水曜日, 11月 12, 2025
ホーム ブログ ページ 170

つくば市、監査請求を棄却 住民ら「大規模事業評価骨抜き」と批判

51
監査結果について記者会見する酒井泉さん(左)と坂本博之弁護士=つくば研究交流センター内、記者クラブ

つくば市が実施するつくばセンタービルリニューアル事業は総額10億円を超えるのだから、大規模事業評価を行わないのは違法だなどとして、元大学教授の酒井泉さん(72)ら市民18人が出していた住民監査請求(5月12日付)で、市監査委員(高橋博之代表監査委員)は8日付で、請求を棄却する監査結果を出した。

酒井さんらは、リニューアル事業の整備費は総額10億3780万円で、10億円以上の事業は大規模事業評価を行うと市が要綱で定めているのだから、大規模事業評価の手続きが踏まれていないのは違法だなどとして、すでに市が支出した約7000万円の返還と未支出額の支出差し止めを求めていた。

監査結果は、市が大規模事業評価を実施しないことについて「職員が実務上の参考とするためのマニュアルに『出資は対象となりません』などと明記されている」とし、出資金6000万円は「リニューアル事業の総事業費に含まれない」という市担当課の主張は妥当だとし、出資金を差し引くと事業費は9億7780万円であることから、大規模事業評価をしなくても要綱に違反しないとした。

一方、市が昨年暮れ実施したオープンハウスや市議会全員協議会で市は、予算総額10億3780万円という整備費を示していたことから、「市民の誤解を招くことのないよう慎重な表現を心掛けた方がよかった」と付け加えた。

監査結果に対し、代理人の坂本博之弁護士は「マニュアルがあることは市民に公開されておらず、今回の監査結果は、マニュアルさえ作れば、いかようにも要綱を骨抜きにできることになる」と指摘した。酒井さんは「出資金の使途は大部分が改修などの施設整備費であり、要綱の施設整備事業に該当する。市担当課の言い分と監査委員の判断は事実を無視している」などと批判した。

ほかに、まちづくり会社は市が出資する第3セクターであるにもかかわらず、国の指針に基づく検討を行っておらず、3セクを設置する場合は指針に従って「事業そのものの地域における意義や必要性、収支などの将来見通し、費用対効果などについて検討を行い、3セク以外の事業手法も含めて具体的な比較を行うことが必要」だとする住民らの主張に対して、監査結果は「(2019年度の)中心市街地エリアマネジメント業務で検討し、同エリアマネジメント検討委員会で外部の専門家の意見を聴取したと認められるのだから(住民らの)主張に理由はない」などとした。

つくばセンタービルの中の市所有施設は公の施設なのに、市がまちづくり会社に賃貸し、さらに同社が個々の企業に賃貸の事業所として貸し出すのは、公の施設としての利用を拒否することになり地方自治法に違反するとした住民らの主張に対しては、「条例改正で、6月1日付で普通財産になったのだから自治法に違反していない」とした。

リニューアルの基本設計策定をプロポーザル方式で随意契約したのは市契約規則に違反するーなどの主張に対しては、「磯崎新氏により設計された歴史的建築価値の高い建物であるため、意匠を継承した上でリノベーションをする必要があり、設計に関して高い専門知識や技術力、実績が必要となる」とする市担当課の主張をもとに、「契約の性質または目的が競争入札に適しないものを根拠に締結されたのだから、手続きに何ら問題はない」などとし、住民らの主張をことごとく退けた。

監査結果について坂本弁護士は「総じて具体的な内容の説明を欠いている」と批判、酒井さんは「監査委員は事実関係を調べて、もう少し論理的な回答があると思っていたが無かった」と話し、今後については「市に話し合いの申し入れをしたい。我々の指摘した問題が改善される見通しがなかったら、断固として裁判をやりたい」と話し、市の対応によっては水戸地裁に提訴する考えを示した。監査結果に不服があるときは30日以内に住民訴訟を起こすことができる。(鈴木宏子)

土浦日大、多賀・神永を攻略し3回戦へ【高校野球’21】

0
【多賀-土浦日大】7回無死1塁、左翼へ適時二塁打を放つ菅野、ここからビッグイニングが始まる=ひたちなか市民

第103回全国高校野球選手権茨城大会は6日目の14日、3球場で6試合が行われた。ひたちなか市民球場の第1試合、土浦日大は注目の右腕、神永耀生を攻略し、多賀に勝利した。

土浦日大は序盤から徐々にリードを広げ、終盤に突き放す展開。多賀は8回に4点を追い上げたが力尽きた。「攻撃では攻めるべきところで攻め、良さを出すことができ、必死になって食らい付いてくる相手を引き離せた」と土浦日大の小菅勲監督。

土浦日大の先発はエース小谷野奨大。多賀は1回戦で温存したエース神永が満を持して登板。昨夏の県独自大会で常総学院を破ったことで脚光を浴び、今大会の注目投手の一人だ。

神永は6回まで8四死球ながら要所を締めるピッチング。これに対し土浦日大打線は4安打に犠飛や暴投を交え、1点ずつコツコツと加点。流れが来たのは7回。先頭の芹沢優仁主将が四球で出塁し、続く4番・菅野樹紀、5番大島優太朗が連続長打。さらに下位打線の小菅成、大木莉生、小谷野の3連打でこの回4得点。7-1とリードを広げた。

土浦日大の先発・小谷野。7回を4安打1失点に抑えた

主砲・菅野はダメ押し弾も

小谷野は4回に2安打で1点を失ったが、それ以外は散発2安打で多賀打線を抑えていた。ところが8回表、長打3本で2点を許した後、山本琉雅のツーランを浴びて計4失点。ここで山田奏太が救援に向かい、残りイニングを2安打無失点で抑えた。土浦日大はその裏、菅野がお返しとばかり2点本塁打を左翼席へ放り込み、試合を決めた。

「神永君は若干疲れもあったようだが、彼を打てたことでベンチも非常に活気が出てきた。小谷野は100球くらいから継投も考えていた。よく投げてくれたし次は暑さにも慣れ、もっと良くなると思う」と小菅監督。

「序盤は苦しかったが終盤に粘りを見せ、その後も打線がつながり、いい試合ができた。神永投手はストレートに力がありスピードもあるので、それをはね返そうと練習でやってきたことができてよかった」と菅野。

