火曜日, 4月 23, 2024
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ナショナルサイクルルート -検索結果

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ナショナルサイクルルートをセグウェイで つくば りんりんロードを初走行

【池田充雄】国のナショナルサイクルルートに認定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」で18日、搭乗型移動支援ロボット「セグウェイ」の体験ツアー(つくば市主催)が行われた。セグウェイの公道実証実験はこれまで、つくば市の中心市街地や谷田部地区で行われており、りんりんロードの活用は今回が初めてとなった。 今回の会場は、つくば市小田の小田城跡歴史ひろば周辺。各回定員6人で3回のツアーが開かれた。1回の所要時間は90分ほどで、前半は広場の中で基本操作などの講習を行った。 セグウェイはアクセルやブレーキがなく、乗った人の体重移動を本体が検知し、電動で走行する。今回は公道を走るため自動車かオートバイの免許が必要だが、基本的にはだれでも簡単に操作できるという。 講習では乗り降りの仕方から直進と停止、方向転換、ジグザグ走行やスラローム走行などを練習した後、いよいよツアーに出発。広場を後にしてりんりんロードに入り、直線の道を一列になって1キロほど進む。街中を抜けて水田地帯に入ると一気に眺望が開け、行く手に筑波山が間近に眺められた。 鹿嶋市から来た寺田幸代さん(36)は「もっと難しいかと思ったが簡単に乗れて、すごく楽しかった。もっと遠くまで乗れたらよかったのに」と名残惜しそう。一緒に参加した大川文恵さん(37)も「上り坂は楽々で、下り坂も怖くなかった。インストラクターの教え方が上手で、乗れば乗るほど慣れてきた」と楽しんだ。 「馬に乗るときの感覚と似ている」と話したのは、甲冑武者姿で参加した鴨井宏児さん(48)。同会場ではこの日、地域イベント「第32回小田地区どんど焼きと小田城冬の陣」が開かれ、鴨井さんらはステージで演武を披露した。同イベントには市民ら約2000人が集まり、さまざまな催しで寒中の一日を楽しんだ。 https://www.youtube.com/watch?v=MaDylFChlm0&feature=youtu.be

510人が色づく筑波山麓走る ナショナルサイクルルート指定記念

【相澤冬樹】ナショナルサイクルルート指定記念と銘打った茨城県の「つくば霞ケ浦りんりんサイクリング」が17日、土浦市のJ:COMフィールド土浦(川口運動公園)をスタート・ゴールとする57.4キロのコースで行われた。土浦青年会議所主催の「霞ケ浦サイクルフェスティバル2019」と同時開催された。 りんりんサイクリングは土浦を出発、つくば市沼田、かすみがうら市上土田を経由して、途中4カ所に設けられたエイドステーションでご当地の味覚を楽しんでもらう企画。ビギナー歓迎で参加者募集をしたところ、510人もの応募があった。東京都から155人、千葉県から77人と、茨城県の75人を上回る参加者を集め、4分の1が女性、30%はオフロードは初めてという構成になった。 募集時にはまだ指定されてなかったナショナルサイクルルートが7日に決まって、県は指定記念やロゴマークを入れた横断幕やのぼりを作成して開催に間に合わせた。開会式で大井川知事は「ナショナルサイクルルートという国のお墨付きを得たわけで、大いにアピールしたい。知名度ランキング7年連続最下位なんかぶっとばせ」と気勢を上げた。 五十嵐つくば市長も私費で参戦。スターターを務めた知事の合図で20人ほどのグループを作り、順次車列を組んでサイクリングに繰り出した。 今回のコースは、序盤こそ旧筑波鉄道の廃線跡を走る平坦なコースだが、筑波山の登山口で折り返してからは山麓に沿う一般道を走ってかすみがうら市方面に抜ける。高低差は小さいもののアップダウンが繰り返しあって、初心者にはそれなりにハード。色づき始めた山並みの景色を楽しみながら、好天の山麓コースを思い思いのスピードで駆け抜けた。 東京・練馬から来たという新藤美紗子さん、遠藤友理さんの2人は、快調に飛ばして第2エイドステーションになっているつくば市平沢の官衙遺跡公園に到着。「1度目は北海道を走って、今日は2度目。いいお天気で気持ちよかったけど、脚はもう一杯いっぱい」と提供された常陸牛しぐれ煮おにぎりをほおばっていた。 ➡ナショナルサイクルルートの過去記事はこちら

ナショナルサイクルルート指定で加速 土浦発自転車サンデー

【山崎実】茨城県のサイクルツーリズム(自転車観光)をけん引するつくば霞ケ浦りんりんロード(約180キロ)が、日本を代表する「ナショナルサイクルルート」の1つに指定されたことで自転車熱に加速がついた。イベントも盛りだくさんで、17日には土浦市のJ:COMフィールド土浦(川口運動公園)を主会場に「地域資源を巡る―つくば霞ケ浦りんりんサイクリング」(県主催)と「霞ケ浦サイクルフェスティバル2019ー自転車の聖地を目指して」(土浦青年会議所主催)が同時開催される。 17日午前9時スタートで りんりんサイクリングは17日午前9時に開会。川口運動公園からつくば市沼田のりんりんロード筑波休憩所折り返しの周遊コース57.4キロを走り、途中、4カ所のエイドステーションでご当地の味覚を楽しんでもらう。レンタサイクルあり、ビギナー歓迎で参加者募集をしたところ、510人もの応募があった。北海道から兵庫県まで、県外から多数が訪れる。参加者には12歳の中学生から76歳の喜寿サイクリストまでがおり、「応募締め切り後にナショナルサイクルルート指定が決まり、記念イベントとして開催できることで盛り上がっている」と県地域振興課。出発地点の運動公園には周辺市町村からキッチンカーや物販ブースが多数出店する。 サイクルフェスティバルも午前9時スタート。土浦市内を走る「つちうら散走」、指定された神社仏閣にお参りしてご朱印をもらいながら走る「ご朱印ライド&ヒルクライドin土浦2019」のほか、「子供のための自転車教室」「ママチャリ ジャストタイムレース」などが繰り広げられる。イベントには参加料や自転車・装備の持ち込みが必要なものがあり、一部は応募を締め切ったものもあり、主催者に要確認。 また23、24日はかすみがうら市の歩崎公園で、関東では初めての民間主体による「バイク&キャンプ」イベントが開かれる。キャンプを通じて自転車旅の素晴らしさ、自転車の魅力を発信するイベントだ。月夜の中、会場全体で、多数のたき火による幻想的なりんりんロードと霞ケ浦を楽しむ演出も用意されている。 ナショナルサイクルルートは、国が11月7日、全国で3カ所の第一次指定を発表。ビワイチ(滋賀県)、しまなみ海道サイクリングロード(広島県、愛媛県)と並んでつくば霞ケ浦りんりんロードが含まれた。指定を受けた際、大井川和彦知事は「東京に近く、平坦で走りやすいコース。国内外から多くの人に来てもらえるよう、しっかりサイクルツーリズムを推進していく」とコメントしたが、その輪は徐々に全県的な広がりを見せ始めている。 ➡つくば霞ケ浦りんりんロードの過去記事はこちら

