土曜日, 9月 12, 2026
ホームつくばバス路線が突然廃止 その時住民は【公共交通を考える】2

バス路線が突然廃止 その時住民は【公共交通を考える】2

つくば市下広岡の住宅団地、桜ニュータウンで今年1月31日、同団地とつくばセンター(つくば駅前)を結ぶ「桜ニュータウン線」が廃止となった。関東鉄道が運行する路線バスで、売り上げの減少が廃止の理由だ。

廃止の方針を聞き、2017年から同団地自治会の下部組織として活動しているまちづくり団体「桜ニュータウンのこれからを考える会」(金子和雄、阿部眞庭共同代表)が立ち上がった。

コロナ禍で利用減、年561万円の赤字

同団地は土浦市に隣接し、今年4月現在1244人が暮らしている。1979年に分譲が開始され、働き盛りの世帯がこぞって入居した。入居から約40年を経て団地全体が同時に老いることになり、高齢化率は市平均の19.2%を大きく超え51.7%に上る(5月1日現在)。

団地のほぼ中央にバスの回転場を備えた起終点の停留所があり、第1期の入居者が住み始めた時から現在に至るまで、土浦駅までの路線バスの起点及び終点となっている。入居当時、都心への通勤手段は常磐線で生活全般が土浦に向いていた。05年8月24日、つくばエクスプレス(TX)が開業すると生活圏がつくばに向かい、つくば駅と接続するバスターミナル、つくばセンターへのバス路線を望む声が上がるようになった。

06年4月につくば市のコミュニティーバス「つくバス」の運行がスタートしたが、地域循環ルートでつくばセンターまで時間がかかる上に便数も少なかった。5年後にルートを見直し、関東鉄道が運行する路線バス、桜ニュータウン線になった。廃止直前は平日9本、土日祝日は2本が運行していた。

桜ニュータウン線の廃止は、21年11月に市総合交通政策課と市議でもある同会代表の金子さんが、当時の関東鉄道自動車部長の訪問を受けたことから始まった。同年12月20日、関東鉄道は県バス対策地域協議会に22年6月30日をもって廃止を申請。新型コロナの影響で利用客が大幅に落ち込み、22年度以降に運行する場合の経常収支は年間561万円の赤字になるとし、路線の維持は厳しいというのが理由だった。年が変わって22年2月1日の同協議会で廃止申請案が審議され、路線沿線住民の意見を確認できていないことを理由に廃止決定はいったん保留となった。

桜ニュータウンのバス通り。現在は土浦駅行きの路線バスのみが運行する

2060戸にアンケート、廃止なら交通難民

同会は、沿線住民の利用実態と意見を聞き取るアンケートに乗り出した。104の区会を束ねる桜地区区会連合会にバス路線廃止の動きを説明し、アンケートへの協力を依頼。桜ニュータウンの3区会を含む路線沿線の21区会2060戸を対象に4月3日から5月8日までの期間でアンケートを実施した。回収枚数は724枚で回収率35.1%だった。

集計した結果、外出時の移動手段に桜ニュータウン線のバスを利用していたのは146人で、このうちの半数を桜ニュータウンが占めていた。また、廃線後の移動手段を聞いた項目では「廃線されると目的地まで移動できない」を選択した人は11人いて、7人が桜ニュータウンの住民だった。同団地の住民にとって、つくばセンターに向かうバスは重要な公共交通で、廃止されると「交通難民」になりかねない状況が浮かび上がった。

自由記載欄には▽今は運転しているが、この先が心配で免許返納に踏み切れない▽通院できないので困る▽老人は家に閉じこもるか、便利な地域に引っ越すしかない▽減便になってもいいのでなくならないでほしい▽通勤通学の時間だけでも運行してほしいーなど、廃止への困惑と不安、存続の訴えが書き込まれていた。アンケートの報告書はつくば市を通して同協議会に提出された。

22年8月26日に開かれた協議会で、保留となっていた桜ニュータウン線の廃止申請案が審議された。アンケート報告書によって沿線住民が存続を切望していることが認知されたが、廃止が決まり、翌23年の1月31日で運行を終えることになった。

代替交通を提案「市に希望託すしか」

同会のメンバー伹野恭一さんは「ここだけの話ではなく、売り上げの減少や乗務員の人手不足を理由にした廃線や減便が全国で問題になっている。関東鉄道の採算を考えると受け入れるしかないと思った」と当時を振り返る。

通勤や通学に桜ニュータウン線を利用していた人は、廃止になる前は、つくばセンターまで1本のバスで行くことができた。今は最寄りのバス停まで1キロの距離を歩いて2本のバスを乗り継ぐか、土浦駅行きのバスに乗車して乗り換えるルートを使うしかない。いずれも大幅にう回するルートで、25分だった所要時間が倍以上になって運賃も高くなった。

