金曜日, 10月 30, 2020
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【どう考える?免許返納】12 返納者同士助け合う術を模索 つくば市茎崎の住宅団地

【橋立多美】入居者が一斉に高齢化しているつくば市茎崎地区の住宅団地住民が、市中心部へ向かうコミュニティバス「つくバス」の発着時間に合わせ、高齢者を自宅からバス停まで送迎する術を模索している。免許を返納した高齢者が運転できる送迎車があれば、シニアボランティアが団地ぐるみで送迎を担えるのではないかというアイデアだ。 発案者は同市宝陽台に住む片岡三郎さん(76)。宝陽台は1978年に入居が始まった住宅団地で世帯数は約550世帯。入居から40年を経た今、夫婦だけの世帯か独居の高齢者が目立つ。65歳以上の高齢化率は同市で最も高い55%(4月1日現在)だ。 片岡さんは宝陽台自治会の街づくり委員として高齢者の交通アクセス問題に取り組んでいる。遠くの店や病院に行かざるを得ないのに、車しか手段がない。バス停までのスムーズな移動手段があれば、免許を返納した高齢者が引きこもりになるのを防げるのでは、と考えている。 団地内に牛久市のコミュニティバス「かっぱ号」のバス停が2カ所設置され、牛久駅までの足はある。しかし、市中心部に向かう「つくバス」のバス停までは距離があって高齢者には使いづらい。バス停から最も遠い街区だと、重い荷物を持った高齢者は10分近くかかるという。 考えた末の結論が「つくバス」の発着時間に合わせて自宅とバス停間に送迎車を走らせること。送迎車は運転免許がなくても運転できることが条件になる。今後、免許を返納する人がもっと増えても運行に支障がでないためだ。 情報を集める中で「グリーンスローモビリティ」と呼ばれる環境に配慮した移動手段を知った。ゴルフカートをベースとした電動車両で時速20キロ未満で公道を走り、乗員は4人以上。狭い路地も通行が可能で、国土交通省は公共交通から取り残された地域の新たなスタイルとして各地で実用化に向けた試験を進めている。 ところが、スローモビリティは免許保有者でなければ運転できないことが分かって断念した。現在は運転免許不要で歩道を通行できる1人乗り電動車両「シニアカー」(最高時速6キロ)を、2人乗りにできないかと思案する。「つくばには多くの研究機関がある。望みを託してみたい」と話す。 市や警察は着想に否定的 片岡さんは宝陽台独自の交通システムを考え始めてから市高齢福祉課やつくば中央警察署交通課に相談に行った。着想に否定的で、警察署では自動運転車を紹介された。「自動運転車の普及は2020年代以降。今の高齢者には間に合わない」と不満を募らせる。 また「移動する方法はゼロではないが、さまざまな規制があって自由度が低い」という。一例が「つくタク」だ。移動範囲が決められ1時間単位の予約で時間が読めないことから「行きはいいが帰りが怖い」と指摘する。 片岡さんは「誰もが余生は自由に送りたいと思うもの。好きな時に外出できるよう送迎を実現させたい。突破口は免許を返納した人が運転可能な車。諦めることなく模索していく」と揺るがない。(免許返納シリーズ 終わり) ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】11 急発進抑制装置 県交通安全協会が補助を開始

【鈴木宏子】高齢ドライバーによる交通事故が社会問題となり、東京都がブレーキとアクセルの踏み間違いによる急加速(急発進)抑制装置の9割補助を発表したことをきっかけに、踏み間違い事故を防ぐ後付けの装置が注目され始めた。 茨城県内でも9月1日から、県交通安全協会が後付けの急発進抑制装置の取り付け補助を開始した。県内在住の70歳以上の高齢者を対象に、取り付け費用の一部(同協会会員は1万円、非会員も2000円)を補助する。各警察署にある地区協会の窓口に、免許証や車検証、領収書などのコピーを添付して申請すれば、窓口で補助を受けることができる。同協会によるとスタートからほぼ半月の18日時点で、県全体で23人がこの制度を活用して装置を取り付けた。 踏み間違い 高齢になるにつれ増加 ブレーキとアクセルの踏み間違い事故は、高齢になるにつれて起こる割合が高くなり、さらに駐車場などで発生しやすいのが特徴だ。交通事故総合分析センターの交通事故分析レポート(2018年2月発行)によると、駐車場内では周囲の歩行者や他の車の動きに注意しながらハンドル操作やアクセルとブレーキの操作をする回数が増えるため、慌てたりパニックになってミスをしてしまうという。さらに体の柔軟性が低下している高齢者は、車をバックさせる際に上半身を後方にひねると、足先の位置がずれ、踏み間違いにつながってしまうのだという。 急発進抑制装置は、停止しているときや低速で走行しているときに、アクセルを強く踏み込んだ際の信号を検知し電気的にエンジン出力を制御する製品などがあり、3万円程度で取り付けできる装置もある。国交省は警報が鳴っても踏み続けると機能が解除されるとして装置の性能を理解するよう呼び掛けている。 「取り付け頼まれたことはない」 ただし現時点でつくば市周辺ではまだ普及していないようだ。同市上郷の自動車整備工場「柴原モータース」の柴原正妃さんによると「これまでお客さんとの会話の中で、高齢者の事故やブレーキとアクセルの踏み間違いなどが話題に上ることはあっても、後付け装置の取り付けを実際に頼まれたことはない」と話す。 同市若栗の自動車整備・塗装「CARドック進」も「装置についてお客様から質問されたことはなく取り付け経験もない」とする。「シニア運転手は、今乗っている車で終わりにするという人が大半で、近場での買い物と通院しか乗らないからか、保険は無駄を省いて安く設定したり、走行距離も総じて短くなっているためではないか」と推測している。 新車はシステムを標準装備 一方、新車の安全運転支援システムはここ数年、格段に進化している。自動車メーカーの販売店「ホンダカーズ茨城南」つくば花室店の広瀬裕一さんによると、現在発売されている新車は、軽自動車も含め安全運転支援システムが標準装置されている。ブレーキとアクセルの踏み間違いによる急発進を抑制する装置はもちろん、カメラとレーダーを車の前と後ろに搭載し、人や車の動き、物や建物、道路の状況などを監視する。人や車に衝突する恐れがあると自動でブレーキをかけたり、歩行者が前にいるのを発見するとハンドルを切って衝突を避けるなど10の安全機能を備える。安全運転支援システムのフル装備費用は10~15万円くらい。広瀬さんは「システムの能力には限界があり過信しないでほしい」と強調するが、3年くらい前から徐々に機能が向上してきたと話す。 自動車整備工場の柴原正妃さんは「メーカーのシステムは急発進抑制装置のほかにカメラとレーダーも付いている。メーカーの車は周りに人や車がいて物があることを想定しているのに対し、急発進抑制装置はペダルの踏み間違いを想定しているだけ。標準装備でカメラやレーダ―が付いた車と、後付けで装置を取り付けるのと、どっちが安心かとお客さんに問われれば、メーカーの標準装備の車の方が安心と答える」とし、「お客さんから依頼されれば取り付けるが、いろいろ情報を集めて、間違いないものを取り付けたい」と話す。 ➡どう考える?免許返納の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】10 運転手不足に拍車がかかる つくばの移送サービス

