日曜日, 5月 25, 2025
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運動栄養学を学ぶ筑波大生 「アスリートレストラン」開催 事業化目指す

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野菜たっぷりの献立を食べる筑波大男子ラクロス部員=つくば市天久保、同大グローバルヴィレッジコミュニティステーション

【田中めぐみ】筑波大学体育専門学群で運動栄養学を専攻する3年の佐々木雄平さんが、学生団体「つくばアスリートレストラン」(TAR)をつくり、昨年10月から同大の学生宿舎などで、アスリート向けの食事会「つくばアスリートレストラン」を開いている。26日には市内のパブで一般向けイベントを開催する。

この日の献立(つくばアスリートレストラン提供)

「おなか減ったー」「いただきまーす!」。筑波大学の学生宿舎グローバルヴィレッジコミュニティステーション2階で4月28日、アスリートレストランが主催する食事会が開かれ、男子ラクロス部員35人が集まった。

TAR代表の佐々木さんがラクロス部のために考えた献立は、ひじきと豆腐のサラダ、水菜のコールスローサラダ、鶏むね肉のキノコあんかけ、ワカメと卵の味噌汁、カブのガーリックオリーブ炒め。ブドウと牛乳も付いており、17品目の食材を使っている。管理栄養士で同大大学院人間総合科学研究科1年の中村萌香さんが栄養バランスのチェックをした。佐々木さんと中村さんが調理のほとんどを行ったが、部員たちも率先して手伝った。

おかわりが進み、ご飯はあっという間に売り切れ。しっかり食べた後には栄養クイズ大会が開かれた。スマートフォンを使ってクイズに参加し、その日食べたものがどのような働きをするのか、楽しみながら学ぶ形式だ。1問ごとに得点順位が発表されると部員たちは一喜一憂し、会場は盛りあがった。

調理をする代表の佐々木雄平さん(右)と管理栄養士の中村萌香さん

全料理で5大栄養素摂取

アスリートレストランは今回で8回目となる。主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品を提供する。参加費は500円。すべての料理で身体に必要な5大栄養素を摂ることができる。食事会に協力しているスタッフは32人で、協力の頻度はまちまちだが集まれる人が参加して運営している。食事会には毎回20~30人のスタッフが集まっているという。

食事会の前には「食生活バランスチェックシート」に記入を行い、それぞれが日ごろの自分の食生活を省みる。ラクロス部で人間学類3年の早稲田拳さんは「シートに記入して牛乳や乳製品が足りていないことが分かった。元々あまり野菜が好きではなく、親と暮らしている時は食べたくないなあと思っていたが、1人暮らしを始めてから意識して食べるようにしている」と話す。社会工学類3年の岩見悠太郎さんは「部活の朝練をしているのに朝ご飯を食べずに授業に行くことがある。1人暮らしなので品数をそろえるのが難しい。毎回献立を決めるのも面倒なので食事会はありがたい」と話す。

きっかけはインスタ

佐々木さんは大学に入学してから料理の楽しさに目覚め、インスタグラムに自作の料理写真を投稿してきた。写真を見たアスリートの友人から「おいしそう」「食べてみたい」という声が挙がり、「材料費を出してくれたら家に食べに来てもいいよ」と友人を招いたのがきっかけでアスリートレストランを主宰するに至った。

食事会の開催にとどまらず、佐々木さんは、食を通じて地域とアスリートとのつながりを作る方法を考えている。この日使った材料のカブは千葉県我孫子市の農家が作った。同大の農業サークルの学生が手伝いに行き、代わりに提供してもらったという。「地域には、農作業をする人がいない、野菜が余っているといった声がある。若者の手を借りたい地域と、栄養のある食事をしてスポーツの応援をしてほしいという若者の声をマッチングさせるプラットホームを作ることができれば」とプロジェクトを練っている。

つくば市内の農家からの協力も得、今後、米やキノコ、ヤーコンなどの材料を提供してもらう予定だ。将来的には事業化を目指しており、つくば市都市計画部主催の「つくばR8地域活性化プランコンペティション」=メモ=に応募するという。「人が喜ぶこと、人の役に立つことが一番の原動力になる」という佐々木さん。アスリートの食事を充実させ、食を通じて人々の交流を創生するのが目標だと語る。

◆26日の一般向けイベントは、アスリートレストラン開催10回目の記念として、パブ「ブラッセリー&バー・フィンラガン」(つくば市天久保2-9-2、リッチモンド2番街B-203)で開催する。午後6時から午後9時までの間の予約が可能で、無農薬の有機野菜を使ったメニューを予定しているという。料金は学生800円、一般1200円。定員40名。予約は掲載のQRコードから。

26日の一般向け食事会の予約用QRコード

◆つくばアスリートレストランは

ホームページ https://www.u.tsukuba.ac.jp/~s1711833/index.html

インスタグラム https://www.instagram.com/tar_pr_/?hl=ja

ツイッター https://twitter.com/TAR_PR

※メモ

【つくばR8地域活性化プランコンペティション】つくば市がR8(北条、小田、大曾根、吉沼、上郷、栄、谷田部、高見原)を元気にするための地域活性化プランを募集するもの。コンペで採用されたプランに1 件最高200万円の支援金を支給し、提案者に実証事業として取り組んでもらう。

➡筑波大生の活動に関する過去記事はこちら

今年のバラは長く楽しめそう 「つくばローズガーデン」公開始まる

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咲きそろうにはまだ早いものの、無料オープンにファンが早速駆けつけたつくばローズガーデン

【相沢冬樹】バラ園「つくばローズガーデン」(つくば市古来、藤沢仁子園主)の一般公開が13日始まった。今年は「気候のせいか堆肥が効いたせいか、例年になく大量のつぼみをつけている」(藤沢園主)そうで、長く楽しめそうな14シーズン目に突入した。開花状況を見ながら17日にも有料営業に切り替える。

つくば市長を2期務めた藤沢順一さん(79)が自宅前の畑を自ら耕し、丹精した。2005年から一般公開をしている。後援している少年野球チームの子供たちがバーベキューパーティーを開けるよう芝生広場を作ったのが始まり。東京農大で農業を学んだ元市長は、低農薬、有機栽培のバラづくりに取り組み、年々栽培品種を充実させていった。今では約3000平方メートルの敷地に約700品種、2500本のバラを育てている。

元市長は今も朝5時に起きて、花のせん定や水やり作業にいそしむ。3女、仁子さん(41)は東京で会社勤めをするOLだったが、つくばエクスプレス(TX)が開通して自宅から通勤するようになると、父の孤軍奮闘を見かねてバラ園を手伝うようになった。会社を辞め専従となったのは2014年のシーズンから。特に知識も技術もなかったが、父親やその周囲の専門家から栽培法やガーデニング術を学んだ。

園内は雑木風ガーデンやバラの回廊、イングリッシュローズエリアなどでゾーニングされるが、今シーズンは仁子さんの発案で、スイートピーなど宿根草を配したミニガーデンを開設した。シーズン中の週末には姉2人も帰宅して、3姉妹で園を切り盛りするという。

昨年は春先からの気温上昇で、花期が早々に終わってしまったが、今期の生育状況は順調。常総市で作られる「野草堆肥」を用いるようにしたところ、つぼみの着きがよく、つるバラで白い花の中心が赤く色づく「ピエール・ドゥ・ロンサール」種など、いち早く開花した。つぼみもびっしりつけて長く楽しめそうという。