ナショナルサイクルルート候補に選定 つくば霞ケ浦りんりんロード

【山崎実】サイクルツーリズム(自転車観光)王国を目指す茨城県の代表的な「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)が、国土交通省のナショナルサイクルルートの第1次指定候補ルートに選定された。 同ルートは、日本を代表し、世界に誇れるサイクルルート制度の創設に合わせて指定される。候補ルートはほかに琵琶湖を一周する「ビワイチ」(滋賀県、約190キロ)、瀬戸内海を渡る「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県・愛媛県、約70キロ)の2カ所。 自転車活用推進法の施行以来、2018年6月には推進計画が閣議決定され、サイクルツーリズムによる観光立国の実現が位置付けられた。併せて「ナショナルサイクルルート」の創設を明記した。大井川和彦知事は今年6月、国交省に「つくば霞ケ浦りんりんロード」を選定するよう要望してきた経緯がある。 ナショナルサイクルルートに指定されると、同省は統一ロゴを作成するほか、専用ポータルサイトを活用し、ルート全体の情報発信などを行う。つくば霞ケ浦りんりんロードでは県などが、インバウンド(訪日客)対応のサポートライダー養成講座などを開いているほか、広域レンタサイクルの利用料金割引を実施するなど=9月13日付=、利用者の利便性向上(環境整備)対策に力を注いでいる。 それだけに指定候補ルートの一つに挙げられたことは、サイクルツーリズム茨城の実施に弾みが着くものと期待され、大井川知事は「大変ありがたいことであり、引き続き本指定に向けハード、ソフト両面からの取り組みを推進。国内外からの観光誘客につなげていきたい」とコメントした。 今後、第3者委員会による審査を経て、10月にも本指定が行われる。

10月、11月に大規模自転車イベント 土浦駅拠点に茨城プレDC

プレイアトレ土浦(JR土浦駅ビル、土浦市有明町)を運営するアトレ(本社・東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)は10月~12月にかけて茨城県で開催される観光キャンペーン「茨城プレデスティネーションキャンペーン」(茨城プレDC)に合わせ、霞ケ浦一周のサイクリングが楽しめるライドイベント「いばらきK1ライド2022」や2020年以来となる人気イベント「BIKE&CAMP(バイク&キャンプ)」などを開催する。 本県で21年ぶり3回目となるデスティネーションキャンペーンは、23年10月から12月の開催が決定した。JR東日本、JR東海などJRグループ6社が地域と一体となって、魅力的な観光資源の紹介、イベント開催やおもてなしに取り組み、集中的な宣伝を全国で実施する。国内最大規模の観光キャンペーンは3カ年にわたり展開され、22年には「茨城プレDC」を、24年には「茨城アフターDC」を、共に秋季開催する。 茨城プレDCでは、県が誇るサイクリングやキャンプなどのオープンエアで楽しめるアクティビティーのほか、茨城の豊かな「食」をメーンコンテンツに全国各地からの観光誘客を図るよう計画された。アフターコロナを見据えた観光需要の回復や県内経済の活性化を目指すという。 「いばらきK1ライド2022」は霞ケ浦一周にチャレンジするファンライドイベント。主催はいばらきK1ライド大会事務局(東京)。開催日は10月16日。ナショナルサイクルルートにも選ばれた「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦エリアを走行しながら、途中のエイドステーションでは地元の名産品や名物グルメを楽しむ。 霞ケ浦1周コース(95キロ)のほか、土浦~潮来(霞ケ浦南岸を走行)をサイクリングし、復路はサイクルーズに乗船し、クルージングで土浦まで戻る55キロコース、土浦~かすみがうら市歩崎公園までの往復の初心者向け36キロコースが設けられる。 参加費は▽95キロ(大人6500円、中高生4000円)▽55キロ(大人7000円、中高生5000円)、36キロ(大人3500円、中高生2500円)=いずれも税込み。イベントサイトから申し込みできる。 「BIKE&CAMP」は20年10月の開催では、2日間で3500人が来場した自転車とキャンプをテーマにした旅イベント。今回は11月19日と20日、霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)を会場に開く。最新自転車の試乗、地元産品の販売、キッチンカーの出店、旅マルシェ(世界各国の雑貨など)トークショー、ワークショップ、チャリティオークション、ライドイベントなどが予定されている。入場は無料。キャンプ宿泊は別途。イベント特設サイトから申し込める。 10月9日、10日にはプレイアトレ土浦6階屋上で「食とお酒」のイベントを初開催。土浦市自慢のグルメやアトレ2階・佐藤酒店おすすめの茨城の地酒を堪能できる。イベントでは、地元の常陸秋そばを原料とするそば焼酎「土浦小町」の試飲やそば処の味などが楽しめる。県内のクラフトビールを豊富に用意しての「ビアフェス」も同時開催する。各イベントの詳細は、順次プレイアトレ土浦のホームページで公開する。 茨城デスティネーションキャンペーンの詳細はこちら。

サイクリストの宿 《日本一の湖のほとりにある街の話》1

【コラム・若田部哲】このコラムは、日本一の湖・霞ケ浦にまつわる様々なコトやモノを紹介する欄です。「日本一は琵琶湖でしょ」と思ったそこのアナタ。もちろん正解ですが、それは面積の話。一般に「霞ケ浦」と呼ばれているのは霞ケ浦の一部(西浦)で、北浦や外浪逆浦(そとなさかうら)といった水域を合わせると、「周長」日本一は霞ケ浦なのです。 この霞ケ浦周囲と、隣接する筑波山とを巡るサイクリングコースが「つくば霞ケ浦りんりんロード」として、2019年、全国で3カ所しかない「ナショナルサイクルルート」に選定されました。 今回は、このサイクルルートの起点となる駅ビル「プレイアトレ土浦」内に、2020年、オープンした「星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦」をご紹介。総支配人の大庭祐太さんにお話を伺いました。 合言葉は「ハマる輪泊」 BEB5土浦は、高級リゾート「星のや」をはじめ、様々なブランドを展開する星野リゾート初の、自転車を楽しむホテルです。 合言葉は「ハマる輪泊」。本格的サイクリストから、普段自転車に乗らない人、ビジネスマンまで、幅広い人それぞれが気軽に楽しめるホテルになっています。 気軽さ・手軽さに重点を置いており、フロントで予約のQRコードを読み取らせれば、チェックインは完了。小径車とクロスバイク2タイプの電動自転車を貸し出しているため、手ぶらで来て、気軽にサイクリングが楽しめます。 その一方、本格的なサイクリスト向けの自転車用メンテナンススペース、自転車関連サニタリーなどにも抜かりがありません。 また、館内に自転車を持ち込めるため、盗難の心配は皆無です。 客室は性格が異なる3タイプ。1つ目の「サイクルルーム」は、本格的サイクリスト向きの部屋。部屋内の壁にサイクルスタンドが設置されており、向かい側のガラス張りの浴室から、お湯に浸かりながら愛車を眺めるなんてことも可能です! 2つ目が「ヤグラルーム」。畳敷きの部屋の中央に、上がロフトベッドになっている櫓(やぐら)が組まれ、その下は大きなソファとなっている、皆でワイワイと楽しむのに最適な空間です。 3つめの「ダブルルーム」は、ビジネスにも使用しやすい、シンプルで居心地の良いスペース。いずれのタイプにも、さりげなく自転車的モチーフが散りばめられている演出が心憎いところです。 カジュアルな素材を用いつつも、細部まで計算されたプロポーションや、要所に配された名作什器(じゅうき)により、館内のどこを切り取ってもSNS映えする空間となっているのも、さすが星野リゾート。 居心地の良いスタイリッシュな空間だけでなく、季節を通して様々なアクティビティが用意され、何度も来たくなる、まさに「ハマる輪泊」が用意されています。 地域文化こそ最大の資源 自転車を楽しむホテルだけに、スタッフはみな相当なサイクリストぞろいかと思いきや、必ずしもそうでもないとのこと。逆に、そうしたスタッフの意見から生まれたアクティビティもあるそうです。 例えば、今夏開催の「朝活ブルーベリーサイクリング」では、電動アシスト付き自転車で、ホテルから片道10キロほどのブルーベリー農園に向かい、農薬無使用・有機農法のブルーベリー狩りを楽しみます。その後、収穫した果実をホテルのミキサー付自転車でスムージーにして味わう、というもの。 サイクリストなら、「えっ」と思うかもしれません。ある程度自転車に乗る人間にとって、10キロはほんの散歩程度の距離。ですが、普段自転車になじみのない人にとって、10キロは一つの壁であり、達成感も得られる絶妙な距離設定です。 生粋のサイクリストだけだったら逆に生まれにくいアイデアも、柔軟に取り入れていく。そこには星野リゾートの社風である、アイデアを自由に出し合えるフラットな組織文化があるとのこと。自転車を楽しみつつ、プラスアルファとして「この地域ならではの地域文化を楽しんでいただく」ことを念頭に、常に皆でアイデアを出し合っているのだそうです。 「自転車リゾートはまねできるが、地域文化はまねできない。茨城の豊富な地域文化こそが、このホテルの強みです」と大庭さんは語ります。 農業大国・茨城の様々な地域文化・資源と自転車の組み合わせで、これからどのようにこのホテルが成熟していくのか、とても楽しみです。(土浦市職員) 【わかたべ・てつ】筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻修了後、建築設計事務所など経て、2009年、土浦市役所入庁。地元出身が多い職場にあって、県外出身として地域への理解を深めるため、霞ケ浦周辺を歩き回り、様々な対象をイラスト化。WEBサイト「日本一の湖のほとりにある街の話」などで地域の魅力を配信。1976年生まれ。 「日本一の湖のほとりにある街の話」の公式ホームページはこちら

