総、結城、ひたちなか、稲敷市、城里、阿見町の計6市町がすでに指定されている。 追加指定により、同市全域を対象に6日から12日まで1週間、不要不急の外出自粛と、飲食店の夜10時から朝5時までの営業自粛が要請された。時短営業要請は桜町だけでなく、市内全域の酒類を提供する飲食店と接待を伴う飲食店が対象となる。協力店に1週間で26万円の協力金が支給される。 また12日までの期間中、中学校地区公民館8館など市の施設の貸館業務を休止し、国民宿舎「水郷」霞浦の湯や市が運営する老人福祉センターを休館・休止する。  

つくば市、成人式の中止を決定

【崎山勝功】つくば市は4日、成人式「つくば市成人の集い」の中止を決定した。新成人数は県内最多の2747人(2020年11月1日現在)を抱え、10日につくばカピオでの開催を予定していた。 市生涯学習推進課によると、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、今週中にも東京など首都圏1都3県に緊急事態宣言が出される見通しとなる中、式を開催するとこれらの地域からの移動が想定され、参加者や家族への感染や医療体制のひっ迫が懸念されるため中止を判断した。担当者は「開催延期も考えたが、感染収束の見通しが立たない」として、新成人らで組織する実行委員会と協議の末に決定したという。 同課によると、当初は感染拡大防止対策として新成人の出身中学校別に午前・午後の部の2部に分けて、つくばカピオ(同市竹園)で成人式を開催する予定だった。成人式には例年約1800人前後の新成人が参加する。 一方で2017年成人式の際に逮捕者を出して以降、18年から手荷物検査をはじめ警察官や警備員、消防団員を大量動員した厳戒態勢を敷いており、一部市民から「過剰警備では」との疑問の声が上がっていた。 中止に伴い、当初予定されていた五十嵐立青市長らのあいさつなどの動画は、同市公式サイトに12日ごろに配信予定。また式典中止の代わりに新成人に祝い金を約1万円ほど支給を検討しているという。レンタル振り袖のキャンセル料などについては、同市では従来より支払わない方針を明示している。 土浦市は規模縮小して開催 土浦市では10日午後1時30分から同市真鍋新町のクラフトシビックホール(土浦市民会館)で成人式の開催を予定している。新型コロナ感染拡大防止のため例年に比べ規模を縮小して行う方針だが、4日時点で「内容等について変更する場合がある」と公式サイト上でアナウンスしている。 同市の新成人数は1491人(20年11月1日現在)で、例年の参加者数は約800~900人前後にのぼる。市文化生涯学習課によると、式典会場の同会館大ホール(座席数1019席)は、密集を避けるために400人程度に入場制限する。館外の受付で一度検温し、同会館内に入る際に入口前で再度検温するなど、感染拡大防止の徹底を図る。 同会館小ホールや会館広場に大型モニターを設置して式典の映像を流すほか、当日会場に来れない新成人に配慮して、成人式当日に市公式サイトにリンクを張り式典映像の動画配信を行う。 感染拡大防止のため、会場敷地内には酒類を含めた飲食類の持ち込みを禁止し、会場警備に当たる土浦警察署にも協力を要請する一方で、成人式前後に同窓会など大人数での会食自粛を呼び掛けていた。