青い花をつける「青龍」種あたりが咲き出す今月24日から26日あたりが最盛期の見ごろとなりそう。26日には午前11時30分~と午後1時~の2回、スターライトジャズオーケストラの演奏会が予定されている。

◆つくばローズガーデン=つくば市古来458。2019年のオープンガーデンは5月13日から6月16日まで(予定) 開園時間は午前9時~午後5時 入園料・一般500円。URL:http://tsukubarosegarden.com/

朝は5時からバラ園で働き、夜7時には寝てしまうよと日焼けした顔をほころばす藤沢順一さん

花開く「令和」で佳境へ つくば牡丹園シャクヤクまつり

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満開のシャクヤク園で来場者らに花の解説をする関園長=つくば牡丹園

【相沢冬樹】つくば牡丹園(つくば市若栗、関浩一園長)が作出し、「令和」と命名したシャクヤクが13日朝、開花した。白にピンクの混じる花びらはこの先、次第に先端をとがらせた優雅な形状になって、見ごろが5日間ほど続く。同園で先月から始まったボタンまつりは今月からシャクヤクまつりに切り替わっており、約4万株が咲きそろう。「令和」の開花でクライマックスを迎えようとしている。

開花したシャクヤク「令和」=13日午前9時ごろ撮影

新品種は交配と実生(みしょう)によって作出された。特徴的な花びらをつけるシャクヤクを選んでメシベだけを残し、他の花と受粉させる。花期の後、採集した実を育成して翌年咲かせ、出来のいいものを選択して、繰り返し栽培する。前年つけた花が翌年も同じに咲くとは限らず、条件を見極める必要がある。

「令和」の原型は2013年ごろに生まれたが、植え替えるだけで花の姿が変わってしまう不安定さがあり、安定まで数年を要した。ここ3年ほど安定したため、新品種とすることを決め、新元号にあやかることにした。品種登録は農水省へ出願するのが基本だが、元号名義では登録できないため、業界紙を通じて命名をアピールするスタイルをとった。「実生だと1株1株違う品種の花ができてしまうため、現実的なやり方だ」(関園長)という。

6万平方メートルを超す敷地にボタン、シャクヤク合わせ800種、6万株を栽培する。1989年に開園し、当初は施設運営会社の一社員に過ぎなかった関園長(58)が土作りから栽培法を学び、一貫した取り組みで世界最大級の牡丹園に育て上げた。紋羽病という土壌障害で大量の株を枯死させたり、リーマンショック後の経営危機なども経験した。

牡丹園経営のかたわら、東京農工大大学院に社会人入学し、3年前から博士課程に進んでいる。専攻は農業環境工学。「開園当初はゴールデンウイークに見ごろを迎えるボタンを主役に据えたが、温暖化のせいでどんどん開花が早まってしまう」のが悩みだった。このため花期の遅いシャクヤクに力を入れるようになったそうで、これまでに約80種のシャクヤクを独自に作出している。

同園のシャクヤクまつりは26日まで。今シーズンから設けたシャクヤク園はようやく満開を迎え、多くの入場者でにぎわっている。まだつぼみの花も多く、「会期末までぴったり楽しめそうだ」と顔をほころばせた。

つくば―水戸 高速バス実証実験 今秋スタート TX県内延伸検討も視野

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つくば―水戸間の高速バスが発着するつくばセンター・バスターミナル=つくば市吾妻

【山崎実】県は今秋から、つくば―水戸間の高速バス増便実証実験をスタートさせる。国際研究学園都市つくばと県都水戸を直結し、都市間連携を促進する。外国人観光客のインバウンドを含む県内外からの交流人口を拡大させ、その波及効果を地域全体の活性化につなげるのが狙い。

現在、つくば―水戸間の公共交通は、高速バス(TMライナー、平日2往復)か、JR常磐線と路線バスの乗り継ぎに頼らざるを得ない。このため以前から高速バスの増便要望が強かった。

これを裏付けるように、県が今年2月と3月に実施した高速バスの利用者アンケート調査でも、利用者135人中、43%が運行本数の増便を希望、次いで土日祝日の運行を希望する利用者が27%、最終便の延長19%と続いた。利用目的では、通勤が35%、観光が20%だった。調査員が直接乗車しての調査結果で、「生の声を聞くことができ、二次交通整備の必要性を強く感じた」(県交通政策課)という。

つくば―水戸間高速バスの増便予定数は、平日が6往復12便(増便後は8往復16便)、土日祝日が4往復8便で、ほかにつくば―茨城空港、水戸―茨城空港が1往復2便それぞれ増便される(増便後はつくば―茨城空港が平日、土日祝日いずれも3往復6便、水戸―茨城空港は同9往復18便)。

実証実験で県は、①終日ダイヤを増強して通勤・通学の利用を促進すると共に、出張・ビジネス利用などにも対応②22時台までの夜便を設定③観光客などをターゲットに宿泊や飲食など経済活動を活性化④今年4月にオープンしたアリーナ「アダストリア水戸アリーナ」(東町運動公園)でのスポーツ観戦⑤つくば国際会議場などでのMICE(=マイス、国際会議や学会、見本市など)参加者への利用対応―などができると期待している。

すでに4月から運行参画事業者の募集を行い、5月中には業者を選定する。その後、県、水戸・つくば両市、県バス協会など交通事業者、国、大学、研究機関、学識経験者などで構成する「実証実験協議会」(仮称)を設置して、国の認可が必要な運行計画(ルート、ダイヤなど)を協議し、今年秋ごろからの増便開始を目指す方針だ。

大井川和彦知事は県議会で、つくばエクスプレス(TX)の県内延伸は資金、採算の面から難しい問題があるとしながら、「(実証実験の)結果も参考にしつつ、資金の確保やルートなどを幅広く検討し、あらゆる可能性を模索する」と答弁しており、実証実験の持つ意義は大きい。

➡TX県内延伸に関する過去記事はこちら

【霞ケ浦コイ養殖場の今と展望】㊦ 親子で発酵飼料を開発も見えざる未来

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コイの網いけすと櫻井隆士さん=櫻井鯉養魚場(かすみがうら市牛渡)

【田中めぐみ】櫻井鯉養魚場(かすみがうら市牛渡)は、2度の廃業危機の苦境に立たされながらもなんとか経営を立て直した。質のよいコイを生産したいと自家製の発酵飼料を開発。2代目の隆士さんがニジマス養殖業者のエサをヒントに発案したという。開発は父の謙治さんが中心となり10年以上の歳月を要した。試行錯誤を繰り返し、コイの様子を見ながら経験則で自家配合しているという。

ペレット状になった発酵飼料から作るえさ

自家配合のエサの材料は、大豆、米ぬか、おからなど。養殖場の側にある有機飼料工場で発酵機に入れて発酵させて作る。できあがったエサはきな粉のようでほのかに甘い香りがする。乾燥させたものをペレットマシーンに入れて粗い粒子状にすればできあがり。500キロずつ袋に入れて専用のクレーンで船に積み込み、網いけすまで運ぶ。

養殖は小割式養殖業(網いけす養殖)というやり方で行われている。沖に150面の網いけすが張られ、発酵飼料を自動給餌機に入れて給餌する。自動給餌機に餌を入れるのは3日に1回ほど。エサをよく食べ成長する6月~10月には1日半に1度ほど給餌機に補充する必要があるという。水中の酸素量や水温を細かくチェックし、コイの状態を見ながら大事に育てる。沖で育ったコイは出荷前に地下水を貯めた「しめいけす」に入れられる。出荷までには1年~3年かかる。

