木曜日, 5月 1, 2025
ホームつくば茨城6区は青山、国光両氏が届け出 衆院選公示

茨城6区は青山、国光両氏が届け出 衆院選公示

解散に伴う衆院選が19日公示された。小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す元県議の青山大人氏(42)=立憲=と、医師の国光文乃氏(42)=自民=が立候補を届け出て、12日間の選挙戦に突入した。投票は31日行われる。期日前投票は20日から30日まで実施される。

青山氏「与野党拮抗した緊張感ある政治を」

青山氏は午前11時、土浦市乙戸の街頭で第一声、下村寿郎土浦市議、皆川幸枝つくば市議、地元、乙戸地区の下村利充区長らが応援に駆け付けた。下村市議は「政党関係なしで応援している。土浦から国会議員が出た。今回は小選挙区で必ず当選させる」などと話した。

これを受けて青山氏は「昨年、新型コロナの感染が国内で広がり、一斉休校、アベノマスクなどがあった。常陸牛が余ってしまい自民党は和牛振興券を配ろうとまとまりかけた。当時、私は農林水産委員をしていて『子供たちの学校給食に提供してはどうか』と提案し、結果的に和牛振興券ではなく学校給食に提供することになった」と話し、「野党だと何もできないということはない。どういう気持ちで政治をやるかだ。地元の一人一人の意見が政治の原動力。地方に活力をもたらす政治が必要。消費税を上げようと言う声も起きているが、それは全く違う。必要なところに必要な対策を施し、無駄なものは省くのが政治の仕事」と述べた。その上で「前回は自民党に5000票差で負けた。与野党が拮抗した緊張感ある政治、信頼できる政治のために力を貸してください」などと訴えた。

この日は土浦市右籾、永国、下高津などを回り、市内6カ所で街頭演説した。

国光氏「コロナを終わらせ命と暮らし守る」

一方、国光氏は午前9時30分から、つくば市吉瀬の選挙事務所で出陣式。岡田広、上月良祐参院議員、6区の自民党県議とつくば、土浦市の市議らが勢ぞろいしたほか、公明党の田村けい子県議、地元の五十嵐立青つくば市長らが駆け付けた。岡田参院議員は「(6区は)県内で一番厳しい最重点区。選挙は声掛けしかない」、つくば市選出の鈴木将県議は「注目の激戦区。前回(得票数)の足し算、引き算に浮き足立つことなく、総力を結集して6区の議席を死守しよう」などと訴えた。

これを受けて国光氏は「政治を志した原点は医師の現場。コロナを終わらせ、皆さんの大事な命と暮らしを守る、それを私に任せていただきたい。現場主義が私のモットー。地域を回りたくさんの声をノートにずっと書いてきた。その思いが私の原点。あと少しでコロナ禍を終わらせる状況まできている。インフルエンザのタミフルのような経口薬まであと少し」と話し、「今回の選挙はひじょうに厳しい。野党連合の力を、歩いていても本当に感じる。とても厳しい選挙だが、私を皆さんのために働かせてください。必ずコロナを終わりにしてみせます」などと訴えた。

この日はほかに、つくばみらい市谷和原庁舎、土浦市民会館駐車場、かすみがうら市商工会駐車場、石岡後援会事務所の計5カ所で出発式を実施する。

青山大人 42 元県議 立憲 前①
【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税?原発からのエネルギー政策転換
【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。

国光文乃 42 医師 自民 前①
【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成?TX延伸④農家所得の拡大
【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