年の瀬に学生・ひとり親家庭への生活支援 土浦、つくばで配布会

コロナ時代の歳末助け合いー。生活が困窮している大学生やひとり親家庭の生活支援のため、食料品や日用品の無料配布が26日に土浦市内で、27日につくば市内でそれぞれ行われる。 年越し支援テント27日松見公園に再び つくば 【山口和紀】つくば市では27日午前11時から、松見公園(つくば市天久保)を会場に、学生らに対して野菜やコメ、日用品などの無料提供が行われる。実施するのは市民団体「学生応援プロジェクト@つくばーPEACE(ピース)」(冨山香織代表)。前回の支援は今月6日に行われ、今回で2度目となる。 前回の支援では、口コミやSNSで支援物資を募り、約20人から家庭にある食品や日用品の提供があった。カンパも6万円集まり、食品の購入等に充てた。支援物資を受け取りに訪れたのは、当初の想定だった20人を大きく超えて、実際には学生を中心として140人ほどに上った。 プロジェクトを企画した冨山さん(39)は、つくば市内の飲食店を夫婦で経営している。アルバイトとして働く大学生や、店を利用する学生たちとの会話から「学生たちが大変な状況にある」ことが伝わってきたと話す。 前回、支援物資を受け取った人を対象にアンケートも実施された。回答した69人のうち、19人はアルバイトのシフト勤務が減り収入も減ったという。「親の収入が減っている」「アルバイトの収入が減り、親からの仕送りも減った」という声などもあった。 無料配布を受け取った人間学群の学生(21)は、「自分はとても困っているという状況ではないが、バイト先が短縮営業でシフトに入りづらい状況だから助かった」と話した。正月の帰省については「実家では(感染した際の死亡リスクが特に高い)高齢の祖父や祖母と同居して暮らしているので、今年は帰省できない。正月を一人で過ごすのは初めて。そういう学生も多いのではないか」という。 27日の無料配布は「年越し準備」に向けたもので、今後、月に1回程度の開催を目指している。冨山さんは「野菜や食品など支援物資の提供を募集している。学生たちのため、ぜひ協力していただけたらありがたい」という。募集しているのは、野菜、缶詰・レトルトなどの食品類、日用品のたぐいだ。 支援物資の提供など連絡はpeaceoftsukuba@gmail.com(冨山さん)まで。 シングルマザーにも呼びかけ26日市民会館駐車場 土浦 【崎山勝功】土浦市では26日午後1時から同市真鍋新町のクラフトシビックホール(土浦市民会館)駐車場で、学生・ひとり親支援の「食料日用品無料配布会」が行われる。主催は「コロナに負けるな!つちうら食料支援プロジェクト」。つくば市で行われた「学生応援プロジェクト」による食料無料配布会を知って、「土浦でもやりたい」と同市在住の長坂法子さん(74)が仲間たちとプロジェクトチームを立ち上げた。 近隣の農家に野菜やコメの提供を呼び掛けたところ「野菜を提供したい」と複数の農家から提供の申し出があったという。また市民有志からレトルト食品や日用品の寄付も相次ぎ、プロジェクトチーム立ち上げから約2週間で多くの支援物資が集まった。 長坂さんは「つくばと違って『学生の街』ではないので、ひとり親も支援しようと思った。桜町のお店で働いている人がどれだけ大変か」と目を配る。 同市桜町は県内有数の歓楽街、キャバクラをはじめ「接待を伴う飲食店」も立地する。こうした店に勤務する若いシングルマザーも少なくなく、コロナ禍に伴う営業時間短縮要請や営業自粛の影響を受け、収入減や失業する例も見られるという。 配布会の会場では、生活に困窮するシングルマザーを支援に、相談窓口の紹介も併せて行う予定だ。「本来は政治の仕事。公助が必要。みんな共助で助け合っているけど、(20代から40代の)女性の自殺率も高くなっている」と長坂さんは行政の積極的な支援を訴えた。 問い合わせは、土浦母親大会連絡会事務局(電話:029-824-8949)まで。