「挑戦者の気持ちで臨み、途中受け身になってしまったが、厳しい中でも自分たちの力を出しきれた」と芹沢主将。神永対策としてはバッティングマシンを使い、140キロを目で慣らして練習してきたという。「神永投手をしっかり打つことができたので勢いが出て、自信をつかむきっかけにもなった。今後も一戦必勝で、目の前の試合を勝っていきたい」(高橋浩一)

通学路の草刈り作業中また石跳ね事故 つくば市

9
つくば市役所

つくば市は13日、同市高野の市道で、市の委託業者が市道の草刈り作業中、小石が跳ね、隣接する市すこやか給食センターに駐車していた従業員の自家用車のガラスが割れる事故があったと発表した。

同市では今年5月、草刈り作業中に石跳ね事故が相次いで発生し、全委託事業者に作業中のバリケードの設置など、安全対策の徹底を指導した矢先だった。

市道路管理課によると、12日午前9時から午後0時ごろまでの間、草刈り機2台で作業をしていたところ、約10メートル離れた給食センター豊里に駐車していた軽自動車のフロントクォーターガラスが破損した。車内に人はおらず、けが人はいないという。

除草作業を実施する場合、市の仕様書にはフェンスなどのバリケードを設置するよう明記されているが、委託業者は設置してなかったという。

市は再度、改めて全業務受託業者に対し、バリケード設置など適切な保安対策を行うよう指示し、再発防止に努めるとしている。

被害者に対しては、委託業者が謝罪し、補償することを伝えた。

「地球1個分の経済社会」の実現 《ハチドリ暮らし》3

1
ジャガイモの収穫

【コラム・山口京子】「SDGs」というアルファベットをよく目にする。2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)の略だと数年前に知った。「今のままだと人間社会は持続不可能で、どこかでクラッシュする」という危機意識が根底にあるからこそ、「持続可能な社会」の標榜(ひょうぼう)なのだろう。

SDGsは「誰1人取り残さない」「地球1個分の経済社会」の実現という理念を持ち、「世界を持続可能な、かつ強くしなやかな道筋に移行させる変革をしていくこと」が目的のようだ。17のゴールと169のターゲット、262の指標が明記されている。

17のゴールの1番目は「貧困をなくす」。2020年に広がった新型コロナ感染症によって、貧困化は国内外でより進み、一方で富裕層は利益を上げているという。世界の富がどうなっているのか、「世界の名目GDP」(出典・国際通貨基金=IMF)を調べてみた。

2020年の世界の名目GDP総額は84兆4393億USドル。1位が米国で全体の約25%、2位が中国で約17%、3位が日本で約6%。この3カ国だけで48%にも上る。1人当たりGDPは、米国は5位で6万3415USドル、中国は61位で1万0483USドル、日本は23位で4万0146USドル。ちなみに、対象国192カ国の真ん中(96番目)は南アフリカで5067USドル。

GDP総額を世界の人口約78億人で割ると、1人当たり1.1万USドル。この数字を見ると、自分は使いすぎているのか、お金がかかる生活様式を選んでいるのではないかと思わざるを得ない。

日本の資源消費は地球2.8個分

考えさせられたのは、「地球1個分の経済社会」の形はどのようになるのだろうかということ。「グローバル・フットプリント・ネットワーク」によると、世界の全人口が米国レベルの資源消費をすると、地球は約5個、日本レベルなら2.8個、東チィモールレベルでは0.3個必要という。

SDGsの本質的な課題として、「世界の資源消費の総量を減らすこと」「国際的にも国内的にも適正な分配がされること」を指摘する専門家がいる。それなしにはSDGsは実現できないとも…。

高度成長期から今まで、土に還らないものをたくさん生産、消費、廃棄してきた。「土に還らないものは生産禁止」なんていう法律はできないのかしら。これからの技術に期待するよりも、今できることを実行した方が穏やかに暮らせるのではないかしら。

自分の手で掘ったジャガイモはおいしかった。ほんの少しのジャガイモだから、できたことなのだけれど…。(消費生活アドバイザー)

霞ケ浦、投げ合いの延長戦制す 【高校野球’21】

0
【牛久-霞ケ浦】10回157球を投げて試合を支えた霞ケ浦のエース山名=J:COMスタジアム土浦

第103回全国高校野球選手権茨城大会は5日目の13日、5球場で10試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第1試合、霞ケ浦は先発の山名健心が牛久の主戦・平山龍太郎と共に延長10回まで投げ合う展開、最後は四球押し出しのサヨナラ決着となった。

牛久は敬遠策が裏目に

試合はエース同士の投げ合い。中盤までに互いに2点ずつ取り合う展開だが内容は違った。牛久は8回までに8安打を放っており、得点も2回は3安打をつなぎ、6回は単打と長打で奪ったもの。一方の霞ケ浦は8回まで3安打、2回の得点は四球と敵失、5回の得点は死球と単打、犠飛で挙げた。

霞ケ浦の山名は「立ち上がりが悪かった。2ストライクからの変化球が甘く入って打たれ、ピンチの作り方も四球やエラーからと良くなかった。途中からは厳しいコースに投げられるようになった」と振り返った。

打撃について新山秀男主将は「チームとしてはライナーや強いゴロを打とうという意識だったが、徹底できなかった。自分としても高めのボールに手を出し、ポップフライやショートゲッツーになってしまった。切り替えて集中したい」と反省。「相手の緩いボールにどっしり構えられず、少しずつ前のめりになってフライを打ち上げた」と高橋祐二監督。

ようやく試合が動き始めたのは9回。霞ケ浦は2安打と犠打、四球で1死満塁、だがここは後が続かずサヨナラのチャンスを逃す。逆に10回表は1死一・二塁のピンチをつくるが、山名が相手の4、5番に対し最後の踏ん張りを見せて切り抜けた。

10回裏無死一塁、サヨナラ勝ちの流れを呼んだ飯塚の二塁打=同

そして10回裏、先頭の本橋優太郎がセーフティバントで出塁し、3番・飯塚恒介が右翼線を抜く長打、4番・宮崎莉汰が敬遠で無死満塁。だがこの敬遠策は牛久にとって裏目に出た。5番・日渡謄輝へのフルカウントからの6球目がワンバウンドになり、霞ケ浦に勝ちが転がり込んだ。