得意先が納得する大きく味の良いコイを育てることへの熱意は冷めないが、消費は落ち込み続けている。3代目の後継ぎはいない。隆志さんは「後継ぎがいる養鯉場もこの辺では2軒ほどではないか。取引先だった山形、長野の問屋にも売れなくなった。このままでは廃業の未来しかない」と話す。

自家製の発酵飼料をつり上げる装置。1袋500キロにもなる

活路は外国人

隆士さんが一縷(いちる)の望みを抱いているのは、訪日外国人をターゲットにした市場の開拓だ。中国や東南アジア、ドイツやハンガリーなどヨーロッパでもコイなどの淡水魚を食べる食文化がある。上野アメ横にある地下食品街では外国人向けに新鮮な水産物が売られており、フナやコイがよく売れているという。国や地域でレシピも千差万別。揚げたり煮たり、つみれにしたりと調理法も幅広い。

つくば市内には大学や研究機関が集積していることから、多くの外国人が居住している。2018年のデータでは外国人が約8900人で人口の約4%を占める。日本全体では約1.8%(2016年末)であることと比べると、つくば市の外国人の割合は高い。コイの養殖場の未来は新たな市場を開拓できるかどうかにかかっている。(おわり)

流経大、天皇杯出場決める 初挑戦のつくばFCは涙のむ

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優勝カップを掲げる流経大イレブン=水戸市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸

【池田充雄】第22回県サッカー選手権兼天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権県代表決定戦は11日、水戸市のケーズデンキスタジアム水戸で決勝戦が行われ、流通経済大学サッカー部(龍ケ崎)が1―0でつくばFC(つくば市)を下し、県代表として天皇杯出場を決めた。

流経大は後半27分、交代選手3人が連携して決勝点を奪った。FW金原朝陽が奪い、FW齋藤聖七が上げたボールに、MF加瀬直輝が飛び込んだ。「サイドにボールが入ったのを見てトップスピードで中へ入り、クロスに相手より先に触った」と加瀬。ヒザ下に当てたボールはループ気味に浮き、GKの伸ばした手を越えてゴール隅に決まった。つくばの小松祐己監督は「失点まではゲームプラン通りだったが、疲れでミスが出てカウンターを受けた。相手は控えにもいい選手がいた」と、力の差を認めた。

後半27分、ゴールを決めて喜ぶ加瀬(27番)ら流経大の選手たち

前半、ボールを支配する流経大に対し、つくば慎重な立ち上がりで相手の出方をうかがっていた。「流経大がサイドから攻撃的に来ることは予想していたので、はがされず我慢しながら、相手がじれてくるのを待った。狙い通り、相手は次第にラストパスやサイドチェンジが雑になっていた」と小松監督。

流経大の中野雄二監督は「つくばは押し込まれても失点を防げるような、要所要所での守備がチームに浸透していた。ボールを支配していてもパスや動きに緩急がなければ、ブロックを作られ攻めあぐねてしまう。若い選手を入れることで動き出しが早くなり、縦に仕掛けられるようになった」と、交代の要点を語る。

つくばの司令塔、MF下重優貴は「相手は後半、ビルドアップのボールを前からさらおうとしてきた。70分くらいから全体の集中が落ち、いなしきれなくなってしまった。うちにもチャンスはあったので、決めていればどっちへ転んでもおかしくないゲームだった」と悔しがる。

後半38分、つくばFC下重の放ったフリーキックはクロスバーに嫌われる

今大会、つくばはクラブ初の決勝進出を果たし、あと一つで優勝の快挙を成し遂げるはずだった。FW川島みざきは「天皇杯に向けて全員が強い気持ちを持ち、チームに一体感があった。終盤、相手が10人になって流れがきていたが、そこで決めきれなかった。来年は、いいゲームで終わらせたくない」と言葉に力を込める。

勝利した流経大は2年連続10回目の天皇杯出場。1回戦は26日に北海道代表(12日に決定)と対戦し、勝ち上がれば7月3日の2回戦で浦和レッズと戦う。本村武揚主将は「浦和は昨年の優勝チームで、うちのOB(宇賀神友弥、武藤雄樹)もいる。こういう相手と真剣勝負ができる機会はなかなかない。そのためにもしっかり1回戦を勝ち上がりたい」と、大会への意気込みを語った。

音楽通しチャレンジの場に 土浦にライブハウス誕生

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10日オープンのライブハウス「V-BOX」でこけら落としライブをしたオニツカサリーさん=土浦市川口1丁目のモール505

【谷島英里子】土浦市川口のモール505に10日、インターネット放送番組「Vチャンネルいばらき」を運営するVSCがライブハウス「V-BOX」をオープンした。音楽を通して地域活性化を目指すアーティストやイベントを盛り上げたい人などへ、チャレンジの場として利用を呼びかける。

V-BOXはVチャンネルいばらきスタジオの2階真上。フロア面積は約30平方メートルで、いすは25席、スタンディングでは最大50人が収容可能。ステージには、照明やプロジェクターが設置され、音楽ライブや発表会のほか、会議室や試写会など多目的スペースとして活用することもできる。

店長の秋葉憲一さんは「V-BOXから大きい会場へと進化できる出発点として活用していただき、夢を叶えてほしいですね」と話している。

オープン初日はこけら落としライブとしてシンガー・ソングライター、オニツカサリーさんが登場し、ライブを開いた。

利用は要予約。時間は午前11時から午後5時と午後5時から午後11時の2回に分かれている。料金は機材、操作スタッフ込みで6時間1万円から。大学生、未成年は半額となる。オプションの映像収録・編集、レコーディングは別料金となる。問い合わせはVチャンネルいばらき(電話029-875-7255)まで。

オールスタンディングで最大50人収容。花柄の演出照明もできる

【霞ケ浦コイ養殖場の今と展望】㊤ 昭和と平成、二度の廃業危機

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養魚場に続く桟橋=櫻井鯉養魚場(かすみがうら市牛渡)

【田中めぐみ】霞ケ浦の沖に向けてまっすぐ伸びた桟橋は、櫻井鯉養魚場(かすみがうら市牛渡)の網いけすにつながっている。代表の櫻井隆士さん(53)の後に続き桟橋を渡ろうと試みたが、思いのほか高く、足がすくんで進めない。橋が揺れているように見える。隆士さんは造作もない様子でどんどん進んでいき、すっかり離されてしまった。遅れた私を見かね「揺れてはいない。落ちた人は一人もいないから大丈夫」と声をかけてくれたが、私は視線を足元から離すことができない。帰れなくなっては迷惑がかかると判断し、謝って途中で引き返した。

櫻井鯉養魚場代表の櫻井隆士さん

80年代ピークに下降線

霞ケ浦のコイの生産量は年々減っている。コイを食べる風習のある山形県などの地域で食文化が廃れ、消費が減っていることが原因のひとつに挙げられる。

コイの養殖が始まったのは1965(昭和40)年ごろ。隆士さんは、半漁半農で生活していた人々が減反政策で米作りをやめ、コイの養殖を始めた背景があると話す。隆士さんの父である謙治さん(80)が周囲の人たちと養殖を始めたのも70年ごろのこと。養殖を始めてはみたが全くの素人が育てるのは難しく、廃業する人も少なくなかったという。謙治さんはめげず、失敗を繰り返しながらも養殖を体で覚え、生産量を伸ばしていった。