コロナ禍乗り越え「夏の夜の夢」 劇団創造市場、土浦市文化祭に参加

【伊藤悦子】土浦市を拠点に活動する劇団創造市場(同市西真鍋町、稜地一週代表)が15日、市制施行80周年記念の同市文化祭でシェイクスピアの喜劇「夏の夜の夢」を公演する。同劇団は今年結成50周年、節目の年となるはずが、新型コロナウイルスの影響から無観客公演や公演中止に見舞われ、苦境をようやく乗り越えての文化祭参加となった。 公演の延期や中止、稽古はオンライン 毎年3月に公演していた入場無料のアトリエ公演は中止。緊急事態宣言が発令され、稽古場に集まることができなくなった団員たちは、LINEを使いオンラインで週3、4回、2時間の稽古を続けたという。5月に緊急事態宣言が解除され、ようやく公演にこぎつけたが感染防止のために無観客だった。 6月には市制施行80周年と市民会館リニューアルを記念した「シンデレラ」公演が予定されていたが、中止になった。有料の公演がなくなったことで劇団の収入は途絶え、稽古場の家賃支払いなどで預金も底をついたという。 県などからの補助金により、9月にはリニューアルした市民会館小ホールで「そして誰もいなくなった」公演に漕ぎつけることができた。密を避けるため客席288席のうち120席しか使えず、公演を通常の2回から4回に増やした。 感染予防のため作業も増えた。客の入場時には検温とアルコール消毒を行い、名前と住所を登録してもらった。公演が終わるたび、出番が終わった役者も加わりスタッフ全員で席をすべて消毒。結果的に、観客にもスタッフにも1人の感染者を出さなかった。 「感染しないという信頼を」 集まって稽古ができるようになっても、環境は以前と一変した。全員がマスクを着用し、アルコールで手を消毒、検温を行う。稽古中もマスクかフェースシールドを必ず着用する。演技に夢中になり、役者同士の距離が近づきすぎると「近すぎる」「離れて」と注意する声が飛び交う。稽古場のドアは開け放ち、扇風機2台を回し、換気を続けている。 「団員には人を見たら新型コロナだと思え、自分もかかっていると思え。そのぐらい強い気持ちで感染予防をしている」と稜地さん。「公演を見に行っても感染しないという信頼を積み重ね、見に行っても大丈夫だということを浸透させたい」と語った。 役者同士が近づくシーンを入れない、近づいてもすぐ離れるようにするなど演出にも感染予防を取り入れた。「そういった意味からは100%の演出ではなく80%かもしれないが、お客さんに喜んでもらえるものを作ることができた」と話す。 「夏の夜の夢」は、50周年の同劇団がたびたび上演してきた演目だ。8月に入団し、今回初めて出演する塚本沙世さん(27)は、ガの妖精を演じる。「シェイクスピア劇はセリフが難しいが楽しい。夏の夜の夢は喜劇なので、お客さんにたくさんわらってほしい。新型コロナでたまったうっぷんを晴らしてもらえれば」と来場を呼びかけた。 当日の感染対策は、手洗い消毒、マスク着用。入場時に検温を行い、名前と連絡先を記入する。劇場内では、1席ずつ空けて着席する。22日には小美玉市で茨城県芸術祭公演の予定もある。 ◆劇団創造市場「夏の夜の夢」 15日(日)午後3時と午後6時30分の2回、クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)大ホール▽チケットは前売(一般)2000円(高校生以下)1700円、当日券(一般)2200円(高校生以下)1900円▽問い合わせは劇団創造市場(電話029-821-9405)

「土浦を次の世代に」 市制施行80周年式典で安藤市長

【相澤冬樹】土浦市の市制施行80周年を記念する式典が3日、同市東真鍋のクラフトシビックホール(土浦市民会館)で開かれた。コロナ禍のため市民一般には呼び掛けず、自治体関係者を中心に約300人を集め行われた。安藤真理子市長は「歴史と文化のまち、土浦を次の世代に引き継いでいく」と力強くあいさつした。 式典は刻(とき)の太鼓で幕があがった。17世紀中期の明和年間制作と伝わる。2000年、市制施行60周年を機に市民の手で修復された。約250年経った今日でも6月の「時の記念日」を中心に土浦城櫓(やぐら)門で打ち鳴らされている。「歴史のまち」土浦を象徴する市指定文化財だ。 こうした歴史を踏まえ、安藤市長は「つくば霞ケ浦りんりんロードや水郷筑波国定公園、レンコンをはじめとする農産物など誇れる資源に磨きをかけ、土浦に新たなにぎわいの呼び起こしを図りたい」と式辞を述べた。来賓あいさつの大井川和彦知事、衆院議員らも口々に、全国花火競技大会とレンコン、りんりんロードを地域資源として生かすまちづくりを訴えた。 この日招かれたのは県内や姉妹都市の自治体関係者が中心。市民では自治功労などで表彰を受ける個人や団体・企業の代表が出席した。自治表彰で7人、市政特別功労で22人をはじめ、福祉や保健衛生、教育などの分野で功績があったとして計240人、242団体・企業に表彰状、感謝状が贈られた。 同市は1940(昭和15)年11月3日、土浦町と真鍋町の合併により県内3番目の市(人口3万5567人)として誕生した。水害や戦災を経て県南の商都として発展したが、オイルショックやバブル崩壊、リーマンショックなどの影響から市勢は停滞。2006年、新治村と合併(14万4106人)し、近年ではりんりんロードの結節点としてサイクリング客など交流人口を増やしている。7月1日現在の常住人口は13万8173人。