「うちは毎年出足が遅いが、それにしても苦しすぎたゲーム。バッティングはちょっとしたきっかけで上がるので、冷静になり調子を上げていきたい」と高橋監督。新山主将は「厳しい展開だったが、勝ち切れたことが大きい。次に向けてもう一度修正し、守備から流れをつくる霞ケ浦の野球をやっていきたい」と気を引き締める。(池田充雄)

スイス選手団13日つくば入り 8月2日まで筑波大などで事前合宿

3
スイス陸上選手が事前合宿で練習する筑波大学陸上競技場=つくば市天久保

東京オリンピックに出場するスイス選手団の第1陣が13日深夜、事前合宿地のつくば市に到着する(6月2日付)。8月2日まで、マウンテンバイク、陸上、柔道の選手27人とコーチら計51人が市内のホテルに宿泊しながら、筑波大学陸上競技場や柔道場などで練習する。

市オリンピック・パラリンピック推進室によると、第1陣として13日来日するのは、マウンテンバイクの選手1人とコーチ、運営スタッフ、シェフら計6人。夕方、成田空港に到着し、検疫で新型コロナ陰性を確認後、つくば市に向かう。夜11時ごろ市内のホテルに到着する予定という。選手は14日から練習し、18日につくばを離れ、選手村に入る。

第2陣は、陸上の選手23人とコーチら12人の計35人が、競技種目ごとに16日から順次、来日し、筑波大学陸上競技場などで事前合宿を行う。陸上の選手らは種目ごとに8月2日までに順次、選手村に入る。柔道も選手3人とコーチら計10人が16日来日し、21日まで、大学の柔道場で練習などを行い選手村に向かう。

ホテル公表せず

選手団と、付き添いの筑波大スタッフ、市職員、ホテルスタッフは毎日、PCR検査を実施する。選手団はホテルと練習会場を往復するだけで、外出も買い物もしないという。

宿泊するホテル名は公表しない。ワンフロアを貸し切り、食事はホテル内の専用の調理室でスイス人シェフが調理したものを、専用の部屋でとる。ホテルの出入りは、同行する市職員やホテルスタッフらが、一般の宿泊客と接触しないよう注意を払うという。

部活動と区切り設置

練習会場となる筑波大は、新型コロナ対策のため、事前合宿期間中、構内への入場は関係者のみとする。公開練習なども実施しない。一般学生がスイス選手と接触しないよう、動線や施設使用の区域を分けるなどする。

大学の担当者は取材に対し「春学期の期間中ではあるが体育実技の授業はなく、一般の学生が練習場に入ることはない。また練習場所に区切りを設けることによって、部活動で練習場を使用する学生とも接触を避けるようにしていく」と感染対策を示す。

大学構内での移動についても「選手団は決まった経路のみを利用することにしている。アテンド(付き添い)の者が選手とのソーシャルディスタンスをとりつつ同行し、学生との接触がないよう注意喚起を行う」としている。

「歓迎したいが複雑」

人間学群の男子学生(22)は「スイス選手団が来ることそのものを知らなかった」と話した。比較文化学類の女子学生(20)は「スイス選手団が来る話は聞いたことはあったが、今来るのかと驚いた。オリンピックが目の前に迫っているという感覚が全くない。大変な時期にわざわざ来るのだから歓迎したい気持ちはあるが、なんだか複雑な気持ち」だと話した。

学生とスイス選手団の交流イベントについて大学は「対面でもオンラインでも、今のところ実施の予定がない」と話した。

事前合宿はもともとは6競技の選手らが予定していた。体操、フェンシング、トライアスロンの3競技は事前合宿を取り止め、直接、選手村に入るという。(山口和紀)

「ボーン ディス ウェイ」 《続・平熱日記》89

2

【コラム・斉藤裕之】「先生、どうやって学校に来てるんですか」「車」。すると隣の男子がすかさず、「軽トラ!」というツッコミ。春先に買った中古の軽トラはその後期待通りの活躍をしているのだが、実はもうひとつの役割があったのだ。「実はねえ、長女が子供を産むためにうちに帰ってきているものだから、いつも乗っている乗用車を娘夫婦に貸しているんだよ。それにしても、なんで私が軽トラで来ているのを知ってるの?」「だって見たもん!」

別に隠すこともないが、冷やかされるのも面倒くさいと思って、生徒たちが大方登校し終わったころを見計らって、軽トラで校門を通過するようにしていたのだが…。しかし、たまたま遅刻気味のこの生徒に目撃されていて、「軽トラ先生!」と冷やかされるはめになった。

高校生だったころ、古典のK先生はセピア色の軽自動車に乗って学校に来ていた。先生のご自宅の近所に住む合田君は、「K先生の家は米屋で、あの軽自動車でよく米を配達するんよ」と教えてくれた。カラカラというやや非力なエンジン音が聞こえると「お、K先生の米屋カーじゃ!」と冷やかしていた。先生はそんなことを気にもなさらず、さっそうとしておられた。余談だが、K先生のご子息が1学年下にいて、確か現役で赤門をくぐられた。

それから、もう1人思い出すのが筑波大学の芸術系のある先生。とてもきさくでユーモアのセンスに富んだ方で、教え子の方々からも厚い信頼を得ておられたようだ。ある日、その先生がやや薄汚れた軽自動車から降りて来られるのを目撃した。地位も名誉もあるのに、メンツや外聞を気にしない。そんな先達のたくましい姿を思い出しつつも、「でもやっぱ、さすがに軽トラはねえな」。なにしろ、私の見てくれは明らかに工事関係者。

チャイルドシートが届いた

さて、大きな荷物が届いた。チャイルドシートだ。若い夫婦は早速それを私の車に取り付けた。もうすぐこのシートに乗って赤ん坊が帰ってくる。とにかく元気な子であってほしいと願うばかりだが。

登校時間の校門には生徒を乗せてくる車が次々とやって来る。国産車に交じって、高級な欧州車も少なくない。その間隙をついて、その日も軽トラで校門を通過。梅雨の晴れ間で、朝から気象予報士が「洗濯日和」を連呼していた。午後1時過ぎ。帝王切開にて3700グラムの男児を無事に出産という知らせ。すぐに動画が届いた。元気な産声を上げる立派な赤子と安心したような顔の長女。「でかした!」

待てよ、軽トラにはチャイルドシート付けられないなのかなあ。軽トラのモノラルラヂオから、ややこもり気味にレディ・ガガの曲が流れた。「ボーン ディス ウェイ」。(画家)