【橋立多美】公共交通を利用できない移動困難者のために外出支援をしている、つくば市の移送サービスの高齢ドライバーが送迎活動を休止したいと申し出ている。近頃の「高齢者は免許返納すべき」という風潮の影響と見られる。高齢化時代のサービスとして期待され、需要が伸びているだけに関係者に不安が広がる。 同市を中心に、正月三が日を除くほぼ毎日、外出が難しい高齢者や障害者を有償ボランティアがマイカーで送迎するNPO法人「友の会たすけあい」(同市下岩崎)。茎崎町時代に発足、活動は22年になる。国土交通省が認めた福祉有償運送で、市の依頼を受けている。 「たすけあい」は、登録した利用会員からの電話を茎崎高齢者交流センター内の事務局で受け、その居住地や行き先に応じ協力会員(運転ボランティア)を決める。利用は通院や買い物、墓参りなどさまざまで、費用はタクシーの半額程度と格安。昨年1年間で延べ3380人を移送した。 免許返納の広がりを受け、ボランティア会員17人のうち、75歳を過ぎた3人が送迎活動を止めて電話の受付を希望するようになった。無事故で利用会員からの苦情はないが、「利用者が高齢ドライバーの自分の運転を不安に思うのではないか」の思いがこうした状況を生んでいるそうだ。 運転は75歳までのルール ボランティア会員は定年退職後に活動を始めた人たちだ。佐藤文信理事長は「ボランティア会員の運転は75歳までというルールはあるが、定年後も働き続ける人が増えて運転者が足りず、地域に詳しいベテラン3人に頼らざるを得ない状況が続いてきた」と話す。 申し出を受け入れ、3人の活動は近距離のルートだけに絞り乗車回数も減らしている。これからはボランティア会員を75歳以下にしたい考えだが、佐藤さんは利用会員からの予約を断るケースが出てくるかも知れないとした上で、「今年度の移送は延べ3500人を見込んでいるが乗り切れるかどうか…」と思案する。 移動困難者を支えるボランティアの前に立ちはだかる年齢の壁。その一方で、地区内では高齢化が進行して車を手放す人が増えるなど利用増加が予想される。132人の利用会員中、最近利用会員になった4人は要支援になって免許を返納し、マイカーを処分したためだという。 運転手不足は全国の福祉移送サービス事業者共通の課題だ。取手市のNPO法人「活きる」はボランティア不足で需要に応えきれず、昨年は利用会員の新規登録を中断した。今年は困っている障害者や高齢者を捨て置けないがすべてを受け入れられないと、新規登録を制限する一方、運転ボランティアの活動年齢を75歳から80歳に引き上げた。 佐藤さんは「長く働きたい人が増えてボランティアのなり手がいない今、高齢者に免許返納を迫る風潮が重なった」と現状を憂う。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】9 うつや閉じこもりの可能性大 運転やめた高齢者

【橋立多美】高齢ドライバーが引き起こす悲惨な事故による運転免許返納の動きのなかで、語られていない側面がある。それは「免許返納に伴う高齢者の健康リスク」だ。東京医大霞ケ浦病院内科医長を経てつくば市倉掛に開院し、在宅医療を担ったことで高齢者の心身の変化に詳しい室生勝さん(NEWSつくばコラムリスト)がいう。 マイカーで移動できる楽しさを甘受した現在の高齢者にとって、自家用車は通勤、買い物、通院、レジャーなどの日常生活に欠かせないツール(道具、手段)だった。 75歳以上の後期高齢者になって身体機能が衰えてきても、運転に不都合を感じないまま乗ってきた。しかし身体機能、特に危険を察知したときの手足の動きは鈍くなっており、さらに驚きと精神的動揺から運転を誤り暴走したり道路から逸脱してしまう。 また、軽度の認知症では信号や交通標識(右折禁止、一方通行など)の見落としが事故につながる。そして道路脇の建造物の破損のみならず通行人にも危害を与えることになる。ところが、多くの高齢者は自分はそのような事故を起こさないと自信とまでもいかないが強い気持ちを持っている。 子どもたちから運転免許証の返上を迫られ、家長としてのプライドが傷つき、生きがいを失った高齢者もいる。高齢者のみの世帯の人は車がない生活を考えただけで生きていく気力が無くなってしまうのではないか。 配偶者や家族、ペットとの死別、故郷との訣別(知らない土地へ移り住んだ場合)などの喪失体験はうつ状態になりやすい。高齢者にとって運転免許証の返納は大きな喪失体験となる。 うつ状態にならなくても車を運転できなくなれば外出は少なくなり、閉じこもり状態になりやすく、地域から孤立してしまう。うつ状態や閉じこもりは運動不足や食欲不振の引き金となり、下肢筋力は低下し転倒しやすくなり、転倒すれば骨折して寝たきりになることもある。 交流に誘うのは早いほど望ましい 軽度認知機能障害の人が返納を契機に認知症に進む場合もある。区会・自治会や互助活動、見守り活動に関わる人たちは運転免許証を返納した、あるいは自家用車を運転しなくなった高齢者に気づいたら、買い物や高齢者が集うサロンに誘うなど交流することが望ましい。早ければ早いほど、閉じこもりやうつ状態から脱することができる。 市は今夏、市内を舞台に、AIを活用して新たな移動手段を目指すとして国土交通省のモデル事業に選ばれた。その技術を生かし、免許返納後も高齢者の活動が維持できる交通システムの整備も急ぐべきだ。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】8 公共交通「利用者減ったが公平性高まった」