サイクリストの宿 《日本一の湖のほとりにある街の話》1

【コラム・若田部哲】このコラムは、日本一の湖・霞ケ浦にまつわる様々なコトやモノを紹介する欄です。「日本一は琵琶湖でしょ」と思ったそこのアナタ。もちろん正解ですが、それは面積の話。一般に「霞ケ浦」と呼ばれているのは霞ケ浦の一部(西浦)で、北浦や外浪逆浦(そとなさかうら)といった水域を合わせると、「周長」日本一は霞ケ浦なのです。 この霞ケ浦周囲と、隣接する筑波山とを巡るサイクリングコースが「つくば霞ケ浦りんりんロード」として、2019年、全国で3カ所しかない「ナショナルサイクルルート」に選定されました。 今回は、このサイクルルートの起点となる駅ビル「プレイアトレ土浦」内に、2020年、オープンした「星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦」をご紹介。総支配人の大庭祐太さんにお話を伺いました。 合言葉は「ハマる輪泊」 BEB5土浦は、高級リゾート「星のや」をはじめ、様々なブランドを展開する星野リゾート初の、自転車を楽しむホテルです。 合言葉は「ハマる輪泊」。本格的サイクリストから、普段自転車に乗らない人、ビジネスマンまで、幅広い人それぞれが気軽に楽しめるホテルになっています。 気軽さ・手軽さに重点を置いており、フロントで予約のQRコードを読み取らせれば、チェックインは完了。小径車とクロスバイク2タイプの電動自転車を貸し出しているため、手ぶらで来て、気軽にサイクリングが楽しめます。 その一方、本格的なサイクリスト向けの自転車用メンテナンススペース、自転車関連サニタリーなどにも抜かりがありません。 また、館内に自転車を持ち込めるため、盗難の心配は皆無です。 客室は性格が異なる3タイプ。1つ目の「サイクルルーム」は、本格的サイクリスト向きの部屋。部屋内の壁にサイクルスタンドが設置されており、向かい側のガラス張りの浴室から、お湯に浸かりながら愛車を眺めるなんてことも可能です! 2つ目が「ヤグラルーム」。畳敷きの部屋の中央に、上がロフトベッドになっている櫓(やぐら)が組まれ、その下は大きなソファとなっている、皆でワイワイと楽しむのに最適な空間です。 3つめの「ダブルルーム」は、ビジネスにも使用しやすい、シンプルで居心地の良いスペース。いずれのタイプにも、さりげなく自転車的モチーフが散りばめられている演出が心憎いところです。 カジュアルな素材を用いつつも、細部まで計算されたプロポーションや、要所に配された名作什器(じゅうき)により、館内のどこを切り取ってもSNS映えする空間となっているのも、さすが星野リゾート。 居心地の良いスタイリッシュな空間だけでなく、季節を通して様々なアクティビティが用意され、何度も来たくなる、まさに「ハマる輪泊」が用意されています。 地域文化こそ最大の資源 自転車を楽しむホテルだけに、スタッフはみな相当なサイクリストぞろいかと思いきや、必ずしもそうでもないとのこと。逆に、そうしたスタッフの意見から生まれたアクティビティもあるそうです。 例えば、今夏開催の「朝活ブルーベリーサイクリング」では、電動アシスト付き自転車で、ホテルから片道10キロほどのブルーベリー農園に向かい、農薬無使用・有機農法のブルーベリー狩りを楽しみます。その後、収穫した果実をホテルのミキサー付自転車でスムージーにして味わう、というもの。 サイクリストなら、「えっ」と思うかもしれません。ある程度自転車に乗る人間にとって、10キロはほんの散歩程度の距離。ですが、普段自転車になじみのない人にとって、10キロは一つの壁であり、達成感も得られる絶妙な距離設定です。 生粋のサイクリストだけだったら逆に生まれにくいアイデアも、柔軟に取り入れていく。そこには星野リゾートの社風である、アイデアを自由に出し合えるフラットな組織文化があるとのこと。自転車を楽しみつつ、プラスアルファとして「この地域ならではの地域文化を楽しんでいただく」ことを念頭に、常に皆でアイデアを出し合っているのだそうです。 「自転車リゾートはまねできるが、地域文化はまねできない。茨城の豊富な地域文化こそが、このホテルの強みです」と大庭さんは語ります。 農業大国・茨城の様々な地域文化・資源と自転車の組み合わせで、これからどのようにこのホテルが成熟していくのか、とても楽しみです。(土浦市職員) 【わかたべ・てつ】筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻修了後、建築設計事務所など経て、2009年、土浦市役所入庁。地元出身が多い職場にあって、県外出身として地域への理解を深めるため、霞ケ浦周辺を歩き回り、様々な対象をイラスト化。WEBサイト「日本一の湖のほとりにある街の話」などで地域の魅力を配信。1976年生まれ。 「日本一の湖のほとりにある街の話」の公式ホームページはこちら