コールド勝ちでつくば秀英、常総に続く【高校野球’21】

0
【つくば秀英 - 緑岡】5回途中から登板しノーヒットに抑えた救援の檜垣=日立市民

第103回全国高校野球選手権茨城大会は4日目の12日から2回戦に入り、5球場で10試合が行われた。つくば・土浦勢では常総学院がつくば工科に6回コールド勝ちし、つくば秀英も投手2人で緑岡をシャットアウト、7回コールド勝ちした。土浦湖北は延長10回サヨナラ負け、土浦一は常磐大に及ばなかった。

救援の檜垣力投で零封リレー

つくば秀英は3回裏、遠山剛史が右前打で出塁し、西山悠人の左前打で1死一・三塁とすると、佐藤慈恩主将のスクイズで1点を先制。5回には金井田豪が左翼へ2点適時打を放つ。6回には3四死球から佐藤の左前打などで2点を加え、7回には桐原未来が右翼へ2点二塁打。これで7点差としてコールド勝ちが成立した。

緑岡はつくば秀英の先発・遠山に対し毎回走者を出すものの、3回1死一・二塁のダブルプレーなどでチャンスを広げられず、5回途中からは救援の檜垣力渡の前にノーヒットで終わった。

「真っすぐが好調で、コントロールも良かったので思い通りの投球ができた。緑岡打線は3、4番が長打があるので一発を警戒した。先輩の夏を絶対に壊さない、何としても抑えてやるという強い気持ちで投げた」と檜垣。

5回裏1死満塁、金井田が左前へ2点適時打を放つ

先頭打者で3安打1打点と打線を牽引した西山悠人は「初戦の難しさはあったが、先発の遠山が頑張っていたのでチャンスを作ることができ得点につながった。常総学院には秋に悔しい負け方をしたのでリベンジしたい。甲子園に向かって一戦必勝で全力で戦う」と誓った。

先制のスクイズやその前の送りバントについて、森田健文監督は「常総との対戦ではバントミスから1-0で負けたので、今日は送るときは送るなどしっかりと小技でつなぎ、一人一人が役割を果たせた」と振り返った。次の常総学院戦については「第1シードの相手に対し、挑戦者の気持ちで思い切りぶつかる」という。(池田充雄)

湖北は終盤追い付くも延長で力尽く

【土浦湖北-下妻一】9回表、同点のホームを踏んだ宮城琉空(背番号5)を迎え、ベンチが勢い付く=ひたちなか市民

土浦湖北は8、9回に3点差を追い付く粘りを見せ、延長に持ち込んだが、10回裏に力尽きた。

1-4で迎えた8回、土浦湖北は2死一塁から代打攻勢をかけ、1人目の清水俊介が四球を選び、2人目の野口彗太が左翼線への適時打で1点を返した。9回には四球と敵失、犠打で1死二・三塁の好機をつくると、稲葉悠太の内野安打と福田雄大の内野ゴロで同点とした。だが10回裏、先頭打者の中前打で無死三塁のピンチをつくると、次打者への5球目が暴投となり、無念の幕切れとなった。

敗戦投手となった塙康介主将は「外角への直球を投げるつもりが、力んで引っ掛けてしまった。スクイズも頭にあった」と振り返った。捕手の野口は「自分のせい。どんな球でも止められないといけない。ああいう形になって3年生に申し訳ない」とくちびるを噛んだ。

勝利に湧く下妻一ナインを呆然と見つめる塙

塙は投手経験はなく初の公式戦登板。エース紺屋憲人の故障により急遽1か月前から練習を始めたばかりだった。先発を務めた古川拓海は6回に疲れから制球が乱れ、一度は紺屋につないだもののやはり無理があり、8回からは塙がマウンドを守っていた。

「古川にはあと2イニング行ってほしかったが、暑さでスタミナが切れてしまった。コロナ禍で例年のような合宿や遠征などができず、苦しい場面で踏ん張る経験を積ませられなかった。内面的弱さが残っている世代で、それが大事なところで出てしまった。下級生には勝負の厳しさを感じてもらいたい」と、小川幸男監督は振り返った。(池田充雄)

濃厚接触はサッカー部の土浦市職員ら12人 聖火リレー担当者感染で

2
土浦市役所

東京オリンピックの聖火リレーで交通規制を担当していた土浦市の30代男性職員が新型コロナウイルスに感染していた問題(10日付)で、男性職員の濃厚接触者は、7日夜に市役所サッカー部で一緒に練習した市職員10人と外郭団体職員2人の計12人であることが分かった。

男性職員は7日夜8時から9時30分まで実施されたサッカー部の練習に参加した。プレー中はマスクをはずして練習したという。

市広報広聴課によると、12人は10日から自宅待機しており、12日から順次、最寄りの保健所でPCR検査を受ける。陰性が判明するまで自宅待機となる。12日時点で、症状が出ている職員はいないという。

男性職員が所属する市役所4階の下水道課を含め、市役所では12日から通常通り業務が実施されている。

一方、市スポーツ振興課によると、男性職員は、聖火リレーが実施された5日午後4時10分から6時まで、ゴール地点の市役所から約500メートル亀城公園寄りの裏通りで、車両の進入を規制する交通規制を担当していた。聖火リレーのルートとなった駅前通りの沿道には当時、大勢の市民が集まったが、沿道の交通規制は担当しておらず、聖火リレーでの濃厚接触者はいないという。

立花隆と橘孝三郎 《邑から日本を見る》91

0

【コラム・先﨑千尋】「反骨精神持つ水戸っぽ」「知の巨人」と言われた立花隆(本名:橘隆志)さんが4月30日に80歳で亡くなった。長崎市で生まれ、親の仕事の関係で中国に移り、戦後は水戸市で育った。2年時に水戸一高から都立上野高校へ転校したので一緒に学んだことはないが、立花さんは元水戸市長の佐川一信さんと仲が良かったようで、本とモノ書きが大好きな私は、レベルは格段に違っても勝手に先輩、兄貴分だと思い込んでいる。

よく知られているように、立花さんを一躍有名にしたのは、1974年に月刊『文藝春秋』に「田中角栄研究-その金脈と人脈」を発表し、田中角栄首相が失脚するきっかけを作ったことだ。ウィキペディアでは、立花さんの職業を「ジャーナリスト、ノンフィクション作家、評論家」としているが、そういう一般的な分類ではとらえ切れない人だった。