7 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

7 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

ホテル日航つくば社長の石田奈緒子さん【キーパーソン】

今回は、茨城県の部長やTX(つくばエクスプレス)の常務などを歴任し、10カ月前に「ホテル日航つくば」の社長になった石田奈緒子さんに登場してもらった。学園都市を代表するホテルの経営者として、いろいろな営業企画を考え、宿泊客を呼び込もうとする話は面白い。 昔は「第一…」「オークラ…」 TXつくば駅から徒歩2分のところにあるホテル(商号は株式会社筑波学園ホテル)は、つくば科学万博(1985年)直前の1983年、「筑波第一ホテル」としてオープン。2001年に「オークラフロンティアホテルつくば」に改称され、2020年から現在の「ホテル日航つくば」という名前になった(国際会議場近くの「ホテルJALシティつくば」も併営)。日本のホテル業界を代表する「ホテルオークラ」の100%子会社。 科学万博のころから市内に住む人は今でも「第一ホテル」と呼び、20年前から隣接市に住むようになった私は今でも「オークラホテル」と言っている。「ホテル日航」という名称がなかなか出てこない。 全国どこの伝統ホテルも同じだが、宿泊+宴会+結婚式を基本とするホテル経営は苦労が多い。会社などの節約志向で宴会が減り、若い人の結婚式も簡素になっているからだ。こういった流れを乗り切るには、著名ホテルのブランドを生かして宿泊客を増やすことが求められる。 体験を組み込んだ宿泊プラン 「ホテルを楽しく使ってもらおうと、『つくたびプロジェクト』と称して旅とセットにしたプランを提供している。筑波山麓のワイン醸造所を見学した後にホテルで食事・宿泊してもらうプラン、市内の農園でサツマイモを掘ってホテル内でスイーツ作りを体験してもらうプラン、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の元職員を講師にペットボトルでロケットを作り飛行実験をする宿泊プラン、などなど」 「つくたびプロジェクト」はコロナ禍にホテルが始めたものだが、TX在職中もコロナ禍で利用客が激減する中、その対応にあたった。「TX駅周辺の魅力を発信し、TXを利用する観光客を増やした」。ワープステーション江戸でのコスプレイベント(つくばみらい市)、アサヒビールとのコラボ企画(守谷市)、慶應義塾幼稚舎の先生による子供向け研究機関紹介パンフ作成(つくば市)などだ。 TXへの茨城県の出資額は東京都に次いで2番目。経営企画担当として、経営戦略・財務・広報・沿線事業を担当していた。インタビューのついでに、TX駅ホーム拡張(混雑対策、6両停車→8両停車)の進行状況を聞くと、完了したのはまだ6駅にとどまり、全20駅の拡張が終わるのは2030年代になるという。 北茨城市で7年間も副市長 下の経歴欄からは省いたが、石田さんは2009~16年の7年間、北茨城市に副市長として勤務している。県職員が市町村に「副」で出る期間は2~3年が普通なのに、なぜ7年にもなったのか聞くと、「東日本大震災で市も被災。それでも4年ぐらいで帰ろうと思っていたら、市立病院の移転などの仕事が入って7年になっていた」 県とのパイプ役、市復興の仕事人として、北茨城市に必要な人材になってしまったらしい。県職員には珍しい発想力と企画力が豊田稔市長に買われたようだ。 「地球にやさしい」ホテル 県幹部のキャリアはホテル経営にも生かされている。今春には、ホテルのSDGs活動が「地球にやさしい企業」として県から表彰された。①食品ロス削減運動②廃食用油回収③使用済み歯ブラシ再資源化④屋上でのミツバチ飼育⑤ペットボトルによる巨大アートづくり―などの取り組みが評価されたそうだ。 この取り組みを県表彰で終わらせず、ホテル内での集客イベントにも活用している。6月8日(日)には、「地域・お客様と連携したSDGs体験会『ホテル日航つくばサステナブルフェス2025』」を開く。環境専門家の講演のほか、持続可能メニューの試食会、子ども向けペーパークラフト講座、天然染料を使った染色体験などをパートナー企業と共に準備していると言う。 【いしだ・なおこ】1984年、茨城大学人文学部卒。NHK水戸放送局FM番組アシスタントを経て、86年、茨城県入庁。総務部地域支援局市町村課副参事、保健福祉部次長、国体・障害者スポーツ大会局長、営業戦略部長などを経て、2021年に定年退職。21~24年、首都圏新都市鉄道株式会社(TXの運営会社)常務取締役。24年6月からホテル日航つくば代表取締役社長。64歳。笠間市出身、同市在住。 【インタビュー後記】筑波学園ホテル社長は県部長クラスのポスト(石田さんは6人目)。TX常務も同クラスのポスト(石田さんは6人目)。ホテルの歴代社長とは随分付き合ってきたが、TX役員経由の方は初めて。知事は、今年開通20年のTXと学園都市の老舗ホテルのつながりを重視した?(坂本栄、経済ジャーナリスト) ◆「ホテル日航つくばサステナブルフェス2025」は6月8日(日)午前11時~午後3時、つくば市吾妻1-1364-1 同ホテル本館3階ジュピターで開催。2021年から同ホテルが進めているSDGsの取り組みを紹介し、日ごろから連携している企業や団体の展示ブースや体験コーナーを設ける。3回目の開催で、環境カウンセラーの中上冨之さんによる特別講演のほか、フードロス削減プロジェクトによるサスティナブルメニューのグランプリを投票で決定する試食イベント、規格外のコーヒー豆で行うブレンド体験、子供向けペーパークラフトワークショップ、天然染料を使った染色体験などを実施する。会場では、航空機の燃料となる家庭の廃食用油を回収する。詳しくはこちら。