【鈴木宏子】公共交通の充実を求める声は多い。2年に1度実施しているつくば市の市民意向調査では、市の現状やまちづくりへの取り組みについて、公共交通に対する不満の割合が最も高く、2017年の調査では「不満」または「どちらかといえば不満」と答えた割合は54.9%を占めた。公共交通はどうあるべきなのか。 同市では今年4月から、公共交通政策の大幅な改編が実施された。同市は2011年度にコミュニティーバス「つくバス」の運行を、きめ細かく集落を回る循環型から、駅と地域の拠点を結ぶ直行型に変更してシャトル便を導入し、利用者数を増やしてきた。 8年ぶりとなる今回の大改編の柱は、▽バス停の間隔を従来の平均約1.3㌔間隔から1㌔間隔程度に短くして停留所の数を111カ所から223カ所に2倍に増やした▽これまでバス路線がなかった市西部にバスを運行するなど路線を7路線から9路線に増やし、走行総延長距離も149キロから205キロと1.4倍に増やした(ただし運行便数は334便から15%減り283便)▽高齢化率が高い茎崎地区と筑波地区では、3年間の実証実験として、路線バスの運賃補てんとワゴン車を使った支線型バスの運行をスタートさせた―などだ=1月18日付。 改編により、同市の公共交通にかける予算は、つくバスとデマンド型タクシー「つくタク」を含め、これまでの約3億8700万円(2018年度当初)から約5億6600万円(19年度当初)と約1.5倍に増えた。 利用者5%減少 改編後、利用実績はどう変わったのか=6月23日付。8月19日開かれた市議会道路・公共交通体系及びTX沿線整備調査特別委員会(木村修寿委員長)に、4~6月の3カ月間の実績が報告された。バス停が近く、きめ細かくなり、利便性が高まったはずのつくバスの利用者は、前年同期と比べ5%減少したことが分かった。 つくバスは、11年度の改編時は年間61万9000人の利用者だったが、循環型から直行型に変更するなどして、17年度は年間103万8000万人と利用者を1.6倍に増やしてきた。今回の改編はスタートしてまだ3カ月で分析などはこれからだが、人口も高齢者数も増加している同市にあって、利用者が5%減った。 最も利用者が減ったのがみどりの駅から谷田部地区を回って茎崎地区を走る「自由ケ丘シャトル」で25%減、次いで、つくば駅から金田、テクノパーク桜を通り小田、北条地区を走る「小田シャトル」が23%減と利用者を2割以上も減らした。ルートが変わらず前年度と比較可能な5路線のうち利用者が増えたのはつくば駅から松代、谷田部、茎崎を結ぶ「南部シャトル」だけだった。 利用者数の減少に対し、市は同特別委に「延べ利用者は減少したもののバス停圏域カバー人口が増加したことから、つくバスを利用できる機会が広まり、バスの公共性、公平性は一層高まった」という見解を示した。 外出が難しい高齢者や障害者をボランティアが送迎するNPO法人「友の会たすけあい」(つくば市下岩崎)の理事長、佐藤文信さんは「高齢者の多くが『運転本数を減らしてもいいから、家に近い場所に停留所がほしい』と言っている。巡回型の運行を望む住民もいる」と話す。 自治会挙げて利用呼び掛け 一方、周辺地区で始まった茎崎地区の路線バス運賃補てん事業の3カ月間の利用者実績は、1日平均217人と想定の1.4倍と上々の滑り出しとなった。これに対し、筑波地区の支線型バスの利用者は1日平均15.6人と振るわず、明暗を分けている。 市内で最も高齢化率が高い茎崎地区では、自治会を挙げて路線バス運賃補てん事業の利用を呼び掛けている。その一つ、森の里自治会長の倉本茂樹さん(77)は「森の里は年を追うごとに高齢化が進んでいるのでバスが頼りになる。住民の免許返納後の生活の足を確保、維持していかなければならない。そのためにも実証実験でいい結果が出るよう、多くの住民に路線バスを利用してほしい」と、利用する側の意識を強調する。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】7 高齢者の暴走事故翌日、県内の返納率2.3倍に

【橋立多美】全国で高齢ドライバーによる交通事故が後を絶たない。今月2日には、つくば市桜のスーパーに市内に住む73歳の女性が運転する軽自動車が突っ込んで女性店員が軽傷を負った。アクセルとブレーキを踏み間違えた可能性があるという。高齢者の運転操作ミスや暴走事故などの報道をきっかけに、県内では高齢者の自主返納者数が増加している。 県警運転免許センターによると、75歳以上の高齢ドライバーの自主返納者は年齢別統計を取り始めた2015年の3871人(全体4105人)から増加の一途をたどり、昨年には7627人(同7842人)と8000人に迫った。 今年4月19日、東京・東池袋で87歳の男性が運転する乗用車が暴走して母子2人が死亡、10人が重軽傷を負った翌日、県内の返納者は80人に上った。1日当たりの返納者数は平均35人程度で、その2.3倍に当たる人が返納した。事故の影響を受けたと同センターは見ている。 ただし全国的に見ると県内の返納は多いとはいえない。警察庁の18年度運転免許統計によると、県内の75歳以上の免許返納率は3.7%で高知の3.8%に次いで2番目に低い。返納率の高さの上位を占めるのは東京(8.0%)と大阪(7.3%)で、公共交通網の発達の違いが返納率に反比例していることが見て取れる。 つくば市「特典増やし2倍のペース」に 電車やバスなどの公共交通機関が乏しい地域の高齢者にとって、買い物や通院などの移動手段を失うことが免許返納の壁になっている。その対策が公共交通を利用する際の優遇制度だ。 県は、自主返納した高齢者が協賛店から商品の割引などさまざまな特典サービスを受けることができる「高齢運転者運転免許自主返納サポート事業」を2018年3月から開始した。 つくば市は09年から65歳以上の自主返納者にコミュニティバス「つくバス」や乗り合いタクシー「つくタク」などの乗車券の助成を、土浦市は15年から「のりあいタクシー土浦」の年会費助成を行っているが、両市とも返納後1回限りの「特典」で、継続的な支援態勢は手薄なのが実情だ。 一方、1回限りとはいえつくば市は今年4月から返納者への特典を4種類に増やした。従来のつくバスとつくタクの乗車券に加え、新たに路線バス「関東鉄道」の乗車券と交通系ICカード「PASMO」を加え、4つの中から選べるようにした。その結果、昨年1年間の自主返納者は255人だったのに対し、今年は8月末までで194人と昨年の2倍のペースで増えた。市防犯交通安全課は「特典の選択肢を増やしたことで自主返納率が高まった」としている。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】6 ツイッターで意見交換㊦