かすみがうらマラソンコースを自転車散歩《ポタリング日記》7

【コラム・入沢弘子】今年は3年ぶりに日本有数の市民マラソン大会「かすみがうらマラソン」が開催決定。参加予定者の方々は胸躍る思いでしょう。 そんな気持ちを少しだけ味わいたいと思い、私も10マイルコースを折り畳み自転車で走ってみました。今回はナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦コースのごく一部。短い区間でしたが、他地域の自転車用道路と比べ、地面の凹凸や樹木の根などの障害物がなく、景色を楽しむことができ、最高のポタリングになりました。 快晴の土曜日午前9時。「りんりんポート土浦」の駐車場はまだ余裕がありました。トランクから愛車「BROMPTOM(ブロンプトン)」を取り出し、スタート地点に向かいます。 一昨年開催予定だった、第30回記念大会時にリニューアルしたスタートゲートに到着。未使用のゲートから、ランナーより少しお先に自転車で出発しました。新川を渡り、境川と並行する県道へ。この道の広い歩道は自転車通行可なので、私のような初心者ポタリストは安心です。 左手は一面のハス田の平坦な直線道。シラサギがゆるやかに飛び交っています。土浦バイパスにぶつかったら右折。両側にハス田が広がっています。今の時期は水面だけですが、初夏から秋にかけては、波のように風に揺れるハスの葉や花が見られます。 手野町南の信号を越すと、道は緩やかな上り坂になりました。民家と雑木林の単調な景色と重いペダル。ギアチェンジし、ラデッキー行進曲を歌いながらリズミカルにこいでいきます。坂を上り切った手野町信号から折り返し。途中に勾配(こうばい)4.5パーセントの標識がありました。下りは霞ケ浦越しに富士山が望める絶景です。 霞ケ浦の前に広がるハス田 坂の下に戻ったら信号を左折。石岡田伏土浦線に入ります。JA水郷つくばれんこんセンター、レンコン直売所、レンコン農園とレンコン尽くし。通称・レンコン街道です。道路から霞ケ浦まで広がる一面のハス田。今は植え付け前の準備・代かきの最中です。あぜ道には作業の軽トラックがたくさん止められていました。 沖宿郵便局を越したところで、霞ケ浦名産の看板が目に入ります。おなかが空いたので行ってみることに。「常盤商店」は、以前に土浦ブランドの仕事でお世話になったお店。住宅地の一角で、紺色の暖簾(のれん)が迎えてくれました。霞ヶ浦で獲れた魚からシラウオとエビの加工品を購入。 折り返し点から湖岸道に出ました。聞こえてくるのは、小さな波音とヒバリの声。この田村地区は土浦藩4代藩主・土屋篤直(つちや・あつなお)が編んだ「垂松亭(すいしょうてい)八景」に詠まれた場所。道沿いの古い水天宮・水神社は、霞ケ浦と肥沃(ひよく)な土地に恵まれたこの場所の農業・漁業を見守ってきたのでしょう。 霞ケ浦越しに見える、土浦駅周辺のビル群を眺めながら走っていると、あっという間にりんりんポートに到着。出発から1時間、16キロの小さな旅でした。 「かすみがうらマラソン」まであと2週間。当日の好天候と、参加者の皆さんが安全に楽しめることをお祈りしています。(広報コンサルタント)

かすみがうらマラソンコースを自転車散歩《ポタリング日記》7

【コラム・入沢弘子】今年は3年ぶりに日本有数の市民マラソン大会「かすみがうらマラソン」が開催決定。参加予定者の方々は胸躍る思いでしょう。 そんな気持ちを少しだけ味わいたいと思い、私も10マイルコースを折り畳み自転車で走ってみました。今回はナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦コースのごく一部。短い区間でしたが、他地域の自転車用道路と比べ、地面の凹凸や樹木の根などの障害物がなく、景色を楽しむことができ、最高のポタリングになりました。 快晴の土曜日午前9時。「りんりんポート土浦」の駐車場はまだ余裕がありました。トランクから愛車「BROMPTOM(ブロンプトン)」を取り出し、スタート地点に向かいます。 一昨年開催予定だった、第30回記念大会時にリニューアルしたスタートゲートに到着。未使用のゲートから、ランナーより少しお先に自転車で出発しました。新川を渡り、境川と並行する県道へ。この道の広い歩道は自転車通行可なので、私のような初心者ポタリストは安心です。 左手は一面のハス田の平坦な直線道。シラサギがゆるやかに飛び交っています。土浦バイパスにぶつかったら右折。両側にハス田が広がっています。今の時期は水面だけですが、初夏から秋にかけては、波のように風に揺れるハスの葉や花が見られます。 手野町南の信号を越すと、道は緩やかな上り坂になりました。民家と雑木林の単調な景色と重いペダル。ギアチェンジし、ラデッキー行進曲を歌いながらリズミカルにこいでいきます。坂を上り切った手野町信号から折り返し。途中に勾配(こうばい)4.5パーセントの標識がありました。下りは霞ケ浦越しに富士山が望める絶景です。 霞ケ浦の前に広がるハス田 坂の下に戻ったら信号を左折。石岡田伏土浦線に入ります。JA水郷つくばれんこんセンター、レンコン直売所、レンコン農園とレンコン尽くし。通称・レンコン街道です。道路から霞ケ浦まで広がる一面のハス田。今は植え付け前の準備・代かきの最中です。あぜ道には作業の軽トラックがたくさん止められていました。 沖宿郵便局を越したところで、霞ケ浦名産の看板が目に入ります。おなかが空いたので行ってみることに。「常盤商店」は、以前に土浦ブランドの仕事でお世話になったお店。住宅地の一角で、紺色の暖簾(のれん)が迎えてくれました。霞ヶ浦で獲れた魚からシラウオとエビの加工品を購入。 折り返し点から湖岸道に出ました。聞こえてくるのは、小さな波音とヒバリの声。この田村地区は土浦藩4代藩主・土屋篤直(つちや・あつなお)が編んだ「垂松亭(すいしょうてい)八景」に詠まれた場所。道沿いの古い水天宮・水神社は、霞ケ浦と肥沃(ひよく)な土地に恵まれたこの場所の農業・漁業を見守ってきたのでしょう。 霞ケ浦越しに見える、土浦駅周辺のビル群を眺めながら走っていると、あっという間にりんりんポートに到着。出発から1時間、16キロの小さな旅でした。 「かすみがうらマラソン」まであと2週間。当日の好天候と、参加者の皆さんが安全に楽しめることをお祈りしています。(広報コンサルタント)

霞ケ浦から桜川へ自転車散歩 《ポタリング日記》1

【コラム・入沢弘子】高架道でまちを抜けると霞ケ浦が見えてきました。こんな快晴の日の湖面は透明感のある瑠璃色。沖には数隻のヨットの白い帆がくっきり。今日は湖の近くを走ってみましょうか。 りんりんポート土浦の駐車場は、県外ナンバーでほぼ満車。ロードバイクのサイクリストの間で車から自転車を降ろします。さっき見えた土浦港に行ってみようかな。隣接する三帆ひろばでラクスマリーナのヨットを撮影。見晴らしがよく気持ちがスッとします。 停泊するモーターボートを眺めながら港沿いを行くと、日本三大水天宮の水天宮に到着。水神宮と稲荷大明神と三社が並んで見送ってくれました。近くの出島状に湖に突き出た港町地区には湖岸道があったはず。ジョギングや散歩の人たちがちらほら。岸から釣り糸を垂らす人がたくさん。小さな船だまりの木造船の先に養殖さおや漁網もあるのは、漁をしていた頃の名残かな? 湖面を渡る風は、かすかに潮の香り。 おやつは「りんりんチョコ」 秋は土浦全国花火競技大会が開催される時期。今年も中止だけれど、会場付近の様子を見に桜川を上ってみましょう。桜川堤の右岸は歩行者と自転車のみ通行可能な道が整備され、自動車も通行可能な区間は、河川敷の道に降りられるので安心。約500本の桜並木の堤防は、昔からのお花見の名所で有名です。 港町から水郷橋のたもとを渡り、常磐線の橋梁をくぐり、桜川橋、匂橋、銭亀橋、土浦橋を通過すると学園大橋に到着。この辺りが花火大会の時は桟敷席になる場所です。来年は夜空に咲く大輪の花が見られますように。 広い河川敷で休憩。土浦駅前の老舗・高月堂で買った「りんりんチョコレート」でおやつタイムです。特産品のレンコンのチップ入りチョコは食感が楽しく、まろやかな甘さに癒されます。さあ、この後はどこに行こうか。町なか探検をしようか…。 自転車と泊まれる駅のホテル 日本で2番目に大きな湖・霞ケ浦のほとりにある城下町土浦市。世界に誇る「ナショナルサイクルルート」に認定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」の玄関口です。JR土浦駅は日本で唯一のサイクリスト仕様のアトレ(「プレイアトレ土浦」)。部屋に自転車と泊まれる星野リゾートのホテルも開業しました。 サイクルウェアに身を包み、輪行バッグで改札口を通る人も多く、市内の店舗のサイクルラックにも、ロードバイクが停められている「自転車のまち」。 駅前の図書館に勤務していたころは、土浦が「自転車のまち」として変貌するのを他人事のように見ていましたが、次第に自転車ライフを楽しみたくなり、駅ビルの店で自転車を購入。小型自転車BROMPTON(ブロンプトン)は、折りたたんで車に乗せられる気軽さをとても気に入っています。 これから、土浦市やその周辺を自転車散歩した様子を「ポタリング日記」として記していきます。本格的な自転車乗りの方には物足りないと思いますが、ご容赦ください。(広報コンサルタント)