土浦一高~筑波大卒の若手落語家 リニューアルオープンの幕開け飾る

【相澤冬樹】土浦市制施行80周年記念・クラフトシビックホール土浦(※メモ)リニューアルオープン記念と銘打って、最初のステージとなる「立川流若手落語家二人会」が19日、同市東真鍋町の同ホールで開かれた。幕開けを飾ったのは、地元、県立土浦一高と筑波大学を卒業した立川志のぽん=本名・広瀬敦さん(43)。コロナ禍で「辛抱の時」を過ごしての帰郷公演は、チケット完売の拍手喝采で迎えられた。 3密対策し高座に 「二人会」は市産業文化事業団と同市民会館自主文化事業運営委員会が主催するホール落語。会場の小ホールは座席数288だが、新型コロナウイルス感染防止のため、前方2列を空席とし、3列目以降も間を1席ずつ開けて120席定員でチケットを販売、早々に完売した。 出演は立川志らく門下の立川志ら玉(真打)、立川志の輔門下の志のぽん(二つ目)の2人。それぞれ「目黒のさんま」「谷風情相撲」(志ら玉)、「金明竹」「粗忽の釘」(志のぽん)の2席ずつを演じた。 この日がリニューアル後最初の会館自主事業。客席減とはいえ完売となったのは、2人の落語家の経歴による。テレビ出演などの知名度には欠けるが、志ら玉は茨城大学、志のぽんは筑波大学の卒業という身近さが地元落語ファンの関心を引いた様子だ。特に志のぽんは石岡市生まれ、土浦一高を1995年に卒業しており、会場には同級生の姿もあった。 ステイホームで研さん 高校時代、テレビで立川談志の高座を見て、漠然と落語に興味を持ったといい、現代アート専攻で筑波大学芸術専門学群に進学後は落語研究会に籍を置いた。大学では修士課程を修了しながらも芸術でやっていけるか展望が得られず、東京で広告看板の製作会社に就職した。 その2年半後の2004年、都内の落語会で聞いた志の輔の落語に「衝撃を受けた」そう。弟子入りを志願し履歴書を送るなどして、師匠に会えたのは2005年1月、ほぼ即決で弟子入りが決まったという。 落語を一つ(演目「つる」)だけ覚えて、前座を務めた初高座は同年7月。それから演目50席を覚えて二つ目昇進は2013年4月、必ずしも順調な出世とはいえない。筑波大学出身の落語家には同期の三遊亭朝橘がいるが、17年4月に真打昇進している。 今年は、立川流で真打昇進の条件となる演目100席も手の届くところに迫り、勝負の年となるはずだった。しかしコロナ禍で都内の寄席は3月末までに相次ぎ休演、立川流が活動の場としている落語会や一門会も自粛を余儀なくされた。オンライン会議アプリを使った落語会も早々に供給過多になり、客席の反応のない一方通行の落語に志のぽん自身なじめなかったという。 「いまは辛抱の時期、技量を蓄える時期」と言い聞かせステイホームで研さんに励み、持続化給付金の受給で生活をやりくりしてきた。 6月になって3密対策をとった落語会がようやく開かれるようになった。「席と席の間隔を開け、マスクをしてもらっているので、やりづらさはある。しかし、このソーシャルディスタンスは今後も続いていくものと心得ていかなければならない」 後輩、林家扇兵衛と柳亭市寿による茨城県を活動の拠点とする落語家ユニット「いばらく」にも参加。細面ながら表情の豊かさが笑いを誘う。真打昇進に向けて新作落語を1本作らなくてはならないのが悩みの種で「ずっと難儀している。自分の言葉を探さないと」、まだ辛抱の時が続きそうだ。連絡先:090-9804-3670 ※メモ【クラフトシビックホール土浦】土浦市民会館。2019年1月から行ってきた耐震補強を含む大規模改修工事が完了し、20年6月2日に開館した。1019席の大ホール、288席の小ホールなどがある。リニューアル記念の各種公演が予定されていたがコロナ禍から軒並み休止、中止となっていた。指定管理者の同市産業文化事業団が管理・運営を行っている。