【戸田さつき】免許返納をテーマに、特集を組んできたNEWSつくばは、ツイッターでアンケートを実施した。 2回目のアンケートのタイトルは、免許返納後の交通手段。返納後はバス、電車など公共交通機関を使用するが39%、タクシーが23%、家族のサポートが23%、その他15%となった。3回目のアンケートでは、2回目を踏まえ、公共交通機関への満足度を取り上げた。 アンケートの回答を「満足」「不満足」「廃線している」「わからない」の4択としたうち、「満足」と答えたのは12%にとどまる。 つまり、前回のまとめにあった「免許返納しやすい街づくり」として、このエリアは不十分であるということが浮き彫りになった。 これまでの記事で紹介した、バスや電車を利用しているNEWSつくばの橋立記者やM Nathalie / えむなたさんは、バスがあるエリアに転居している。 ツイッターで寄せられた意見をここに紹介する。免許返納率の向上のために、公共交通網を使用したくなる施策が必要なのではという意見だ。本人の希望により、ツイッターアカウントを匿名とする。 ・「バスを使う方が得だ」と思わせるようなインセンティブの効いた施策を考えた方がいいのではないかと思う。 例えば、駐車場が無料でバスが有料だったら、どっちを使うと思いますか?とか。 「バスの本数が少ないからバスを使わない」というのは体のいい言い訳な気がする。※意見には個人差があります。(本文まま) ・イーアスで聞いてごらんよ。「交通手段は何で来ましたか?」って。圧倒的に車でしょう。 ・そもそも、バスセンターの目の前にある百貨店が潰れ、ショッピングモール内の店舗が次々と撤退している。 百貨店だった部分を市が買収しようとしたら「立体駐車場の区画が狭いから使わない」という声があがり、市は「立体駐車場は改良工事をします!」とアピール。 なんだろう、このコレジャナイ感。 買い物にしても、公共施設にしても、公共交通機関を使う視点が欠けている。ないわけではないが、亜流扱い。 事実、警察署はまもなく車でしか行けないような場所に移転される。 免許返納するために車で行くなんてシュールだ。(※警察署はバス路線がある場所にあると、のちに訂正) ショッピングモールとの連携により免許返納率の向上も見込めそうという意見もある。 また、なぜこのエリアがマイカー依存になってしまったのか、その背景に迫ったほうがいいので は? と言及するのはNAKAJIさん。 マイカーのような「便利」を基準としての「不便」だと、行動の自由度の低い公共交通はどうやったって「不便」です。「便利」「不便」という軸では無く、「生活のために必要な最低限の水準はどこか」という観点からでないと、要求要望は際限なくなってしまうように思います。 — NAKAJI (@NKJ_K) August 30, 2019 まぁそうなのですが、そこに至った過程の違いにも目を向ける必要があると思います。 集落のように元々居住されていた地域から施設やバスが無くなりマイカー依存になった場合と、マイカー利用を前提に自分で郊外に住まうことを選択したという場合を同じ者として捉えてよいのかな?とは思います。 — NAKAJI (@NKJ_K) August 30, 2019 背景が異なれば、ニーズも異なってくる。とはいえ、いずれにも施策は必要だ。市民が自ら公共交通機関を利用したくなる環境作りは必須と考えられる。前回紹介したTakashi IRINATSUさんが提言した「市民の明日が見えるまち」にするには、市民自らが声を高らかに挙げ、街を変えていく意識が必要になのだろう。 次回からは、免許返納を取り巻く現状の課題をテーマに第2部へ突入する。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】5 ツイッターで意見交換㊤

【戸田さつき】令和初の「敬老の日」を前に12日から、NEWSつくばは「免許返納」をテーマに特集を始めた。 読者の意見を直接聞こうと8月、ツイッターでアンケートを3回実施し意見を募った。 1回目は「免許返納に賛成か反対か」、2回目は「代用する交通手段」、最後に2回目の結果を踏まえ「公共交通機関に対して」聞いた。 「免許返納に賛成か反対か」は70%が賛成。反対が4%、どちらでもないが26パーセント。反対が4%しかないのは、事故報道の影響か、それともツイッターのアンケートに答えた人の属性の特徴なのか。NEWSつくばのツイッターのフォロワーは、読者分析から79%が男性だが、年齢層は不詳である。最近では、シニア層にもスマートフォンが普及され始め、SNSは若者の特権とは言いきれないが、シニアの子ども世代の意見が反映されているのかもしれない。今回は、免許返納に賛成するM Nathalie / えむなたさん、Takashi IRINATSUさんから寄せられた意見を紹介する。   (シニアにおける体験談、とは少し違うかもしれないけれど) 私自身が敢えてこの茨城でペーパー状態で生活し、いつか返納を考えています。 公共交通機関をいかに活用できるか……ですね。あとは車を持つ非シニア家族の協力かな。 — M Nathalie / えむなた (@mnathalie1972) August 14, 2019 私の場合は世帯で車二台だったのを一台に減らしたので 休日は家人の車で買い出しに行ったり、住む場所をスーパー等の近くにしたりしています。 ひとりで出掛ける時はバスと電車を活用しています。 ペーパー歴は数年位でしょうか。家人を隣に乗せての運転は可能です。 不便はありますが許容範囲です。 — M Nathalie / えむなた (@mnathalie1972) August 21, 2019 (お返事遅れました<(_ _)>) 車があれば、確かに色々な場所へ行けますが、交通事故の加害者になる可能性も高いですよね。 現に私自身、不本意ながら、自転車高校生相手に10対0にさせられましたし。 少なくとも徒歩なら、加害者になることがない。これ、とてもとても気楽なんですよね。 —...