立花さんの著作は、田中角栄や日本共産党、農協、天皇と東大、宇宙、脳死、インターネットなどあらゆる分野にまたがり、私にはとても読み切れない。自分ががんと診断され、手術を受けたときは、そのことすら叙述の対象とした。『立花隆の書棚』(中央公論新社)を見ると、歴史、政治、文学、聖書、哲学、自然科学など10万冊を超える蔵書は、「すごい!」の一語に尽きる。関心のあるテーマについて徹底的に調査、分析して、社会に伝える手法を採った。万巻の書はそのために必要であり、それらを丹念に読み込んだ。

現在、佐川文庫を主宰する佐川一信さんの姉、千鶴さんは「茨城新聞」の取材に「本が体にくっついているような子だった」と述べているが、その本の読み方も、書棚の端から順に全部を読んでいたという。同紙には「(水戸市の)川又書店に弁当持参で行った」ということも書いてあり、本に対する執着は並大抵、尋常ではなかったようだ。知りたいという欲求は、性欲や食欲と並ぶ重要な本能的欲求だと位置づけている。

歴史に呼ばれて生まれてきた

立花さんの逝去に対しては多くの人が追悼文を書いているが、その中では『サンデー毎日』7月11日号の保阪正康氏の「立花隆は歴史に呼ばれてこの世に生まれてきた」がよかった。「(日本の運命は)ほとんど滅びるのが確実」という立花さんの見方を紹介し、同世代の責任として「自らの世代が背負い込んだこの時代の人類史上の問題を抽出し、次代の人たちに書籍として残す。人間本来の存在を、歴史上の哲学者や思想家の解明を整理し、新しい視点を浮かび上がらせて、人類上の方向性を示す」ことを課題とした、と書いている。モノを書く一人として肝に銘じなければ、と思う。

右翼の思想家・橘孝三郎は、立花さんの父親のいとこで、ごく近い関係だ。だが、千鶴さんは、立花さんとは孝三郎や愛郷塾の話はタブーだったと言う。先の『立花隆の本棚』には、明治維新や二・二六事件の本は出てくるが、五・一五事件を含めて愛郷塾や孝三郎の本は少ない。「ぼくの親戚には五・一五事件の関係者がいます。橘孝三郎といって」とあるのみだ(527ページ)。保阪氏の追悼文には「農本主義者の橘孝三郎」には触れているが、立花隆との関係については書かれていない。他の人の評伝を見ても2人の関係を誰も書かない。なぜなのか、私には分からない。この際、改めて孝三郎に光を当ててみるのも面白いと思う。(元瓜連町長)

土浦三、5回コールド発進【高校野球’21】

0
【土浦三―玉造工】2回裏、生還を果たした髙城魁斗=J:COMスタジアム土浦

第103回全国高校野球選手権茨城大会3日目の11日、3球場で1回戦6試合が行われた。J:COMスタジアム土浦では、序盤から打線が勢いづいた土浦三が14-1の大差を付けて玉造工に大勝した。大会は12日から2回戦に入り、常総学院など強豪校が登場する。

土浦三は1回に藤田寛大の三塁打を皮切りに打線が爆発。続く薄田匠篤が二塁打を放った上に、主将の田口雄大の三塁打などが続き、打順が一巡しても勢いが止まらず計8点を先取した。

土浦三が2回、3回と安定して得点を重ねる一方で、マウンドに立った前田隼利や土浦三守備陣が玉造工の打線を抑え、4回終了時までは14-0と無失点で試合が進んだ。

5回、玉造工に失点を許す場面があったものの大勢には影響なく、そのままコールド勝ちを収めた。

【土浦三―玉造工】力投を見せた前田隼利=同

坂本佑真監督は「バッティングのチームなので、いい形で先制できた。うまく(流れに)乗ってくれた。(今回は)点数を取り過ぎたところはあるけど、(境との)次戦は細かいところまでしっかりとやって、一球一球集中してやってくれれば」と語った。

田口雄大主将は「初回を無失点で抑えた中で、初回の攻撃も走塁ミスやプレーミスも無く常に先の塁を狙ってプレーすることができたので、その結果初回に8点取ることができたのかな」と振り返った。

今回で初めて先発投手として登板した前田は、5回の失点について「前の回に最後のバッターだったので休憩ができずに体力を欠き、最後に球が浮き始めて捕まった。変化球が浮き気味だったので、変化球でカウントを取れるようにしていきたい」と次戦に向けての改善点を示した。(崎山勝功)

コロナ禍 県内の障害者雇用5年ぶり減少

0
ハローワーク土浦=土浦市宍塚

コロナ禍で障害者雇用が厳しい状況になっている。厚労省茨城労働局(水戸市)がまとめた県内のハローワークを通じた2020年度の障害者の就職件数は、前年度比5.3%減(114件減)の2049件で、2016年度以来、5年ぶりに減少に転じた。

就職件数を新規求職申込件数で割った就職率も、0.5ポイント下がり50.7%と、2年ぶりの減少となった。

コロナ禍の就職戦線は当分、困難が続くとみられ、関係機関は障害者雇用促進法の積極的な順守を呼び掛けている。

厚労省茨城労働局まとめ

就職件数を障害別にみると、最も多い精神障害者が18.9%減(210件減)の899件、身体障害者は13.5%減(72件減)の462件だった。知的障害者は4%増(18件増)の467件だった。

産業別でみると「医療・福祉」が876件(構成比42.8%)、「製造業」が251件(同12.2%)、「卸売・小売業」が200件(同9.8%)ーなどでの就職件数が多くなっている。

また職業別(具体的な仕事の内容)では「運搬・清掃・包装等の職業」が805件(構成比39.3%)で最も多く、次いで「事務的作業」が508件(同24.8%)、「生産工程の職業」が236件(同11.5%)と続いている。

障害者の解職者数は14人だった。(山崎実)

「つくバブル」崩壊は杞憂だ 《茨城の創生を考える》19

2
ダイヤモンド筑波(筑西市)

【コラム・中尾隆友】つくば市の不動産業や住宅販売業は、もともと全国でも屈指の好環境にある。住環境に優れ、東京都心に1時間で行けるメリットが大きいからだ。この10年間で、TXつくば駅や研究学園駅から徒歩30分圏内には、手ごろな価格で購入できる住宅用地はほとんどなくなった。

それがコロナ禍によって、いっそう好環境に拍車がかかっている。テレワークの広がりによって、首都圏から地方へ移住するハードルが下がっているのだ。大手企業やベンチャー企業では、場所にとらわれない働き方を推奨しているところが多い。