「故郷」の変化を記録 解体される公務員宿舎の写真展

つくば市出身の松﨑章竜さん つくば市吾妻2丁目にあった国家公務員宿舎「筑波大学職員宿舎」の取り壊しまでの過程を記録した写真展を、つくば市出身の写真作家、松﨑章竜さん(34)が29日から、同市吾妻の県つくば美術館とつくば市民ギャラリーの2会場で同時開催している。つくば美術館では、松﨑さんが同宿舎の取り壊し計画を知った2018年から取り壊し作業を間近に控える2023年までを記録した大判写真54点が、市民ギャラリーでは、取り壊しが始まり更地になるまでを記録した大判写真約20点が展示されている。 自然と近代が同居する街並み 1990年生まれの松﨑さんが小学1年まで暮らしたのが、TXつくば駅から徒歩数分のところにあった旧・筑波大学職員宿舎だ。つくばエキスポセンターに向かい合う約3万3400平方メートルの敷地内には、16棟の宿舎が立ち並んでいた。2024年までに解体を終え、今後、筑波大学による研究・実証実験施設の建設が予定されている。 松﨑さんが記憶しているのが、歩道の両側や公園に立ち並ぶ木々など、整備された街並みに同居する豊かな自然だった。木々の隙間からのぞくエキスポセンターに立つ実物大の宇宙ロケット「H-IIロケット」や、アーチ状の最上部が特徴的な当時市内で最も高かった三井ビルなど、自然と同居する近代的な風景も、幼心に印象に残っている。 現在、東京で暮らす松﨑さんが「故郷」を撮影しはじめたのは、家族が暮らすつくばに帰省した際に、以前暮らしていた宿舎に何気なく立ち寄ったのがきっかけだった。懐かしさもありスマートフォンで動画を撮影してみると、以前は感じなかったその場所の雰囲気に面白さを感じた。その後間もなくして、宿舎が廃止されるのを聞いた。過程を記録しておくべきだと感じ、2018年から毎月1、2回、現地へ足を運んで建物や周囲の風景を撮影し始めた。 当初は作品にするつもりはなかったと振り返る松﨑さんだが、ファインダー越しにかつて暮らした場所を見つめる中で、以前は見落としていた敷地に茂る木々や草花の豊かさに気づいていく。さらに、住民の退去が進み宿舎が無人化する中で、住民がかつて育てていたツバキ、ビワの木が大きくなり建物の窓を塞ぎ、以前は刈り取られていたはずの雑草が、建物や路地など人の暮らしの痕跡を覆っていくのも目についた。そうした軌跡を追う中で「当初は建物に関心があったが、場所が持つ様々な表情に興味が移った。一つの場所を見続ける面白さに気がついた」と松﨑さんは話す。 昨年年6月に、解体される様子を記録した写真を本名の「松﨑綱士」名義で、つくば美術館で初めて展示した。同年12月には、解体で出た「瓦礫」をテーマに市民ギャラリーで写真展を開いている。今回の展示は、過去2度の展示作品を再構成した作品を市民ギャラリーで展示し、県立美術館では、初めて公開する取り壊し以前の写真を展示する。 「つくばの中心地域には、計画的につくられた街の中で自然と人が共存していた。前回の展示では、この場所を『いい場所だった』と懐かしむ人もいた。街の風景を無意識に拠り所にしていた人は多かったのだと思う。人と共存していた木々も全部切ってしまったのは残念」とし、「街の変化を記録し、観察していくのは誰かがやらなければいけないことだし、一つの対象を観察し続けることで見えてくるものがあると感じている。取り壊される前後の風景の対比を見てほしい」と松﨑は言う。 初日に展示に訪れた市内在住の三倉恵子さんは「私も以前、公務員宿舎に暮らしていたことがある。写真にあるビワの木など、自分が暮らしていた場所にもあった。写真から感じる湿気などにも懐かしさを感じた」と感想を話した。(柴田大輔) ◆写真展「アーキテクチュラル ピルグリミッジ / 建築の巡礼」は、つくば市吾妻2丁目8、県つくば美術館で、「シーイング ア プレイス」はつくば市吾妻2丁目7-5、つくば市民ギャラリーで開催。会期はいずれも5月6日(火)まで。つくば美術館の開館時間は午前9時30分~午後5時、最終日は午後3時まで。市民ギャラリーは午前9時から午後5時、最終日は午後2時まで。2会場とも入場無料。