【どう考える?免許返納】4 もう年だからにノー 運転は死活問題

【橋立多美】「高齢者は運転免許を返納すべき」の風潮はおかしいと話す人がいる。自家用車に頼らざるを得ない地域の高齢者は、返納したら生活が成り立たなくなると訴える人もいる。切実な声や地域の状況に耳を傾けた。 高齢者をひとくくりにした自主返納の動きに「待った」をかけるのは、つくば市南部に位置する住宅団地あしび野に住む稲川誠一さん(75)。茎崎地区民生委員の傍ら「通学路の安全を守る会」の代表で、市立茎崎第二小学校に通学する児童たちの登下校を見守っている。 「運転能力は年齢差ではなく個人差だと思う。そこに目を向けず、もう年だから返納したほうがいいという動きや、75歳以上の高齢者を対象にした認知機能検査で片づけようとするのは納得がいかない。実際の運転技能で判断してもらいたい」 同会の会員で富士見台在住の中村房好さん(67)は「認知機能検査の効果はどうなのか。認知症になった高齢者が免許を返納したことを忘れて無免許で運転したり、車で徘徊(はいかい)する例もあると聞く」と疑問をぶつけた。 自転車切り替えにもリスク 井上文治さん(70)も富士見台在住の会員。井上さんは「牛久沼に突き出た稲敷台地に広がる富士見台やあしび野には、これまでバスが走っていなかった。市の新規路線バス実証実験で4月から1日8便が牛久駅まで運行しているが、実証実験が終わる3年後は分からない」と不安げ。「この辺りでは体を壊さなければ80歳を過ぎても運転するのは珍しくない。自主返納は公共交通が充実している都市部の場合で、代わりとなる生活の足のない地域の高齢者は車がなかったらどうやって生きていけばいいのか」と話した。 交通事故を心配する息子や娘に「買い物は一緒に行くから」と返納を促されるケースが多くなったと稲川さんは言う。しかし返納後は若い世代だけで出かけて高齢者は取り残される。それを予測するのか、かたくなに免許を手放さない人がいるとも。 稲川さんの気がかりは移動手段を自転車に切り替えた人だ。バランスを崩しやすく、側溝に落ちてけがをした人が少なからずいる。同地区細見の70歳の男性は「家族は本人のために免許返納と言うが、替わりの自転車はフラフラして車の運転より危ない。転倒して下手すりゃ骨折して寝たきりになる」。 ◇ ◇ ◇ 県内の交通事故死者数は2018年 122人で、前年から21人減じた。うち65歳以上の高齢者が65人(前年80人)で、死者全体の過半数を占める。内訳は歩行者が最も多く44%の29人(横断が19人、その他が10人)、前年は36人(横断中27人)だった。次いで四輪車運転18人(前年19人)、自転車11人(同13人)、四輪車同乗4人(同8人)、二輪車運転3人(同3人)の順で推移した(県警「いばらきの交通事故」2017年版・18年版)。 歩いての道路横断や、気軽に乗れる自転車にも事故の危険やリスクは潜んでいる。県警はドライバーに高齢者の自転車利用者を見かけたら、思わぬ動きに対応できる速度で走行するよう呼び掛けている。 つくば中央警察署交通課によれば、市内で65歳以上の高齢者による自転車事故は一昨年10件、昨年は14件、今年は7月末までで6件。死亡事故はゼロで件数は増えていないが、免許返納に合わせて増加する懸念はあるという。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】3 同乗させない、遠方に行かない…土浦の母がルール作り

【戸田さつき】今年4月、東京・東池袋で起きた高齢者の多重衝突事故から、「高齢者は運転免許返納を」と機運が一気に高まった。車社会であるつくば、土浦エリアの住民にとって、代替の公共交通や支援など問題は山積している。 シニア世代を親に持つ子ども世代の私(40)は、不安に駆られ「家族への説得」を試みた。その中で、私の母(76)が取り組んできた「運転のルールづくりと暮らし方」を事例として紹介したい。 母は土浦市で1人暮らし。最寄りのバス停は約2キロ先で、たどり着くまで長い坂道がある。スーパーやドラッグストアがあるのはバス路線がない場所で3キロ先である。公共交通機関を活用して生活必需品の買い出しは難しい。 こうした環境の中で母の免許返納は可能なのだろうか?と思いながらも、池袋の事故後、母に免許返納の話を持ち掛けた。 まず母から、家族同士の確執が話題に上った。母の友人らは、子供たちから免許返納を迫られるも、代わりの交通手段がなく、けんかになってしまうのだという。母の友人には免許返納を決意した友人もいたが「タクシー代分の生活費を援助する」と言われたケースだったという。結局は子供のサポートや財力が鍵という話の流れになり、娘の私は言葉に詰まる。 私は、12キロ離れた阿見町に住んでいる。母も私も引っ越しは難しい。仕事があるから週に1度、会いに行くのが限界である。日々、母の足代わりになることはできない。 そこで免許返納に向けて少しずつ暮らし方を考えてみてはどうかと母に提案した。今すぐ免許返納はできなくても、周囲の人を巻き込まない工夫はできる。 理由を説明し周囲も理解 しばらくして、母から返ってきた答えの一つが「自分以外を同乗させない」だ。これまでは友人や姉妹たちを車に同乗させて、買い物や食事に行っていた。周囲からも頼りにされていたのだろう。しかし、事故のニュースを受けて、もし運転トラブルを起こしてしまったとき、巻き込んではいけないと思うようになったという。周囲に誤解を招かないように母は、友人らの家族と一緒に、もう車に乗せてあげられない理由を説明する機会を設けた。同乗すれば、おしゃべりに花が咲くが、一人なら運転に集中できるメリットもある。安全運転のためでもあると周囲は理解してくれた。 もう一つ、母が考えたルールが、遠方や初めて行く場所は自分の運転では行かないというもの。これまでは運転が趣味と言わんばかりに30キロ以上離れた野菜直売所まで買い物に行っていた。今は、片道10キロまでにおさめている。どうしてもそれより遠い場所に行きたいときは、事前に娘である私に相談すると母は決めたそうだ。最近、「連れてってほしい」という私へのリクエストが増えている。疲れている時間帯は運転をしないというルールも母はつくった。午前中のうちに用事を済ませ、午後は疲れを癒すようにしている。 母と話してみて、運転の不安を抱えているのは、運転する本人であることに気づいた。「免許返納を」と頭ごなしに説得しようとしていたことが申し訳なく思えた。 母にとって、マイカーを失う不安は生活の糧を失う不安と同意義であった。どうやったら運転の頻度や距離を段階的に縮めていくかを一緒に考えて行くことが、高齢者にとって必要なことなのではなかろうか。しばらくは車に運転補助のパーツを取り付け、母の主治医に健康相談したり意見を聞きながら、母のマイカーライフを見守りたい。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】2 家族の運転に依存する生活にストレス つくばの返納者