その結果として、つくば駅や研究学園駅から徒歩60分かかる区画整理地でも、万博記念公園駅やみどりの駅に近い分譲地でも、住宅用地が飛ぶように売れている。

不動産業や住宅販売業に従事する人々の最大の関心事は、「つくバブル」がいつはじけるのかということだ。こんな異常な状態が続くわけがないと考えている人が多いのは、肌感覚でも理解できる。

テレワーク導入企業は今後も増える

しかし私は、「つくバブル」は意外にはじけないのではないかと考えている。日本の雇用形態がこれから10年、20年単位の時間をかけて、ジョブ型(職務内容や労働時間を定め、成果で評価する雇用形態)に切り替わっていかざるをえないからだ。

日本企業の圧倒的多数が採用するメンバーシップ型(職務に限定がない雇用形態)では、ジョブ型を採用した企業と比べて、従業員のモチベーション低下が著しい。在宅勤務でも十分に評価されるテレワークを導入する企業は、これからも増え続けていくだろう。

そういった意味では、つくばのポテンシャルは下がりにくい。かつてのバブル崩壊のように、土地価格が急落するという心配は杞憂(きゆう)なのではないだろうか。(経営アドバイザー)

県西4校連合、土浦工 敗れる【高校野球’21】

1
【県西4校連合ー麻生】タイムリーを放った筑波高の小松崎

第103回全国高校野球選手権茨城大会2日目の10日、5球場で1回戦10試合が行われた。土浦・つくば勢は、県西4校連合(筑波・真壁・明野・石下紫峰)が麻生に1-31と5回コールド負けを喫した。土浦工は那珂に3⁻6で敗れた。

2番手で登板した筑波高のフセイン

4校連合、筑波高の小松崎が得点

笠間市民球場の第1試合は県西4校連合⁻麻生。4校連合唯一の得点は、小松崎誠至(筑波高3年)が挙げた。2回表1死三塁の場面、カウント2⁻2と追い込まれた後のインコース寄りの直球を振り抜き、ショートとレフトの間に落ちる幸運なヒットとなった。「自分のバッティングができ、ランナーを返せて良かった」との感想。

小松崎は前の回、2つのセンターフライを処理したことでリズムに乗った。先頭打者の高いフライに対しては「前へ突っ込めば捕れると思い、試したらうまくいった。練習の成果があった」とのこと。3番打者のフライは難しいバックハンドでのシングルキャッチだったが、これもうまく処理した。

合同チームについては「最後に連合のみんなと野球ができて楽しかった。やっていくごとに楽しい雰囲気になった。先生方にはよく怒られたが、おかげで目の前のプレーに集中できるようになった。その集中力が今日の試合にも生きた」と振り返った。

4校連合の投手は3人の継投。このうち2人目を務めたのが筑波高のアルダヒール・フセイン。183センチ98キロの恵まれた体格から、120キロ前後の糸を引くような直球を繰り出す。ストライクを入れるため5~6割の力で投げたそうだが、6四死球と6暴投が惜しまれた。

父が日本で自動車販売の会社を始めたのを機にイラクから来日。吾妻中ではバスケでNBAを目指していたが、筑波高校にはバスケ部がなく、迷っているときに田嶋一彦監督(当時)に誘われ入部した。

「野球はイラクにはないスポーツ。見たこともなかったが、とにかく遊びでやってみようかと思い、気付いたら半年経っていた」

コロナ禍で一時帰国したこともあり、野球を経験できたのは正味1年ほど。人数もそろわず満足な練習ができない中、昼休みのシャドーピッチングなど努力を重ねてきた。

「人一倍向上心がある。1年でこんなにうまくなる子を見たことがない。最初の頃を知っているので、今日は涙が出るくらい。良いごほうびになったのでは」と田嶋前監督。今2年生だが18歳なので高校野球は今大会で卒業だそうだ。

土浦工、1勝の夢は来季へ

帽子を飛ばす力投で9回を投げきった倉持

笠間市民球場の第2試合、土浦工-那珂は、3-6で土浦工が競り負けた。6回に飯嶋柊太の2点適時打などで一度逆転するが、エース倉持直輝が8・9回に計5点を失い、再逆転を喫した。

倉持は初回、相手の要注意打者・岩崎快にソロ本塁打を浴びたが、その後はヒットは許すものの失点は許さず、粘り強いピッチングで味方の反撃を待った。

しかし打線は、相手先発投手の荒れ球に狙いが絞れず、5回までノーヒット。「あわててボール球に手を出さず、甘い球を狙おうと伝えた。だが相手もここぞというときはいい球を投げ、チャンスを広げられなかった」と小林悟樹顧問。

そして6回に好機到来。増田康太の右前打がチーム初ヒットになると、富施幸太らが3連続四球を選び、押し出しで1点を獲得。なおも1死満塁から、飯嶋が右翼への二塁打を放った。「先輩がつないでくれたので、しっかり打ってチャンスを生かそうと、ややアウトコース気味のまっすぐを逆らわずセンター方向へ打った。長打は必要ない、1点ずつ返そうと低くて強い打球を意識した」と飯嶋。

だが8回、球数が100球を超えた倉持が打ち込まれる。「序盤から高めに荒れたことが後半の疲れにつながった。負け続けているチームなので、3年生のためにも1試合は勝ちたいと思っていた。また秋にリベンジしたい」と、悔しさをにじませた。

毎年、選手層の薄さに悩んできた同校だが、今年は2年生が9人、1年生も11人入り、練習試合などでは上級生と遜色ないプレーを見せている。同じ出身中学の子たちが誘い合って入り、活気が生まれたことがさらに活気を呼ぶ好循環につながったようだ。

「笑顔で一つ一つのプレーを楽しもう」と、フレンドリーな雰囲気づくりでチームを引っ張ってきた富施主将は、来季のチームに望みを託す。「実力はあるので、チームワークやコミュニケーションを高め、アドバイスにしっかり耳を傾ければ大丈夫。勝利の報告を期待している」(池田充雄)

6回裏1死満塁、飯嶋が右翼への二塁打で2点を挙げる

土浦市職員が新型コロナ 聖火リレーで交通規制

1
土浦市役所

土浦市は10日、同市役所4階の下水道課に勤務する30代男性職員が同日、新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。職員は5日に市内で実施された東京オリンピックの聖火リレーで、午後4時10分から6時まで、車の進入を規制する交通規制を担当していた。