霞ケ浦から桜川へ自転車散歩 《ポタリング日記》1

【コラム・入沢弘子】高架道でまちを抜けると霞ケ浦が見えてきました。こんな快晴の日の湖面は透明感のある瑠璃色。沖には数隻のヨットの白い帆がくっきり。今日は湖の近くを走ってみましょうか。 りんりんポート土浦の駐車場は、県外ナンバーでほぼ満車。ロードバイクのサイクリストの間で車から自転車を降ろします。さっき見えた土浦港に行ってみようかな。隣接する三帆ひろばでラクスマリーナのヨットを撮影。見晴らしがよく気持ちがスッとします。 停泊するモーターボートを眺めながら港沿いを行くと、日本三大水天宮の水天宮に到着。水神宮と稲荷大明神と三社が並んで見送ってくれました。近くの出島状に湖に突き出た港町地区には湖岸道があったはず。ジョギングや散歩の人たちがちらほら。岸から釣り糸を垂らす人がたくさん。小さな船だまりの木造船の先に養殖さおや漁網もあるのは、漁をしていた頃の名残かな? 湖面を渡る風は、かすかに潮の香り。 おやつは「リンリンチョコ」 秋は土浦全国花火競技大会が開催される時期。今年も中止だけれど、会場付近の様子を見に桜川を上ってみましょう。桜川堤の右岸は歩行者と自転車のみ通行可能な道が整備され、自動車も通行可能な区間は、河川敷の道に降りられるので安心。約500本の桜並木の堤防は、昔からのお花見の名所で有名です。 港町から水郷橋のたもとを渡り、常磐線の橋梁をくぐり、桜川橋、匂橋、銭亀橋、土浦橋を通過すると学園大橋に到着。この辺りが花火大会の時は桟敷席になる場所です。来年は夜空に咲く大輪の花が見られますように。 広い河川敷で休憩。土浦駅前の老舗・高月堂で買った「リンリンチョコレート」でおやつタイムです。特産品のレンコンのチップ入りチョコは食感が楽しく、まろやかな甘さに癒されます。さあ、この後はどこに行こうか。町なか探検をしようか…。 自転車と泊まれる駅のホテル 日本で2番目に大きな湖・霞ケ浦のほとりにある城下町土浦市。世界に誇る「ナショナルサイクルルート」に認定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」の玄関口です。JR土浦駅は日本で唯一のサイクリスト仕様のアトレ(「プレイアトレ土浦」)。部屋に自転車と泊まれる星野リゾートのホテルも開業しました。 サイクルウェアに身を包み、輪行バッグで改札口を通る人も多く、市内の店舗のサイクルラックにも、ロードバイクが停められている「自転車のまち」。 駅前の図書館に勤務していたころは、土浦が「自転車のまち」として変貌するのを他人事のように見ていましたが、次第に自転車ライフを楽しみたくなり、駅ビルの店で自転車を購入。小型自転車BROMPTON(ブロンプトン)は、折りたたんで車に乗せられる気軽さをとても気に入っています。 これから、土浦市やその周辺を自転車散歩した様子を「ポタリング日記」として記していきます。本格的な自転車乗りの方には物足りないと思いますが、ご容赦ください。(広報コンサルタント)

高齢化団地で振興事業、2駅周辺でシェアサイクル つくば市長が2期目所信

【鈴木宏子】改選後初のつくば市議会12月定例会が3日開会し、五十嵐立青市長は2期目の所信を表明した。高齢化が進む住宅団地で周辺市街地振興事業を横展開するとしたほか、つくば駅と研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するなどと表明した。一方、課題の中心市街地活性化や旧総合運動公園用地について新たな言及はなかった。 まず新規感染者が急増している新型コロナウイルス感染拡大対策について、市役所窓口でのデジタル手続きを推進するほか、健康体操教室を通した高齢者の体力づくり支援、地元企業からの相談体制強化など、きめ細やかに取り組んでいくとした。 まちづくりについては、1期目に実施した、旧町村の旧市街地8地区などでの活性化協議会設立や市内外から地域活性化プランを募るコンペなどの取り組みを、他の周辺地域や住民が減少している住宅団地などにも横展開していくと強調した。 一方、中心市街地活性化については、つくばセンタービルをリニューアルして新たな市民活動拠点、市民窓口、多様な働き方を支える場を整備し、中心市街地を活性化する主体となるまちづくり会社を立ち上げるとするにとどまり、改選前の9月議会で指摘があった、まちづくり会社をだれが、どのように運営するか、収支は見合うのかなどについて言及はなかった。 1期目に「総合運動公園問題の完全解決」を最大公約に掲げながらも方向性を示すことができなかった旧総合運動公園用地については、「市民や議会の意見を聞きながら、市にとって必要な方向性について、財政面での実現可能性とも合わせてできるだけ早い段階で決定したい」とするにとどめた。 陸上競技場の整備についても、議会や有識者会議の意見を聞きながら進めていくとするにとどめた。一方、廃校跡地を活用して文化芸術拠点を整備するとし、インフラ整備では多発する災害に備え防災倉庫を含めた拠点の整備を進めるとした。 ほかに、自転車利用の促進について、つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに指定されサイクリングを楽しむ機運が高まっているとして、旧筑波東中跡地などの廃校を活用して、りんりんロードから立ち寄ることができる自転車の拠点を整備すると表明したほか、つくば駅や研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するとした。 子育て環境の整備では、子供の医療費助成について、現在、高校生は入院費用のみ助成しているマル福を、高校生の外来診療まで拡大するとした。 教育では、今後5年間でTX沿線に、香取台地区小学校、研究学園小中学校、みどりの南小中学校(学校名はいずれも仮称)を整備するとし、エアコン整備について、小中学校の特別教室や児童館のプレイルームにも拡大するとした。 福祉ではほかに、高齢者憩いの広場の整備推進や、筑波大と連携して取り組む児童発達支援センターの開設などを進めていくとした。