廃止が決まるまで、同会は市や桜地区区会連合会と何度も話し合うなど、粘り強く桜ニュータウン住民の意識を伝える努力をしてきた。廃止を受け入れた後も、活動の手を緩めずに代替交通の確保に取り組んでいる。

会が提案する代替案は、通勤通学客を輸送する朝晩の定時マイクロバスの運行と、商業施設を経由してつくばセンターに至る新たなバス路線だ。市と協議を進めており、代表の阿部眞庭さんは「市に希望を託すしかない」と話す。(橋立多美)

(続く)

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別館宴会場「昴」を大改修 ホテル日航つくば

ホテル日航つくば(つくば市吾妻1丁目)は別館大宴会場「昴(すばる)」の大改修を進めていたが、このほど工事が完了、10日、報道機関などへの内覧会を開いた。天井照明装置、影像音響装置、床カーペットなどが一新され、「幅広い用途に対応できる宴会場として生まれ変わった」(古澤聡総支配人)。改修費は約3億円という。 同ホテルは、1985年開催のつくば科学万博に合わせ、1983年「筑波第一ホテル」として開業。別館は1990年に完成した。その後、ホテルオークラ(本社東京都港区)が運営を引き継ぎ、2001年「オークラフロンティアホテルつくば」に名称を変更。さらに経営権もオークラが継承、同社による日本航空系ホテル買収から10年後の2020年、現ホテル名になった。 筑波山稜線、桜川水面をイメージ 改修は大きく分けると3分野。天井照明は蛍光灯からLEDに換え、明るさを従来の3倍にし、スポット照明に動作性を持たせた。プロジェクターは後方壁面に備え付け(これまではフロアーに設置)、壁面スクリーンも電動操作(同手動操作)にし、音響器機には音質劣化抑制システムを導入した。カーペットは、紫峰・筑波山の稜線、市内を流れる桜川の水面などをイメージできるデザインのものに張り替えた。 古澤総支配人は「3分割可能な大宴会場は約700平方メートルの広さがあり、県南にある宴会場としては最大級。式典、宴会、結婚式などの快適性だけでなく、各種の会議に対応できるよう、照明器具や会議装置の機能性もアップした」と話す。 新装で増収目指す 同社の2025年度の売上高は18億2000万円。今年度は20億円を見込む。収入の半分を占める宿泊部門は外国人観光客を呼び込むことで増収を図り、宴会部門は新装会場の稼働率アップで増収を目指す。さらに、両部門の活性化を飲食部門につなげ、レストラン「セリーナ」、中国料理「桃李」、「常陸牛 山水」などの利用者増も狙う。(坂本栄)

投票時間1時間繰り上げ午後6時まで つくば市選管

つくば市は9日、今後実施される選挙について、投票日当日の投票時間を、これまでの午後7時までから1時間繰り上げて午後6時までとすると発表した。1日開いた市選挙管理委員会(野尻等委員長)で決めた。12月4日告示、13日投開票の県議選から実施される。 繰り上げの理由は、期日前投票を利用する投票者が増加していること、当日投票者の9割が午後6時までに投票を済ませていることなど。市選管事務局によると、昨年9月の知事選での同市の期日前投票の投票率は39%、今年2月の衆院選は54%だった。投票所立会人の従事時間が長時間に及んでいることを懸念する意見も出されたという。 投票日当日の投票開始時間に変更はなく、午前7時から。期日前投票の投票時間も変更はなく、市役所投票所の場合、午前8時30分から午後8時まで。 投票時間が繰り上がるのに伴い、12月の県議選の開票作業は、これまで午後8時20分から開始していたものを、午後8時からに20分繰り上げる予定だという。 公選法は午後8時まで 一方、公職選挙法は投票時間を午前7時から午後8時までと定め、特別の事情があり投票に支障をきたさない場合に限り、4時間以内の範囲内で繰り上げなどを認めている。 つくば市では2012年から、投票時間を法定の午後8時までから1時間繰り上げて午後7時までとしてきた。 県選管によると、今年2月の衆院選では、県内44市町村中、38市町村が午後6時で当日の投票を締め切り、つくば市を含め5市町が午後7時までとしていた。公選法の規定通り県内で唯一、午後8時までだった牛久市は今年度から、当日の投票時間を2時間繰り上げ、午後6時までとすると発表している。12月の県議選の各市町村の投票時間について、県選管はこれから調査する予定だとしている。(鈴木宏子) 【訂正 10日午後1時10分】3段落目、市役所投票所の期日前投票の開始時間は午前9時ではなく8時30分からの誤りでした。