男性職員は翌6日、通常勤務した。7日は休暇を取得し、同日夜8時から9時30分まで市役所サッカー部の練習に参加した後、午後11時30分ごろ発熱した。翌8日からは自宅待機しPCR検査を受け、10日に陽性が判明したという。

職員は窓口業務には携わっていないという。同課は10日に消毒を実施し、週明け以降、通常業務を予定している。

職員の感染経路は不明。市は、サッカー部の練習に参加していた職員と下水道課周辺の職員を自宅待機とし、濃厚接触者のPCR検査を実施するとしている。

クレオ第2弾、22日オープン つくば駅前商業施設

8
つくば駅前の商業施設トナリエクレオ

つくば駅前の商業施設「トナリエ クレオ」を運営する日本エスコン(東京本社・港区、伊藤貴俊社長)は9日、第2弾が22日オープンすると発表した。

2階に家電量販店のケーズデンキ、3階に100円均一ショップのダイソーと、アミューズメントやゲームセンターのタイトーFステーション、幼児教室のベビーパークなどがオープンする。ほかに、1階に宅配ピザチェーンのピザハット、韓国食品スーパーのイルソイルソが出店する。

第2弾のオープンに合わせて、物質・材料研究機構が3階に夏季限定で本物を模した実験室空間を出展し、22日から25日に実験ショーを開催する。

隣接のトナリエキュート3階にはキャンプ用品の小川グランドロッジ、トナリエモグ1階には宝飾品やブランド品の買取専門店ジュエルカフェがオープンし、クレオ、キュート、モグ合わせて計8店が出店する。

さらに第3弾として秋には、2、3階などにキッズスクールや学習塾などがオープンする予定という。

クレオは5月19日、第1弾として1階に食品スーパー「ロピア」などがオープンした。西武筑波店やイオンつくば駅前店の撤退による閉店以来、5年ぶりのリニューアルオープンで、特に土日などはにぎわいが見られるようになった。(2月2日付4月28日付5月19日付

4~6階のオフィスフロアは昨年11月から順次、入居している。旧イオンつくば駅前店跡地に建設中の18階建てマンション218戸は現時点で90%が契約済みという。

今度は関鉄竜ケ崎線に乗ってみた 《茨城鉄道物語》13

2
竜ケ崎線の車両

【コラム・塚本一也】県南地域でかねてから気になる鉄道がありました。それは、関東鉄道の竜ケ崎線です。常磐線の龍ケ崎市駅(竜ケ崎線の名称は佐貫駅)で接続し、総延長4.5キロ、駅数3駅のローカル線です。一体どんな経緯で開業し、どんな人たちが利用しているのか、大変興味がありました。竜ケ崎線は茨城県最古の私鉄であり、1900年に開業し、120周年を迎えました。

そもそも常磐線が開通した1896年時には、竜ケ崎村は仙台伊達藩の領地であった歴史などから、すでに市街地として発展していました。それゆえに、常磐炭鉱の石炭を運ぶ常磐線は、地元との調整やその線形などを考慮し、今の龍ケ崎市の中心部を外れたところを通過することになりました。

しかし、鉄道輸送の必要性を感じた地元有志らの尽力により、竜ケ崎線は4年という短期間で、当時としては珍しい客車を主体とした路線として開通しました。その後、稲敷から鹿島方面への延伸計画もあったそうですが、世界恐慌により、とん挫したということです。

このように長い歴史を持つ竜ケ崎線ではありますが、近年は利用者の減少が課題であり、特に昨年は、コロナの影響により旅客収入の減収に一層拍車がかかったそうです。

ほのぼのとした空気が漂うローカル線

休日の昼、体験乗車をしてきました。交通系のICカードが使えたのは、さすが首都圏を走る鉄道と感じましたが、トイレなどもきれいに整備されており、企業努力の跡がうかがえました。車両は1両編成で、10人ぐらいの乗客がいました。鉄道マニアらしい子供を連れた家族連れもおり、結構、注目されていることに感心しました。

中でも注目すべきは、車両のつり革に、龍ケ崎名物のコロッケがキーホルダーのように飾られていたことです。家族連れも珍しそうに写真を撮っていました。竜ケ崎線が地域に愛され、それに応えるかのように、地域の名産品とコラボしているのでしょうか。なかなか粋なことをするなと、感心してしまいました。

コロナによって、あらゆる旅客輸送事業が痛手を被っていますが、どこかほのぼのとした空気が漂うローカル線に、久しぶりに癒された感じがしました。(一級建築士)

竜ケ崎線のコロッケ手すり

市立学校教員が新型コロナ つくば市

2
つくば市役所

つくば市は9日、市立学校教員1人が同日、新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。

市教育局学び推進課によると。教員が勤務する学校に濃厚接触者はいないという。

学校は消毒を実施したが、休校などの措置はとらない。

土浦一、つくば工科2回戦へ 高校野球県大会開幕

1
【土浦一―八千代】力投を見せた土浦一の鶴町開=J:COMスタジアム土浦

雨で順延となった第103回全国高校野球選手権茨城大会は9日開幕し、5球場で1回戦10試合が行われた。土浦・つくば勢は、土浦一が八千代を14⁻7の大差で破った。つくば工科は6ー5で岩瀬を下し、それぞれ2回戦に進出した。土浦二は勝田に敗れた。

土浦一、7失点ひっくり返し八千代に大勝

7回表、三塁打を放ちガッツポーズをする花垣謙=同

J:COMスタジアムの第1試合は、土浦一が序盤の7失点をひっくり返し、14-7の大差を付けて大勝した。

土浦一は1回表に先制点を決めたものの、1回裏に4失点で先発の橋口柊太から鶴町開に交代。だが2回裏に3失点で1-7と点差を広げられ、試合の流れは八千代優位に見えた。

3回以降はマウンドに立った鶴町や土浦一守備陣が八千代打線を抑える一方で、攻撃回ではコツコツと安打や盗塁を重ねて1点ずつ返し、5回表には松田瞬の二塁打を皮切りに土浦一打線が爆発。川井大輔の二塁打などが続いて一気に5点を獲得し8-7と逆転した。