【気分爽快 りんりんロード】1 「自分の世界広がる」髙山了さん

秋はサイクリングシーズン。コロナ禍で、密にならない身近な野外レジャーが注目されている折、「つくば霞ケ浦りんりんロード」をさっそうと走れば気分もリフレッシュできそう。昨年ナショナルサイクルルートに指定され、モデルコースは充実、レンタサイクルもある。日々、りんりんロードと周辺を走る地元の自転車愛好家に、魅力を聞いた。 ポタリングがおもしろい 【田中めぐみ】土浦市在住の髙山了(さとる)さん(73)は、「普段の足慣らし」として日常的にりんりんロードを走っている。 定年退職後、60歳から10年かけて、奈良からローマまでのシルクロード約2万キロを自転車で横断した経験がある。以前から日本の歴史や文化のルーツをたどりたいと考え、定年になり、シルクロードを自転車旅行する愛好サークル「シルクロード雑学大学」(事務局・東京)に所属し、仲間と共に走破した。 次の新たな目標は、日本の海岸線を一周すること。自らを「鉄っちゃん(鉄道ファン)でもある」という髙山さんは、自転車と鉄道を組み合わせて一周する計画を立てている。 日頃走る、りんりんロードの魅力について「りんりんロードを軸に、気ままに脇道に入ってポタリングするのがおもしろい」と話す。「ポタリング」は、目的地を特に定めることなく自転車でめぐる散歩のこと。気ままにサイクリングすると、思いもよらぬ発見があるという。 例えば、土浦に前方後円墳があることを知っているだろうか。りんりんロードの虫掛休憩所からほど近い「常名天神山古墳」(土浦市常名)で、なんと全長約70メートルの前方後円墳が見られる。 りんりんロードを外れ、筑波山麓方面に足を延ばすと行き当たる「六所皇大神宮霊跡」(つくば市臼井)も、髙山さんには発見したばかりの興味深いスポットだ。かつて筑波山神社の里宮とされ、現在は廃社となっている。往時どのような人たちがどのように神様を拝んでいたのか、時の流れに思いをはせるという。 「平沢官衙(かんが)遺跡」(同市平沢)で立ち止まってみるのも気持ちがいい。広々とした開放感を満喫できる。北条から筑波山への参詣道である「つくば道」は日本の道百選にも選出されており、古の情緒を感じるスポットだ。 都内から訪れた人を髙山さんが案内すると「こんなところがあったとは」と皆一様に感動し、必ず喜んでくれるそうだ。 りんりんロードを霞ケ浦湖岸沿いに下り美浦村まで足を伸ばせば、初めて日本人の手によって発掘調査が行われ「日本考古学の原点」とされる「陸平(おかだいら)貝塚」がある。史跡・文化に興味ある人におすすめのスポットが満載だ。 人も歩けば望に当たる 地元の人との交流も髙山さんの楽しみのひとつになっている。田植えの季節には農作業する人に声を掛け、田植え機に詳しくなったそう。土浦出身だが「地元でも知らないところがまだまだたくさんあり、りんりんロードは何度走っても飽きることがない」という。 「犬も歩けば棒に当たる」をもじり、「人も歩けば望に当たる」と笑う。望とは新しい希望という意味だ。地域の魅力を再発見することで、自分の世界が広がっていくのを感じると話す。髙山さんの言うように、風の向くまま気の向くままに自転車で行けば、新しい希望を見つけられそうだ。 初心者はすぐ買わない 「りんりんロードはよく整備されていて、都内の有名サイクリングロードと比べても格段に走りやすい」という。比較的空いているため初心者にも安全だが、いくつか注意点があるそうだ。 まず、自転車を始めるからと言ってすぐに買わないこと。自転車には様々な種類があり重さや値段もピンキリ。自分がどのように自転車に乗るのか、スタイルが定まらないうちは中古車を買って試したり、レンタサイクルを活用したりして様子を見ることが大事だ。 走り方のスタイルが定まったら、経験者や自転車屋さんに相談しながらどのような自転車が合うか吟味するとよい。 自宅に駐車スペースがない場合は折りたためる小径車もおすすめだ。また、けが防止のためにヘルメットを着用し、服装は長袖長ズボンとし、肌を出さないこと。ハンドルの滑り止め用の手袋をはめることも必要だ。 忘れがちなのが保険加入。対人事故の可能性も考え、自転車保険に入っておくことも忘れずに。サドルの高さ調整やペダルを踏む際ひざを平行に保つこと、ブレーキのかけ方などにもコツがある。初心者はけがにつながらないようよく勉強してから始めたい。髙山さんは「自転車の楽しみ方はいろいろ。人それぞれ見つけてほしい」と話した。(続く)

19年度のサイクリスト9万3000人に つくば霞ケ浦りんりんロード 

【山崎実】県スポーツ推進課がまとめた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の2019年度利用者は9万3000人で、前年度比約1.15倍の増加をみせた。18年度実績は8万1000人。 全長約180キロに及ぶりんりんロードが昨年「ナショナルサイクルルート」に指定され、土浦駅に「星野リゾートBEB5土浦」がオープン、同駅ビルが日本最大級のサイクリングリゾートに生まれ変わったことも加わり、茨城のサイクルツーリズム人口は確実に増加傾向にある。 県と沿線9市町村で構成するつくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会(会長・大井川和彦知事)が運営する広域レンタサイクルも、昨年度の利用台数が3115台と、18年度実績の2594台から約1.2倍増加した。 特に沿線11カ所の施設からどこでも自転車の貸出・返却が可能な広域レンタサイクルは、ナショナルサイクルルート指定後の昨年11月から今年3月までの利用台数が1134台と、前年同月の679台から約1.7倍に急増した。 県はさらにサイクルツーリズムを推進するため、傷んだ路面のリニューアルや、休憩所の改修、岩瀬駅と水郷潮来バス ターミナルに、りんりんロードの起点・終点を示す看板を設置するなどの取り組みを進めている。 また今後についても沿線のビュースポットの整備や周辺観光施設、観光地への案内板の設置を予定するなど、官民連携による地域活性化を目指していく。 一方、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、土浦駅ビル1階のサイクリング拠点「りんりんスクエア」が4月14日から5月17日まで休館、広域レンタサイクルも4月11日から5月17日まで休業し、いずれも5月18日に再開したばかり。首都圏との不要不急の移動は6月18日まで自粛が要請されており、厳しいスタートとなっている。

筑波山ジオパークとりんりんロード 魅力向上へコラボ始まる

【山崎実】筑波山地域ジオパークは認定から4年目の今年、再認定審査時期を迎える(3月17日付)が、ナショナルサイクルルートとして指定を受けた「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)との政策コラボによる魅力向上策が始まっている。 同ジオパークは、2012年、つくば市、土浦市など6市で構成する推進協議会が構想を練り上げ、16年9月、日本ジオパークとして認定された。 これまで推進協を中心に、ジオツアーやジオパーク内の食材を使用した料理、食品などの認定商品を各種イベントで提供するなど情報発信してきた。しかし一方で認定機関の日本ジオパーク委員会から課題を指摘されている。具体的には、推進協議会の事務局体制の強化、県及び各市との連携強化などだ。 今月19日、同りんりんロードの起点である土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」に、駅直結のサイクリングホテル「星野リゾートBEB5(ベブファイブ)土浦」がオープンした。双方の政策コラボによる地域活性化に期待が高まる。 県によると推進協は現在、土浦駅を起点に、ハス田が広がる田村・沖宿ジオサイト(土浦市)、崖にカキの化石の密集層がある崎浜・川尻ジオサイト(かすみがうら市)、約12万年前の地層を見ることができる歩崎ジオサイト(同)など、りんりんロード周辺のジオサイトをレンタサイクルで巡るコースをモデルコースの一つとして紹介している。 さらに土浦市など推進協の各市は、歴史や地形などを説明するジオガイドと一緒に、街なかを自転車で周遊するジオツアーなどに取り組み、県はこれらの活動を支援している。 県自然博物館職員によるジオガイドの育成、ジオサイト案内板設置手続きの調整などのほか、推進協事務局と県の関係部署による庁内連絡会議を毎年開催し、意見交換や情報交換を行っている。 差し迫った筑波山地域ジオパークの再認定には県も積極的で、今後はりんりんロード周辺だけでなく、広域エリアのジオサイトを自転車で巡るサイクリングルートの設計を関係市町村に働き掛けていく考えだ。「推進協議会との連携を強化し、再認定を受けられるよう一体となって取り組みを進めていく」(県政策企画部)としている。 ➡筑波山地域ジオパークの過去記事はこちら ➡つくば霞ケ浦りんりんロードの過去記事はこちら