【土浦建築探訪】㊤ 市民会館24日開館 建築音響工学の先駆者設計

【鴨志田隆之】老朽化していた土浦市民会館(同市東真鍋町)の大規模改修工事が完了し24日オープンとなる。1182席あった大ホールはいすの幅を広げて客席を1019席に若干減らし、来場者が移動しやすいよう通路を設けるなど、耐震補強と共に安全で快適に利用できる施設へとリニューアルされた。 市民会館は1969年2月に開館した。近代の市保有公共施設として古株に属する。戦後、東京都内にも本格的なコンサートホールがなかった時代に、市民要望を元に市長公約として建設が実現していった。 当時の土地改良事業の一環として市民会館の建設地が定められ、華美に流れず、質索であっても堅実なものをという市民の声が反映された。大ホールは音響効果のよいクルミ材の化粧合板に不燃処理を施し、音響効果の優れた性能と木材のやわらかい感触を両立させるなどの工夫が凝らされた。 リニューアル後もクルミ材の壁はそのまま利用され、当時のままの内装や外装をできるだけ生かした改修となった。 近代日本建築のけん引役が設計 このような建築物を実現させたのは、近代日本建築のけん引者の一人である佐藤武夫(1899~1972年)。在籍した早稲田大学助教授時代に日光東照宮の本地堂で「鳴竜」現象の発生プロセスを科学的に解明し、建築音響工学を極めた建築家だ。 正確には、佐藤氏が主宰する佐藤武夫設計事務所(現・佐藤総合計画)において編成されたチームの設計だが、単純な劇場ではなく、想定されるすべての催事と、多数が集会でき活用する多目的ホールとして、それぞれの施設機能を分割あるいは総合一括利用できる建物が考えられた。 佐藤が手がけた建築は、早稲田大の大隈講堂に始まり、晩年の岩手県民会館まで文化会館や庁舎など全国各地で活躍したが、1960年代までの著名な建築が改築などで現存しなくなってきた。 機能や素材の更新を行いつつも、土浦市民会館は建設当時の市民の思いを形として残すに至ったことが、市民の共有財産として恵まれた存在だ。そして実は、土浦市にはこの会館と兄弟関係にある、佐藤の設計で生まれた公共建築がもうひとつ残されている。それは旧庁舎(2代目庁舎=下高津)だ。(続く) ◆土浦市民会館(クラフトシビックホール土浦) 土浦市真鍋町2-6。1969年2月開館。リニューアルオープンは2020年5月24日。敷地面積1万6940平方メートル。建物は鉄筋コンクリート造り3階建て、延床面積5180平方メートル。