63年に常陸川水門(逆水門)が閉まったことで霞ケ浦の水質が変化、73年にはアオコの大発生で養殖ゴイが大量へい死(酸欠死)し、廃業の危機に追い込まれた。当時8歳だった隆士さんも当時のことはよく覚えているという。大量へい死で一時は生産量が落ち込んだものの、高度経済成長の追い風と釣り堀ブームにも後押しされて盛り返し、75には茨城県が生産量全国一となった。

出荷前、しめいけすに入れられたコイ

茨城農林水産統計年報によると、82年に霞ケ浦(北浦含む)のコイの生産量は8670トンとなり、ピークを迎える。だがその後は下降の一途をたどった。2003(平成15)年にはコイヘルペスウイルスの発生で全量処分となり櫻井鯉養魚場は2度目の廃業危機に陥った。それでも出荷規制が解除になると立ち直り、なんとか危機を乗り切ったという。しかし、14年、霞ケ浦の生産量は968トンにまで落ち込んだ。(つづく)

茨城おみやげ大賞 12日あみアウトレットで投票 3年に一度

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前回の「茨城おみやげ大賞2016」の1次審査会場の様子=県庁の食堂(県観光物産課提供)

【山崎実】茨城を代表する土産品を一般消費者や外国人に選んでもらう「茨城おみやげ大賞」コンテストが12日に阿見町のあみプレミアム・アウトレット、18日に都内銀座の県アンテナショップ「IBARAKI sense」で催される。

県内各地の土産品の中から、茨城にふさわしい、特に薦めたい商品を試食投票(一次審査)してもらう。コンテストは3年に一度で、2016年以来、3回目の開催。

選定商品は、購買者が友人や職場に配りたい商品としての「旅みやげ」部門と、自分や家族用に買って帰りたい「いえみやげ」部門の2部門。試食投票の結果をみて30品程度を選定する。

その後、業界専門家や有識者による審査を経て、金賞、特別賞(外国人OMIYAGE賞、女子みやげ賞)それぞれ各3商品を決定する。

来月中には大賞、特別賞の商品が決まる予定で、県観光物産課では「受賞商品は、県内外のイベントや販売フェア、県が作成する土産品商品カタログ等に掲載し、PR活動のほか、販路拡大にも取り組みたい」と意欲的だ。

前回のコンテストでは、最高金賞10商品のほか、全賞22商品を決めたが、今回は受賞商品を絞り込み、いわば茨城のフラッグ土産品として売り込み、本県の知名度アップを図る。

出品商品は菓子、飲料商品などが多いという。今年1~3月に公募し、3月下旬に予備審査をして、155の応募商品の中から、国内向けの「旅みやげ」部門32品、「いえみやげ」部門32品、海外向け10品(重複あり)が一次審査に出されている。

つくば、土浦からは「旅みやげ」部門に▽久月総本舗(土浦市東真鍋)の米菓「帆引れんこん物語」▽フォーチュン(つくば市竹園)の洋菓子「筑の花サブレ」などが出品。「いえみやげ」部門に▽土浦商工会議所のレトルトカレー「土浦ツェッペリンカレー」▽小松屋食品(土浦市蓮河原新町)の水産加工品「わかさぎのコンフィ・常陸野野菜ディップ添え」▽久月総本舗(土浦市東真鍋)のスフレケーキ詰め合わせ「常陸のスフレ」▽オスミックアグリ茨城(つくば市下横場)のトマトジュース「OSMICトマトジュースいばらき」などが出されている。

「まどろみのひと時」を親子で競作 土浦で写真展

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萌野さんの作品を背景に郷さん=土浦市中央のまちかど蔵大徳2階ギャラリー

【池田充雄】土浦市の関郷(せき・ごう)さん、萌野(のの)さん親子が、土浦市中央のまちかど蔵大徳2階ギャラリーで写真展を開催している。これまで郷さんは「平成土浦百景」、萌野さんは「ツチウラカノジョ」と、それぞれ個別に活動してきた2人の初めてのコラボ展になる。

展覧会は、第5回つちうら亀の市の協賛企画。関さんらは毎年亀の市に出店を続けており、今回は若い世代にも足を運んでもらいやすいよう、親子展を開くことにした。「気怠(けだる)い午後のひと時」というタイトルは、二人で話しているうちに何となく決まったそうだ。「ピンキッシュ・スランバー」という副題は、ビートルズの曲名をヒントに郷さんが考えた。

親子2人のコラボ展会場

萌野さんの作品はA3判などのプリント17点。一人のモデルのさまざまな動きや表情を追ったポートレートだ。全国でもほとんど残っていない、デパートの屋上遊園地で撮影したもの。フィルム独特の粒状感や色味が好きで、作品撮りではもっぱらアナログカメラを使っているそうだ。

郷さんはポストカード約40点を展示。土浦・つくば・牛久のほか、横浜や代官山などさまざまな街や公園で撮ったスナップが中心。桜は自身で追いかけているテーマの一つだそうだ。カメラは今はもっぱらデジタルだが、フィルム時代のオールドレンズを使うことで、ふわっとした柔らかい描写にし、萌野さんの作品との接点を持たせた。

「父の影響で写真を始めたので、一緒に展示する機会を与えてもらえてうれしい。主に風景を撮っている父と、人物を撮っている私との、撮り方やテイストの違いが感じられると思う」と萌野さん。「作品のサイズでも変化を付けてみた。世代の異なる二人の写真に、どんな反応が返ってくるか楽しみ」と郷さん。

会場を訪れていた土浦市の田村公さん(80)は、萌野さんが撮った空の写真に「今日はもう暮れようとしているが、明日また明るい光が射すことが予感され、希望を感じる」と語り、郷さんの街角の写真では「画面の中に人の姿はないけれど、街の生活音が聞こえてきそう」との感想を述べた。

同展は12日まで。時間は午前10時~午後6時(最終日は4時まで)。入場無料。11日の亀の市当日は家族で田村時計店前に出店し、展示作品のポストカードや、手作りアクセサリーなどを販売するという。

上郷高校跡地に陸上競技場整備へ つくば市 旧筑波西中に私立通信制高校

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上郷高校跡地=つくば市上郷

【鈴木宏子】住民投票で白紙撤回となった総合運動公園に代わって、陸上競技場の整備を検討している=2018年12月18日付=つくば市は9日、設置場所について県立上郷高校跡地(同市上郷)が総合的に最も評価が高いとする調査結果をまとめ、同日開いた市議会全員協議会に報告した。市内の廃校11校を対象に調査した。一方、市立筑波西中学校跡地(同市作谷)には、県外の私立学校が2021年4月開校を目指して広域通信制高校の開設を検討しているという。

陸上競技場は、8レーンの400メートルトラックと、内側にサッカーなどに使用できる人工芝のフィールドを整備する。観客席は1000席程度のメーンスタンドと、1000席程度の芝スタンドを設け、190台程度の駐車場を設けることを想定している。中止となった総合運動公園計画では地方の主要な大会が開催できる2種公認の競技場を整備するとしていたが、今回は中学生の記録会など市内大会が開催できる4種公認とする。ただし施設規模は8レーンを設けるなど3種公認相当にするという。

秀峰筑波義務学校の開設などに伴って廃校となった筑波地区の10校と上郷高校の計11校の跡地を比較検討した。上郷高校は、現在ある校舎を取り壊さず、運動場に競技場を整備できるためコストが抑えられること、隣接の農地を組み入れて拡張すれば200台程度の駐車場を確保できることなどから高い評価を得た。