突然発症する大動脈解離《メディカル知恵袋》10

【コラム 大坂基男】大動脈解離を知っていますか。予兆もなく突然発症して患者さんは死の淵に立たされます。テレビやネットでも時々紹介されるのでご存じの方も多いと思います。今回は大動脈解離について説明します。 大動脈解離とは 大動脈壁は、内膜・中膜・外膜の3層から構成されています(図1)。 大動脈解離とは、大動脈壁の内膜に亀裂を生じて流入血によって大動脈壁が内膜側と外膜側に剥がれた状態になることです。この亀裂をエントリー、生じた内外膜間の空間を偽腔(ぎくう)、本来の血管内腔を真腔(しんくう)と呼びます(図2)。エントリー部位に一致して強烈な胸背部痛や腰背部痛が出現します。解離の進展により疼痛(とうつう)部位が移動するのも特徴です。この解離により破裂と大動脈分枝閉塞が起きます。特に上行大動脈の解離は心嚢(しんのう)内で破裂しやすく、上行大動脈を含む解離をスタンフォードA型、含まない解離をスタンフォードB型と分類して緊急症例を識別しています(図2)。偽腔の血流と圧の増加で真腔が圧迫され大動脈分枝に閉塞が起きます。 その結果、心筋梗塞、脳梗塞、脊髄梗塞、肝虚血、腎梗塞、腸管虚血、下肢虚血などの様々な血流障害(続発症)が出現します。大動脈基部に解離が及ぶと大動脈弁閉鎖不全症で心不全を発症します。偽腔内は血栓ができやすくなるため播種性血管内凝固(DIC)を発症します。疼痛は一時的に改善し、脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、腰痛症、尿管結石、下肢動脈閉塞、胆嚢炎などと診断され背後の解離が見逃がされる危険があります。年間発症数は人口10万人あたり3~10人、男性の方が多く、男女とも70歳代に発症のピークがあります。冬季に多く発症して高血圧との関連が示唆されます。 急性A型大動脈解離の治療 急性A型大動脈解離の死亡率は1時間当たり1~2%と考えられ、治療しなければ24時間以内に約半数が命を落とすため、緊急手術が行われます。手術はtear-oriented surgeryという原則に基づき、破裂しやすい上行大動脈と分枝閉塞や破裂の原因となるエントリーを含め人工血管に置換します。エントリーの位置により大動脈基部、上行、部分弓部、全弓部大動脈置換術が選択されます。 近年、全弓部置換術において遠位側の下行大動脈内に直視下でステント付き人工血管(オープンステントグラフト)を内挿する術式が急速に普及しました。この術式は人工血管の遠位側吻合(ふんごう)を従来法より手前で行うことができ、より安全に近位下行大動脈までのエントリーを閉鎖できるようになりました。また残存解離腔の真腔拡大・偽腔血栓化を惹起して将来の残存解離腔の拡大予防が期待されています(図3)。 急性B型大動脈解離の治療 重篤(じゅうとく)な続発症のない急性B型大動脈解離症例の死亡率は10%以下と低く、安静と降圧療法による保存的治療が選択され約3週間の入院で退院します。