【橋立多美】現在の高齢者は自動車が大衆化し、遊びや買い物にマイカーの恩恵を受けてきた世代。それを絶たれると生活はどうなるか。返納した当事者たちに話を聞いた。 つくば市茎崎地区の森の里は住民の約半数を高齢者が占め、最近は自宅の駐車スペースに車がない家が多くなったという。 森の里の福本稔さん(81)は今年1月15日に運転免許を返納した。80歳になった頃から視野が狭くなったと感じたり、よく知っている道でも迷うようになった。運転に不安を覚えるようになり、5歳年下の妻の「80歳過ぎたし、そろそろ運転は止めたら」の言葉が背中を押した。 琴の講師の妻は指導のために車を運転し、買い物などに不便はない。夫の稔さんに進言したように「今はまだぼんやりだけど、私も80歳で運転免許を返納すると思う」と話す。「森の里は牛久駅とつくばセンター行きのバスはあるし、生活するには困らない」とも。 楽しみが一つ減った レストランや映画館が併設されたショッピングモールに行けなくなったと話すのは同団地の村上琢磨さん(83)。一時停止違反をきっかけに昨年4月免許を返納して車を手放した。 高齢ドライバーによる悲惨な事故のニュースを見て「自分はいつまで運転できるか」と迷っていた時期に、取り締まりを受けて反則金を払った。いつも交通ルールを守っていただけにショックを受け、気持ちの整理がついたという。 「(自宅近くに)スーパーの移動販売車が来るし市内に住む息子が食材を届けてくれる。妻の通院は路線バスで牛久駅まで行き、駅から病院の巡回バスを利用している」。そして「困ってはいないが」と前置きした上で「運転していた頃はドア・ツー・ドアでショッピングモールに行ったが、今はバスを乗り継ぐしかない。楽しみが1つなくなった」と村上さんは話した。 夫の都合に左右 判断力が鈍りこのまま運転を続けては危険だと、2年前に自主返納した76歳の女性は、夫の運転に依存する生活にストレスを抱えることになった。 外出は2歳上の夫が運転するマイカーを当てにしていたが、あらかじめ約束を取り付けておいても夫の都合で左右される。夫は交友関係が広く不意に訪問客があれば時間が押され、「今日は無理、明日だ」とキャンセルされることも少なくない。 次第に買いだめするようになり、冷凍室は肉と魚のストックで常にパンパン。洋服選びは「まだかい」と催促されてゆっくり楽しむ時間はない。腰痛対策のプール通いも足が遠のいた。 便利さと事故を起こすかもという不安をはかりにかけ、人様を傷つけるほうが重いと判断したから仕方ないと言いつつ、「返さなきゃ良かったと思う時がある」と漏らす。 ➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら

【どう考える?免許返納】1 返納した私 つくば市内で引っ越し 不便さ実感しつつ安堵

【橋立多美】NEWSつくば記者の私は2017年12月、68歳で車を手放した。記者にとって取材は原稿書きの根幹で、車は取材と生活に欠かせぬ大切な足だが、60代の半ばから運転中にヒヤッとすることが多くなった。 ある日、スーパーに入ろうと走行する道路を左折して駐車場に乗り入れようとした時、左手から来ていた自転車を見落とし衝突寸前で急ブレーキを踏んだ。幸い自転車に乗っていた女子中学生にけがはなかった。 運転に必要な判断力と反射神経の衰えを自覚するようになったことで自主返納を考え始めた。返納したら仕事と日々の生活に影響が出るが、受け入れるという覚悟もできた。少しでも暮らしをカバーできるよう路線バスの停留所に近いつくば市内の住宅地に引っ越し、仕事も区切りをつけようと思った。 計画通りに引っ越しを終えて車を手放したが、やり残した仕事にケリをつけて退くつもりが未練がましく今も取材を続けている。移動手段はバスと自らの足だ。 そもそも私は車の運転が好きでも、得意でもなかった。ではなぜ運転したかと問われれば、2人の子どもとの生活の糧を稼ぐために必要だったからだ。大黒柱の私が交通事故を起こしたら、金銭的に窮地に追い込まれるという思いをずっと抱いていた。 子ども2人は独立し、私なりに親の役目は果たした。公共交通網が十分でない地方では自主返納になかなか踏み切れないが、すんなり返納できたのは、安全運転への重責から解放されたいという意識が働いたと今になって思う。 月3万円が5000円に 車を手放して良かったと思う事が2つある。1つは歩行スピードが速まったこと。ハンドルを握らなくなった直後、街中で私より年上の女性に先を越されてショックを受けた。それからは歩行姿勢に注意して歩く距離を伸ばすことを心掛けている。私の場合、車に乗り続けていたら歩行機能の衰えはもっと進んでいた可能性が高い。 もう1つが車の維持費がかからなくなったことだ。車に乗っていた頃は車検費用や保険、税金、駐車場代、ガソリン代などで年間約36万円。月割りすると約3万円かかっていた。 今は行き先によって路線バスか市のコミュニティバス「つくバス」を利用。つくバスは高齢者運賃割引証の提示で運賃が半額になる制度を活用している。交通系ICカードに月5000円チャージすれば事足りている。 良いことばかりではない。公共交通が市内全域を網羅できるはずもなく、おのずと行動範囲が狭くなった上に取材に時間がかかる。「老い」に伴う不便さを実感しつつ、交通事故の加害者にはならないことに安堵(あんど)しながら毎日を送っている。 ◇   ◇   ◇ NEWSつくば編集部は8月「あなたはどう考える? 高齢ドライバーの免許返納」と題して、シニアの運転免許証の自主返納についてツイッターなどで読者の皆さんの意見を募集しました=8月9日付。 自主返納については世論が分れるところですが、当事者や老親の運転に不安を持つ娘や息子などの思いを我が身に引き寄せて考えてみよう―という企画です。 ツイッターで募集した免許返納に対する意識の集計と、加齢に伴う身体機能の変化を自覚して免許を返納した人、返納することによるリスク、暴走事故を未然に防ぐための装置の研究など、つくば・土浦エリアの高齢ドライバーを取り巻く状況をシリーズで報告します。