一方、調査対象は11カ所のみで、同市大穂の旧総合運動公園用地は検討対象にしなかった。五十嵐市長は「(総合運動公園用地の一部に陸上競技場を整備するという)制限をつけると全体利用が難しくなるため」と説明している。旧総合運動公園用地は現在、購入を希望する民間業者からの事業提案を募集している=4月26日付5月6日付

陸上競技場整備に向けた今後のスケジュールは、今年度中に住民意見交換会などを開くほか、基本構想を策定する。10億円を超える事業費になることから、来年度以降、総合運動公園問題を教訓に策定された「大規模事業の進め方に関する基本方針」に従って、市民のニーズに即しているかや事業の効果、課題、影響、財政負担などを検証するという。建設費や整備時期などは現時点で未定。

市議会全員協議会で学校跡地の利活用に関する調査結果を報告する五十嵐立青市長=9日、つくば市役所内

市議からは「陸上競技場整備にはかなりのお金がかかる。つくば市は小中学校の過密化問題などがあり優先順位としてはどうなのか。総合運動公園用地を除いた理由についても市民に理解を得ることが必要」(山中真弓市議)、「(インフィールドの)サッカー場は人工芝ということだがつくば市は芝の産地。産地育成を図るために天然芝を十分に使うことが重要」(鈴木富士雄市議)などの意見が出た。

上郷高校は2011年3月末に廃校となり、12年に市が土地と建物を県から取得したが未利用のままとなっている。

年4500~6000人が宿泊し授業

筑波西中学校跡地への通信制高校新設は昨年、県外の学校法人から打診があったという。学校名などは現時点で明らかにできないとしているが、開校すれば、年1回5日間程度、150人から200人の生徒が市内に滞在しながら同校で授業を受ける。生徒は入れ替わりで延べ年30週程度来校し、7カ月半で年4500人から6000人の生徒が同校で授業を受けることが想定されているという。

市が校舎などを改修した上で、土地と建物を学校法人に賃貸借する予定。開校すれば、廃校となった筑波第1小学校跡地(同市筑波)に2008年に開校したつくば松実高校に次いで市内2カ所目の通信制高校となる。

旧筑波西中学校=同市作谷

リレー・フォー・ライフ・ジャパン茨城を引っ張る 現役医大生の田澤勝英さん 開催危機知り実行委員長志願

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酒井明日香記者㊧の取材を受ける田澤勝英さん

【高校生ライター・酒井明日香】がん患者を支援する「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2019茨城」が18、19日、つくば市学園南、研究学園駅前公園でチャリティーウオークイベントを開催する。主催は同イベント実行委員会。10周年を迎える今回は、土浦日本大学中等教育学校出身で現在、日本大学医学部2年の田澤勝英さん(20)が実行委員長を務め、大学生が中心となってイベントを引っ張る。後輩記者がお話を聞いた。

18、19日 つくばでイベント

リレー・フォー・ライフ(RFL)は、がんの制圧、がん患者支援のためのボランティア機関で、世界24カ国で展開されている。RFL茨城は、年に一度チャリティーウオークイベントを行っている。患者さんを含めた参加者全員でたすきをつなぎ歩き切るリレーウオークを行うほか、ダンスや歌を楽しむステージイベント、フリーマーケットなどもある。

田澤さんは高校1年生の時、学校からのボランティア募集でRFLについて知り、活動に加わった。翌年以降も毎年RFLに参加している。前会長で現名誉実行委員長の宮本恭子さんから、「実行委員の人手不足で来年度からチャリティーウオークイベントの開催ができないかもしれない」と聞き、自分が力になれればと実行委員長に志願した。

毎年開催されるイベントは、がん患者にとって「来年も必ずここで会おう」と互いに約束し合いそれぞれの闘病生活に戻る場となっている。田澤さんは「来年のイベントに参加することを目標に生きようとする患者さんがいる。患者さんにとって必要不可欠なものになっている」と感じた。RFLイベントを生きがいにしている患者さんがいるということと、自分自身も毎年大切に参加していたので、どうしても開催させたかったというのが志願の理由だそうだ。

田澤さんが委員長になってからは大学などで実行委員やボランティアの参加を募り、大学生を中心としてRFLのイベント準備を行うようになった。医学部生だけに勉強との両立は容易でなく、周りから就任を止められたこともあったというが、その意思が揺らぐことはなかった。「自分から言い出し一度決めたことなので、本気で、全力でやり通すつもり」と話している。

昨年のイベントの様子。チャリティウォークではサバイバー(がん経験者)たちが手形を取った横断幕を持って最初の1周を歩く=主催者提供

患者さんから直接話を聞ける機会

田澤さんは将来、医師になって茨城県に戻り、社会貢献したいという夢を持っている。ボランティア活動の中で、患者さんから病院で嫌だった経験、うれしかった経験などの話を聞くという。患者さんの生の声を知ることで患者さんを一番に考えて行動できる医師になりたいそうだ。

田澤さんはこれから大学生が活動の中心となることで、TwitterなどのSNSを活かしてRLJの名を広めていきたいという。RFL活動は、参加した経験がある人以外にはあまり知られていない。そこでとりあえずたくさんの人の目に触れることで知名度を上げていきたいと考えているそうだ。「イベントに来たことがない人は一度でいいから参加してみてほしい。来てつまらなかったら30分で帰ってもいいし10分で帰ってもいいので一回足を運んでみてほしい」と語る。

18、19日のイベントではサバイバートークがあり、がんについて患者さんから生で話を聞くことができる。チャリティーイベントで集められた寄付金は、公益財団法人日本対がん協会を通じてがんの研究や治療や患者の支援のために使われる。記者もチャリティウォークに参加したことがあるが、会場にいるだけで人と触れ合える温かいイベントだ。(土浦日本大学中等教育学校5年)

2011年東日本大震災の年からは鳩をかたどったエコバルーンをリリースしている。がん制圧の希望の象徴となっている=同

➡リレーフォーライフジャパン茨城公式サイトはこちら

➡リレーフォーライフジャパン茨城 Twitterは → twitter.com/rfljibaraki

➡昨年の「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2018茨城」の記事はこちら

スイス女子陸上チーム 筑波大で事前合宿 横浜世界リレー出場へ

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なわとびをしたり軽く走って体を慣らすスイス陸上女子リレー選手ら=7日午前、筑波大学陸上競技場

【鈴木宏子】筑波大学(つくば市天王台)で3日から、陸上競技のスイス女子リレーチームが大会前のトレーニングキャンプを張っている。来年の東京オリンピックで同大はスイスの事前キャンプ地になり、つくば市は同国のホストタウンになる。来年の本番を前に、スイスオリンピック協会と同大、つくば市、県の4者が昨年4月に締結した基本合意に基づいて初めて選手団を受け入れた。

チームは4×400メートルに出場するリレー選手6人と監督、コーチなど。9日までつくば市内のホテルに宿泊しながら同大陸上競技場などで調整を続け、11、12日に横浜で開催される「国際陸上競技連盟(JAAF)世界リレー2019横浜大会」に挑む。7日午前、同陸上競技場で公開練習が行われ、選手らは入念にストレッチをしたり、軽く走るなどして体を慣らした。

キャンプでは、同大の学生ボランティア11人が交代で選手らに付き添いサポートをしている。さらにスーパーカスミから食材の提供を受けて、同大体育科学系運動栄養学の学生らが、アスリートのための食事を手作りし、ふるまっているという。ホテルや移動手段の手配はつくば市が支援している。