【つくば市20年度予算】過去最大規模を更新 学校建設ラッシュ続く

【鈴木宏子】つくば市は4日、2020年度当初予算案を市議会全員協議会に説明した。一般会計は約885億2500万円で前年度当初比0.6%増となり、過去最大規模だった前年度をさらに上回る。つくばエクスプレス(TX)沿線の児童・生徒数増加に対応するため、学校建設や校舎増築ラッシュが続く。 新設が予定されているのは、TX研究学園駅周辺の研究学園小中学校(仮称)、万博記念公園駅周辺の香取台地区小学校(同)、みどりの駅周辺のみどりの南小学校(同)の3校。研究学園小中と香取台小はいずれも23年4月開校に向け、それぞれ約1億2800万円と約9600万円で設計を行う。みどりの南小は24年4月開校に向け用地を約10億7800万円で購入し、さらに約2億1800万円で基本・実施設計をする。 ほかに小中学校3校で校舎を増築する。葛城小は21年4月からの利用開始を目指し約8億円で校舎を増築する。手代木南小と栗原小は22年4月の利用開始に向け校舎増築の設計を実施する(2校の設計費合計約5500万円)。 保育所もさらに増やす。民間保育所施設の整備補助を約14億1000万円を計上し、保育所7園、認定こども園1園、病児保育施設1園を20年度中に整備する予定だ。 旧総合運動公園 借入金返済に備え積み立て 課題となっている旧総合運動公園用地については、いったん市は売却を表明したが、市議会に特別委員会が設置され売却見直しの意見が多数となっていることから、2023年度末の土地購入費の借入金返済期限に備えて財政調整基金に6億円を積み立てる。21~23年度までは基金残高98億円を目標に3年間で毎年15億円ずつ積み立てる計画。今後、議会から示される方向性を見据えながら再検討していくという。 つくば駅前の商業施設クレオの再生に市が関与しない方針を決めた後の中心市街地のにぎわいづくりについては、市が約6000万円を出資し、官民連携の中心市街地エリアマネジメント団体を設立し活性化を図る。さらにつくばセンタービルの再整備に向け、約990万円で必要な機能や配置について検討する基本計画を策定する。 ほかに、圏央道つくば中央IC(インターチェンジ)- 常総IC間のスマートICの整備に向け、用地購入2億2600万円とNEXCO東日本への同IC建設負担金約7500万円を計上する。21年度中の利用開始が予定されている。 ナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」については、新たにつくば駅からりんりんロードまで7.5キロの推奨ルートを設定し、案内表示の路面サインをつくる(約720万円)。 つくばウェルネスパーク内のサッカー場、セキショウ・チャレンジスタジアムは経年劣化により芝の破れやほつれが発生していることから、約1億7600万円で人工芝を張り替える予定だ。 不登校児童生徒の支援では、市南部に約1200万円で新たな支援拠点を設置する。市と民間の共同事業とする計画で、共同事業は県内初という。4月以降、民間事業者を公募し10月ごろ開設する予定だ。 一方歳入は、人口増などにより、個人市民税を前年度比5.1%増、固定資産税を3.2%増と見込む。法人市民税は昨年10月の税制改正の影響で13.2%減となり、市税全体は2.4%増を見込む。 特別会計などを含めた総額は1488億800億円となり、一般会計と同様、過去最大規模を更新する。 同予算案は14日開会の市議会3月議会に提案される。五十嵐立青市長は「市未来構想が目指す4つのまちの姿の実現に向けた予算で、まいてきた種が形になる」などと話している。

【アングル土浦市長選】6 サイクリスト1.5倍に 駅ビルが起爆剤

【鈴木宏子】霞ケ浦や筑波山をめぐる全長約180キロの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の2018年度の利用者数が8万1000人と前年度の1.5倍に急増した。20年に10万人という目標を今年度中に上回りそうな勢いだ。 昨年、1.5倍に急増した理由について県地域振興課は、自転車道の整備などハード面の環境整備と、サイクリスト向けサービスの充実や情報発信などソフト面の取り組みのほかに、土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」がサイクリング拠点として開業したことが非常に大きいと分析する。 「土浦駅ビルは世界レベルのサイクリング拠点」だという評価も専門家から出ているという。駅直結の拠点施設で、シャワーやロッカーも整っていること、さらに駅ビル内にあるレストラン、物販店、コンビニまでもがすべて、自転車で利用できる「自転車ファースト」が貫かれていること、来年3月にはサイクリングを楽しむためのホテルが完成し、自転車の拠点施設としてのスケールの大きさが世界に例を見ないという評価だ。 選定されれば「次は世界」 つくば霞ケ浦りんりんロードは、日本を代表し、世界に誇る、国のナショナルサイクルルートの第1次指定候補にも選ばれた。瀬戸内海を渡る「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県・愛媛県約70キロ)、琵琶湖を一周する「ビワイチ」(滋賀県、約190キロ)と並ぶ候補だ。 正式に選ばれれば、次は「世界に打って出る」と県担当者。英語や中国語などの看板表記を増やすなど環境を整え、さらにこれまでは台湾など自転車が盛んなアジアを中心にモニターツアーなどを開催してきたが、今後は個人旅行が主の欧米などからの旅行客にもPRしたいとする。 結節点から玄関口に 駅ビル「プレイアトレ土浦」のオープンは土浦市の位置づけを、サイクリングコースの結節点から、玄関口へと変えた。 こうした中、市は今年3月、霞ケ浦を臨む土浦港周辺の旧京成ホテル跡地にサイクリング施設「りんりんポート土浦」を整備した。今年度は次の段階として、マリーナを含む南側3.9ヘクタールに民間事業者の創意工夫を生かした集客・誘客施設の整備を促せないかと、民間事業者のヒヤリングなどを実施している。気運を捉えて、官民連携による観光拠点を整備し、にぎわいを創出したい考えだ。 =終わり ➡【アングル土浦市長選】の既報はこちら