【高校生インタビュー】土浦初の女性市長㊦ 若い人へのメッセージ

土浦日本大学中等教育学校報道サークルが高校生の視点から、土浦市初の女性市長、安藤真理子氏にインタビューした。最終回の3回目は、高校生へのメッセージをいただいた。[聞き手はいずれも新6年(高校3年)生の坂本恵理さん、石田日菜子さん、笠倉斗真さんの3人、インタビューは3月に行われた] ー先日テレビ番組「緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦」(テレビ東京)で、土浦城のお堀の清掃を見ました。今後もテレビ取材はありますか。 どうしてああいう取材になったかというと、お正月にテレビを見ていたらあの番組をやっていました。以前から亀城公園でやってもらえないんだろうかって単純に思っていたんですけど、市長になってからテレビを見て「やってもらえないのかなーじゃなくて、これやってもらえるように交渉しよう!」って思って、連絡を取ってもらいました。そしたらロンブーの敦さんがお城好きなんですね。すぐOKくれました。それで来てもらったんです。 私は土浦をどんどんPRしたいんですよ。土浦って歴史と伝統が誇り、宝なんですね。文化があって、土浦には着物屋さんとかお茶の道具屋さんとかもあるんです。それは新しい街にはない。歴史と文化があるという魅力がある。霞ケ浦という宝もあるし、亀城公園はあるし、本当にたくさんの宝があることを発信していきたい。 今年は市制施行80周年に当たり、土浦が市として始まって80年という記念の年です。イベントとしてはNHKの「民謡魂」っていう番組が土浦市民会館にきて放映してくれます。機会を逃さず土浦を発信していきたいですね。 変えたいと思ったら声挙げて ー若い世代とのコミュニケーションについて思うことがありますか。 今年の土浦の成人式は新成人の要望を受け、会場が、各中学校での開催から霞ケ浦文化体育館1カ所での開催に変更されました。皆も何か変えたいと思ったら声を挙げてください。こういう風に「市長に会いたい」と声を挙げることで変わっていくので。 政治ってそういうことだと思うんですよ。(成人式の会場問題では)20歳の子が電話してきました。「市長に会いたい」なんてなかなか言えないことだと思います。その時に思ったのは、これで市長に会えなかったらその年代の子たちは「なんだよ、土浦なんか」って思うと思ったんですね。ちょっとしたことでみなさんが「土浦なんか」って思っちゃうこともあるかもしれない。そういう思いもありました。ちゃんと話を聞く大人もたくさんいるんだと思ってもらいたいです。 やらない後悔より、やって後悔したい ー最後に土浦の高校生にメッセージをお願いします。 皆さん、やりたいことはどんどんやってください。いっぱいやって、そしてその中で自分がやりたいことを見つけていけばいい。土浦の学校に通ってて良かったなと思えるような学校生活を送ってほしいな思っています。それは私たち大人の責任もあります。勉強も遊びも全部がんばって世界を広げてほしいと思う。そして土浦に戻ってきてほしいです。 高校生の時、私は政治の道に進むってこれっぽっちも思っていませんでした。私は高校時代は東京のOLになりたかったので、実際に東京で働きました。当時、つくばで科学万博が開かれることになり、関わりたいと思ってOLを辞めて、万博で働きました。その時は家族に反対されました。なんで東京の大きい会社に勤めているのにそこを辞めるのか、万博は半年間しかないのにって怒られました。けれど私はこんな機会はないって思ってやりました。後悔はしませんでした。私は、やった後悔とやらない後悔では、絶対やって後悔をしたいと思います。やらない後悔ってもっと後悔します。 やりたいこと、今分からなくても当たり前 そして私がいつも思っているのは、夢は強く願えば必ずかなう。これを高校生の皆さんに言いたい。私はそう思っていたし、実際そうなっています。夢を強く持ってください。まだこれからの自分の進路が決まってなくて、何がやりたいか分からないとしても、そんなの当たり前だと思います。興味があることをやっていたらそのうち見つかります。私は介護の仕事をしましたけど、それまでいろんな仕事をしてきて、最終的に自分の仕事は何かと思った時に、自分で介護の仕事を決めました。その時は私の天職だと思ったんです。本当に介護の仕事が好きになった。 議員になったのは45歳の時ですけど、それまで議員になるとは思っていなかったので、20代、30代の人が今自分が何をしたいか分からなくても、もしかしたら政治家になるかもしれないし、全く別の仕事をするかもしれないし。いつも可能性を秘めています。その代わり一生懸命生きてください。全力でやってください。一生懸命生きていればみなさんの夢は必ずかないます。 ー本日はどうもありがとうございました。(おわり)