7日、練習会場を訪れた同大の永田恭介学長は「大学には施設だけでなく、附属病院のスポーツ医学・健康科学センターや運動栄養を研究し食事をサポートするスタッフがそろっている。選手たちが本番で力を出せるよう支援していきたい。学生ボランティアにとっても世界トップレベルの選手の姿を間近で見ることができる機会になる」などと語り、五十嵐立青つくば市長は「選手が万全の状態で戦えるよう環境をつくっていきたい。いろいろな形の交流の機会が広がっていけば」と話した。

チームは現在、世界ランク26位(2018年)。横浜大会で10位以内に入り、さらに9、10月にドーハ(カタール)で開かれる世界陸上で8位以内に入れば、東京オリンピックの出場が決まるという。ピーター・ハース監督は「温かく迎えてくれ、数々のもてなしに感謝している。アスリートたちは来年の東京オリンピックを目指して頑張っている」などと語った。キャプテンのレア・スプンジャー選手は「チームはとてもいい雰囲気でコンディションもいい。スイスからの長いフライトから1、2日で体調を整えることができたのは温かい歓迎とサポートのおかげ。東京オリンピック出場を目指している。来年ここに戻ってきたい」と話していた。

トレーニング会場を訪れた五十嵐立青つくば市長(前列左)、永田恭介筑波大学長(同右)らと、交換し合った贈り物を手に記念写真を撮るスイス陸上女子リレーチーム。前列中央はピーター・ハース監督=同

霞ケ浦から2020年東京パラリンピックへ カヌー代表を目指す2選手

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イベントに参加した子どもからの質問に応じるパラカヌー強化育成選手の我妻進之さん㊧と小山真さん㊨=土浦市川口、ラクスマリーナ

【田中めぐみ】パラリンピックのカヌー競技(パラカヌー)の普及や選手発掘、育成のための拠点となっている土浦市川口のヨットハーバー、ラクスマリーナで6日、「パラマウントチャレンジカヌー」イベントが開催され、2020年東京パラリンピックへの出場を目指す強化育成選手の小山真さん(38)と我妻進之さん(48)が参加した。

イベントは、水上のバリアフリーを体験して欲しいと日本障害者カヌー協会(東京都港区、吉田義朗会長)が一般向けに開いた。パラカヌーは2016年リオデジャネイロ大会からパラリンピックの正式競技に採用されている。

パラカヌーは、パドル(櫂)を使ってカヌーを漕ぎ、200メートルのタイムを競う短距離競争。公平に競うため、障がいの程度や運動機能によりL1からL3の3つのクラスに分けられている。小山さんと我妻さんは同じL3クラスの選手だ。

競技に用いられるカヌーは長さが5メートル以上。経験者でも乗りこなすのは難しいという

小山さんは10歳からカヌーを始め、昨年のパラカヌー海外派遣選手選考会で優勝。今年3月の同選考会2位入賞。昨年ラクスマリーナにパラカヌーの拠点ができてから、主に霞ケ浦で練習をしているという。

我妻さんは、元々はパラバドミントンの選手で、カヌーを始めて1年。東京パラリンピックへはカヌーとバドミントン2種目での出場を目指す。主に宮城県の鳴瀬川で練習しており、この日は同イベントのためにラクスマリーナを訪れた。「国内は天候が安定せず、風と波が立ってしまうと練習が難しい。天候が悪いと記録にも結び付かない」とカヌー競技の苦労を話す。

同種目の東京大会での出場枠等は未定だが、「クラスの同じライバル同士、お互いを沈めてしまいたい」と笑いながら冗談を言い合う2人。小山さんは「今年3月の大会で準優勝だったので、9月の日本パラカヌー選手権大会では必ず優勝してパラリンピック出場の枠を勝ち取りたい」と意気込みを語った。

「県民投票で判断を」 東海第2原発再稼働問題 市民団体がつくばで署名協力を呼び掛け

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「いばらき原発県民投票の会」の鵜沢恵一共同代表から東海第2原発の現在の状況や再稼働の課題などについて話を聞く参加者=6日、つくばイノベーションプラザ

【鈴木宏子】日本原電が今年2月、再稼働を目指す方針を示した東海第2原発(東海村)について、県民投票を実施して再稼働の是非を判断するよう求める市民の取り組みが始まっている。6日つくば市で催されたのは市民団体「いばらき原発県民投票の会」(鵜沢恵一共同代表)による県内5カ所目の「県民投票カフェ」。県民投票を直接請求するため、まずは署名を集める受任者になってほしいと同会のメンバーらが呼び掛けた。12日には土浦市で6カ所目のカフェが開かれる。

つくばのカフェは、同市吾妻のつくばイノベーションプラザで開かれ、約60人が参加した。ひたちなか市在住の鵜沢共同代表のほか、世話人の北口ひとみつくば市議(つくば・市民ネット)、事務局の宇野信子同市議(同)らが、東海第2原発の現在の状況や再稼働の課題、県民投票の目的や方法などを説明した。

宇野市議は「直接請求の署名が集まっても、県議会を通ること自体、大変ハードルが高いと言われることが多いが、直接請求自体に大きな意味がある。多くの人が原発について考える機会になり、署名を通じて、政治を政治家に任せるのではなく、県民に政治のかじ取りを取り戻すことになる」などと話し理解を求めた。

受任者は「署名収集受任者」のこと、法定署名を自分でしたり、他の人から集めることができる人を指す。参加者からは「(東海村や常陸大宮市など)受任者がいない市町村がまだあるようだが、原発周辺市町村の住民(の動き)はどうなのか」「大井川知事は(県民投票について)どういう立場なのか」「直接請求には生年月日も書かなくてはならないが、自分の生年月日を知られたくない人はどうすればいいのか」などさまざまな質問が出て、世話人らが一つひとつ丁寧に答えていった。

県民投票に向けて同会は、有権者の50分の1以上の署名を集めて、知事に県民投票条例の制定を直接請求する計画だ。9月までに県内全体で約7000人の受任者を募り、今年秋に14万人以上の署名を集めることを目標に掲げる。つくば市の場合、525人以上の受任者を集めて約1万人以上の署名をとる、土浦市では340人以上の受任者で約6800人以上の署名を集めることが目標という。

県民投票カフェは9月までに県内全44市町村で開いて、受任者登録を呼び掛ける。北口市議は「幅広い人たちに参加を呼び掛けていきたい」と話す。

ブラブラ歩きで発見 古い城下町の新しい魅力 11日に第5回「つちうら亀の市」

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多くの人出でにぎわう前回の亀の市の様子=2018年11月、土浦市中央

【田中めぐみ】土浦の旧城下町の由緒ある史跡や老舗の魅力を再発見して欲しい――と「つちうら亀の市」が11日、土浦市中央の中城山不動院・琴平神社の参道・境内や、中城通り商店街で開催される。「亀の市」は2017年4月から年2回開催されており、今回で5回目。中城通り商店街にも開催エリアを拡大し、これまでで最も広い範囲での開催となるという。

土浦には旧跡や建物、伝統の技術や社寺の行事など、有形無形の貴重な歴史的文化遺産が数多く残っている。「亀の市」では、文化遺産を活かし「温故創新(古きをたずね、新しきを作る)」の理念のもと、リメーク、リユース、スローライフ、手作りといったキーワードに沿った出店やイベントを企画。毎回多くの人でにぎわい、好評を博しているという。