7回表は花垣謙が三塁打、8回表は打席に立った鶴町が二塁打を放つなど土浦一打線は勢いを増し、14-7で8回コールド勝ちを収めた。

柴沼剛己監督は「今日の勝利は、去年思い切り野球が出来なかった代(の選手たち)を含めての勝利。3回終わった時点で2-7だったので『1点ずつ取っていけば追いつけるよ』と話し、それを本当に選手たちが(打線を)つなぐ意識でやってくれた。(投手の)鶴町が頑張る裏で3年生が一生懸命やってくれたので、3年生全員でもぎ取った勝利」と語った。

成田圭梧主将は「春(大会)負けてから『1イニング毎回1得点を取っていこう』と話し合っていたので、それが生きてきた。春の負けが今日の勝ちにつながった。あそこ(5回)で5点取れたのが大きかった」と振り返った。

勝利の立役者となった鶴町は「自分のやるべき仕事を全うできたと思う」と述べた上で、守備陣を含めた仲間に向けて「仲間への感謝の気持ちを忘れずに投げれた」と感謝の意を示した。(崎山勝功)

2年ぶりに観戦「母校応援 生きがい」

2年ぶりの有観客試合を観戦する観客たち=J:COMスタジアム土浦

昨年は「茨城県独自の大会」となり無観客(選手や保護者のみ入場可)だったが、今年は各球場に2年ぶりに一般の観客が入った。この日土浦市は小雨が降ったり止んだりの不安定な天気。J:COMスタジアム土浦では第1試合の土浦一―八千代戦を熱心な高校野球ファンらが観戦した。

有観客での開催を行うにあたり「コロナ禍での大会」として特別態勢を取り、学校応援やブラスバンド演奏応援は禁止となった。一般の来場者は入り口前で検温に応じ、手指をアルコール消毒してから入場した。検温に当たったスタッフは「皆さん、協力的でスムーズに進んでいる。高校野球に付きものの応援団が無いけど、(野球が)できるだけでもありがたい」と話した。

「地域の母校を応援するのが先輩にとっての生きがい」という土浦一高OBの川島一男さん(78)=同市=は「毎年母校の応援だけは欠かさずに来ている」と語る。孫が土浦一高の野球部所属ということで「応援に熱が入る。こうやってグラウンドを眺めて子どもたちのすがすがしい姿を見ていると元気づけられる」と語り口に熱が入る。

三塁側の階段付近には焼きそばやソフトドリンクなどの売店が2年ぶりに出店し、来場者が購入する姿が見られた。男性店員は「夏は高校野球が無いと活気が出ない。皆が楽しみにしている」と話した。(崎山勝功)

つくば工科、岩瀬に逆転勝ち

8回裏2死一・二塁、木村が逆転の中前打を放つ

笠間市民球場の第1試合は、つくば工科が岩瀬に6-5の逆転勝ちを収めた。同点で迎えた8回裏2死一・二塁の場面、木村尚樹主将が殊勲の一打。ツーボールからの直球を「絶対返そう」という気持ちで中前へ運んだ。「どちらに転んでもおかしくないゲームを、選手たちが気持ちを出して粘り強く頑張ってくれた」と佐藤将光監督。

先発投手も務めた木村は「抜け球が多かった」と苦しい投球で5回までに5失点。だが打撃では逆転打を含む3安打の活躍で、2回には反撃の口火を切る三塁打も放った。「みんなが盛り上げてくれて気持ちが楽になり、初球から狙っていけた」と好調を語る一方、今日の勝因については「チームが心を一つにして、全員で守りきれた1勝だと思う」と振り返った。

「1年生のときは体も小さくひ弱だったが、実力が付いてくるにつれて向上心が出てきた。一人だけ残った3年生として苦労してチームをまとめ、引っ張ってきた」と、佐藤監督の木村評。今のチームがスタートした時は上級生は木村だけで、メンバーは9人揃わず、試合では助っ人を頼みながら戦ってきたという。

助っ人の一人がレフトの井上直弥だが、野球部へは出戻りという形になる。足のけがの悪化で野球部を辞め、回復後はハンドボール部で活動してきた。「チームに迷惑がかかると思って退部したが、みんなが頑張っている姿を見て、悔しさや申し訳ないという気持ちがあった。だが、もう一度やりたいと思っても、どういう顔をして戻ればいいのか分からなかった」という。

3年になってハンドボール部の活動を終えた後、「お願いだから戻ってきてくれ」と木村が声を掛けてくれたときは、思わず涙目になったそうだ。6月から本格的に合流すると、2人が中心になって朝練を始めるなど、夏の大会に向けて準備を進めてきた。

そうした思いが実を結んだのが9回表、この回を守りきれば勝利という場面。相手4番打者の打球が左中間に上がった。「もしこれを落としたら無死一・三塁。みんなのために抑えようと体が勝手に動いた」と井上がこれを好捕。絶体絶命のピンチの芽を摘んだ。

「自分はあきらめかけてしまうことが多いが、野球は何があるか分からない。できる限りのプレーを出しきりたい」と井上。今度は絶対にあきらめないという気持ちで次戦に臨むという。(池田充雄)

9回表無死一塁、左中間への当たりをレフト井上が好捕

日立市民球場第2試合の土浦二⁻勝田は、土浦二が1ー9で勝田に敗れ、2回戦進出はなからなった。

土地収用視野に説明会 霞ケ浦導水 石岡トンネル

0
霞ケ浦導水事業の進ちょく状況。2020年12月現在(国交省関東地方整備局霞ケ浦導水工事事務所ホームページより引用)

土地収用法に基づく権利取得を視野に、国交省関東地方整備局は7日、霞ケ浦導水・石岡トンネル区間の事業認定申請に向けた説明会を、土浦市と小美玉市の2カ所で実施した。

導水事業は、地下トンネル方式で実施され、石岡トンネル区間においては必要な用地の約98%の区分地上権を設置している。

しかし現時点で、一部土地で任意による解決が難しいため、任意交渉だけでなく、土地収用法に基づく権利取得を視野に入れた説明会を開いた。

霞ケ浦導水は、利根川、霞ケ浦、那珂川を結ぶ流況調整河川事業で、霞ケ浦や水戸市の桜川などの水質浄化、茨城、千葉、東京都県などの水道用水、工業用水の供給などが目的。導水トンネルの延長は約45.6キロ(那珂導水路は約43キロ、利根導水路は約2.6キロ)。

関東地方整備局は、今年度予算の概要で那珂導水路工事(石岡トンネル、高浜樋管)については、既存施設の維持補修、水理水文調査、環境調査等を実施する予定としている。(山崎実)