《宍塚の里山》61 環境省のモニタリング1000調査

【コラム・及川ひろみ】日本は、亜寒帯から亜熱帯にまたがる大小の島々からなり、屈曲に富んだ海岸線と起伏の多い山岳など、変化に富んだ地形や、各地の気候風土に育まれた多様な動植物相が見られます。 多様な生態系(高山帯・森林草原・里地里山・湖沼・砂浜・磯藻場干潟・サンゴ礁・島嶼)のそれぞれについて、環境省では全国1000カ所程度のモニタリングサイトを設け、基礎的な環境情報の収集を長期にわたって(100年)継続し、日本の自然環境の質的・量的な劣化を早期に把握することを目的に調査を行っています。 調査は記録を残すことだけが目的ではありません。結果を生かすことこそが大切なのではと、われわれは環境省のシンポジウムで質問しました。変化を捉えたなら、素早く保全に生かすことが調査の目的ではないかと主張しました。(環境省のHPには調査の目的に保全に生かすとは書かれていないことが残念です) モニタリング調査を行う環境省の方針のもと、里地里山の調査内容について、日本自然保護協会が専門家、市民2団体と調査・検討を開始したのは2003年のことです。昆虫・植物・土壌・動物・水質などの調査項目が挙がる中、生態系を捉える上で、昆虫より上位に位置する動物の調査が必要だと提案した結果、アカガエルの卵塊調査、哺乳動物調査の項目が入り、試行錯誤をしながら、調査を開始しました。 より正確に里山の自然環境を把握 環境省は里地里山モニタリング調査を、当初、専門家に委託することを考えていました。しかし、身近な自然環境である里地里山調査は、年数回やって来る専門家による調査より、専門性を持った市民が足しげく通って調査する方が、より正確な里山の自然環境の把握ができるのではないか―と思い、(公財)日本自然保護協会と当会が2006年2月、モニタリングシンポジウムを土浦市民会館で開催しました。 そのとき、環境省「モニタリング1000」担当者を前に、これまで行ってきた市民調査を発表した結果、里地里山モニタリング調査は市民団体が行うことになり、その取りまとめを日本自然保護協会が行うという、現在の体制が確立しました。 市民調査と言っても、モニタリング調査に求められることは、正確さと全国一律の方法で実施することです。専門家が各サイトに出かけ、調査の正確さと手法(マニュアル)の指導を行うことで、この問題を解決しました。 われわれの会は、里地里山コアサイトとして、生物相調査(毎月)、アカガエルの卵塊(1~4月)、野鳥(繁殖期・越冬期)、中型哺乳類(5~10月)、カヤネズミ(6月・11月)、チョウルートセンサス(4~11月)、水質(年4回)―の調査を行っています。(宍塚の自然と歴史の会代表)

《宍塚の里山》61 環境省のモニタリング1000調査

【コラム・及川ひろみ】日本は、亜寒帯から亜熱帯にまたがる大小の島々からなり、屈曲に富んだ海岸線と起伏の多い山岳など、変化に富んだ地形や、各地の気候風土に育まれた多様な動植物相が見られます。 多様な生態系(高山帯・森林草原・里地里山・湖沼・砂浜・磯藻場干潟・サンゴ礁・島嶼)のそれぞれについて、環境省では全国1000カ所程度のモニタリングサイトを設け、基礎的な環境情報の収集を長期にわたって(100年)継続し、日本の自然環境の質的・量的な劣化を早期に把握することを目的に調査を行っています。 調査は記録を残すことだけが目的ではありません。結果を生かすことこそが大切なのではと、われわれは環境省のシンポジウムで質問しました。変化を捉えたなら、素早く保全に生かすことが調査の目的ではないかと主張しました。(環境省のHPには調査の目的に保全に生かすとは書かれていないことが残念です) モニタリング調査を行う環境省の方針のもと、里地里山の調査内容について、日本自然保護協会が専門家、市民2団体と調査・検討を開始したのは2003年のことです。昆虫・植物・土壌・動物・水質などの調査項目が挙がる中、生態系を捉える上で、昆虫より上位に位置する動物の調査が必要だと提案した結果、アカガエルの卵塊調査、哺乳動物調査の項目が入り、試行錯誤をしながら、調査を開始しました。 より正確に里山の自然環境を把握 環境省は里地里山モニタリング調査を、当初、専門家に委託することを考えていました。しかし、身近な自然環境である里地里山調査は、年数回やって来る専門家による調査より、専門性を持った市民が足しげく通って調査する方が、より正確な里山の自然環境の把握ができるのではないか―と思い、(公財)日本自然保護協会と当会が2006年2月、モニタリングシンポジウムを土浦市民会館で開催しました。 そのとき、環境省「モニタリング1000」担当者を前に、これまで行ってきた市民調査を発表した結果、里地里山モニタリング調査は市民団体が行うことになり、その取りまとめを日本自然保護協会が行うという、現在の体制が確立しました。 市民調査と言っても、モニタリング調査に求められることは、正確さと全国一律の方法で実施することです。専門家が各サイトに出かけ、調査の正確さと手法(マニュアル)の指導を行うことで、この問題を解決しました。 われわれの会は、里地里山コアサイトとして、生物相調査(毎月)、アカガエルの卵塊(1~4月)、野鳥(繁殖期・越冬期)、中型哺乳類(5~10月)、カヤネズミ(6月・11月)、チョウルートセンサス(4~11月)、水質(年4回)―の調査を行っています。(宍塚の自然と歴史の会代表)