参道、境内から中城通りには30を超える出店が並ぶ予定で、古本屋アンティーク、古布バッグなどはじめとする手作り品や、有機野菜、スイーツや軽食、コーヒーなどを販売する。「双六(すごろく)商店街」というゲームも企画。サイコロを振り、会場エリアの商店や出店を双六形式で回るまち遊びゲームで、参加者にはもれなくプレゼントを用意している。

落語会「中城寄席」を初開催

不動院の階段には音楽ステージを設置し、和太鼓やお箏(こと)、二胡(にこ)、昭和歌謡やギターの弾き語りなどのコンサートが楽しめるという。

今回初のイベントとして、落語会「中城寄席」も開催。演じるのは三遊亭圓窓(えんそう)師匠の指導を受け、県内各地で活躍している社会人噺家(はなしか)グループで、古典から新作落語、手品など披露する。

亀の市実行委員の神永裕人さん、石原之壽さん、髙梨美香子さん(左から)=まちなか交流ステーションほっとOne(土浦市川口)

つちうら亀の市実行委員のひとり、石原之壽(いしはらのことぶき)さんは会社勤めのかたわらちんどん屋の活動を始めて18年、壽ちんどん宣伝社座長の肩書きを持つ。笑顔のやり取りをしたいとこれまで病院などでボランティア活動を行ってきた。今回は「体験型の企画を多く用意している。親子3代で楽しめる内容なので、みんなで来て楽しんでほしい。土浦の歴史ある街でちんどん屋として笑顔を届けたい。『ツェッペリンが舞い降りた日』の紙芝居も披露する予定。漫画チックな絵柄の新しい紙芝居を楽しんでほしい」と話す。

同実行委員で、当日お箏のコンサートに出演する髙梨美香子さん(生田流筝曲家)は、お箏歴25年の演奏家。仕事のかたわらお箏の活動を行い、参道沿いにある井戸端庵2階で教室も開いているという。「目的を決めず、ぶらぶらするのも楽しいイベントになっている。お箏のコンサートでは新しい曲も披露する」と話した。

お箏の演奏をする髙梨さん㊧、昨年のコンサートの様子

◆つちうら亀の市 11日(土)午前9時~午後3時。雨天の場合は12日に順延。ただし落語会は雨天の場合も開催予定。当日は無料駐車場が会場周辺に用意される。問い合わせは「土浦界隈まちづくり研究会」伊藤春樹さん(電話090・4059・4860)

【シルバー団地の挑戦】16 「つながり結び直したい」 つくばのまぐろ自治会長インタビュー㊦

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森の里に隣接する市立第三小学校体育館で開催された自治会総会=3月24日、つくば市小茎

【橋立多美】シリーズ企画「シルバー団地の挑戦」の舞台、つくば市の森の里団地は、住民の2人に1人が高齢者で、運営を担っていた役員が高齢化し、役員のなり手不足にあえぐ。負担が大きい、活動がマンネリ化しているなどマイナス面を指摘する声もあるという。こうした中、自治会では、シニア世代が平穏な生活を送れるよう、高齢者の引きこもり防止や生活支援事業など高齢化対策事業を推進している。インタビュー2回目は、森の里自治会長の倉本茂樹さん(77)に今後の展望を聞いた。

―高齢化が進み、近年、自治会ではどのようなことが課題になっていますか。

自治会総会で2019年度の活動方針を述べる倉本会長=同

3年前から急に1人暮らしと認知症者を抱える世帯が多くなり、その対策が喫緊の課題です。1人暮らしで雨戸を閉めて引きこもっているというご近所からの通報や、認知症による徘徊で行方不明になり、警察と民生委員が捜索して保護されるなどの事態は毎月起きています。

私は自治会長のほかに、防災・防犯自警団の団長と市社会福祉協議会のふれあい相談員を兼務しており、1日に3回の巡回パトロール時に、1人暮らしや、同居の家族が仕事で昼間1人になる人に異変がないかなど、見守りをしています。ふれあい相談員には守秘義務があり、約60人の自警団員に個人情報は伝えませんが、さりげない見守り要員として活動してもらっています。力及ばず、私が自治会に関与してから孤独死が2件ありました。この方々は、戸が開かないことを不審に思った訪問介護員と近所の人の通報で発見されました。

―さまざまな相談に応じて多忙な日々を送っておられますが、結局、だれかが奮闘しないと自治会は成り立たないというのが実情でしょうか。

私は自治会事務所のある森の里公会堂に毎日出向いています。私に付けられたあだ名が「まぐろ会長」。夜でも泳ぎ続ける回遊魚まぐろに例えたそうです。私が会長を7年続けているのは、故郷島根の恩師の教え「社会に貢献しなさい」が染みついているからでしょう。私で役に立つなら…と引き受けています。

高齢化が進む中で国は介護政策を施設から在宅へと転換しました。在宅介護が当たり前となり、高齢化率49.25(2018年の市行政区別人口統計)の森の里は要介護者が激増する可能性がある。家族に頼れない人が増える中、地域の助け合いが重要になります。その要になるのが自治会で、弱まりつつあるつながりを結び直すことが必要です。そのために、もう一肌脱ぐつもりです。

(シリーズ「シルバー団地の挑戦」終わり)

➡「シルバー団地の挑戦」の過去記事はこちら

【シルバー団地の挑戦】15 「マンネリで何が悪い」 つくばのまぐろ自治会長インタビュー㊤

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森の里に隣接する市立茎崎第三小学校体育館で開催された今年の自治会総会で、会場からの質問に答える倉本会長㊧と役員たち=3月24日、つくば市小茎

【橋立多美】超高齢社会における自治会運営のあり方や存在意義とは何なのか。入居者が一斉に高齢化しているつくば市内最大の住宅団地「森の里」を舞台に2018年4月から1年間、自治会の動きを追ってきた。シリーズ企画「シルバー団地の挑戦」最終回にあたって、森の里自治会長の倉本茂樹さん(77)に2回にわたり、自治会運営の課題を聞いた。

―役員のなり手不足が深刻と言われます。

1980年の自治会設立以来、会長と副会長5人は立候補制です。定員に達しない副会長や部長、会計などの役員は、各街区から選ばれる新しい街区委員の中から決めることになっていました。

私が初めて自治会に関わったのは定年退職後です。女房に代わり、初めて街区委員として新街区委員会に出席しました。しかし夜になっても終わらない。役を押し付け合っていたからです。私はこの席で副会長を引き受け、選挙管理規則を改正して新街区委員から役員を推薦してもらうようになりました。もちろん当事者に承諾をとります。

その後3年の副会長時代を経て、会長職7年目の今年は、60代の女性4人が副会長と部長を引き受けてくれました。白髪頭の会長に同情してくれたのでしょうか。役員がシニア世代の男性に偏ると、女性のニーズや声が反映しにくくなるので喜ばしいことです。

―高齢を理由に自治会を退会する人が多いと聞きます。

99の街区が輪番制で街区委員を決め、広報紙の配布や回覧、会費徴収をしていますが、骨が折れるとか、病気がちであることを理由に自治会を辞めていく人がいます。徘徊など緊急時には自治会員の有無を問わず支援していますが、こうした人ほど地域とつながっていてほしいと思います。

今年度から街区委員の負担を減らすために、これまで3カ月分ごとの徴収だった会費を、半年または1年分まとめて納入できるようにしました。足腰が弱くなり子どもに数日に一度食料を運んでもらう世帯が増えています。一括で納めたら近所と顔を会わせることもなくなります。個人的には、1人暮らしの世帯には3カ月に一度は行って安否確認をしつつ世間話をしてほしいと思っています。