一方、重篤な続発症を有する症例では胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)によるエントリー閉鎖(+)大動脈分枝のステント留置や、開胸による人工血管置換が行われます。 保存的に治療された症例のうち将来の拡大が予想される症例は1年以内にステントグラフトによるエントリー閉鎖(preemptive TEVAR)が行われます(図4)。 慢性解離性大動脈瘤について 手術後のA型も、保存的治療後のB型も、解離が残った部分は徐々に拡大して数年から10数年の後に慢性解離性大動脈瘤(りゅう)になり、瘤径60ミリ以上が手術適応になります。人工血管の中枢が拡大すれば基部置換、末梢が拡大すれば弓部・下行・胸腹部置換術を行います。B型は広範な胸腹部瘤になることが多く、主に左開胸で下行置換や胸腹部置換が行われます。根治的治療ですが高齢者には手術侵襲(しんしゅう)が高いのが問題です。慢性解離に対しても拡大防止目的でTEVARが行われます。低侵襲ですが対症的で再治療率が高いのが問題です。 最後に 急性A型大動脈解離の手術件数は高齢者人口とともに増加していますが、救命率は向上しています(図5)。慢性期には患者さんのライフステージに応じた最適な治療法を検討します。(筑波メディカルセンター 心臓血管外科診療科長)

筑波大出身の東田旺洋選手、クミ2025アジア選手権出場へ

パリ五輪陸上男子100メートルに出場した筑波大学出身の東田旺洋(ひがしだ あきひろ)(29)選手=関彰商事所属=が、27~31日、韓国クミ市で開催される「クミ2025アジア陸上競技選手権大会」の日本代表に選出された。100m競技への出場が予定されている。 東田選手は、昨年8月3日に行われたパリ五輪で10秒19(追い風0・6メートル)の1組5着という結果で予選敗退となったが、スタート反応速度は0.129と、出場選手72人中1番のタイムという非凡な才能を見せた。昨年の日本選手権は2位、2019年のインカレ、国体は優勝している。 東田選手は「昨年のオリンピックに続き、今大会でも日本代表に選んでいただいた。韓国の地で走れることを光栄に思う。持ちタイム的には厳しい戦いになることが考えられるが、万全の準備を行い大会に臨む。目標は決勝の舞台で勝負すること。日本代表として恥じない走りをしたい」などとコメントを出している。 アジア選手権は、9月に東京・国立競技場で開催される「東京2025世界陸上競技選手権大会」の出場権獲得につながる重要な大会に位置付けられている。 東田選手は1995年奈良県で生まれ。 奈良市立一条高から筑波大、同大学院に進み、栃木県スポーツ協会を経て、関彰商事に入社した。関彰商事ではヒューマンケア部ウェルネスサポート課に所属し、仕事をしながらトレーニングに励んでいる。東田選手の記録は60メートル6秒59、100メートル10秒10、200メートル20秒60。(榎田智司) ➡東田選手の過去記事はこちら(24年7月10日付、同8月19日付)