《吾妻カガミ》75 土浦一高「中高一貫」 近く説明会

【コラム・坂本栄】本サイトの過去記事のうちどれが読まれているのか、筑波大学生記者が2月前半のアクセス数を分析してくれました。1位は「土浦一、水戸一など10校が中高一貫に 県が県立校改革プラン」(2019年2月21日付け)で、つくば・土浦地域の方のこの問題への関心が強いこと分かりました。「中高一貫」スタートが来春に迫っていることもあると思います。 そこで、1年先の一貫制移行に向けての準備状況はどうなっているのか、少し調べました。その成果をいくつか紹介します。 小学生と保護者への説明会が3月22日に、土浦一高体育館で開かれるそうです。この時点では募集要項は確定していないはずですが、概要は分かるでしょう。そして、7月末に県教育委員会が正式に発表したあと、土浦市民会館で説明会があるそうです。大井川和彦知事の目玉の施策ということもあり、県教育委員会も力が入っています。 土浦一高内に設けられる中学2クラス(計80人)の教室はどうなるのでしょうか? 当面新校舎は建てず、現校舎の教室を中学用に割り当てるそうです。中学を教える先生はどうなるのでしょうか? 高校と中学を別々にせず、高校の先生が中学も担当するそうです。普通の中学に比べ、中高一貫は授業内容が難しくなるのでしょうか? 保護者も学校も学習塾もホットに この問題については、先に「ビッグニュース 土浦一高も中高一貫」(2019年3月18日付け)でも取り上げ、その必要性について①TX開通により地域の優秀な中学生が東京の高校に行くようになった②県南の私立高の多くが中高一貫を採用している③だから土浦一高もこういった変化に対応しなければならない―と述べました。 地域の核となる教育システムを強化する必要があると考えたからです。つくば・土浦地域の教育の核として、大学は筑波大、高校は土浦一高があります。この2つがより強くなることは、地域の教育水準アップ⇒地域の魅力度アップにつながります。 土浦一高の中高一貫移行により、いろいろな変化が起きると思います。現在の出身中学校別生徒数ベスト10(つくば以外はカッコ内に明記)は、竹園東77、吾妻56、下根(牛久)48、土浦第四(土浦)42、手代木40、谷田部東40、土浦第一(土浦)39、土浦第二(土浦)33、並木31、春日学園29―ですが、各中学校区の小学校からダイレクトに中高一貫に進むようになると、この順位はどうなるでしょう? 最近、新聞の折り込みチラシを見ていると、中高一貫に向けた小学生教室の宣伝が目立ちます。保護者や学校だけでなく、学習塾も「商機」とホットになっています。この際、地域の魅力度アップのために、老朽化した土浦一高を建て替えたらどうかと、県教育委に提案しておきます。(経済ジャーナリスト) ➡坂本栄の過去のコラムはこちら

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