3氏が考えを表明 土浦市長選公開討論会

【鈴木宏子】任期満了に伴う土浦市長選(11月3日告示、10日投開票)を前に、土浦青年会議所主催による立候補予定者の公開討論会が29日夜、同市中央、亀城プラザで開かれた。現職の中川清氏(74)、新人で県議の安藤真理子氏(58)、新人で水墨画家の相澤保男氏(81)の3氏が出席し、市の活性化、少子化や高齢化対策、安全・安心に暮らせる政策、霞ケ浦などの観光政策についてそれぞれの考えを表明した。 市の活性化について中川氏は「中心市街地は往来が増えた」と実績を強調し、立地適正化計画に基づき、めりはりのあるまちづくりをして、周辺地区に波及させたいなどと話した。安藤氏は「神立、おおつ野、新治、荒川沖とそれぞれ街ができているが、バスがとても少ない。点と点を公共交通機関で結んで回遊性があるまちにしたい」と語った。相澤氏は「モール505の空き店舗を全部、市で借り切って高校生などに無料で貸してあげたらいい。何かが生まれる」と話した。 少子化と高齢化対策について中川氏は、新婚世帯の引っ越し費用助成や産婦健診費用助成など数々の実績を挙げて「切れ目のない継続的な子育て支援を行っている」と述べた。高齢化対策については、中学校区ごとに専門スタッフを配置して支援の輪を広げる『ふれあいネットワーク』を土浦が日本で一番先につくったと強調した。安藤氏は、市立幼稚園の廃止と市立保育所の民営化について触れ「民でできることは民でやることが大切だが、市立の幼稚園と保育所を残すことも大切」と話し、高齢化対策については「元気な高齢者が街に出て、病院に行くだけでなく、遊びや趣味も楽しめるよう、公共交通網を整備する必要がある」と述べた。相澤氏は「高齢化は避けては通れないが少子化はどうにかできる」とし「1人目が生まれたら100万円、2人目200万円、3人目300万円の一時金をあげたらどうか」などと話した。 安全安心について中川氏は、自主防犯組織やLED防犯灯設置などの実績を挙げ「刑法犯認知件数が10年で半減した」と強調。防災や医療面でも実績を強調した。安藤氏は台風19号で避難勧告が出されたことを振り返り「旧市内の避難所は満杯状態だった。避難場所の見直しの必要性を強く感じた」などと話した。相澤氏は「花火大会でも事故があった。100%安全安心はない」とした。 霞ケ浦などの観光について中川氏は「来年(土浦駅ビルに)星野リゾートのホテルがオープンすればサイクリストを街なかに引き込める。つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに選ばれたという機を逃さず首都圏のゲートウエイとして交流人口の拡大に努めたい」と話した。安藤氏は「霞ケ浦は土浦の宝。もっと多くの人が集まっていい素材」だと述べ、沿岸の市町村と連携して魅力を発信していくことが大事。SNSで情報を発信したり、足で出向いてPRしたり、国や県と連携して霞ケ浦の魅力をアップさせたい」と述べた。相澤氏は「霞ケ浦のまわりの市町村全部を合併させて人口44万人の政令市をつくり、霞ケ浦を船で行ったり来たりできる地域をつくりたい」などと語った。

《吾妻カガミ》66 自転車のまち土浦 星野リゾートの次は?

【コラム・坂本栄】「自転車のまち土浦」の追い風になるニュースが飛び込んで来ました。ひとつは「ナショナルサイクルルートに選定 つくば霞ケ浦りんりんロード」(本サイト9月18日掲載)、もうひとつは「土浦駅ビルに星野リゾート 来年3月、ホテル開業」(同9月30日掲載)です。詳細はクリックしていただくとして、この2つは土浦をブレークさせる強力なテコになるでしょう。 ナショナルサイクルルートというのは国指定のサイクリング路のことですが、琵琶湖ルート(全長190キロ)、しまなみ海道ルート(同70キロ)と並んで、つくば霞ケ浦ルート(同180キロ)も国交省のお墨付きをもらいました。旧筑波鉄道跡と湖一周路は東日本唯一の指定ルートでもあり、愛好者の人気コースになると思います。 駅ビルにホテルが入るという話は聞いていました。ビジネスの類だろうと思っていたのですが、星野リゾートが運営する、若手サイクリストを意識したカジュアルホテルと聞き、驚きました。星野ブランドを考えると、予約に苦労する宿になるのではないでしょうか。 駅ビルには、サイクリング関係の店舗・施設、開放的なレストラン・カフェ、ユニークな書店などがすでに入っており、駅から徒歩10分の湖畔にはサイクリスト用の市営駐車施設も設けられています。これらにサイクリングルート国指定と著名ホテル進出がプラスされ、「自転車のまち土浦」が全国に発信される仕掛けが整いました。 民による霞ケ浦湖畔リゾート開発 土浦の魅力発信がこれで終わりかというと、そうではありません。湖畔の市有地に、市がリゾート施設を誘致しようとしているからです。ここにはかってホテルが建っていました。ところが経営不振で廃業。跡地にマンションを建設する計画もありましたが、リーマンショックで中止。仕方なく市が取得したものの、有効利用されていない区画(一部は先のサイクリスト駐車場に)です。 市はここにリゾート施設を呼び込もうとしています。今は市の関連会社が運営しているヨット・ボート係留施設と観光船運行事業を、進出する企業に任せるのも面白いと思います。民間の知恵(ビジネスセンス)による水上(ヨット+ボート)と湖畔(サイクリング+リゾート施設)をセットにしたリゾート開発です。 湖の魅力度アップに必要な湖水の浄化は国県市の仕事です。私はその策として霞ケ浦を汽水湖(きすいこ)に戻したらと提案したことがあります。「霞ケ浦を一大リゾート地域に」という見出しのコラム(2017年12月19日掲載)です。これまでの産業政策よりも自然環境を重視する霞ケ浦浄化構想ですが、水質改善の根治(こんじ)策になると思っています。(経済ジャーナリスト) ➡坂本栄の過去のコラムはこちら

中川清市長が立候補表明 11月の土浦市長選

【鈴木宏子】任期満了に伴って11月3日告示、10日投開票で行われる土浦市長選について、現職の中川清市長(74)は11日、5選に向け立候補する意向を明らかにした。市議会9月定例会で海老原一郎氏(郁政クラブ)の一般質問に答えた。同市長選をめぐっては現時点でほかに立候補の動きは見られない。 中川市長は「体力、気力共に充実している。引き続きまちづくりの先頭に立って市政運営に全身全霊で取り組み、市の発展に全力を尽くしたい」と述べた。 4期目の実績については、新図書館と市民ギャラリーの整備、神立駅舎の橋上化、施設一体型新治義務教育学校の開校など数々の取り組みを挙げ「市発展の根幹となる社会資本整備に重点的・集中的に取り組んだ」と強調した。 ソフト面についても、土浦協同病院や霞ケ浦医療センターへの支援により医療体制を強化したほか、市内小中学校すべての普通教室にエアコンと電子黒板を整備したなどと述べた。 一方、市政の課題については「急激な人口減少、少子高齢化、ICT(情報通信技術)社会の進展など、地方を取り巻く環境は大きな転換期を迎え、変化に的確に対応することが求められている」とし「これからが土浦市の将来を決める、真価が問われる大事な時期」だと強調した。 5期目については「『改革と協働で創る未来の土浦』を基本理念に、さらなる行財政改革を推進する」としたほか、「これまで整備した施設を積極的に活用しソフト面の充実を図り個性と魅力を高めながら活気あふれるまちづくりを進める」と話した。日本を代表する自転車道『ナショナルサイクルルート』の第1次候補の一つに「つくば霞ケ浦りんりんロード」が選ばれたことにも触れ「機を逃さず、日本一のサイクリング環境の実現と新たな誘客を図る」などと語った。 中川氏は同市真鍋出身、県立土浦一高、慶応大卒。土浦商工会議所会頭、県公安委員長などを経て2003年11月から4期市長を務めている。

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