―外出が難しくなった高齢者が自治会を退会する一方で、若い人たちは自治会に関心がないと聞きます。

自治会に対し、子育て中の若い世代を呼び込む取り組みをしたらどうかという意見がありますが、約3000人の住民中20~30代はわずか412人(14%)。若い世代は夫婦で仕事を持っている人がほとんどで、自治会には参加していない。呼び込むためのアイデアを出してくれても誰が担うのか、という問題があります。

現実として、自治会役員だけでは開催できない夏祭りなどの行事を、高齢者が多い自治会サークルが支えています。文化部に属するスポーツや趣味のクラブ員たちです。気持ちを一つにしたグループの力を借りないと新たな事業の永続性は望めない。行事がマンネリ化していると言う声もあるが「マンネリで何が悪い」という思いがあります。(続く)

➡「シルバー団地の挑戦」の過去記事はこちら

【直売所めぐり】6 タケノコ、ワラビ、ウド…春野菜が続々 JA水郷つくば「さんふれ霞ヶ浦店」

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サンフレッシュ霞ヶ浦店の店内

【田中めぐみ】丸い外観が特徴的なJA水郷つくば(本店土浦市)の直売所、サンフレッシュ霞ヶ浦店(かすみがうら市深谷)。朝8時、スタッフの酒井貴さん(65)が店を開けながら迎えてくれた。酒井さんは主に移動販売を担当し、かすみがうら地区の下大津、牛渡、佐賀、美並、安飾、志士庫のそれぞれの地域を隔週ごとに車で回り移動販売を行っている。元設計士、定年退職してからもう少し働きたいとJA直売所のスタッフとして再就職した。直売所で働いて4年。移動販売では主におやつのお菓子の売れ行きが好調で、お客さんは買い物を楽しみにしてくれているのがうれしいという。酒井さんのお勧めは今が旬の春野菜だ。

スタッフの酒井貴さん(上段左)、朝掘りタケノコを品出しする生産者(上段右)、ワラビを品出しする小泉たか子さん(下段左)、葉玉ネギの食べ方について説明する桜井信雄さん(下段右)、

話していると「朝掘りのタケノコだよー」とたくさんのタケノコが運ばれてきた。「ああ、重い」。ずっしりとした大きなタケノコ。値段はなんと250円から400円ほどだ。「わあ、大きいね」「安いねえ」、スタッフやお客さんから次々に声が上がる。「あくはどうしたらいいの」、「ぬかをサービスで付けるよ」、「縦に切ると皮が向きやすいよ。味噌汁とてんぷらはあく抜きしなくてもいいよ」、「穂先が黄色いのがいいのよ」と生産者。直売所のスタッフ、お客さん、春の恵みを囲んでみんなが笑顔だ。

「ワラビもきたよー」と声が掛かり、見ると穂先のくるくるぴんとした新鮮なワラビ。この日はお客さんの試食会があるとのことで、「もっとワラビ持ってこないと売れちゃうよ」、「もっと持ってこようか」と生産者同士でやりとりする。ワラビの生産者小泉たか子さんのお勧めは、あく抜きしたワラビを3センチほどに切ってめんつゆに漬けた漬物風。粘りがあるのでニンジンやするめなどを合わせて松前漬けにするのもいいという。なるほど確かにおいしそうだ。

桜井信雄さんは葉玉ネギとニラの生産者。葉玉ネギも今が旬。短い時期だけ食べられる野菜だ。食べ方を聞くと「葉玉ネギは葉から玉ネギの部分まで全部食べられるよ。油味噌炒めがお勧め」と話してくれた。食べやすく切った葉玉ネギを油で炒め、砂糖、味噌、醤油などで味付けする調理法だそう。知らなかった。買って帰って作ってみたところ、これがおいしい。新玉ネギのみずみずしい甘みと青い葉のよい香りが、油と味噌によく合う。

カブを品出ししていたのは生産者の石島貞良さん(82)。「いいカブができたと思いますよ。ちょっと寒かったかなと思ったけど育ちがいい」と明るい笑顔がこぼれる。「生涯現役。毎日一生懸命働いて、また明日、また明日と一日一日頑張っています」

春野菜のコーナーをじっくり真剣に見ていた押野清さん(67)は家族のためにウドを買いに来たという。妻の好物だそうだ。「ここには週に1回ほど買い物に来る。葉っぱはてんぷらに、茎は酢味噌にするとおいしい。なんといっても新鮮なものがそろっています」と、話してくれた。

生産者の石島貞良さん(左)、ウドを選ぶ押野清さん

サンフレッシュ霞ヶ浦店

住所▽かすみがうら市深谷3467-4

電話▽029‐897-0682

営業時間▽午前9時~午後6時(4月~9月)、午前9時~午後5時30分(10月~3月)

定休日▽なし(お盆・年末年始は休み)

➡直売所めぐりの過去記事はこちら

6周年機に初の大規模リニューアル イオンモールつくば

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リニューアルオープン記念の撮影スポット。小学生や中高生らに人気を博している
館内には新しいショップが次々にオープンしている

【池田充雄】つくば市稲岡のショッピングモール「イオンモールつくば」が26日、2013年の開業以来初の大規模リニューアルを行った。全部で32の専門店が新しくなり、うち21店が新規出店で、今秋までに順次オープンしていく予定だ。今回のリニューアルでは「遊び・学び・健康」をキーワードに、子育て世代を中心としてジュニアからシニアまでの3世代が集う、にぎわいに満ちたモールを目指している。

営業マネージャーの岡亮治さんは「地域のお客様の健やかな暮らしをサポートし、新たな楽しさを提供する、より快適なモールへと進化します」と抱負を述べている。1階中央入口には現在、リニューアルオープンを記念した撮影スポットが設置されている。

リニューアルの効果がよく出ているのが、3階のフードコート「フードフォレスト」だ。それまでの落ち着きある雰囲気を生かしつつ、カジュアル感を高め、客席数は900席から1000席へと拡大。子ども連れのお母さんに便利なキッズスペースも新設された。特に小さい子を目の前に座らせられる「見守りカウンター席」は、子どもにすぐ手が届き、お母さん自身も安心してゆっくり食事ができると好評だ。

親子が向かい合って座れる「見守りカウンター席」。子ども席はシートベルト付き

同じく3階のイオン子供服売場前には「キッズパーク」を設置。木製のすべり台などがある遊び場で、ちびっ子たちの人気を集めている。

同モールの特徴の一つは、広い敷地内に数多くの外部棟が立ち並んでいること。ここにも新たな目玉施設が誕生した。「ダンロップスポーツクラブ」は、3階建ての施設に多様なエクササイズを用意した総合型フィットネスクラブだ。冷暖房完備のインドアテニスコートやゴルフレンジがあるのもダンロップならでは。子ども向けのスポーツ教室も豊富で、家族全員での利用がお得だという。

最新のトレーニングマシンがそろった「ダンロップスポーツクラブ」

モーターサイクルライフスタイルを提案する「カワサキプラザ」は、県内初出店。高級感あるショールームに人気車や希少車を多数展示し、一部はレンタルや試乗も可能。ショッピングモール内にあるため幅広い客層が訪れ、また同モールは圏央道つくば牛久ICに近く交通アクセスが良いため、休日には県外からの来店も多いという。

「カワサキプラザ」で展示されている注目車種の一つ、Z900RS