無料 買い物送迎バスを運行 ジョイフル本田 土浦市全域を21日から巡回

【鈴木宏子】交通弱者や高齢者の免許返納が社会問題になる中、大型ホームセンター、ジョイフル本田(本社土浦市、細谷武俊社長)は21日から土浦市全域で、同荒川沖店(同市北荒川沖町)の買い物送迎バス「じょいふる号」の運行を開始する。無料で利用できる。 同市在住の60歳以上の高齢者が対象。市内に52カ所の専用バス停を設け、各地区を週2回巡回する。同店で1時間半か2時間、買い物ができる。 15日記者発表した細谷社長は「高齢者がタクシーで来店し、タクシーを待たせたまま買い物している場面を1度ならず2度見た。平日は家族が働いているので同居しているおばあさんは休日しか買い物に行けないという話を社員から聞いた」と話し、「荒川沖店は1976年に第1号店としてオープンし現在店舗面積は30倍になった。43年間育てていただいたお客様に何かお役に立てないか、恩返しをさせていただきたい」と運行の理由を説明した。 運行に協力する市社会福祉協議会会長の中川清市長は「空き家、空き店舗、それに伴うバス路線の減少が顕在化している。無料買い物バスの運行は、福祉と産業の領域を超えてつながった時宜を得た社会貢献。順調に発展することで高齢者の免許返納のきっかけにつながるのでは」などと意義を語った。 カラオケセットも装備へ バスは27人乗りのマイクロバス。1台が月曜から土曜日まで週6日、午前と午後、市内6地区を回る。住民は地区ごとにそれぞれ週2回利用できる。バス停は設置しないが、市社協が交流会や食事会などを開催する際、送迎バスの乗降場所としている箇所を専用バス停とする。ペットもケージに入れれば同伴できる。片道利用や途中下車はできない。 利用者にはポイントサービス「Tポイント」を通常の買い物の3倍進呈する。さらに近々、車内にカラオケセットを装備して、行き帰りの中で楽しく過ごしながらコミュニティを育んでもらえるようにする。 3カ月間を試験運行期間とし、利用者の要望などを聞いて、運行コースやバス停、運行台数などを見直す。1便10人前後、1日平均20人程度の利用を想定している。 同店は今年8月から、65歳以上の市内在住者に、買い物金額に応じて乗り合いタクシーの利用割引券を提供している。無料買い物送迎バスの運行は、第2弾の高齢者の買い物支援となる。 一方、同市内では昨年11月から、12の高齢者福祉施設が送迎バスの空き時間を利用して、交通手段が乏しく買い物が困難な高齢者を対象に月1回、地域のスーパーに無料で送迎する「買い物支援サービス」を実施しており、現在28人が利用している。市社協によるとジョイフル本田のバス運行は市内で2例目になるという。 ➡高齢者の買い物支援の過去記事はこちら ➡高齢者の免許返納の過去記事はこちら

《吾妻カガミ》37 わがまま高速道・鉄道インフラ論

【コラム・坂本栄】県内を縦と横に走る高速道にはお世話になっています。会合で水戸へ行くときには常磐道-北関東道を使えば1時間かかりませんし、講義で日立へ行くときには常磐道で1時間強。また、圏央道開通で孫たちが住む埼玉県へも1時間強で行けるようになりました。以前の常磐道-外環道-東北道(逆台形の3辺)ルートに比べると、1辺経由で行けますから大幅に短縮されました。 高速を走るにあたっては車載ITにお世話になっています。今はスバルのSUVに乗っていますが、「アイサイト」という半自動運転装置を使うと、高速道でアクセルとブレーキを踏む必要がありません。巡行時はハンドルに手を軽く乗せ、追い越し時だけ操作すればOKです。 以上は、高速道と車のIT化でいかに便利になったかという個人体験。皆さんも仕事や生活で、縦と横に走る高速道の便利さを実感していることでしょう。 もうひとつの交通インフラ、鉄道でもお世話になっています。私は土浦在住ですから、東京に行くときは常磐線を使います。でも行き先によっては、つくばエクスプレス(TX)も利用します。浅草寺周辺の飲み屋に行くときは、近くに浅草駅があるTXを使います。いずれにしても、首都圏への鉄道2ルートは生活と仕事に欠かせません。 TXは空港延伸で完結 孫のこと、スバルのこと、浅草のこと―個人的なことを書いてきましたが、そろそろ本題に入りたいと思います。TX北部延伸(県央斜め横断鉄道)のことです。 13年前のTX開通で、県南エリア、特に沿線の守谷市、つくばみらい市、つくば市は人気のまち(人口が増えるまち)になりました。現在のつくば終点をもっと先に延ばせば、その周辺の生活と仕事の利便性が数倍、いや数十倍になるのは間違いありません。 先の県知事選、衆院選(6区)では各候補が延伸を公約に掲げました。小美玉市、石岡市、かすみがうら市、つくば市、土浦市の議長連も延伸に向け動き出しました。首長の間には温度差があるようですが、「政治的な環境」は整ったといえます。いよいよ議論を深めなければなりません。 ポイントは2つ。ひとつは、常磐線のどことクロスさせるか(石岡駅か高浜駅か神立駅か土浦駅か)。このライン引きでは思惑が錯綜するでしょうが、エイヤで決めるしかありません。もうひとつは、茨城空港までの延伸をセットにするか切り離すかですが、TXの利用価値を高めるにはセットにすべきです。 また個人的な話に戻ります。2年前、神戸に住む甥の結婚式があり、新幹線ではなく、茨城空港発神戸便を使ってみました。大変便利で、これから京阪神に遊びに行くときは小美玉発を使うつもりです。今、茨城空港には車で行くしかありませんが、TX延伸が実現すればアクセスの選択肢が増えます(私は数年先に後期高齢者。免許返納でしょうからTXしかありません)。(経済ジャーナリスト)

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11月の週末はアクティブに 筑波山・霞ケ浦周辺トライアルツアー募集中

茨城県は11月の週末を中心に、筑波山・霞ケ浦周辺エリアでの一般向けのトライアルツアー「Mount Tsukuba(マウント・ツクバ) PLAY2020」を特別開催する。地域の魅力を堪能しながらロングライドを楽しめるサイクリングツアーをはじめ、子供向けプログラムや親子コンサートなど、さまざまなアクティビティープログラムやガイドツアーを行う。オンラインで参加予約を受け付け中。 県は18年度から3カ年計画で「筑波山・霞ケ浦広域エリア観光連携促進事業」を実施し、周辺エリアの魅力発掘と発信に関する施策に取り組んでいる。その一環として行われる企画で、昨年度に続く開催となる。 イベントのラインアップは次のとおり(以下の表示料金は税込み)。申し込みの特設サイトはこちら。 筑西市のサイクリングロードから筑波山を望む(茨城県提供) ◆筑波山&霞ケ浦1泊2日スポーツ体験ツアー 11月7日(土)〜8日(日)1泊2日筑波山登山や桜川でのカヌー体験など、親元を離れて子供たちだけで過ごす秋の大冒険。専門ガイド同行の県内小学生対象のスポーツ体験ツアー。料金は子供(小学生限定)2万9000円、定員は15人。

覆面食通が食べ歩き 県代表 おいしい10店選定へ

【山崎実】茨城県が「食」に着目した新たな観光誘客事業に乗り出す。「食」に精通したプロに覆面で食べ歩いてもらい、観光客に積極的にPRできる美味しい飲食店や名物料理を選定してもらう。 茨城は首都圏の食料供給基地といわれ、野菜類のほか、全国的に有名なメロンなどの果物、常陸牛などの肉、ヒラメ、ハマグリなどの水産物を数多く生産する。しかし観光の目的ともなる県を代表する料理は、県外の人に認知されているとは言い難い。 第1弾として、飲食店の分野で約10人の食通のプロが覆面で食べ歩き、「特においしい」「観光客にお勧めしたい」飲食店10店程度を審査し選定してもらう。 選ばれた飲食店などを県がPRすることで、来店をきっかけとした観光周遊の新たな流れを創出したい考え。覆面での食べ歩きは10月から11月にかけて実施されている。 名物料理については、第2弾として一般ウェブ投票によるコンテストや、料理ブロガーによるアイデアコンペなどが予定されている。 「食」のプロによる、おいしい飲食店と名物料理に関する問い合わせは、県観光物産課(電話029-301-3622)へ。

コミュバス導入するなら中村南・西根南地域 公共交通活性化協議会で土浦市

【相澤冬樹】コミュニティーバスなど新たな地域公共交通導入の検討を進めている土浦市は28日、市地域公共交通活性化協議会(会長・岡本直久筑波大学教授)を開き、各種調査の分析評価を元に、市域南西部の中村南・西根南地域で導入を図りたい意向を示した。協議会では拙速を危ぶむ声も出たため、同地域をメーンとしながら周辺地区の意向も拾い、具体化に向かうことで了承された。 同市では17年度策定の「地域公共交通網形成計画」をベースに、地域公共交通の導入促進を図るため、今年度から都市計画課サイドで試験運行する地区の選定作業を行ってきた。これまでに公共交通不便地域として12地区を選び、7地域に再編して設定。既存計画や各種統計、アンケート調査などからコミュニティー交通を導入すべき地域の順位付けを行った。 交通の不便さなどを調べるばかりでなく、コミュニティーバスが運行された場合に利用するか、運賃はどの程度払えるかなども質問した。結果、中村南・西根南地域が11点でトップ、右籾地区9点、乙戸南地区8点と続いた。 この順位付けから、市は中村南・西根南地域を導入候補地区として選定したい意向で、28日の協議会に諮った。11月にも地元地区長らに説明し、地域に運営協議会を設立、バス・タクシー事業者らとの調整を図って、来年10月には試験運行に漕ぎつけたいロードマップを示した。 これに対して委員からは、利用率があがらず3年で試験運行が終了した新治地区での先行事例を踏まえ「中村南・西根南地域だけでなく2位、3位の地区を含め、ぜひうちでやりたいと手をあげるところがあれば優先したい。確認してからでもいいのではないか?」と拙速を危惧する意見や「コロナ禍の状況が織り込まれた調査とはいえない。バスでなくワンボックスカーにボランティアの運転手という組み合わせでの検討ならどうだろう」と運行方法への疑問などが出された。 協議会は、右籾地区、乙戸南地区も中村南・西根南地域に近接していることから、同地域をメーンに交渉し、周辺地区の意向を拾いながら進める形で委員間の了承を取り付けた。次回協議会には候補ルートや停留所などの評価をまとめた調査報告書が提出される予定だ。

土浦・ほっとONEにホットな足湯 月例で「マルシェ」開催へ

【伊藤悦子】土浦市川口・モール505のまちなか交流ステーション「ほっとOne(ワン)」で31日、月例イベントの「マルシェ」がスタートする。ハロウィン開催の今回は、仮装で来場するともれなくプレゼントがもらえるほか、毎回ホットな「足湯」がいただけるというお楽しみ付きだ。 ほっとOneマルシェは、JA水郷つくばによる朝採り野菜の移動販売はじめ、カレーやれんこんおろしそば、ポップコーンなど飲食店の出店がある。施設前の広場では紙芝居や音楽ライブも開かれ、Vチャンネルいばらきで配信される。入場は無料。 「足をのばしてほしい」 マルシェの目玉は「足湯」。ラクスマリーナ(同市川口)から移動式足湯を毎回持ってくる。ほっとOneの菅谷博樹さんによれば「モール505ができたのは、つくばで科学万博が開催された1985(昭和60)年のこと。35年がたち、店舗もテナントも減り、訪れる人も少なくなった。やっぱり魅力がないと人は来ない」と6人のスタッフとアイデアを出し合い、イベントでは珍しい足湯はどうかと考えたそうだ。 ラクスマリーナには地下700メートルから湧き出る「霞ケ浦温泉」があり、移動式足湯の設備があることから、協力を呼び掛けると快諾してもらえたという。“入浴”の前には検温のほか、足のアルコール消毒までして感染予防を徹底するそうだ。 11月以降の日取りと内容は未定だが、月例開催と足湯企画は決まっている。「サイクリングのお客様たなど観光客や市民の方がたに足をのばしていただき、楽しく触れ合ってもらえれば」とアピールしている。